JP2002194934A - シリンダ錠 - Google Patents

シリンダ錠

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JP2002194934A JP2000397008A JP2000397008A JP2002194934A JP 2002194934 A JP2002194934 A JP 2002194934A JP 2000397008 A JP2000397008 A JP 2000397008A JP 2000397008 A JP2000397008 A JP 2000397008A JP 2002194934 A JP2002194934 A JP 2002194934A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 製作費が安く、しかもサイドバーとサイドピ
ンとが円滑に作動するシリンダ錠を提供する。 【解決手段】 キー21のキーコード凹部25に嵌合できる
球体14が連通部に収納されるとともに、各サイドピン案
内孔11にサイドピン12がそれぞれ摺動自在に嵌装され、
該サイドピン12を上記連通部に向けて付勢する付勢手段
13が設けられ、施錠状態で外筒1の断面V字状の係止溝
1aに係止できるサイドバー17がサイドバー案内長孔16
に嵌装され、内筒2のキー孔に挿入されたキー21のキー
コード凹部25のキーコードがシリンダ錠の設定キーコー
ドと一致した状態においてのみ、上記サイドバー17の先
端部が上記外筒1の断面V字状の係止溝1aから外れて
前記内筒2内に退入できるように、上記サイドピン12と
上記サイドバー17とが形成されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扉等に取り付けら
れるシリンダ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のシリンダ錠の一例として、特公平
2−52070号公報に開示されたものがある。図12
はそのようなシリンダ錠の施錠状態を示す横断面図、図
13はこのシリンダ錠の施解錠に用いられるキーの斜視
図であって、ハウジング03内にシリンダー心栓04が回転
可能に嵌装され、そのシリンダー心栓04にはその回転軸
線に平行に延びるキー受入れ用の溝穴05が設けられてい
る。
【0003】シリンダー心栓04はその回転軸線に対して
側方に偏位した1列のくり穴06を有する。各くり穴06に
は施錠ピン07が嵌装され、各施錠ピン07は残り部分より
も小径のくびれ部分07aを有する。くびれ部分07aはす
べてそれぞれのピンの長手方向同一の位置にある。各く
り穴06にはばね015が装着され、関連するピンを図12
で下方に付勢しているが、キーが後述のように溝穴05に
挿入されるときには、各施錠ピン07はそれぞれのばね01
5に抗して可動である。
【0004】シリンダー心栓04の外周部分には長手方向
に延びる凹み020があってサイドバー010を収容してい
る。サイドバー010は断面V字形の外側部010aを有し、
シリンダー心栓04がハウジング03内で適当な角位置にあ
るとき、この外側部010aがハウジング03の内周部に形
成されたV形断面の凹み021と係合する。サイドバー010
の両端部と凹み020の後面(底面)との間にはばねが介
装されてサイドバーを外方に付勢している。サイドバー
010は、正しいキーが挿入されれば、シリンダー心栓04
を回すことによってばねの作用に抗して内方に変位する
ことができる。
【0005】サイドバー010にはその内側沿いに複数の
突耳010bが設けられている。これらの突耳010bはサイ
ドバー010上の区々の高さすなわち垂直位置に設けられ
ており、シリンダー心栓04を回そうとするときサイドバ
ー010が後退し得るためには、これらの突耳010bがそれ
ぞれの各施錠ピン07のくびれ部分07aに入らなければな
らない。各施錠ピン07はどれも同一であるから、サイド
バー010の後退のためには、各施錠ピン07がシリンダー
心栓04内のそれぞれのくり穴06の中で種々異なる垂直位
置を採らなければならない。これらの各施錠ピン07の垂
直位置をセットするのが後述するキー02のブレード部02
bの一側面部分に形成されたコード面である。
【0006】キー02は図13に詳細に図示されており、
キー把持のための頭部02aとウェブすなわちブレード部
02bとを有する。ブレード部02bはシリンダー心栓04内
中央に配置された1列の通常のピンタンブラと係合する
エッジコード02b′を担持している。図12には1組の
通常型ピンタンプラが示されており、その下ピン08と上
ピン09がそれぞれのくり穴018,019に収容されてばね016
で付勢されている。
【0007】キーブレード部02bの片側の側面部分02c
には、施錠ピン07と協働するコード02c′が設けられ、
キー02がシリンダー心栓04に完全に挿入されてピン位置
を決めるときに、施錠ピン07の下端面と係合する。
【0008】キー02をシリンダー心栓04の溝穴05に挿入
すると、ブレード部02bのエッジコード02b′によって
下ピン08と上ピン09が押上げられ、下ピン08と上ピン09
の接触面がハウジング03とシリンダー心栓04の回転境界
面に一致する。またこの時、キー02の側面に設けられた
コード02c′によって施錠ピン07が押上げられ、すべて
の施錠ピン07のくびれ部分07aの垂直位置がサイドバー
010の突耳010bと一致する。この状態でシリンダー心栓
04をキー02により回転させると、図14に示されるよう
に、サイドバー010の外側部010aの斜面がV形断面の凹
み021の斜面に押されて、サイドバー010が凹み020内を
後退し、突耳010bがくびれ部分07a内にはまり込む。
こうしてシリンダー心栓04とハウジング03との相対回転
運動が可能となり、シリンダ錠は解錠される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のシリンダ錠
においては、キー02の側面部分02cにエッジコード02
b′と同様なコード02c′を設けるので、その精密加工
に特殊な工具と熟練を必要とし、製作費が高価であっ
た。またサイドバー010には区々の高さ位置に突耳010b
を設けるので、形状が複雑となり、この加工費も高かっ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、請求項1記載の発明は、所定の横断面形状に
形成されるとともに、少なくとも一の側面にキーコード
凹部が形成されたキーによって施錠されあるいは解錠さ
れるシリンダ錠であって、内面が円筒状に形成された外
筒と、該外筒の円筒状内面に回転自在に嵌装されるとと
もに、上記キーが軸線方向へ抜差し自在に挿入されるキ
ー孔が設けられた内筒とを備え、上記外筒の円筒状内面
には軸線方向に向いた断面V字状の係止溝が形成され、
上記内筒には、該内筒の軸線方向に沿って複数のサイド
ピン案内孔が形成されるとともに、該内筒のキー孔に挿
入されたキーのキーコード凹部に対応する位置で、上記
サイドピン案内孔と上記キー孔とを連通する連通部が形
成され、かつ上記各サイドピン案内孔と連通するととも
に施錠位置において上記外筒の断面V字状の係止溝に開
口するサイドバー案内長孔が形成され、上記キーのキー
コード凹部に嵌合できる球体が上記連通部に収納される
とともに、前記各サイドピン案内孔にサイドピンがそれ
ぞれ摺動自在に嵌装され、該サイドピンを上記連通部に
向けて付勢する付勢手段が設けられ、施錠状態で上記外
筒の断面V字状の係止溝に係止できるサイドバーが上記
サイドバー案内長孔に嵌装され、上記内筒のキー孔に挿
入されたキーのキーコード凹部のキーコードがシリンダ
錠の設定キーコードと一致した状態においてのみ、上記
サイドバーの先端部が上記外筒の断面V字状の係止溝か
ら外れて前記内筒内に退入できるように、上記サイドピ
ンと上記サイドバーとが形成されたことを特徴とするも
のである。
【0011】請求項1記載の発明は前記のとおり構成さ
れ、キーの側面にキーコード凹部を設けるので、従来の
ようにキーの側面部分にエッジコード同様のコードを加
工する場合と比較すれば、製作費を格段に低減できる。
【0012】請求項1記載の発明はまた、キーのキーコ
ード凹部とサイドピンとの間に球体を介在させるので、
キーコード凹部の深さ方向とサイドピンの移動方向とが
一致していなくても、力の方向が変換され、サイドピン
案内孔内のサイドピンの移動が円滑になされる。
【0013】次に請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明において、上記サイドバーの先端部を上記外
筒の断面V字状の係止溝に圧入するよう付勢する付勢手
段が設けられたことを特徴とするものである。したがっ
て請求項2記載の発明では、キー孔からキーを引抜いた
時、サイドバーの先端部が付勢されて外筒の断面V字状
の係止溝に圧入され、確実に施錠される。
【0014】更に請求項3記載の発明は、上記請求項1
または請求項2記載の発明において、上記内筒に形成さ
れた連通部が、該内筒のキー孔とサイドピン案内孔とを
連通する切欠き部であることを特徴とするものである。
したがって請求項3の発明では、機械加工が極めて容易
である。
【0015】また、請求項4記載の発明は、上記請求項
1または請求項2記載の発明において、上記内筒に形成
された連通部が、上記内筒のサイドピン案内孔からキー
孔に向かい、上記内筒のキー孔に挿入されたキーのキー
コード凹部に対して上記球体を出没可能に案内する孔で
あることを特徴とするものである。したがって、請求項
4の発明では、内筒の組立作業および外筒への取付作業
が容易である。
【0016】次に請求項5記載の発明は、上記請求項1
ないし請求項4記載いずれかの発明において、上記内筒
のキー孔に挿入されたキーのキーコード凹部のキーコー
ドがシリンダ錠の設定キーコードと一致した状態におい
て、上記連通部より上記キーのキーコード凹部に嵌合す
る上記球体の突出量に対応して停止した上記サイドピン
の位置にて、上記サイドバーの先端部が上記外筒の断面
V字状係止溝から外れるように、上記サイドピンと上記
サイドバーとの相互当接部に係合機構が形成されたこと
を特徴とするものである。
【0017】請求項5記載の発明は上記のとおり構成さ
れ、サイドピンとサイドバーとの相互当接部に係合機構
が形成されているので、シリンダ錠の施錠・解錠が確実
に行なわれる。
【0018】また請求項6記載の発明は、上記請求項5
記載の発明において、上記係合機構では、上記サイドピ
ンに凹部または切欠きが形成され、上記サイドバーの基
端に該サイドピンの凹部または切欠きに係脱自在に嵌合
できる係合突部が形成されたことを特徴とするものであ
る。
【0019】したがって請求項6記載の発明では、サイ
ドバーが全長にわたって同一断面であっても、サイドピ
ンに形成される凹部または切欠きの位置を、キーのキー
コード凹部の深さに対応させて適切に定めることによっ
て、上記内筒のキー孔に挿入されたキーのキーコード凹
部のキーコードがシリンダ錠の設定キーコードと一致し
た状態においてのみ、サイドバーの基端係合突部をすべ
てのサイドピンの凹部に係合させることができる。その
結果、従来のサイドバーの区々の高さ位置に突耳を設け
る場合と比較して、サイドバーの製作が格段に容易とな
る。
【0020】次に請求項7記載の発明は、上記請求項1
ないし請求項6いずれか記載の発明において、上記サイ
ドピンの先端部に上記球体と接する傾斜面が形成された
ことを特徴とするものである。したがって請求項7記載
の発明では、シリンダ錠の施錠・解錠が円滑に行なわれ
る。
【0021】また請求項8記載の発明は、上記請求項7
記載の発明において、上記サイドピンの先端部の傾斜面
が該サイドピンの軸線を軸線とする円錐面であり、該サ
イドピンの上記凹部が環状であることを特徴とするもの
である。
【0022】したがって請求項8記載の発明において
は、サイドピンが軸線の周りにどのように回転しても、
その機能が損われることはなく、故障の恐れが少ない。
また、サイドピンを加工する際に回転位置決めをする必
要がないから、製作費を低減できる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態のシリ
ンダ錠を施錠あるいは解錠するのに使用されるキーの側
面図および縦断下面図である。このキー21はキー把持の
ための頭部22とブレード部23とから成る。そしてブレー
ド部23は、図示しないが所定の横断面形状に形成される
とともに、上縁にはエッジコード部24が形成されてい
る。本実施形態ではまた、ブレード部23の一側面にキー
コード凹部25が形成されている。
【0024】図2は本実施形態におけるシリンダ錠の施
錠状態を示す横断面図(図3のII−II断面図)、図3は
図2のIII−III縦断平面図である。
【0025】これらの図において、内面が円筒状に形成
された外筒1内に内筒2が回転自在に嵌装されており、
その内筒2には、前記キー21が抜差し自在に挿入される
キー孔3が設けられている。
【0026】また、軸線を通る鉛直面に沿って一列に、
外筒1と内筒2とを貫通しキー孔3に至る複数のメイン
ピン案内孔4が、穿設されている。このメインピン案内
孔4内には下ピン6、上ピン7が摺動自在に嵌装され、
メインピン案内孔4上端を塞ぐ閉じ板8との間に嵌入さ
れたスプリング9によって、下向き(キー孔3方向)に
付勢されている。これら下ピン6、上ピン7の合計長さ
は、すべてのメインピン案内孔4においてほぼ一定であ
るが、個々の長さはマチマチである。そして、図1に示
される施錠状態では、外筒1と内筒2との回転境界面
(シヤーライン)にまたがって上ピン7が位置するよう
になっており、キー孔3に挿入されたキーのエッジコー
ド部24のキーコードがシリンダ錠の設定キーコードと一
致した状態においてのみ、下ピン6と上ピン7の接触面
が外筒1と内筒2の回転境界面と一致するようになって
いる。
【0027】上記外筒1の円筒状内面には、軸線方向に
平行な断面V字状の係止溝1aが形成されている。
【0028】上記内筒2には、軸線方向に平行に配列し
て、複数のサイドピン案内孔11が穿設されている。そし
て前記キー21が内筒2のキー孔3に挿入された時、その
キー21のキーコード凹部25に対応する位置で、上記サイ
ドピン案内孔11と上記キー孔3とを連通する切欠き状の
連通部が形成され、キーコード凹部25に勘合できる球体
14がその連通部に収納されている。また上記各サイドピ
ン案内孔11にはサイドピン12がそれぞれ摺動自在に嵌装
され、スプリング13によって上記連通部に向けて付勢さ
れている。そしてサイドピン12の下端部には、上記球体
14と接する傾斜面12aが形成されている。
【0029】内筒2にはまた、各サイドピン案内孔11と
連通し、図1で示される施錠位置において前記外筒1の
断面V字状の係止溝1aに開口するサイドバー案内長孔
16が形成されている。そしてそのサイドバー案内長孔16
には、施錠状態で上記断面V字状の係止溝1aに係止で
きるサイドバー17が嵌装されている。そのサイドバー17
は、先端部が上記断面V字状の係止溝1aに対応してV
字状断面形状に形成され、その係止溝1aへ圧入される
よう、スプリング18で付勢されている。
【0030】また上記サイドバー17の基端部には係合突
部17bが形成される一方、上記サイドピン12の側面には
凹部(切欠ぎ)12bが形成されている。その切欠ぎ12b
が形成される位置は、各サイドピン12ごとに一様でな
く、上記キー孔3に挿入されるキー21のキーコード凹部
25のキーコードがシリンダ錠の設定キーコードと一致し
た状態においてのみ、サイドバー17の先端部が外筒1の
断面V字状の係止溝1aから外れて、サイドバー17が内
筒2内に後退し、基端係合突部17bがすべての切欠ぎ12
bに係合できるような位置となっている。
【0031】図2、図3に示される状態では、すべての
メインピン案内孔4において上ピン7の位置が外筒1と
内筒2との回転境界面にまたがっているので、外筒1と
内筒2との相対回転運動が阻止される。加えて本実施形
態においては、この時、サイドバー17はV字形断面の先
端部が断面V字状の係止溝1a内に入り込んでおり、し
かもすべてのサイドピン12の切欠ぎ12bがサイドバー17
の位置からずれていて、サイドバー17は後退することが
できないから、ここでも外筒1と内筒2との相対運動が
規制される。すなわち、シリンダ錠は施錠状態にある。
【0032】次に図4は図2、図3に示されるシリンダ
錠に図1に示されるキーを差込んだ状態を示す横断面
図、図5は図4に示された状態から更にキーを回転させ
た状態を示す横断面図(図7のV−V断面図)、図6は
図5と異なる断面を示す横断面図(図7のVI−VI断面
図)、図7は図5、図6のVII−VII縦断面図である。
【0033】図1に示されたキー21を内筒2のキー孔3
に挿入すると、キー21のエッジコード部24によって、下
ピン6、上ピン7はスプリング9の力に抗して押上げら
れ、すべてのメインピン案内孔4において、図4に図示
されるように、下ピン6と上ピン7との接触面が外筒1
と内筒2との回転境界面に一致するようになる。またこ
の時、キー21側面のキーコード凹部25に当接する球体14
を介して、サイドピン12の下端傾斜面12aが押され、サ
イドピン12はスプリング13の力に抗して上方へ移動す
る。そしてキーコード凹部25のキーコードがシリンダ錠
の設定キーコードと一致する限り、すべての切欠ぎ12b
がサイドバー17の位置まで移行する(図4)。この時は
まだ、サイドバー17はスプリング18により内筒2の外方
に向かって付勢されているから、V字形断面の先端部が
断面V字状の係止溝1a内に入り込んだ状態になってい
る。
【0034】この状態でキー21により内筒2を外筒1に
対して回転させると、サイドバー17の先端部の傾斜面が
断面V字状の係止溝1aの傾斜面に押され、スプリング
18の力に抗してサイドバー17がサイドバー案内孔16内を
後退し、図5、図6、図7に示されるように、サイドピ
ン12の切欠ぎ12bと係合する。こうして内筒2と外筒1
との相対運動が実現し、図示しないノッチ等を駆動し
て、扉等が開かれることになる。
【0035】本実施形態では、内筒2と外筒1との相対
回転運動を阻止する手段として、メインピン案内孔4内
の上ピン6、下ピン5による系統と、サイドピン12とサ
イドバー17の組合せによる系統の2通りの系統を備えて
いるので、キー21を用いない不正解錠(いわゆるピッキ
ング)が困難である。また、キー21がキー孔3に差込ま
れていない時、球体14が重力により最低位置、すなわち
キー孔3を塞ぐ位置に転がって来るので、不正解錠はさ
らに困難になる。
【0036】なお、球体14が上記のように重力により転
がって来る最低位置は、キー21のキーコード凹部25の深
さによって異なる。したがって各キーコード凹部25の中
心の高さは、図1の側面図に示されるとおり、一様では
ない。
【0037】本実施形態ではまた、キー21の側面に複数
のキーコード凹部25が設けられ、しかもそれらキーコー
ド凹部25の中心が前記のとおり一直線上にないので、合
鍵の製作すなわちキーの複製が極めて困難である。
【0038】そして本実施形態では、キー21の側面にキ
ーコード凹部25を設けるので、従来のようにキー02の側
面部分02cにエッジコード02b′同様のコード02c′を
加工する場合と比較すれば、製作費を格段に低減でき
る。
【0039】また、サイドピン12とキー21のキーコード
凹部25との間に球体を介在させるので、キーコード凹部
25の深さ方向とサイドピン12の移動方向とが一致してい
ないにもかかわらず、力の方向が変換され、サイドピン
案内孔11内のサイドピン12の移動が円滑になされる。さ
らに本実施形態では、キー孔3からキー21を引抜いた
時、サイドバー17の先端部がスプリング18により付勢さ
れて外筒1の断面V字状の係止溝1aに圧入され、確実
に施錠される。
【0040】加えて本実施形態では、サイドピン12に形
成される切欠ぎ12bの位置を、キー21のキーコード凹部
25の深さに対応させて適切に定めることによって、サイ
ドバー17が全長にわたって同一断面であるにもかかわら
ず、上記内筒2のキー孔3に挿入されたキー21のキーコ
ード凹部25のキーコードがシリンダ錠の設定キーコード
と一致した状態においてのみ、サイドバー17の基端係合
突部17bをサイドピン12の切欠ぎ12bに係合させること
ができる。したがって、従来のサイドバー010の区々の
高さ位置に突耳010bを設ける場合と比較して、サイド
バー17の製作が格段に容易となる。
【0041】次に図8は、本発明の第2の実施形態のシ
リンダ錠にキーを差込んだ状態を示す横断面図である。
本実施形態では、サイドピン32の下端部に、前記第1の
実施形態の傾斜面12aの代りに、円錐面32aが形成され
るとともに、側面には前記実施形態の切欠ぎ12bの代り
に、全円周にわたって環状凹部32bが形成される。その
他の部分については、前記第1の実施形態と同様なの
で、同一の符号を付け、詳しい説明を省略する。
【0042】本実施形態は、上記のとおり構成されてい
るので、サイドピン32が軸線のまわりにどのように回転
しても機能を損なわれることなく、故障の心配がない。
また、サイドピン32を加工する際に回転位置決めをする
必要がないから、製作費を低減できる。その他、前記第
1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】次に図9は本発明の第3の実施形態のシリ
ンダ錠の施錠状態を示す内筒の横断面図(図10,図1
1のIX−IX断面図)、図10は同じく縦断平面図(図
9,図11のX−X断面図)、図11は図10のXI−XI
矢視一部切欠き側面図である。
【0044】前記第1および第2の実施形態のおいて
は、内筒2の側部に下方から上方へ穿設されたサイドピ
ン案内孔11とキー孔3とを連通する切欠ぎ状の連通部が
形成されていたのに対し、本実施形態の内筒2に形成さ
れる連通部は、内筒2のサイドピン案内孔41からキー孔
3に向かって、キー孔3に挿入されるキー21のキーコー
ド凹部25に対し球体14を出没可能に案内する球体案内孔
40である。すなわち、キー孔3に挿入されるキー21のキ
ーコード凹部25位置に向かって、内筒2の下側部から水
平方向に球体案内孔40が穿設され、この球体案内孔40内
に球体14が収納・案内される。この場合、サイドピン案
内孔41は球体案内孔40の位置に上方から穿設されてい
る。そしてキー孔32を下方へ付勢するスプリング13の
上端は、円筒の一側面が切欠がれた形状のスプリング押
さえバー42によって拘束される。その他の部分について
は前記第1,第2の実施形態と同様なので、同一の符号
を付け、詳しい説明を省略する。
【0045】組付けに際しては、まず各球体案内孔40内
に球体14を収容した後、各サイドピン案内孔41内に上方
からサイドピン32を挿入する。更にスプリング13をセッ
トし、スプリング押さえバー42で押える。その場合スプ
リング押さえバー42は、図9に示される状態から軸線の
周りに180°回転した状態、すなわち円筒面を下にし
た状態で、各スプリング13を圧縮しつつ後方から挿入し
てゆき、最後に180°回転させて図9,図11に示さ
れる状態にする。
【0046】この段階で、内筒2はそれ自体で1個の安
定した組付体となり、組み込まれたスプリング13,サイ
ドピン32,球体14等は、いずれも脱落する心配はない。
その点で、スプリングやサイドピン,球体等の組み込み
を、内筒2を外筒1に組み付ける時に同時に行なわねば
ならなかった前記第1,第2の実施形態と比較すると、
本実施形態では組立作業が格段に容易になる。その他、
前記第1,第2の実施形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の一形態に使用されるキー
の側面図および縦断下面図である。
【図2】図2は本実施形態におけるシリンダ錠の施錠状
態を示す横断面図(図3のII−II断面図)である。
【図3】図3は図2のIII−III縦断平面図である。
【図4】図4は、図2、図3に示されるシリンダ錠に図
1に示されるキーを差込んだ状態を示す横断面図であ
る。
【図5】図5は図4に示された状態から更にキーを回転
させた状態を示す横断面図(図7のV−V断面図)であ
る。
【図6】図6は図5と異なる断面を示す横断面図(図7
のVI−VI断面図)である。
【図7】図7は図5、図6のVII−VII縦断面図である。
【図8】図8は本発明の第2の実施形態のシリンダ錠に
キーを差込んだ状態を示す横断面図である。
【図9】図9は本発明の第3の実施形態のシリンダ錠の
施錠状態を示す内筒の横断面図(図10,図11のIX−
IX断面図)である。
【図10】図10は同じく縦断平面図(図9,図11の
X−X断面図)である。
【図11】図11は図10のXI−XI矢視一部切欠ぎ側面
図である。
【図12】図12は従来のシリンダ錠の一例を示す施錠
状態の横断面図である。
【図13】図13は図12のシリンダ錠の施解錠に用い
られるキーの斜視図である。
【図14】図14は図12に示されるシリンダ錠に図1
3に示されるキーを差込んで回転させた状態を示す横断
面図である。
【符号の説明】
1…外筒、1a…係止溝、2…内筒、3…キー孔、4…
メインピン案内孔、6…下ピン、7…上ピン、8…閉じ
板、9…スプリング、11…サイドピン案内孔、12…サイ
ドピン、12a…傾斜面、12b…切欠ぎ、13…スプリン
グ、14…球体、16…サイドバー案内長孔、17…サイドバ
ー、17b…基端係合突部、18…スプリング、21…キー、
24…エッジコード部、25…キーコード凹部、32…サイド
ピン、32a…円錐面、32b…環状凹部、40…球体案内
孔、41…サイドピン案内孔、42…スプリング押さえバ
ー。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の横断面形状に形成されるとともに、
    少なくとも一の側面にキーコード凹部が形成されたキー
    によって施錠されあるいは解錠されるシリンダ錠であっ
    て、 内面が円筒状に形成された外筒と、 該外筒の円筒状内面に回転自在に嵌装されるとともに、
    上記キーが軸線方向へ抜差し自在に挿入されるキー孔が
    設けられた内筒とを備え、 上記外筒の円筒状内面には軸線方向に向いた断面V字状
    の係止溝が形成され、 上記内筒には、該内筒の軸線方向に沿って複数のサイド
    ピン案内孔が形成されるとともに、該内筒のキー孔に挿
    入されたキーのキーコード凹部に対応する位置で、上記
    サイドピン案内孔と上記キー孔とを連通する連通部が形
    成され、かつ上記各サイドピン案内孔と連通するととも
    に施錠位置において上記外筒の断面V字状の係止溝に開
    口するサイドバー案内長孔が形成され、 上記キーのキーコード凹部に嵌合できる球体が上記連通
    部に収納されるとともに、前記各サイドピン案内孔にサ
    イドピンがそれぞれ摺動自在に嵌装され、 該サイドピンを上記連通部に向けて付勢する付勢手段が
    設けられ、 施錠状態で上記外筒の断面V字状の係止溝に係止できる
    サイドバーが上記サイドバー案内長孔に嵌装され、 上記内筒のキー孔に挿入されたキーのキーコード凹部の
    キーコードがシリンダ錠の設定キーコードと一致した状
    態においてのみ、上記サイドバーの先端部が上記外筒の
    断面V字状の係止溝から外れて前記内筒内に退入できる
    ように、上記サイドピンと上記サイドバーとが形成され
    たことを特徴とするシリンダ錠。
  2. 【請求項2】上記サイドバーの先端部を上記外筒の断面
    V字状の係止溝に圧入するよう付勢する付勢手段が設け
    られたことを特徴とする請求項1記載のシリンダ錠。
  3. 【請求項3】上記内筒に形成された連通部は、該内筒の
    キー孔とサイドピン案内孔とを連通する切欠き部である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリン
    ダ錠。
  4. 【請求項4】上記内筒に形成された連通部は、上記内筒
    のサイドピン案内孔からキー孔に向かい、上記内筒のキ
    ー孔に挿入されたキーのキーコード凹部に対して上記球
    体を出没可能に案内する孔であることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載のシリンダ錠。
  5. 【請求項5】上記内筒のキー孔に挿入されたキーのキー
    コード凹部のキーコードがシリンダ錠の設定キーコード
    と一致した状態において、上記連通部より上記キーのキ
    ーコード凹部に嵌合する上記球体の突出量に対応して停
    止した上記サイドピンの位置にて、上記サイドバーの先
    端部が上記外筒の断面V字状係止溝から外れるように、
    上記サイドピンと上記サイドバーとの相互当接部に係合
    機構が形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求
    項4いずれか記載のシリンダ錠。
  6. 【請求項6】上記係合機構では、上記サイドピンに凹部
    または切欠きが形成され、上記サイドバーの基端に該サ
    イドピンの凹部または切欠きに係脱自在に嵌合できる係
    合突部が形成されたことを特徴とする請求項5記載のシ
    リンダ錠。
  7. 【請求項7】上記サイドピンの先端部に上記球体と接す
    る傾斜面が形成されたことを特徴とする請求項1ないし
    請求項6いずれか記載のシリンダ錠。
  8. 【請求項8】上記サイドピンの先端部の傾斜面が該サイ
    ドピンの軸線を軸線とする円錐面であり、該サイドピン
    の上記凹部が環状であることを特徴とする請求項7記載
    のシリンダ錠。
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