JP2002194432A - ばね用鋼材の製造方法 - Google Patents

ばね用鋼材の製造方法

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JP2002194432A JP2000398448A JP2000398448A JP2002194432A JP 2002194432 A JP2002194432 A JP 2002194432A JP 2000398448 A JP2000398448 A JP 2000398448A JP 2000398448 A JP2000398448 A JP 2000398448A JP 2002194432 A JP2002194432 A JP 2002194432A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面のフェライト脱炭深さが事実上ゼロであ
り、かつ、軟質で冷間加工性に優れたばね用鋼材の製造
方法を提供する。 【解決手段】 ばね鋼の鋼片を熱間圧延したのち冷却し
てばね用鋼材を製造する方法において、熱間圧延の開始
から終了までの全過程で、鋼片はそのA3変態点より高
い温度域の熱環境下にあり、かつ、冷却は、0.5〜3.
0℃/秒の冷却速度で実施されるばね用鋼材の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はばね用鋼材の製造方
法に関し、更に詳しくは、製造直後における表面のフェ
ライト脱炭深さがゼロまたは極めて浅く、また軟質でも
あるばね用鋼材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の懸架用ばねに用いる鋼材
は、概ね、次のようにして製造されている。まず、所定
鋼種の鋼片を加熱炉で所定温度に加熱して軟質化する。
ついで、この軟質化した鋼片を加熱炉から抽出し、それ
を、粗列,中間列,仕上げ列から成る圧延列に通して熱
間圧延を行い、所定線径の棒線材にする。ついで、その
棒線材を所定の温度で巻線して巻線コイルとしたのち冷
却する。この製造ラインは、上記した工程の連続ライン
として構成されていて、抽出された鋼片はこの製造ライ
ンを連続走行しながらばね用鋼材として整形されてい
く。
【0003】そして、製造されたばね用鋼材(巻線コイ
ル)に対しては、冷間での引抜加工が行われたのち、そ
の引き抜き棒線材を用いて目的とする懸架用ばねが製造
される。ところで、ばね鋼は、通常、C含有量が0.3
〜0.7重量%の鋼種であるが、この鋼種は熱間圧延の
過程で表面の脱炭が起こりやすい。この脱炭は、基地で
あるオーステナイト組織のフェライト変態に伴って生起
する脱炭であって、通常、フェライト脱炭と呼ばれてい
る。
【0004】このフェライト脱炭が起こっている鋼材、
とりわけフェライト脱炭の深さが深い鋼材は、ばね用鋼
材としての特性、とりわけ疲労強度が大きく劣化し、表
面での亀裂も発生しやすくなり、ばねの素材としては不
適格になる。したがって、ばね用鋼材の場合、他の鋼材
以上に、表面のフェライト脱炭深さがゼロであるか、ま
たは極度に浅いことが重要な要件となる。
【0005】そのため、ばね用鋼材の製造に際しては、
低温圧延や制御圧延など、熱間圧延の操業条件を適正化
して、熱間圧延の過程でフェライト脱炭を発現させない
ような処置が検討されている。しかしながら、この処置
は非常に複雑な条件設定が必要であり、そのことに伴っ
て製造ラインの全面的または部分的な変更も必要になる
などの問題があり、工業的には、必ずしも好ましいとは
いえない。
【0006】このようなことから、従来、ばね用鋼材の
製造に際しては、熱間圧延が終了した時点で、得られた
ばね用鋼材の全表面に対してグラインダ研削を行うこと
により表面のフェライト脱炭層を全て研削除去して、ば
ね用鋼材としての特性と信頼性を確保するという処置が
一般に採用されている。このような処置を施せば、熱間
圧延時に仮に表面に深いフェライト脱炭が発生しても、
そのフェライト脱炭層を除去してその鋼材をばね用鋼材
と再生することができる。
【0007】しかしながら、上記した処置は、材料歩留
まりを低下させ、また全面グラインダ研削工程を必要と
するため、結局は、ばね用鋼材の製造コストを高めると
いう問題がある。一方、ばね用鋼材(棒線材)は巻線コ
イルとして供給され、それに例えば冷間で例えば引き抜
き加工のような冷間加工が施されて目的とするばねに加
工される。
【0008】したがって、ばね用鋼材は冷間加工性に優
れていることが好ましい。例えば冷間の引き抜き時に断
線や表面亀裂が発生しないことが必要とされている。こ
のようなことから、ばね用鋼材に対しては、それが適度
に軟質であることが要求されている。このばね用鋼材の
軟質化という問題は、熱間圧延の条件によっても大きく
影響を受けるが、熱間圧延終了後の冷却過程の条件、具
体的には冷却速度の影響を強く受ける。
【0009】一般に、冷却速度を小さくすればばね用鋼
材は軟質化するが、その反面、この冷却過程で表面のフ
ェライト脱炭が起こりやすくなり、また、冷却速度を大
きくすれば、表面のフェライト脱炭は起こりにくくなる
が、今度は、硬度が高くなるという問題が発生してくる
ことが知られている。しかしながら、現在までのとこ
ろ、ばね用鋼材の製造時に、フェライト脱炭の発生を抑
制し、同時に、適度の軟質化を実現させることを目的と
して、熱間圧延とそれに続く冷却を総合的に検討すると
いうことはなされていない現状にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ばね用鋼材
の製造時における上記した問題を解決し、熱間圧延に続
く冷却工程の終了時点におけるフェライト脱炭の深さが
ゼロであるか、または極度に浅いので、事実上、表面の
全面グラインダ研削を行う必要もなく、しかも、適度に
軟質であるため冷間加工性も優れているばね用鋼材を製
造する方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した目
的を達成するために研究を重ねる過程で、フェライト脱
炭のメカニズムに関する考察を行った。すなわちまず、
熱間圧延時のフェライト脱炭は、圧延されている鋼材
が、Fe−C系状態図におけるフェライト変態領域、す
なわち、オーステナイト組織とフェライト組織の2相領
域(α+γ領域)に対応する温度域での熱処理を受ける
ことにより、基地であるオーステナイト組織にフェライ
ト変態が起こるために発生する現象であることに着目し
た。そこで、フェライト変態を起こさずオーステナイト
組織単相の温度域、具体的には、A3変態点より高い温
度域で熱間圧延を行えば、その熱間圧延時には、鋼材に
フェライト脱炭は発生しないという着想を抱き、この着
想に基づき、各種の温度で熱間圧延を行って鋼材表面に
おけるフェライト脱炭発生の有無を調べてみた。
【0012】そして同時に、熱間圧延後の冷却工程にお
ける冷却速度に関しても検討を加えて、フェライト脱炭
発生の有無を調べた。その結果、熱間圧延をA3変態点
より高い温度域で行い、同時に、冷却速度を後述する値
に設定した場合には、鋼材表面のフェライト脱炭発生は
ほとんど起こらず、しかも鋼材の適度な軟質化を実現す
ることができるとの事実を見出すに至った。
【0013】そして、この事実に基づくことにより、本
発明のばね用鋼材の製造方法を開発するに至った。すな
わち、本発明のばね用鋼材の製造方法は、ばね鋼の鋼片
を熱間圧延したのち冷却してばね用鋼材を製造する方法
において、熱間圧延の開始から終了までの全過程で、前
記鋼片はそのA3変態点より高い温度域の熱環境下にあ
り、かつ、前記冷却は、0.5〜3.0℃/秒の冷却速度
で実施されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の場合、ばね鋼の鋼片が、
圧延列で熱間圧延され、ついで必要に応じては巻線さ
れ、最後に冷却されて鋼材が製造されることは従来と変
わらないが、上記した熱間圧延が後述の温度環境下で実
施され、同時に上記した冷却が後述する冷却速度で実施
されるところに特徴がある。
【0015】まず、加熱炉から抽出した鋼片を粗列によ
る圧延を開始してから仕上げ列で圧延を終了するまでの
全過程において、この圧延列を連続走行する鋼片(鋼
材)の温度は、一貫して、その鋼種のA3変態点より高
い温度域内の温度に管理されるという態様の熱間圧延が
行われる。すなわち、熱間圧延の全過程で、鋼材は、そ
の鋼種の2相領域の温度にまで低下することは1度とし
て経験しないという熱間圧延が行われることである。
【0016】その場合、熱間圧延は、一般に、前段の圧
延列での圧延により昇熱した鋼材が自然または強制冷却
によって冷却され、それが次の圧延列に導入されるとい
う態様で連続的に進められるが、その冷却時にあって
も、鋼材の温度はそのA3変態点より高い温度となるよ
うに温度管理が実施されなければならない。したがっ
て、本発明では、上記した温度管理下にある熱間圧延の
過程では基地のオーステナイト組織でフェライト変態は
起こっていないので、その鋼材の表面では、当然、フェ
ライト脱炭が起らない状態にある。
【0017】なお、熱間圧延を実施する温度域は、圧延
対象の鋼種におけるC含有量との関係で決められる。す
なわち、Fe−C系状態図から使用鋼種のA3変態点を
調べ、そのA3変態点より高い温度域、すなわちオース
テナイト組織単相域の温度が採用する温度域として選定
される。熱間圧延後、またはそれに続く巻線後、鋼材は
冷却される。この冷却工程で、鋼材はフェライト変態領
域(α+γ領域)を必ず通過する。
【0018】本発明においては、このフェライト変態領
域の通過速度である冷却速度が0.5〜3.0℃/秒に設
定される。そして、通常、鋼材が700℃程度にまで冷
却される。この冷却速度が0.5℃/秒より遅い場合
は、鋼材を軟質化することができる。しかしその反面、
フェライト脱炭の発生頻度は高くなり、しかも発生した
フェライト脱炭の深さは深くなる。また、冷却速度を
3.0℃/秒より速くすると、フェライト脱炭の発生頻
度は事実上ゼロになるが、他方では、鋼材にベイナイト
組織が析出するようになって当該鋼材は硬化し、例えば
冷間での引き抜き加工が困難になる。
【0019】上記した冷却速度は、熱間圧延終了時点に
おける鋼材の温度、作業環境の温度を考慮し、例えば、
フード冷却,ブロア冷却,単純な大気中での放冷などを
適宜に選定して実現することができる。ただし、水冷の
実施は避けるべきである。復熱に伴う表層炭素と水蒸気
との水性ガス反応でフェライト脱炭の発生頻度が高くな
るからである。
【0020】本発明は、全てのばね鋼に適用することが
できるが、次のような組成のばね鋼に適用して有効であ
る。すなわち、C:0.3〜0.6重量%,Si:1.0
〜2.0重量%,Mn:0.1〜0.5重量%,Cr:0.
4〜1.5重量%,V:0.1〜0.3重量%,Ni:0.
2〜1.2重量%,Cu:0.1〜0.3重量%,S:0.
030重量%以下,O:0.0020重量%以下,P:
0.015重量%以下,B:0.0005〜0.0035
重量%,Nb:0.01〜0.05重量%,残部がFeと
不可避的不純物から成るばね鋼である。
【0021】ここで、上記ばね鋼における各成分とその
含有量の限定理由について説明する。Cは鋼材の靭性と
強度を確保するための成分であり、その含有量は0.3
〜0.6重量%に設定されている。0.3重量%より少な
い場合は、焼入れ、焼戻し後に必要強度が得られなくな
り、また0.6重量%より多くすると、焼入れ、焼戻し
後の靭性低下を招くとともに、疲労強度と耐遅れ破壊特
性が劣化してばね材として不適格になる。
【0022】また、Cが0.3〜0.6重量%である場
合、Fe−C系状態図から明らかなように、A3変態点
は低温側に位置しているので、熱間圧延時に採用する温
度域を選択する自由度が増し、熱間圧延時の温度管理が
行いやすくなる。Siは基地へ固溶して鋼材の耐へたり
性を高める成分であり、その含有量は1.0〜2.0重量
%に設定されている。1.0重量%より少ない場合は、
耐へたり性が不充分である。しかしながら、2.0重量
%よりも多くすると、熱間圧延時におけるフェライト脱
炭が深くなって不都合である。
【0023】Mnは脱酸剤として必要な成分である。そ
して、鋼材の強度を確保するためにその含有量は0.1
重量%以上であることが必要である。また、MnはMn
Sの形でSを固定する働きもする。しかしながら、この
MnSは熱間圧延時に延伸され、そこが腐食環境下で腐
食ピットになって亀裂発生の起点となって、耐遅れ破壊
特性を劣化させる。このようなことから、MnSの生成
量を少なくするために、Mnの含有量の上限は0.5重
量%に設定される。
【0024】Crは鋼材の焼入れ性を確保するための成
分であり、その含有量は0.4〜1.5重量%に設定され
ている。0.4重量%より少ない場合は、充分な焼入れ
性を確保することができず、また1.5重量%より多く
すると、鋼材組織が不均一となり、耐へたり性が劣化す
る。Vは微細な炭化物を形成して鋼材組織の緻密化と耐
へたり性を向上させる成分であり、その含有量は0.1
〜0.3重量%に設定されている。0.1重量%より少な
い場合は上記した効果が充分に得られず、また0.3重
量%より多くすると、炭化物の析出量が多くなって鋼材
の靭性低下を招き、また耐へたり性の劣化も招くように
なる。
【0025】Niは鋼材の焼入れ性と靭性を高める成分
であり、その含有量は0.2〜1.2重量%に設定されて
いる。0.2重量%より少ない場合は上記した効果が充
分に得られず、また1.2重量%より多くしても、その
効果は飽和し、徒にコストアップを招くようになる。C
uは鋼材の耐候性を高める成分として有効であり、その
含有量は0.1〜0.3重量%に設定されている。0.1
重量%より少ない場合は上記した効果が得られず、また
0.3重量%より多くすると、熱間圧延時の加工性が劣
化する。
【0026】SはMnと結合してMnSとなり、前記し
たように、腐食環境下で腐食ピットを生成する成分であ
るため、MnSの生成量を少なくするために、その含有
量は0.005重量%以下に規制される。Oは鋼材に酸
化物系非金属介在物を形成して、それが疲労亀裂や遅れ
破壊亀裂の起点となるので、この非金属介在物の生成量
を少なくするために、含有量は0.0020重量%以下
に規制される。
【0027】Pは鋼材の結晶粒界に偏析して結晶粒界を
脆化させるので、その含有量は0.015重量%以下に
規制される。Bは鋼材の結晶粒界に優先的に侵入し、前
記したPやSの侵入、とりわけ水素脆化の要因である水
素の侵入を予防して強度向上に資する成分であり、その
含有量は0.0005〜0.0035重量%に設定されて
いる。0.0005重量%より少ない場合は上記した効
果が充分に得られず、また0.0035重量%よりも多
くなると鋼材の靭性低下が引き起こされる。
【0028】Nbは結晶粒を微細化して鋼材の靭性を高
める成分であり、その含有量は0.010〜0.050重
量%に設定されている。0.010重量%より少ない場
合は上記した効果が得られず、また0.050重量%よ
り多くしても、効果が飽和に達するだけではなく、熱間
圧延時の加工性や冷間引き抜き時の加工性が低下するよ
うになる。
【0029】なお、上に列記した成分のうち、BとNb
は、その理由は明確ではないが、他の成分との相互作用
の下で、熱間圧延時におけるフェライト脱炭の発生を抑
制する働きも備えている。
【0030】
【実施例】C:0.39重量%,Si:1.79重量%,
Mn:0.18重量%,Cr:0.96重量%,V:0.
16重量%,Ni:0.48重量%,Cu:0.23重量
%,S:0.003重量%,O:0.0011重量%,
P:0.011重量%,B:0.0012重量%,Nb:
0.022重量%,残部がFeと不可避的不純物から成
るばね鋼の鋼片を用意した。
【0031】Fe−C系状態図によれば、このばね鋼の
A3変態点は830℃,A1変態点は780℃である。
この鋼片を温度1050℃で加熱炉から抽出したのち、
通常の熱間圧延を行い、線径13mmの鋼材にした。この
圧延の途中で、被圧延材が粗列,中間列、仕上げ列をそ
れぞれ出た時点で当該被圧延材の温度をパイロメータで
測定した。その結果を表1に示す。なお、表中の数字は
n=3のときの平均温度である。
【0032】
【表1】
【0033】ついで、表面温度900℃で巻線を行った
のち、温度700℃まで表2で示した冷却速度の制御冷
却を行った。得られた鋼材につき、下記の仕様でフェラ
イト脱炭の深さと中心部の硬度(HRC)を測定した。 フェライト脱炭の深さ:線径13mmの巻取線材の先端
部,中央部,後端部のそれぞれから試料を採取し、その
ミクロ組織を観察して脱炭深さを測定。
【0034】硬度(HRC):線材13mmの巻取線材の
先端部,中央部,後端部のそれぞれから試料を採取し、
その硬度をロックウェル硬度計で測定。 表中の数字は、先端部,中央部,後端部の測定値の平均
値である。以上の結果を表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】表1,2から次のことが明らかである。 (1)熱間圧延をA3変態点より高い温度で行い、か
つ、冷却速度を0.5〜3.0℃/秒に管理して得られた
鋼材(実施例1,2)は、フェライト脱炭の深さが最大
でも0.02mmであり、しかもHRC35以下の軟質な
鋼材になっている。
【0037】(2)熱間圧延をA3変態点より高い温度
で行っても、冷却速度が0.5〜3.0℃/秒から外れて
いる鋼材(比較例1,2)は、フェライト脱炭が深いか
(比較例1)、硬質であるか(比較例2)のいずれかに
なってしまう。 (3)また、冷却速度が0.5〜3.0℃/秒の範囲内で
あっても、熱間圧延の過程で、1度でもフェライト変態
領域の温度環境下にあった鋼材(比較例4,5)は、フ
ェライト脱炭の深さが深くなっている。
【0038】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、表面のフェライト脱炭深さが事実上ゼロであ
り、またHRCが35以下と冷間加工性に優れた軟質な
ばね鋼材を製造することができる。したがって、このば
ね鋼材は、従来のように、全面グラインダ研削を行うこ
となく使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね鋼の鋼片を熱間圧延したのち冷却し
    てばね用鋼材を製造する方法において、 熱間圧延の開始から終了までの全過程で、前記鋼片はそ
    のA3変態点より高い温度域の熱環境下にあり、かつ、
    前記冷却は、0.5〜3.0℃/秒の冷却速度で実施され
    ることを特徴とするばね用鋼材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ばね鋼が、C:0.3〜0.6重量
    %,Si:1.0〜2.0重量%,Mn:0.1〜0.5重
    量%,Cr:0.4〜1.5重量%,V:0.1〜0.3重
    量%,Ni:0.2〜1.2重量%,Cu:0.1〜0.3
    重量%,S:0.030重量%以下,O:0.0020重
    量%以下,P:0.015重量%以下,B:0.0005
    〜0.0035重量%,Nb:0.01〜0.05重量
    %,残部がFeと不可避的不純物から成る請求項1のば
    ね用鋼材の製造方法。
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