JP2002193813A - デコイを含む薬学的組成物およびその使用方法 - Google Patents
デコイを含む薬学的組成物およびその使用方法Info
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Abstract
の発現に起因する疾患を処置する薬学的組成物およびそ
の使用方法を提供する。 【解決手段】 NF−κBまたはetsに制御される遺
伝子の発現に起因する疾患を治療および予防するための
薬学的組成物であって、少なくとも1つのデコイ、およ
び薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物。
Description
る、転写調節因子が結合する部位と特異的に結合する化
合物(例えば、核酸およびその類似体)を含む組成物お
よびその使用方法に関する。より詳細には、本発明は、
デコイ化合物を含む組成物およびその使用方法に関す
る。
患およびウイルス感染症などの種々の疾患は、それぞれ
異なる症状を示すにもかかわらず、その大部分は、1種
類または数種類のタンパク質が、異常発現(過剰発現ま
たは過少発現)したことに起因することが示唆されてい
る。一般に、これらタンパク質の発現は、種々の転写活
性因子および転写抑制遺伝子などの転写調節因子によっ
て制御されている。
イマーからなる転写調節因子である。NF−κBは、通
常、その阻害因子IκBが結合した形で細胞質内に存在
し、その核内移行が阻止されている。ところが、何らか
の原因で、サイトカイン、虚血、再灌流などの刺激が加
わると、IκBがリン酸化を受けて分解され、それによ
ってNF−κBが活性化されて核内に移行する。核内に
移行したNF−κBは、染色体上のNF−κB結合部位
に結合し、その下流にある遺伝子の転写を促進する。N
F−κB結合部位の下流にある遺伝子として、例えば、
IL−1、IL−6、IL−8、腫瘍壊死因子α(TN
Fα)などの炎症性サイトカイン類、VCAM−1、I
CAM−1などの接着因子が知られている。
関与し得る(Rayet Bら、Oncogene 1
999 Nov 22;18(49)6938−4
7);NF−κBは、低酸素症ストレスに対する腫瘍細
胞の応答に関与する(RoydsJAら、Mol Pa
thol 1998 Apr;51(2):55−6
1);NF−κBデコイは、慢性関節リウマチ患者由来
の滑膜細胞におけるサイトカインおよび接着分子の発現
を阻害する(Tomita Tら、Rheumatol
ogy(Oxford) 2000 Jul;39
(7):749−57);NF−κBを含む複数の転写
因子間の協力作用の抑制は、種々の癌の悪性表現型を変
える(Denhardt DT、Crit Rev O
ncog 1996;7(3−4):261−91);
緑茶ポリフェノールによるNF−κB活性のダウンレギ
ュレーションは、一酸化窒素合成酵素の誘導をブロック
し、A431ヒト類表皮癌細胞を抑制する(Lin J
Kら、Biochem Pharmacol 1999
Sep 15;58(6):911−5);アルツハ
イマー病患者の脳で見られるアミロイドβペプチドは、
神経芽腫細胞において、75kD神経栄養因子レセプタ
ー(p75NTR)に結合することにより、NF−κB
を時間依存性様式および用量依存性様式で活性化する
(Kuper Pら、JNeurosci Res 1
998 Dec 15;54(6):798−80
4);NF−κBで活性化されるTNFαは、糸球体腎
炎の発症に重要な役割を演じる(Ardaillou
ら、Bull Acad Natl Med1995
Jan;179(1)103−15)。NF−κBデコ
イは、TNFαで誘導されるマウス腎炎においてサイト
カインおよび接着分子の発現をインビボで阻害する(T
omlta Nら、Gene Ther 2000 A
ug;7(15)1326−32);など。
イナーゼ(MMP)のメンバーであるMMP1およびM
MP9を転写レベルで抑制することが示唆された(Am
plification of IL−1beta−i
nduced matrixmetalloprote
inase−9 expression by sup
eroxide in rat glomerular
mesangial cells is media
ted by increased activiti
es of NF−kappaB and activ
atingprotein−1 and involv
es activation ofthe mitog
en−activated protein kina
se pathways. Eberhardt W,
Huwiler A,Beck KF, Walpe
n S, Pfeilschifter J.J Im
munol 2000 Nov 15、165(1
0)、5788−97;Nuclear factor
kappaB activity isessent
ial for matrix metallopro
teinase−1 and −3 upregula
tion in rabbit dermal fib
roblasts. Biochem Biophys
Res Commun.Bond M,Baker
AH, Newby AC.1999 Oct 22、
264(2)、561−7;Synergistic
upregulation of metallopr
oteinase−9 by growth fact
ors and inflammatorycytok
ines: an absolute require
mentfor transcription fac
tor NF−kappa B.Bond M, Fa
bunmi RP, Baker AH, Newby
AC. FEBS Lett 1998 Sep 1
1、435(1)、29−34;およびLipopol
ysaccharide activates mat
rix metalloproteinase−2 i
n endothelial cells throu
gh an NF−kappaB−dependent
pathway. Kim H,Koh G.Bio
chem Biophys Res Commun.
2000 Mar 16、269(2)、401−
5)。
に関与する亜鉛依存性酵素の多遺伝子ファミリーであ
る。またetsも、マトリックスメタロプロテイナーゼ
(MMP)のメンバーであるMMP1およびMMP9を
転写レベルで抑制することが知られている(Signa
l transduction and transc
riptional regulation of a
ngiogenesis. Sato Y,Abe
M,Tanaka K,Iwasaka C,Oda
N,Kanno S,Oikawa M,Nakano
T,Igarashi T.Adv Exp Med
Biol 2000、476、109−15;および
ETS−1 converts endothelia
l cells to the angiogenic
phenotype by inducing th
e expression of matrix me
talloproteinases and inte
grin beta3.OdaN,Abe M,Sat
o Y.J Cell Physiol 1999Fe
b、178(2)、121−32)。
の分解を仲介することにより癌細胞侵入において重要な
役割を果たす。多くの癌研究によって、MMPのインヒ
ビター(TIMPなど)が、癌の進行を抑制することが
示唆されている:血清中のTIMP1レベルは、結腸直
腸の予後および診断マーカーとなり、そして転移性癌の
選択的マーカーとして用い得る(Pellegrinl
Pら、CancerImmunol Immunot
her 2000 Sep;49(7):388−9
4);ヒト膀胱癌細胞中のMMP2およびMMP9の発
現および活性は、腫瘍壊死因子αとγインターフェロン
の影響を受ける(Shin KYら、Cancer L
ett 2000 Oct 31;159(2):12
7−134);卵巣上皮腫瘍で、MMP2、MMP9、
MT1−MMP、およびそれらのインヒビターTIMP
1、TIMP2が発現する(Sakata Kら、In
tJ Oncol 2000 Oct;17(4):6
73−681);MMP1、MMP2、MMP3および
MMP9の各々のレベルおよび総MMP活性は、結腸直
腸腫瘍でアップレギュレートし、MMP1が結腸直腸癌
進行に最も重要である(Baker EAら、Br J
Surg 2000 Sep;87(9):1215
−1221);活性化されたMMP2が、尿路上皮癌の
浸潤に重要な役割を演じ、しかも活性化されたMMP2
発現のレベルが有用な予後指標となる(Kaneda
Kら、BJU Int 2000 Sep;86
(4):553−557);プロスタグランジン合成の
インヒビターが、ヒト前立腺腫瘍細胞浸潤を阻害し、か
つMMPの放出を低減する(Attiga FAら、C
ancer Res 2000 Aug 15;60
(16):4629−37);血清真性グロブリン画分
中のMMP活性が、乳癌および肺癌患者で増加し、これ
ら癌の腫瘍マーカーとして用い得る(Farias E
ら、Int J Cancer 2000 Jul 2
0;89(4):389−94);MMPインヒビター
は、腫瘍細胞におけるゼラチン分解活性を阻害する(I
keda Mら、Clin Cancer Res 2
000 Aug;6(8):3290−6);膜タンパ
ク質LMP1によるMMP9の誘導が、鼻咽頭癌(NP
C)の転移性に寄与する(Horikawa Tら、C
aner 2000 Aug 15;89(4):71
5−23);MMPは、血管形成の初期に重要な役割を
演じ、MMPインヒビターがヒト微小血管内皮細胞浸潤
および形態形成を抑制する(Jia MCら、Adv
Exp Med Biol 2000;476:181
−94);浸潤性および再発性下垂体腺腫および下垂体
癌においてMMP9が発現する(Turner HE
ら、J Clin Endocrinol Metab
2000 Aug;85(8):2931−5);な
ど。
ことが知られている:MMPは、脳動脈瘤形成および破
壊に関与する(Gaetani Pら、Neurol
Res 1999 Jun;21(4):385−9
0);MMP−9の活性上昇は、脳動脈瘤のリスクファ
クターである(Peters DGは、Stroke1
999 Dec;30(12):2612−6);MM
Pの阻害は、動脈瘤モデルにおいて、小動脈瘤の成長の
阻害をもたらす(Treharne GDは、Br J
Surg 1999 Aug;86(8):1053
−8);など。
ァージなどから分泌され、血管壁に存在するコラーゲ
ン、エラスチンを破壊し、これによって血管の緊張が失
われ、血圧に抵抗しきれずに血管径は拡張する。事実、
動脈瘤の血管では、顕著なエラスチンの破壊が認められ
る(Pathogenesis of aneurys
ms. Halloran BG, Baxter B
T. Semin Vasc Surg 1995 J
un;8(2):85−92)。
脈瘤破裂を防ぐためには、動脈硬化の危険因子を抑制す
ることが重要である。しかし、このような危険因子の抑
制を完全に行うことは困難である。現在、大動脈瘤破裂
を回避する手段は、侵襲的な手術によるほかない。
径を測定したデータ(Abdominal Aorti
c Aneurysms. Dolores J Ka
tz, James C. Stanley, Ger
ald B. Zelenock. Seminars
in Vascular Surgery, vol
8,No4(Dec),1995;pp289−29
8)によると、その平均は1.5cm〜2.0cmであ
った。一般に、大動脈径が、平均値の1.5倍を超える
と大動脈瘤と判断されるが、上記データによれば、直径
3cm以上の瘤を有し、大動脈瘤と判断されるヒトは、
400人に1人の割合で存在していた。従って、大動脈
破裂の危険度は別にして、35才から80才までの成人
男性において大動脈瘤の有病率はかなり高く、65才以
上の高齢者においては有病率はさらに大きくなると考え
らている。
ることが知られている:薬剤処理による慢性関節リウマ
チの改善は、滑膜組織中のMMP1の減少をもたらす
(Kraan MCら、Arthritis Rheu
m 2000 Aug;43(8):1820−3
0);IL−1βによるMT−MMP発現のアップレギ
ュレーションは、MMP−2活性化を部分的に誘導し、
慢性関節リウマチにおけるサイトカイン媒介関節破壊を
もたらす(Origuchi Tら、Clin Exp
Rheumatol 2000 May−Jun;1
8(3):333−9);慢性関節リウマチ滑膜により
産生される炎症性サイトカインIL−17は、MMP1
の産生を増加する(Chabaud Mら、Cytok
ine 2000 Jul;12(7):1092−
9);MMP1、MMP2、MMP3、MMP8、MM
P9およびMMPインヒビターは、慢性関節リウマチ滑
液中に高レベルで存在し、MMP類が活性化されるとM
MPインヒビターとのバランスが崩れ、軟骨破壊に至る
(Yoshihara Yら、Ann Rheum D
is2000 Jun;59(6):455−61);
MT1−MMPは、リウマチ滑膜ライニング細胞層中の
プロMMP−2の活性化に関与し、慢性関節リウマチに
おける軟骨破壊をもたらす(Yamanaka Hら、
Lab Invest 2000 May;80
(5):677−87);など。
心血管病変に関与する(Segura AMら、Cir
culation 1998 Nov 10;98(1
9Suppl):11331−7)。
は、メサンギウム増殖性糸球体腎炎で増加する(Hay
ashi Kら、J Am Soc Nephrol
1998 Dec;9(12):2262−71)。
瘤モデルにおいて、血管径の拡張を抑制することが報告
されている(Suppression of expe
rimental abdominal aortic
aneurysms bysystemic tre
atment with a hydroxamate
−based matrix metalloprot
einase inhibitor (RS 1329
08). Moore G, Liao S, Cur
ci JA, Starcher BC, Marti
n RL,Hendricks RT, Chen J
J, Thompson RW.J Vasc Sur
g. 1999 Mar;29(3):522−3
2)。
治療に用いられ得る(MartiHP、Schweiz
Med Wochenschr 2000 May
27;130(21);784−8)。しかし、MMP
インヒビターの全身投与は、重篤な副作用を生じ、上記
種々の疾患の処置(治療および予防)するための臨床適
用は困難である。
下にある、多くの遺伝子の発現を介して、種々の疾患に
関与することが示唆されているが、このような疾患を有
効に処置する方法、特に非侵襲的処置法は提供されてい
ない。特に、大動脈瘤は、上記のように稀ではない疾患
であり、高齢化社会にともなう動脈硬化性疾患の増加
は、当然大動脈瘤疾患の増加をもたらす。患者の高齢化
を考慮した場合、薬剤により大動脈瘤の増長を直接抑制
できれば理想的であるが、現在のところその手段はな
く、大動脈瘤の低侵襲的な治療および予防法の開発が切
望されている。
またはetsによって制御される遺伝子の発現に起因す
る上記種々の疾患を処置するために適した組成物および
その使用法を提供する。
デコイ、etsデコイ、またはNF−κBとetsとの
キメラ(ダブル)デコイを主成分として含有し、NF−
κBまたはetsにより制御される遺伝子の発現に起因
する種々の疾患を処置(治療および予防)するための組
成物および該疾患の処置方法を提供する。
より制御される遺伝子の発現に起因する疾患を処置する
ために、NF−κBのデコイ、またはetsのデコイ、
またはNF−κBとetsとのキメラ(ダブル)デコイ
を投与することが有効であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
される遺伝子の発現に起因する疾患を治療および予防す
るための薬学的組成物に関し、この組成物は、少なくと
も1つのデコイ、および薬学的に受容可能なキャリアを
含む。
は、NF−κBのデコイまたはestのデコイ、そして
より好ましくはNF−κBとestとのキメラ(ダブ
ル)デコイである。
脈瘤、癌、マルファン症候群、大動脈解離、血管形成術
後再狭窄、慢性関節リウマチ、喘息、アトピー性皮膚
炎、腎炎、腎不全またはプラークラプチャーである。
リアは親水性ポリマーである。
イ」または「デコイ化合物」は、NF−κBまたはet
sが結合する染色体上の部位、あるいはNF−κBまた
はetsに制御される遺伝子の他の転写調節因子が結合
する染色体上の部位(以下標的結合部位という)に結合
し、NF−κBまたはetsまたはその他の転写因子
と、これらの標的結合部位への結合について拮抗する化
合物をいう。代表的には、デコイまたはデコイ化合物
は、核酸およびその類似体である。
子の標的結合部位への結合について、デコイが転写調節
因子と競合し、その結果、転写調節因子の標的結合部位
への結合によってもたらされる生物学的機能が阻害され
る。デコイは、標的結合配列に結合し得る核酸配列を少
なくとも1つ含む。標的結合配列への結合活性を有する
限り、デコイは、本発明の薬学的組成物の調製に用いる
ことができる。
−TGA−AGG−GAT−TTC−CCT−CC−
3’(配列番号1)(NF−κBデコイ)、もしくは
5’−AAT−TCA−CCG−GAA−GTA−TT
C−GA−3’(配列番号3)(etsデコイ)、もし
くは5’−ACC−GGA−AGT−ATG−AGG−
GAT−TTC−CCT−CC−3’(配列番号5)
(NF−κBとetsのキメラ(ダブル)デコイ)、ま
たはこれらの相補体を含むオリゴヌクレオチド、これら
の変異体、またはこれらを分子内に含む化合物が挙げら
れる。オリゴヌクレオチドは、DNAでもRNAでもよ
く、またはそのオリゴヌクレオチド内に核酸修飾体およ
び/または擬核酸を含むものであってもよい。また、こ
れらのオリゴヌクレオチド、その変異体、またはこれら
を分子内に含む化合物は、1本鎖でも2本鎖であっても
よく、線状であっても環状であっもよい。変異体とは上
記配列の一部が、変異、置換、挿入、欠失しているもの
で、NF−κBまたはNF−κBに制御される遺伝子の
その他の転写調節因子が結合する核酸結合部位と特異的
に拮抗する核酸を示す。さらに好ましいNF−κBまた
はets、あるいはNF−κBに制御される遺伝子のそ
の他の転写調節因子のデコイとしては、上記核酸配列を
1つまたは複数含む2本鎖オリゴヌクレオチドまたはそ
の変異体が挙げられる。上記核酸配列を1つまたは複数
含む核酸は、含まれる核酸配列の数を示すために、含ま
れる核酸配列が2つの場合キメラ(タブル)デコイと称
され、そして3つの場合トリプルデコイなどと称され得
る。
は、リン酸ジエステル結合部の酸素原子をイオウ原子で
置換したチオリン酸ジエステル結合をもつオリゴヌクレ
オチド(S−オリゴ)、またはリン酸ジエステル結合を
電荷をもたないメチルホスフェート基で置換したオリゴ
ヌクレオチド等、生体内でオリゴヌクレオチドが分解を
受けにくくするために改変したオリゴヌクリオチド等が
含まれる。
ては、当該分野で公知の化学合成法または生化学的合成
法を用いることができる。例えば、デコイ化合物として
核酸を用いる場合、遺伝子工学で一般的に用いられる核
酸合成法を用いることができ、例えば、DNA合成装置
を用いて目的のデコイ核酸を直接合成してもよいし、ま
たはこれらの核酸、それを含む核酸またはその一部を合
成した後、PCR法またはクローニングベクター等を用
いて増幅してもよい。さらに、これらの方法により得ら
れた核酸を、制限酵素等を用いて切断し、DNAリガー
ゼ等を用いて結合等を行い、目的とする核酸を製造して
もよい。また、さらに細胞内でより安定なデコイ核酸を
得るために、核酸の塩基、糖、リン酸部分に、例えば、
アルキル化、アシル化等の化学修飾を施してもよい。
または安定化化合物、希釈剤、担体、または別の成分ま
たは薬剤のような他の薬剤と組み合わせて含む薬学的組
成物を提供する。
細胞内または目的とする組織の細胞内に取り込まれるよ
うな形態で用いられる。
適合性薬学的キャリアー(生理食塩水、緩衝化生理食塩
水、デキストロース、および水を含むが、それらに限定
されない)中で投与され得る。これらの分子のいずれ
も、適切な賦形剤、アジュバント、および/または薬学
的に受容可能なキャリアーと混合する薬学的組成物中に
て、単独で、あるいは他の薬剤と組み合わせて患者に投
与され得る。本発明の実施態様において、薬学的に受容
可能なキャリアーは薬学的に不活性である。
は非経口により達成される。非経口送達の方法として
は、局所、動脈内(例えば、腫瘍、動脈瘤に直接)、筋
肉内、皮下、髄内、クモ膜下腔内、脳室内、静脈内、腹
腔内、または鼻孔内の投与が挙げられる。デコイ化合物
に加えて、これらの薬学的組成物は、賦形剤または薬学
的に使用できる製剤を調製するために、デコイ化合物の
プロセシングを促進する他の化合物を含む、適切な、薬
学的に受容可能なキャリアーを含み得る。処方および投
与のための技術のさらなる詳細は、例えば、「REMI
NGTON’SPHARMACEUTICAL SCI
ENCES」 (Maack Publishing
Co.,Easton,PA)の最終版に記載されてい
る。
適した投与形において当該分野で周知の薬学的に受容可
能なキャリアを用いて処方され得る。このようなキャリ
アは、薬学的組成物が患者による摂取に適した錠剤、丸
剤、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリ
ー、懸濁物などに処方されることを可能とする。
合物を固体賦形剤と組合せ、所望により得られた混合物
を粉砕し、所望ならば、錠剤または糖衣剤のコアを得る
ために、適切なさらなる化合物を添加した後、顆粒の混
合物をプロセシングすることを介して得られ得る。適切
な賦形剤は炭水化物またはタンパク質充填剤であり、以
下を含むが、それらに限定されない:ラクトース、スク
ロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;
トウモロコシ、コムギ、イネ、ジャガイモ、または他の
植物由来のデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセル
ロースナトリウムのようなセルロース;ならびにアラビ
アゴムおよびトラガカントゴムを含むゴム;ならびにゼ
ラチンおよびコラーゲンのようなタンパク質。所望なら
ば、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、アルギン
酸またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)のよ
うな崩壊剤または可溶化剤が添加され得る。
コーティングとともに提供される。これはまた、アラビ
アガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲ
ル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チ
タン、ラツカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒
混合液をも含有し得る。製品同定のため、または活性化
合物の量(すなわち用量)を特徴付けるために、染料ま
たは色素が錠剤または糖衣剤に添加され得る。
ば、ゼラチンカプセル、ゼラチンおよびコーティング
(例えば、グリセロールまたはソルビトール)よりなる
ソフト封着カプセルを含む。ゼラチンカプセルは、ラク
トースまたは澱粉のような充填剤またはバインダー、タ
ルクまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、
および所望により安定化剤と混合した活性な成分を含有
し得る。ソフトカプセルでは、デコイ化合物は、安定化
剤とともにまたはともなわずに、脂肪油、流動パラフィ
ンまたは液状ポリエチレングリコールのような適切な液
体に溶解または懸濁され得る。
水溶液を含む。注射のために、本発明の薬学的組成物は
水溶液、好ましくはハンクスの溶液、リンゲル溶液、ま
たは緩衝化生理食塩水のような生理学的に適合する緩衝
液中に処方され得る。水性注射懸濁物は、懸濁物の粘度
を増加させる物質(例えば、ナトリウムカルボキシメチ
ルセルロース、ソルビトール、またはデキストラン)を
含有し得る。さらに、活性化合物の懸濁物は、適切な油
状注射懸濁物として調製され得る。適切な親油性溶媒ま
たはビヒクルは、ゴマ油のような脂肪酸、あるいはオレ
イン酸エチルまたはトリグリセリドのような合成脂肪酸
エステル、またはリポソームを含む。所望により、懸濁
物は、高濃度溶液の製剤を可能にする安定化剤または化
合物の溶解度を増加させる適切な薬剤または試薬を含有
し得る。
べき特定のバリアに対して適切な浸透剤が製剤中で使用
される。このような浸透剤は一般に当該分野で公知であ
る。
の様式と同様の様式(例えば、従来的な混合、溶解、顆
粒化、糖衣剤作製、水簸、乳化、カプセル化、包括、ま
たは凍結乾燥の手段によって)で製造され得る。
組織の細胞内に局所投与する場合、本発明の薬学的組成
物は、キャリアとして合成または天然の親水性ポリマー
を含み有る。このような親水性ポリマーの例として、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール
が挙げられる。本発明のデコイ化合物を、適切な溶媒中
のこのような親水性ポリマーと混合し、溶媒を、風乾な
どの方法により除去して、所望の形態、例えば、シート
状に成型した後、標的部位に付与し得る。このような親
水性ポリマーを含む製剤は、水分含量が少ないので、保
存性に優れ、使用の際には、水分を吸収してゲル状にな
るので、デコイ化合物の貯留性に優れる。このようなシ
ートは上記の組成以外にも類似物として、セルロース、
デンプン及びその誘導体あるいは合成高分子化合物など
に多価アルコールを混合し硬度を調整して形成した親水
性シートも利用できる。
を用いて、腹腔鏡下で標的部位に付与され得る。現在、
腹腔鏡手術は、非侵襲手法として目覚しく発展し、本発
明の薬学的組成物と組み合わせることにより、非侵襲的
であって、繰り返し治療が可能な疾患の処置法が提供さ
れ得る。
飾体を用いる場合には、本発明の薬学的組成物は、一般
に用いられている遺伝子導入法で用いられる形態、例え
ば、センダイウイルス等を用いた膜融合リポソーム製剤
や、エンドサイトーシスを利用するリポソーム製剤等の
リポソーム製剤、リポフェクトアミン(ライフテックオ
リエンタル社製)等のカチオン性脂質を含有する製剤、
またはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー等を用いるウイルス製剤を用いるのが有利であり、特
に、膜融合リポソーム製剤が好適である。
が、大きな1枚膜リポソーム(LUV)、多重膜リポソ
ーム(MLV)、小さな一枚膜リポソーム(SUV)の
いずれであってもよい。その大きさも、LUVでは20
0から1000nm、MLVでは400〜3500n
m、SUVでは20〜50nm程度の粒子系をとり得る
が、センダイウイルス等を用いる膜融合リポソーム製剤
の場合は粒子系200〜1000nmのMLVを用いる
のが好ましい。
れるものであれば特に限定されるものではなく、慣用の
方法、例えば、逆相蒸発法(Szoka、Fら、Bio
chim.Biophys.Acta、Vol.601
559(1980))、エーテル注入法(Deame
r、D.W.:Ann.N.Y.Acad.Sci.,
Vol.308 250(1978))、界面活性剤法
(Brunner,Jら:Biochim.Bioph
ys.Acta,Vol.455 322(197
6))等を用いて製造することができる。
ては、リン脂質、コレステロール類や窒素脂質等が用い
られるが、一般に、リン脂質が好適であり、ホスファチ
ジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグ
リセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチ
ジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、カルジオリ
ピン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチ
ン、リゾレシチン等の天然リン脂質、あるいはこれらを
定法に従って水素添加したものの他、ジセチルホスフェ
ート、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミ
トイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファ
チジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジ
ルセリン、エレオステアロイルホスファチジルコリン、
エレオステアロイルホスファチジルエタノールアミン、
エレオステアロイルホスファチジルセリン等の合成リン
脂質を用いることができる。
いることができるが,2種以上を併用することも可能で
ある。このとき、エタノールアミンやコリン等の陽性基
をもつ原子団を分子内にもつものを用いることにより、
電気的に陰性のデコイ核酸の結合率を増加させることも
できる。これらリポソーム形成時の主要リン脂質の他に
一般にリポソーム形成用添加剤として知られるコレステ
ロール類、ステアリルアミン、α−トコフェロール等の
添加剤を用いることもできる。
患部の細胞または目的とする組織の細胞内への取り込み
を促進するために、膜融合促進物質、例えば、センダイ
ウイルス、不活化センダイウイルス、センダウイルスか
ら精製された膜融合促進タンパク質、ポリエチレングル
コール等を添加することができる。
明すると、例えば、前記したリポソーム形成物質を、コ
レステロールとともにテトラヒドロフラン、クロロホル
ム、エタノール等の有機溶媒に溶解し、これを適切な容
器に入れて減圧下に溶媒を留去して容器内面にリポソー
ム形成物質の膜を形成する。これにデコイを含有する緩
衝液を加えて攪拌し、得られたリポソームにさらに所望
により前記の膜融合促進物質を添加した後、リポソーム
を単離する。こりようにして得られるデコイを含有する
リポソームは適当な溶媒中に懸濁させるか、または一旦
凍結乾燥したものを、適当な溶媒に再分散させて治療に
用いることができる。膜融合促進物質はリポソーム単離
後、使用までの間に添加してもよい。
意図される目的を達成するのに有効な量で含有される組
成物を含む。「治療的有効量」または「薬理学的有効
量」は当業者に十分に認識される用語であり、意図され
る薬理学的結果を生じるために有効な薬剤の量をいう。
従って、治療的有効量は、処置されるべき疾患の徴候を
軽減するのに十分な量である。所定の適用のための有効
量(例えば、治療的有効量)を確認する1つの有用なア
ッセイは、標的疾患の回復の程度を測定することであ
る。実際に投与される量は、処置が適用されるべき個体
に依存し、好ましくは、所望の効果が顕著な副作用をと
もなうことなく達成されるように最適化された量であ
る。治療的有効用量の決定は十分に当業者の能力内にあ
る。
量は、細胞培養アッセイまたは任意の適切な動物モデル
のいずれかにおいて、最初に見積もられ得る。動物モデ
ルはまた、所望の濃度範囲および投与経路を達成するた
めに用いられる。次いで、このような情報を用いて、ヒ
トにおける投与に有用な用量および経路を決定すること
ができる。
を軽減するデコイ化合物の量をいう。このような化合物
の治療効果および毒性は、細胞培養または実験動物にお
ける標準的な薬学的手順(例えば、ED50、集団の50
%において治療的に有効な用量;およびLD50、集団の
50%に対して致死的である用量)によって決定され得
る。治療効果と毒性効果との間の用量比は治療係数であ
り、それは比率ED50/LD50として表され得る。大き
な治療係数を呈する薬学的組成物が好ましい。細胞培養
アッセイおよび動物実験から得られたデータが、ヒトで
の使用のための量の範囲を公式化するのに使用される。
このような化合物の用量は、好ましくは、毒性をほとん
どまたは全くともなわないED50を含む循環濃度の範囲
内にある。この用量は、使用される投与形態、患者の感
受性、および投与経路に依存してこの範囲内で変化す
る。一例として、デコイの投与量は、年齢その他の患者
の条件、疾患の種類、使用するデコイの種類等により適
宜選択されるが、例えば、血液内投与、筋肉内投与、関
節内投与では、一般に、1回あたり、1μg〜100m
gを1日1回から数回投与することができる。
して、個々の臨床医によって選択される。用量および投
与は、十分なレベルの活性部分を提供するか、または所
望の効果を維持するように調整される。考慮され得るさ
らなる因子としては、疾患状態の重症度(例えば、腫瘍
のサイズおよび位置;患者の年齢、体重、および性別;
投与の食餌制限時間、および頻度、薬物組合せ、反応感
受性、および治療に対する耐性/応答)が挙げられる。
特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、
持続作用性薬学的組成物は、3〜4日毎に、毎週、また
は2週間に1回、投与され得る。特定の用量および送達
の方法に関するガイダンスは当該分野で公知の文献に提
供されている。
て含有する医薬品は、疾患の種類、使用するデコイの種
類等により各種の方法で投与することができ、例えば、
虚血性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患および癌の転移
・浸潤、悪疫質においては血管内投与、疾患部位に塗
布、疾患部位内に投与または疾患部位に血管内投与等す
ることができる。さらに具体的な例としては、例えば、
臓器梗塞等でPTCAを行う場合には、同時またはその
前後に患部血管に投与することができ、また臓器移植等
では移植する臓器を予め本願で用いられる製剤で処置し
て用いてもよい。また、例えば、慢性関節リウマチ等で
は、直接関節内に注入して用いることもできる。
れらの実施例は、本発明の例示であって、限定を意図す
るものではない。
るets−1の過剰発現)ets−1は、MMP遺伝子
の発現を制御する転写因子の1つである。手術により除
去(摘出)された大動脈瘤サンプルをホルマリン固定
し、ets−1に対する抗体(Santa Cruz
Biotechnology社(USA))を用い、常
法にて免疫染色を行った。図1、2および3に示すよう
に、いずれの大動脈瘤サンプルにおいても、主として外
膜にets−1の存在が認められた。
鏡写真(×100倍)、そして図1の右は、図1の左の
矩形の区画の同拡大写真(×400倍)である。
微鏡写真(×100倍)、そして図2の右もまた、ヒト
大動脈最拡張部の別の部分の蛍光顕微鏡写真(×200
倍)である。
写真(×400倍)であって、図2の矩形で示した区画
の拡大写真である。図3の左は、図2の右の大きい方の
矩形の区画の同拡大写真(×400倍)であり、そして
図3の右は、図2の右の小さい方の矩形の区画の同拡大
写真(×400倍)である。
養系)におけるデコイ核酸の効果)手術時に除去された
大動脈瘤サンプルを用い、オーガンカルチャー(組織培
養系)でデコイ核酸導入によるMMP遺伝子の発現抑制
効果を試験した。
2のサンプルに分割した。100μMのそれぞれのデコ
イあるいはスクランブルデコイ(共に北海道システムサ
イエンス社にて合成)を含む10%コラーゲゲルに室温
で1時間浸した。その後ゲルの付着したまま24ウェル
プレートに入れ、培養液(Dulbecco’s mo
dified Eagle’s medium,1%
FCS)を1.5mlずつ入れた。以降、37℃インキ
ュベーターにて培養した。培養液は24時間後にウォッ
シュアウトし、新しい培養液に変更する。さらに48時
間後、培養液中のMMP1、MMP9を常法に従い、E
LISA(Amersham pharmacia b
iotech社製)にて測定した。 使用したデコイ: NF−κBデコイ(配列番号1)
は、450nmにおける吸光度を示し、横軸のuntr
eat、NFsd、NF、ets−sdおよびets
は、それぞれ、核酸試薬を含まず(コントロール)、N
F−κBスクランブルデコイ、NF−κBデコイ、et
sスクランブルデコイ、およびetsデコイをそれぞれ
示す。図中の各棒の上部に記載の横棒は標準偏差を表
し、そして図中の各棒の間をつなぐ線の上にあるPは、
この線でつながれる群間の比較に用いた有意水準を表
し、棒の上にある**はその群の平均値がコントロール
に対して統計的に有意水準1%(図4)または5%(図
5)で平均値の差が有意であることを示す(Fishe
r検定)。
デコイ投与群において、MMP1およびMMP9の産生
は、コントロール群およびetsスクランブルデコイ投
与群に比べ有意に抑制された。そしてNF−κBデコイ
投与群においてもまた、MMP1およびMMP9の産生
は、コントロール群およびNF−κBスクランブルデコ
イ投与群に比べ有意に抑制された。
養系)におけるデコイ核酸およびダブルデコイ核酸の濃
度依存的効果)デコイ核酸として100μMおよび60
0μM濃度のNF−κBデコイ、および100および6
00μM濃度の以下に示す構造のダブルデコイおよびダ
ブルスクランブルデコイを用いた点を除いて、実施例2
と同様の方法でオーガンカルチャー(組織培養系)にお
けるデコイ核酸添加によるMMP遺伝子の発現抑制効果
を試験した。 使用したダブルデコイ(配列番号5)
は、450nmにおける吸光度を示し、横軸のuntr
eat、NFsd、NF100、NF600、DD s
d、DD100およびDD600は、それぞれ、核酸試
薬を含まず(コントロール)、NF−κBデコイ100
μM、NF−κBデコイ600μM、ダブルスクランブ
ルデコイ、ダブルデコイ100μM、およびダブルデコ
イ600μMをそれぞれ示す。図中の各棒の上部に記載
の横棒は、標準偏差を表し、そして図中の各棒の間をつ
なぐ線の上にあるPは、この線でつながれる群間の比較
に用いた有意水準を表し、*および**は、コントロー
ルに対して統計的にそれぞれ有意水準5%および1%で
平均値の差が有意であることを、#および‡はそれぞれ
NF100およびNF600群の結果に対して有意水準
5%で平均値の差が有意であることをそれぞれ示す(F
isher検定)。
κB投与群において、MMP1およびMMP9の産生
は、コントロール群およびNF−κBスクランブルデコ
イ投与群に比べ有意に抑制され、そしてその効果は濃度
依存性であった。そしてダブルデコイ投与群においても
また、MMP1およびMMP9の産生は、ダブルデコイ
投与群において、スクランブルデコイ投与群に比べ有意
に抑制された。そしてダブルデコイの効果は、NF−κ
Bデコイ投与群に比べより効果的であった。
の効果)ラットを用い、インビボにおけるデコイ核酸付
与によるMMP遺伝子の発現抑制効果を試験した。
開腹し、以下の組成のADフィルム(大きさ1cm×1
cm)をほぼ1cmの長さにわたって、腹部大動脈に周
囲に巻き付けた。腹部を縫合した後通常の状態で飼育
し、3日後に再び開腹し、血管を取り出して蛍光顕微鏡
により解析した。ADフィルムの組成:ヒドロキシプロ
ピルセルロース 150〜400cps(HPC−M)
73mg/4cm2;ポリエチレングルコール400
(PEG)7.3mg/4cm2;FITC−標識デコ
イ 100nmol/cm2。ADフィルムの調製方
法:まず、上記のヒドロキシプロピルセルロースおよび
ポリエチレングルコールを、それぞれ100%エタノー
ルに溶解し混合した。この混合液に、400nmolの
FITC−標識デコイを加えて溶解した後、風乾し、最
終的に4cm2のシートに成型した。
部大動脈壁の部分断面の蛍光顕微鏡写真(×200倍)
である。図8の左は、FITC−標識デコイを含まない
ADフィルムを巻き付けたコントロールラットの腹部大
動脈壁の断面の蛍光顕微鏡写真、図8の右は、FITC
−標識デコイを含むADフィルムを巻き付けたラットの
同蛍光顕微鏡写真である。図9は、腹部大動脈壁の断面
および部分断面の蛍光顕微鏡写真である。図9の左は、
100倍、そして図9の右は、200倍の拡大倍率の蛍
光顕微鏡写真である。
C−標識デコイを含むADフィルムを巻き付けたラット
の腹部大動脈壁では、血管外膜に強い緑色および中膜の
一部に緑色の蛍光が観察され、デコイが血管外膜および
中膜の一部に導入されたことが確認された。
るデコイ核酸の効果)大動脈瘤モデルラットが確立され
ている(Indomethacin prevents
elastase−induced abdomin
al aortic aneurysms in th
e rat.Holmes DR,Petrinec
D,Wester W,Thompson RW,Re
illy JM.J Surg Res.1996 J
un;63(1):305−9)。このモデルはエラス
ターゼをラット大動脈内に150cmH2Oの圧力で3
0分間貯留させることで作成される。
ラットにおいてスクランブルデコイ投与群では大動脈断
面積は顕著に増大していく。しかし、NF−κBとEt
sのダブルデコイ投与群ではその増大は2週後(図では
横軸2W)、3週後(図では横軸3W)で有意に抑制さ
れた。
伝子の発現に起因する疾患を処置する薬学的組成物およ
びそれに用いるキャリアーが提供される。本発明の薬学
的組成物の局所投与は、非侵襲的であって、繰り返し可
能な治療方法を提供する。
coy compound and the method for using the same. <130> <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: NF-κB d
ecoy <300> <400> 1 ccttgaaggg atttccctcc 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: NF-κB s
cramble decoy <400> 2 ttgccgtacc tgacttagcc 20 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ets deco
y <400> 3 aattcaccgg aagtattcga 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ets scra
mble decoy <400> 4 ggaatacatc gacctgttaa 20 <210> 5 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: double d
ecoy <400> 5 accggaagta gaagggattt ccctcc 26 <210> 6 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: double s
ramble decoy <400> 6 gcaacccctt aggttctgag agacga 26
図である。
図である。
図である。
図である。
ラットの腹部大動脈壁の断面の蛍光顕微鏡写真である。
ラットの腹部大動脈壁の断面の蛍光顕微鏡写真である。
す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 NF−κBまたはetsに制御される遺
伝子の発現に起因する疾患を治療および予防するための
薬学的組成物であって、 少なくとも1つのデコイ、および薬学的に受容可能なキ
ャリアを含む、組成物。 - 【請求項2】 前記少なくとも1つのデコイが、NF−
κBのデコイである、請求項1に記載の組成物。 - 【請求項3】 前記少なくとも1つのデコイが、ets
のデコイである、請求項1に記載の組成物。 - 【請求項4】 前記少なくとも1つのデコイが、NF−
κBのデコイおよびetsのキメラデコイである、請求
項1に記載の組成物。 - 【請求項5】 前記疾患が、脳動脈瘤、癌、マルファン
症候群、大動脈解離、血管形成術後再狭窄、慢性関節リ
ウマチ、喘息、アトピー性皮膚炎、腎炎、腎不全または
プラークラプチャーである、請求項1に記載の組成物。 - 【請求項6】 前記薬学的に受容可能なキャリアが親水
性ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
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