JP2002193099A - 鉄道車両用空気ばねの高さ調整構造 - Google Patents

鉄道車両用空気ばねの高さ調整構造

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JP2002193099A
JP2002193099A JP2000396008A JP2000396008A JP2002193099A JP 2002193099 A JP2002193099 A JP 2002193099A JP 2000396008 A JP2000396008 A JP 2000396008A JP 2000396008 A JP2000396008 A JP 2000396008A JP 2002193099 A JP2002193099 A JP 2002193099A
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air spring
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Tatsuna Kato
達名 加藤
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Nippon Sharyo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道車両の車体を台車に設置した後に、空気
ばねの高さを調整する際には、車体の捻れに拘わりなく
初期輪重を均一に調整できるようにし、車両が走行する
際には、輪重差等の不具合を確実に解消できるようにす
る。 【解決手段】 台車3,4の空気ばね5,5,6,6に
それぞれ自動高さ調整弁11を設ける。台車4の空気ば
ね6,6をバイパス経路15にてつなぐ。バイパス経路
15を固定配管16,16と接続ホース17とで構成す
る。接続ホース17を、セルフシール機能付きのカプラ
18,18を介して着脱できるようにする。固定配管1
6のそれぞれに手動式の開閉弁19を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用の空気
ばねの高さ調整構造に関し、特に車体を台車上に設置す
る際に、車体の製作公差を吸収しながら車体を空気ばね
上に傾きなく設置することのできる鉄道車両用空気ばね
の高さ調整構造に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両にあっては、車体前後部の2台
の台車に左右一対の空気ばねを設け、各空気ばねと空気
圧発生源とをつなぐ配管中にそれぞれ自動高さ調整弁を
介装し、各自動高さ調整弁のテコと台車側の調整棒とを
連結した構造が知られており、乗客の乗降による荷重変
動や走行中の荷重の変動によって空気ばねの高さが個々
に変化し、これによって台車と車体との間の距離が変化
した場合に、前記テコを上下に回動させて各空気ばね内
の圧縮空気を給排気することにより、空気ばねの高さが
一定になるようにしている。
【0003】ところで、鉄道車両を組み立てする場合に
は、車体を台車に設置した後に自動高さ調整弁のテコを
操作し、一車両内の空気ばねの高さを一律の基準値に調
整して、初期輪重を均一に調整する作業が行われるが、
製作公差によって車体に捻れが生じている場合には、一
方の対角に位置する空気ばねと他方の対角に位置する空
気ばねの反力が異なることとなる。
【0004】車体の捻れを起因とするこの変位は、台車
の軸ばねの撓みで吸収されるが、軸ばね位置でも高さが
基準値になるようにライナー調整を行うため、この下が
った分を賄うようにライナーを追加挿入すると、ライナ
ーを追加挿入した軸ばね反力がさらに増加して、台車内
の左右で軸ばね反力が異なることになり、台車内で輪重
差が生じてしまうため好ましくない。
【0005】そこで、先行技術の例えば実公昭57−1
6762号公報の鉄道車両では、一方の台車は左右の空
気ばねそれぞれに自動高さ調整弁を設け、他方の台車
は、左右の空気ばねを連通する1個の自動高さ調整弁を
設けた4個の空気ばねに3個の自動高さ調整弁を設ける
ことが提案されており、自動高さ調整弁が1個の他方の
台車では、一方の台車の左右の空気ばね高さの平均値を
基準の高さとして簡便に調整できるので、左右の空気ば
ね高さを同じとしなくても、前述の車体の捻れを吸収す
ることができるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の先行技術にあっ
ては、左右一対の空気ばねを1つの自動高さ調整弁で担
う他方の台車で、当該自動高さ調整弁にオリフィスを設
け、該オリフィスにて左右の空気ばねを連通させて、車
体が走行した際のローリングに抵抗するようにしている
が、一方向の曲線軌道を通過する場合の定常超過遠心力
に対しては、他方の台車の一方の空気ばねから他方の空
気ばねに少しずつ空気が流れてしまうため、車体の傾斜
に抵抗できない。
【0007】このため、一方の台車で互いに連通してい
ない左右の空気ばねでのみ車体が傾斜しないように抵抗
することとなるが、この抵抗力は、4個の空気ばねに自
動高さ調整弁をそれぞれ備えた一般的な車両の半分とな
るため、車体の傾き角は2倍以上となり、車体床面が大
きく傾いて、乗客は左右方向の超過遠心力を感じること
になる。
【0008】さらに、他方の台車では空気ばねが車体の
傾斜に抵抗できないために、左右の空気ばねが連通して
いない一方の台車の外軌側輪重が高くなり好ましくな
い。しかも、他方の台車で左右の空気ばねを連通する自
動高さ調整弁は、オリフィスを持つ等の特殊な構造であ
るためにコスト高となる。
【0009】この対策として、左右の空気ばねを別途の
バイパス経路でつなぎ、このバイパス経路中に開閉弁を
介装して、台車に車体を設置して空気ばね高さを調整す
る際には、開閉弁を開くことにより車体の捻れを吸収し
て車両内の輪重差を極力少なくし、また車両が走行する
際にはバイパス配管中の開閉弁を閉じることにより、4
個の空気ばねそれぞれに対応する自動高さ調整弁によっ
て、上述の不具合を解消することが考えられる。
【0010】しかしながら、台車に車体を設置する作業
は、車両メーカが車体を組み立てる場合ばかりでなく、
車両を購入してこれを運用する鉄道会社が定期的なメン
テナンス等で着脱する場合もあり、いずれの場合も、台
車に車体を設置して空気ばね高さを調整した後に開閉弁
を閉じ忘れすることが懸念される。
【0011】本発明は、かかる実情を背景にしてなされ
たもので、その目的とするところは、車体を台車に設置
した後に空気ばねの高さを調整する際には、初期輪重を
車体の捻れによる変位に拘わらず均一に調整できるよう
にし、また車両走行時には、上記した輪重差等の不具合
を確実に解消することのできる鉄道車両用空気ばねの高
さ調整構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的に
従って、車体前後部に配設される2台の台車のそれぞれ
の左右に空気ばねを配設して、これら空気ばねにて前記
車体を支承し、各空気ばねをそれぞれ自動高さ調整弁に
て調整し得るようになした鉄道車両において、少なくと
もいずれか一方の台車の左右の空気ばねをバイパス経路
にてつなぐと共に、該バイパス経路の一部または全部
を、セルフシール機能付きのカプラを介して着脱自在と
なしている。
【0013】上述のバイパス経路は、台車に車体を設置
した後の空気ばねの高さを調整する際には全体をつなげ
て左右の空気ばねを連通させ、また空気ばね高さ調整後
に鉄道車両を運行する場合には、バイパス経路の一部ま
たは全部を取外して左右の空気ばねの連通を遮断するの
に用いる。
【0014】バイパス経路の一部または全部をつなげた
際には、セルフシール機能付きカプラが自動的に開弁し
て一方の台車の左右の空気ばねが連通し、またバイパス
経路の一部または全部を取り外した際には、セルフシー
ル機能付きカプラが自動的に閉弁して双方の空気ばねの
連通を遮断する。
【0015】上記の発明では、バイパス経路の中間部を
着脱可能となし、各空気ばねにつながるバイパス経路の
車体側固定部に、それぞれ手動式の開閉弁を介装するこ
ともできる。この場合には、バイパス経路の中間部を取
り外すのに伴って、空気ばね側に残されたバイパス経路
の車体側固定部の接続端部に設けたセルフシール機能付
きカプラのオスカプラまたはメスカプラが自動的に閉弁
するが、このオスカプラまたはメスカプラが万が一失陥
することがあっても、固定部に設けた開閉弁を手動操作
することにより、空気ばねの気密状態を維持することが
できる。
【0016】また、上記の目的を達成するための他の発
明として、車体前後部に配設される2台の台車のそれぞ
れ左右に空気ばねを配設して、これら空気ばねにて前記
車体を支承し、各空気ばねをそれぞれ自動高さ調整弁に
て調整し得るようになした鉄道車両において、少なくと
もいずれか一方の台車の左右の空気ばねをバイパス経路
にてつなぐと共に、該バイパス経路の中間部を着脱自在
となすと共に、各空気ばねにつながるバイパス経路の車
体側固定部に、それぞれ手動式の開閉弁を介装すること
もできる。
【0017】本発明では、バイパス経路の中間部の着脱
に伴う左右の空気弁の連通と遮断を、バイパス経路の車
体側固定部に設けた開閉弁を手動操作することにより行
う。従って、バイパス経路の中間部を着脱するのに用い
るカプラは、セルフシール機能を持たない安価で簡便な
ものよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態例を図面に基
づいて説明する。図1〜図3は第1形態例を示すもの
で、鉄道車両1は、車体2を、台車3の左右に配置した
空気ばね5,5と、台車4の左右に配置した空気ばね
6,6にて支持している。車体2の下部には、台車3,
4の間に圧縮空気発生源7が配設され、該圧縮空気発生
源7と各空気ばね5,5,6,6とを配管8,9でつな
いで給気経路10を構成しており、圧縮空気発生源7で
発生した圧縮空気を配管8,9にて空気ばね5,5,
6,6のそれぞれに供給するようになっている。
【0019】上記配管8,9は、台車3,4側でそれぞ
れ2本の枝管8a,8b,9a,9bに分かれており、
配管8の枝管8a,8bは一方の台車3の空気ばね5,
5に接続され、また配管9の枝管9a,9bは他方の台
車4の空気ばね6,6に接続されている。
【0020】各枝管8a,8b,9a,9bには、それ
ぞれ後述する自動高さ調整弁11が介装されている。一
方の台車3の空気ばね5,5と、他方の台車4の空気ば
ね6,6はそれぞれ配管12にてつながれ、該配管12
に差圧弁13が介装されており、台車3の空気ばね5,
5と台車4の空気ばね6,6のいずれか一組のうちのい
ずれか一方が万が一パンクするなどして、配管12でつ
ながれた他方との間に急激な圧力差を生じることがあっ
ても、差圧弁13を開して他方と連通させることによ
り、車体2がパンクした側へ傾くことのないようにして
いる。
【0021】前記自動高さ調整弁11は、テコ11aの
先端を台車3または台車4に設けた長さ調整が可能な作
動棒14と連結しており、いずれかの空気ばねの荷重が
増加してその空気ばね高さが下がり、車体2と台車3ま
たは台車4の距離が短くなった場合に、上記空気ばねに
対応する自動高さ調整弁11の作動棒14がテコ11a
を上方へ回動することにより、自動高さ調整弁11が開
いて空気ばねに圧力空気が流入し、当該空気ばねの圧力
が増加して空気ばね高さが上昇する。そして、その空気
ばねの高さが所定の高さになると、テコ11aが基準位
置に復帰して自動高さ調整弁11が閉じ、空気ばねを所
定高さに維持する。
【0022】また、逆にいずれかの空気ばね荷重が減少
した場合には、これに対応するテコ11aが下方へ回動
して自動高さ調整弁11から圧力空気を排気し、空気ば
ねが所定の高さになった時点でテコ11aが基準位置に
復帰して自動高さ調整弁11を閉じ、その空気ばねを所
定高さに維持する。
【0023】他方の台車4の空気ばね6,6は、上述の
給気経路10とは別のバイパス経路15でつながれてお
り、該バイパス経路15にて、車体2を台車3,4に設
置して空気ばね高さを調整する際に、初期輪重を均一に
設定できるようにしている。このバイパス経路15は、
本発明の車体側固定部となる固定配管16,16と、該
固定配管16,16の間をつなぐフレキシブルな接続ホ
ース17とを車体2の一端部側に迂回して配設したもの
で、中間部の接続ホース17をカプラ18,18にて着
脱可能となすと共に、空気ばね6,6につながる固定配
管16,16に、それぞれ手動式の開閉弁19を介装し
ている。
【0024】上記カプラ18は、ワンタッチ操作で着脱
される一対のオスカプラとメスカプラとからなり、これ
らオスカプラとメスカプラが非接続状態にあるときに
は、オスカプラとメスカプラのそれぞれが閉弁状態を維
持し、またこれらを接続した状態では、オスカプラとメ
スカプラの双方が開弁して相互の連通を許容するように
した両路開閉型のセルフシール機能(自動開閉バルブ機
能)付きカプラで、固定配管16,16の各端部には、
オスカプラとメスカプラのいずれか一方18aが固着さ
れ、また接続ホース17の両端部には他方18b,18
bが固着されている。
【0025】固定配管16中の各開閉弁19は通常開弁
状態にあり、接続ホース17を固定配管16,16の間
に取り付けした際には、固定配管16,16と接続ホー
ス17のオスカプラとメスカプラの双方18a,18b
が自動的に開弁して左右の空気ばね6,6を連通させ、
また固定配管16,16の間から接続ホース17を取り
外した際には、固定配管16に設けたオスカプラとメス
カプラのいずれか一方18aが自動的に閉弁して空気ば
ね6,6の連通を遮断し、空気ばね6,6それぞれの高
さを維持する。
【0026】このように、中間部の接続ホース17を取
り外した場合には、各固定配管16側の端部に残された
セルフシール機能付きカプラ18のオスカプラまたはメ
スカプラのいずれか一方18aがセルフシール機能によ
って自動的に閉弁するが、当該一方18aが万が一失陥
した場合には、固定配管16中に介装した開閉弁19を
手動操作で閉弁することにより、空気ばね6,6の気密
状態を維持するようにしている。
【0027】なお、上述のセルフシール機能付きカプラ
18は、上記した両路開閉型以外に、オスカプラとメス
カプラの一方18aまたは他方18bのいずれかに弁機
能を有する片路開閉型を用いることもできる。この場合
には、接続ホース17の取り外しにも空気ばね6,6の
気密状態を保持できるよう、開閉弁付きの一方を固定配
管16側に適用し、弁機能を持たない他方は接続ホース
17側に適用する。
【0028】本形態例は以上のように構成されており、
固定配管16中の開閉弁19は常時開弁状態にしてお
く。そして、台車3,4に車体2を設置した後に空気ば
ね高さを調整する際には、固定配管16,16の間に接
続ホース17を接続することにより、他方の台車4の空
気ばね6,6を連通させ、双方の台車3,4の空気ばね
5,5,6,6上に車体2を載せた状態で、空気ばね
5,5,6,6の高さをそれぞれに調整する。
【0029】上記調整は、一方の台車3で、空気ばね
5,5の各自動高さ調整弁11のテコ11aを操作し
て、空気ばね5,5の高さを調整する。また、左右の空
気ばね6,6がバイパス経路15で連通する他方の台車
4では、左右いずれか一方の空気ばね6の自動高さ調整
弁11のテコ11aを操作することにより、左右の空気
ばね6,6が平均の高さで調整される。
【0030】そして、このように空気ばね5,5,6,
6の調整を完了したのち、バイパス経路15の接続ホー
ス17を取り外して、台車4の空気ばね6,6の連通を
遮断すると共に、各作動棒14の長さを調整して、それ
ぞれの自動高さ調整弁11のテコ11aを基準位置に固
定する。
【0031】なお、製作公差による車体2の捻れが大き
く、台車4の左右の空気ばね6,6の高さの差がかなり
アンバランスな場合は、台車3の片側の空気ばね5を高
くした分もう一方の空気ばね5を低くし、空気ばね5,
5,6,6の基準高さからのズレが同じ程度となるよう
調整する。
【0032】本形態例は、このようにして、台車3,4
に車体2を設置した後の空気ばね5,5,6,6の高さ
調整にバイパス経路15を用いるので、製作公差による
車体2の捻れを空気ばね5,5,6,6にて良好に吸収
することができる。
【0033】また、空気ばね5,5,6,6の高さ調整
後に鉄道車両1を運行する場合には、バイパス経路15
の接続ホース17を取り外すことにより、固定配管16
側のセルフシール機能付きのカプラ18が自動的に閉弁
して、他方の台車4の空気ばね6,6の連通を遮断し、
4つの空気ばね5,5,6,6が個々に独立するので、
車体床面が大きく傾いて、乗客が左右方向の超過遠心力
を感じたり、台車3,4の外軌側輪重が高くなるという
不具合がなくなる。
【0034】さらに、鉄道車両1を運行するにあたって
は、接続ホース17の有無によって、台車4の空気ばね
6,6が遮断状態か連通状態かを容易に知ることがで
き、空気ばね高さ調整後にも接続ホース17が取り付い
たままであればこれを取り外すことにより、左右の空気
ばね6,6が連通したままでの上記不具合を確実に回避
できるようになる。
【0035】特に本形態例は、バイパス経路15を車体
2の端部下側に設けるので、車体外部からの接続ホース
17の視認が極めて容易であり、接続ホース17の外し
忘れをより確実に防止することができる。また、固定配
管16,16と接続ホース17とをつなぐカプラ18を
セルフシール機能付きとしたから、接続ホース17弁を
着脱した際の開閉弁作業を不要にできて至便であり、さ
らにワンタッチ式の採用と相俟って接続ホース17の着
脱を短時間で容易に行うことができる。また、フレキシ
ブルな接続ホース17を採用したので、着脱時の作業性
に優れ、保管性もよい。
【0036】しかも本形態例は、既存の実績ある自動高
さ調整構造に、左右一組の空気ばね6,6をバイパス経
路15でつなぐ簡単な構成であるために信頼性が高く、
さらに先行技術のような特殊構造の自動高さ調整弁を用
いないのでコストの低減が図れるばかりか、メンテナン
スにおいても調整作業が容易である。また、既存の車両
に対しても容易に改造することが可能で、汎用性にも優
れている。
【0037】さらに本形態例は、セルフシール機能付き
のカプラ18と手動式の開閉弁19,19とを併せ持つ
二重の弁構造であるため、固定配管16側端部のオスカ
プラまたはメスカプラの一方18aまたは他方18bが
万が一失陥しても、固定配管16中の開閉弁19を手動
操作することにより、セルフシール機能付きカプラ18
を用いた場合と同様に、空気ばね6,6の連通と遮断を
行うことができる。
【0038】図4〜図6は本発明の第2形態例を示すも
ので、上述の第1形態例とは、固定配管16,16と接
続ホース17との着脱に、着脱機能のみを持つカプラ2
0,20を用いた点で異なっており、その他の部分は第
1形態例と同様の構成となっている。
【0039】即ち、上記カプラ20には、オスカプラと
メスカプラの一方20aと他方20bとの着脱に伴うセ
ルフシール機能がなく、固定配管16,16と接続ホー
ス17とを着脱する機能と、カプラ20の一方20a及
び他方20bを接続した際の気密性のみを有する簡単な
構造のものを用いており、台車3,4に車体2を設置し
た後の空気ばね5,5,6,6の高さ調整や、空気ばね
5,5,6,6の高さ調整後に鉄道車両1を運行する場
合には、固定配管16,16に介装した個々の開閉弁1
9を手動操作で開閉することにより行うが、これ以外は
上述の第1形態例と同一の効果を奏する。
【0040】尚、上述の第1形態例では、セルフシール
機能付きのカプラに加えて、バイパス経路の車体側固定
部に手動式の開閉弁を介装した二重弁構造としたが、手
動式開閉弁は省略してセルフシール機能付きカプラのみ
を使用してもよい。この場合にはバイパス経路の全部を
着脱できるようにすることも可能である。
【0041】また、本発明のバイパス経路は、車体前後
の2台の台車のいずれか一方または双方に適用すること
ができる。さらに、バイパス経路の着脱部分は、フレキ
シブルなホースに限らず、剛性のある管体を用いること
もできる。また、着脱用のカプラは、ワンタッチ式のも
のが作業性に優れていて好適であるが、着脱がワンタッ
チでないねじ込みなどの構造のものであっても差し支え
ない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉄道車両
用空気ばねの高さ調整構造によれば、台車に車体を設置
した後に空気ばね高さを調整する際には、連通している
左右の空気ばね高さを両者の平均高さにすることによ
り、製作公差による車体の捻れを吸収して、車両内の輪
重差を少なくすることができ、また車両を運行する際に
は、バイパス経路の一部または全部を取り外すことによ
り、左右の空気ばねの連通を遮断するので、車体床面が
大きく傾いて乗客が左右方向の超過遠心力を感じたり、
台車の外軌側輪重が高くなるという不具合がなくなる。
【0043】さらに、バイパス経路は車体外部からの視
認が容易であるから、車両を運行するにあたって、バイ
パス経路の一部または全部を外し忘れする虞がなくな
る。これにより、左右の空気ばねが連通したままで車両
を運行した場合の上記不具合を確実に回避することがで
きるようになる。
【0044】また、バイパス経路の一部または全部の着
脱にセルフシール機能付きのカプラを用いた場合には、
着脱に伴う開閉弁作業を不要にできるばかりか、着脱作
業自体も短時間で簡便に行うことができる。さらに、こ
のセルフシール機能付きカプラで着脱される部分を、バ
イパス経路の中間部とし、左右の空気ばねそれぞれにつ
ながるバイパス経路の車体側固定部に手動式の開閉弁を
介装した二重の弁構造とすることにより、セルフシール
機能付きカプラに万が一失陥を生じることがあっても、
開閉弁を手動で操作することによって、左右の空気ばね
の連通と遮断とを支障なく行うことができる。
【0045】さらに、バイパス経路の車体側固定部に手
動式の開閉弁を介装した場合には、着脱用のカプラが着
脱機能のみの単純な構造のもので済むので、耐久性の向
上と低コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1形態例を示す鉄道車両の平面概
略図
【図2】 本発明の第1形態例を示す鉄道車両の要部拡
大平面図
【図3】 本発明の第1形態例を示す図2の側面図
【図4】 本発明の第2形態例を示す鉄道車両の平面概
略図
【図5】 本発明の第2形態例を示す鉄道車両の要部拡
大平面図
【図6】 本発明の第2形態例を示す図5の側面図
【符号の説明】
1…鉄道車両、2…車体、3,4…台車、5…一方の台
車3の空気ばね、6…他方の台車4の空気ばね、7…圧
縮空気発生源、8,9…配管、8a,8b,9a,9b
…配管8,9の枝管、10…給気経路、11…自動高さ
調整弁、11a…テコ、12…配管、13…差圧弁、1
4…作動棒、15…バイパス経路、16…固定配管(本
発明の車体側固定部)、17…取り外し可能な接続ホー
ス、18…セルフシール機能付きのワンタッチ式カプ
ラ、18a…カプラ18を構成するオスカプラとメスカ
プラのいずれか一方、18b…カプラ18を構成するオ
スカプラとメスカプラの他方、19…手動式の開閉弁、
20…着脱機能のみのカプラ、20a…カプラ20を構
成するオスカプラとメスカプラのいずれか一方、20b
…カプラ20を構成するオスカプラとメスカプラの他方

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体前後部に配設される2台の台車のそ
    れぞれの左右に空気ばねを配設して、これら空気ばねに
    て前記車体を支承し、各空気ばねをそれぞれ自動高さ調
    整弁にて調整し得るようになした鉄道車両において、少
    なくともいずれか一方の台車の左右の空気ばねをバイパ
    ス経路にてつなぐと共に、該バイパス経路の一部または
    全部を、セルフシール機能付きのカプラを介して着脱自
    在となしたことを特徴とする鉄道車両用空気ばねの高さ
    調整構造。
  2. 【請求項2】 前記バイパス経路の中間部を着脱可能と
    なし、各空気ばねにつながるバイパス経路の車体側固定
    部に、それぞれ手動式の開閉弁を介装したことを特徴と
    する請求項1に記載の鉄道車両用空気ばねの高さ調整構
    造。
  3. 【請求項3】 車体前後部に配設される2台の台車のそ
    れぞれ左右に空気ばねを配設して、これら空気ばねにて
    前記車体を支承し、各空気ばねをそれぞれ自動高さ調整
    弁にて調整し得るようになした鉄道車両において、少な
    くともいずれか一方の台車の左右の空気ばねをバイパス
    経路にてつなぐと共に、該バイパス経路の中間部を着脱
    自在となすと共に、各空気ばねにつながるバイパス経路
    の車体側固定部に、それぞれ手動式の開閉弁を介装した
    ことを特徴とする鉄道車両用空気ばねの高さ調整構造。
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