JP2002192255A - パンチプレスのカス上り検出方法およびパンチプレスのカス上り検出装置並びにこの方法に用いるパンチプレス - Google Patents

パンチプレスのカス上り検出方法およびパンチプレスのカス上り検出装置並びにこの方法に用いるパンチプレス

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JP2002192255A
JP2002192255A JP2000392920A JP2000392920A JP2002192255A JP 2002192255 A JP2002192255 A JP 2002192255A JP 2000392920 A JP2000392920 A JP 2000392920A JP 2000392920 A JP2000392920 A JP 2000392920A JP 2002192255 A JP2002192255 A JP 2002192255A
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die
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work
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Nobuyuki Ikeda
信之 池田
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Amada Co Ltd
Amada Engineering Center Co Ltd
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Amada Co Ltd
Amada Engineering Center Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カス上りによる弊害を防止することのできる
パンチプレスのカス上り検出方法およびその装置並びに
このカス上り検出装置を備えたパンチプレスを提供す
る。 【解決手段】 板押え79を目標送り位置まで送ること
によりワークWを押さえて、パンチPとダイDとの協働
で行われた加工で生じる抜きカス127が、ダイDの上
面に残ってカス上りを生じているのを検出する際に、演
算部167は、加工時に生じるフレーム3の撓みを算出
し、板押えの目標送り位置をダイDの上面の上方で予め
入力されているワークWの板厚tからパンチプレス1の
フレーム3の撓み量を減じた位置として求める。そし
て、板押え79の下降を開始してから所定時間経過後
に、板押え位置検出器81により検出された板押え79
の実際の位置が前記目標送り位置に達しないと判断部1
69が判断した場合には、カス上りを生じていると判断
してアラーム処理部173が板押え79の下降を停止さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プレス抜きにお
いて生じた抜きカスが、ダイの上面に残ったカス上りを
検出するためのパンチプレスのカス上り検出方法および
その装置並びにこの方法に用いるパンチプレスに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のパンチプレスにおいては、加工時
にワークを押さえる板押えは、例えば特開平10−28
6636号公報に示されているようにサーボ駆動される
構造となっているのが一般的である。すなわち、サーボ
機構の一般的特徴において、被駆動部である板押えには
位置検出器が設けられており、この検出信号とサーボ機
構への位置指令とを比較して、その差が縮まるように動
作を行うことにより目標位置への高精度の移動・位置決
めを行うような回路構成となっている。
【0003】このようなサーボ機構では、サーボ機構、
駆動回路および駆動装置の構成部品の保護および動作異
常を検出するために、各種の保護回路が設けられてい
る。その中で、サーボ機構の移動状態を知る方式とし
て、インポジション信号と呼ばれる信号を用いるものが
ある。
【0004】このインポジション信号は、被駆動部であ
る板押えが、目標位置に対して設定された所定の誤差範
囲に到達した場合、そのポジションに入ったこと(イン
ポジションの状態にあること)を通知する外部への信号
である。このインポジション信号は、所定の誤差内に入
ったとき「1」となり、所定の誤差を超えているときに
は「0」となる。
【0005】例えば、板押えの移動量を100mmに設
定し、誤差範囲を1mmに設定しておけば、99mm送
った所でインポジション状態となってインポジション信
号が「1」となる。通常、このインポジション信号によ
りサーボ動作と連携してシーケンシャルに動く他の動作
またはシーケンスの起動信号として用いられる。
【0006】従って、このインポジション信号により起
動される動作はこの信号が「1」とならない限り動作し
ない。例えば、板押えの100mm送り中に何らかの障
害が生じて移動不能となれば、正常な状態でインポジシ
ョン信号が発生される時間と比較して長くなるため、ア
ラーム処理としてサーボ駆動を止める。これにより、駆
動にかかわる電気、油圧等およびサーボ機構の部品等の
損傷を回避することができる。
【0007】一方、サーボ機構および回路において、サ
ーボの特性上位置指令と実動作位置に差異(送り誤差)
が生じる。すなわち、移動中も含めて位置指令では板押
えがある値(指令位置)に移動していなければならない
のに誤差が生じると、その差を埋めるようにサーボ機構
として動作する。
【0008】例えば、板押えの移動中において本来50
mmの位置に到達していなければならないのにまだ48
mmの位置にあって、この2mmの送り誤差を持って移
動していくような場合がある。この2mmの送り誤差
は、被駆動部である板押えの負荷が異常に大きくなった
場合にはさらに大きくなる。この送り誤差が所定の範囲
内にあるか否かを監視することにより駆動部の故障や外
乱による負荷増大の異常を検出して、サーボ機構の保護
を図る機能の信号として誤差過大信号がある。
【0009】この誤差過大信号は、位置指令に対する負
荷の状態を容易に判定することができる。すなわち、あ
る正常な送り誤差が2mmとすると、検出範囲を3mm
と設定しておけば負荷の異常により送り誤差が3mm以
上になった場合には、誤差過大信号が発生する。この信
号により異常が生じたことを検出して、他のシーケンス
や動作の起動または運転を停止することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、カス上りを生じた場合には
位置検出器により検出される板押えの位置が正確でない
ため、サーボ機構の働きが正常に行われず、高精度の位
置決めを行うことができないのみならず、他のシーケン
スや動作の起動または運転を停止して駆動にかかわる電
気、油圧等およびサーボ機構の部品等の損傷を回避する
ことができなくなるという問題がある。
【0011】ここで、カス上りとは、図11(A)に示
されているようにパンチPとダイDの協働によりワーク
Wに穴明け加工をした際に、本来はダイDのカス抜き穴
201から下方へ落ちるべき抜きカス203が、稀に図
11(B)のようにワークWの加工穴に詰まり、図11
(C)に示されるようにパンチPの上昇と共にワークW
が上昇し、これに伴って抜きカス203がダイDの上面
に残ってしまう現象をいう。
【0012】また、前述のようなカス上りを生じた場合
にそのまま加工を続行すると、図12に示されているよ
うに、製品に圧痕を付けて製品不良を生じるという問題
がある。また、図13に示されているように、パンチP
自体を曲げてしまうおそれもある。さらに、図14に示
されているように、ダイDの上面に抜きカス203が強
固に付着すると、ワークWを送る際に抜きカス203が
邪魔になって正確なワークWの位置決めができずに加工
精度が低下するおそれもある。
【0013】この発明の目的は、以上のような従来の技
術の問題点に着目してなされたものであり、カス上りを
生じたことを検出してダイの上面に残った抜きカスによ
る弊害を防止することのできるパンチプレスのカス上り
検出方法およびその装置並びにこの方法に用いるパンチ
プレスを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1による発明のパンチプレスのカス上り検
出方法は、板押えを送ることによりワークを押さえて、
パンチとダイとの協働で行ったパンチング加工により生
じた抜きカスが、ダイの上面に残るカス上りを検出する
ためのパンチプレスのカス上り検出方法において、前記
板押えの送り量が、前記板押えの下降を開始してから所
定時間経過しても前記ダイの上面の上方で予め入力され
ているワークの板厚から加工時におけるパンチプレスの
フレームの撓み量を減じた位置である目標送り位置に達
しない場合には、カス上りを生じたと判断して検出する
こと、を特徴とするものである。
【0015】従って、板押えを送ることによりワークを
押さえて、パンチとダイとの協働で行うパンチング加工
において、板押えを送り始めて所定時間経過しても、ダ
イの上面の上方でワークの板厚から加工時におけるパン
チフレームの加工に伴う撓み量を減じた位置まで板押え
が送られない場合には、板押えとダイの間に抜きカスが
挟まることにより板押えの下降が阻止されているとし
て、カス上りを生じていることを検出する。
【0016】請求項2による発明のパンチプレスのカス
上り検出方法は、サーボ制御により板押えを目標送り位
置まで送ってワークを押さえ、パンチとダイとの協働で
行ったパンチング加工により生じた抜きカスが、ダイの
上面に残るカス上りを検出するためのパンチプレスのカ
ス上り検出方法において、前記目標送り位置をダイの上
面に設定し、前記サーボ制御における指令位置と実際の
位置との誤差である送り誤差の許容誤差を予め入力され
ている前記ワークの板厚に設定し、前記送り誤差が前記
ワークの板厚を超えた場合には、カス上りを生じたと判
断して検出すること、を特徴とするものである。
【0017】従って、サーボ制御により板押えの指令位
置と実際の板押えの位置との差である送り誤差を小さく
するように、板押えを移動させて目標送り位置であるダ
イの上面まで送ることによりワークを押さえて、パンチ
とダイとの協働で行うパンチング加工において、前記送
り誤差がワークの板厚を超えた場合には、板押えとダイ
の間に抜きカスが挟まっているために板押えが移動でき
ず送り誤差が板厚を超えたとして、カス上りを生じてい
ることを検出する。ここで、加工時にはパンチプレスの
フレームが撓むことを考慮すると、ワークの見かけの板
厚はフレームの撓み量だけ薄くなるといえる。
【0018】請求項3による発明のパンチプレスのカス
上り検出装置は、板押えを送ってワークを押さえ、パン
チとダイとの協働で行ったパンチング加工により生じた
抜きカスが、ダイの上面に残るカス上りを検出するため
のパンチプレスのカス上り検出装置であって、前記板押
えの実際の位置を検出する板押え位置検出器と、前記ダ
イの上面の上方で予め入力されているワークの板厚から
加工時におけるパンチプレスのフレームの撓み量を減じ
た位置である目標送り位置を算出する演算部と、前記板
押えの下降を開始してから所定時間経過後に前記板押え
が前記目標送り位置まで送られなかった場合にはカス上
がりを生じたと判断する判断部と、を備えてなることを
特徴とするものである。
【0019】従って、板押えを目標送り位置まで送るこ
とによりワークを押さえて、パンチとダイとの協働で行
うパンチング加工において、演算部が加工時に生じるフ
レームの撓みを算出して、板押えの目標送り位置をダイ
の上面の上方で予め入力されているワークの板厚から加
工時におけるパンチプレスのフレームの撓み量を減じた
位置として求める。そして、板押えの下降を開始してか
ら所定時間経過後に、板押え位置検出器により検出され
た板押えの実際の位置が前記目標送り位置に達しない場
合には、判断部は板押えとダイの間に抜きカスが挟まっ
てカス上りを生じていると判断する。
【0020】請求項4による発明のパンチプレスのカス
上り検出装置は、サーボ制御により板押えを目標送り位
置まで送ってワークを押さえ、パンチとダイとの協働で
行ったパンチング加工により生じた抜きカスが、ダイの
上面に残るカス上りを検出するためのパンチプレスのカ
ス上り検出装置であって、前記板押えの実際の位置を検
出する板押え位置検出器と、この板押え位置検出器から
の検出位置と板押えに対する指令位置との送り誤差を算
出する演算部と、この演算部により算出された前記送り
誤差を所定の範囲に押さえるべく前記板押えを上下移動
させる上下機構に移動指令を発する駆動指令部と、前記
送り誤差が前記ワークの板厚を超えた場合にはカス上り
を生じたと判断する判断部と、を備えてなることを特徴
とするものである。
【0021】従って、板押え位置検出器により検出され
る板押えの実際の位置と、駆動指令部が板押えを移動さ
せる上下機構に指令する指令位置との送り誤差を小さく
するように板押えを送ることによりワークを押さえて、
パンチとダイとの協働で行うパンチング加工において、
演算部が板押え位置検出器により検出された板押えの実
際の位置と、前記指令位置との差である送り誤差を求め
る。そして、この送り誤差がワークの板厚を超えたと判
断した場合には、抜きカスがダイの上面にあるため板押
えが下降できず送り誤差が大きくなったとして、判断部
はカス上りを生じていると判断する。ここで、加工時に
はパンチプレスのフレームが撓むことを考慮すると、ワ
ークの見かけの板厚はフレームの撓み量だけ薄くなると
いえる。
【0022】請求項5による発明のパンチプレスのカス
上り検出装置は、請求項3または4記載のパンチプレス
のカス上り検出装置において、パンチを着脱交換自在に
支持した上部主軸を上下動自在且つ回転自在に設けら
れ、上記パンチと対応するダイを着脱交換自在に支持し
た下部主軸を上下動自在且つ回転自在に設けられ、前記
上部主軸を、ワークにプレス加工を行うための加工高さ
位置からパンチの着脱交換を行うためのパンチ交換高さ
位置へ上昇自在に設けられ、前記下部主軸を、ワークに
プレス加工を行うための加工高さ位置からダイの着脱交
換を行うためのダイ交換高さ位置へ下降自在に設けら
れ、加工時に前記ワークを押さえる板押えを上下動自在
に設けられると共に、この板押えに板押えの実際の位置
を検出する位置検出器を備えたものであること、を特徴
とするものである。
【0023】従って、パンチの交換の際にはパンチを着
脱自在に支持する上部主軸を加工高さ位置から上昇さ
せ、ダイの交換の際にはダイを着脱自在に支持する下部
主軸を加工位置から下降させる。また、ワークにパンチ
ング加工を行う際には、上部主軸を回転させてパンチの
所定の角度に設定して、ダイを着脱自在に支持する下部
主軸を回転させてダイを所定の角度に設定し、上部主軸
および/または下部主軸を上下移動させて加工高さ位置
に移動すると共に板押えを下降させる。そして、板押え
の下降を開始してから所定時間経過後に、板押え位置検
出器により検出された板押えの実際の位置が目標送り位
置に達しないと判断した場合には、板押えとダイの間に
抜きカスが挟まってカス上りを生じていると判断して板
押えの下降を停止させて、加工を中止する。また、板押
えの実際の位置と板押えに対する指令位置との送り誤差
がワークの板厚を超えたと判断した場合には、板押えと
ダイの間に抜きカスが挟まってカス上りを生じていると
判断して板押えの下降を停止させて、加工を中止する。
【0024】請求項6による発明のパンチプレスは、パ
ンチを着脱交換自在に支持した上部主軸を上下動自在且
つ回転自在に設け、上記パンチと対応するダイを着脱交
換自在に支持した下部主軸を上下動自在且つ回転自在に
設けたパンチプレスにおいて、前記上部主軸を、ワーク
にプレス加工を行うための加工高さ位置からパンチの着
脱交換を行うためのパンチ交換高さ位置へ上昇自在に設
け、前記下部主軸を、ワークにプレス加工を行うための
加工高さ位置からダイの着脱交換を行うためのダイ交換
高さ位置へ下降自在に設け、加工時に前記ワークを押さ
える板押えを上下動自在に設けると共に、この板押えに
板押えの実際の位置を検出する位置検出器を備えてなる
こと、を特徴とするものである。
【0025】従って、パンチの交換の際にはパンチを着
脱自在に支持する上部主軸を加工高さ位置から上昇さ
せ、ダイの交換の際にはダイを着脱自在に支持する下部
主軸を加工位置から下降させる。また、ワークにパンチ
ング加工を行う際には、上部主軸を回転させてパンチの
所定の角度に設定して、ダイを着脱自在に支持する下部
主軸を回転させてダイを所定の角度に設定し、上部主軸
および/または下部主軸を上下移動させて加工高さ位置
に移動すると共に板押えを下降させる。そして、板押え
の実際の位置が位置検出器により正確に検出され、さら
に、カス上りが容易に検出される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0027】図4および図5には、この発明に係るパン
チプレス1が示されている。このパンチプレス1では、
門型形状をしたフレーム3の中央部における上部フレー
ム5と下部フレーム7の間にギャップGを備えている。
このギャップGにおける加工位置Kには、パンチPが上
部フレーム5に上下動自在に支持されると共に、ダイD
が下部フレーム7に上下動自在に支持されている。
【0028】一方、ギャップGには、加工されるワーク
Wを支持して位置決めするワーク移動位置決め装置9が
設けられている。このワーク移動位置決め装置9では、
加工テーブル11が、Y軸方向(図5において左右方
向)に設けられている1対のガイドレール13に沿って
移動すべく、加工テーブル11の図5における右端部に
はキャレッジベース15が設けられており、このキャレ
ッジベース15はY軸モータ(図示省略)によりY軸方
向へ移動・位置決め自在となっている。また、前記キャ
レッジベース15には、ワークWを把持する複数のワー
ククランパ17を備えてX軸方向(図5中上下方向)へ
移動・位置決め自在のX軸キャレッジ19を有してい
る。
【0029】上記構成により、ワークWをワーククラン
パ17により把持して、X軸キャレッジ19をX軸方向
へ、またキャレッジベース15をY軸方向へ移動させ
て、ワークWを加工位置Kに位置決めする。そして、駆
動装置によりパンチPを打圧して、パンチPとダイDと
の協働によりワークWにパンチング加工を行う。
【0030】一方、パンチプレス1の図4における左側
には、多数のパンチPおよびダイDを収納する金型収納
装置21が設けられている。この金型収納装置21とパ
ンチプレス1との間には、使用済みの金型をパンチプレ
ス1から搬出して金型収納装置21へ収納したり次に使
用する新しい金型をパンチプレス1へ搬入するための金
型交換装置23を有している。また、パンチプレス1の
右側には、ワークWの位置決めや後述する油圧回路等を
制御するためのNC装置のような制御装置25が設けら
れている。
【0031】図6〜図8には、ワークWにパンチング加
工を行うパンチプレス1においてパンチPを支持するパ
ンチ支持部27およびダイDを支持するダイ支持部29
が示されている。
【0032】図6を参照するに、パンチ支持部27の段
差を有する円筒形状の上部主軸としての支持ボディ31
は上部フレーム5に固定されており、支持ボディ31の
中心部空間にはラムシリンダ33が設けられていて、上
方へ延びる上ピストンロッド35Uの上端部にはインデ
ックス用ギヤ37が装着されて設けられている。
【0033】このインデックス用ギヤ37はスプライン
部39により上ピストンロッド35Uと一体的に回転し
且つ相対的に上下動自在するように連結されており、イ
ンデックス用モータ(図示省略)によりギヤ(図示省
略)を介して回転駆動されてパンチPを回転させる。
【0034】図7を併せて参照するに、ラムシリンダ3
3から下方へ延びる下ピストンロッド35Lの下端部に
はプレスラム部41が設けられており、ラムシリンダ3
3の作用により加工高さ位置および金型交換高さ位置に
位置決め可能となっている。このプレスラム部41の内
側にはパンチPを把持してロックするチャック装置とし
てのロック機構43が設けられている。
【0035】ロック機構43はロック外筒45を有し、
このロック外筒45はプレスラム部41の内側に設けら
れ、ロック外筒45の内側に設けられロック外筒45の
内側の空間はシール47を備えた仕切り49が設けられ
ていて、上部空間51と下部空間53に分かれている。
上部空間51にはロック用シリンダ55が設けられてお
り、このロック用シリンダ55のピストンロッド57は
仕切り49を貫通して下部空間53に延びていて、下部
空間53におけるピストンロッド57の下端部にはプレ
ート59および複数のロック爪61(コレットチャッ
ク)が開閉自在に設けられている。
【0036】このロック爪61の先端部には球状部分6
3が設けられており、このロック爪61が上下移動する
下部空間53は下端部が広くなるようにロック外筒45
の下部内側に段差65が設けられている。なお、ロック
外筒45の内面下端部には、下方へ広がるテーパ孔67
が設けられている。
【0037】従って、ロック用シリンダ55の上室55
Uに圧油を供給して下降させると、ロック爪61の球状
部分63が段差65の下側に移動するので開いてアンロ
ック状態となる。一方、ロック用シリンダ55の下室5
5Lに圧油を供給して上昇させると、ロック爪61の球
状部分63が上昇して段差65により内側に移動される
ので、ロック爪61は閉じてロック状態となる(図7に
示されている状態)。
【0038】図9を併せて参照するに、支持ボディ31
の下端部には上下機構としての板押え上下用シリンダ6
9が4個所設けられており、この板押え上下用シリンダ
69のピストン71はスプリング73により上方へ付勢
されており、ワークWの板厚に応じて板押え上下用シリ
ンダ69により押圧力を調整することができるようにな
っている。
【0039】ピストンロッド75の下端部には板押え支
持部材のうちの上板押え支持ブロック77Uが上下動可
能に取り付けられており、この上板押え支持ブロック7
7Uの上下位置を検出することにより後述する板押え7
9の上下位置を検出してフィードバックするための例え
ばリニアスケールのごとき板押え位置検出器81が支持
ボディ31に上下に取り付けられている。
【0040】上板押え支持ブロック77Uの下部には下
板押え支持ブロック77Lが上下動且つ回転可能に取り
付けられており、この下板押え支持ブロック77Lの外
側下部には止め部材83が設けられている。この止め部
材83は上板押え支持ブロック77Uの下端部に設けら
れているストッパ85に当接されるようになっている。
【0041】下板押え支持ブロック77Lにはエアシリ
ンダ87が内側に向けて取り付けられており、ピストン
ロッド89の先端が下板押え支持ブロック77Lの凹部
91に嵌合することにより下板押え支持ブロック77L
の回転を所定位置に止めるようになっている。
【0042】下板押え支持ブロック77Lには、前記止
め部材83を介してパンチPの金型装着部としての板押
え79を保持するために左右(図7において左右)の係
止部としての一対のパンチ保持爪93が設けられてい
る。また、下板押え支持ブロック77Lには、潤滑油供
給用の油路95が設けられている。前記止め部材83の
内部にはボルトBTが設けられており、このボルトBT
に設けられたスプリング97の付勢力により、止め部材
83が常時上方へ付勢されている。
【0043】従って、板押え79の上面と下板押え支持
ブロック77Lの下面との隙間をわずかにあけるべく、
前記ストッパ85の高さを調整することにより調整され
る。前記ロック外筒45の下部における図7において前
後には、パンチPの交換時に後述するパンチPのプルス
タッド99との干渉を回避する切欠きCが2点鎖線で示
すように設けられている。
【0044】一方、図6を参照するに、ダイ支持部29
では、円筒形状をした上下支持ボディ101U、101
Lがボルト103により一体的に結合されて、且つ下部
フレーム7に固定されている。
【0045】下支持ボディ101Lの内周面にはネジ部
105が形成されており、このネジ部105に螺合して
下支持ボディ101Lに対して相対的に上下動自在の昇
降部材107が設けられている。この昇降部材107の
下端部には、スプライン部109を介して昇降用ギヤ1
11が昇降部材107に対して相対的に上下動自在且つ
一体的に回転するように設けられており、昇降用ギヤ1
11は定位置において回転する。この昇降用ギヤ111
は、ギヤ113等を介して昇降用モータ115により回
転される。
【0046】従って、昇降用モータ115がギヤ113
等を介して昇降用ギヤ111を回転すると、昇降部材1
07はネジ部105の作用により下支持ボディ101L
に沿って上下動して、加工時のダイDの上面がパスライ
ンに位置する加工高さ位置(図7に示されている状
態)、あるいはダイDを交換するための交換高さ位置
(図8に示されている状態)に位置決めされる。
【0047】図7を参照するに、昇降部材107の上側
には、上支持ボディ101Uの内周面に沿って上下動自
在の下部主軸としての支持台117が設けられており、
加工高さ位置と金型交換高さ位置が選択的に位置決め可
能となっている。この支持台117の上端部には流体圧
シリンダとしての成形シリンダ119が設けられてい
る。この成形シリンダ119のピストンロッド部材12
1の中央部は中空状となった空間123が上下に設けら
れており、ダイDに設けられているカス抜き穴125か
ら落下してきたパンチング時に生じる抜きカス127を
落下させて排出することができるようになっている。
【0048】前記ピストンロッド部材121の上部外周
面にはスプライン部129を介してインデックス用ギヤ
131がピストンロッド部材121に対して相対的に上
下動自在且つ一体的に回転するように設けられており、
インデックス用モータ133により定位置で回転する。
【0049】また、インデックス用ギヤの上側には金型
装着部としてのダイ支持ブロック135が設けられてお
り、このダイ支持ブロック135はインデックス用ギヤ
を貫通して常時スプリング137により下方へ付勢され
ているがピン139の上端のネジ部139Uがねじ込ま
れてインデックス用ギヤ131と一体的に回転するよう
になっている(図7参照)。
【0050】なお、図8に示されているように、支持台
117を下降させるとインデックス用ギヤ131も一体
的に下降するためピン139も下降するが、ピン139
の下端部は上支持ボディ101Uの上端部に当接してそ
れ以上下降できないため相対的に押し上げられる。
【0051】このピン139により、ダイ支持ブロック
135が相対的に押し上げられるので、ダイDの下面が
ピストンロッド部材121の上端面から離れてアンロッ
ク状態となる。このダイ支持ブロック135には、ダイ
Dを保持するために左右(図7において左右)係止部材
としての一対のダイ保持爪141が設けられている。
【0052】従って、支持台117を下降させたアンロ
ック状態で、インデックス用モータ133によりインデ
ックス用ギヤ131を回転させることによりダイ保持爪
141も一体的に回転するので、ダイ保持爪141に保
持されたダイDの回転割出しを行うことができる。そし
て、支持台117を上昇させてスプリング137の付勢
力によりダイDの下面にピストンロッド部材121の上
面を押し付けてロック状態とする(図7参照)。
【0053】パンチPでは、パンチ刃部143の周囲に
板押え79が相対的に上下動自在に設けられており、パ
ンチ刃部143の上側に取り付けられているパンチ上部
145が板押え79の凹部に引っかかるまでパンチ刃部
143は下降自在となっている。パンチ刃部143の上
面には、前述のロック機構43によりロックされるプル
スタッド99が取り付けられており、パンチ上部145
はこのプルスタッド99を介してパンチ刃部143に一
体的に取り付けられている。
【0054】また、板押え79の外周面には、上側に板
押え支持ブロック77のパンチ保持爪93により保持さ
れるためのパンチ係止部としての一対の平行なパンチ装
着用溝147が設けられており、その下側にはパンチ装
着用溝147に交差する方向(ここでは直交する方向、
図7において左右方向)にパンチ交換時に保持されるた
めの一対の平行なパンチ交換用溝149が設けられてい
る。このため、パンチ装着用溝147に沿ってパンチP
を移動することにより、容易に取り外すことができ、且
つ容易に装着することができるので、パンチ交換時間を
大幅に短縮することができる。
【0055】図7を参照するに、ダイDでは、ダイ刃部
151がダイホルダ153に支持されている。ダイホル
ダ153の外周面には、下側にダイ支持ブロック135
のダイ保持爪141により保持されるためのダイ係止部
としての一対の平行なダイ装着用溝155が設けられて
おり、その上側にはダイ装着用溝155に交差する方向
(ここでは直交する方向、図7において左右方向)にダ
イ交換時に保持されるための一対の平行なダイ交換用溝
157が設けられている。
【0056】このため、ダイ装着用溝155に沿ってダ
イDを移動することにより、容易に取り外すことがで
き、且つ容易に装着することができるので、ダイ交換時
間を大幅に短縮することができる。また、加工後はダイ
Dが下降するので、ワークWの移動時にワークWにキズ
が付くのを防止することができる。
【0057】図3を参照するに、前述の制御装置25に
は、中央処理装置であるCPU159が設けられてお
り、このCPU159には、種々のデータを入力するた
めのキーボードのごとき入力手段161や、種々のデー
タを表示するためのCRTのごとき出力手段163が接
続されている。なお、板押え79の実際の位置を検出す
る板押え位置検出器81が制御装置25に接続されてお
り、随時板押え79の送り位置を検出して伝達してい
る。
【0058】また、CPU159には、加工プログラム
やワークWの板厚等の加工データを記憶しておくメモリ
165、後述する種々の演算を行う演算部167、判断
部の一つでありインポジション信号が発生されたか否か
を判断するインポジション信号判断部169、誤差過大
信号が発生されたか否かを判断する誤差過大信号判断部
171、異常が発生したときに異常を知らせたり板押え
79の下降を停止させたりするアラーム処理部173、
板押え79を上下移動させる板押え上下用シリンダ69
に指令する駆動指令部175等が接続されている。な
お、インポジション信号判断部169と誤差過大信号判
断部171は必ずしも両方備える必要はなく、少なくと
も一方が設けられていれば良い。
【0059】従って、制御装置25では、駆動指令部1
75が板押え上下用シリンダ69に最小移動単位の移動
指令を発して板押え79を移動させ、最終的に目標送り
位置まで移動させる。この時、板押え79の実際の位置
を板押え位置検出器81により検出し、目標送り位置と
検出された板押え79の実際の位置との差を小さくする
ように板押え上下用シリンダ69を制御する。なお、板
押え上下用シリンダ69を移動させる際には、通常、移
動指令と板押え79の実際の位置との差である送り誤差
は一定に保たれる。
【0060】以上のような制御装置25により板押え7
9を下降させてワークWを押さえる場合には、図10を
参照するに、パンチプレス1では、この板押え79の反
力により加工位置Kにおいてパンチ支持部27を支持す
る上部フレーム5およびダイ支持部29を支持する下部
フレーム7に弾性変形を生じる。
【0061】例えば、板押え79がワークWに接触しな
い状態、すなわち板押え79からの反力が無い状態にお
ける間隔をd0とすると、板押え79が板押え力Fによ
りワークWに接触した状態では、d0=d0+kFとな
る。ここで、kはフレーム3のバネ定数であり、外力を
フレーム3に加えて撓みを測定することにより容易に得
ることができる。従って、板押え力をFSとすると、板
押え力によるギャップGの高さの変化量はkFSとな
る。
【0062】いま、ワークWがダイDの上に搬入され
て、板押え79により押さえるときに必要な板押え力を
FSNとすると、板押え79の送り量は、ワークW上面
からさらにkFSNだけ送らなければ必要な板押え力が
得られない。従って、演算部167は、板押え79の下
面とダイDの上面との間隔d0に対して、ワークWの板
厚をtとすると、板押え79の送り量Lは、 L=d0−t+kFSN=d0−(t−kFSN)……(1) で算出する。すなわち、板押え79の送り量は、d0−
tではなく、さらに板押え力によるフレーム3の撓み量
を加えたものとなる。
【0063】従って、板押え79が確実に機能を果たし
ているか否かの確認は、演算部167が算出したサーボ
の目標送り位置、すなわち上述した(1)式により求め
られる位置にサーボの送り(すなわち板押え79の送
り)が達したことを確認するインポジション信号の発生
設定値を設け、インポジション信号判断部169により
インポジション信号の発生を判断すれば良いことにな
る。なお、実際の機械では、板厚のバラツキや板押え部
分の部品のバラツキ、誤差があるので、インポジション
信号の発生設定値は誤差を加味して決定する。
【0064】あるいは、カス上りを生じてダイDの上面
に抜きカス125がある場合、ワークWの板厚が見かけ
上実際の板厚tの2倍となり、板押え79を下降させる
とダイDの上面から2tの位置で下降が停止することに
なるため、サーボ系では駆動指令部175が前述の
(1)式で与えられる目標送り位置と実際の板押え79
の位置との差を縮めるように、板押え79をダイDの上
面からtの位置まで下降させようとする。このため、位
置指令と実際の板押え79の送り量との送り誤差が拡大
して誤差過大信号を発生するので、判断部の一つである
誤差過大信号判断部171はカス上りが発生していてダ
イDの上面からtの位置まで板押え79を送ることはで
きないと判断する。
【0065】次に、図1に基づいて、この発明に係るパ
ンチプレスのカス上り検出方法について説明する。パン
チング加工をスタートすると(ステップSS)、メモリ
165に記憶されている板厚情報からワークWの板厚t
を読み込み(ステップS1)、演算部167が板押え7
9の目標送り位置をダイDの上面からt−kFSNだけ
上方位置を算出して設定する(ステップS2)。
【0066】駆動指令部175が板押え上下用シリンダ
69に位置指令を発して板押え79を下降させ(ステッ
プS3)、板押え79が目標送り位置に所定の誤差を考
慮した範囲内に入ったことを示すインポジション信号が
発せられたか否かを判断する(ステップS4)。インポ
ジション信号が発せられたと判断された場合には、カス
上りが発生すること無く板押え79が目標送り位置まで
下降したとして下降を停止し(ステップS5)、正常な
加工を行って(ステップS6)、終了する(ステップS
E)。
【0067】一方、ステップS4においてインポジショ
ン信号が発せられない場合には、加工開始から所定時間
を経過したか否かを判断して(ステップS7)、所定時
間を経過していない場合にはステップS3に戻って下降
を続ける。所定時間を経過した場合には、カス上りが発
生して板押え79がそれ以上下降できない状態にあると
判断して(ステップS8)、終了する(ステップS
E)。
【0068】次に、図2に基づいて、この発明に係る別
のパンチプレスのカス上り検出方法について説明する。
パンチング加工をスタートすると(ステップSS)、メ
モリ165に記憶されている板厚情報からワークWの板
厚tを読み込む(ステップS9)。加工時にはパンチプ
レス1のフレーム3が上方へkFSNだけ撓むので、ワ
ークWの見かけの板厚はt−kFSNなるため、板押え
79がワークWの上面まで下降しても目標位置まで届か
ないので、板押え79の目標送り位置をダイDの上面に
設定すると共に、許容される誤差範囲を板厚tに設定す
る(ステップS10)。
【0069】駆動指令部175が板押え上下用シリンダ
69に位置指令を発して(ステップS11)、板押え7
9を下降させ(ステップS12)、板押え79が目標送
り位置に前述の許容誤差を考慮した範囲内に入ったか否
かを判断する(ステップS13)。許容誤差範囲内に入
ったと判断された場合には、カス上りが発生すること無
く板押え79が目標送り位置まで下降したとして下降を
停止し(ステップS14)、正常な加工を行って(ステ
ップS15)、終了する(ステップSE)。
【0070】一方、ステップS13において許容誤差範
囲に入っていないと判断された場合には、サーボ系にお
ける位置指令と板押え位置検出器81により検出される
板押え79の実際の位置を比較して送り誤差を算出し
(ステップS16)、送り誤差が所定量(ここでは、板
厚t)を超えると誤差過大信号が発せられるので、この
誤差過大信号が発せられたか否かを判断する(ステップ
S17)。誤差過大信号が発せられていない場合には位
置指令通りに移動していると判断して、ステップS11
に戻って板押え79の下降を続行する。
【0071】ステップS17において誤差過大信号が発
せられた場合には送り誤差が拡大しており、カス上りが
発生して板押え79がそれ以上下降できない状態にある
と判断して、すべてを停止して(ステップS18)、終
了する(ステップSE)。
【0072】以上の結果から、カス上りの発生を検出す
ることができ、他のシーケンスや動作の起動または運転
を停止して駆動にかかわる電気、油圧等およびサーボ機
構の部品の損傷を回避することができる。また、前述の
ようなカス上りを生じた場合には加工を停止するので、
製品不良の発生や、パンチP自体の破損等を防止するこ
とができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よるパンチプレスのカス上り検出方法では、板押えを送
ることによりワークを押さえる際に、板押えの下降を開
始してから所定時間経過しても、ダイの上面の上方でワ
ークの板厚から加工時におけるパンチフレームの加工に
伴う撓み量を減じた位置まで板押えが送られない場合に
は、板押えとダイの間に抜きカスが挟まっていると判断
してカス上りの発生を検出することができる。これによ
り、板押えの下降を停止すると共にパンチプレスによる
加工を停止するので、製品不良の発生や、パンチ自体の
破損等を防止することができる。
【0074】請求項2の発明によるパンチプレスのカス
上り検出方法では、サーボ制御により板押えの指令位置
と実際の板押えの位置との差である送り誤差を小さくす
るように板押えを移動させて目標送り位置であるダイの
上面まで送ることによりワークを押さえて、パンチとダ
イとの協働で行うパンチング加工において、前記送り誤
差がワークの板厚を超えた場合には、板押えとダイの間
に抜きカスが挟まっているために板押えが移動できず送
り誤差が板厚を超えたとして、カス上りを生じていると
検出することができる。なお、加工時におけるパンチプ
レスのフレームの撓みを考慮すると、ワークの見かけの
板厚は実際の板厚よりも薄くなっているため、実際の板
厚を許容誤差として設定することができる。
【0075】請求項3の発明によるパンチプレスのカス
上り検出装置では、板押えを目標送り位置まで送ること
によりワークを押さえて、パンチとダイとの協働で行う
パンチング加工において、演算部が加工時に生じるフレ
ームの撓みを算出して、板押えの目標送り位置をダイの
上面の上方で予め入力されているワークの板厚から加工
時におけるパンチプレスのフレームの撓み量を減じた位
置として求める。そして、板押えの下降を開始してから
所定時間経過後に、板押え位置検出器により検出された
板押えの実際の位置が前記目標送り位置に達しない場合
には、板押えとダイの間に抜きカスが挟まってカス上り
を生じていると検出することができる。
【0076】請求項4の発明によるパンチプレスのカス
上り検出装置では、板押え位置検出器により検出される
板押えの実際の位置と、駆動指令部が板押えを移動させ
る上下機構に指令する指令位置との送り誤差を小さくす
るように板押えを送ることによりワークを押さえて、パ
ンチとダイとの協働で行うパンチング加工において、演
算部が板押え位置検出器により検出された板押えの実際
の位置と、前記指令位置との差である送り誤差を求め
る。そして、この送り誤差がワークの板厚を超えたと判
断した場合には、抜きカスがダイの上面にあるため板押
えが下降できず送り誤差が大きくなったとして、判断部
はカス上りを生じていることを検出することができる。
【0077】請求項5の発明によるパンチプレスでは、
パンチの交換の際にはパンチを着脱自在に支持する上部
主軸を加工高さ位置から上昇させ、ダイの交換の際には
ダイを着脱自在に支持する下部主軸を加工位置から下降
させる。また、ワークにパンチング加工を行う際には、
上部主軸を回転させてパンチの所定の角度に設定して、
ダイを着脱自在に支持する下部主軸を回転させてダイを
所定の角度に設定し、上部主軸および/または下部主軸
を上下移動させて加工高さ位置に移動すると共に板押え
を下降させる。そして、板押えの下降を開始してから所
定時間経過後に、板押え位置検出器により検出された板
押えの実際の位置が目標送り位置に達しないと判断した
場合には、板押えとダイの間に抜きカスが挟まってカス
上りを生じていると判断して板押えの下降を停止させ
て、加工を中止するので、製品不良の発生や、パンチ自
体の破損等を防止することができる。また、板押えの実
際の位置と板押えに対する指令位置との送り誤差がワー
クの板厚を超えたと判断した場合には、板押えとダイの
間に抜きカスが挟まってカス上りを生じていると判断し
て板押えの下降を停止させて、加工を中止するので、製
品不良の発生や、パンチ自体の破損等を防止することが
できる。
【0078】請求項6の発明によるパンチプレスでは、
パンチの交換の際にはパンチを着脱自在に支持する上部
主軸を加工高さ位置から上昇させ、ダイの交換の際には
ダイを着脱自在に支持する下部主軸を加工位置から下降
させる。また、ワークにパンチング加工を行う際には、
上部主軸を回転させてパンチの所定の角度に設定して、
ダイを着脱自在に支持する下部主軸を回転させてダイを
所定の角度に設定し、上部主軸および/または下部主軸
を上下移動させて加工高さ位置に移動すると共に板押え
を下降させる。そして、位置検出器により板押えの実際
の位置を正確に検出することができ、延いては、カスよ
りを容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパンチプレスのカス上り検出方
法を示すフローチャートである。
【図2】この発明に係る別のパンチプレスのカス上り検
出方法を示すフローチャートである。
【図3】この発明に係るパンチプレスのカス上り検出装
置を示すブロック図である。
【図4】この発明に係るパンチプレスの正面図である。
【図5】図4中V方向から見た平面図である。
【図6】パンチ支持部およびダイ支持部を示す断面図で
ある。
【図7】加工時におけるパンチ支持部およびダイ支持部
を示す断面図である。
【図8】金型交換時におけるパンチ支持部およびダイ支
持部を示す断面図である。
【図9】パンチ支持部および板押えを示す断面図であ
る。
【図10】加工時におけるフレームの間隔を示す説明図
である。
【図11】(A)〜(C)はカス上りの発生を示す断面
図である。
【図12】カス上りによるワークの圧痕の発生を示す断
面図である。
【図13】カス上りによるパンチの変形を示す断面図で
ある。
【図14】カス上りにより正常なワークの送りが阻止さ
れる場合を示す断面図である。
【符号の説明】
1 パンチプレス 3 フレーム 31 支持ボディ(上部主軸) 69 板押え上下用シリンダ(上下機構) 79 板押え 81 板押え位置検出器 117 支持台(下部主軸) 127 抜きカス 167 演算部 169 インポジション信号判断部(判断部) 171 誤差過大信号判断部(判断部) 173 アラーム処理部 175 駆動指令部 W ワーク P パンチ D ダイ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板押えを送ることによりワークを押さえ
    て、パンチとダイとの協働で行ったパンチング加工によ
    り生じた抜きカスが、ダイの上面に残るカス上りを検出
    するためのパンチプレスのカス上り検出方法において、
    前記板押えの送り量が、前記板押えの下降を開始してか
    ら所定時間経過しても前記ダイの上面の上方で予め入力
    されているワークの板厚から加工時におけるパンチプレ
    スのフレームの撓み量を減じた位置である目標送り位置
    に達しない場合には、カス上りを生じたと判断して検出
    すること、を特徴とするパンチプレスのカス上り検出方
    法。
  2. 【請求項2】 サーボ制御により板押えを目標送り位置
    まで送ってワークを押さえ、パンチとダイとの協働で行
    ったパンチング加工により生じた抜きカスが、ダイの上
    面に残るカス上りを検出するためのパンチプレスのカス
    上り検出方法において、前記目標送り位置をダイの上面
    に設定し、前記サーボ制御における指令位置と実際の位
    置との誤差である送り誤差の許容誤差を予め入力されて
    いる前記ワークの板厚に設定し、前記送り誤差が前記ワ
    ークの板厚を超えた場合には、カス上りを生じたと判断
    して検出すること、を特徴とするパンチプレスのカス上
    り検出方法。
  3. 【請求項3】 板押えを送ってワークを押さえ、パンチ
    とダイとの協働で行ったパンチング加工により生じた抜
    きカスが、ダイの上面に残るカス上りを検出するための
    パンチプレスのカス上り検出装置であって、前記板押え
    の実際の位置を検出する板押え位置検出器と、前記ダイ
    の上面の上方で予め入力されているワークの板厚から加
    工時におけるパンチプレスのフレームの撓み量を減じた
    位置である目標送り位置を算出する演算部と、前記板押
    えの下降を開始してから所定時間経過後に前記板押えが
    前記目標送り位置まで送られなかった場合にはカス上が
    りを生じたと判断する判断部と、を備えてなることを特
    徴とするパンチプレスのカス上り検出装置。
  4. 【請求項4】 サーボ制御により板押えを目標送り位置
    まで送ってワークを押さえ、パンチとダイとの協働で行
    ったパンチング加工により生じた抜きカスが、ダイの上
    面に残るカス上りを検出するためのパンチプレスのカス
    上り検出装置であって、前記板押えの実際の位置を検出
    する板押え位置検出器と、この板押え位置検出器からの
    検出位置と板押えに対する指令位置との送り誤差を算出
    する演算部と、この演算部により算出された前記送り誤
    差を所定の範囲に押さえるべく前記板押えを上下移動さ
    せる上下機構に移動指令を発する駆動指令部と、前記送
    り誤差が前記ワークの板厚を超えた場合にはカス上りを
    生じたと判断する判断部と、を備えてなることを特徴と
    するパンチプレスのカス上り検出装置。
  5. 【請求項5】 前記パンチプレスが、パンチを着脱交換
    自在に支持した上部主軸を上下動自在且つ回転自在に設
    けられ、上記パンチと対応するダイを着脱交換自在に支
    持した下部主軸を上下動自在且つ回転自在に設けられ、
    前記上部主軸を、ワークにプレス加工を行うための加工
    高さ位置からパンチの着脱交換を行うためのパンチ交換
    高さ位置へ上昇自在に設けられ、前記下部主軸を、ワー
    クにプレス加工を行うための加工高さ位置からダイの着
    脱交換を行うためのダイ交換高さ位置へ下降自在に設け
    られ、加工時に前記ワークを押さえる板押えを上下動自
    在に設けられると共に、この板押えに板押えの実際の位
    置を検出する板押え位置検出器を備えたものであるこ
    と、を特徴とする請求項3または4記載のパンチプレス
    のカス上り検出装置。
  6. 【請求項6】 パンチを着脱交換自在に支持した上部主
    軸を上下動自在且つ回転自在に設け、上記パンチと対応
    するダイを着脱交換自在に支持した下部主軸を上下動自
    在且つ回転自在に設けたパンチプレスにおいて、前記上
    部主軸を、ワークにプレス加工を行うための加工高さ位
    置からパンチの着脱交換を行うためのパンチ交換高さ位
    置へ上昇自在に設け、前記下部主軸を、ワークにプレス
    加工を行うための加工高さ位置からダイの着脱交換を行
    うためのダイ交換高さ位置へ下降自在に設け、加工時に
    前記ワークを押さえる板押えを上下動自在に設けると共
    に、この板押えに板押えの実際の位置を検出する位置検
    出器を備えてなること、を特徴とするパンチプレス。
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