JP2002190414A - インピーダンス整合装置および可変インダクタ - Google Patents

インピーダンス整合装置および可変インダクタ

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JP2002190414A
JP2002190414A JP2001305712A JP2001305712A JP2002190414A JP 2002190414 A JP2002190414 A JP 2002190414A JP 2001305712 A JP2001305712 A JP 2001305712A JP 2001305712 A JP2001305712 A JP 2001305712A JP 2002190414 A JP2002190414 A JP 2002190414A
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capacitor
inductor
impedance
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JP2001305712A
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Richard R Mett
アール. メット リチャード
Robert D Greenway
ディー. グリーンウェイ ロバート
Gabriel Bilek
ビレク ゲイブリエル
Ajey Joshi
ジョシ アジェイ
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Applied Materials Inc
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/38Impedance-matching networks

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  • Plasma Technology (AREA)
  • Amplifiers (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率のインピーダンス整合装置を提供す
る。 【解決手段】 本発明の装置200は、高効率高周波
(RF)インピーダンス整合回路網102を備えてい
る。この回路網は、「L型」インダクタ−コンデンサ
(LC)回路110、116を含んでいる。コンデンサ
110は、入力ポート128からグラウンド126に結
合された可変コンデンサである。インダクタ116は、
入力ポート128から出力ポート132に結合された可
変インダクタンスインダクタである。阻止コンデンサ1
20は、インダクタ116と出力ポート132との間に
設けられている。セラミックコンデンサ112は、可変
コンデンサ110に並列に結合されている。インピーダ
ンス整合は、インダクタ116及びコンデンサ110の
双方の調整要素236、212を物理的に調節すること
により調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波(RF)信
号源のインピーダンスを負荷のインピーダンスに整合さ
せるインピーダンス整合装置に関し、特に、高効率のイ
ンピーダンス整合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波(RF)整合回路網は、実質的に
抵抗性のインピーダンス(例えば50オーム)を有する
RFソースから複素インピーダンスを有する負荷にRF
電力(例えば13.56MHz)を結合させるために用
いられる。この整合回路網は、ソースインピーダンスを
負荷インピーダンスに整合させることにより、RF電力
をソースから負荷に効率良く結合させる。通信システム
内のアンテナにRF電力やマイクロ波電力を結合させた
り、半導体ウェーハ処理システム等のプラズマ反応チャ
ンバ内のプラズマにRF電力を結合させるなどの高出力
用途では、整合回路網は比較的効率のよいものである必
要がある。すなわち、全ループ抵抗への整合回路網の寄
与を、できる限り小さくすべきである。整合回路網の抵
抗は熱を発生させ、回路網を通じて結合される電力の損
失をもたらす。整合回路網の効率が悪いと、整合回路網
内の損失に打ち勝つためにソース電力の追加が必要にな
ったり、整合回路網内で発生する熱を消散させるための
冷却が更に必要となる。逆に言えば、整合回路網の損失
を最適化することにより、より多くの電力が負荷に伝達
されるようになる。このような電力の増加分により、プ
ラズマ半導体ウェーハ処理システム内のエッチングレー
トが高まり、物理気相堆積システムから優れたデポジシ
ョンが得られるなどといった効果がもたらされる。整合
回路網の損失の実験研究が示すところでは、最適な回路
網構成が、ループ抵抗と漂遊容量を最小限に抑えるはず
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、この技術
では、高効率のインピーダンス整合が要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】先行技術に伴う上記の問
題点は、本発明の高電力、高効率の高周波(RF)イン
ピーダンス整合装置により克服される。本発明の整合装
置は、「L型」インダクタ−コンデンサ(LC)回路を
含んでいる。ここで、コンデンサは、入力ポートからグ
ラウンドに結合された可変コンデンサであり、インダク
タは、入力ポートから出力ポートに結合された可変イン
ダクタである。インダクタと出力ポートとの間には阻止
コンデンサが設置されており、また、可変コンデンサに
対して並列にセラミックコンデンサが結合されている。
インピーダンス整合は、インダクタおよびコンデンサの
双方の調整要素を物理的に調節することにより調整され
る。
【0005】より具体的に述べると、上記の可変コンデ
ンサは、コンデンサに電力を最適に結合する高効率スリ
ップリングを含んだ空気可変コンデンサである。具体的
には、このスリップリングは、付勢要素とベベル環を有
しており、この付勢要素は、ベベル環の頂部を回転子の
コンタクト部分、例えば銅ナット、に接触した状態に維
持する。この銅ナットは、可調整コンデンサの導電性回
転子シャフトにねじ込まれている。このため、RF電力
は、付勢要素、ベベル環、ナットおよび回転子シャフト
を介して回転子極板に到るように結合される。このベベ
ルスリップリングは、コンデンサに電力を効率良く結合
させる。
【0006】更に、コンデンサを介した電力の効率の良
い結合を促進するため、コンデンサの極板は、組立ての
前に、新規な洗浄プロセスを用いて洗浄される。この洗
浄プロセスでは、極板を温かいアルカリ性界面活性剤中
で脱脂し、水洗し、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、
水洗し、希釈硝酸中に浸漬し、水洗し、水に浸漬し、最
後に、乾燥した窒素または空気を吹き付けて乾燥する。
このプロセスにより、ともすればコンデンサの効率を低
下させかねない表面汚染物質がほとんど全て除去され
る。
【0007】可変インダクタは、改良型調整要素と、調
整要素およびインダクタ中の電流の流れを最適化する改
良型コイルと、を含んでいる。可変インダクタは、多重
巻きコイルを含むとともに、コイルの巻きの間に散在す
るように回転可能シャフトに取り付けられた複数の調整
要素を含んでいる。更に具体的に述べると、インダクタ
コイルは長方形の断面を有しており、この断面の長辺
は、調整要素に対して平行である。このような長方形断
面は、調整要素がインダクタコイルにかみ合っていると
き、および調整要素がインダクタコイルから外れている
とき、の双方の場合にインダクタの損失を最小限に抑え
る。更に述べると、コイルは、表面の汚染物質を除去す
るとともに組立て後の再汚染を避けるため、ブライトエ
ッチングが施され、エポキシでシールされる。更に、調
整要素は、回転可能シャフトにエポキシ系接着剤で接着
された銅クラッドガラス繊維プレートである。このた
め、これらの要素は、インダクタンスの調整に効果的で
あり、また質量が小さいのでインダクタンスを迅速に調
整することができる。更に、調整要素は、調整要素内の
電流効率が最適になるように三日月形の平面形状を有し
ている。
【0008】整合の効率を更に高めるために、本装置
は、優れたエンクロージャ内部仕上げ、例えば硬質黒色
陽極酸化仕上げ、を利用したり、漂遊容量を低減する様
々な回路最適化技術を利用する。
【0009】本発明は、整合回路網に従来から伴う損失
を大きく低減する。本発明を用いてプラズマ半導体ウェ
ーハエッチングシステムを駆動すると、エッチングレー
トが従来技術の整合回路網、例えばApplied Materials
社製のP5000整合回路網、よりも5〜25パーセン
ト高まる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の内容は、添付図面ととも
に以下の詳細な説明を考察することにより容易に理解す
ることができる。
【0011】理解を容易にするため、図面に共通の同一
要素には可能な限り同一の参照番号を使用している。
【0012】図1は、高周波(RF)電力をRFソース
100から負荷104へ結合させるRFインピーダンス
整合回路網102の概略図を表している。整合回路網の
効率のよい動作を達成するためには、回路網の整合抵抗
と漂遊容量を共に最小限に抑えなければならない。この
ような最小化は、RF電力を様々な回路素子に効率よく
結合させ、構成要素に新規な被覆と仕上げを施し、イン
ダクタ調整要素の設計を改良して電流の流れを改善する
ことにより達成される。本発明の改良点を良く理解する
ために、新規な整合回路網の特定の発明要素を開示する
前に回路網の基本について簡単に述べる。
【0013】RFソース100は、固定抵抗インピーダ
ンス、例えば50オーム、を有している。このため、R
Fソースは、直列抵抗108に接続されたAC信号源1
06としてモデル化される。負荷104は、例えば、半
導体ウェーハ処理システムのプラズマ反応チャンバ内の
プラズマのような時変複素インピーダンスである。瞬時
負荷インピーダンスは、直列抵抗124に接続されたコ
ンデンサ122としてモデル化される。整合回路網10
2は、先行技術の整合回路網に伴う損失に比べて実質的
に低い損失でソースインピーダンスを負荷インピーダン
スに整合させる。本発明の整合回路網は、負荷インピー
ダンスの変化に応じて最適な整合を維持するように機械
的に調整することができる。
【0014】具体的には、整合回路網102は、ソース
100と負荷104との間に接続された「L型」RF回
路である。このL型RF回路は、可変インダクタ116
に接続された空気可変コンデンサ110を主として含ん
でいる。更に具体的に述べると、空気可変コンデンサ1
10は、ソース100に並列に接続、例えば入力端子1
28からグラウンド126に接続されている。RF信号
を13.56MHzで半導体ウェーハ処理システムの反
応チャンバに整合させるために、空気可変コンデンサ
は、30〜1330pFの範囲の容量を有し、可変イン
ダクタは、1〜2μHの範囲のインダクタンスを有して
いる。固定セラミックコンデンサ112(例えば、45
0pF)は、空気可変コンデンサ110に並列に接続さ
れている。整合抵抗、すなわちループ抵抗114(この
抵抗は、物理的な構成要素ではなく、回路網内の全ての
構成回路中の累積抵抗損失、およびこの損失のエンクロ
ージャとの相互作用を表している)は、ソース100と
直列に接続されている。特に、この抵抗は、入力端子1
28に接続された第1端子を有するものとしてモデル化
される。抵抗114の第2端子は、可調整インダクタ1
16の第1端子に結合されている。インダクタ116の
第2端子は、阻止コンデンサ120(例えば、210p
F)に結合される。ここで、阻止コンデンサは、負荷1
04に接続されている。コンデンサ118は、回路網内
の漂遊容量および寄生容量を表しており、インダクタ1
16の第2端子から接地126に接続されている。矢印
130は、回路網内を循環する瞬時電流を表している。
【0015】図2は、図1で概略図示されたRF整合回
路網102を含む可調整RF整合システム200の斜視
図を示している。この整合回路網は、図1の概略図に示
されるように相互接続された構成要素を含んでいる。図
1の回路要素に加えて、システム200は、インダクタ
調整要素206および空気可変コンデンサの回転子20
8にそれぞれ結合された一対の調整用モータ202およ
び204(DCサーボモータ)を含んでいる。
【0016】具体的には、空気可変コンデンサ208
は、複数の固定(固定子)要素210(即ち、アルミニ
ウム翼)、複数の調整(回転子)要素212(即ち、可
動アルミニウム翼)、上部フレーム226、下部フレー
ム228、シャフト214、導電性固定子バス222、
およびスリップリング218を含んでいる。複数の固定
子素子210は、互いに平行に離間するように導電性固
定子バス222に締結されている。バス222は、これ
らの固定子要素210を相互に導電結合させる。バス2
22は、絶縁体223(例えば、G−10スペーサ)に
よって下部フレーム228から絶縁されている。固定子
バス222は、固定子コンタクト227を介して接地エ
ンクロージャ224に取り付けられる。バス222は上
部フレーム226に取り付けられているが、このバス
は、上部フレーム226から電気絶縁されており、RF
信号を伝搬させる導体として上部フレームを使用できる
ようになっている。
【0017】容量性調整要素(回転翼)212は、固定
翼210の各対の間に散在している。従来の方式で、固
定翼の上に重なる各回転翼の面積を増減することによ
り、空気可変コンデンサ110の容量が変わる。このコ
ンデンサは、例えば30pFから1330pFまで変化
させることができる。回転翼212の各々は、互いに平
行に離間した状態でシャフト214に取り付けられてい
る。調整は、シャフト214を回転させることにより行
なわれる。シャフト214は、下部フレーム228によ
って保持される従来のボールピボット216により第1
の端部が支持され、新規なスリップリング218により
第2の端部が支持されている。このシャフトは、上部ハ
ウジングを貫通して、モータ204により駆動される第
1のピニオンギヤ装置220まで延在する。このため、
モータ204の回転がシャフトを回転させ、回転子要素
を固定子要素の間に正確に位置決めする。
【0018】入力端子128(例えば、整合回路網の後
に位置するN型コネクタ)は、上部フレーム226を介
してスリップリング218に結合されている。このスリ
ップリングは、ソース信号をコンデンサの回転翼に結合
する。この信号は、可調整空気可変コンデンサ110を
介してグラウンドに結合される。スリップリング218
の発明構造については、図3および図4を参照して詳細
に後述する。
【0019】回転翼および固定翼の表面上の表面汚染物
質は、コンデンサの効率を劣化させる。従って、このよ
うな汚染物質は、コンデンサの組立ての前に翼から除去
しなければならない。新規な洗浄プロセスを用いて、実
質的に全ての表面汚染物質を除去する。まず、これらの
翼を、水切れのない状態が得られるまで温かい(104
゜F/40゜C)アルカリ性界面活性剤(例えば、Oaki
te 61B)中に浸漬することにより脱脂する。次に、これ
らの翼を、空気攪拌を行った冷たい水道水に入れて徹底
的に水洗する。水洗が終わったら、残油やその他の異質
な汚染物質の有無を検査する。更に洗浄が必要なとき
は、翼を界面活性剤に再浸漬する。残油が残っていない
ときは、翼を、120〜130゜F/49〜54゜Cの
水酸化ナトリウム水溶液(1ガロン当たり3〜5オン
ス、または3.4リットル当たり80〜140グラム)
に15〜20秒間、浸漬する。次に、翼を、空気攪拌を
行った冷たい水道水に入れて3分間水洗する。更に、翼
を、脱イオン(DI)水で希釈した硝酸(10〜30
%)中における30秒間の浸漬および攪拌により洗浄す
る。この後、翼を冷たいDI水中で30秒間水洗し、次
いで翼を温かい(110〜115゜F/45゜C)DI
水に3分間浸漬して置く。水温が115゜F/45゜C
を超えないように注意しなければならない。最後に、
0.1ミクロン濾過を行った乾燥窒素または乾燥空気を
翼に吹き付けて乾燥させる。この時点で、翼は十分に清
浄であり、組立ての準備ができている。
【0020】コンデンサのスリップリング218は、セ
ラミックコンデンサ112の第1端子に導電結合されて
いる。セラミックコンデンサ112のおおよその静電容
量は、450pFである。コンデンサ112の第2端子
は、接地エンクロージャ224に接続されている。
【0021】コンデンサ112の第2端子は、可変イン
ダクタ116に結合されている。インダクタ116は、
第1および第2の絶縁スタンドオフ230および232
によってエンクロージャから離間されている。スタンド
オフの詳細については、図8を参照して後述する。
【0022】可変インダクタ116は、コイル234、
複数の調整要素236、およびシャフト238を含んで
いる。このコイルは、ブライトエッチングおよびエポキ
シ被膜が施された無酸素高伝導銅(OFHC)から製造
されている。13.56MHzでのRF表皮効果によ
り、電流は、コイルの銅の深さ0.7ミルまでに集中す
るようになる。このような浅い表皮深さでは、表面汚染
物質を除去する必要があり、これをしないと汚染物質が
電流の流れを阻害することになる。このため、コイル
は、ブライトエッチングを施すことにより汚染物質が除
去された後、エポキシ被覆が施され、組立て後、銅の表
面に汚染物質が再び堆積しないようになっている。
【0023】インダクタの効率を更に高めるため、中心
線に面するコイルの内側垂直面を拡大し、また、コイル
の水平面、すなわち調整要素に対向する表面を拡大する
ことにより、コイル表面における抵抗が低減されてい
る。このため、コイルは、実質的に長方形の断面を有し
ている。シャフト238は、第1の端部242において
回転自在に支持されている。シャフト238の第2の端
部244は、ブッシュ246を通って第2ピニオンギヤ
装置240まで延在している。このピニオンギヤ装置
は、モータ202によって駆動され、シャフト238を
回転させる。本発明の可変インダクタ116の詳細につ
いては、図5、6および7を参照して以下で開示する。
【0024】スタンドオフ232は、出力端子132に
コイルを結合する。導体250は、コイルの端部に重な
ってボルト締めされている。このため、RF信号は、コ
イルから導体250に結合される。導体250は、出力
回路および出力端子132に信号を結合させる。この出
力回路は、順方向電力および反射電力をモニタしたり、
あるいは他の診断測定を行うことができる。この回路
は、本発明のいずれの部分も形成しない。
【0025】この整合回路網全体は、一対のファン24
8によって空冷される。これらのファンは、エンクロー
ジャ224の片側に取り付けられており、空気がエンク
ロージャを通過するようにする。
【0026】図3はスリップリング218の斜視図であ
り、図4はスリップリング218の断面図である。本発
明のスリップリングをよく理解するためには、以下の説
明を読むにあたって、図3と図4の双方を同時に参照す
る必要がある。
【0027】スリップリング218は、取付けフランジ
300および302、ライザ308および310、支持
部材306、ベベル環(beveled annulus)312、お
よび開口部314を含んでいる。このスリップリング
は、ベリリウム−銅(Be−Cu)シート材から製造さ
れている。このシート材は、開口部314および4個の
取付け穴318が形成されるように打ち抜かれる。この
後、この打ち抜かれたシート材は、図示の形状にプレス
される。各ライザ310および308は、それぞれフラ
ンジ302および300を支持部材306に接続する。
スリップリングのこれらの構成要素は、ベベル環を回転
子コンタクト要素、例えばシャフト214上のシャフト
支持ナット316、に押し付けるばね張力(付勢要素)
を共同で提供する。この他に、一部の応用例では、単一
のフランジ300を支持部材306に接続する単一のラ
イザを用いることもできる。更に、他の応用例では、単
一のライザか二つのライザが用いられる場合に、弾性付
勢要素(想像線で示される環状ゴム要素400)を用い
て、部材306を更に支持するとともに、部材306を
回転子コンタクト要素に向かって付勢することができ
る。
【0028】具体的には、ライザは、取付けフランジの
平面よりも約0.32インチ(0.81cm)上方に支
持部材を配置する。ベベル環312は、支持部材306
の中央に形成される。ベベル環は、開口部314に外接
して開口部314を画成している。この開口部は、空気
可変コンデンサの回転自在シャフト214の直径、例え
ば0.455インチ(1.16cm)、によって定まる
半径を有している。ベベル環の断面は、三角形を形成し
ている。この三角形は、74度で傾斜した辺を有すると
ともに、三角形の頂部に半径0.0150インチ(0.
04cm)の丸み313を有している。もちろん、この
ベベルは、半円、半楕円などを含む他の任意の断面形状
を有していてもよい。ベベルの頂部は、丸み313にお
いて、回転子コンタクト要素、例えば導電性ナット31
6、と接触する。このナットは、一般に、Oilyte
として知られる材料から製造され、シャフト214にね
じ込まれている。このため、ナットと頂部との接触によ
り、RF電力がソースから空気可変コンデンサの回転子
に結合される。比較的小さな半径の丸みにより、ナット
とスリップリングとの間の摩擦が最小限に抑えられるの
で、滑らかな調整動作が可能になる。更に、この小さな
半径により、コンデンサ中へのRF電力の効率のよい結
合が促進され、ナットとベベル環との間の接合部に汚染
物質が形成されてRF結合を妨害する可能性も小さくな
る。
【0029】図5は、インダクタ調整要素236の平面
図である。この調整要素は、導電性材料でめっきされた
低質量の絶縁体コアを含んでいる。RF信号の表皮効果
によってRF信号は調整要素の厚さの数分の1しか侵入
しないので、この素子は、予想される表皮効果よりも深
い厚さまで導電性材料でめっきされる。低質量のコアを
有するこのようなめっき調整要素は、調整要素の慣性モ
ーメントを小さくするので、調整中における迅速かつ正
確な回転が容易になる。
【0030】具体的には、コア500は、厚さ約0.0
63インチ(0.16cm)のFR−4ガラスエポキシ
積層体などの低質量材料である。この積層体は、0.5
オンスの銅クラッドで被覆された後、両側面および縁部
を2オンスの銅でめっきされている。調整シャフトへの
調整要素236の接着を容易にするために、調整要素2
36の一端502には、被覆もめっきも施さない。この
ため、エポキシがコア材に付着して、調整要素をシャフ
トに固定する。
【0031】この調整要素は、RF電力の調整要素への
効率のよい結合を促す平面形状(三日月形状)を有して
いる。具体的には、調整要素は、半径1.025インチ
(2.6cm)の弧の形状を有する内縁部504と、同
様の半径の弧の形状を有する外縁部506と、を有して
いる。外縁部506は、丸コーナ508で内縁部504
と交わる。スロット510は、調整要素の一端部(コー
ナ508の反対側の端部)に切り込んでおり、回転可能
調整シャフトへの取付けを容易にしている(図6を参
照)。
【0032】図6は、可変インダクタ116の調整シャ
フト238を示している。本発明の理解を容易にするた
め、シャフト238は、このシャフトに取り付けられる
多数の調整要素236、および多数の空の取付けスロッ
ト600とともに示してある。更に、調整要素に対する
コイルの相対配置を示すために、図6は、コイル234
の一部断面を示している。図7は、図6の7−7線に沿
った取付けスロット600の詳細な図である。本発明を
よく理解するためには、図6と図7を同時に参照する必
要がある。
【0033】シャフト238は、複数の取付けスロット
600(例えば、9個のスロット)を有している。これ
らのスロットは、シャフトの回転軸に対して所定の角度
(例えば、6.58度)でシャフトに切り込んでいる。
この角度は、間に調整要素が散在するコイル234の角
度と一致している。このため、調整要素236は、コイ
ル234の平面と平行になっている。各取付けスロット
600は、シャフトの両側に切り込んだ一対のスロット
700および702であり、調整要素236の各々にお
けるスロット(図5の510)がシャフト238と嵌合
するようになっている。調整要素は、エポキシを用いて
シャフトに取り付けられる。シャフトは、ガラス繊維G
−10から製造されている。これらのスロットは離間さ
れており(例えば、0.577インチ間隔)、調整要素
がコイル234の個々の巻きの間に延在するようになっ
ている。
【0034】コイル234は、調整要素236に平行な
長辺602を有する長方形断面、例えば寸法が0、22
8インチ(0.58cm)×0.325インチ(0.8
3cm)の断面、を有している。調整要素がコイルにか
み合った状態では、最大量の電流密度が調整要素に対向
するコイル表面を流れるので、調整要素に対向するコイ
ルの側面602の増加により、可変インダクタの効率が
高まる。更に、調整要素がコイルから外された状態で
は、最大量の電流密度がコイルの中心線に面する表面6
04を流れる。従って、コイル厚の増加により、可変イ
ンダクタの効率が高まる。すなわち、固定抵抗成分が減
少する。長方形のコイル断面が好適であるが、正方形の
断面を使用することもできる。
【0035】図8は、コイル(図2の234)をエンク
ロージャに取り付けるための絶縁スタンドオフ230を
示している。スタンドオフ230は、円筒形状であり、
ULTEM−1000から製造されている。スタンドオ
フは、第1の端部800に刻み付き穴806を有し、か
つ第2の端部802にねじ穴804を有するように機械
加工されている。穴804は、スタンドオフをエンクロ
ージャに取り付けるボルト(図示せず)と嵌合するよう
にねじが切られている。刻み付き穴806には、導電性
インサート808が装着される。インサート808は、
刻み付き穴806に圧入される刻み付き延長部810を
有している。フランジ812は、この延長部から径方向
に延在し、端部800に接触している。フランジ中央か
ら延びているのは、ねじ付きピン814である。コイル
は、このねじ付きピンの上から挿入され、ナットを用い
て締結される。スタンドオフ内でアーク放電が発生する
可能性を低減するために、刻み付き延長部の端部816
は、刻み付き穴806の底818から0.01インチ以
内にある。更に、プレート820は、穴804の底部に
配置される。最大の電界は、円筒形スタンドオフの中心
軸に沿って長手方向に形成される。具体的には、電界
は、刻み付き延長部806の底816とプレート820
との間に形成される。プレートの刻み付き延長部の底に
おけるいかなる実質的なエアギャップも、絶縁破壊を引
き起こしてアーク放電を発生させることになる。このた
め、コイルは、エンクロージャに対して離間された状態
に維持される。
【0036】整合装置の抵抗を更に低減するため、エン
クロージャはアルミニウム合金で製造されており、内部
全体が硬質黒色陽極酸化されている。従来のクロメート
表面仕上げは、整合回路網の効率に大きな損失を与える
ことが分かっている。この黒色陽極酸化被覆は、高RF
場に面するエンクロージャ表面に誘電体層を形成する。
清浄な金属/誘電体界面は、損失に寄与する半導体表面
層を最小限に抑える。このような黒色陽極酸化は、整合
回路網の効率を、裸の金属内面を有するエンクロージャ
よりも5〜10パーセント高くすることが実験研究で明
らかになっている。
【0037】本発明の整合回路網は、従来から市販され
ているApplied Materials社製のP5000整合回路網
のループ抵抗よりも相当に低いループ抵抗を有してい
る。具体的には、本発明のループ抵抗が0.30オーム
と低いのに対し、P5000整合回路網のループ抵抗は
約1.35オームである。抵抗の測定は、整合装置を真
空コンデンサ(Cterm)(約50pf)で終端し、整合
装置への入力における1ポート反射係数を回路網解析器
を用いて測定することにより行われる。調整要素は、測
定を行うための所望の位置に調整され、共振が得られる
まで周波数が掃引される。次に、反射係数が−50db
未満になるまで整合装置中のコンデンサを調整する。反
射電力が最小のときの周波数(f0)を記録する。この
後、回路網解析器の接続を断ち、整合装置への入力静電
容量(Cin)を、LCRメータを用いて1KHzで測定
する(すなわち、整合装置インダクタは1KHzでショ
ートする)。整合回路網のループ抵抗は、以下の式を用
いて計算される。
【0038】
【数1】 低いループ抵抗に加えて効率が高いことも、P5000
整合ユニットのコイルが105°Fで動作し、本発明の
コイルが51°Fで動作するという事実から明らかであ
る。この効率は、整合回路網を用いてRF電力を半導体
ウェーハ処理プラズマに結合させるときの5〜25パー
セントのエッチングレートの上昇に相当する。更にま
た、このような高い効率は、動作温度の低下、負荷の電
力利用度の増加、信頼性の向上をもたらす。
【0039】本発明の内容を組み込んだ様々な実施形態
を示して詳細に説明してきたが、当業者であれば、これ
らの内容が依然として組み込まれた他の多くの変形例を
容易に考案することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインピーダンス整合回路網の概略図で
ある。
【図2】本発明のインピーダンス整合装置の透視図であ
る。
【図3】図2の空気可変コンデンサのスリップリングの
斜視図である。
【図4】図3の4−4線に沿ったスリップリングの断面
図である。
【図5】誘電調整要素の平面図である。
【図6】誘電調整要素アセンブリの斜視図である。
【図7】図6の7−7線に沿った調整要素取付けシャフ
トの詳細な透視図である。
【図8】図1のエンクロージャにコイルを取り付けるス
タンドオフを示す図である。
【符号の説明】
102…インピーダンス整合回路網、104…負荷、1
06…信号源、108…直列抵抗、110…可変コンデ
ンサ、116…可変インダクタ、200…可調整RF整
合システム、210…固定子、212…回転子、214
…シャフト、218…スリップリング、224…エンク
ロージャ、234…コイル、236…インダクタ調整要
素、238…シャフト、300および302…フラン
ジ、306…支持部材、308および310…ライザ、
312…ベベル環、313…丸み、314…開口部、3
16…導電性ナット、318…取付け穴。
フロントページの続き (72)発明者 リチャード アール. メット アメリカ合衆国, カリフォルニア州, サンタクララ , アンナ ドライヴ 2255 (72)発明者 ロバート ディー. グリーンウェイ アメリカ合衆国, カリフォルニア州, サニーヴェイ ル, イースト ワシント ン アヴェニュー 555, ナンバー2013 (72)発明者 ゲイブリエル ビレク アメリカ合衆国, カリフォルニア州, サン ノゼ, ハンティントン ドライヴ 1082 (72)発明者 アジェイ ジョシ アメリカ合衆国, カリフォルニア州, サン ノゼ, シルヴァーランド ドライ ヴ 3071 Fターム(参考) 5E070 AA20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のインピーダンスを第2のインピー
    ダンスに整合させる装置であって、 コンデンサと、 前記コンデンサに結合された可変インダクタであって、
    複数の個々のコイル巻きを有するコイルと、複数のイン
    ダクタ調整要素を支持するシャフトと、を有する可変イ
    ンダクタと、を備え、前記コイルは長方形の断面を有し
    ており、このコイルの長辺は前記調整要素の各々に平行
    であり、前記インダクタ調整要素の各々が一対のコイル
    巻きの間に延在している装置。
  2. 【請求項2】 前記シャフトは所定の角度で前記調整要
    素の各々を支持しており、各前記調整要素の平面が前記
    個々のコイル巻きの各々の平面と平行である請求項1記
    載の装置。
  3. 【請求項3】 第1のインピーダンスを第2のインピー
    ダンスに整合させる装置であって、 コンデンサと、 前記コンデンサに結合された可変インダクタであって、
    複数の個々のコイル巻きを有するコイルと、複数のイン
    ダクタ調整要素を支持するシャフトと、を有する可変イ
    ンダクタと、を備え、前記コイルはブライトエッチング
    およびエポキシ被覆が施されている装置。
  4. 【請求項4】 第1のインピーダンスを第2のインピー
    ダンスに整合させる装置であって、 コンデンサと、 前記コンデンサに結合された可変インダクタであって、
    複数の個々のコイル巻きを有するコイルと、複数のイン
    ダクタ調整要素を支持するシャフトと、を有する可変イ
    ンダクタと、 前記コンデンサおよび前記可変インダクタを囲む導電性
    エンクロージャと、 前記エンクロージャの内面に対して離間した状態で前記
    コイルを支持する非導電性スタンドオフと、を備え、 前記スタンドオフは第1の端部および第2の端部を有し
    ており、前記第1端部は導電性結合器を保持する穴を含
    んでおり、前記第2端部は自身の底部にプレートを有す
    る第2の穴を含んでいる装置。
  5. 【請求項5】 前記コンデンサが可変コンデンサである
    請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記可変コンデンサは入力ポートからグ
    ラウンドに接続されており、前記可変インダクタは前記
    入力ポートから出力ポートに結合されており、前記入力
    ポートは前記第1インピーダンスに結合されており、前
    記出力ポートは前記第2インピーダンスに結合されてい
    る請求項5記載の装置。
  7. 【請求項7】 複数の個々のコイル巻きを有するコイル
    と、複数のインダクタ調整要素を支持するシャフトと、
    を有する可変インダクタであって、 前記コイルは長方形の断面を有しており、このコイルの
    長辺は前記調整要素の各々に平行であり、前記インダク
    タ調整要素の各々が一対のコイル巻きの間に延在してい
    る可変インダクタ。
  8. 【請求項8】 前記シャフトは所定の角度で前記調整要
    素の各々を支持しており、各前記調整要素の平面が前記
    個々のコイル巻きの各々の平面と平行である請求項7記
    載の可変インダクタ。
  9. 【請求項9】 複数の個々のコイル巻きを有するコイル
    と、複数のインダクタ調整要素を支持するシャフトと、
    を有する可変インダクタであって、 前記コイルはブライトエッチングおよびエポキシ被覆が
    施されている可変インダクタ。
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