JP2002190372A - ホットプレートユニット - Google Patents

ホットプレートユニット

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JP2002190372A
JP2002190372A JP2000387902A JP2000387902A JP2002190372A JP 2002190372 A JP2002190372 A JP 2002190372A JP 2000387902 A JP2000387902 A JP 2000387902A JP 2000387902 A JP2000387902 A JP 2000387902A JP 2002190372 A JP2002190372 A JP 2002190372A
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Japan
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hot plate
fixing member
plate unit
laminated structure
ceramic substrate
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JP2000387902A
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English (en)
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Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を低下させず、セラミックヒータの加
熱面が傾くことがなく、セラミックヒータおよび/また
は支持容器においてクラックや欠け等が発生しないホッ
トプレートユニットを提供する。 【解決手段】 抵抗発熱体が形成された円形状のセラミ
ック基板と、支持容器とを含んで構成されるホットプレ
ートユニットであって、前記支持容器上に円環形状の断
熱部材が配置され、前記断熱部材上に前記セラミック基
板が配置されて積層構造体が構成され、その側面および
外縁部を覆う固定部材により前記積層構造体が締付けら
れ、固定されていることを特徴とするホットプレートユ
ニット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体産業に
おいて、乾燥、スパッタリング等に用いられるホットプ
レートユニット、および、ホットプレート、静電チャッ
ク、ウエハプローバ等として用いられるホットプレート
ユニットに関し、特には、半導体製造、検査用ホットプ
レートユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製品は、半導体ウエハ上に感光性
樹脂をエッチングレジストとして形成し、半導体ウエハ
のエッチングを行う工程等を経て製造される。
【0003】この感光性樹脂は液状であり、スピンコー
ターなどを用いて半導体ウエハ表面に塗布されるのであ
るが、塗布後に溶剤等を飛散させるため乾燥させなけれ
ばならず、塗布した半導体ウエハをヒータ上に載置して
加熱することになる。従来、このような用途に使用され
る金属製のヒータとしては、アルミニウム板の裏面に抵
抗発熱体を配置したものが採用されていた。
【0004】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。まず、金属製であるため、
ヒータ板の厚みは、少なくとも15mm程度と厚くしな
ければならない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起
因する熱膨張により、反り、歪み等が発生してしまい、
金属板上に載置した半導体ウエハが破損したり傾いたり
してしまうからである。しかしながら、ヒータ板の厚み
を厚くすると、ヒータの重量自体が重くなり、また、か
さばってしまうという問題があった。
【0005】また、抵抗発熱体に印加する電圧や電流量
を変えることにより、加熱温度を制御するのであるが、
金属板が厚く熱容量が大きいため、電圧や電流量の変化
に対してヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御し
にくいという問題もあった。
【0006】そこで、特開平9−306642号公報、
特開平4−324276号公報等に記載されているよう
に、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい非酸化
物セラミックであるAlNを使用し、このAlN基板の
表面または内部に抵抗発熱体が形成されたセラミック基
板を有するセラミックヒータが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】通常、このようなセラ
ミックヒータは、円板形状であり、セラミック基板と略
同じ直径の有底円筒形状からなる支持容器に取り付けら
れ、ホットプレートユニットとして使用される。なお、
支持容器は、セラミックヒータを支持するとともに、そ
の内部に配線が格納され、また、セラミックヒータから
の放射熱を遮蔽し,周囲の電源および/または精密機器
類が収められた制御装置等を保護する役目を果たす。
【0008】図9は、従来用いられていたホットプレー
トユニットを模式的に示す断面図である。ホットプレー
トユニット700は、セラミックヒータ71と支持容器
80とを含んで構成されている。セラミックヒータ71
は、円板形状のセラミック基板71aの加熱面の反対側
となる底面に、抵抗発熱体72が形成されている。抵抗
発熱体72の表面には、抵抗発熱体の酸化等を防止する
ための金属被覆層(図示せず)が形成され、抵抗発熱体
72の端部には、外部端子83がろう付けされており、
さらに外部端子83には、ソケット84を介してリード
線89が接続されている。
【0009】また、セラミック基板71aには、有底孔
74および貫通孔75が形成されている。貫通孔75
は、リフターピン(図示せず)を挿通させることによ
り、被加熱物である半導体ウエハ(図示せず)をセラミ
ック基板71aから離間させて保持することができ、ま
た、リフターピンを上下させることにより、半導体ウエ
ハの受渡し等を行うことができるようになっている。有
底孔74には、セラミック基板71aの温度を測定する
ために、リード線89が接続された測温素子73が埋め
込まれている。
【0010】また、支持容器80は、ケーシング88と
中底板81と底板82とから構成されている。ケーシン
グ88には、略円筒形状の外枠部88aの内側上部に、
セラミック基板71と断熱リング87とを支持する円環
形状の基板受け部88bが設けられるとともに、ケーシ
ング88の中程には、中底板81が取り付けられ、さら
にこの中底板81の下方には、底板82が固定されてい
る。
【0011】そして、セラミックヒータ71は、断面視
L字形状の断熱リング87を介して、外枠部88aに嵌
合され、基板受け部88b上に設置されており、さら
に、ボルト等の締め付け具871とワッシャの如き押さ
え金具870とによって支持容器80に固定されてい
る。なお、締め付け具871は、断熱リング87および
ケーシング88に形成された孔に設けられている。
【0012】また、支持容器80において、底板82に
は、冷媒導入管86が取り付けてあり、支持容器の内部
に冷却用のエア等を導入することができるようになって
いる。なお、中底板81には、底板82に固定されてい
るガイド管85、冷媒導入管86等の邪魔にならないよ
うに貫通孔が形成されている。なお、この支持容器80
の下部には、制御機器や電源等を収めた制御装置(図示
せず)が存在しており、リード線89が、制御装置内の
制御機器に接続されている。
【0013】図10は、従来用いられていたホットプレ
ートユニットの他の実施形態を模式的に示す断面図であ
る。ホットプレートユニット900において、セラミッ
クヒータ71は、断面視L字形状の断熱リング97を介
して、外枠部88aに嵌合され、基板受け部88b上に
設置されており、さらに、ボルト等の締め付け具971
とワッシャの如き押さえ金具970とによって支持容器
80に固定されている。また、締め付け具971は、セ
ラミック基板71a、断熱リング87およびケーシング
88に形成された孔に設けられている。なお、それら以
外は、図9と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0014】従来、ホットプレートユニットにおいて、
セラミックヒータを支持容器に固定する方法として、図
9に示したように、セラミックヒータを、断熱リングを
介して、支持容器に嵌め込み、その上部に押さえ金具を
配置し、締め付け具を支持容器および断熱リングに設け
て固定する方法、また、図10に示したように、セラミ
ックヒータを、断熱リングを介して、支持容器に嵌め込
み、その上部に押さえ金具を配置し、締め付け具をセラ
ミック基板、断熱リングおよび支持容器に設けて固定す
る方法等が用いられていた。
【0015】しかしながら、セラミックヒータを、断熱
リングを介して、支持容器に嵌め込み、その上部に押さ
え金具を配置し、締め付け具を支持容器および断熱リン
グに設けて固定する方法では、締め付け具が設けられた
箇所においては、セラミックヒータを支持容器に強固に
固定することができるものの、その他の箇所において
は、固定が不充分であり、断熱リングとセラミック基板
と支持容器とのそれぞれの熱膨張係数が相違することに
起因して、熱膨張率の大きい断熱リングに歪みが発生し
てセラミック基板を押し上げ、固定されているセラミッ
ク基板が傾いてしまうことがある。このような場合に
は、セラミックヒータの加熱面が傾いてしまい、被加熱
物である半導体ウエハ等を均一に加熱することが困難と
なる。
【0016】一方、セラミックヒータを、断熱リングを
介して、支持容器に嵌め込み、その上部に押さえ金具を
配置し、締め付け具をセラミック基板、断熱リングおよ
び支持容器に設けて固定する方法では、締め付け具がセ
ラミック基板内を挿通するように設けられているため、
上述の方法より強固にセラミックヒータを固定すること
ができ、セラミック基板が傾くことがないものの、ねじ
穴をセラミック基板および支持容器に設けているため、
セラミック基板に、熱応力および/または熱疲労に伴う
クラックや欠け等が発生し易いという問題があった。
【0017】なお、これらの方法は、ねじ等の締め付け
具を用いて、セラミックヒータを固定する構成であるた
め、ねじ孔の形成等の工程が増えてしまい、また、セラ
ミックヒータの脱着操作が煩雑となった。その結果、ホ
ットプレートユニットの組み立てに時間がかかり、生産
性が低下するという問題もあった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題点に鑑み、生産性を低下させず、セラミックヒータ
の加熱面が傾くことがなく、セラミックヒータおよび/
または支持容器においてクラックや欠け等が発生しない
ホットプレートユニットを得ることを目的に鋭意研究し
た結果、支持容器上に円環形状の断熱部材が配置され、
断熱部材上にセラミック基板が配置されて構成された積
層構造体を、その側面および外縁部を覆う固定部材によ
り締付け固定することにより、上記目的に合致するホッ
トプレートユニットを得ることができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0019】すなわち、本発明は、その内部または表面
に抵抗発熱体が形成された円形状のセラミック基板と、
有底円筒形状の支持容器とを含んで構成されるホットプ
レートユニットであって、上記支持容器上に円環形状の
断熱部材が配置され、上記断熱部材上に上記セラミック
基板が配置されて積層構造体が構成され、その側面およ
び外縁部を覆う固定部材により上記積層構造体が締付け
られ、固定されていることを特徴とするホットプレート
ユニットである。なお、本発明において、固定部材と
は、「コ」の字形の断面、または、「L」の字形の断面
をもち、かつ、上記積層構造体の側面および外縁部を覆
うことができ、上記積層構造体を締付け固定することが
できるものをいうものとする。
【0020】本発明のホットプレートユニットでは、積
層構造体が固定部材によりその上下から締付けられ、さ
らに、その側面が固定部材により覆われた状態で固定さ
れているため、局所的に固定が不充分である箇所が生じ
ず、断熱部材の熱膨張等に起因するセラミックヒータの
傾きを防止することができる。その結果、セラミックヒ
ータの加熱面を水平に保つことができる。
【0021】また、セラミックヒータを支持容器に固定
するねじ等が不要であるため、セラミックヒータの脱着
操作が容易となり、生産性の低下を抑制することができ
る。
【0022】さらに、セラミック基板にねじ穴を設ける
必要がないため、セラミック基板に、熱応力および/ま
たは熱疲労に伴うクラックや欠けが発生することがな
い。
【0023】本発明のホットプレートユニットでは、上
記固定部材と上記積層構造体との間に、緩衝部材が挿入
されていることが望ましい。セラミックヒータおよび/
または支持容器に、傷が付くことを防止することができ
るからである。
【0024】本発明のホットプレートユニットにおいて
は、以下の構成の固定部材を用いることが望ましい。な
お、いずれの固定部材を用いても、本発明のホットプレ
ートユニットを得ることができる。
【0025】すなわち、第一の固定部材は、2〜8個の
部材に分割されている固定部材である。また、第一の固
定部材は、互いに端部が接続されていることが望まし
い。さらに、第一の固定部材は、樹脂または金属からな
ることが望ましい。
【0026】第二の固定部材は、一部が切断された1個
の弾性体からなる固定部材である。また、第二の固定部
材は、樹脂からなることが望ましい。
【0027】第三の固定部材は、可動性の連結部を介し
て接続された複数個の部材よりなり、上記複数個の部材
の両端を接続することができる固定部材である。第三の
固定部材は、樹脂または金属からなることが望ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明のホットプレートユニット
は、その内部または表面に抵抗発熱体が形成された円形
状のセラミック基板と、有底円筒形状の支持容器とを含
んで構成されるホットプレートユニットであって、上記
支持容器上に円環形状の断熱部材が配置され、上記断熱
部材上に上記セラミック基板が配置されて積層構造体が
構成され、その側面および外縁部を覆う固定部材により
上記積層構造体が締付けられ、固定されていることを特
徴とする。
【0029】図1は、本発明のホットプレートユニット
を模式的に示す平面図である。また、図2(a)は、図
1のホットプレートユニットを模式的に示す断面図であ
り、(b)は、固定部材の一例を模式的に示す断面図で
ある。
【0030】ホットプレートユニット100は、支持容
器10上に円環形状の断熱部材17が配置されるととも
に、断熱部材17上に、セラミック基板1a表面に抵抗
発熱体2が形成されたセラミックヒータ1が配置され
て、積層構造体100aが構成され、その側面および外
縁部を覆う固定部材20により積層構造体100aが締
付けられ、固定されている。
【0031】セラミックヒータ1を構成する円板形状の
セラミック基板1aの表面には、温度制御手段としての
抵抗発熱体2が同心円状のパターンに形成されており、
この抵抗発熱体2は、互いに近い二重の同心円同士が1
組の回路として、1本の線になるように接続されてい
る。抵抗発熱体2の表面には、抵抗発熱体の酸化等を防
止するための金属被覆層(図示せず)が形成され、抵抗
発熱体2の端部には、外部端子13がろう付けされてお
り、さらに外部端子13には、ソケット14を介してリ
ード線19が接続されている。また、セラミック基板1
aには、有底孔4および貫通孔5が形成されている。貫
通孔5には、リフターピン(図示せず)を挿通させるこ
とにより、被加熱物である半導体ウエハ(図示せず)を
保持することができるようになっており、また、リフタ
ーピンを上下させることにより、半導体ウエハの受渡し
等が可能である。有底孔4には、セラミック基板1aの
温度を測定するための、リード線19が接続された測温
素子3が埋め込まれている。
【0032】支持容器10は、有底円筒形状であり、そ
の直径がセラミックヒータ1と略同じであるケーシング
18と、その中程に取り付けられた中底板11と、中底
板11の下方に固定された底板12とにより構成されて
いる。底板12は、遮熱等を目的として設けられてお
り、また、底板12には、冷媒導入管16が取り付けて
あり、支持容器10の内部に冷却用のエア等を導入する
ことができるようになっているとともに、導入した冷却
用のエア等を排出するための貫通孔12aが形成されて
いる。中底板11は、配線等の固定や遮熱等を目的とし
て設けられており、また、中底板11には、底板12に
固定されている冷媒導入管16、および、リフターピン
(図示せず)を保護するガイド管15等の邪魔にならな
いように貫通孔が形成されている。
【0033】積層構造体100aは、支持容器10上に
断熱部材17が配置され、断熱部材17上に、セラミッ
クヒータ1が配置されることにより、構成されている。
断熱部材17は、断面が矩形であり、平面視円環形状で
ある。また、その外径は、セラミックヒータ1および支
持容器10と略同じである。
【0034】固定部材20は、平面視において、円環形
状を2等分することにより得られる部材20aおよび部
材20bから構成されている。また、部材20aおよび
部材20bはそれぞれ、図2(b)に示すように、積層
構造体100aの側面を覆う外枠部21、および、積層
構造体100aをその上下から締付ける挟持部22が一
体として構成され、全体として「コ」の字形の断面を有
する。
【0035】このホットプレートユニット100では、
固定部材20を構成する部材20aと部材20bとが、
それぞれ向かい合う2方向から積層構造体100aの外
周部を覆うように設けられており、その固定部材20に
よって積層構造体100aが締付けられ、固定されてい
る。また、セラミックヒータ1と支持容器10とが傷つ
くことを防止するため、固定部材20と積層構造体10
0aとの間に、緩衝部材25が挿入されている。なお、
本発明で、緩衝部材25は必須のものではなく、例え
ば、固定部材が弾性体により構成されている場合には、
緩衝部材がなくてもよい。固定部材自体により、積層構
造体100aをしっかりと締めつけ、固定することがで
きるからである。
【0036】また、ホットプレートユニット100は、
その下部に制御機器や電源等を収めた制御装置(図示せ
ず)が存在しており、リード線19を、制御装置内の制
御機器や電源等に接続し、通電することにより、ホット
プレートユニットとして機能する。
【0037】なお、図1、2では、抵抗発熱体2がセラ
ミック基板1aの表面に形成されているが、本発明のホ
ットプレートユニットにおいて、抵抗発熱体はセラミッ
ク基板の内部に埋設されていてもよい。
【0038】図3は、本発明のホットプレートユニット
の他の実施形態を模式的に示す平面図である。また、図
4(a)は、図3のホットプレートユニットを模式的に
示す断面図であり、(b)は、その部分拡大断面図であ
る。
【0039】ホットプレートユニット500は、支持容
器60上に円環形状の断熱部材67が配置され、断熱部
材67上に、セラミック基板51a内部に抵抗発熱体5
2が形成されたセラミックヒータ51が配置されて、積
層構造体500aが構成され、その側面および外縁部を
覆う固定部材200により積層構造体500aが締付け
られ、固定されている。
【0040】セラミックヒータ51を構成する円板形状
のセラミック基板51a内部には、図1と同様のパター
ンの抵抗発熱体52が形成されている。抵抗発熱体52
はセラミック基板51aに埋設されているため、その回
路の端部が存在する部分の直下には袋孔57が形成さ
れ、この袋孔57に導電性の緩衝材であるワッシャー5
9が嵌め込まれるとともに、ワッシャー59の中心孔に
リード線69が挿入され、これらワッシャー59やリー
ド線69がろう付けされることにより、スルーホール5
8を介して抵抗発熱体52の端部とリード線69とが接
続されている。なお、ワッシャー59は、リード線69
とセラミック基板51aとの熱膨張率の違いにより、リ
ード線69となる材料を、直接セラミック基板に埋設し
た際に発生するクラックを防止するために、緩衝材とし
て設置されたもので、両者の中間の熱膨張率を有する。
【0041】また、セラミック基板51aには、有底孔
54および貫通孔55が形成されている。貫通孔55に
は、リフターピン(図示せず)を挿通させることによ
り、被加熱物である半導体ウエハ(図示せず)を保持す
ることができるようになっており、また、リフターピン
を上下させることにより、半導体ウエハの受渡し等が可
能である。有底孔54には、セラミック基板51aの温
度を測定するための、リード線69が接続された測温素
子53が埋め込まれている。
【0042】支持容器60は、図2に示した支持容器1
0と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0043】積層構造体500aは、支持容器50上に
断熱部材67が配置され、断熱部材67上に、セラミッ
クヒータ51が配置されることにより、構成されてい
る。断熱部材67は、断面が矩形であり、平面視円環形
状である。また、その外径は、セラミックヒータ51お
よび支持容器60と略同じである。
【0044】固定部材200は、平面視において、円環
形状を4等分することにより得られる部材200a〜2
00dから構成されている。なお、固定部材200は、
図2(b)に示した固定部材20と同様の断面形状を有
する。
【0045】ホットプレートユニット500は、固定部
材200を構成する部材200a〜200dが、4方向
から積層構造体500aの外周部を覆うように設けられ
ており、その固定部材200によって積層構造体500
aが締付けられ、固定されることにより構成されてい
る。また、セラミックヒータ51および支持容器60が
傷つくことを防止するため、固定部材200と積層構造
体500aとの間には、緩衝部材205が挿入されてい
る。
【0046】なお、ホットプレートユニット500は、
ホットプレートユニット100と同様で、その下部に制
御機器や電源等を収めた制御装置(図示せず)が存在し
ており、リード線69を、制御装置内の制御機器や電源
等に接続し、通電することにより、ホットプレートユニ
ットとして機能する。
【0047】本発明のホットプレートユニットに設けら
れる固定部材は、積層構造体の側面を覆う外枠部、およ
び、積層構造体をその上下から締付ける挟持部が一体と
して構成され、全体として「コ」の字形の断面を有し、
かつ、上記積層構造体の側面および外縁部を覆うことが
でき、上記積層構造体を締付け固定することができるも
のである。
【0048】本発明のホットプレートユニットにおいて
は、以下の構成の固定部材を用いることが望ましい。な
お、いずれの固定部材を用いても、本発明のホットプレ
ートユニットを得ることができる。
【0049】第一の固定部材は、2〜8個の部材に分割
されている固定部材である。例えば、図1に示したよう
に、平面視において、円環形状を2等分することにより
得られる部材20aおよび部材20bから構成されてい
る固定部材20や、図3に示したように、平面視におい
て、円環形状を4等分することにより得られる部材20
0a〜200dから構成されている固定部材200を挙
げることができる。
【0050】第一の固定部材は、複数の部材に分割され
ているものの、1個の部材が上記積層構造体の側面およ
び外縁部を覆う面積が充分大きいため、各部材が上記積
層構造体から外れてしまうことがなく、上記積層構造体
を強固に締付け固定することができる。部材の分割数が
8個を超えると、1個の部材が上記積層構造体の側面お
よび外縁部を覆う面積が小さくなるため、各部材が上記
積層構造体から外れてしまうおそれがあり、上記積層構
造体を強固に締付け固定することが困難となる。また、
部材の分割数が多いため、ホットプレートユニットを組
み立てる工程が煩雑になり、生産性が低下する。
【0051】なお、第一の固定部材では、必ずしも、上
記積層構造体の側面および外縁部を全て覆う必要はな
く、図1における部材20a、20b、および、図3に
おける部材200a〜200dのように、各部材の端部
と端部との間が少し開いていてもよい。ただし、各部材
の端部と端部との間が余り開きすぎていると、その部分
で放熱が発生し、加熱面の温度が不均一になるため、隙
間はできる限り狭い方がよい。
【0052】具体的には、積層構造体の外周の長さに対
する、積層構造体の外周における固定部材に覆われてい
る部分の長さの比率をL(%)とすると、L≧50
(%)であることが望ましい。
【0053】Lが50%未満である場合、固定部材が上
記積層構造体と接する面積が小さいため、上記積層構造
体を強固に締付け固定するすることが困難となり、ま
た、各部材の端部と端部の間から放熱が発生し易くな
る。
【0054】また、第一の固定部材は、各部材の端部が
互いに接続されていることが望ましい。各部材の端部を
互いに接続することにより、積層構造体を、その上下か
ら締付け固定するとともに、積層構造体の側面からも締
付け固定することができるため、上記積層構造体をより
強固に締付け固定することが可能となる。
【0055】各部材を接続する方法については、特に限
定されるものではないが、各部材の端部に、側面にねじ
穴が形成された突起を設けて、ねじにより接続する方法
等を挙げることができる。
【0056】第一の固定部材は、樹脂または金属からな
ることが望ましい。上記樹脂としては、優れた強度や耐
熱性を有する樹脂が望ましく、例えば、ポリアミド、ポ
リスルホン、ポリベンゾイミダゾール(PBI)等のエ
ンジニアリングプラスチック、ポリアセタール、フッ素
樹脂等を挙げることができる。上記金属としては、加工
等が容易で機械的特性に優れる点から、SUS、アルミ
ニウム、インコネル(クロム16%、鉄7%を含むニッ
ケル系合金)等の金属であることが望ましい。
【0057】第二の固定部材は、一部が切断された1個
の弾性体からなる固定部材である。図5(a)は、第二
の固定部材を模式的に示す平面図であり、(b)は、そ
の断面図である。固定部材30は、平面視において、一
部が切断された円環形状を有する1個の弾性体であり、
積層構造体の側面および外縁部を略全周覆うことができ
る構造となっている。また、固定部材30は、固定部材
20と同様で、積層構造体の側面を覆う外枠部31、お
よび、積層構造体をその上下から締付ける挟持部32が
一体として構成され、全体として「コ」の字形の断面を
有する。
【0058】第二の固定部材では、1個の弾性体によ
り、積層構造体の側面および外縁部を略全周覆うことが
できるため、固定部材が上記積層構造体から外れてしま
うことがなく、上記積層構造体を強固に締付け固定する
ことができる。
【0059】第二の固定部材においても、第一の固定部
材と同様で、上記積層構造体の側面および外縁部を全て
覆わなくてもよく、図5における固定部材30のよう
に、その端部と端部との間が多少開いていてもよい。
【0060】第二の固定部材は、樹脂からなることが望
ましい。上記樹脂としては、優れた強度や耐熱性を有す
る樹脂が望ましく、例えば、ポリアミド、ポリスルホン
等のエンジニアリングプラスチック、ポリアセタール、
フッ素樹脂等を挙げることができる。
【0061】第三の固定部材は、可動性の連結部を介し
て接続された複数個の部材よりなり、上記複数個の部材
の両端を接続することができる固定部材である。図6
(a)は、第三の固定部材を模式的に示す平面図であ
り、(b)は、その断面図である。
【0062】固定部材40は、図6(a)に示すよう
に、平面視において、円環形状を2等分することにより
得られる部材40aおよび部材40bから構成されてお
り、部材40aおよび部材40bの隣り合う端部の1組
が、可動性を有する連結部43を介して結合されてい
る。また、部材40aおよび部材40bにおいて、連結
部43が設けられていない端部には、ねじ穴(図示せ
ず)が形成された接続部材44aが設けられ、さらに、
ねじ44bによって接続されて、接続部44が構成され
ている。
【0063】また、固定部材40は、固定部材20と同
様で、積層構造体の側面を覆う外枠部41、および、積
層構造体をその上下から締付ける挟持部42が一体とし
て構成され、全体として「コ」の字形の断面を有する。
【0064】第三の固定部材では、積層構造体を、その
上下から締付け固定するとともに、接続部において締付
ける強さを調節することにより、積層構造体の側面から
も締付け固定することができるため、上記積層構造体を
より強固に締付け固定することが可能となる。さらに、
第三の固定部材は、複数の部材が連結されて一体となっ
ているため、セラミックヒータの脱着操作が容易であ
る。
【0065】第三の固定部材において、部材の数は2以
上であれば、特に限定されるものではない。その場合、
各部材の隣り合う端部のうち、1組が接続部で、ねじ4
4b等により接続されるようになっており、他の組が連
結部で、連結部材により連結されていればよい。
【0066】各部材を連結する方法は、連結した際、そ
の連結部が可動性を有していれば、特に限定されるもの
ではない。また、部材の端部を接続する方法について
は、特に限定されるものではないが、各部材の端部に、
側面にねじ穴が形成された突起を設けて、ねじにより接
続する方法等を挙げることができる。
【0067】第三の固定部材は、樹脂または金属からな
ることが望ましい。また、上記樹脂または上記金属とし
ては、第一の固定部材と同様のものを挙げることができ
る。
【0068】以上のように、第一の固定部材は、複数の
部材から構成されており、第二の固定部材は、1個の弾
性体から構成されており、第三の固定部材は、可動性の
連結部を介して接続された複数個の部材よりなり、上記
複数個の部材の両端を接続することができるように構成
されている点で、それぞれ構成が異なるが、その断面
が、積層構造体の側面を覆う外枠部、および、積層構造
体をその上下から締付ける挟持部が一体として構成さ
れ、全体として「コ」の字形の断面を有する点で共通し
ている。
【0069】なお、固定部材の断面形状は、「コ」の字
形に限らず、「L」字形であってもよい。第四の固定部
材は、図11(a)に示すように、断面形状が「L」字
形である。図11(a)は、本発明のホットプレートユ
ニットに用いられる固定部材を模式的に示した断面図で
あり、図11(b)は、図11(a)に示した固定部材
が積層構造体に取り付けられた様子を模式的に示す部分
拡大断面図である。なお、図11(b)において、積層
構造体100aは、ケーシング18の側面にねじ孔が形
成されている以外は、図2と同様であるので、その説明
は省略することにする。
【0070】固定部材300は、図11(a)に示すよ
うに、積層構造体の側面を覆う外枠部301、および、
積層構造体の上部を覆う挟持部302が一体として構成
され、全体として「L」字形の断面を有する。なお、固
定部材300の平面視の形状は、連続した円環形状であ
ってもよく、不連続な円環形状であってもよい。
【0071】また、外枠部301には、図11(b)に
示すように、固定部材300を支持容器10(ケーシン
グ18)に固定するためのねじ孔が形成されており、そ
のねじ孔にねじ310が設けられることにより、断熱部
材17、緩衝部材25とともに、セラミック基板1aが
支持容器10に固定されるのである。なお、固定部材を
支持容器に固定するものは、上述のように、ねじであっ
てもよく、ピンであってもよい。
【0072】第四の固定部材では、セラミック基板にね
じ孔等を設ける必要がないため、セラミック基板に、熱
応力および/または熱疲労に伴うクラックや欠けが発生
することがない。また、ねじ等により固定部材が積層構
造体に強固に固定されるため、固定部材が外れてしまう
ことがない。さらに、固定部材の挟持部により、積層構
造体の上面の外縁部が略全周に渡って覆われるため、断
熱部材の熱膨張等に起因するセラミックヒータの傾きを
防止することができ、その結果、セラミックヒータの加
熱面を水平に保つことができる。
【0073】上述のように、第一〜第三の固定部材で
は、断面形状は「コ」の字形であり、第四の固定部材で
は、断面形状は「L」字形であるが、どちらも積層構造
体の側面および外縁部を覆うことができ、上記積層構造
体を締付け固定することができる点で共通している。そ
こで、以下においては、第一〜第四の固定部材をまとめ
て、本発明に係る固定部材として説明することにする。
【0074】また、本発明に係る固定部材を構成する部
材の厚さは、0.1〜20mmであることが望ましい。
0.1mm未満では、強度に乏しく、20mmを超える
と熱容量が大きくなるからである。
【0075】本発明のホットプレートユニットにおい
て、支持容器と固定部材との間には、断熱部材が挿入さ
れている。断熱部材を挿入することにより、セラミック
ヒータから支持容器へ熱が逃げてしまうことを抑制する
ことができる。
【0076】断熱部材の平面視における形状は、支持容
器を構成するケーシング上に配置することができ、か
つ、その上に、セラミックヒータを配置することができ
る円環形状であれば、連続した円環形状であってもよ
く、不連続な円環形状であってもよい。また、断熱部材
の断面形状は、図2に示すように、矩形であってもよ
く、特に限定されるものではない。なお、断熱部材を、
セラミックヒータと点接触となるような形状とすると、
セラミックヒータの加熱面の傾きを調整しやすくなるた
め、容易にセラミックヒータの加熱面を水平に保つこと
ができる。
【0077】また、断熱部材の厚み、すなわち、ケーシ
ングとセラミックヒータとの間隔は、0.05〜10m
mであることが望ましい。0.05mm未満であると、
ケーシングとセラミックヒータとの間隔が狭いため、断
熱部材の断熱作用が充分に機能せず、10mmを超える
と、ホットプレートユニットが過剰に厚くなってしま
い、経済的に不利である。
【0078】断熱部材の材質は、特に限定されるもので
はないが、400℃程度の温度にも耐え得る材質のもの
が好ましく、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リベンゾイミダゾール(PBI)等が挙げられる。ま
た、これらの樹脂は、耐熱性や機械的特性を改善するた
め、炭化珪素ファイバーのような無機繊維により強化さ
れていてもよい。
【0079】なお、本発明のホットプレートユニットに
おいて、固定部材と積層構造体との間には、緩衝部材が
挿入されていることが望ましい。セラミックヒータおよ
び支持容器に、固定部材と接することによる傷がつくこ
とを防止することができるからである。ただし、上述し
たように、固定部材自体が弾性体等により構成されてい
る場合には、緩衝部材は必ずしも必要ない。
【0080】緩衝部材の材質は特に限定されるものでは
ないが、断熱部材の材質と同様に、耐熱性を有するもの
が好ましく、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リベンゾイミダゾール(PBI)等の耐熱性樹脂が挙げ
られる。
【0081】次に、本発明のホットプレートユニットを
構成する、セラミックヒータや支持容器等について、さ
らに詳しく説明する。
【0082】上記セラミックヒータに用いられるセラミ
ック基板は、円板形状であり、また、その直径は200
mmを超えるものが望ましい。このような大きな直径を
持つ基板は、大口径の半導体ウエハを載置することがで
きるからである。セラミック基板の直径は、特に12イ
ンチ(300mm)以上であることが望ましい。次世代
の半導体ウエハの主流となるからである。
【0083】また、上記セラミック基板の厚さは、25
mm以下であることが望ましい。上記セラミック基板の
厚さが25mmを超えると温度追従性が低下するからで
ある。また、その厚さは、0.5mm以上であることが
望ましい。0.5mmより薄いと、セラミック基板の強
度自体が低下するため破損しやすくなる。より望ましく
は、1.5を超え5mm以下である。5mmより厚くな
ると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が低下する傾
向が生じ、一方、1.5mm以下であると、セラミック
基板中を伝搬する熱が充分に拡散しないため加熱面に温
度ばらつきが発生することがあり、また、セラミック基
板の強度が低下して破損する場合があるからである。
【0084】本発明のホットプレートユニットを構成す
るセラミックヒータにおいて、セラミック基板には、図
1に示すように、被加熱物を載置する加熱面の反対側か
ら加熱面に向けて有底孔4を設けるとともに、有底孔4
の底を抵抗発熱体2よりも相対的に加熱面に近く形成
し、この有底孔4に熱電対等の測温素子3を設けるとが
望ましい。また、有底孔4の底とセラミックヒータ1の
加熱面との距離は、0.1mm〜セラミック基板の厚さ
の1/2であることが望ましい。これにより、測温場所
が抵抗発熱体2よりもセラミックヒータ1の加熱面に近
くなり、より正確な半導体ウエハの温度の測定が可能と
なるからである。
【0085】有底孔4の底とセラミックヒータ1の加熱
面との距離が0.1mm未満では、放熱してしまい、セ
ラミックヒータ1の加熱面に温度分布が形成され、厚さ
の1/2を超えると、抵抗発熱体の温度の影響を受けや
すくなり、温度制御できなくなり、やはりセラミックヒ
ータ1の加熱面に温度分布が形成されてしまうからであ
る。
【0086】有底孔4の直径は、0.3mm〜5mmで
あることが望ましい。これは、大きすぎると放熱性が大
きくなり、また小さすぎると加工性が低下してセラミッ
クヒータ1の加熱面との距離を均等にすることができな
くなるからである。
【0087】有底孔4は、図1に示したように、セラミ
ック基板1aの中心に対して対称で、かつ、十字を形成
するように複数配列することが望ましい。これは、加熱
面全体の温度を測定することができるからである。
【0088】上記測温素子としては、例えば、熱電対、
白金測温抵抗体、サーミスタ等が挙げられる。また、上
記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1
980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S
型、E型、J型、T型熱電対等が挙げられるが、これら
のなかでは、K型熱電対が好ましい。
【0089】上記熱電対の接合部の大きさは、素線の径
と同じか、または、それよりも大きく、0.5mm以下
であることが望ましい。これは、接合部が大きい場合
は、熱容量が大きくなって応答性が低下してしまうから
である。なお、素線の径より小さくすることは困難であ
る。
【0090】上記測温素子は、金ろう、銀ろうなどを使
用して、有底孔4の底に接着してもよく、有底孔4に挿
入した後、耐熱性樹脂で封止してもよく、両者を併用し
てもよい。上記耐熱性樹脂としては、例えば、熱硬化性
樹脂、特にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレ
イミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。これらの樹
脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0091】上記金ろうとしては、37〜80.5重量
%Au−63〜19.5重量%Cu合金、81.5〜8
2.5重量%:Au−18.5〜17.5重量%:Ni
合金から選ばれる少なくとも1種が望ましい。これら
は、溶融温度が、900℃以上であり、高温領域でも溶
融しにくいためである。銀ろうとしては、例えば、Ag
−Cu系のものを使用することができる。
【0092】本発明のホットプレートユニットにおい
て、セラミックヒータを形成するセラミックは、窒化物
セラミックまたは炭化物セラミックであることが望まし
い。窒化物セラミックや炭化物セラミックは、熱膨張係
数が金属よりも小さく、機械的な強度が金属に比べて格
段に高いため、セラミック基板の厚さを薄くしても、加
熱により反ったり、歪んだりしない。そのため、セラミ
ック基板を薄くて軽いものとすることができる。さら
に、セラミック基板の熱伝導率が高く、セラミック基板
自体が薄いため、セラミック基板の表面温度が、抵抗発
熱体の温度変化に迅速に追従する。即ち、電圧、電流値
を変えて抵抗発熱体の温度を変化させることにより、セ
ラミック基板の表面温度を制御することができるのであ
る。
【0093】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0094】また、炭化物セラミックとしては、例え
ば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化
タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0095】これらのなかでは、窒化アルミニウムが最
も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高く、
温度追従性に優れるからである。
【0096】なお、セラミック基板として窒化物セラミ
ックまたは炭化物セラミック等を使用する際、必要によ
り、絶縁層を形成してもよい。窒化物セラミックは酸素
固溶等により、高温で体積抵抗値が低下しやすく、また
炭化物セラミックは特に高純度化しない限り導電性を有
しており、絶縁層を形成することにより、高温時あるい
は不純物を含有していても回路間の短絡を防止して温度
制御性を確保できるからである。
【0097】上記絶縁層としては、酸化物セラミックが
望ましく、具体的には、シリカ、アル1ナ、ムライト、
コージェライト、ベリリア等を使用することができる。
このような絶縁層としては、アルコキシドを加水分解重
合させたゾル溶液をセラミック基板にスピンコートして
乾燥、焼成を行ったり、スパッタリング、CVD等で形
成してもよい。また、セラミック基板表面を酸化処理し
て酸化物層を設けてもよい。
【0098】上記絶縁層は、0.1〜1000μmであ
ることが望ましい。0.1μm未満では、絶縁性を確保
できず、、1000μmを超えると抵抗発熱体からセラ
ミック基板への熱伝導性を阻害してしまうからである。
さらに、上記絶縁層の体積抵抗率は、上記セラミック基
板の体積抵抗率の10倍以上(同一測定温度)であるこ
とが望ましい。10倍未満では、回路の短絡を防止でき
ないからである。
【0099】また、本発明のホットプレートユニットに
おいて、セラミックヒータに用いられるセラミック基板
は、カーボンを含有し、その含有量は、200〜500
0ppmであることが望ましい。電極を隠蔽することが
でき、また黒体輻射を利用しやすくなるからである。
【0100】なお、上記セラミック基板は、明度がJI
S Z 8721の規定に基づく値でN6以下のもので
あることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻
射熱量、隠蔽性に優れるからである。ここで、明度のN
は、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を1
0とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色
の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割
し、N0〜N10の記号で表示したものである。そし
て、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較
して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0101】本発明において、セラミックヒータに形成
される抵抗発熱体は、図1に示した同心円状のパターン
に限らず、例えば、渦巻き状のパターン、円弧の繰り返
しにより形成されるパターン、屈曲線の繰り返しにより
形成されるパターン等であってもよく、特に限定される
ものではない。また、これらのパターンは、単独で形成
してもよく、これらのパターンを任意に組み合わせて形
成してもよい。
【0102】なお、抵抗発熱体は、少なくとも2以上の
回路に分割されていることが望ましい。回路を分割する
ことにより、各回路に投入する電力を制御して発熱量を
変えることができ、シリコンウエハの加熱面の温度を調
整することができるからである。
【0103】抵抗発熱体の厚さは、1〜30μmが好ま
しく、1〜10μmがより好ましい。また、抵抗発熱体
の幅は、0.1〜20mmが好ましく、0.1〜5mm
がより好ましい。抵抗発熱体は、その幅や厚さにより抵
抗値に変化を持たせることができるが、上記した範囲が
最も実用的である。
【0104】抵抗発熱体は、断面形状が矩形であっても
楕円であってもよいが、偏平であることが望ましい。偏
平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面の
温度分布ができにくいからである。断面のアスペクト比
(抵抗発熱体の幅/抵抗発熱体の厚さ)は、10〜50
00であることが望ましい。この範囲に調整することに
より、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることができると
ともに、加熱面の温度の均一性を確保することができる
からである。
【0105】抵抗発熱体の厚さを一定とした場合、アス
ペクト比が上記範囲より小さいと、セラミック基板の加
熱面方向への熱の伝搬量が小さくなり、抵抗発熱体のパ
ターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、逆
にアスペクト比が大きすぎると抵抗発熱体の中央の直上
部分が高温となってしまい、結局、抵抗発熱体のパター
ンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまう。従っ
て、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、1
0〜5000であることが好ましいのである。
【0106】抵抗発熱体の抵抗値のばらつきに関し、平
均抵抗値に対する抵抗値のばらつきは5%以下が望まし
く、1%がより望ましい。本発明の抵抗発熱体は複数回
路に分割しているが、このように抵抗値のばらつきを小
さくすることにより、抵抗発熱体の分割数を減らすこと
ができ温度を制御しやすくすることができる。さらに、
昇温の過渡時の加熱面の温度を均一にすることが可能と
なる。
【0107】通常、このような抵抗発熱体は、導電性を
確保するための金属粒子や導電性セラミック粒子を含有
する導体ペーストをセラミック基板上に塗布し、焼成す
ることにより形成する。なお、めっき法やスパッタリン
グ等の物理蒸着法を用いて抵抗発熱体を形成してもよ
い。めっきの場合には、めっきレジストを形成すること
により、スパッタリング等の場合には、選択的なエッチ
ングを行うことにより、抵抗発熱体を形成することが可
能である。
【0108】また、上記導体ペーストとしては特に限定
されないが、上記金属粒子または導電性セラミックが含
有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むもの
が好ましい。
【0109】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を
有するからである。上記導電性セラミックとしては、例
えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0110】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0111】導体ペーストには、金属粒子に金属酸化物
を添加したものを使用し、これをセラミック基板上に塗
布した後、金属粒子等と金属酸化物を焼結させたものと
することが望ましい。このように、金属酸化物を金属粒
子とともに焼結させることにより、セラミック基板であ
る窒化物セラミック等と金属粒子とをより密着させるこ
とができるからである。
【0112】金属酸化物を混合することにより、窒化物
セラミック等との密着性が改善される理由は明確ではな
いが、金属粒子表面や窒化物セラミック等の表面は、わ
ずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜
同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子
と窒化物セラミック等とが密着するのではないかと考え
られる。また、セラミック基板を構成するセラミックが
酸化物セラミックの場合は、当然に表面が酸化物からな
るので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0113】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗
発熱体12の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と
窒化物セラミック等との密着性を改善することができる
からである。
【0114】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミッ
ク等との密着性を改善することができる。なお、上記金
属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以
上10重量%未満が好ましい。
【0115】また、このような構成の導体ペーストを使
用して抵抗発熱体を形成した際の面積抵抗率は、1mΩ
/□〜10Ω/□が好ましい。面積抵抗率が1mΩ/□
未満であると、抵抗率が小さすぎ、発熱量も小さくなる
ため抵抗発熱体として機能しにくくなり、一方、面積抵
抗率が10Ω/□を超えると、印加電圧量に対して発熱
量は大きくなりすぎて、抵抗発熱体の発熱量を制御しに
くいからである。発熱量の制御の点からは、抵抗発熱体
の面積抵抗率は、1〜50mΩ/□がより好ましい。た
だし、面積抵抗率を大きくすると、パターン幅(断面
積)を広くすることができ、断線の問題が発生しにくく
なるため、場合によっては、50mΩ/□以上とするこ
とが好ましい場合もある。
【0116】金属被覆層を形成する際に使用される金属
は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体
的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが
好ましい。また、抵抗発熱体には、電源と接続するため
の端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発
熱体に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止
するからである。接続端子としては、例えば、コバール
製のものが挙げられる。
【0117】本発明のホットプレートユニット100に
おいて、支持容器10は有底円筒形状であり、円筒形状
のケーシング18と、底板12と、中底板11とにより
構成されている。
【0118】上記ケーシングは、円筒形状であり、その
厚みは、0.1〜5mmであることが望ましい。0.1
mm未満では、強度に乏しく、5mmを超えると熱容量
が大きくなるからである。また、上記ケーシングは、加
工等が容易で機械的特性に優れる点から、通常、SU
S、アルミニウム、インコネル(クロム16%、鉄7%
を含むニッケル系の合金)等の金属により構成される。
【0119】底板は、遮熱等を目的として設けられてお
り、通常、底板は、上記ケーシングに連結固定されてい
る。支持容器全体の強度が確保され、形態安定性が向上
するからである。なお、底板の材質は、遮熱性に優れる
ように、余り熱伝導率が大きくなく、かつ、耐熱性にす
ぐれるものであれば、特に限定されず、例えば耐熱性樹
脂、セラミック板、これらに耐熱性の有機繊維や無機繊
維が配合された複合板等が挙げられる。
【0120】底板に設けられた貫通孔には、リード線等
が挿通された状態で動かないように、固定することが可
能な部材が設置されていてもよく、貫通孔に、そのま
ま、リード線等が挿通されていてもよい。
【0121】また、底板には、冷媒導入管が取り付けて
あることが望ましい。支持容器の内部に効率よく、セラ
ミックヒータを冷却するためのエア等を導入することが
できるからである。さらに、導入したエア等を排出する
ための貫通孔が形成されていることが望ましい。
【0122】中底板は、配線等の固定や遮熱等を目的と
して設けられるものであるが、本発明のホットプレート
ユニットにおいて、支持容器に中底板は設けられていて
もよく、設けられていなくてもよい。また、中底板11
には、底板12に固定されている冷媒導入管16、およ
び、リフターピン(図示せず)を保護するガイド管15
等の邪魔にならないように貫通孔が形成されている。
【0123】次に、本発明のホットプレートユニット1
00を構成するセラミックヒータ1の製造方法の一例を
図7(a)〜(d)に示した断面図に基づき説明し、さ
らに、このセラミックヒータ1を用いてホットプレート
ユニット100を組み立てる方法を簡単に説明する。
【0124】(1) セラミック基板の作製工程 上述した窒化アルミニウムや炭化珪素などの窒化物等の
セラミックの粉末に必要に応じてイットリア(Y2
3 )やB4 C等の焼結助剤、Na、Caを含む化合物、
バインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラ
リーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒
を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形
し、生成形体(グリーン)を作製する。次に、この生成
形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体
を製造する。この後、所定の形状に加工することによ
り、セラミック基板1aを製造するが、焼成後にそのま
ま使用することができる形状としてもよい。
【0125】加圧しながら加熱、焼成を行うことによ
り、気孔のないセラミック基板1aを製造することが可
能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよい
が、窒化物セラミックや炭化物セラミックでは、100
0〜2500℃である。また、酸化物セラミックでは、
1500℃〜2000℃である。
【0126】次に、セラミック基板1aに、必要に応じ
て、半導体ウエハを支持するためのリフターピンを挿入
する貫通孔5となる部分や熱電対等の測温素子3を埋め
込むための有底孔4となる部分を形成する(図7(a)
参照)。
【0127】(2) セラミック基板に導体ペーストを印刷
する工程 導体ペーストは、2種以上の貴金属等からなる金属粒
子、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この
導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、抵抗発熱体
パターンとなる導体ペースト層を形成する。
【0128】このとき、セラミック基板1aの最外周
に、円周方向に分割された少なくとも2以上の回路とな
るように導体ペースト層を形成するともに、最外周に印
刷された上記導体ペースト層の内側に、別の回路となる
導体ペースト層を形成することが望ましい。なお、抵抗
発熱体パターンとして、セラミック基板の最外周に形成
するパターンは、例えば、円弧の繰り返しパターン、屈
曲線の繰り返しパターン等が挙げられる。また、その内
部に形成するパターンは、例えば、同心円形状のパター
ン等が挙げられる。また、導体ペースト層は、焼成後の
抵抗発熱体2の断面が、方形で、偏平な形状となるよう
に形成することが望ましい。
【0129】(3) 導体ペーストの焼成 セラミック基板1aの底面に印刷した導体ペースト層を
加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒
子を焼結させ、セラミック基板1aの底面に焼き付け、
抵抗発熱体2を形成する(図7(b)参照)。加熱焼成
の温度は、500〜1000℃が好ましい。導体ペース
ト中に上述した酸化物を添加しておくと、金属粒子、セ
ラミック基板および酸化物が焼結して一体化するため、
抵抗発熱体とセラミック基板との密着性が向上する。
【0130】(4) 金属被覆層の形成 抵抗発熱体2表面には、金属被覆層2aを設ける(図7
(c)参照)。金属被覆層2aは、電解めっき、無電解
めっき、スパッタリング等により形成することができる
が、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
【0131】(5) 端子等の取り付け 抵抗発熱体2のパターンの端部に電源との接続のための
端子(外部端子13)を半田で取り付ける。また、有底
孔4に銀ろう、金ろうなどで熱電対等の測温素子3を固
定し、ポリイミド等の耐熱樹脂で封止し、セラミックヒ
ータの製造を終了する(図7(d))。
【0132】(6) ホットプレートユニットの組み立て 次に、このセラミックヒータ1を断熱部材17を介し
て、図2に示したような支持容器10に配置して積層構
造体100aを構成し、積層構造体100aを固定部材
20により、その側面および外枠部を覆い、締付け固定
する。そして、底板12からリード線19を引き出すこ
とにより、ホットプレートユニット100の組み立てを
完了する。そのとき、セラミックヒータ1および支持容
器10に傷がつかないように、固定部材20と積層構造
体100aとの間に、緩衝部材25を挿入することが望
ましい。
【0133】次に、本発明のホットプレートユニット5
00を構成するセラミックヒータ51の製造方法の一例
を図8(a)〜(d)に示した断面図に基づき説明し、
さらに、このセラミックヒータ51を用いてホットプレ
ートユニット500を組み立てる方法を簡単に説明す
る。
【0134】(1) グリーンシートの作製 まず、窒化物セラミック、炭化物セラミックなどのセラ
ミックの粉体をバインダおよび溶剤と混合してグリーン
シート50を得る。セラミック粉体としては、例えば、
窒化アルミニウム粉末、窒化珪素粉末などを使用するこ
とができる。また、イットリヤ等の助剤を添加してもよ
い。
【0135】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに、溶媒としては、α−テルピネオール、グリコー
ルから選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混
合して得られるペーストをドクターブレード法でシート
状に成形してグリーンシート50を作製する。
【0136】グリーンシート50に、必要に応じ、シリ
コンウエハの支持ピンを挿入する貫通孔、熱電対を埋め
込む有底孔、スルーホールを形成する部分等に貫通孔を
設けておくことができる。貫通孔は、パンチングなどに
より形成することができる。グリーンシート50の厚さ
は、0.1〜5mm程度が好ましい。
【0137】次に、グリーンシート50の貫通孔に導体
ペーストを充填し、スルーホール印刷体280を得、次
に、グリーンシート50上に抵抗発熱体となる導体ペー
ストを印刷する。印刷は、グリーンシート50の収縮率
を考慮して所望のアスペクト比が得られるように行い、
これにより導体ペースト層220を得る。導体ペースト
は、導電性セラミック、金属粒子などを含む粘度の高い
流動物である。
【0138】これらの導体ペースト中に含まれる導電性
セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデ
ンの炭化物が最適である。酸化しにくく、熱伝導率が低
下しにくいからである。また、金属粒子としては、例え
ば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを
使用することができる。
【0139】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒
子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大
きすぎても小さすぎても導体ペーストを印刷しにくいか
らである。このようなペーストとしては、金属粒子また
は導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル
系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビ
ニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ
1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコー
ル、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製
した導体用ぺーストが最適である。
【0140】(2) グリーンシート積層体の作製 次に、図8(a)に示すように、充填層280および導
体ペースト層220を有するグリーンシート50と、充
填層280および導体ペースト層220を有さないグリ
ーンシート50とを積層する。抵抗発熱体形成側に、充
填層280および導体ペースト層220を有さないグリ
ーンシート50を積層するのは、スルーホールの端面が
露出して、抵抗発熱体形成の焼成の際に酸化してしまう
ことを防止するためである。もしスルーホールの端面が
露出したまま、抵抗発熱体形成の焼成を行うのであれ
ば、ニッケルなどの酸化しにくい金属をスパッタリング
する必要があり、さらに好ましくは、Au−Niの金ろ
うで被覆してもよい。
【0141】(3) 積層体の焼成 次に、図8(b)に示すように、積層体の加熱および加
圧を行い、グリーンシートの積層体を形成する。この
後、グリーンシートおよび導体ペーストを焼結させる。
焼成の際の温度は、1700〜2000℃、焼成の際の
加圧の圧力は100〜200kg/cm2 が好ましい。
これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で行
う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用す
ることができる。この焼成工程で、スルーホール58、
抵抗発熱体52等が形成される。
【0142】(4) 端子等の取り付け 次に、図8(c)に示すように、外部端子接続のための
袋孔57を設け、この袋孔57にワッシャー59を嵌め
込む。ワッシャー59は、セラミック基板51aとリー
ド線69との間の熱膨張率を有し、緩衝材として機能す
るものであり、導電性のものが好ましい。
【0143】最後に、図8(d)に示すように、ワッシ
ャー59の中心孔にリード線69を挿入し、このワッシ
ャー59およびリード線69を半田付け、ろう付け等に
より、セラミック基板51aに接着するとともに、リー
ド線69をスルーホール58を介して抵抗発熱体52と
接続する。半田は銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズな
どの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さ
は、0.1〜50μmが望ましい。半田による接続を確
保するに充分な範囲だからである。
【0144】さらに、セラミック基板51aの底面に図
4に示したような有底孔54を設け、その内部に熱電対
等の測温素子53を挿入し、シリコーン樹脂等の耐熱性
絶縁部材で固定することにより、セラミックヒータ51
の製造を完了する。
【0145】(5) ホットプレートユニットの組み立て 次に、このセラミックヒータ51を断熱部材67を介し
て、図4に示したような支持容器60に配置して積層構
造体500aを構成し、積層構造体500aを固定部材
200により、その側面および外枠部を覆い、締付け固
定する。そして、底板62からリード線69を引き出す
ことにより、ホットプレートユニット500の組み立て
を完了する。そのとき、セラミックヒータ51および支
持容器60に傷がつかないように、固定部材200と積
層構造体500aとの間に、緩衝部材205を挿入する
ことが望ましい。
【0146】以上、ホットプレートユニットについて説
明したが、セラミック基板の表面または内部に抵抗発熱
体を設けるとともに、セラミック基板の内部に静電電極
を設けることにより、静電チャックとしてもよい。な
お、本発明のセラミックヒータでは、静電電極を設けて
静電チャックとしてもよく、チャップトップ導体層を設
けてウエハプローバ用のチャックトップ板としてもよ
い。
【0147】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)ホットプレートユニット(図1、2および
7参照)の製造 (1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)1
00重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重
量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコール
からなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末
を作製した。
【0148】(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。 (3) 加工処理の終った生成形体を1800℃、圧力:2
0MPaでホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミ
ニウム板状体を得た。次に、この板状体から直径310
mmの円板体を切り出し、セラミック製の板状体(セラ
ミック基板)1aとした。
【0149】この成形体にドリル加工を施し、半導体ウ
エハを支持するリフターピンを挿入する貫通孔5となる
部分、熱電対等の測温素子3を埋め込むための有底孔4
となる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成
した(図7(a)参照)。
【0150】(4) 上記(3) で得たセラミック基板1a
に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷し、同心円
状のパターンを有する抵抗発熱体2となるように、導体
ペースト層を形成した。導体ペーストとしては、プリン
ト配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学
研究所製のソルベストPS603Dを使用した。この導
体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部
に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量
%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量
%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を
7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均
粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
【0151】(5) 次に、導体ペーストを印刷したセラミ
ック基板1aを780℃で加熱、焼成して、導体ペース
ト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板1a
に焼き付け、抵抗発熱体2を形成した(図7(b)参
照)。銀−鉛の抵抗発熱体2は、厚さが5μm、幅2.
4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
【0152】(6) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸
ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほ
う酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5) で作製し
たセラミック基板1aを浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体2
の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出
させた(図7(c)参照)。
【0153】(7) 電源との接続を確保するための端子を
取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田
ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成し
た。ついで、半田層の上にコバール製の外部端子13を
載置して、420℃で加熱リフローし、外部端子13を
抵抗発熱体2の表面に取り付けた。
【0154】(8) 温度制御のための測温素子3を有底孔
4にはめ込み、セラミック接着剤(東亜合成社製 アロ
ンセラミック)を埋め込んで固定しセラミックヒータ1
を得た(図7(d)参照)。次に、このセラミックヒー
タ1を、円環形状を有するPTFE(ポリ四フッ化エチ
レン)製の断熱部材17(厚さ:1mm)を介して、図
2に示したような、SUS製の支持容器10に配置して
積層構造体100aを構成し、積層構造体100aを固
定部材20により、その側面および外枠部を覆い、締付
け固定した。そのとき、固定部材20と積層構造体10
0aとの間に、PTFE製の緩衝部材25(厚さ:3m
m)を挿入した。固定部材20は、円環形状を2等分す
ることにより得られる部材20aおよび部材20bから
なり、また、各部材は、厚さ1mmのSUSで形成され
ており、挟持部の幅は2mmであった。なお、積層構造
体100aの外周の長さに対する、積層構造体100a
の外周における固定部材20に覆われている部分の長さ
の比率をL(%)とすると、Lは99%であった。そし
て、底板12からリード線19を引き出すことにより、
ホットプレートユニット100の組み立てを完了した。
【0155】(実施例2)ホットプレートユニット(図
3、4および8参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、
分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノール
とからなるアルコール53重量部を混合したペーストを
用い、ドクターブレード法により成形を行て厚さ0.4
7mmのグリーンシート50を得た。
【0156】(2)次に、このグリーンシート50を8
0℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.
8mm、3.0mmおよび5.0mmの貫通孔をそれぞ
れ形成した。これらの貫通孔は、リフターピンを挿入す
るための貫通孔55となる部分、スルーホール58とな
る部分等である。 (3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子
100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−
テルピネオール溶媒3.5重量および分散剤0.3重量
部を混合して導体ペーストAを調整した。
【0157】平均粒子径3μmのタングステン粒子10
0重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テル
ピネオール溶媒3.7重量および分散剤0.2重量部を
混合して導体ペーストBを調整した。
【0158】この導体ペーストAをグリーンシートにス
クリーン印刷で印刷し、抵抗発熱体52となる導体ペー
スト層220を形成した。印刷パターンは、図3に示し
たような同心円のパターンとした。また、スルーホール
280となる貫通孔部分に導体ペーストBを充填した。
上記処理の終わったグリーンシートに、印刷処理を施し
ていないグリーンシートを上側(加熱面)に37枚、下
側に13枚積層し、130℃、80Kg/cm2の圧力
で一体化することにより積層体を作製した(図8(a)
参照)。
【0159】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で10時間ホットプレスし、厚さ3mmの
窒化アルミニウム板状体を得た。これを310mmの円
板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗
発熱体52を有するセラミック基板51aとした。な
お、スルーホール58の大きさは、直径0.2mm、深
さ0.2mmであった(図8(b)参照)。
【0160】(5)次に、上記(4)で得られた板状体
を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、
SiC等によるブラスト処理で表面に測温素子53のた
めの有底孔54を設けた。
【0161】(6)さらに、ドリル加工により直径5m
m、深さ0.5mmの袋孔57を形成し、この袋孔57
にW製のワッシャー59を嵌め込み、ワッシャー59の
中心孔にリード線69を挿入した後、Ni−Au合金
(Au:81.5重量%、Ni:18.4重量%、不純
物:0.1重量%)からなる金ろうを用い、970℃で
加熱リフローすることにより、これらワッシャー59と
リード線69とをセラミック基板51aに固定した。
【0162】(7)次に、測温素子53を有底孔54に
埋め込み、抵抗発熱体52を埋設したセラミックヒータ
51の製造を完了した。 (8)次に、このセラミックヒータ51を、円環形状を
有するPTFE製の断熱部材57(厚さ:1mm)を介
して、図4に示したような、アルミニウム製の支持容器
60に配置して積層構造体500aを構成し、積層構造
体500aを固定部材200により、その側面および外
枠部を覆い、締付け固定した。そのとき、固定部材20
0と積層構造体500aとの間に、PTFE製の緩衝部
材205を挿入した。固定部材200は、円環形状を4
等分することにより得られる部材200a〜200dか
らなり、また、各部材は、厚さ1mmのインコネル(ク
ロム16%、鉄7%を含むニッケル系の合金)で形成さ
れており、挟持部の幅は2mmであった。なお、積層構
造体500aの外周の長さに対する、積層構造体500
aの外周における固定部材200に覆われている部分の
長さの比率をL(%)とすると、Lは98%であった。
そして、底板62からリード線69を引き出すことによ
り、ホットプレートユニット500の組み立てを完了し
た。
【0163】(実施例3)ホットプレートユニットの製
造 積層構造体100aを、図5に示した固定部材30によ
り締付け固定した以外は、実施例1と同様にして、ホッ
トプレートユニットを製造した。固定部材30は、厚さ
2mmのポリベンゾイミダゾール(PBI)で形成され
ており、挟持部の幅は2mmであった。なお、積層構造
体100aの外周の長さに対する、積層構造体100a
の外周における固定部材30に覆われている部分の長さ
の比率をL(%)とすると、Lは99.5%であった。
【0164】(実施例4)ホットプレートユニットの製
造 積層構造体100aを、図6に示した固定部材40によ
り締付け固定した以外は、実施例1と同様にして、ホッ
トプレートユニットを製造した。固定部材40は、円環
形状を2等分することにより得られる部材40a、40
bを、可動性の連結部43を介して結合することにより
構成し、その両端には、ねじ穴が形成された接続部材4
4aを設けた。そして、接続部材44aを、ねじ44b
を用いて接続し、積層構造体100aを締付け固定し
た。なお、部材40a、40bは、厚さ2mmの金属
(SUS)により形成されており、挟持部の幅は2mm
であった。なお、積層構造体100aの外周の長さに対
する、積層構造体100aの外周における固定部材40
に覆われている部分の長さの比率をL(%)とすると、
Lは99%であった。
【0165】(実施例5)ホットプレートユニットの製
造(図11参照) 図11に示した、断面形状が「L」字形である厚さ1m
mのSUS製の固定部材300を、セラミック基板1
a、断熱部材17および緩衝部材25とともにSUS製
のケーシング18に固定した以外は、実施例1と同様に
して、ホットプレートユニットを製造した。
【0166】(比較例1)ホットプレートユニットの製
造(図9参照) 実施例1のセラミックヒータ1と同様にして製造したセ
ラミックヒータ71を、図9に示した構造の支持容器8
0に、断面視L字形状である厚さ4mmのPTFE製の
断熱リング87を介して嵌め合わせ、SUS製の締め付
け具871とSUS製の押さえ金具870とによって固
定した。なお、締め付け具871は、断熱リング870
およびケーシング88に形成された孔(直径:3.5m
m)に設けた。それ以外は、実施例1と同様にし、ホッ
トプレートユニット700を製造した。なお、支持容器
80において、外枠部88aの厚さは2mmであり、基
板受け部88bの厚さは2mmであった。
【0167】(比較例2)ホットプレートユニットの製
造(図10参照) 実施例1のセラミックヒータ1と同様にして製造したセ
ラミックヒータ71を、図10に示したように、図9と
同様の構成である支持容器80に、断面視L字形状であ
る厚さ3mmのPTFE製の断熱リング97を介して嵌
め合わせ、SUS製の締め付け具971とSUS製の押
さえ金具970とによって固定した。なお、締め付け具
971は、セラミック基板71a、断熱リング97、ケ
ーシング88に形成された孔(直径:3.7mm)に設
けた。それ以外は、実施例1と同様にし、ホットプレー
トユニット900を製造した。
【0168】上記工程を経て得られた実施例1〜5、お
よび、比較例1、2に係るホットプレートユニットにつ
いて、以下の指標で評価した。
【0169】評価方法 (1)ヒートサイクル試験 実施例1〜5、および、比較例1、2に係るホットプレ
ートユニットに通電し、室温〜500℃で、昇温と降温
とを100回繰り返した。その後、ホットプレートユニ
ットに、クラックや欠け等が発生していないかについて
観察した。その後、500℃まで昇温し、100時間維
持して、セラミックヒータの加熱面の平坦度をレーザ変
位計(キーエンス社製)を用いて測定した。その結果を
表1に示す。なお、平坦度とは、セラミックヒータの加
熱面における最も高い部分と最も低い部分との差をいう
ものとする。
【0170】
【表1】
【0171】表1より明らかなように、実施例に係るホ
ットプレートユニットでは、クラックや欠け等は発生し
ていなかった。実施例に係るホットプレートユニット
は、セラミック基板にねじ穴を設ける必要がないため、
セラミック基板に、熱応力および/または熱疲労に伴う
クラックや欠けが発生しなかったと考えられる。さら
に、実施例に係るホットプレートユニットでは、セラミ
ックヒータの加熱面は水平に保たれていた。実施例に係
るホットプレートユニットでは、積層構造体が固定部材
によりその上下から締付けられ、さらに、その側面が固
定部材により覆われた状態で固定されているため、局所
的に固定が不充分である箇所が生じず、断熱部材の熱膨
張等に起因するセラミックヒータの傾きを防止すること
ができ、その結果、セラミックヒータの加熱面を水平に
保つことができたと考えられる。
【0172】一方、比較例1に係るホットプレートユニ
ットでは、締め付け具を設けている孔の周辺にはクラッ
クは発生していなかったが、断熱リングの熱膨張に起因
すると考えられるセラミックヒータの加熱面の傾きが発
生していた。また、比較例2に係るホットプレートユニ
ットでは、セラミックヒータにおいて、締め付け具を設
けている孔の周辺に、ねじ孔を形成したことに起因する
と考えられるクラックが発生しており、また、加熱面の
傾きも発生していた。
【0173】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
ヒータによれば、積層構造体が固定部材によりその上下
から締付けられ、さらに、その側面が固定部材により覆
われた状態で固定されているため、局所的に固定が不充
分である箇所が生じず、断熱部材の熱膨張等に起因する
セラミックヒータの傾きを防止することができる。その
結果、セラミックヒータの加熱面を水平に保つことがで
きる。また、セラミックヒータを支持容器に固定するね
じ等が不要であるため、セラミックヒータの脱着操作が
容易となり、生産性の低下を抑制することができる。さ
らに、セラミック基板にねじ穴を設ける必要がないた
め、セラミック基板に、熱応力および/または熱疲労に
伴うクラックや欠けが発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホットプレートユニットを模式的に示
した平面図である。
【図2】(a)は、図1に示したホットプレートユニッ
トを模式的に示した断面図であり、(b)は、本発明の
ホットプレートユニットに用いられる固定部材を模式的
に示した断面図である。
【図3】本発明のホットプレートユニットの他の一例を
模式的に示す平面図である。
【図4】(a)は、図3に示したホットプレートユニッ
トを模式的に示した断面図であり、(b)は、その部分
拡大断面図である。
【図5】(a)は、本発明のホットプレートユニットに
用いられる固定部材を模式的に示した平面図であり、
(b)は、その断面図である。
【図6】(a)は、本発明のホットプレートユニットに
用いられる固定部材を模式的に示した平面図であり、
(b)は、その断面図である。
【図7】(a)〜(d)は、図1に示したホットプレー
トユニットに用いられるセラミックヒータの製造方法の
一部を模式的に示した断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、図3に示したホットプレー
トユニットに用いられるセラミックヒータの製造方法の
一部を模式的に示した断面図である。
【図9】支持容器と断熱リングとに、締め付け具および
押さえ金具が設けられたホットプレートユニットを模式
的に示した断面図である。
【図10】セラミックヒータと支持容器と断熱リングと
に、締め付け具および押さえ金具が設けられたホットプ
レートユニットを模式的に示した断面図である。
【図11】(a)は、本発明のホットプレートユニット
に用いられる固定部材を模式的に示した断面図であり、
(b)は、(a)に示した固定部材が積層構造体に取り
付けられた様子を模式的に示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1、51 セラミックヒータ 100、500 ホットプレートユニット 1a、51a セラミック基板 100a、500a 積層構造体 2、52 抵抗発熱体 2a、52a 金属被覆層 3、53 測温素子 4、54 有底孔 5、55 貫通孔 10、60 支持容器 11、61 中底板 12、62 底板 12a 貫通孔 13、63 外部端子 14、64 ソケット 15、65 ガイド管 16、66 冷媒導入管 17、67 断熱部材 18、68 ケーシング 19、69 リード線 20、200、30、300、40 固定部材 20a、20b、200a〜200d、40a、40b
部材 21、201、31、301、41 外枠部 22、202、32、302、42 挟持部 25、205、35 緩衝部材 310、44b ねじ 43 連結部 44 接続部 44a 接続部材 57 袋孔 58 スルーホール 59 ワッシャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/20 328 H05B 3/68 3/68 H01L 21/30 567 Fターム(参考) 3K034 AA04 AA06 AA10 AA19 AA21 AA34 AA37 BA06 BB06 BB14 BC04 BC12 BC17 BC27 CA15 CA26 DA04 GA10 GA12 HA10 JA02 JA09 3K092 PP20 QA05 QB03 QB18 QB32 QB43 QB74 QB76 QB78 QC16 QC52 RF03 RF11 RF19 RF22 RF27 TT15 UA05 VV02 VV03 5F031 CA02 HA03 HA16 HA33 HA37 HA38 JA46 PA11 PA13 PA30 5F046 KA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内部または表面に抵抗発熱体が形成
    された円形状のセラミック基板と、有底円筒形状の支持
    容器とを含んで構成されるホットプレートユニットであ
    って、前記支持容器上に円環形状の断熱部材が配置さ
    れ、前記断熱部材上に前記セラミック基板が配置されて
    積層構造体が構成され、その側面および外縁部を覆う固
    定部材により前記積層構造体が締付けられ、固定されて
    いることを特徴とするホットプレートユニット。
  2. 【請求項2】 前記固定部材と前記積層構造体との間
    に、緩衝部材が挿入されている請求項1に記載のホット
    プレートユニット。
  3. 【請求項3】 前記固定部材は、2〜8個の部材に分割
    されている請求項1または2に記載のホットプレートユ
    ニット。
  4. 【請求項4】 前記固定部材は、互いに端部が接続され
    ている請求項3に記載のホットプレートユニット。
  5. 【請求項5】 前記積層構造体は、一部が切断された1
    個の弾性体からなる固定部材により締付けられ、固定さ
    れている請求項1または2に記載のホットプレートユニ
    ット。
  6. 【請求項6】 前記固定部材は、可動性の連結部を介し
    て結合された複数個の部材よりなり、前記固定部材の両
    端を接続することにより、前記積層構造体が締付けら
    れ、固定されている請求項1または2に記載のホットプ
    レートユニット。
  7. 【請求項7】 前記固定部材は、樹脂からなる請求項1
    〜6のいずれか1に記載のホットプレートユニット。
  8. 【請求項8】 前記固定部材は、金属からなる請求項1
    〜4および6のいずれか1に記載のホットプレートユニ
    ット。
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