JP2002188567A - 冷媒圧縮機並びにこの冷媒圧縮機を用いた冷凍機および空調機 - Google Patents

冷媒圧縮機並びにこの冷媒圧縮機を用いた冷凍機および空調機

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JP2002188567A
JP2002188567A JP2000384414A JP2000384414A JP2002188567A JP 2002188567 A JP2002188567 A JP 2002188567A JP 2000384414 A JP2000384414 A JP 2000384414A JP 2000384414 A JP2000384414 A JP 2000384414A JP 2002188567 A JP2002188567 A JP 2002188567A
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refrigerant
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Fumiaki Sano
文昭 佐野
Shin Sekiya
慎 関屋
Tetsuzo Matsuki
哲三 松木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の冷媒圧縮機と同等の軸受け耐力を有
し、使用製品が廃棄された場合のスクラップ処理や製品
加工時の切削くず等から鉛が流由して周囲環境を汚染す
るのを防止した冷媒圧縮機を得る。 【解決手段】 重量比で3〜15%のSnを含むととも
に、Pbを含まないアルミニウム合金からなる軸受け摺
動部材3b,8a,5c,4をそれぞれ備えた軸受け3
a,8,5d,4を用いることにより、使用製品が廃棄
された場合のスクラップ処理や、製品加工時の切削くず
等から鉛が流出して、周囲環境を汚染するのを防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷媒圧縮機並び
にこの冷媒圧縮機を用いた冷凍機および空調機に関し、
詳細には、冷媒圧縮機に用いられる軸受けを改良した冷
媒圧縮機並びにこの冷媒圧縮機を用いた冷凍機および空
調機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール形冷媒圧縮機は、例え
ば図6の縦断面図に示すように、導入された冷媒を圧縮
する圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機構
部とを備え、これらの全部または一部は密閉容器内に収
容されている。
【0003】圧縮機構部は、渦巻ラップ2aを有する揺
動スクロール2と、容器に固定された固定スクロール1
とを対向して組み合わせたものである。揺動スクロール
2の台板の、渦巻ラップ2aが形成された面と反対側の
面4aは、フレーム3との間に配された摺動部材である
スラスト軸受け4に当接するスラスト面であり、その略
中心部分には軸2bが形成され、この軸2bは、電動モ
ータ7により回転駆動される主軸5の、摺動部材5cを
備えた揺動軸受け5dによって支持されている。
【0004】揺動スクロール2は、このスラスト軸受け
4により、軸2bの方向に支持される。また、揺動スク
ロール2は、摺動部材5cを介して主軸5の偏心部と係
合しており、主軸5の回転とオルダム継手6による自転
抑制作用とによって、固定スクロール1に対する揺動運
動を行うことにより、冷媒の圧縮作用が行われる。
【0005】主軸5は、フレーム3との間に配設され
た、摺動部材3bを備えた主軸受け3aによって径方向
に支持されるとともに、フレーム3と、電動モータ7の
軸方向反対側に配設された、摺動部材8aを備えた副軸
受け8によって径方向に支持されている。また、副軸受
け8は、容器の下部の油溜部に貯留している潤滑油9に
浸かり、潤滑油9は、主軸5の回転による遠心ポンプ作
用により、主軸5内部に形成された給油孔5bを通じ
て、偏心部に穿孔された給油穴5aまで汲み上げられ、
主軸受け3a、揺動軸受け5dおよびスラスト軸受け4
に供給される。なお、図中の矢印は、このスクロール形
冷媒圧縮機内部の冷媒を含有した潤滑油9の流れを示す
ものである。
【0006】副軸受け8、主軸受け3a、揺動軸受け5
dおよびスラスト軸受け4にはそれぞれ、前述した摺動
部材8a,3b,5c,4が設けられており、これらの
摺動部材8a,3b,5c,4は、潤滑油9によって潤
滑される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧縮機内部
に液状の冷媒が導入された場合や、圧縮機の長期の運転
停止により圧縮機内部の冷媒が凝縮して液化している場
合は、潤滑油9は液状の冷媒によって過剰に希釈されて
その粘度が低下し、あるいは、潤滑油9に溶け込んでい
る冷媒が発泡して、給油路中においてベーパーロックが
発生し、潤滑油9の供給量が著しく低下する場合があ
る。
【0008】そしてこのように、潤滑油9の供給が低下
すると、摺動部材8a,3b,5c,4では油膜切れを
生じて境界潤滑状態に陥り、焼付き異常摩耗が生じるお
それがある。そこでこのような場合にも、過渡的な短時
間では焼付や異常摩耗を生じないように、摺動部材8
a,3b,5c,4には、低摩擦係数を維持できる材料
として、銅系、アルミ系、樹脂系、カーボン系、セラミ
ック系等の材料が使用されており、さらに軸受け特性を
向上させるために、鉛(Pb)が含有されている。
【0009】特にアルミ鉛合金材は、軸材である鉄系材
料に対して、耐焼付特性が良好で摺動部材の材料として
優れているだけでなく、高強度で合金厚を薄く構成でき
るために、コンパクトかつ加工性が良好であり、しかも
安価である等の多くの好適な特性を有し、冷媒圧縮機の
軸受け摺動部材の材料として広く用いられている。しか
し、鉛は有害物質であるため、使用製品を廃棄処理する
場合に、周囲環境を汚染しないように、特別な注意が必
要であり、また、製品加工時の切削屑等についても十分
な注意を払う必要がある。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、従来と同等以上の軸受け摺
動特性を維持しつつ、鉛を含有しない軸受け摺動部材を
使用して、製品の加工時や廃棄時に周囲環境を汚染せ
ず、信頼性が高く、高性能かつ安価な冷媒圧縮機、並び
にこの冷媒圧縮機を搭載した冷凍機および空調機を得る
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係る冷媒圧縮機は、導入された冷媒を圧
縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機
構部とを備え、前記圧縮機構部および/または前記電動
機構部の回転部材を支持する軸受けが、前記冷媒を含有
した潤滑油によって潤滑される冷媒圧縮機において、前
記軸受けの摺動部材は、重量比3〜15%のSn(錫)
を含有し、かつPb(鉛)を含有しないアルミニウム合
金により形成されていることを特徴とする。ここで、冷
媒を含有した潤滑油とは、冷媒が溶け込んでいる潤滑油
を意味する。
【0012】このように構成された発明に係る冷媒圧縮
機によれば、軸受けの摺動部材が鉛を含有しないため、
製品加工時や廃棄時に鉛が流出することがなく、周囲環
境に悪影響を及ぼすことがない。一方、鉛を除いた摺動
部材は鉛のなじみ性を失うため、焼付耐力が低下するこ
とになるが、鉛に代えて、低融点軟質金属である錫を重
量比3〜15%配合することにより、摺動部材の焼付耐
力を従来と同等に維持することができ、従来と同等の信
頼性を確保することができる。
【0013】なお、錫が重量比3%未満では充分ななじ
み性が得られず、重量比15%を超えるとアルミ合金の
硬さが低下して、軸受けとしての強度が低下するため、
重量比3%〜15%であるこの発明の冷媒圧縮機は、な
じみ性と強度を両立することができる。また、鉛と錫の
共晶合金の融点は183度であるのに対して、錫単独の
融点は232度であるため、鉛を含まない合金であるこ
の発明の冷媒圧縮機は、耐熱性が向上する。
【0014】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、圧縮機構部の回転部材は、揺動スクロールであ
ることを特徴とする。このように構成された発明によれ
ば、揺動スクロールを支持する摺動部材が、鉛を含有し
ないため、製品加工時や廃棄時に鉛が流出することがな
く、周囲環境に悪影響を及ぼすことがない。
【0015】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、電動機後部の回転部材は、電動モータの軸また
はこの軸に連接された連動軸であることを特徴とする。
このように構成された発明によれば、電動モータの軸や
連動軸を支持する摺動部材が、鉛を含有しないため、製
品加工時や廃棄時に鉛が流出することがなく、周囲環境
に悪影響を及ぼすことがない。
【0016】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、アルミニウム合金は、その組織が粒界を有しな
いように鋳造、圧延して得られたものであることを特徴
とする。このように構成された発明に係る冷媒圧縮機に
よれば、アルミ合金の組織が粒界を有しないように鋳
造、圧延して得られたものであるため、アルミ合金中に
粒界が存在するものに比べて、アルミ合金の強度が向上
する。
【0017】なお、粒界を有しないようにするために
は、具体的には、アルミ合金を溶解後、粉末化せずに鋳
造、圧延して、裏金に圧着すればよく、粉末化による粒
界が生じない均一な組織が形成されるため、合金材の強
度が向上でき、従来の摺動部材を超える良好な焼付耐力
を得ることができる。
【0018】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、摺動部材は、重量比1〜9%のSi、重量比
0.5〜3%のCuおよび重量比0.1〜1%のCrの
うち少なくとも一つをさらに含有するものであることを
特徴とする。このように構成された発明に係る冷媒圧縮
機によれば、珪素(Si)が添加されることにより、軸
に微量付着する軸受け摺動合金をかき落とし、軸と軸受
け摺動部材が凝着しにくくなり、銅(Cu)が添加され
ることにより、高温下での強度が向上し、クロム(C
r)が添加されることにより、微細な硬質のAl−Cr
金属間化合物がマトリクス中に分散し、主として錫粒子
の粗大化防止と、合金の強度が向上する。
【0019】なお、Siが重量比1%未満であると、上
記効果が発揮されにくく、一方、重量比9%を超える
と、相手の軸を傷付ける弊害を有するため、重量比1%
〜9%であるこの発明の冷媒圧縮機は、相手の軸を傷付
けることなく、軸受け摺動合金を効果的にかき落とすこ
とができる。また、Cuが重量比0.5%未満である
と、上記効果が発揮されにくく、一方、重量比3%を超
えると、過剰に硬化して圧延性が阻害されるとともに、
耐食性が低下する弊害を生じるため、重量比0.5%〜
3%であるこの発明の冷媒圧縮機は、高温下での強度を
向上させつつ、圧延性および耐食性の低下を効果的に防
止することができる。また、Crが重量比0.1%未満
であると、上記効果が発揮されにくく、一方、重量比1
%を超えると、硬質結晶が粗大化し逆に相手軸を傷つけ
て好ましくないという弊害を生じるため、重量比0.1
%〜1%であるこの発明の冷媒圧縮機は、主として錫粒
子の粗大化防止および合金の強度向上を図りつつ、相手
軸を傷つけるのを効果的に防止することができる。
【0020】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、冷媒は、HFC系冷媒であることを特徴とす
る。このように構成された発明に係る冷媒圧縮機によれ
ば、オゾン破壊係数がゼロであるHFC系冷媒を用いて
いるため、オゾン層を保護することができ、環境保全の
要請に応えることができる。
【0021】なお、従来のHCFC系冷媒は成分中に塩
素分子を含むが、HFC系冷媒は塩素分子を含まない。
塩素分子は、圧縮機の軸受け摺動面において、金属分子
間に介在し、金属接触を防ぐ効果(極圧効果)を発揮す
るが、塩素分子を含まないHFC系冷媒では、この極圧
効果がないために、摺動部の摩擦状態が厳しくなり、軸
受け摺動部材の焼付耐力がHCFC系冷媒より一層重要
になるが、この発明の冷媒圧縮機は、十分に焼付耐力を
有する。
【0022】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、潤滑油は、エステル系合成油またはエーテル系
合成油であることを特徴とする。このように構成された
発明に係る冷媒圧縮機によれば、HFC系冷媒との相溶
性を有するエステル系またはエーテル系の潤滑油を用い
た場合にも、すなわち、潤滑油に冷媒が溶け込んで、潤
滑油が冷媒により、過剰に希釈されてその粘度が低下し
ても、良好な軸受け焼付耐力を有する。
【0023】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、潤滑油は、HFC系冷媒に対して相溶性を有し
ないものであることを特徴とする。このように構成され
た発明に係る冷媒圧縮機によれば、潤滑油に冷媒が溶け
込まないため、潤滑油が冷媒により希釈されることがな
く、その粘度が低下することはないため、良好な軸受け
焼付耐力を有する。
【0024】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、潤滑油は、極圧添加剤を含まないものであるこ
とを特徴とする。このように構成された発明に係る冷媒
圧縮機によれば、含有された極圧添加剤によって、極圧
効果の低下を防ぐことができる。特に、塩素を含まない
HFC系冷媒では、極圧効果の低下を補うことができ
る。
【0025】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、電動機構部の回転中心軸が重力方向に延在する
ように、配置されるものであることを特徴とする。電動
機構部の回転中心軸が重力方向に延在するように配置さ
れた冷媒圧縮機では、滑り軸受けが電動モータの上側に
位置するため、潤滑油が冷媒液によって希釈されるよう
な運転状態においては、電動モータの上側の軸受けに対
する潤滑油の給油量が低下して、軸受け摺動環境が厳し
くなるが、このような摺動環境においても、良好な軸受
け焼付耐力を有する。
【0026】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、電動機構部の回転中心軸が水平方向に延在する
ように、配置されるものであることを特徴とする。電動
機構部の回転中心軸が水平方向に延在するように配置さ
れた冷媒圧縮機では、潤滑油の収納容積が小さいため、
液状の冷媒が吸入された場合に潤滑油がこの冷媒液で希
釈されて、粘度が低下する危険に遭遇しやすいが、この
ような環境においても、良好な軸受け焼付耐力を有す
る。
【0027】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、電動機構部の電動モータの両側にそれぞれ突出
する軸部分が、前記軸受けによって支持されていること
を特徴とする。電動機構部の電動モータの両側にそれぞ
れ突出する軸部分が、軸受けによってそれぞれ支持され
ている冷媒圧縮機では、潤滑油が冷媒液によって希釈さ
れるような運転状態においては、両軸受けにそれぞれ供
給される潤滑油の給油量が低下して、軸受け摺動環境が
厳しくなるが、このような摺動環境においても、良好な
軸受け焼付耐力を有する。
【0028】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、軸受けが、2つの軸部分のうち少なくとも一方
の軸部分を支持するすべり軸受けであることを特徴とす
る。このように構成された発明に係る冷媒圧縮機によれ
ば、玉軸受けやころ軸受け以外の滑り軸受けによる摺動
環境においても、良好な軸受け焼付耐力を有する。
【0029】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、潤滑油を前記軸受けに供給する潤滑油供給手段
が、前記電動機構部の駆動軸に形成された、前記圧縮機
構部内部の圧力差による差圧ポンプであることを特徴と
する。潤滑油の収容される容積部分が、圧縮機の吐出圧
力雰囲気にある場合(高圧シェル方式の冷媒圧縮機)
は、圧縮機内部の圧力差による揚程を利用する差圧ポン
プによって、潤滑油が軸受けに供給されるが、高圧シェ
ル方式の冷媒圧縮機は、シェル内にたまっている、冷媒
に希釈された潤滑油が冷媒とともに圧縮機外に持ち出さ
れて、シェル内の油量が低下し、摺動部への給油能力が
低下する場合があるが、このように構成された発明に係
る冷媒圧縮機によれば、このような摺動環境において
も、良好な軸受け焼付耐力を有する。
【0030】次の発明に係る冷媒圧縮機は、上記発明に
おいて、潤滑油を前記軸受けに供給する潤滑油供給手段
が、前記電動機構部の駆動軸に形成された遠心ポンプま
たは容積型ポンプであることを特徴とする。潤滑油の収
容される容積部分が圧縮機の吸入圧力雰囲気にある場合
(低圧シェル方式の冷媒圧縮機)は、駆動軸の回転によ
る遠心力による揚程を利用した遠心ポンプ、または駆動
軸に装着された容積形ポンプによって、潤滑油が軸受け
に供給されるが、圧縮機停止時にシェル内に冷媒が凝縮
し、潤滑油が冷媒に希釈された、いわゆる寝込み状態か
ら圧縮機が起動した場合、低圧シェル方式では、冷媒に
希釈された潤滑油の雰囲気圧力が、停止時のバランス圧
力より急激に低下すると冷媒が発泡するために、遠心ポ
ンプ、容積形ポンプのいずれも、給油能力が低下する
が、このように構成された発明に係る冷媒圧縮機によれ
ば、このような摺動環境においても、良好な軸受け焼付
耐力を有する。
【0031】次の発明に係る冷凍機は、冷媒圧縮機を用
いた冷凍機において、冷媒圧縮機は、上記発明の冷媒圧
縮機であり、かつ、Pb非含有の構成部品のみを用いた
ことを特徴とする。冷媒圧縮機以外の構成部品として
は、例えば、熱交換機やファンモータ等である。このよ
うに構成された発明に係る冷凍機によれば、冷媒圧縮機
を含めて構成部品が、Pb非含有であるため、製品加工
時や廃棄時に鉛が流出することがなく、周囲環境に悪影
響を及ぼすことがない。また上記各発明の冷媒圧縮機の
各作用・効果をも奏する。
【0032】次の発明に係る空調機は、冷媒圧縮機を用
いた冷凍機において、前記冷媒圧縮機は、上記発明の冷
媒圧縮機であり、かつ、Pb非含有の構成部品のみを用
いたことを特徴とする。冷媒圧縮機以外の構成部品とし
ては、例えば、熱交換機やファンモータ等である。この
ように構成された発明に係る空調機によれば、冷媒圧縮
機を含めて構成部品が、Pb非含有であるため、製品加
工時や廃棄時に鉛が流出することがなく、周囲環境に悪
影響を及ぼすことがない。また上記各発明の冷媒圧縮機
の各作用・効果をも奏する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の冷媒圧縮機、冷
凍機および空調機の具体的な実施の形態について、図面
を用いて説明する。
【0034】実施の形態1.図1は、この発明の冷媒圧
縮機の実施の形態1であるスクロール圧縮機の縦断面を
示す図である。図示のスクロール形冷媒圧縮機は、導入
された冷媒を圧縮する圧縮機構部と、この圧縮機構部を
駆動する電動機構部とを備え、これらの全部または一部
は密閉容器内に収容されている。
【0035】圧縮機構部は、渦巻ラップ2aを有する揺
動スクロール2と、容器に固定された固定スクロール1
とを対向して組み合わせたものである。揺動スクロール
2の台板の、渦巻ラップ2aが形成された面と反対側の
面4aは、フレーム3との間に配された摺動部材である
スラスト軸受け4に当接するスラスト面であり、その略
中心部分には軸2bが形成され、この軸2bは、電動モ
ータ7により回転駆動される主軸5の、摺動部材5cを
備えた揺動軸受け5dによって支持されている。
【0036】揺動スクロール2は、このスラスト軸受け
4により、軸2bの方向に支持される。また、揺動スク
ロール2は、摺動部材5cを介して主軸5の偏心部と係
合しており、主軸5の回転とオルダム継手6による自転
抑制作用とによって、固定スクロール1に対する揺動運
動を行うことにより、冷媒の圧縮作用が行われる。
【0037】主軸5は、フレーム3との間に配設され
た、摺動部材3bを備えた主軸受け3aによって径方向
に支持されるとともに、フレーム3と、電動モータ7の
軸方向反対側に配設された、摺動部材8aを備えた副軸
受け8によって径方向に支持されている。また、副軸受
け8は、容器の下部の油溜部に貯留された潤滑油9に浸
かり、潤滑油9は、主軸5の回転による遠心ポンプ作用
により、主軸5の内部に形成された給油孔5bを通じ
て、偏心部に形成された給油穴5aまで汲み上げられ、
主軸受け3a、揺動軸受け5dおよびスラスト軸受け4
に供給される。なお、図中の矢印は、このスクロール形
冷媒圧縮機内部の冷媒を含有した潤滑油9の流れを示す
ものである。
【0038】副軸受け8、主軸受け3a、揺動軸受け5
dおよびスラスト軸受け4にはそれぞれ、前述した摺動
部材8a,3b,5c,4が設けられており、これらの
摺動部材8a,3b,5c,4は、潤滑油9によって潤
滑される。摺動部材8a,3b,5c,4は、アルミニ
ウムを基材とした、重量比3〜15%の錫(Sn)を含
み、鉛(Pb)を含まないアルミニウム合金により形成
されている。また、このアルミニウム合金には、重量比
1〜9%の珪素(Si)、同0.5〜3%の銅(Cu)
および同0.5〜1%のクロム(Cr)のうち、少なく
とも一種類以上を含めてもよく、さらに摺動部材8a,
3b,5c,4は、上記のアルミニウム合金を鋳造、圧
延後、裏金に圧着する製造工程によって製造されたもの
も用いられる。
【0039】従来より、アルミ鉛合金材は、軸材である
鉄系材料に対して凝着しにくい特性を有するため、焼付
耐力が良好であり、摺動部材用材料として優れていると
ともに、高強度で合金厚を薄くすることができるため、
コンパクトで、かつ加工性が良好であり、さらに安価で
ある等の多くの優れた特性を有し、冷媒圧縮機の軸受け
材料として広く用いられている。
【0040】一例として、重量比85.3%のアルミニ
ウム(Al)、同8.5%の鉛(Pb)、同1.5%の
錫(Sn)、同0.7%の銅(Cu)および同4%の珪
素(Si)からなる合金を粉末化し、圧延後焼結して裏
金に圧着した軸受け摺動部材(以下、摺動部材Aとい
う)が実用化されているが、この摺動部材Aは、材料中
に、有害物質である鉛を含有しているため、使用製品が
廃棄された場合のスクラップ処理や、製品加工時の切削
くず等から鉛が流出して、周囲環境を汚染するおそれが
あり、鉛を含まない合金が必要とされている。
【0041】そこで、本実施の形態1の冷媒圧縮機は、
摺動部材8a,3b,5c,4を、上述したように鉛を
含まない材料によって構成し、この問題を解決してい
る。しかしながら、単に鉛を除いただけでは、鉛のなじ
み性を失うため、焼付耐力が低下し、摺動部材としての
性能が低下して、圧縮機の信頼性を損なうことになる。
【0042】このため、本実施の形態1の冷媒圧縮機
は、鉛に代えて、低融点軟質金属である錫の成分比率
を、重量比3〜15%に増加することによって、摺動部
材8a,3b,5c,4の焼付耐力を、従来のものと同
等に維持している。以下、この実施の形態1である冷媒
圧縮機の使用環境である冷媒雰囲気で、冷媒を含む潤滑
油を使用しての焼付限界試験等によって、焼付耐力の検
証結果を示す。
【0043】なお、このような構成のアルミニウム合金
の摺動部材は、例えば特開昭59−193254号公報
等により、その成分および製造方法等が開示されてお
り、また、錫の成分比率が重量比3%未満では充分なな
じみ性が得られず、重量比15%を超えるとアルミ合金
の硬さが低下して軸受けとしての強度が低下することが
示されているが、その用途は、内燃機関の軸受けとして
のものであり、冷媒圧縮機の使用環境において、すなわ
ち、冷媒による潤滑油の希釈に伴う粘度低下や、潤滑油
中の冷媒が発泡して給油経路を気泡が閉塞するベーパロ
ックが生じた場合の、供給潤滑油量の極端な減少等の、
冷媒圧縮機固有の問題を有する厳しい使用環境におい
て、摺動部材が実用性を有するか否かについては、何ら
記載も示唆もされていなかった。
【0044】このため、鉛を含まないアルミニウム合金
の摺動部材として、表1に示す合金成分を有する摺動部
材の評価を実施した。
【0045】
【表1】
【0046】表1の摺動部材において、Aは鉛を含むア
ルミニウム系合金である従来の摺動部材、BおよびCは
鉛を含まないアルミニウム系合金である本実施の形態の
摺動部材であり、製造方法Xは、合金を溶解後、粉末化
して、圧延・焼結したものを、裏金に圧着する方法であ
り、製造方法Yは、合金を溶解後、粉末化せずに鋳造、
圧延して、裏金に圧着する方法である。
【0047】合金中に鉛成分を重量比3%以上含む従来
のアルミニウム系合金では、合金を溶解後鋳造、圧延す
る製造方法Yによれば、成分中の鉛がアルミニウム基材
中に偏析するために材料特性が不安定になるという問題
があり、この鉛成分の偏析を避けるために、合金を粉末
化する製造方法Xを適用している。
【0048】一方、鉛を含まないアルミニウム系合金で
は、鉛の偏析という問題がないため、製造方法X、Yの
いずれによっても製造可能であるが、合金を粉末化する
製造方法Xは、粉末化による粒界が合金中に存在するた
め、製造方法Yにより製造した場合の方が、合金の強度
が向上するので好ましい。
【0049】B、Cの合金には、錫が耐焼付き性向上の
ために添加されている。さらに珪素、銅およびクロムが
添加されているが、珪素は軸材に微量付着する軸受け摺
動合金をかき落とし、軸と軸受け摺動部材とを凝着しに
くくするためであり、その効果を発揮するための含有量
として、重量比1%以上を要し、また、重量比9%を超
えると、相手の軸材を傷付ける弊害が生じるため、重量
比1〜9%の範囲で添加されている。
【0050】また、銅は重量比0.5〜3%の範囲で添
加されるが、これは高温下での強度の向上を目的とする
ものであり、重量比0.5%未満ではその効果が期待で
きず、重量比3%を超えると硬くなりすぎて、圧延性を
阻害する上、耐食性が低下するためである。
【0051】さらに、クロムは微細な硬質のAl−Cr
金属間化合物としてマトリクス中に分散し、主として錫
粒子の粗大化防止と、合金の強度向上の効果を発揮する
ものであり、その効果の発揮のためには重量比0.1%
以上を要し、また重量比1%を超えると硬質結晶が粗大
化して、相手軸材を傷付けて好ましくないため、重量比
0.1%〜1%の範囲で添加される。また、鉛と錫の共
晶合金の融点は183℃であるのに対して、錫単独の融
点は232℃であるため、鉛を含まない合金では耐熱性
が向上とするという効果もある。
【0052】上記の鉛を含まないアルミニウム系合金の
摺動部材2種類(B,C)を、鉛を含む従来のアルミニ
ウム系合金の摺動部材Aと、焼付荷重を比較試験した結
果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2に示すように、鉛を含まないアルミニ
ウム系合金の摺動部材は、鉛を含む従来のアルミニウム
系合金の摺動部材と、同等以上の焼付面圧を示した。特
に、合金を溶解後鋳造、圧延する製造方法YによるCの
摺動部材は、合金を粉末化しないことで、粉末化による
粒界が生じない均一な組織が形成されるため、合金材の
強度を向上させることができ、従来の摺動部材を超える
良好な焼付耐力を示している。
【0055】また、冷媒圧縮機の軸受けの摺動部材とし
て使用した場合の、潤滑油による冷媒の希釈によって生
じる軸受け焼付現象を加速評価するため、意図的に圧縮
機の潤滑油を減少させた上で、冷媒を圧縮機容器内に凝
縮させて潤滑油の濃度を低下させ、冷媒圧縮機を起動さ
せる、という限界評価試験を実施し、軸受けの摺動部材
の焼付限界を評価した結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】表3に示す結果より、摺動部材Bは、従来
の摺動部材Aと比較すると、若干焼付き発生時の潤滑油
濃度が高く、焼付耐力が低下しているが、実際の使用条
件に対しては十分に余裕があり、特に厳しい使用用途を
除いて、十分な実用性を有していることが確認された。
【0058】また、摺動部材Cは、従来の摺動部材Aと
同等の焼付耐力であり、従来同等の信頻性を確保するこ
とができる。従って、鉛を含まないこれらのアルミニウ
ム系合金の摺動部材を、冷媒圧縮機の摺動部材として用
いても、鉛を含む従来の摺動部材を用いた場合と同等の
信頼性を有し、しかも、製品加工時や廃棄時に、周囲環
境に鉛を流出しない、安全な冷媒圧縮機を得ることがで
きる。なお、摺動部材の形状は、冷媒圧縮機の種類(レ
シプロ、ローリングピストン、スクロール等)に応じて
異なるが、いずれの形状の摺動部材に対しても、この発
明の摺動部材が有効であることは、表2に示した焼付特
性評価試験結果より明らかである。
【0059】実施の形態2.図1に示した冷媒圧縮機に
おいて、使用される冷媒としてHFC系冷媒を用いたも
のを、本発明の冷媒圧縮機の実施の形態2とする。冷媒
圧縮機に使用される冷媒は、従来はHCFC系冷媒であ
ったが、近年は、オゾン層保護の観点から、オゾン破壊
係数がゼロであるHFC系冷媒に転換されつつある。
【0060】ここで、HCFC系冷媒は成分中に塩素分
子を含むが、HFC系冷媒は塩素分子を含まない。塩素
分子は圧縮機の軸受け摺動面において、金属分子間に介
在し、金属接触を防ぐ効果(極圧効果)を発揮するが、
塩素分子を含まないHFC系冷媒にはこの極圧効果がな
いため、摺動部材の摩擦状態が厳しくなり、したがっ
て、軸受けの摺動部材の焼付耐力はHCFC系冷媒より
も一層重要になる。
【0061】表2および表3に示した摺動部材の試験
は、HFC系冷媒雰囲気において実施したものであり、
HCFC系冷媒雰囲気よりも潤滑状態の厳しいHFC系
冷媒雰囲気における摺動特性も、鉛を含む従来の摺動部
材と同等の性能を確保できることが確認され、HFC系
冷媒を用いた冷媒圧縮機においても、信頼性の高い、鉛
フリーを実現できることが確認された。
【0062】実施の形態3.図1に示した冷媒圧縮機に
おいて、使用される冷媒としてHFC系冷媒を用い、潤
滑油9として、アルキルベンゼン系合成油、またはエス
テル系もしくはエーテル系の潤滑油を用いたものを、本
発明の冷媒圧縮機の実施の形態3とする。冷媒圧縮機に
使用される潤滑油9は従来、HCFC系冷媒では、鉱油
やアルキルベンゼン系合成油等が使用されてきたが、こ
れらはHFC系冷媒と殆ど溶け合わないため、HFC系
冷媒においては潤滑油9として、冷媒と相溶性を有する
エステル系またはエーテル系の潤滑油9も用いられてい
る。
【0063】さらに塩素を含まないHFC系冷媒では、
極圧効果が低下するため、この効果を向上させるための
添加材(極圧添加材)を潤滑油中に含むものも有る。し
かし、極圧添加剤は熱や水分等で分解され易く、スラッ
ジを発生させ、冷媒回路の絞り部を閉塞させるおそれが
有るため、摺動部材の耐力を確保することができるなら
ば、油の化学的安定性の面から、極圧添加剤を低減し、
または含まない潤滑油9が好ましい。
【0064】潤滑油9と摺動部材との相性は、摺動部材
の焼付耐力を確保する上で重要な要素であり、表3に示
したこの特性を、各種潤滑油と冷媒に対して評価した結
果より、この発明の鉛を含まない軸受け摺動部材は、H
FC系冷媒と、エステル系合成油またはエーテル系合成
油の潤滑油9とを用いた冷媒圧縮機においても、良好な
軸受け焼付耐力を有することが確認された。
【0065】さらにHFC系冷媒と相溶性の低いアルキ
ルベンゼン系の潤滑油9を用いた冷媒圧縮機において
も、良好な軸受け焼付耐力を有することが確認された。
さらに、極圧添加材を含まない潤滑油9を用いた冷媒圧
縮機においても、良好な軸受け焼付耐力を有することが
確認された。
【0066】実施の形態4.図1に示した実施の形態の
冷媒圧縮機は、電動モータ7の軸線を重力方向に配置
し、圧縮機構部を電動モータ7の上方に設けた冷媒圧縮
機である。また、電動モータ7を挟んで、電動モータ7
の軸方向両側にそれぞれ、主軸5を支持する主軸受け3
a,副軸受け8が配置されている。
【0067】これらの主軸受け3aおよび副軸受け8
は、双方とも滑り軸受けで構成された構造や、図2に示
すように、一方に(図2においては副軸受け8とし
て)、玉軸受け10やころ軸受け(図示せず)等のころ
がり軸受けを配設し、他方に滑り軸受けを配設した構造
が用いられており、これらに用いられる滑り軸受けの摺
動部材3bに、本発明の、鉛を含まない摺動部材を使用
することによって、信頼性を損なうこと無く、鉛フリー
の圧縮機を得ることができる。
【0068】特に、図1に示したスクロール形冷媒圧縮
機では、電動モータ7の上側にも軸受けの摺動部材3b
等が配置されているが、潤滑油9が冷媒液によって希釈
されるような運転状態においては、電動モータ7の上側
の摺動部材3b等に対しては、潤滑油9の給油量が低下
して、軸受け摺動環境が厳しくなる。
【0069】表3の試験に用いた冷媒圧縮機は、図1に
示したスクロール形冷媒圧縮機であり、本発明の鉛を含
まない摺動部材は、このような電動モータ7の上側にも
軸受けの摺動部材3b等が配置されている冷媒圧縮機に
おいても、鉛を含む従来の摺動部材と同等の軸受け焼付
耐力を有し、信頼性の高い、鉛フリーの冷媒圧縮機を実
現できることが確認された。
【0070】また図3に示すように、主軸5の軸線が水
平方向に配置された横置きの冷媒圧縮機は、潤滑油9の
収容容積が小さいため、冷媒液が吸入された場合に、潤
滑油9が冷媒液によって希釈され、潤滑油9の粘度が低
下する環境に遭遇しやすい。しかし、本発明の鉛を含ま
ない摺動部材は、このような実施の形態の冷媒圧縮機に
おいても、鉛を含む摺動部材と同等の軸受け焼付耐力を
有し、信頼性の高い、鉛フリーの冷媒圧縮機であること
が確認された。
【0071】実施の形態5.軸受け部に給油する潤滑油
9の供給手段は、潤滑油9の収容される容積部分が、冷
媒圧縮機の吸入圧力雰囲気にある場合(低圧シェル方
式)は、図1に示すように、主軸5の回転によって生じ
る遠心力による揚程を利用した遠心ポンプを設けたも
の、または図2に示すように、主軸5に容積形のポンプ
11を装着したもの、が一般に用いられており、潤滑油
9の収容される容積部分が、冷媒圧縮機の吐出圧力雰囲
気にある場合(高圧シェル方式)は、図4に示すような
実施の形態の冷媒圧縮機の圧縮機構部内の圧力差による
揚程を利用する差圧ポンプ12または遠心ポンプ(図示
せず)が、一般に用いられている。
【0072】ところで、冷媒圧縮機の運転停止時に、シ
ェル内で潤滑油9が凝縮し潤滑油9が冷媒に希釈され
た、いわゆる寝込み状態から、冷媒圧縮機の運転が開始
した場合、低圧シェル方式では、冷媒に希釈された潤滑
油9の雰囲気圧力が、停止時のバランス圧力より急激に
低下すると、冷媒が発泡するため、遠心ポンプ、容積形
ポンプ11のいずれも、給油能力が低下する。また、高
圧シェル方式では、シェル内に溜まっている、冷媒に希
釈された潤滑油9が、冷媒とともに冷媒圧縮機外に持ち
出されて、シェル内の潤滑油9の量が低下し、摺動部材
5c等への給油能力が低下する場合がある。
【0073】このように、摺動部材5c等への給油量が
一時的に低下し、摺動部材5c等が境界潤滑状態となっ
た場合でも、本発明の冷媒圧縮機は、鉛を含む従来の摺
動部材と同等の焼付耐力を有する摺動部材が用いられて
いるため、鉛フリーの信頻性の高い冷媒圧縮機を実現す
ることができる。
【0074】実施の形態6.図5は、本発明の空調機の
実施の形態(室外機部分)の構成を示す図である。図示
の空調機は、冷媒圧縮機20と、熱交換器21と、ファ
ンモータ22と、制御基板23と、冷媒回路の配管24
と、ファン25とから構成されている。
【0075】ここで、冷媒圧縮機20は、本発明の、鉛
を含まない摺動部材を使用した鉛フリーの冷媒圧縮機で
あり、ファンモータ22、制御基板23等他の全ての構
成部品も、鉛非含有の部品であり、このように構成され
た実施の形態の空調機は、製品に鉛を全く含有しない空
調機となり、製造過程や、廃却時等を含む製品のライフ
サイクルにおいて、鉛の流出による環境の汚染がない空
調機を提供することができる。
【0076】この空調機と同様に、冷媒圧縮機20とし
て、本発明の、鉛を含まない摺動部材を使用した鉛フリ
ーの冷媒圧縮機を搭載し、他の構成部品も、鉛を含まな
い部品で構成することにより、製品に鉛を全く含まない
冷凍機を構成することができ、製造過程や、廃却時等を
含む製品のライフサイクルにおいて、鉛の流出による環
境の汚染がない冷凍機を提供することができる。
【0077】
【発明の効果】以上説明した通り、この発明に係る冷媒
圧縮機によれば、軸受けの摺動部材が鉛を含有しないた
め、製品加工時や廃棄時に鉛が流出することがなく、周
囲環境に悪影響を及ぼすことがない。一方、鉛を除いた
摺動部材は鉛のなじみ性を失うため、焼付耐力が低下す
ることになるが、鉛に代えて、低融点軟質金属である錫
を重量比3〜15%配合することにより、摺動部材の焼
付耐力を従来と同等に維持できることができ、従来と同
等の信頼性を確保することができる。
【0078】なお、錫が重量比3%未満では充分ななじ
み性が得られず、重量比15%を超えるとアルミ合金の
硬さが低下して、軸受けとしての強度が低下するため、
重量比3%〜15%であるこの発明の冷媒圧縮機は、な
じみ性と強度を両立することができる。また、鉛と錫の
共晶合金の融点は183度であるのに対して、錫単独の
融点は232度であるため、鉛を含まない合金であるこ
の発明の冷媒圧縮機は、耐熱性が向上する。
【0079】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、揺動
スクロールを支持する摺動部材が、鉛を含有しないた
め、製品加工時や廃棄時に鉛が流出することがなく、周
囲環境に悪影響を及ぼすことがない。
【0080】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、電動
モータの軸や連動軸を支持する摺動部材が、鉛を含有し
ないため、製品加工時や廃棄時に鉛が流出することがな
く、周囲環境に悪影響を及ぼすことがない。
【0081】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、アル
ミ合金の組織が粒界を有しないように鋳造、圧延して得
られたものであるため、アルミ合金中に粒界が存在する
ものに比べて、アルミ合金の強度が向上し、従来の摺動
部材を超える良好な焼付耐力を得ることができる。
【0082】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、珪素
(Si)が添加されることにより、軸に微量付着する軸
受け摺動合金をかき落とし、軸と軸受け摺動部材が凝着
しにくくなり、銅(Cu)が添加されることにより、高
温下での強度が向上し、クロム(Cr)が添加されるこ
とにより、微細な硬質のAl−Cr金属間化合物がマト
リクス中に分散し、主として錫粒子の粗大化防止と、合
金の強度が向上する。
【0083】なお、Siが重量比1%未満であると、上
記効果が発揮されにくく、一方、重量比9%を超える
と、相手の軸を傷付ける弊害を有するため、重量比1%
〜9%であるこの発明の冷媒圧縮機は、相手の軸を傷付
けることなく、軸受け摺動合金を効果的にかき落とすこ
とができる。
【0084】また、Cuが重量比0.5%未満である
と、上記効果が発揮されにくく、一方、重量比3%を超
えると、過剰に硬化して圧延性が阻害されるとともに、
耐食性が低下する弊害を生じるため、重量比0.5%〜
3%であるこの発明の冷媒圧縮機は、高温下での強度を
向上させつつ、圧延性および耐食性の低下を効果的に防
止することができる。
【0085】また、Crが重量比0.1%未満である
と、上記効果が発揮されにくく、一方、重量比1%を超
えると、硬質結晶が粗大化し逆に相手軸を傷つけて好ま
しくないという弊害を生じるため、重量比0.1%〜1
%であるこの発明の冷媒圧縮機は、主として錫粒子の粗
大化防止および合金の強度向上を図りつつ、相手軸を傷
つけるのを効果的に防止することができる。
【0086】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、オゾ
ン破壊係数がゼロであるHFC系冷媒を用いているた
め、オゾン層を保護することができ、環境保全の要請に
応えることができる。
【0087】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、HF
C系冷媒との相溶性を有するエステル系またはエーテル
系の潤滑油を用いた場合にも、すなわち、潤滑油に冷媒
が溶け込んで、潤滑油が冷媒により、過剰に希釈されて
その粘度が低下しても、良好な軸受け焼付耐力を有す
る。
【0088】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、潤滑
油に冷媒が溶け込まないため、潤滑油が冷媒により希釈
されることがなく、その粘度が低下することはないた
め、良好な軸受け焼付耐力を有する。
【0089】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、含有
された極圧添加剤によって、極圧効果の低下を防ぐこと
ができる。特に、塩素を含まないHFC系冷媒では、極
圧効果の低下を補うことができる。
【0090】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、電動
機構部の回転中心軸が重力方向に延在するように配置さ
れる、軸受け摺動環境が厳しい場合にも、良好な軸受け
焼付耐力を有する。
【0091】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、電動
機構部の回転中心軸が水平方向に延在するように配置さ
れる、軸受け摺動環境が厳しい場合にも、良好な軸受け
焼付耐力を有する。
【0092】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、電動
機構部の電動モータの両側にそれぞれ突出する軸部分
が、軸受けによってそれぞれ支持されている、軸受け摺
動環境が厳しい場合にも、良好な軸受け焼付耐力を有す
る。
【0093】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、玉軸
受けやころ軸受け以外の滑り軸受けによる摺動環境にお
いても、良好な軸受け焼付耐力を有する。
【0094】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、潤滑
油を前記軸受けに供給する潤滑油供給手段が、前記電動
機構部の駆動軸に形成された、前記圧縮機構部内部の圧
力差による差圧ポンプであるために、シェル内の油量が
低下し、摺動部への給油能力が低下しても、良好な軸受
け焼付耐力を有する。
【0095】次の発明に係る冷媒圧縮機によれば、潤滑
油を前記軸受けに供給する潤滑油供給手段が、前記電動
機構部の駆動軸に形成された遠心ポンプまたは容積型ポ
ンプであるために、停止時のバランス圧力より急激に低
下して冷媒が発泡しても、良好な軸受け焼付耐力を有す
る。
【0096】次の発明に係る冷凍機は、冷媒圧縮機を用
いた冷凍機によれば、冷媒圧縮機を含めて構成部品が、
Pb非含有であるため、製品加工時や廃棄時に鉛が流出
することがなく、周囲環境に悪影響を及ぼすことがな
い。また上記各発明の冷媒圧縮機の各作用・効果をも奏
する。
【0097】次の発明に係る空調機は、冷媒圧縮機を用
いた冷凍機によれば、冷媒圧縮機を含めて構成部品が、
Pb非含有であるため、製品加工時や廃棄時に鉛が流出
することがなく、周囲環境に悪影響を及ぼすことがな
い。また上記各発明の冷媒圧縮機の各作用・効果をも奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の冷媒圧縮機の実施の形態1〜5であ
る冷媒圧縮機の縦断面を示す図である。
【図2】 本発明の冷媒圧縮機の実施の形態4,5であ
る冷媒圧縮機の縦断面を示す図である。
【図3】 本発明の冷媒圧縮機の実施の形態4である冷
媒圧縮機の縦断面を示す図である。
【図4】 本発明の冷媒圧縮機の実施の形態5である冷
媒圧縮機の縦断面を示す図である。
【図5】 本発明の空調機の実施の形態6である空調機
の要部を示す図である。
【図6】 従来の冷媒圧縮機の縦断面を示す図ある。
【符号の説明】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、2b 軸、
3 フレーム、3a主軸受け、3b 摺動部材、4 ス
ラスト軸受け(摺動部材)、4a スラスト面、5 主
軸、5a 給油穴、5b 給油孔、5c 摺動部材、5
d 揺動軸受け、6 オルダム継手、7 電動モータ、
8 副軸受け、8a 摺動部材、9潤滑油。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 29/02 F04C 29/02 D 311 311C 311B (72)発明者 松木 哲三 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA05 AB05 AC03 AD01 BD05 BD07 BD09 CA01 CA02 3H029 AA02 AA14 AA21 AB03 BB31 BB42 CC18 CC33 CC35 CC38

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部
    と、前記圧縮機構部を駆動する電動機構部とを備え、前
    記圧縮機構部および/または前記電動機構部の回転部材
    を支持する軸受けが、前記冷媒を含有した潤滑油によっ
    て潤滑される冷媒圧縮機において、 前記軸受けの摺動部材は、重量比3〜15%のSnを含
    有し、かつPbを含有しないアルミニウム合金により形
    成されていることを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記圧縮機構部の回転部材が、揺動スク
    ロールであることを特徴とする請求項1に記載の冷媒圧
    縮機。
  3. 【請求項3】 前記電動機構部の回転部材が、該電動機
    構部の電動モータの軸または電動モータの軸と連接され
    た連動軸であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の冷媒圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム合金は、その組織が粒
    界を有しないように鋳造、圧延して得られたものである
    ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一つに
    記載の冷媒圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記摺動部材は、重量比1〜9%のS
    i、重量比0.5〜3%のCuおよび重量比0.1〜1
    %のCrのうち少なくとも一つをさらに含有するもので
    あることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一
    つに記載の冷媒圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記冷媒は、HFC系冷媒であることを
    特徴とする請求項1から5のうちいずれか一つに記載の
    冷媒圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記潤滑油は、エステル系合成油または
    エーテル系合成油であることを特徴とする請求項6に記
    載の冷媒圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記潤滑油は、HFC系冷媒に対して相
    溶性を有しないものであることを特徴とする請求項6に
    記載の冷媒圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記潤滑油は、極圧添加剤を含まないも
    のであることを特徴とする請求項7または8に記載の冷
    媒圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記電動機構部の回転中心軸が重力方
    向に延在するように、配置されるものであることを特徴
    とする請求項1から9のうちいずれか一つに記載の冷媒
    圧縮機。
  11. 【請求項11】 前記電動機構部の回転中心軸が水平方
    向に延在するように、配置されるものであることを特徴
    とする請求項1から9のうちいずれか一つに記載の冷媒
    圧縮機。
  12. 【請求項12】 前記電動機構部の駆動軸の、該電動機
    構部の電動モータの両側にそれぞれ突出する軸部分が、
    前記軸受けによって支持されていることを特徴とする請
    求項1から11のうちいずれか一つに記載の冷媒圧縮
    機。
  13. 【請求項13】 前記軸受けが、前記2つの軸部分のう
    ち少なくとも一方の軸部分を支持するすべり軸受けであ
    ることを特徴とする請求項12に記載の冷媒圧縮機。
  14. 【請求項14】 前記潤滑油を前記軸受けに供給する潤
    滑油供給手段が、前記電動機構部の駆動軸に形成され
    た、前記圧縮機構部内部の圧力差による差圧ポンプであ
    ることを特徴とする請求項1から13のうちいずれか一
    つに記載の冷媒圧縮機。
  15. 【請求項15】 前記潤滑油を前記軸受けに供給する潤
    滑油供給手段が、前記電動機構部の駆動軸に形成された
    遠心ポンプまたは容積型ポンプであることを特徴とする
    請求項1から13のうちいずれか一つに記載の冷媒圧縮
    機。
  16. 【請求項16】 冷媒圧縮機を用いた冷凍機において、 前記冷媒圧縮機は、請求項1から15のうちいずれか一
    つに記載の冷媒圧縮機であり、かつ、Pb非含有の構成
    部品のみを用いたことを特徴とする冷凍機。
  17. 【請求項17】 冷媒圧縮機を用いた空調機において、 前記冷媒圧縮機は、請求項1から15のうちいずれか一
    つに記載の冷媒圧縮機であり、かつ、Pb非含有の構成
    部品のみを用いたことを特徴とする空調機。
JP2000384414A 2000-12-18 2000-12-18 冷媒圧縮機並びにこの冷媒圧縮機を用いた冷凍機および空調機 Expired - Lifetime JP3866915B2 (ja)

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WO2015114783A1 (ja) * 2014-01-30 2015-08-06 三菱電機株式会社 圧縮機及び冷凍サイクル装置
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