JP2002187858A - 難分解性ハロゲン化合物の分解方法 - Google Patents
難分解性ハロゲン化合物の分解方法Info
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Abstract
物を、効率よく、簡便かつ安価に分解する方法を提供す
る。 【解決手段】難分解性ハロゲン化合物を、活性水素化合
物の存在下に、アルカリ金属分散体と反応させる難分解
性ハロゲン化合物の分解方法であって、前記活性水素化
合物として、前記ハロゲン化合物を含有する水を用いる
ことを特徴とする難分解性ハロゲン化合物の分解方法。
Description
んだ雨水等の水に含まれるポリ塩化ビフェニル(PC
B)等の難分解性のハロゲン化合物を、アルカリ金属分
散体を用いて、効率よく、簡便かつ安価に分解する方法
に関する。
オイルや潤滑油等の様々な用途、工業製品等に使用され
ている。かかるハロゲン化合物は、一般に化学的に安定
であり、自然環境中では容易に分解されない(本発明で
は、かかるハロゲン化合物を「難分解性ハロゲン化合
物」という。)。また、これらは動植物体内に取り込ま
れて、蓄積・濃縮され、環境に悪影響を与える。したが
って、近年、廃棄物中の難分解性ハロゲン化合物を効率
よくかつ安価に、分解・無害化させる技術の研究開発が
盛んに行われている。
する方法としては、例えば、該ハロゲン化合物が溶解し
た有機溶媒溶液とアルカリ金属分散体とを、水等の活性
水素化合物の存在下に反応させて脱ハロゲン化する方法
が知られている(特許第3011089号参照)。
に含まれている場合が多く、廃棄物の多くは野外に放置
されている。したがって、該廃棄物中に雨水や汚水等が
入り込み、PCB等の難分解性ハロゲン化合物を含む有
機溶媒中に水が混入している場合が多い。
合物は、上述の従来法により、有機層を水と分離した
後、処理することができるが、有機層と分離された難分
解性ハロゲン化合物を含む水は、有機層と同様に処理す
ることも、そのまま廃棄することもできない。そのた
め、従来においては、難分解性ハロゲン化合物を含む水
から水分を除去した後に、難分解性ハロゲン化合物の分
解処理を行う必要があり、処理工程が煩雑であった。
に鑑みてなされたものであり、水に含まれる難分解性ハ
ロゲン化合物を、効率よく、簡便かつ安価に分解する方
法を提供することを課題とする。
を解決すべく鋭意検討した結果、上述の従来法において
活性水素化合物として、難分解性ハロゲン化合物を含有
する水を用いることにより、効率よく、簡便かつ安価に
水に含まれる難分解性ハロゲン化合物を分解することが
できることを見出し、本発明を完成させるに到った。
ゲン化合物を、活性水素化合物の存在下、アルカリ金属
分散体と反応させる難分解性ハロゲン化合物の分解方法
であって、前記活性水素化合物として、前記ハロゲン化
合物を含有する水を用いることを特徴とする難分解性ハ
ロゲン化合物の分解方法を提供する。
を、有機溶媒中、活性水素化合物の存在下、アルカリ金
属分散体と反応させる難分解性ハロゲン化合物の分解方
法であって、前記活性水素化合物として、前記難分解性
ハロゲン化合物を含有する水を用いることを特徴とする
難分解性ハロゲン化合物の分解方法を提供する。
して、JIS C2320−1993に規定する電気絶
縁油を用いるのが好ましい。また、前記第1及び第2発
明においては、前記難分解性ハロゲン化合物は、芳香族
ハロゲン化合物であるのが好ましい。
する。本発明は、活性水素化合物の存在下に、難分解性
ハロゲン化合物をアルカリ金属分散体と反応させること
により、難分解性ハロゲン化合物を脱ハロゲン化分解す
る方法であって、前記活性水素化合物として、前記ハロ
ゲン化合物を含有する水を用いることを特徴とする。
ン化合物としては、一般的に脱ハロゲン化反応が困難な
ハロゲン化合物が挙げられる。かかる難分解性ハロゲン
化合物としては、例えば、PCB、ダイオキシン類、ポ
リ塩素化ベンゾフラン類、ポリ塩素化ベンゼン、DDT
等の芳香族ハロゲン化合物;BHC等の脂環族ハロゲン
化合物;等が挙げられる。本発明は、PCB等の廃棄物
中に含まれる芳香族ハロゲン化合物を対象とする場合に
好適である。
り込んだ雨水等の水に含まれる難分解性ハロゲン化合物
を対象とする。該難分解性ハロゲン化合物は水に溶解し
ているものであっても、溶解することなく水中に混入し
ている状態のものでも用いることができる。また、難分
解性ハロゲン化合物を含有する有機溶媒が含まれている
水であってもよい。
有量には特に制限はなく、含有量が多い場合でも少ない
場合でも本発明を適用することできる。また、作業効率
を向上させるために、水分を蒸発等させて難分解性ハロ
ゲン化合物の含有量を高めた水を用いることもできる。
性ハロゲン化合物を分解処理する場合にも適用すること
ができる。かかる有機溶媒としては、ケロシン、デカリ
ン、電気絶縁油(JIS C2320−1993に記載
の電気絶縁油)、重油(JIS K2205に記載の重
油)、潤滑油及びこれらの混合物等が挙げられる。本発
明は、電気絶縁油に含まれる難分解性ハロゲン化合物を
アルカリ金属分散体と反応させて脱ハロゲン化処理を行
う場合に特に好適である。
しては、アルカリ金属を溶媒に分散させたものを用いる
ことができる。アルカリ金属としては、例えば、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム、セシウム及びこれらの合金
等が挙げられるが、ナトリウムが特に好ましい。
ては、例えば、ケロシン、デカリン、電気絶縁油(JI
S C2320−1993に記載の電気絶縁油)、重油
(JIS K2205に記載の重油)、及びこれらの混
合物が挙げられるが、JISC2320−1993に記
載の電気絶縁油であるのが好ましい。
には特に制限はないが、5〜50重量%の範囲のものが
好ましい。また、保存性、輸送性、再分散性及びハロゲ
ン化合物に対する分解処理能力等の観点から、アルカリ
金属の80%以上が、粒径が30μm以下、好ましくは
15μm以下のアルカリ金属微粒子であることが好まし
い。
法、例えば、Inorganic Synthese
s.,Vol.5,p6−10,”Sodium Di
spersions”に記載の方法や、特開平10−1
10205号公報に記載されたホモジナイザーを用いた
方法等により調製することができる。
れる難分解性ハロゲン化合物又は水及び有機溶媒に含ま
れる難分解性ハロゲン化合物1モルに対して、含有する
アルカリ金属の量に換算して、通常1〜50モル、好ま
しくは1.05〜20モルの範囲である。
散体と反応させて分解する方法としては、例えば、ア
ルカリ金属分散体に、難分解性ハロゲン化合物を含有す
る水を滴下する方法、難分解性ハロゲン化合物を含有
する有機溶媒と、所定量の難分解性ハロゲン化合物を含
有する水とを混合した後、アルカリ金属分散体を滴下す
る方法等が挙げられる。
性ハロゲン化合物はアルカリ金属分散体の分散液として
使用されている有機溶媒中へ溶け込み、アルカリ金属と
反応して脱ハロゲン化反応が進行する。この場合、アル
カリ金属と水との反応が激しいので、作業を安全に行う
ために、アルカリ金属分散体を十分に撹拌しながら難分
解性ハロゲン化合物を含む水を少量ずつゆっくりと滴下
する必要がある。
難分解性ハロゲン化合物と滴下する水に含まれる難分解
性ハロゲン化合物とを同時に分解することができる。こ
の場合においても安全に分解処理を行うために、難分解
性ハロゲン化合物の有機溶媒溶液と所定量の難分解性ハ
ロゲン化合物を含む水との混合物を十分に撹拌しなが
ら、アルカリ金属分散体を少量ずつ滴下するのが好まし
い。また、上記及びにおいては、安全の為に、反応
系内を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気
下で作業を行うのが好ましい。
難分解性ハロゲン化合物とアルカリ金属との反応を促進
する役割を果たし、水及び有機溶媒に含まれる難分解性
ハロゲン化合物が容易に脱ハロゲン化される。
難分解性ハロゲン化合物を含有する水の量は、アルカリ
金属分散体中のアルカリ金属1モルに対して、通常2モ
ル以下、好ましくは0.1〜1.5モルの範囲である。
金属分散体との反応温度は、通常0〜100℃、好まし
くは室温〜100℃の範囲である。反応時間は、難分解
性ハロゲン化合物の種類やその量に依存するが、通常
0.5〜3時間である。反応終了後は、大量の水を反応
系に添加し、未反応のアルカリ金属分散体を分解するの
が好ましい。反応処理液を分液して回収されるトランス
オイル等の有機溶媒は燃料等に再利用することができ
る。
に説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定される
ものではない。
製)に、数ミクロン粒径の金属ナトリウムを分散させて
得られる10重量%金属ナトリウム分散体100mlを
フラスコ内に入れ、窒素ガス雰囲気下、室温で攪拌しな
がらPCB(商品名:カネクロール400、鐘淵化学工
業(株)製)を含有する水(PCB濃度:0.7pp
m)5mlを数秒に1滴の割合で滴下し、滴下終了後、
さらに30分攪拌した。反応液を撹拌しながらPCBを
含有しない水5mlを数秒に2〜3滴の割合で滴下し
て、残存する金属ナトリウムを分解した。得られた混合
物を静置した後、有機層と水層を分離して、両層の液を
それぞれエレクトロンキャプチャ検出器(ECD検出
器)を用いるガスクロマトグラフィーで分析した結果、
いずれもPCBの検出は認められなかった。
に含まれるPCB等の難分解性のハロゲン化合物を効率
よく、簡便かつ安価に分解することができる。本発明
は、例えば、難分解性ハロゲン化合物を含む電気絶縁油
等の有機溶媒が廃棄され、それが野外に放置されてお
り、雨水等の水が有機溶媒に入り込んだ場合において、
該水に混入した難分解性ハロゲン化合物の分解処理に好
適である。
Claims (4)
- 【請求項1】難分解性ハロゲン化合物を、活性水素化合
物の存在下に、アルカリ金属分散体と反応させる難分解
性ハロゲン化合物の分解方法であって、前記活性水素化
合物として、前記ハロゲン化合物を含有する水を用いる
ことを特徴とする難分解性ハロゲン化合物の分解方法。 - 【請求項2】難分解性ハロゲン化合物を、有機溶媒中、
活性水素化合物の存在下に、アルカリ金属分散体と反応
させる難分解性ハロゲン化合物の分解方法であって、前
記活性水素化合物として、前記ハロゲン化合物を含有す
る水を用いることを特徴とする難分解性ハロゲン化合物
の分解方法。 - 【請求項3】前記有機溶媒として、JIS C2320
−1993に規定する電気絶縁油を用いる請求項2記載
の難分解性ハロゲン化合物の分解方法。 - 【請求項4】前記難分解性ハロゲン化合物は、芳香族ハ
ロゲン化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の難
分解性ハロゲン化合物の分解方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000383786A JP2002187858A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 難分解性ハロゲン化合物の分解方法 |
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JP2000383786A Pending JP2002187858A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 難分解性ハロゲン化合物の分解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002187858A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62152479A (ja) * | 1985-12-06 | 1987-07-07 | チバ−ガイギ アクチエンゲゼルシヤフト | ハロゲン化脂肪族および芳香族化合物の脱ハロゲン化方法 |
JPH09216838A (ja) * | 1996-02-09 | 1997-08-19 | Nippon Soda Co Ltd | ハロゲン化合物の分解方法 |
WO1999015239A1 (de) * | 1997-09-25 | 1999-04-01 | Volker Birke | Verfahren zur reduktiven dehalogenierung von halogenorganischen stoffen |
JP2000097159A (ja) * | 1998-09-21 | 2000-04-04 | Chiyoda Corp | 並列接続されたポンプの運転方法 |
-
2000
- 2000-12-18 JP JP2000383786A patent/JP2002187858A/ja active Pending
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