JP2002186431A - 分散安定剤及びその応用 - Google Patents

分散安定剤及びその応用

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JP2002186431A JP2000385765A JP2000385765A JP2002186431A JP 2002186431 A JP2002186431 A JP 2002186431A JP 2000385765 A JP2000385765 A JP 2000385765A JP 2000385765 A JP2000385765 A JP 2000385765A JP 2002186431 A JP2002186431 A JP 2002186431A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液相に対して不溶性である固形分の分散性及び
液相に対して非混和である液状成分の分散性を安定化す
る効果を奏する分散安定剤の提供。 【解決手段】(1) 少なくとも50℃以下の水に溶解す
る、(2) その1.5重量%水溶液が25℃条件下でゲル
化しない、(3) ι−又はκ−タイプ、または両者の混合
物である、(4) カルシウムイオンを0.1重量%以下の
割合で含有する、のいずれか少なくとも1つの性質を有
する水可溶性カラギナンを用いることを特徴とする分散
安定剤、上記分散安定剤を含有することを特徴とする食
品加工品用組成物又は食品加工品、好ましくは冷菓、コ
コア飲料、カルシウム強化飲料、抹茶入り飲料、野菜又
は果汁入り飲料、豆乳飲料、ゼリー入り飲料、しるこド
リンク、味噌汁、スープ、液体調味料、菓子及びパンか
らなる群から選択される食品加工品用組成物又は食品加
工品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水可溶性カラギナン
を含有する分散安定剤に関する。詳細には、本発明は、
液相に対して不溶性である固形分の分散性及び液相(水
相)に対して非混和である液状成分の分散性を向上、安
定化する効果を奏する分散安定剤であって、水可溶性カ
ラギナンを必須の成分とすることを特徴とする分散安定
剤に関する。
【0002】本発明の分散安定剤は、液相中に、分散質
として不溶性の固形分もしくは非混和性の液状成分を含
んでいるが故に該分散質が沈降、分離し、製品内容物の
均質性が問題となる液状製品や液状食品や、製造中にお
ける液状態(ミックス)での該分散質の沈降、分離等が
問題となる固形食品において有用である。
【0003】さらに、本発明はこれらの分散安定剤を含
有することにより、固形もしくは液状成分の液体中での
分散性が改善され、長期間の放置によっても沈殿もしく
は分離を生じず、内容成分の均質性に優れた食品加工品
用組成物又は食品加工品に関する。
【0004】
【従来の技術】従来から、不溶性固形分の液体中での分
散性もしくは安定性を向上させるための方法が種々検討
されている。例えば、特に食品の分野においては、従来
から、ココア飲料、カルシウム強化飲料、しるこドリン
ク、ドレッシング、豆乳飲料、スープ等、原料由来や蛋
白質等の溶解性の乏しい固形粒子を含有する飲料やアズ
キ入りアイスクリームの様な不溶性固形分が含有される
冷菓などの食品加工品の重大な欠点として、液状態(飲
料等の最終製品やミックス等の製造工程中の中間物)に
おいて、かき混ぜても該固形粒子が非常に早く沈殿して
容器底に溜まり、飲み物が薄く水っぽくなったり、始め
と終わりとで均等な成分をもって使用できないことが挙
げられていた。
【0005】また、このような沈殿や分離を生じている
状態では外観も悪く商品価値を大きく損なってしまう。
このため、かかる問題は流通や長期保存を余儀なくされ
る市販の商品を開発するために是非とも解決しなくては
ならない問題である。
【0006】これを解決するための方法として、従来、
キサンタンガムとガラクトマンナンを混合した安定剤の
使用(特公平2−18817号公報)、ネイティブジェ
ランガムを含有することを特徴とする分散安定剤(特開
平10−234316)やアルギン酸ナトリウム、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)、ゼラチンあるいは
デンプン、寒天等の1種又は2種以上を混合した安定
剤、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等
の乳化剤の使用が挙げられている。
【0007】しかし、かかる方法では、分散安定化効果
が充分でなく、時間の経過によって内容成分中の固形分
が沈降したり、非混和性の液状成分同士が分離してしま
い、従来消費者が飲食時に振盪したり撹拌することによ
って解消する以外に手がなかった。また、安定剤の種類
や添加量によっては、粘度が高くなりすぎて、食感等が
悪くなってしまうこともあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みて開発されたものであり、流通や長期保存におい
ても、液相中の不溶性固形分及び液相中の非混和性液状
成分の分散性を改善し、かつ安定に保持することので
き、食品加工品に使用しても食感も良好となる分散安定
剤を提供することを目的とする。
【0009】さらに、本発明は、これらの分散安定剤を
含有することにより、長期保存によっても内容成分が均
一に分散しており、使用もしくは飲食時に振盪しなくて
も最初から最後まで内容成分の割合が均一で均質性に優
れた食品加工品、さらにそのような性質を有する食品加
工品を調製するための食品加工品用組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねていたところ、原料中
の固形分の沈殿が問題となっているアズキアイスバー、
ココア飲料,カルシウム強化飲料,しるこドリンク等に
特に注目して鋭意研究を重ねていたところ、該食品加工
品に水可溶性のカラギナンを用いることによって、原料
中の固形分の液相への分散安定性が向上して長期保存に
よっても沈降・沈殿せず、長期にわたり製品内容物の均
質性が確保できることを見つけた。
【0011】本発明者らは、かかる知見を発端として、
更に幅広い研究を重ねることにより、水可溶性カラギナ
ンに固形成分の分散性に加えて更に非混和性液状成分の
分散性・懸濁性をも安定化する作用があることを見出
し、また食品の分野だけでなく香粧品分野や工業分野等
において分散安定剤として広く利用できることを確認し
て、本発明を開発・完成するに至った。
【0012】本発明はかかる知見に基づいて開発された
ものであり、下記の態様を包含するものである: 項1.水可溶性カラギナンを含有することを特徴とする
分散安定剤。 項2.水可溶性カラギナンが、下記(1)〜(4): (1) 少なくとも50℃以下の水に溶解する (2) その1.5重量%水溶液が25℃条件下でゲル化し
ない (3) ι−タイプまたはκ−タイプ、または両者の混合物
である (4) カルシウムイオンを0.1重量%以下の割合で含有
する のいずれか少なくとも1つの性質を有するものであるこ
とを特徴とする、項1に記載の分散安定剤。
【0013】項3.水可溶性カラギナンを0.01〜
1.0重量%の割合で含有する項1または2に記載の分
散安定剤。 項4.項1乃至3のいずれかの分散安定剤を含有するこ
とを特徴とする食品加工品用組成物又は食品加工品。 項5.食品加工品が冷菓、ココア飲料、カルシウム強化
飲料、抹茶入り飲料、野菜又は果汁入り飲料、豆乳飲
料、ゼリー入り飲料、しるこドリンク、スープ、味噌
汁、液体調味料、菓子及びパンからなる群から選択され
るいずれかのものである、項4記載の食品加工品用組成
物又は食品加工品。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる水可溶性カラ
ギナンとは、水に混合し、必要により泡立て器などの任
意の攪拌手段を用いて攪拌することにより、水に完全に
溶解する性質を有するものである。
【0015】具体的にはかかる水可溶性カラギナンは、
下記の少なくとも1つの性質を有するものであることが
好ましい。 (1) 少なくとも50℃以下の水に溶解する:従来公知の
汎用カラギナンは、通常60℃以上に加温しなければ水
に溶解しないものであるが、本発明で用いる水可溶性カ
ラギナンは少なくとも50℃以下、より詳細には5〜4
0℃、より好ましくは、5〜30℃の水に溶解すること
ができる。すなわち、本発明で用いられる水可溶性カラ
ギナンによれば、18〜25℃程度の通常の水温の水で
溶解するため、容易に分散安定効果を発揮するからであ
る。
【0016】(2) その1.5重量%水溶液が25℃条件
下でゲル化しない従来公知の汎用カラギナンは、その
1.5重量%水溶液は25℃条件下でゲル化するもので
ある。それに対して、本発明で用いる水可溶性カラギナ
ンはその1.5重量%水溶液の状態では25℃条件下で
ゲル化しないことを特徴とする。更に、好ましくは、2
5℃条件下、1.8重量%水溶液状態でゲル化しないも
のがよく、最も好ましくは、2.5重量%水溶液でゲル
化しないものである。両者はこの点で明確に区別できる
ものである。具体的には、1.5重量%水溶液の粘度
が、BL型粘度計ローターNo.2((株)トキメック
製)、回転数12rpmの条件で測定した場合、25℃
で4000mPa以下、好ましくは1500mPa以下
であるものが望ましい。
【0017】(3) ι−タイプまたはκ−タイプ、または
両者の混合物である:本発明は水可溶性カラギナンとし
て、ι−タイプのカラギナンまたはκ−タイプのカラギ
ナンのいずれか少なくとも一方を用いることを特徴とす
るものである。好ましくはι−カラギナンである。ι−
カラギナンがより高い分散安定効果を有する。なお、ι
−カラギナンは単独で用いても、またκ−カラギナンと
併用して用いることもできる。
【0018】(4) カルシウムイオンを0.1重量%以下
の割合で含有する:従来公知の汎用カラギナンに対し
て、本発明で用いる水可溶性カラギナンに含まれるカル
シウムイオンの割合は多くとも0.1重量%程度、好ま
しくは0.05重量%以下であることを特徴とするもの
である。
【0019】本発明においては、好ましくは上記(1)
の性質、より好ましくは上記(1)〜(4)の全ての性質を
有する水可溶性カラギナンを用いることが望ましい。こ
のような性質を持つカラギナンを用いることで、原料中
の固形分の液相への分散安定性が向上して長期保存によ
っても沈降・沈殿せず、長期にわたり製品内容物の均質
性が確保でき、また、製造時ミックス液の粘度が過度に
高くなることがなく本発明に係る食品加工品を製造する
ことができる。
【0020】なお、本発明で用いられる上記の性質を有
する水可溶性カラギナンは、商業的に入手でき、例え
ば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルリッチN
O.3等が挙げられる。水可溶性カラギナンの水への溶
解は、18〜25℃程度の通常の温度の水に溶解するこ
とができるが、加温下のもとで行うことが好ましい。具
体的には40℃以上、好ましくは50〜80℃の範囲で
加熱溶解することができ、必要に応じて撹拌しながら溶
解することもできる。
【0021】かかる水可溶性カラギナンは、液相を分散
媒とし固相成分を分散質とする分散系に配合されること
により、固相成分の液相への分散性を高めるとともに、
その分散性を安定化させる作用を有し、これにより液状
組成物中の固形分の均質性を保持することができる。ま
た、水可溶性カラギナンは、水相を分散媒とし油相を分
散質とする系もしくは油相を分散媒とし水相を分散質と
する系等、非混和性の液体同士の混和性を高めるととも
にそれを安定化する作用を有し、これにより液状組成物
の分離を抑え、非混和性液体成分の分散性・均質性を保
持することができる。
【0022】水可溶性カラギナン以外の他の多糖類では
当該食品等の特性に悪影響を与えることなく同等の効果
を実現することはできなかった。例えば、ジェランガム
や寒天では、水性媒体に対してココア粉やサラダ油を分
散安定化する効果はなく、キサンタンガムやカラギナン
によって効果を得るためには高粘度にせざるを得ず食品
の特性を損ない、グアーガム,ローカストビーンガム,
タラガム及びタマリンドガムでは高粘度にしても目的の
効果が得られない。また、ネイティブジェランガムで
は、分散安定効果はあるものの、粘度が付与されて特有
の食感が失われてしまうような食品加工品には使用しに
くいという欠点があった。
【0023】本発明の分散安定剤は、あずき、ピーナッ
ツ、アーモンド、チョコレート、ココア粉、抹茶粉末、
カルシウム、野菜・果実等の繊維分、ゼリー粒、ゼリー
片、蛋白成分、プラスチックビーズ、顔料、塗料等の固
形分が、水性媒体もしくはこれに水混和性の有機溶媒を
混ぜた媒体に速やかに分散することを助け、かつそれら
の凝集・沈降を防ぐ作用を有するものである。
【0024】また、一般に水性成分と油性成分とは混和
せず、振盪若しくは撹拌して両者を懸濁しても直ちに分
離してしまう。これに対して本発明の分散安定剤によれ
ば、水性成分に含まれる各成分の分散性・均一性を安定
に保持するとともに、該水性成分にサラダオイル、オリ
ーブオイル、ゴマ油等の油性成分を配合した場合であっ
ても、ホモミキサー等での撹拌又はホモゲナイザー等で
の乳化等により、両者を均一に混和せしめ、且つその状
態を安定に保持させることが可能となる。従って、本発
明の分散安定剤は、油性成分が水性成分に容易に分散・
懸濁することを助け、さらに分散・懸濁状態を安定化す
ることによって両成分が速やかに分離してしまうことを
防ぐ作用を有するものである。
【0025】このように、本発明の分散安定剤が対象と
する分散系は、分散媒が液相でありまた分散質が固相も
しくは液相であれば特に制限されず、例えば食品加工
品、食品加工品用組成物、香粧品、染料・顔料組成物、
その他セメント等の工業組成物が挙げられる。
【0026】より具体的には、食品加工品としてはココ
ア飲料,カルシウム強化飲料,抹茶入り飲料,野菜又は
果汁入り飲料,豆乳飲料,ゼリー入り飲料及びしるこド
リンク等の飲料;コーンスープ,ポタージュスープ及び
卵入りスープ等のスープ、味噌汁;ドレッシング,たれ
及びソース等の液体調味料;アズキバー、チョコレート
入りアイス等のアズキ、チョコレート、ナッツ類等の不
溶性固形分の入ったアイスクリーム、アイスミルク、ラ
クトアイス等のアイスクリーム類、ソフトクリーム、ア
イスケーキ、シャーベット、アイスキャンデー、かき
氷、みぞれ等のウォーターアイス(氷菓)、フローズン
ヨーグルト等の氷結状菓子等の冷菓;ケーキ等の菓子;
果実やナッツ類の入ったパンや蒸しパン等のパン等が例
示される。
【0027】また、香粧品としては、毛髪化粧料、洗顔
料、化粧水、ローションなどの液体化粧料であって、内
容成分として固形分または油性成分を含有するものなど
が例示される。例えば、パール粉又は金粉等の入ったロ
ーション、カラミンパウダーを含むカラミンローション
等は、固形分の沈降により使用時に振盪することが必要
であり、また使用によって製品が少なくなると固形分の
含有量が多くなるなど、成分組成が使用開始時と終わり
頃とでは異なる等といった問題がある。しかし、本発明
の分散安定剤の使用によれば、かかる固形分を液相中に
長期にわたり均質に分散させることができ、均一な成分
組成でもって最後まで使い切ることが可能となる。
【0028】これらの分散系に用いられる水可溶性カラ
ギナンの配合量は、対象の分散系がゲル化しない範囲内
であれば特に制限されず、対象となる分散系の種類及び
内容成分に応じて適宜選択することができる。液相中の
固形分の沈殿の防止及び液状成分同士の混和性の安定化
にはいずれも、分散系100重量部に対して水可溶性カ
ラギナンが通常0.05〜0.35重量部、好ましくは
0.1〜0.25重量部、より好ましくは0.15〜
0.2重量部の範囲で用いられる。
【0029】なお、本発明の分散安定剤は、必要に応じ
てその配合割合によって分散系に適度な粘稠性を付与す
ることもできる。ココア飲料を例に挙げると、水可溶性
カラギナンをココア飲料100重量部当たりに約0.0
05〜0.1重量部の範囲で配合する場合は、ココア飲
料として好ましい食感となり、かつ、ココア粉の分散性
を高め沈殿を防止することができるが、0.1重量部を
越えると粘稠性が増加し、更に0.12重量部を越える
とココア飲料がゲル化してしまう。従って、例えばココ
ア飲料の場合は、約0.005〜0.1重量部の範囲で
水可溶性カラギナンを配合するのが好ましく、また粘稠
性を持たせて飲料にこくやボディー感を付与する場合に
は0.1〜0.12重量部の範囲で水可溶性カラギナン
を配合することが好ましい。
【0030】本発明でいう食品加工品とは、アズキ、ピ
ーナッツ、アーモンド、チョコレート、ココア粉、抹茶
粉末、カルシウム、野菜や果物の繊維成分,砂嚢,果肉
等や、スープ,汁粉又は液体調味料等に含まれる蛋白成
分等のような水不溶性の固形分又は水非混和性の液状成
分が、水、牛乳、果汁等の液相に分散してなる形態を有
する食品ものであり、具体的には、前述の飲料、スー
プ、味噌汁、液体調味料、冷菓、菓子及びパン等が例示
される。
【0031】本発明でいう食品加工品用組成物とは、前
述の上記食品加工品を調製するための組成物、および食
品加工品の形態にかかわらずそれ自身が固形分が液相に
分散してなる形態もしくは非混和の液体同士を含有する
形態を有する組成物を広く意味する。
【0032】前者の例としては、例えば一般に即席食品
(乾燥調合品)と称される粉末ココア、汁粉、粉末飲料
(抹茶入り飲料、カルシウム強化スキムミルク等)、粉
末状もしくは固形状スープ等が挙げられる。これは、水
可溶性カラギナンを含有することによって、冷水もしく
は温水(熱湯)に早く親和し、分散性・懸濁性が向上す
るのみならず、溶解調製物を一定時間放置しても沈殿物
が発生したり内容物が底にとどまって飲用時に上澄みが
薄くなるといった問題が生じないという点で有用であ
る。
【0033】また後者の例としては、冷菓ミックス、液
状飲料(ココア飲料、抹茶飲料、果汁飲料等)の濃縮
物、パン・蒸しパン・ケーキ等の調製用組成物が挙げら
れ、これは水可溶性カラギナンを含有することによって
食品加工品用組成物中で分散質が均一に安定に分散さ
れ、食品等を調製した場合に分散質のバラツキ等がな
く、かつ、分散質が均一に安定に分散された食品等を調
製できるという点で有用である。
【0034】これら分散安定剤の添加量は、製造する食
品加工品の種類によって異なるが、通常水可溶性カラギ
ナンの添加により食品加工品がゲル化しない範囲から適
宜選択することができる。具体的には前述の通りであ
る。
【0035】例えば、アズキ入りアイスキャンデーの調
製方法の場合、水可溶性カラギナンを含む分散安定剤を
配合する工程を有する以外は、常法に従って行うことが
出きる。具体的には、原料の秤量混合→加温(30〜7
0℃)→溶解・混合→濾過→ホモジナイズ→殺菌(68
℃、30分以上またはHTST殺菌やUHT殺菌)→冷
却(5℃以下)→熟成(殺菌冷却したミックスを0〜5
℃に保持し、水和をはかる)→フレーバー添加→フリー
ジング→充填の工程を経て製造することができ、水可溶
性カラギナンは、通常、原料の秤量混合工程中、他の原
料と合わせて秤量混合することができる。
【0036】また、例えば、ココア飲料の調製方法の場
合、水可溶性カラギナンを含む分散安定剤を配合する工
程を有する以外は、常法に従って行うことができる。具
体的には、まず20〜100℃の調合水または牛乳や還
元乳のような水性媒体に本発明に係る分散剤を溶解し撹
拌する。これに、乳化剤、糖類、甘味料等を混合し、必
要に応じて乳成分、油脂を添加する。その後、ココア粉
を加えて撹拌保持し、均質化した後140℃前後で2〜
3秒間殺菌処理する。ついで冷却することにより常温流
通あるいは常温保存できる風味良好なココア飲料を製造
することができる。また、配合する原材料が粉体であれ
ば、ココア粉、甘味料、分散剤、あるいは粉乳などの出
発原料を個々混合してプレミックスを作成し、調合水等
の水性媒体に溶解し均質化した後、滅菌または殺菌処理
して冷却することにより製造することも可能である。
【0037】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて
具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。尚、本発明において特に記載しない限
り、%とは重量%、部とは重量部、文中*印は三栄源エ
フ・エフ・アイ株式会社製を意味するものとする。
【0038】なお、以下の実施例で用いる水可溶性カラ
ギナンとは、25℃の水に溶解し、カラギナンの2.5
重量%水溶液が25℃条件下でゲル化しない、ι−タイ
プ及びκ-タイプのカラギナンの混合物で、カルシウム
イオンの含有量が0.1重量%以下のものである。
【0039】実施例1:アズキアイスキャンデーの調製 水47.7部に75%水飴6部と果糖ブドウ糖液糖5部
を60〜70℃で撹拌溶解し、これに砂糖5部、食塩
0.05部、分散安定剤として、水可溶性カラギナン
(ゲルリッチNO.3*)0.05部を添加し、80℃
で15分間撹拌溶解後、5℃に冷却し、茹で小豆20
部、赤生餡15部、着色料、香料を添加し、混合後、型
に入れ冷凍して、小豆が均一に分散したアズキアイスキ
ャンデーを調製した。
【0040】実施例2:ソフトクリームミックスの調製 水60部に75%水飴3.1部とグラニュー糖13.9
部を60〜70℃で撹拌溶解し、これに脱脂粉乳5.7
部、精製ヤシ油6.2部、グリセリン脂肪酸エステル
0.3部、ショ糖脂肪酸エステル0.05部、ローカス
トビーンガム0.03部、カラギナン0.02部、水可
溶性カラギナン(ゲルリッチNO.3*)0.02部を
添加し全量を100部に調整した後、80℃で15分間
撹拌溶解し、これを一次圧1.47×107Pa、二次
圧4.9×106Paでホモジナイザーで均質化し5℃
に冷却してソフトクリームミックスを調製した。
【0041】このソフトクリームミックスは、水可溶性
カラギナンを添加していないもの(従来品に相当)が2
5℃静置で4日間で分離したのに対し、1月経過後も分
離することなく、ヤシ油が水中にきわめて安定に分散さ
れていることがわかった。
【0042】実施例3:ソフトクリームの調製 実施例2で調製したソフトクリームミックスを用い、常
法に従いソフトクリームを調製した。オーバーランも良
好で、おいしいソフトクリームであった。
【0043】実施例4:ココア飲料の調製 ココア粉1部、砂糖5部、牛乳10部、HLB16のシ
ョ糖脂肪酸エステル0.05部、水可溶性カラギナン
(ゲルリッチNO.3*)0.06部の組成でココア飲
料組成物を作成し、これを水に分散して計100部と
し、70℃に加温しながらホモミキサーで撹拌混合し
た。これを一次圧1.47×107Pa、二次圧4.9
×106Paでホモジナイザーで均質化し、ガラス容器
(直径35mm、高さ130mm)に充填後、打栓し、
120℃、20分間オートクレーブにより殺菌して、コ
コア飲料を調製した。
【0044】実施例5:しるこドリンクの調製 水50部に水戻しした小豆片25部に、赤こしあん30
部、砂糖8.5部、水可溶性カラギナン0.05部、微
結晶セルロース(セオラス<登録商標>SC−42旭化
成工業株式会社製)を0.2部加え、全量を100部ま
で煮詰めて、容器に入れ蓋をして121℃30分間レト
ルト殺菌して、しるこドリンクを調製した。得られたし
るこドリンクは、小豆の小片及びその他の不溶性固形分
は液中に均質に分散し、4週間常温で静置しても沈殿を
生じなかった。
【0045】実施例6:オレンジ果汁飲料の調製 水69部に果糖ブドウ糖液糖20部、クエン酸3ナトリ
ウム0.03部、水可溶性カラギナン(ゲルリッチN
O.3*)0.03部を加え、50℃15分間、加熱撹
拌溶解したものに、5倍濃縮オレンジ果汁を10部、オ
レンジフレーバーを0.3部、クエン酸(結晶)を0.
3部加えてビン詰めをし、ホモジナイザーで均質化(圧
力4.9×106Pa)して、50%オレンジ果汁飲料
を作成した。2ヶ月放置した結果、オレンジパルプ等の
沈殿は生じず、パルプ成分の分散性が安定に保持され
た。
【0046】実施例7:チョコレート飲料の調製 粉砕グラニュー糖5部、スクラロース0.01部、ココ
ア粉2部、水可溶性カラギナン(ゲルリッチNO.3
*)0.02部を粉体混合し、インスタントチョコレー
トのドライ粉末を作成した。これに100部の牛乳を加
え、30秒間撹拌してチョコレート飲料を調製した。同
時に比較のため、水可溶性カラギナンを添加せずその他
は同じ条件でチョコレート飲料を調製した。
【0047】水可溶性カラギナン無添加のチョコレート
飲料は数十秒で沈殿したのに対して、水可溶性カラギナ
ンを添加したものは、2時間放置しても沈殿を生じなか
った。
【0048】実施例8:カルシウム強化乳飲料 水可溶性カラギナン(ゲルリッチNO.3*)0.03
g及び微結晶セルロース(セオラス<登録商標>SC−
42)を0.3gを水で11部として、90℃で15分
間加熱撹拌溶解した。その溶液20部に水20部、無脂
乳固形分10%の乳成分40部、炭酸カルシウム0.4
8部を加えて、ホモジナイザーで均質化(圧力1.47
×107Pa)して、カルシウム強化乳飲料を調製し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23G 1/00 A23G 9/02 4B036 9/02 9/20 4B041 9/20 A23L 1/24 A 4B047 A23L 1/24 1/39 1/39 2/02 B 2/62 E 2/02 2/38 C 1/04 2/38 2/00 L Fターム(参考) 4B001 AC03 AC44 AC46 BC01 EC53 4B014 GB05 GB18 GB22 GK08 GL11 4B017 LC02 LC10 LE03 LE05 LK13 LL04 4B027 FB13 FC05 FE06 FK04 FP85 4B032 DB01 DK17 DL20 4B036 LC05 LF01 LH11 LK02 4B041 LC03 LC07 LD01 LD03 LH10 4B047 LB09 LE01 LG30 LG66 LP02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水可溶性カラギナンを含有することを特徴
    とする分散安定剤。
  2. 【請求項2】水可溶性カラギナンが、下記(1)〜(4): (1) 少なくとも50℃以下の水に溶解する (2) その1.5重量%水溶液が25℃条件下でゲル化し
    ない (3) ι−タイプまたはκ−タイプ、または両者の混合物
    である (4) カルシウムイオンを0.1重量%以下の割合で含有
    する のいずれか少なくとも1つの性質を有するものであるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の分散安定剤。
  3. 【請求項3】水可溶性カラギナンを0.01〜1.0重
    量%の割合で含有する請求項1または2に記載の分散安
    定剤。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかの分散安定剤を
    含有することを特徴とする食品加工品用組成物又は食品
    加工品。
  5. 【請求項5】食品加工品が冷菓、ココア飲料、カルシウ
    ム強化飲料、抹茶入り飲料、野菜又は果汁入り飲料、豆
    乳飲料、ゼリー入り飲料、しるこドリンク、スープ、味
    噌汁、液体調味料、菓子及びパンからなる群から選択さ
    れるいずれかのものである、請求項4記載の食品加工品
    用組成物又は食品加工品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005063058A1 (en) * 2003-12-23 2005-07-14 Unilever N.V. Beverages and their preparation
JP2007124943A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Fumiko Matsumura 味噌ドリンク
JP2011250707A (ja) * 2010-05-31 2011-12-15 House Foods Corp 容器詰ウコン飲料
CN105685237A (zh) * 2014-11-27 2016-06-22 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 一种用于将钙强化液态乳制品中的外源钙稳定悬浮的方法
CN105851345A (zh) * 2016-04-05 2016-08-17 浙江海洋学院 一种海芙蓉保健茶及其加工工艺

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