JP2002184457A - ナトリウム硫黄電池 - Google Patents

ナトリウム硫黄電池

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JP2002184457A
JP2002184457A JP2000382087A JP2000382087A JP2002184457A JP 2002184457 A JP2002184457 A JP 2002184457A JP 2000382087 A JP2000382087 A JP 2000382087A JP 2000382087 A JP2000382087 A JP 2000382087A JP 2002184457 A JP2002184457 A JP 2002184457A
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electrode active
sodium
sulfur battery
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JP2000382087A
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Kikuo Nakamura
喜久男 中村
Koichi Tanimoto
浩一 谷本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極の導電性、および正極活物質の拡散性の
向上を低コストで実現するナトリウム硫黄電池を提供す
る。 【解決手段】 ナトリウムを含む負極活物質11aが少
なくとも収納された負極室11と、硫黄を含む正極活物
質14aが収納された正極室14と、前記負極室11と
前記正極室14との間に位置して前記負極活物質11a
と前記正極活物質14aとを隔離し、かつナトリウムイ
オンに対して伝導性を有する固体電解質1と、前記正極
活物質14aを含浸して前記正極活物質14aの電子伝
導を補助する導電助材15とを備えたナトリウム硫黄電
池において、前記導電助材15を導電粒子が集合された
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウム硫黄電
池に係り、特に、正極の内部抵抗を低減するための導電
助材の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナトリウム硫黄電池は、大電力を貯蔵可
能な二次電池として、近年特に注目されている。このナ
トリウム硫黄電池は、負極側の電極活物質としてナトリ
ウム(Na)、正極側の電極活物質として硫黄(S)あ
るいはその溶融塩(SCl4)等を用いて、固体電解質
により溶融状態の両極活物質を混合しないようにした二
次電池で、300〜400℃、通常は350℃前後とい
った高温で作動するものである。このナトリウム硫黄電
池は、自己放電がない、電極活物質が液状であるため高
性能である、電解質が固体なので長寿命である、完全密
閉型であるためメンテナンスフリー化が図れる、等の利
点を有しており、次世代の大電力貯蔵用電池として最も
期待が寄せられている。
【0003】ナトリウム硫黄電池の一般的な構成は、一
方に陰極活物質である溶融金属ナトリウム、他方には正
極活物質である溶融硫黄を配し、両者をナトリウムイオ
ンに対して選択的な透過性を有するβ−アルミナなどの
固体電解質で隔離したものである。図4に、従来のナト
リウム硫黄電池の断面構成図を示す。このナトリウム硫
黄電池には、硫黄を含む正極活物質14aと、ナトリウ
ムを含む負極活物質11aと、ナトリウムイオンに対し
て伝導性を有する固体電解質1と、正極外装管9と、絶
縁リング2とが備えられている。固体電解質1は有底円
筒状であり、その材質は、ナトリウムイオン(Na+
を選択的に透過させる性質を有するセラミックス等から
なるものであって、例えばβ−アルミナ(Na2O・1
1Al23)や、安定剤としてMgOやLi2O等が添
加されたβ″−アルミナ(3Na2O・16Al23
等が用いられる。固体電解質1の上部には、ガラス半田
等の接合材により絶縁リング2が接合されており、この
絶縁リング2は絶縁性の高いα−アルミナ等からなるも
のであって、その形状はリング状とされている。
【0004】正極外装管9は、正極側集電体を成す有底
円筒管であって、その材質は、例えばステンレス(SU
S316L等)やニッケル合金等からなるものである。
この正極外装管9には正極活物質14aと、正極活物質
14aの電子伝導を補助するための導電助材12が収納
されている。導電助材12は、例えば炭素繊維布などを
筒状に巻いたものに溶融状態の硫黄を含浸させて冷却固
化したものであって、その形状は中空部を有する円筒状
とされる。導電助材12の中空部には、固体電解質1が
挿入され、固体電解質1には負極活物質11aであるナ
トリウムが収納されている。
【0005】固体電解質1の上部開口端に接合された絶
縁リング2は、有底円筒状の正極外装管9の上部開口端
に溶接されたリング状のフランジ9aに接合されてい
る。また、このナトリウム硫黄電池には、形状が有底円
筒状とされる安全部材である安全管10が備えられてい
る。安全管10は、負極室11内にその外周面と固体電
解質の内周面とが所定の間隔を有する間隙を形成するよ
うに配置されている。安全管10の底部には上記の間隙
と連通する流通孔13が設けられている。安全管10は
ナトリウムに対する耐腐食性を有する金属であるSUS
304等のステンレス鋼や、アルミニウム合金などから
なるものであって、その開口端側面には、径外方向に突
出するようにフランジ10aが形成されている。このフ
ランジ10aは上記絶縁リング2と接合されるとともに
正極外装管9のフランジ9aとボルト16によって連結
固定されている。さらに、安全管10の開口端には、開
口部10bを有する蓋部10cが設けられており、この
蓋部10cの外周端と安全管10の開口端とが溶接によ
って接合されて安全管10を密閉している。上記開口部
10bは、ナトリウム硫黄電池の使用時に負極端子とな
る電極棒が挿入されるか、若しくは封止されて蓋部10
cが負極端子とされる。
【0006】このようにして、図4に示すナトリウム硫
黄電池には、固体電解質1と正極外装管9と外筒金具2
3により区画されて正極室14が形成され、固体電解質
1と負極封口蓋4により区画されて負極室11が形成さ
れている。また、正極室14と負極室11は固体電解質
1により互いに区画されている。このようにして負極活
物質11aと、正極活物質14aは互いに隔離されてい
る。
【0007】また、安全管10は固体電解質1が破損し
て負極活物質11aと正極活物質14aとが直接接触し
て反応した場合に、両者の急激な反応を防ぐ役割を果た
す。すなわち、固体電解質1が破損した場合にも固体電
解質1と安全管10との間隙にある負極活物質11aの
みが正極活物質14aと反応し、安全管10の内側の負
極活物質は安全管10により正極活物質14aと遮断さ
れて正極活物質14aと反応することがないので、負極
活物質11aの反応量を小さくして電池の発熱を抑える
ことができる。
【0008】次に、正極活物質14aとして硫黄(S)
を用いた場合における、ナトリウム硫黄電池の充放電反
応について以下に説明する。この場合のナトリウム硫黄
電池の負極における放電反応は、下記の(式1)に示す
通りである。すなわち、負極活物質11aであるナトリ
ウム(Na)は、電子(e-)を放出してナトリウムイ
オン(Na+)を生成する。電子(e-)は安全管10を
通って外部回路へと流れ、ナトリウムイオン(Na+
は固体電解質1に選択的に透過されて正極活物質14a
へと運搬される。
【0009】一方正極における放電反応は、下記の(式
2)に示す通りである。すなわち、正極活物質14a中
に入ったナトリウムイオン(Na+)は、硫黄(S)、
及び外部回路から供給された電子(e-)と反応して、
多硫化ナトリウム(Na2x)を生成する。このナトリ
ウム硫黄電池の充電時には、放電反応と逆の反応、すな
わち(式1),(式2)とも矢印と逆方向への反応が起
こり、ナトリウム(Na)及び硫黄(S)が生成する。
【0010】(式1): 2Na → 2Na++2e- (式2): 2Na++xS+2e- → Na2x
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のナト
リウム硫黄電池における高効率化を実現するためには如
何に各部の内部抵抗を低減するかが課題となるが、その
内部抵抗のうち正極活物質14aの内部抵抗が大きいこ
とが問題となる。そこで、上記のナトリウム硫黄電池に
おいては、正極活物質14aの電子伝導を補助するため
に炭素繊維布などからなる導電助材12が設けられてい
る。この導電助材12においては、その導電性とともに
含浸されている正極活物質14aの拡散性が特に重要で
あり、これらの特性を向上させるために、導電助材12
を構成する炭素繊維の配向を制御する手法が特許第25
68622号公報や特開平6−65070号に開示され
ている。
【0012】しかしながら、これらの炭素繊維の配向を
制御する手法では、正極活物質14aの拡散性において
改善はみられるものの、導電助材12の構造が複雑化す
るために導電助材12を製造するためのコストが増加す
るという問題があった。そこで本発明は、上記の課題を
解決するためになされたものであって、正極の導電性、
および正極活物質の拡散性の向上を低コストで実現する
ナトリウム硫黄電池を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の請求項
1に記載の発明は、ナトリウムを含む負極活物質が少な
くとも収納された負極室と、硫黄を含む正極活物質が収
納された正極室と、前記負極室と前記正極室との間に位
置して前記負極活物質と前記正極活物質を隔離し、かつ
ナトリウムイオンに対して伝導性を有する固体電解質
と、前記正極活物質を含浸して前記正極活物質の電子伝
導を補助する導電助材とを備えたナトリウム硫黄電池で
あって、前記導電助材が導電粒子を集合してなるもので
あることを特徴とするナトリウム硫黄電池を上記課題の
解決手段とした。
【0014】次に、本発明の請求項2に記載の発明は、
前記導電粒子が黒鉛粒子からなることを特徴とする請求
項1に記載のナトリウム硫黄電池を上記課題の解決手段
とした。
【0015】次に、本発明の請求項3に記載の発明は、
前記導電粒子が炭素粒子からなることを特徴とする請求
項1に記載のナトリウム硫黄電池を上記課題の解決手段
とした。
【0016】次に、本発明の請求項4に記載の発明は、
前記導電粒子の直径が0.1mm以上、3mm以下の範
囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
1項に記載のナトリウム硫黄電池を上記課題の解決手段
とした。
【0017】次に、本発明の請求項5に記載の発明は、
前記正極活物質が前記正極室内を連続的に流動する正極
活物質の流動構造を備えることを特徴とする請求項1な
いし4のいずれか1項に記載のナトリウム硫黄電池を上
記課題の解決手段とした。
【0018】次に、本発明の請求項6に記載の発明は、
前記正極室に接続されて該正極室から正極活物質を回収
するとともに、前記正極室に正極活物質を供給するため
の貯留槽を備えることを特徴とする請求項5に記載のナ
トリウム硫黄電池を上記課題の解決手段とした。
【0019】次に、本発明の請求項7に記載の発明は、
前記導電助材の径外方向の厚さが1mm以上10mm以
下の範囲であることを特徴とする請求項5ないし6に記
載のナトリウム硫黄電池を上記課題の解決手段とした。
【0020】次に、本発明の請求項8に記載の発明は、
前記導電助材の径外方向の厚さが1mm以上5mm以下
の範囲であることを特徴とする請求項7に記載のナトリ
ウム硫黄電池を上記課題の解決手段とした。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。尚、以下の各実施の形態において
は、従来例として図4に示したナトリウム硫黄電池の構
成要素とは異なる構成要素について主に説明し、同一の
構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略
することとする。
【0022】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態であるナトリウム硫黄電池の断面構成図であ
る。この図に示す本実施形態のナトリウム硫黄電池は、
正極外装管9と、この正極外装管9の内側に収容された
導電助材15と、固体電解質1と、この固体電解質1の
内側に収容された安全管10とから概略構成されてい
る。固体電解質1と正極外装管9の間には正極活物質1
4aが充填されており、安全管10の内側に負極活物質
11aが充填されている。
【0023】図1に示す本実施形態のナトリウム硫黄電
池が、図4に示す従来のナトリウム硫黄電池と異なる点
は黒鉛などからなる多数の導電粒子から構成されている
導電助材15を備えていることである。この導電助材1
5を図1および図2を参照して以下に詳細に説明する。
図2は、図1に示す導電助材15を含む部分を拡大して
示す部分断面図である。この図に示すように、導電助材
15は黒鉛などからなる多数の導電粒子15aがランダ
ムに積み重なって充填されて構成されており、これらの
導電粒子15aの隙間に正極活物質14aが含浸されて
いる。この導電粒子15aを構成する材料は、上記黒鉛
のほか、炭素系の材料を用いることもできる。また、良
好な導電性と、正極活物質14aに対する耐腐食性を具
備する材料であれば上記の黒鉛、炭素に限定されるもの
ではなく、例えば、ニッケル、クロム等をその材料とし
て用いることができる。上記導電粒子15aの平均粒径
は、0.1mm以上、3mm以下の範囲とされることが
好ましい。これは、平均粒径が0.1mm以下であると
導電粒子15a間の隙間が小さくなりすぎるために正極
活物質14aの拡散性が低下するためであり、また、平
均粒径が3mm以上の場合には反応が進行する導電助材
15の表面の面積が小さくなり、電池の効率が低下する
ためである。尚、上記に示した導電粒子15aの平均粒
径は正極外装管9の直径が100mm程度のものに用い
る場合の好適な例として示したものであり、ナトリウム
硫黄電池の構成に応じて適宜変更可能であることはもち
ろんである。
【0024】このように、導電助材15が導電粒子15
aの集合体として構成されていることにより、導電助材
15の表面積を大きくすることができるとともに、導電
粒子15aの間に均一な隙間が形成されるので、導電粒
子15aの表面における充放電反応を効率よく進行させ
ることができ、かつ正極活物質14aの拡散性も良好な
ものとすることができる。また、従来炭素繊維の配向を
制御して導電助材を作製する方法に対して、本発明に係
る導電助材15は、多数の導電粒子15aを充填するの
みでよいため、極めて容易に導電助材15を製造するこ
とが可能である。従って、本発明に係る導電助材15を
採用することにより、極めて大きな製造コストの低減効
果を得ることができる。
【0025】(第2の実施形態)図3は、本発明の第2
の実施形態であるナトリウム硫黄電池の断面構成図であ
る。この図に示すナトリウム硫黄電池は、二次電池とし
て動作して充放電が可能な電池本体部30と、この電池
本体部30に接続されて電池本体部30に対して正極活
物質を供給および回収を行う正極活物質供給回収器50
とから概略構成されている。
【0026】図3に示す電池本体部30には、負極活物
質32aであるナトリウムが収納されている負極室32
と、硫黄を含む正極活物質33aが収納されている正極
室33とが備えられている。また、負極活物質32aと
正極活物質33aとの間にはナトリウムイオンに対して
伝導性を有する固体電解質34が配置されるとともに両
者を隔離している。
【0027】負極室32は円筒状のガイド管36とその
下部開口端に接合された有底円筒状の安全管37とから
構成されており、安全管37の内部に負極活物質32a
であるナトリウムが収納されている。固体電解質34
は、その形状が有底円筒状とされており、その材質は図
4に示す固体電解質1と同等のものである。この固体電
解質34の内部に安全管37が挿入されており、両者の
間には所定の間隔の間隙が形成されている。
【0028】ガイド管36の他端(図示上端)には必要
に応じて負極室に負極活物質32aを供給するための負
極活物質供給管38が挿入されている。この負極活物質
供給管38の負極活物質32aが吐出される先端部(図
示下端)はガイド管36に接続された安全管37の底部
近傍に配置されている。一方、負極活物質供給管38の
他端は外部の負極活物質供給源45に接続されている。
また、負極活物質供給管38の上端から内部へ、負極室
32へ供給される負極活物質32aを加熱するための棒
状の内挿ヒータ39が挿入されている。尚、上記負極活
物質供給管38は、電池が使用される際には取り除かれ
るか若しくは封止されて負極室32が密閉されるように
なっている。
【0029】固体電解質34の上側部と、ガイド管36
の下側部を取り囲むように有底円筒状の保護管42が設
けられており、その底部から固体電解質34の下側部が
露出されている。この保護管42と上記固体電解質34
およびガイド管36の間にセラミック充填材23が充填
されている。この保護管42およびセラミック充填材2
3は硫黄を含む正極活物質33aによるガイド管36の
腐食を防止するために設けられているものである。
【0030】正極室33Aは有底略円筒状の外装管40
と、その内部に配置された有底円筒状の正極容器41と
から概略構成されている。正極容器41は外装管40の
底部に設けられた穴に挿入されるとともにその側面が外
装管40の底部と接合されて一体化されている。また、
外装管40の底部の外面側には略漏斗状の正極活物質導
出部44がその広口側を外装管40の底面に向けて接合
されている。尚、上記正極容器41の底部は外装管40
と正極活物質導出部44とに囲まれる空間に配置されて
いる。また、図1に示すように外装管40の側面に、正
極室33へ正極活物質33aを供給するための正極活物
質供給口47が設けられている。
【0031】正極容器41の内部には固体電解質34と
その周りを取り囲むようにして設けられた導電助材35
が挿入されている。すなわち、固体電解質34を取り囲
んで導電助材45が配置されており、その導電助材45
の外周を取り囲んで正極容器41が配置されている。こ
の導電助材35は、図1および図2に示す導電助材15
と同様の構造であり、多数の導電粒子がランダムに積み
重なって充填されて集合されている。これらの導電粒子
の粒径や材質も先に記載の導電粒子15と同様でよい。
正極活物質33aは固体電解質34と外装管40とに囲
まれた領域である正極室32に注入されるとともに上記
導電助材46に含浸されている。また、正極容器41の
底部(図示下端部)には、正極容器41と正極活物質導
出部44の内部とを連通する細孔が設けられている。
【0032】上記の構成において、外装管40の開口端
(図示上端)に設けられたフランジと、ガイド管36を
支持するフランジとが、リング状のパッキン48を介し
て電気的に絶縁された状態で連結されて正極室33を密
閉している。尚、上記の外装管40とガイド管36の連
結方法は一例として示したものであり、電気的絶縁と、
気密性を達成できる方法であれば上記に限定されない。
例えば、両者のフランジの間にα−アルミナなどの絶縁
材質からなるリングを配して、これらをガラス半田など
の接合材によって接合一体化することもできる。
【0033】正極活物質供給回収器50は、貯留槽52
と、この貯留槽52に収納された正極活物質33aを圧
送するためのガスを供給するガス供給源51とから概略
構成されている。貯留槽52に設けられた2本の配管5
3、54は、それぞれ外装管40の側面に設けられた正
極活物質供給口47と、外装管40の底部に配された正
極活物質導出部44とに接続されている。これらの配管
53、54には逆止弁55、56がそれぞれの経路中に
設けられており、内部を流れる正極活物質33aが逆流
しない構造とされている。
【0034】上記の正極活物質供給回収器50は、ガス
供給源51からアルゴンなどのガスを貯留槽52に供給
して貯留槽52に収納された正極活物質33aに圧力を
印加することにより、配管53へ正極活物質33aを圧
送し、外装管40の側面の正極活物質供給口57を介し
て正極室33へ正極活物質33aの供給を行う。また、
正極活物質導出部44に接続された配管54を介して正
極活物質33aを正極室33から回収し、貯留槽52へ
収納するようになっている。
【0035】また、電池本体部30においては、貯留槽
52から正極活物質供給口57を介して正極室33内に
導入された正極活物質33aは、正極容器41の外側面
に沿って図示上方へ導かれ、正極容器41の上部開口端
に達して正極容器41内部に導入され、導電助材35に
含浸されて反応に供される。その後正極活物質33aは
正極容器41の底部に設けられた孔を通じて正極活物質
導出部44へ導かれ、配管54を介して再び貯留槽52
へ収納される。
【0036】本実施形態のナトリウム硫黄電池は、充放
電反応中に正極活物質である硫黄および/または多硫化
ナトリウムが正極室33内部を連続的に通過する流動型
である。このような構成により、導電助材35に含浸さ
れて反応に供される正極活物質33aが、一定の方向に
連続して流されているので、導電助材35に含浸されて
いる正極活物質33aの硫黄価数が大きく変動すること
がない。従って、正極活物質33aとして小さい硫黄価
数の硫化ナトリウムを用いることにより、正極活物質3
3aの比抵抗を小さくすることができる。これにより、
本実施形態のナトリウム硫黄電池は、高電流密度で連続
して放電することが可能である。
【0037】また、図3に示す導電助材35は、図1お
よび図2に示す導電助材15と同等の構造であるので、
導電助材35においても導電粒子の隙間として均一な空
孔を有する構造である。したがって、この導電助材35
も優れた導電性を有するとともに正極活物質33aの拡
散性に優れたものである。さらに、図3に示す本実施形
態のナトリウム硫黄電池は、正極活物質が33aが正極
室33内を移動する流動型であるので、単電池型の正極
室と比較して正極室33の容積を小さくすることができ
る。つまり、単電池型の場合、その正極室の容積は放電
持続時間によって決定されるが、本実施形態のナトリウ
ム硫黄電池のように流動型である場合には正極室33の
容積を小さくしても導電助材35に含浸されて反応に供
される正極活物質33aの量は変わらず、かつ正極の内
部抵抗は低下する。従って、電池の効率を落とすことな
く内部抵抗を低減することができるので、高電流密度で
の放電に有利である。
【0038】上記のように正極室33の容積を小さくす
る場合には、導電助材35の径外方向の厚さを小さくす
ることが最も効果的である。この導電助材35の径外方
向の厚さは、1mm以上10mm以下の範囲とすること
が好ましい。これは、導電助材35の厚さが1mmより
小さい場合には、導電助材35を構成する導電粒子の粒
径が小さくなり、その間隙も小さくなるため、このよう
な構成では正極活物質33aの流動性が悪化する。ま
た、このように薄い導電助材35の形成は困難であるこ
とから製造コストが増加するためである。一方、導電助
材35の厚さが10mmより大きい場合には単電池と比
較して内部抵抗の低減効果が得られない。また、正極活
物質33aの流動性を確保してかつ内部抵抗を大きく低
減するためには、上記導電助材35は薄い方が効果的で
あるので、その厚さは1mm以上5mm以下であること
がより好ましい。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ナトリウム硫黄電池は、ナトリウムを含む負極活物質が
少なくとも収納された負極室と、硫黄を含む正極活物質
が収納された正極室と、前記負極室と前記正極室との間
に位置して前記負極活物質と前記正極活物質を隔離し、
かつナトリウムイオンに対して伝導性を有する固体電解
質と、前記正極活物質を含浸して前記正極活物質の電子
伝導を補助する導電助材とを備えたナトリウム硫黄電池
において、前記導電助材が導電粒子を集合してなる構成
としたので、導電助材を構成する導電粒子間に均一な空
孔を極めて容易に形成することができる。これにより、
正極活物質の拡散性の向上による電池の高効率化を低コ
ストで実現することができる。
【0040】次に、上記導電助材を構成する前記導電粒
子を黒鉛粒子、あるいは炭素粒子で構成するならば、導
電性に優れる導電助材を低コストで製造することができ
る。これにより、ナトリウム硫黄電池のコストの低減を
図ることができる。
【0041】次に、前記導電粒子の直径を0.1mm以
上、3mm以下の範囲とするならば、良好な導電性を有
するとともに正極活物質の拡散性に優れる導電助材を構
成することができる。これにより、高効率で、高電流放
電が可能なナトリウム硫黄電池を提供することができ
る。
【0042】次に、上記のナトリウム硫黄電池におい
て、前記正極活物質が前記正極室内を連続的に流動する
正極活物質の流動構造を備える構成とするならば、前記
導電助材に連続的に正極活物質が供給される構造とする
ことができるので、充放電反応中の正極活物質の硫黄価
数をほぼ一定に保持することができる。従って、正極活
物質の硫黄価数を小さくして正極活物質の比抵抗を小さ
くすることにより、正極の内部抵抗を低減して高電流密
度で長時間安定して放電させることができる。
【0043】次に、上記のナトリウム硫黄電池におい
て、前記正極室に接続されて該正極室から正極活物質を
回収するとともに、前記正極室に正極活物質を供給する
ための貯留槽を備える構成とするならば、正極室の容積
が放電持続時間に制限されることがなくなるので、正極
室の容積を小さくして内部抵抗を低減することができ
る。
【0044】次に、上記のナトリウム硫黄電池におい
て、前記導電助材の径外方向の厚さを1mm以上10m
m以下とするならば、従来よりも正極の内部抵抗を低減
することができる。特に、前記導電助材の径外方向の厚
さを1mm以上5mm以下とするならば、正極の内部抵
抗を低減してかつ正極活物質の流動性に優れるナトリウ
ム硫黄電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施形態であるナト
リウム硫黄電池の断面構成図である。
【図2】 図2は、図1に示す導電助材の一部を拡大し
て示す部分断面構成図である。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施形態である流動
型のナトリウム硫黄電池である。
【図4】 図4は、ナトリウム硫黄電池の構成の一例を
示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 固体電解質 10 安全管 11 負極室 11a 負極活物質 14 正極室 14a 正極活物質 15 導電助材 32 負極室 32a 負極活物質 33 正極室 33a 正極活物質 34 固体電解質 35 導電助材 52 貯留槽

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウムを含む負極活物質が少なくと
    も収納された負極室と、硫黄を含む正極活物質が収納さ
    れた正極室と、前記負極室と前記正極室との間に位置し
    て前記負極活物質と前記正極活物質を隔離し、かつナト
    リウムイオンに対して伝導性を有する固体電解質と、前
    記正極活物質を含浸して前記正極活物質の電子伝導を補
    助する導電助材とを備えたナトリウム硫黄電池であっ
    て、 前記導電助材が、導電性を有する多数の導電粒子を集合
    してなるものであることを特徴とするナトリウム硫黄電
    池。
  2. 【請求項2】 前記導電粒子が黒鉛粒子からなることを
    特徴とする請求項1に記載のナトリウム硫黄電池。
  3. 【請求項3】 前記導電粒子が炭素粒子からなることを
    特徴とする請求項1に記載のナトリウム硫黄電池。
  4. 【請求項4】 前記導電粒子の平均粒径が0.1mm以
    上、3mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載のナトリウム硫黄電池。
  5. 【請求項5】 前記正極活物質が前記正極室内を連続的
    に流動する正極活物質の流動構造を備えたことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のナトリウ
    ム硫黄電池。
  6. 【請求項6】 前記正極室に接続されて該正極室へ正極
    活物質を供給するとともに、前記正極室から正極活物質
    を回収して収納する貯留槽を備えたことを特徴とする請
    求項5に記載のナトリウム硫黄電池。
  7. 【請求項7】 前記導電助材の径外方向の厚さが、1m
    m以上10mm以下の範囲であることを特徴とする請求
    項5ないし6に記載のナトリウム硫黄電池。
  8. 【請求項8】 前記導電助材の径外方向の厚さが、1m
    m以上5mm以下の範囲であることを特徴とする請求項
    7に記載のナトリウム硫黄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101616896B1 (ko) * 2012-12-28 2016-05-02 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지

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