JP2002184317A - プラズマディスプレイパネル用基板、プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイ装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用基板、プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイ装置

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JP2002184317A
JP2002184317A JP2000375915A JP2000375915A JP2002184317A JP 2002184317 A JP2002184317 A JP 2002184317A JP 2000375915 A JP2000375915 A JP 2000375915A JP 2000375915 A JP2000375915 A JP 2000375915A JP 2002184317 A JP2002184317 A JP 2002184317A
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Chika Yano
千佳 矢野
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体ペーストの流動性を減少させて隔壁側
面上へ相当な厚みの蛍光体層を形成して高輝度化を図
り、且つ、必要な強度を有する隔壁を実現する。 【解決手段】 隔壁5の両側面5S1、5S2上と頂部
5T上とに、隔壁5よりも気孔率の高い薄膜7を全面的
に形成する。薄膜7の望ましい気孔率の範囲は3%乃至
30%である。これに対して、隔壁5の気孔率は出来る
限り0%に近い値に設定する。そして、隣接する隔壁5
間の基板本体10の主面10S上、及び薄膜7の表面上
に、蛍光体層6を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラズマディス
プレイパネル(以下、PDPと称する)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】特開平11−219659号公報の〔0
002〕段落ないし〔0007〕段落中には、次の様な
従来技術の記載がある。
【0003】即ち、従来から画像表示装置として多用さ
れてきたCRTは、容積及び重量が大きく高電圧が必要
であるという欠点があった。そこで、近年のマルチメデ
ィアの浸透に伴い、情報のインターフェースとして発光
ダイオード(LED)や液晶表示素子(LCD)、ある
いはプラズマ表示装置等の大型画面で高画質、その上、
軽量薄型で設置場所を選ばない等の特徴を有する平面画
像表示装置が開発され、これらの利用範囲が拡大しつつ
ある。かかる要求に応える平面画像表示装置の内で、特
にプラズマ発光を利用したPDPが、その将来性に関し
て、大型画面用カラー画像表示装置の発光素子として注
目されている。
【0004】この様なPDPは、図5及び図6に示す様
に、前面板1と背面板3の一対の対向する平坦な絶縁基
板と、両者間の空間を仕切る隔壁5と、該前面板1に形
成された対をなす放電電極2と、該背面板3に形成され
該放電電極2との間の放電によりプラズマを発生させて
発光を行うアドレス電極4を設け、前記空間に希ガス等
の放電可能なガスを気密封入した構造を成しており、前
記対向するアドレス電極4と放電電極2間に電圧を選択
的に印加して放電によりプラズマを発生させ、該プラズ
マから放出される紫外光により該隔壁及び該隔壁間に塗
布した蛍光体6を発光させて画像表示装置の発光素子と
して利用するものである。
【0005】具体的な構造としては、背面板3の一面に
平行な多数の隔壁5を形成して、各隔壁5間を放電表示
セルとし、この放電表示セルの底面にアドレス電極4を
備える。この放電表示セルの内面に蛍光体6を塗布し、
放電電極2として透明電極を備えた前面板1を隔壁5上
に接合して、放電表示セル内に希ガスを封入することに
より、PDPを構成する。
【0006】一般に、前記PDPの放電表示セル内への
蛍光体6の塗布法としては、RGB3色のそれぞれの蛍
光体6をスクリーン印刷で隔壁5間に塗布を行う厚膜印
刷法を用いた手法がある。この方法によれば、製造工程
数が少なく高能率な生産が行え、また、RGB3色の蛍
光体層を混色を起こすことなく形成できるという利点が
ある。
【0007】蛍光体層の塗布状態を変化させることによ
って、パネル品質を向上させる取り組みも行われてい
る。例えば、特開平5−299019号公報に記載する
様に、蛍光体のペーストを隔壁間に埋め尽くすように印
刷し、焼成後の蛍光体層の表面積や厚みを大きくとり、
結果的に輝度を高める方法や、特開平6−267431
号公報に記載する様に、蛍光体層を緻密に形成して層表
面に多くの壁電荷を蓄積し、放電選択電圧を低く抑え、
結果的にパネル寿命の向上、製造コストの低減につなげ
ることが提案されている。
【0008】しかしながら、従来のPDPでは、隔壁5
の側面にまで蛍光体6のペーストを塗布するために、多
量の蛍光体ペーストを使用しなければならない。また、
隔壁5の側面に塗布された蛍光体6は底面側に流動して
しまい、側面に付着する蛍光体層が薄くなり、十分な特
性を得ることができないという不都合があった。
【0009】そこで、この様な不都合を解消すべく、特
開平11−219659号公報に記載の従来技術は、隔
壁5の内で前面板1に近傍する側の部分の気孔率を、背
面板3に近傍する側の部分の気孔率よりも高く設定する
ことにより、隔壁5の側面上に十分な厚みの蛍光体層を
形成する方法を提案している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
PDPの欠点を改善する為に提案された特開平11−2
19659号公報の隔壁構造は、次の様な新たな問題点
を顕出させている。即ち、PDPの製造工程中、希ガス
封入工程においては、真空引きを行いながら高温の加熱
処理により、PDPの前面板1と背面板3とを隔壁5を
介して封着している。このため、放電空間を区画する支
柱たる隔壁5は、希ガス封入工程中、真空かつ高温下の
状態に曝されることになり、前面板1及び背面板3に加
わる大気圧によって放電空間が潰されることの無い様
に、隔壁5には所望の機械的強度が望まれる。ところ
が、特開平11−219659号公報の隔壁構造におい
ては、図7の縦断面図にも示す様に、隔壁5の高さ方向
の大部分5aが緻密質部5bよりも気孔率の高い材料で
構成されている。その為に、上記従来技術では、製造工
程の観点から隔壁に要求される十分な強度が得られない
という不都合が生じている。
【0011】本発明は上記の問題点に鑑みて案出された
ものであり、隔壁に望まれる強度を満足し、且つ、隔壁
側面上に十分な厚みの蛍光体層を形成することが出来る
技術を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
プラズマディスプレイパネル用基板であって、基板本体
と、前記基板本体の主面上に第1方向に沿って配設され
ており、その各々が前記第1方向に直交する第2方向に
延在しており且つ前記第1及び第2方向に直交する第3
方向に所定の高さを有する、複数の隔壁と、前記複数の
隔壁の各々の各側面上に形成されており、且つ、当該隔
壁の気孔率よりも大きな気孔率を有する薄膜と、その各
々が前記複数の隔壁の内で隣り合う両隔壁間に位置する
前記基板本体の前記主面上に塗布されていると共に、前
記薄膜を被覆する様に前記隣り合う両隔壁の各々の対向
し合う側面上にも塗布されている、複数の蛍光体層とを
備えることを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明は、請求項1記載のプ
ラズマディスプレイパネル用基板であって、前記薄膜が
形成されている各隔壁の頂部にも、当該隔壁の気孔率よ
りも大きな気孔率を有する薄膜が全面的に形成されてお
り、しかも、当該隔壁の頂部部分の薄膜と各側面部分の
薄膜とは一体化されていることを特徴とする。
【0014】請求項3に係る発明は、請求項2記載のプ
ラズマディスプレイパネル用基板であって、前記薄膜は
各隔壁の各側面上に全面的に形成されていることを特徴
とする。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項3記載のプ
ラズマディスプレイパネル用基板であって、前記薄膜
は、当該薄膜が形成されている隔壁と当該隔壁と前記第
1方向に隣り合う隔壁との間に位置する前記基板本体の
前記主面上にも形成されており、前記複数の蛍光体層の
各々は、前記基板本体の前記主面上の前記薄膜をも被覆
していることを特徴とする。
【0016】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル用基板で
あって、前記複数の隔壁の各々の前記気孔率は限りなく
0%に近い値であることを特徴とする。
【0017】請求項6に係る発明は、請求項1ないし5
の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル用基板で
あって、前記薄膜は、その固形分材料として反射材を含
んでいることを特徴とする。
【0018】請求項7に係る発明は、請求項1ないし5
の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル用基板で
あって、前記薄膜は、その固形分材料として、当該薄膜
の膜厚よりも大きい寸法を有する粒子を含んでいること
を特徴とする。
【0019】請求項8に係る発明は、両パネルが互いに
それぞれの周縁部で封着されて成るプラズマディスプレ
イパネルであって、請求項1ないし7の何れかに記載の
前記プラズマディスプレイパネル用基板を前記両パネル
の一方として有することを特徴とする。
【0020】請求項9に係る発明は、プラズマディスプ
レイ装置であって、請求項8記載の前記プラズマディス
プレイパネルとその駆動装置とを有することを特徴とす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本実施の形態に係るPDP
を、図面に基づき具体的に説明する。なお、以下の各図
において、同一符号は同一または相当のものを示す。
【0022】(実施の形態1)図1は、実施の形態1に
係るPDPの構造を表す縦断面図である。図1におい
て、各符号は次のものを示す。即ち、1は前面ガラス
板、2は第1方向D1に延在する一対の透明電極(各透
明電極はバス電極(図示せず)を有する)から成る維持
放電電極対、20は、前面ガラス板1と維持放電電極対
2と維持放電電極対2を被覆する誘電体25(図示しな
い保護膜を含む)とから成る前面基板ないしは前面パネ
ルである。
【0023】他方、3は背面ガラス板、4は、第1方向
D1に沿って所定の間隔で配列し且つその各々が第1方
向D1に直交する第2方向D2に延在したアドレス電
極、10は背面ガラス板3と複数のアドレス電極4とか
ら成る基板本体、5は、背面ガラス板3の上面3S上に
第1方向D1に沿って順次に配設されており、その各々
が第2方向D2に延在しており且つ第1方向D1及び第
2方向D2に直交する第3方向D3に所定の高さ5Hを
有する隔壁である。又、7は、各隔壁5の、第1側面5
S1の全面上と、第1側面5S1に対向する第2側面5
S2の全面上と、頂部5Tの全面上とに一体的に形成さ
れた、薄膜である。更に、6は、隣り合う両隔壁5間に
位置する基板本体10の主面10S上に塗布されている
と共に、隣り合う両隔壁5の各対向側面5S1、5S2
上の薄膜7を完全に被覆する様に薄膜7を介して対向側
面5S1、5S2上にも塗布されている、蛍光体層であ
る。しかも、複数の蛍光体層6は、赤色用蛍光体層、緑
色用蛍光体層及び青色用蛍光体層の3種類の蛍光体層を
一組として、この一組の蛍光体層群が第1方向D1に沿
って配列されることによって、形成されている。
【0024】加えて、図1の背面基板ないしは背面パネ
ル30においては、その特徴点として、薄膜7の気孔率
が隔壁5の気孔率に比べて大きくなる様に、薄膜7の成
分が設定されており、他方で、隔壁5の気孔率は限りな
く0%に近い値に設定されている。
【0025】この様に、比較的高い気孔率を有する薄膜
7を各隔壁5の第1及び第2側面5S1、5S2上に形
成しているため、蛍光体を薄膜7の露出表面上に塗布す
る際に、蛍光体層6のペースト中の溶媒成分が薄膜7の
気孔に吸収されてペーストの流動性が減少し、その結
果、隔壁5の各側面5S1、5S2上方に十分な厚みの
蛍光体層6をほぼ全面的に塗布することが可能となる。
【0026】しかも、薄膜7を設けることで、蛍光体塗
布条件を考慮することなく隔壁5の材質を設定すること
が出来る、換言すれば、隔壁5の気孔率を限りなく0%
に近い値にまで十分に低くすることが可能となり、希ガ
スの封入工程以降で曝される真空/高温の環境下におい
ても十分に耐え得る所望の機械的強度を隔壁5に実現す
ることが出来る。
【0027】加えて、本背面基板30においては、隔壁
頂部5T上に比較的気孔率の高い薄膜7を全面的に形成
しているので、気孔率の高さに起因する緩衝効果を期待
することが出来る。即ち、希ガス封入工程以降において
は、隔壁5は誘電体25と背面ガラス板3との間にあっ
て挟まれた状態となるので、本実施の形態の様に誘電体
25と隔壁5との間に気孔率の高い薄膜7を介在させる
ことで、希ガス封入工程以降に両ガラス基板1、3側か
ら隔壁5に加えられる外力を薄膜7中の気孔が吸収・緩
和して、隔壁5の破損を未然に防止することが出来る。
【0028】ところで、特開平11−219659号公
報に記載の従来技術(図7)では、隔壁5を成す多孔質
部5aと緻密質部5bとを仮に互いに異なる材料で成形
し焼成を行うものとすると、隔壁5に熱膨張率の差異に
より歪みが発生して多数のクラック不良が発生すること
となるので、隔壁5を成す多孔質部5aと緻密質部5b
とは同じ材質で形成しなければ成らなかった。しかしな
がら、本背面基板30の構造においては、隔壁5と薄膜
7とを互いに違う材質で構成し、その結果、隔壁5と薄
膜7との間に熱膨張率の差による熱収縮が生じたとして
も、隔壁5そのものの歪みは生じないので、クラックを
発生させてしまうことは無い。従って、本実施の形態で
は、隔壁5と薄膜7とを同一材質で構成するという制限
は無く、両者5、7を互いに相違する材質で構成する様
にしても良い。
【0029】次に、薄膜7の形成方法を、即ち、薄膜7
中の気孔率を変化させる方法について、説明する。薄膜
7は、隔壁5と同様に、固体成分(フィラー)とバイン
ダー(ガラス成分)とから成り立っている。そこで、薄
膜7中のバインダー量を変化させることにより固体成分
充填率を変化させて、焼成後の薄膜7中の気孔率を変化
させることができ、この変化による調整により、薄膜7
中の気孔率を隔壁5のそれよりも大きくすることが可能
となる。その際、上記形成方法により得られた薄膜7の
断面の拡大写真を撮影し、その拡大写真から気孔面積を
計測して、この面積から気孔が形成されている部分の体
積を評価することによって、薄膜7中の気孔率(%)を
測定する。又は、薄膜7中の固体成分の粒度を変化させ
ることにより固体成分充填率を変化させて、焼成後の薄
膜7中の気孔率を変化させる様にしても良い。その際の
薄膜7中の気孔率の測定方法は上述の通りである。
【0030】ここで、隔壁5の気孔率が0に近い程に隔
壁5の機械的強度が高くなるので、隔壁5の気孔率を出
来る限り0に近い値に設定するのが望ましいと言える。
その際、隔壁5の気孔率は、出来る限り0に近い値であ
る限り、隔壁5の各部分で均一である必要性は無く、各
部分で不均一であっても良い。これに対して、薄膜7の
気孔率は基本的には隔壁5の気孔率よりも大きければ良
く、この様な薄膜7を介在させることにより、隔壁5の
側面上に蛍光体層6を直接塗布する場合と比較して、隔
壁5の側面上方への十分な量の蛍光体層の塗布を行う事
ができ、輝度の向上を図ることが可能となる。
【0031】しかしながら、例えば気孔率が0の隔壁5
に対してそれよりも大きな値の気孔率ということで薄膜
7の気孔率を0.1%に設定したとしても、実効有る気
孔は薄膜7中に殆ど存在しない。他方で、薄膜7の気孔
率を50%以上に設定したときには、体積の半分以上が
間隙となり、膜として機能し得なくなる。従って、薄膜
7の気孔率が低すぎても高すぎても、効果は得られない
ことになる。この様な観点から経験的に適切な薄膜7の
気孔率の範囲を考えると、その範囲は3%乃至30%と
することが好ましいと言える。
【0032】又、薄膜7の隔壁5の表面上への形成方法
としては、(1)厚膜印刷法や、(2)隔壁形状をした
凹型へ薄膜材料を充填し、転写する方法、或いは、
(3)層状に形成された隔壁材料の上に更に重ねて薄膜
材料を形成し、隔壁形成の間隔を持った連続した凸型を
用いて穿孔する方法等が、適用可能である。又は、上述
した様な隔壁5との一体成形に代えて、隔壁5の形成後
に薄膜7を形成する事も出来る。勿論、これらの形成方
法は、本実施の形態に適用可能のみならず、後述する他
の実施の形態においても同様に適用可能である。
【0033】尚、図1及び後述する各図に示す背面基板
では、その基板本体10は背面ガラス板3と複数のアド
レス電極4とから成るので、背面ガラス板3の上面3S
と各アドレス電極4の上面及び側面とが、基板本体10
の主面10Sを成している。この様な基板本体10に代
えて、背面ガラス板3と複数のアドレス電極4と各アド
レス電極4をその取り出し端子部を除いて被覆する様に
背面ガラス板3の上面上に形成されたグレーズ層(図示
せず)とから成る物を基板本体に採用することも可能で
あり、この場合には、上記グレーズ層の上面が基板本体
の主面と成る。更には、基板本体を背面ガラス板3のみ
から構成しても良く、この場合には背面ガラス板3の上
面3Sが基板本体の主面と成る。
【0034】(実施の形態1の変形例)実施の形態1
(図1)においては、薄膜7が隔壁5の各側面全体を覆
う形態を示したが、薄膜7は必ずしも隔壁5の側面全体
を覆わなくても良い。以下、薄膜7が隔壁5の側面の上
部側のみを覆う場合について詳述する。
【0035】図2は、図1と同様に、本変形例に係るP
DPの構造を部分的に拡大して示す縦断面図である。本
変形例でも、薄膜7は、その気孔率が隔壁5の気孔率に
比べて高くなる様に設定されており、しかも、隔壁5の
側面上部から少なくとも隔壁5の高さの30%以上の表
面部分上に設けられている。即ち、隔壁5の各側面5S
1、5S2と頂部5Tとの境界縁5Bから各側面5S
1、5S2の下部に向けて延在する薄膜7の側面上部分
の先端部7Eまでの距離7Hと隔壁5の高さ5Hとの比
率(7H/5H)は、30%以上乃至100%の範囲内
になる様に設定されている。尚、下限値の30%は経験
値であり、上限値の100%は図1の場合に該当する。
【0036】この様に、気孔率の高い薄膜7を隔壁5の
側面5S1、5S2の上部側に形成する場合において
も、蛍光体層6のペースト中の溶媒成分が薄膜7の気孔
に吸収されてペーストの流動性が減少し、その結果、従
来では蛍光体層6のペーストの流動性によって底面側に
流れてしまって十分な厚みが確保できなかった隔壁5の
側面上部に十分な厚みの蛍光体層6を塗布することがで
きる。
【0037】(実施の形態2)実施の形態1(図1)及
びその変形例(図2)では、薄膜7が隔壁5の表面(側
面及び頂部)のみを覆う形態を説明したが、薄膜7は必
ずしも隔壁5の表面上だけに形成されるものでは無い。
即ち、薄膜7を、隔壁5の表面上に加えて、第1方向D
1に隣り合う両隔壁5間に位置する基板本体の主面上に
も形成する様にしても良い。以下、その様な例を図面に
基づき詳述する。
【0038】図3は、本実施の形態に係るPDPの構造
を部分的に拡大して示す縦断面図である。同図に示す様
に、薄膜7は、隣り合う両隔壁5で挟まれて規定された
基板本体主面10S上にも形成されており、当該部分の
薄膜7は隣り合う隔壁側面上の薄膜7と繋がり一体化さ
れている。この様に、薄膜7は、隣り合う隔壁5間のア
ドレス電極4の表面上をも覆うことにより、放電表示セ
ル内全域を覆っている。この様に放電表示セル内全域を
薄膜7で覆うことは、本発明の目的である隔壁側面への
十分な蛍光体層の形成を妨げるものではない。また、こ
の場合には、必ずしも隔壁材料をアドレス電極4上へ延
長して塗布する必要はなく、アドレス電極4上に薄膜7
を直接形成しても何ら問題は生じない。
【0039】この様に放電表示セル内全域を薄膜7で覆
うことで、蛍光体層6のペーストは放電表示セル内全域
において流動性が減少するので、隔壁5の裾からアドレ
ス電極4に至る緩やかな傾斜まで均一な厚みを持った蛍
光体層6を形成することが出来る。
【0040】しかも、アドレス電極4を薄膜7で覆うこ
とで、従来では放電表示セル内にアドレス電極4が露出
していた為に受けていたプラズマ放電によるアドレス電
極4のダメージを防ぐ事も出来る。
【0041】(実施の形態3)上述の各実施の形態1
(変形例も含む)、2においては、薄膜7の材質を特に
限定してはいなかった。しかも、前述の通り、本発明の
薄膜7は隔壁5と同じ材質に限定されるものではない。
【0042】そこで、本実施の形態では、薄膜7の固体
成分として、蛍光体層6より発せられた蛍光を反射し得
る反射材を採用するものとする。これにより、輝度の一
層の向上を図ることが出来る。
【0043】この反射材を固体成分に利用した薄膜7
は、上述の実施の形態1及び2の何れにも適用が可能で
ある。但し、本発明の目的が隔壁5の側面上へ十分な厚
みの蛍光体層を形成することであり、それから期待され
る効果が輝度の向上である事を考えると、本実施の形態
を実施の形態1及びその変形例に適用するよりも、実施
の形態2への適用の方がより効果的であることは自明で
ある。
【0044】(実施の形態4)これまで述べてきた実施
の形態1乃至3においては、薄膜7を構成する固体成分
の大きさを特に限定してはいなかったが、薄膜7は、薄
膜7の膜厚よりも寸法の大きい固体成分(粒子)を含有
する薄膜であっても良い。以下に、その様な例を図面に
基づき詳述する。
【0045】図4は、本実施の形態に係るPDPの隔壁
とその周辺部分とを拡大して示す縦断面図である。図4
において、7aは薄膜7に含有される固体成分であり、
固体成分7aの大きさ(粒径)は薄膜7の膜厚よりも大
きい。従って、形成された薄膜7の表面より、固体成分
7aが突出している。
【0046】この様に表面より固体成分が突出する形態
であっても、薄膜7の気孔に蛍光体層6のペースト中の
溶媒成分が吸収されてペーストの流動性が減少し、その
結果、隔壁5の側面上部に十分な厚みの蛍光体層6を塗
布できるという効果は、なお維持され得る。逆に、突出
した固体成分が存在することで、却って突出した固体成
分が蛍光体層6のペーストの流動を阻害することになる
結果、隔壁5の側面上への蛍光体層6の形成を助けると
いう効果が得られる。
【0047】(PDP用基板の展開例)実施の形態1な
いし4の何れかで記載したPDP用基板をPDPの一方
のパネルとして用い、当該一方のパネルと別途に製作し
た他方パネル(図示せず)とを互いにそれぞれの周縁部
で封着すること等によって、3電極面放電型や2電極対
向放電型のAC駆動型PDPを形成することが出来る。
【0048】更に、上記AC駆動型PDP及びその駆動
装置等を所定の筐体内に配設することで、ディスプレイ
モニタや壁掛けテレビジョン等のプラズマディスプレイ
装置を製作することが出来る。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上説明した様に構成され
ているので、以下に示す様な効果を奏する。
【0050】請求項1、3、8、9の発明によれば、隔
壁側面上に隔壁よりも気孔率の高い薄膜を形成するの
で、隔壁側面上に塗布された蛍光体層のペーストの溶媒
成分が吸収されてペーストの流動性が減少し、その結
果、隔壁上に十分な厚みの蛍光体層を形成することがで
きる。従って、隔壁自体に蛍光体層のペーストの溶媒成
分の吸収作用をもたせる必要性がなくなるので、専ら隔
壁自体の強度を強めるという観点から隔壁の設定を行う
ことが可能となる。
【0051】請求項2、8、9の発明によれば、隔壁頂
部に形成された薄膜内の気孔による緩衝効果を得ること
が出来る。
【0052】請求項4、8、9の発明によれば、蛍光体
層のペーストの流動性が放電表示セル内全域において減
少する結果、隔壁の裾から基板本体の主面上方に至るま
で均一な厚みを持った蛍光体層を形成することが出来
る。
【0053】請求項5、8、9の発明によれば、隔壁側
面上に十分な蛍光体層を形成し得るという効果に加え
て、隔壁が希ガス封入工程中に真空かつ高温下の状態に
曝されることになっても放電空間が潰されることの無い
様な所望の機械的強度を隔壁にもたせることが出来ると
いう効果が得られる。
【0054】請求項6、8、9の発明によれば、隔壁の
側面に形成する薄膜の固体成分に反射材の粒子を使用し
ているので、本発明の主目的である隔壁側面に十分な蛍
光体層を形成するという効果に加えて、蛍光体層から発
せられる蛍光を反射して更なる輝度の向上を図ることが
出来る。
【0055】請求項7、8、9の発明によれば、隔壁表
面上に形成する薄膜に含有される固体成分に薄膜膜厚よ
りも大きい粒子を用いているので、気孔による蛍光体ペ
ーストの溶媒成分の吸収による流動性の減少という本発
明の主効果に加えて、薄膜表面より固体成分が突出して
薄膜表面に凹凸が形成されることで蛍光体層のペースト
の流動性を更に減少させることが出来、より十分な膜厚
の蛍光体層を形成することが出来るという効果も得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るPDPの構成を示す部分
断面図である。
【図2】 実施の形態1の変形例に係るPDPの構成を
示す部分断面図である。
【図3】 実施の形態2に係るPDPの構成を示す部分
断面図である。
【図4】 実施の形態4に係るPDPの構成を示す部分
断面図である。
【図5】 PDPの概略構造を示す断面図である
【図6】 従来のPDPの部分断面図である。
【図7】 従来のPDPの部分断面図である。
【符号の説明】
1 前面ガラス板、2 維持放電電極対、3 背面ガラ
ス板、4 アドレス電極、5 隔壁、5S1 第1側
面、5S2 第2側面、5T 頂部、5H 隔壁の高
さ、6 蛍光体層、7 薄膜、7a 固体成分、10
基板本体、10S主面、30 背面基板、D1 第1方
向、D2 第2方向、D3 第3方向。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板本体と、 前記基板本体の主面上に第1方向に沿って配設されてお
    り、その各々が前記第1方向に直交する第2方向に延在
    しており且つ前記第1及び第2方向に直交する第3方向
    に所定の高さを有する、複数の隔壁と、 前記複数の隔壁の各々の各側面上に形成されており、且
    つ、当該隔壁の気孔率よりも大きな気孔率を有する薄膜
    と、 その各々が前記複数の隔壁の内で隣り合う両隔壁間に位
    置する前記基板本体の前記主面上に塗布されていると共
    に、前記薄膜を被覆する様に前記隣り合う両隔壁の各々
    の対向し合う側面上にも塗布されている、複数の蛍光体
    層とを備えることを特徴とする、プラズマディスプレイ
    パネル用基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマディスプレイパ
    ネル用基板であって、 前記薄膜が形成されている各隔壁の頂部にも、当該隔壁
    の気孔率よりも大きな気孔率を有する薄膜が全面的に形
    成されており、しかも、当該隔壁の頂部部分の薄膜と各
    側面部分の薄膜とは一体化されていることを特徴とす
    る、プラズマディスプレイパネル用基板。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のプラズマディスプレイパ
    ネル用基板であって、 前記薄膜は各隔壁の各側面上に全面的に形成されている
    ことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用基
    板。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のプラズマディスプレイパ
    ネル用基板であって、 前記薄膜は、当該薄膜が形成されている隔壁と当該隔壁
    と前記第1方向に隣り合う隔壁との間に位置する前記基
    板本体の前記主面上にも形成されており、 前記複数の蛍光体層の各々は、前記基板本体の前記主面
    上の前記薄膜をも被覆していることを特徴とする、プラ
    ズマディスプレイパネル用基板。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載のプラ
    ズマディスプレイパネル用基板であって、 前記複数の隔壁の各々の前記気孔率は限りなく0%に近
    い値であることを特徴とする、プラズマディスプレイパ
    ネル用基板。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかに記載のプラ
    ズマディスプレイパネル用基板であって、 前記薄膜は、その固形分材料として反射材を含んでいる
    ことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用基
    板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5の何れかに記載のプラ
    ズマディスプレイパネル用基板であって、 前記薄膜は、その固形分材料として、当該薄膜の膜厚よ
    りも大きい寸法を有する粒子を含んでいることを特徴と
    する、プラズマディスプレイパネル用基板。
  8. 【請求項8】 両パネルが互いにそれぞれの周縁部で封
    着されて成るプラズマディスプレイパネルであって、 請求項1ないし7の何れかに記載の前記プラズマディス
    プレイパネル用基板を前記両パネルの一方として有する
    ことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の前記プラズマディスプレ
    イパネルとその駆動装置とを有することを特徴とする、
    プラズマディスプレイ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100739948B1 (ko) * 2005-11-25 2007-07-16 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 표시 패널 및 그 제조방법
JP2010097790A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネル
EP2337057A3 (en) * 2009-12-21 2011-11-02 Canon Kabushiki Kaisha Method of producing image display apparatus

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