JP2002181833A - 生化学分析装置 - Google Patents

生化学分析装置

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JP2002181833A JP2000378522A JP2000378522A JP2002181833A JP 2002181833 A JP2002181833 A JP 2002181833A JP 2000378522 A JP2000378522 A JP 2000378522A JP 2000378522 A JP2000378522 A JP 2000378522A JP 2002181833 A JP2002181833 A JP 2002181833A
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文雄 菅谷
Akihiro Komatsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 採血管に収容した検体とその測定項目に対応
した乾式分析素子の装填を、複数の検体についてそれぞ
れ効率よく行えると共に、その他のノズルチップ等の装
填についてもオペレータの作業効率を高めてかつ間違い
がないように行えるようにする。 【解決手段】 検体および乾式分析素子11を保持する円
形のサンプラトレイ2と、検体を吸引し乾式分析素子11
に点着する点着ノズルユニット5と、検体が点着された
乾式分析素子11を恒温保持するインキュベータ3とを備
え、サンプラトレイ2には分割された複数の検体カート
リッジ7を着脱可能に装填し、各検体カートリッジ7は
1つの検体容器10とその測定項目に対応する種類の乾式
分析素子11を収納する保持部71,72を有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、尿等の検体
を点着用ノズルユニットにより比色タイプの乾式分析素
子、電解質タイプの乾式分析素子などに点着し、検体中
の所定の生化学物質の物質濃度、イオン活量等を求める
生化学分析装置に関し、特に検体、乾式分析素子などを
収納保持する機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、検体の小滴を点着供給するだ
けでこの検体中に含まれている特定の化学成分または有
形成分を定量分析することのできる比色タイプの乾式分
析素子や検体に含まれる特定イオンのイオン活量を測定
することのできる電解質タイプの乾式分析素子が開発さ
れ、実用化されている。これらの乾式分析素子を用いた
生化学分析装置は、簡単かつ迅速に検体の分析を行うこ
とができるので、医療機関、研究所等において好適に用
いられている。
【0003】比色タイプの乾式分析素子を使用する比色
測定法は、検体を乾式分析素子に点着させた後、これを
インキュベータ内で所定時間恒温保持して呈色反応(色
素生成反応)させ、次いで検体中の所定の生化学物質と
乾式分析素子に含まれる試薬との組み合わせにより予め
選定された波長を含む測定用照射光をこの乾式分析素子
に照射してその光学濃度を測定し、この光学濃度から、
予め求めておいた光学濃度と所定の生化学物質の物質濃
度との対応を表す検量線を用いて該生化学物質の濃度を
求めるものである。
【0004】一方、電解質タイプの乾式分析素子を使用
する電位差測定法は、上記の光学濃度を測定する代わり
に、同種の乾式イオン選択電極の2個1組からなる電極
対に点着された検体中に含まれる特定イオンの活量を、
ポテンシオメトリで定量分析することにより求めるもの
である。
【0005】上記いずれの方法においても、液状の検体
は検体容器(採血管等)に収容して装置にセットすると
共に、その測定に必要な乾式分析素子を装置に供給し、
検体容器から所定方向に移動が可能な点着ノズルを有す
る点着ノズルユニットを利用して、検体を吸引し点着位
置に搬送された乾式分析素子に点着を行う。上記検体、
乾式分析素子の装填、その他測定に必要な消耗品として
多数のノズルチップ、希釈用の混合カップ、希釈液容
器、参照液容器などを装置に装填する方法が種々提案さ
れている。
【0006】例えば、USP 4,287,155に開示されてい
る第1の生化学分析装置では、乾式分析素子は1種類毎
に1つのカートリッジに入れられ、検体とノズルチップ
は一対の組み合わせとしてトレイに並べられ、別に入力
される測定情報に応じて検体の測定に必要な乾式分析素
子を選択して測定を行っている。
【0007】EP0458138A2 に開示されている第2の生
化学分析装置では、検体とそれを測定するのに必要な乾
式分析素子と1本のノズルチップをセットとして1つの
カートリッジに納め、そのカートリッジを装置に装填し
ている。
【0008】特開平11−237386に開示されている第3の
生化学分析装置では、1つの検体とノズルチップと混合
カップをセットとして1つのカートリッジに納め、乾式
分析素子は別途に装置に装填している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記第1の生化学分析
装置では、必要な種類の乾式分析素子が多数入ったカー
トリッジを予め装置に装填しておくので、使用する際に
は必要な乾式分析素子の種類を指示するだけでよいので
乾式分析素子の取り出しは容易である。しかし、一度開
封したカートリッジ内の乾式分析素子は使用期限がある
ため、測定数が多い場合は消費できるが、測定数が少な
いときには、期限切れで廃棄することになりコスト的に
不利である。また、その消費量と使用期限の在庫管理は
面倒なものとなる。一方、検体とノズルチップは1つず
つ装填しなければならず、装置全体が大型なものとなっ
ている。
【0010】前記第2の生化学分析装置では、検体と必
要な乾式分析素子とノズルチップを1つのカートリッジ
に納め装填するので、開封直後の乾式分析素子を使用す
るために、乾式分析素子の使用期限に関しては問題は生
じない。しかし、ノズルチップは1本ずつ装填しなけれ
ばならず、希釈を要する検体では複数のノズルチップが
必要であるから適用できず、複数本のノズルチップを装
填可能として検体に応じてノズルチップをセットするの
はオペレーターの作業負担が大きく、効率が低くなる。
またそのカートリッジは小型の検体カップしか使用でき
ず、遠心分離した採血管を装填することはできなかっ
た。
【0011】第3の生化学分析装置では、採血管も装填
でき、さらに混合カップもセットとして装填できるもの
であったが、1つの検体に対応する1組分しか装填でき
ず、測定効率が低いものである。また乾式分析素子は別
の素子待機部に納めるようになっており、検体と対応さ
せるのが煩雑で間違いが発生する恐れがある。
【0012】いずれにしても、これらの装置における検
体、乾式分析素子等の装填では、乾式分析素子の消費
量、使用期限の管理を不要としつつ、検体の測定項目に
正確に対応して乾式分析素子を装填し得ること、複数の
検体を装填し得ること、また、ノズルチップ、混合カッ
プ等の共通の消耗品の装填が効率よく行い得ること、オ
ペレーターの作業負担を軽減することなどを満足すると
共に、装置の小型化を図る点については十分ではなかっ
た。さらに、緊急に測定が必要な検体が生じた場合に、
既に設定されている測定順を容易に変更でき、緊急検体
の測定を乾式分析素子と対応させて優先的に行えるよう
にすることが要望されている。
【0013】本発明はかかる点に鑑み、検体とその測定
項目に対応した乾式分析素子の装填を、複数の検体につ
いて効率よく行えると共に、ノズルチップ等の消耗品の
装填についてもオペレータの作業負担を軽減して行えて
装置の小型化が可能でかつ緊急検体にも容易に対応でき
るようにした生化学分析装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の生化学分析装置
は、検体およびその測定に必要な乾式分析素子を収納す
る円形のサンプラトレイと、該サンプラトレイに収納し
た検体を吸引し乾式分析素子に点着する点着ノズルユニ
ットと、検体が点着された乾式分析素子を恒温保持する
インキュベータとを備えた生化学分析装置において、前
記サンプラトレイには、該サンプラトレイが分割された
平面形状を有する複数の検体カートリッジを着脱可能に
装填し、各検体カートリッジは1つの検体容器とその測
定項目に対応する種類の乾式分析素子を収納する保持部
を有してなることを特徴とするものである。
【0015】前記サンプラトレイには、ノズルチップ等
の共通に使用される消耗品を前記複数の検体カートリッ
ジとは別に収納するのが好適である。その際、前記消耗
品を、前記サンプラトレイに着脱可能に装填する消耗品
カートリッジに収納するのが好ましい。
【0016】前記サンプラトレイに装填した前記複数の
検体カートリッジから乾式分析素子を取り出す素子搬送
部材を、前記円形のサンプラトレイの中央部に配設する
のが望ましい。
【0017】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、円形のサ
ンプラトレイを分割した平面形状を有する複数の検体カ
ートリッジを、サンプラトレイに着脱可能に装填し、各
検体カートリッジの保持部には1つの検体容器とその測
定項目に対応する種類の乾式分析素子を収納することに
より、複数の検体容器とそれを測定するために必要な組
み合わせの乾式分析素子を容易に装置に装填でき、乾式
分析素子の使用期限等の管理が不要となり、装置を小型
化できると共に、検体と乾式分析素子との組み合わせの
間違いを防ぐことができる。また、一度装填した検体カ
ートリッジの着脱交換が容易に行え、測定順序を変更し
て緊急検体の測定に容易に対応できる。また、検体カー
トリッジには乾式分析素子や検体の装填に合わせてノズ
ルチップ等の消耗品を収納する必要がなく、オペレータ
ーの作業負担が軽減できる。
【0018】サンプラトレイにノズルチップ等の共通に
使用される消耗品を検体カートリッジとは別に収納する
ように設けると、装置の小型化がさらに図れると共に、
点着ノズルユニットおよびサンプラトレイの駆動機構の
簡素化が図れる。特に、消耗品を検体カートリッジと同
様のサンプラトレイに着脱可能な消耗品カートリッジに
収納して装填するように設けると、ノズルチップと混合
カップを予めまとめて装填でき、残量に応じた消耗品の
供給作業が容易となり、さらにオペレーターの作業負担
を軽減できる。
【0019】検体カートリッジから乾式分析素子を取り
出す素子搬送部材を円形のサンプラトレイの中央部に配
設すると、装置の小型化、機構の簡素化が図れ、検体容
器と干渉することなく乾式分析素子の搬送が行える。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。図1は一例の生化学分析装置の概略
機構を示す斜視図、図2は図1とは一部形態が異なる生
化学分析装置の要部機構の平面配置図、図3は図2にお
ける検体カートリッジの斜視図である。
【0021】図1に示す生化学分析装置1は、装置本体
17の前部の一方(図の右側)に円形のサンプラトレイ
2が、他方(図の左側)に円形のインキュベータ3が、
両者の間に点着部4(図1では図示省略、図2参照)
が、上部には左右に移動する点着ノズルユニット5がそ
れぞれ配設されている。また、サンプラトレイ2の近傍
には、血液から血漿を分離する血液濾過ユニット6が設
置されている。
【0022】サンプラトレイ2は、正転方向および逆転
方向に回転駆動される円盤状の回転台21を有し、この
回転台21の外周部の円弧状凹部には、円環形状が中心
から放射状に等分割された5つの検体カートリッジ7が
装填され、装填された5個の検体カートリッジ7が円弧
状に並ぶ。各検体カートリッジ7は独自に着脱可能であ
り、詳細は後述するが、検体を収容した採血管等の1つ
の検体容器10を保持する検体保持部71を有すると共
に、その測定項目に対応して通常複数の種類が必要とさ
れる未使用の乾式分析素子11(比色タイプの乾式分析
素子および電解質タイプの乾式分析素子)を積み重ねた
状態で保持する素子保持部72を有する。
【0023】上記検体カートリッジ7が装填される凹部
以外の回転台21の外周部には、消耗品を収納保持す
る。第1の円弧部分には多数のノズルチップ12を保持
孔に並んで保持し、これに続く第2の円弧部分には混合
カップ13(多数のカップ状凹部が配置された成形品)
が載置され、第3の円弧部分には希釈液容器14および
参照液容器15を保持凹部に保持する。
【0024】つまり、上記サンプラトレイ2には、1つ
の検体容器10(採血管)とその測定に必要な乾式分析
素子11を組み合わせて収納した検体カートリッジ7を
複数(1〜5個)装填して、複数組みの検体と乾式分析
素子11とを装填すると共に、各測定で共通に使用され
る消耗品としてのノズルチップ12と混合カップ13は
まとめて多数を一度に装填し、参照液容器15と希釈液
容器14が予め装填されている。
【0025】上記消耗品についてはサンプラトレイ2に
直接載置する他に、図2に示すようにカートリッジ形式
で装填するようにしてもよい。
【0026】図2に示す形態のサンプラトレイ2は、正
転方向および逆転方向に回転駆動される円環状(ドーナ
ツ状)の回転台22を有し、この回転台22にはその円
環形状が中心から放射状に8個に等分割された検体カー
トリッジ7および消耗品カートリッジ8が装填され、全
部のカートリッジ7,8の装填によって円環状となる。
検体カートリッジ7および消耗品カートリッジ8は平面
同形状であり、独自に着脱可能である。5つの検体カー
トリッジ7は、検体を収容した検体容器10を保持する
検体保持部71を有すると共に、その測定項目に対応し
て必要とされる未使用の乾式分析素子11を保持する素
子保持部72を有する。3つの消耗品カートリッジ8
は、1つが多数のノズルチップ12を配列保持し、他の
1つが多数の混合カップ13を保持し、残り1つが希釈
液容器14および参照液容器15を保持する。消耗品カ
ートリッジ8にはそれぞれの保持形態に対応した保持凹
部が形成されている。
【0027】上記のような検体カートリッジ7および消
耗品カートリッジ8の装填により、サンプラトレイ2に
は、図1と同様に1つの検体容器10とその測定に必要
な未使用の乾式分析素子11を組み合わせた複数組みの
検体と乾式分析素子11とを装填すると共に、消耗品と
してのノズルチップ12、混合カップ13、参照液容器
15および希釈液容器14を予め装填している。
【0028】サンプラトレイ2の回転台21,22は、
不図示の回転駆動機構により、点着ノズルユニット5の
動作位置に正転方向または逆転方向に回転駆動される。
その回転位置と、点着ノズルユニット5の移動位置を制
御することにより、必要なノズルチップ12を取り出
し、必要な検体や希釈液、参照液を吸引し、必要により
混合するという、検体点着のための所定の動作が行われ
る。
【0029】またサンプラトレイ2の中央部には、乾式
分析素子11を搬送する搬送手段9(図2参照)を備え
る。この搬送手段9は、不図示の機構によってサンプラ
トレイ2の半径方向にスライド移動可能に配設された素
子搬送部材91(挿入レバー)を有し、この素子搬送部
材91の前進移動制御によってその先端部で乾式分析素
子11を押して検体カートリッジ7から自動的に取り出
して点着部4に搬送し、点着後の乾式分析素子11をイ
ンキュベータ3に搬送し、測定後にはインキュベータ3
の中心方向にさらに乾式分析素子11を搬送して廃却す
るように設けられている。そして、回転台21,22の
回転位置を制御して、順に検体カートリッジ7を点着部
4に対応する位置に停止させて、必要な乾式分析素子1
1を検体カートリッジ7から取り出すことができる。
【0030】検体カートリッジ7は、図2の形態のもの
の斜視図を図3に示すように、平面形状(上面および底
面)がサンプラトレイ2を分割した扇形になっており、
内側面7aおよび外側面7bが円弧状湾曲面に設けら
れ、左右側面が中心方向に向く斜面に設けられている。
この検体カートリッジ7は検体容器10を保持する検体
保持部71および乾式分析素子11を収容する素子保持
部72を備えている。
【0031】素子保持部72は検体カートリッジ7の上
面から略角筒状の凹部に形成され、上面に略矩形状に素
子装填口72aが開口し、この素子装填口72aから必
要枚数の乾式分析素子11が挿入され積み重ねられる。
所定の深さ位置の底面72bにおける内側面7aには乾
式分析素子11を押し出す素子搬送部材91が挿入でき
る挿入口72cが、反対側の外側面7bには収納した最
下段の乾式分析素子11を挿通させて押し出すことがで
きる素子取出口72dが連通して開口されている。挿入
口72cから挿入された素子搬送部材91によって素子
保持部72内の最下段の乾式分析素子11が外周側に押
され、素子取出口72dから点着部4の方向に取り出さ
れる。なお、素子保持部72に挿入した乾式分析素子1
1の上部に重りを搭載し、乾式分析素子11を下方に押
圧して素子搬送部材91による取り出しが確実に行える
ようにするのが好適である。
【0032】挿入口72cは乾式分析素子11の幅より
狭く形成され、乾式分析素子11が内側面7aの方向に
飛び出さないようになっている。素子取出口72dは1
枚の乾式分析素子11のみが挿通可能に、その上下方向
の開口高さが乾式分析素子11の2枚の厚み以下に形成
されている。なお、素子搬送部材91は素子取出口72
dを通ってさらに前進して乾式分析素子11を搬送す
る。
【0033】また、検体保持部71は検体カートリッジ
7の上面から略円筒状の凹部に形成され、上面に略円形
状に装填口71aが開口し、採血管等の検体容器10が
挿入され、所定の深さ位置の底面71bに保持される。
この検体保持部71は、検体カートリッジ7が内側面7
aが狭く外側面7bが広く形成され、矩形状の素子保持
部72の側方部が外側面7bの近傍で広くなった部分に
配置して、比較的寸法の大きい採血管等の検体容器10
の装填が行えると共に、前記素子搬送部材91と干渉し
ないような構造にしている。また、このような配置にす
ることにより、面積を有効に使い、サンプラトレイ2を
小型化できる。
【0034】図1に示す形態の検体カートリッジ7で
は、素子保持部72には内側面7aおよび外側面7bに
連通開放する縦溝が設けられ、乾式分析素子11の両側
辺を指で保持したまま上端の素子装填口72aから内部
に装填できる構造となっている。また検体保持部71に
ついても、内側面7aおよび外側面7bに開放した構造
となっている。
【0035】なお、血漿濾過が必要な検体については、
図1に示すように、検体カートリッジ7に納めた検体容
器10の上端に濾過フィルターを備えたホルダー16を
装着しておく。
【0036】また、検体カートリッジ7は、その他の形
態に設けてもよく、例えば、素子保持部72をカートリ
ッジ内に形成し、その内部には下方に付勢された押え部
材を上下摺動可能に設け、押え部材の上部空間には乾燥
剤を装填し、上端を蓋で密閉してなり、乾式分析素子1
1は素子取出口72dから斜めに順に押し込んで装填す
るように構成してもよい。
【0037】上記のような検体カートリッジ7は任意に
回転台21,22に装填でき、測定前の検体カートリッ
ジ7の入れ替えも可能で、緊急割り込みの検体を収容し
た検体カートリッジ7を直ちに測定できるように入れ替
えることができる。なお、検体カートリッジ7には識別
部材が配設され、サンプラトレイ2への検体カートリッ
ジ7の装填が検出され、検体ID、濾過の有無等が識別
される。また、上記検体カートリッジ7と同形状である
図2に示す消耗品カートリッジ8は、収容した消耗品の
残量が少量になったときは、予めノズルチップ12およ
び混合カップ13を載置した新しい消耗品カートリッジ
8を用意して入れ替えることができる。
【0038】ここで、検体カートリッジ7に装填される
乾式分析素子11について説明する。検体の呈色度合を
測定するために使用される比色タイプの乾式分析素子1
1は矩形状のマウント内に試薬層が配設されてなり、マ
ウントの表面に点着孔が形成され、点着孔には検体が点
着される。検体のイオン活性を測定するために使用され
る電解質タイプの乾式分析素子11は、2箇所の液供給
孔が形成されている。一方の液供給孔には検体が点着さ
れ、他方の液供給孔にはイオン活量が既知である参照液
が点着される。また、イオン活量を測定するために電位
差測定手段の電位測定用プローブと電気的に接続される
3対のイオン選択電極対が形成されている。両乾式分析
素子11の裏面には検査項目などを特定するための情報
が記録されたバーコード(図示せず)が付設されてい
る。
【0039】前記点着部4(図2)は、乾式分析素子1
1に血漿、全血、血清、尿などの検体を点着するもの
で、点着ノズルユニット5によって比色測定タイプの乾
式分析素子11には検体を、電解質タイプの乾式分析素
子11には検体と参照液を点着する。
【0040】この点着部4には、乾式分析素子11の底
面を受ける載置台41と、上方の点着用開口を有する素
子押え(図示せず)が設置され、両者の間を乾式分析素
子11が移動する。点着部4の前段部分には、図示して
ないが、乾式分析素子11に設けられたバーコードを読
み取るためのバーコードリーダーが設置されている。こ
のバーコードリーダーは、検査項目などを特定し、後の
点着、測定を制御するため、および乾式分析素子11の
搬送方向(前後、表裏)を検出するために設けられてい
る。
【0041】点着ノズルユニット5(図1)は検体のサ
ンプリングを行うもので、横方向に水平移動する横移動
ブロック51に上下移動する2つの上下移動ブロック5
2,52が設けられ、2つの上下移動ブロック52,5
2にそれぞれ固定された2つの点着ノズル53,53を
有している。横移動ブロック51、2つの上下移動ブロ
ック52,52は、図示しない駆動手段により横移動お
よび上下移動が制御され、2つの点着ノズル53,53
は、一体に横移動すると共に、独自に上下移動するよう
になっている。例えば、一方の点着ノズル53は検体用
であり、他方の点着ノズル53は希釈液用および参照液
用である。
【0042】両点着ノズル53,53は棒状に形成さ
れ、内部に軸方向に延びるエア通路が設けられ、下端に
はピペット状のノズルチップ12がシール状態で嵌合さ
れる。この点着ノズル53,53にはそれぞれ不図示の
シリンジポンプ等に接続されたエアチューブが連結さ
れ、吸引・吐出圧が供給される。使用後のノズルチップ
12はチップ抜取り部で外されて落下廃却される。
【0043】インキュベータ3は、点着部4の延長位置
に配置され、図2に示すように、円盤状の回転部材31
が図示しない回転駆動機構によって回転可能に設けら
れ、回転部材31の上には不図示の上位部材が配設さ
れ、回転部材31の円周上に乾式分析素子11を収納す
る素子室32が所定間隔で複数配設されてなる。素子室
32の底面の高さは点着部4の搬送面の高さと同一に設
けられ、点着部4から挿入された乾式分析素子11を素
子室32内で、上位部材に付設された加熱手段の温度調
整によって所定温度にインキュベーション(恒温保持)
する。
【0044】また、回転部材31の内孔は廃却口33に
形成され、素子室32の測定後の乾式分析素子11がそ
のまま中心側に移動されると廃却口33に落下廃却され
る。なお、インキュベータ3の上面にはカバーが配設さ
れ、廃却口33の下方には測定後の乾式分析素子11を
回収する回収箱が配設される。
【0045】上記インキュベータ3には乾式分析素子1
1の測定を行う不図示の測定手段を備える。インキュベ
ータ3には比色タイプの乾式分析素子11と電解質タイ
プの乾式分析素子11とが搬送されるもので、両者の測
定が行える測定手段(測光手段と電位差測定手段)を備
える。なお、点着部4の側方に電位差測定手段を備えた
第2のインキュベータを配設し、これには電解質タイプ
の乾式分析素子11を分離搬送して、その電位差測定を
行うようにしてもよい。
【0046】比色測定法の場合は、回転部材31の各素
子室32の底面中央に測光用の開口が形成され、この開
口を通して測定手段の測光ヘッドによる乾式分析素子1
1の反射光学濃度の測定が行われる。インキュベータ3
は回転部材31が往復回転駆動され、所定回転位置の下
方に配設された測光ヘッドに対して、順次素子室32の
乾式分析素子11の呈色反応の光学濃度の測定を行い、
この一連の測定の後、逆回転して基準位置に復帰し、次
の測定を行うように、所定角度範囲内で往復回転駆動を
行うように制御するものである。
【0047】また、イオン活量を測定する場合は、素子
室32の側辺部に、イオン活量測定のための3対の開口
が形成され、電位差測定手段の3対の電位測定用プロー
ブが乾式分析素子11のイオン選択電極に接触可能に設
けられる。そして、一方の液供給孔に検体が、他方の液
供給孔に参照液が点着された乾式分析素子11では、イ
オン選択電極対の間にそれぞれ参照液と検体との間のイ
オン活量の差に対応する電位差が発生するため、電位測
定用プローブにより各イオン選択電極対から生ずる電位
差を測定すれば検体中の各イオン活量が測定できる。
【0048】次に、血漿濾過ユニット6(図1)は、サ
ンプラトレイ2に保持された検体容器10(採血管)の
内部に挿入され上端開口部に取り付けられたガラス繊維
からなるフィルターを有するホルダー16を介して血液
から血漿を分離吸引し、ホルダー16上端のカップ部に
濾過された血漿を保持するようになっている。負圧を作
用させる吸引部61の先端下方側にはホルダー16と吸
着する吸盤部62が設けられ、この吸盤部62は不図示
のポンプと接続される。吸引部61は支持柱63に対
し、不図示の昇降機構により昇降移動するように支持さ
れている。
【0049】そして、血液からの血漿の分離は、吸引部
61を下降して検体容器10のホルダー16に密着させ
る。ポンプを駆動して、検体容器10内の全血を吸い上
げフィルターにより濾過しカップ部に血漿が供給され
る。その後、吸引部61を上昇して元の位置に移動して
濾過を終了する。
【0050】図1は上記のような機構を装置本体17
(ケース)に設置した生化学分析装置1の外観を示すも
のであり、インキュベータ3の上部には操作パネル18
が配設されている。サンプラトレイ2、点着ノズルユニ
ット5は開閉可能な透明保護カバー19によって覆われ
ている。サンプラトレイ2に対する検体カートリッジ7
の装填、交換は、保護カバー19を開いて(外して)行
われる。
【0051】次いで、本実施形態の動作について説明す
る。まず、分析を行う前に、装置外で検体カートリッジ
7に対し検体を収容した検体容器10およびその測定項
目に対応した種類の乾式分析素子11を1枚ずつ包装を
破って取り出して装填する。この検体カートリッジ7
を、保護カバー19を外してサンプラトレイ2に装填す
る。検体が複数の場合には、それぞれの検体に対応した
検体カートリッジ7を装填する。また、消耗品であるノ
ズルチップ12、混合カップ13、希釈液容器14およ
び参照液容器15をサンプラトレイ2に装填する。図2
の形態では消耗品カートリッジ8を装填する。
【0052】その後、分析処理をスタートする。なお、
緊急検体を収容した検体カートリッジ7の場合には、測
定動作を一時停止させて、空いている部分または装填さ
れている検体カートリッジ7を外して緊急検体用の検体
カートリッジ7を装填する。
【0053】まず、血液濾過ユニット6により、検体容
器10内の全血を濾過して血漿成分を得る。次に、サン
プラトレイ2を回転させて測定する検体の検体カートリ
ッジ7を点着部4に対応する位置に停止させる。搬送手
段9の素子搬送部材91によりその検体カートリッジ7
から乾式分析素子11を点着部4に搬送する。その搬送
途中にバーコードリーダーにより乾式分析素子11に設
けられたバーコードが読み取られ、乾式分析素子11の
検査項目などを検出する。読み取られた検査項目がイオ
ン活量測定の場合、希釈依頼項目の場合等に応じて異な
る処理を行う。
【0054】読み取られた検査項目が比色測定の場合
は、サンプラトレイ2を回転させて点着ノズル53の下
方にノズルチップ12を移動させ、点着ノズル53に装
着する。続いて検体容器10を移動させ、点着ノズル5
3を下降してノズルチップ12に検体を吸引し、点着ノ
ズル53を点着部4に移動して、乾式分析素子11に検
体を点着する。
【0055】そして、検体が点着された乾式分析素子1
1がインキュベータ3に挿入される。乾式分析素子11
が挿入されると、インキュベータ3の素子室32を回転
して、挿入された乾式分析素子11を順次測光ヘッドと
対向する位置に移動する。そして、所定時間後測光ヘッ
ドによる乾式分析素子11の反射光学濃度の測定が行わ
れる。測定終了後、素子室32を挿入時の位置に戻し、
素子搬送部材91によって測定後の乾式分析素子11を
中心側に押し出して廃却する。測定結果を出力し、使用
済みのノズルチップ12を点着ノズル53から外して処
理を終了する。
【0056】次いで、検査項目が希釈依頼項目の場合、
例えば血液の濃度が濃すぎて正確な検査を行うことがで
きないような場合には、サンプラトレイ2を移動してノ
ズルチップ12を点着ノズル53に装着する。次にサン
プラトレイ2を移動して検体上で点着ノズル53を下降
してノズルチップ12に検体を吸引する。サンプラトレ
イ2を移動して吸引した検体をノズルチップ12から混
合カップ13に分注した後、使用済みのノズルチップ1
2を外す。次いで、新しいノズルチップ12を点着ノズ
ル53に装着し、希釈液容器14からノズルチップ12
に希釈液を吸引する。吸引した希釈液をノズルチップ1
2から混合カップ13に吐出する。そして、ノズルチッ
プ12を混合カップ13内に挿入して吸引と吐出とを繰
り返して撹拌を行う。撹拌を行った後、希釈した検体を
ノズルチップ12に吸引し、希釈した検体を吸引した点
着ノズル53を点着部4に移動して、乾式分析素子11
に検体を点着する。以下同様に、測光、素子廃却、結果
出力およびチップ廃却を行って処理を終了する。
【0057】次いで、検査項目がイオン活量の測定の場
合について説明する。なお、イオン活量の測定の場合
は、電解質タイプの乾式分析素子11が搬送される。ま
ず、一方の点着ノズル53にノズルチップ12を装着
し、検体を吸引する。次に、他方の点着ノズル53にノ
ズルチップ12を装着し、参照液容器15から参照液を
吸引する。次いで、一方の点着ノズル53により検体を
乾式分析素子11の一方の液供給孔に点着し、さらに、
他方の点着ノズル53により参照液を乾式分析素子11
の他方の液供給孔に点着する。
【0058】そして、検体および参照液が点着された乾
式分析素子11が、点着部4からインキュベータ3の素
子室32に挿入される。この乾式分析素子11がインキ
ュベータ3に挿入されると、電位差測定手段によるイオ
ン活量の測定が行われる。測定終了後、素子搬送部材9
1によって測定後の乾式分析素子11をインキュベータ
3の中心部の廃却口33に廃却する。そして測定結果を
出力し、両方の使用済みのノズルチップ12,12を両
点着ノズル53,53から外して廃却し、処理を終了す
る。
【0059】上記のような実施の形態では、回転駆動さ
れる円形状のサンプラトレイ2に、1つの検体容器10
とその測定用の乾式分析素子11をそれぞれ収納した複
数の検体カートリッジ7を装填し、ノズルチップ12お
よび混合カップ13等の消耗品は予めサンプラトレイ2
にまとめて装填したことにより、複数種類の検体を必要
な乾式分析素子11と組にして装填することができ、装
填操作が間違いなく容易に行え、測定中に乾式分析素子
11が不足せず、開封した乾式分析素子11を直ぐに装
填するために、使用期限過ぎの乾式分析素子11の廃棄
がなくなり、緊急検体にも対応でき、オペレータの作業
が容易となり、効率の良い測定処理がコンパクトな装置
構成を確保しつつ行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態における生化学分析
装置の概略構成を示す斜視図
【図2】他の形態の生化学分析装置の要部機構の平面配
置図
【図3】図2の検体カートリッジの斜視図
【符号の説明】
1 生化学分析装置 2 サンプラトレイ 3 インキュベータ 4 点着部 5 点着ノズルユニット 7 検体カートリッジ 8 消耗品カートリッジ 9 搬送手段 10 検体容器 11 乾式分析素子 12 ノズルチップ 13 混合カップ 14 希釈液容器 15 参照液容器 21,22 回転台 31 回転部材 32 素子室 53 点着ノズル 71 検体保持部 72 素子保持部 72c 挿入口 72d 素子取出口 91 素子搬送部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G058 AA07 BA02 BA07 BB09 BB15 CB04 CD03 CD12 CF02 CF16 CF21 CF28 EA02 EA11 ED02 ED35 FA04 FA07 GA02 GA11 GC02 GC05 HA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体およびその測定に必要な乾式分析素
    子を収納する円形のサンプラトレイと、該サンプラトレ
    イに収納した検体を吸引し乾式分析素子に点着する点着
    ノズルユニットと、検体が点着された乾式分析素子を恒
    温保持するインキュベータとを備えた生化学分析装置に
    おいて、 前記サンプラトレイには、該サンプラトレイが分割され
    た平面形状を有する複数の検体カートリッジを着脱可能
    に装填し、各検体カートリッジは1つの検体容器とその
    測定項目に対応する種類の乾式分析素子を収納する保持
    部を有してなることを特徴とする生化学分析装置。
  2. 【請求項2】 前記サンプラトレイには、ノズルチップ
    等の共通に使用される消耗品を前記複数の検体カートリ
    ッジとは別に収納することを特徴とする請求項1に記載
    の生化学分析装置。
  3. 【請求項3】 前記消耗品を、前記サンプラトレイに着
    脱可能に装填する消耗品カートリッジに収納することを
    特徴とする請求項2に記載の生化学分析装置。
  4. 【請求項4】 前記サンプラトレイに装填した前記複数
    の検体カートリッジから乾式分析素子を取り出す素子搬
    送部材を、前記円形のサンプラトレイの中央部に配設し
    たことを特徴とする請求項1に記載の生化学分析装置。
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