JP2002180324A - 高強度ポリエチレン繊維 - Google Patents

高強度ポリエチレン繊維

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JP2002180324A JP2000376390A JP2000376390A JP2002180324A JP 2002180324 A JP2002180324 A JP 2002180324A JP 2000376390 A JP2000376390 A JP 2000376390A JP 2000376390 A JP2000376390 A JP 2000376390A JP 2002180324 A JP2002180324 A JP 2002180324A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散性に優れ、低繊度である高強度・高弾性率
ポリエチレン繊維を提供すること。 【解決手段】単繊維繊度が1.5dtex以下、引っ張
り強度が15cN/dtex以上、及び引っ張り弾性率
が300cN/dtex以上のポリエチレン繊維であ
り、カットファイバーとしたときの分散不良糸の割合が
2.0%以下である高強度ポリエチレン繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種スポーツ衣料
や防弾・防護衣料・防護手袋や各種安全用品などの高性
能テキスタイル、タグロープ・係留ロープ、ヨットロー
プ、建築用ロープなどの各種ロープ製品、釣り糸、ブラ
インドケーブルなどの各種組み紐製品、漁網・防球ネッ
トなどの網製品さらには化学フィルター・電池セパレー
ターや各種不織布の補強材あるいはテントなどの幕材、
又はヘルメットやスキー板などのスポーツ用やスピーカ
ーコーン用やプリプレグなどのコンポジット用の補強繊
維など、産業上広範囲に応用可能な新規な高強度ポリエ
チレン繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】高強度ポリエチレン繊維に関しては例え
ば、特公昭60―47922号公報に開示されるごと
く、超高分子量のポリエチレンを原料にし、いわゆる
“ゲル紡糸法”により従来にない高強度・高弾性率繊維
が得られることが知られており、既に産業上広く利用さ
れている。これらの高強度ポリエチレン繊維は高強度・
高弾性率である利点と反面して、繊維の弾性率の高さが
災いして各種用途で不具合を生じる場合が出てきてい
る。例えば、高強度ポリエチレン繊維を通常の布帛とし
て使用する場合、風合いが非常に堅く、着心地という観
点からは極めて不向きである。又、高強度ポリエチレン
繊維を防弾チョッキに用いる場合、近年の非常に高い対
象脅威の向上に対しては、その織物の積層枚数を増加さ
せる必要があり、結果として布帛の厚みが増し運動性を
低下させるという問題点から、低目付で非常に強い繊維
が望まれていた。さらに、近年各種電池用セパレータ用
に各種オレフィン系の繊維・フィルムが使用されつつあ
るが、その不織布あるいはその補強材として高強度ポリ
エチレン繊維を用いる場合に、電池をよりコンパクト化
したいという要求に対して、高強度を維持したままで薄
目付の不織布を製造可能とするような高強度ポリエチレ
ン繊維が求められていた。
【0003】特開平12−1111公報に開示されるが
ごとく、超高分子量にポリエチレンを原料にし、いわゆ
る“ゲル紡糸法”により、従来にない、低繊度の高強度
・高弾性率繊維が開示されている。しかしながらこのよ
うにゲル紡糸法用いて低繊度の高強度ポリエチレン繊維
を製造する場合、溶媒を用いることから繊維に融着が生
じてしまう欠点があった。特に極細の繊維を得る場合紡
糸張力が高くなることにより延伸張力も上昇し融着が起
こりやすい。また、特許第3034934号に重量平均
分子量600,000〜1,500,000である高分
子量ポリエチレンを延伸して製造される単繊維繊度が1
6.7dtex以下の高強度ポリエチレン繊維が開示さ
れているが、該特許で到達されている単繊維繊度は高々
2.4dtexであり、本発明で得られる様な1.5d
tex以下であるような高強度ポリエチレン繊維は得ら
れていない。
【0004】溶融紡糸による高強度ポリエチレン繊維に
関しては例えば、USP4228118に開示されてい
る。同特許によれば、強度17.1cN/dtex、弾
性率754cN/dtexの高強度ポリエチレン繊維が
開示されているもののその繊維の単繊維繊度はたかだか
2.0dtexである。このように溶融紡糸では、1.
5dtex以下であるような高強度ポリエチレン繊維は
得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら、広範な要求に
対応するもっとも有効な手段は繊維の強度を維持したま
ま単繊維繊度を低減することである。しかしながら溶融
紡糸で得れられる15.0cN/dtexを越えるよう
な高強度ポリエチレン繊維の単繊維繊度は2.0乃至
5.0dtexが通常であり、例えば本発明のような
1.5dtex以下はもとより1.0dtexというレ
ベルにおいての低繊度の糸は、仮に極く瞬間的にそれを
得ることができても、工業的に実施し得る十分の生産性
でそれらを得ることはこと実上不可能であり、仮に可能
となっても繊維の物性が著しく低下し、実用に供せられ
るものでは無かった。一方ゲル紡糸を用いることで、
0.5dtex以下の高強度ポリエチレン繊維を得るこ
とが可能であるが、ゲル紡糸で得られた単繊維繊度の低
い高強度ポリエチレン繊維には、単繊維間の融着が多数
存在し目的とする均一な低繊度の糸を得ることは極めて
困難である。
【0006】この原因について発明者らは、以下のよう
に推定している。すなわち、溶融紡糸に於いてはポリマ
ー中の分子鎖のからみ合いが非常に多いためにノズルか
らポリマーを押し出し引き取った後充分延伸を行えない
ことが挙げられる。さらに、溶融紡糸を行う為には、分
子量が100万を越える様な超高分子量ポリマーは実質
的に使用することが不可能である。その為、たとえ低繊
度ができたとしても強度が低いものとなる。逆に、分子
量が100万を越える超高分子量のポリエチレンを用い
た、分子鎖のからみあいを少なくするために前述のゲル
紡糸という手法があるが、極細の繊維を得るために紡糸
・延伸張力が高くなることや、溶剤を紡糸時使うことや
繊維の融点以上で延伸を行うことにより繊維に融着が生
じてしまい、目的とする繊度の均一な糸を得ることがで
きない。特にカットファーバーを抄紙した場合融着した
繊維が欠点となり、不織布の物性が低下する。このよう
な従来のゲル紡糸や溶融紡糸のような手法では得ること
が困難であった非常に低繊度でかつ高強度ポリエチレン
繊維を得ることに成功し本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、単繊
維繊度が1.5tex以下であり引っ張り強度が15c
N/dtex以上かつ引っ張り弾性率が300cN/d
texのポリエチレン繊維であり、カットファイバーと
したときの分散不良糸の割合が2%以下であることを特
徴とする高強度ポリエチレン繊維を提供する。以下本発
明を詳述する
【0008】本発明における高強度ポリエチレン繊維の
単繊維の平均繊度は1.5dtex以下であることが肝
要で、1.0dtex以下であることが好ましい、さら
に好ましくは0.5dtex以下である。1.5dte
xを超えると繊維の低繊度化に対しての効果が小さくな
る。既存の例えば単繊維繊度が1.5dtex以上のも
のと優位差が小さくなる。例えば、布帛にした場合の剛
直さに関して、0.5dtex付近を境にして布帛の柔
軟度に関しての官能的評価で臨界点があることが実験的
に判明している。又、1.5dtexを超えると不織布
の厚み低減においても効果が十分で無くなる。
【0009】このように本発明の繊維は平均繊度の極め
て小さいものであるが、従来の知見によるとその繊維物
性は低いものとなる。つまり、単繊維繊度が1.5dt
ex以下であり、引っ張り強度15cN/dtex、引
っ張り弾性率300cN/dtexを越える様な高強度
ポリエチレン繊維は、ゲル紡糸の様な複雑な手法を用い
るしか達成することができなかった。しかしながら前述
のようにゲル紡糸法を用いると、極細の繊維を得るため
に紡糸・延伸張力が高くなることや、溶剤を紡糸時使う
ことや繊維の融点以上で延伸を行うことにより繊維に融
着が生じてしまい、目的とする繊度の均一な糸を得るこ
とができない。特にカットファーバーを抄紙した場合融
着した繊維が欠点となり、不織布の物性が低下する。つ
まりこれまで用いられた手法では、低繊度かつ高強度・
高弾性率かつ繊維間の融着の無い高強度ポリエチレン繊
維を得ることはできなかった。しかしながら、発明者ら
は鋭意努力し例えば後述の製造方法を採用することによ
り、低繊度であるにもかかわらず、強度及び弾性率が従
来のものと同等程度かつ分散性に優れる繊維を得ること
を可能とした。
【0010】本発明に係る繊維を製造する方法は、上述
のごとく慎重でかつ新規な製造法を採用する必要であ
り、例えば以下のような方法が推奨されるが、それに限
定されるものでは無い。すなわち本発明に係る繊維の製
造に当たっては、原料ポリエチレンの重量平均分子量が
60,000〜600、000であることが望ましく、
繊維状態での重量平均分子量が50,000〜300,
000であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(M
w/Mn)が4.5以下となることが望ましい。好まし
くは、原料ポリエチレンの重量平均分子量が60,00
0〜300、000であることが重要であり、繊維状態
での重量平均分子量が50,000〜200,000で
あり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/M
n)が4.0以下となることが重要である。さらに好ま
しくは、原料ポリエチレンの重量平均分子量が60,0
00〜200、000であることが重要であり、繊維状
態での重量平均分子量が50,000〜150,000
であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/M
n)が3.0以下となることが望ましい。
【0011】本発明におけるポリエチレンとは、その繰
り返し単位が実質的にエチレンであることを特徴とし、
少量の他のモノマー例えばα−オレフィン,アクリル酸
及びその誘導体,メタクリル酸及びその誘導体,ビニル
シラン及びその誘導体などとの共重合体であっても良い
し、これら共重合物どうし、あるいはエチレン単独ポリ
マーとの共重合体、さらには他のα−オレフィン等のホ
モポリマーとのブレンド体であってもよい。特にプロピ
レン,ブテンー1などのαオレフィンと共重合体を用い
ることで短鎖あるいは長鎖の分岐をある程度含有させる
ことは本繊維を製造する上で、特に紡糸・延伸において
の製糸上の安定を与えることとなり、より好ましい。し
かしながらエチレン以外の含有量が増えすぎると反って
延伸の阻害要因となるため、高強度・高弾性率繊維を得
るという観点からはモノマー単位で0.2mol%以
下、好ましくは0.1mol%以下であることが望まし
い。もちろんエチレン単独のホモポリマーであっても良
い。また、繊維状態の分子量分布を上記値にコントロー
ルする為に溶解押し出し工程や紡糸工程で意図的にポリ
マーを劣化させても良いし、予め狭い分子量分布を持つ
例えばメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン
を使っても良い。
【0012】原料ポリエチレンの重量平均分子量が6
0,000未満となると溶融成形加工をし易いものの分
子量が低い為に実際に得られる糸の強度は小さいものと
なる。また、原料ポリエチレンの重量平均分子量が60
0、000を越えるような高分子量ポリエチレンでは溶
融粘度が極めて高くなり、溶融成型加工が極めて困難と
なる。又、繊維状態の重量平均分子量と数平均分子量の
比が4.5以上となると同じ重量平均分子量のポリマー
を用いた場合と比較し最高延伸倍率が低く又、得られた
糸の強度も低くなる。これは、緩和時間の長い分子鎖が
延伸を行う際に延びきることができずに破断が生じしま
うことと、分子量分布が広くなることによって低分子量
成分が増加するために分子末端が増加することにより強
度低下が起こると推測している。
【0013】本発明の推奨する製造方法においては、こ
のようなポリエチレンを押し出し機で溶融押し出ししギ
アポンプにて定量的に紡糸口金を介して吐出させる。押
し出された糸は一定の温度に保たれた保温筒を通り、そ
の後急冷された後所定の速度で引き取られる。保温区間
は、概繊維の結晶分散温度より高く概繊維の融点より低
いことが望ましい。さらに望ましくは、概繊維の融点よ
り少なくとも10度低く概繊維の結晶分散温度より少な
くとも10度以上高くすると良い。急冷する為には通常
気体が用いられるが、もちろん冷却効率を上げる為に液
体を用いても良い。気体に関しては空気、液体に関して
は水を用いることが望ましい。
【0014】該繊維を延伸することにより、場合によっ
ては多段に延伸することにより高強度のポリエチレン繊
維を製造することが可能となる。この時紡糸した糸状を
巻き取ること無し連続的に延伸しても良いし、一度巻き
取った後に延伸してもよい。
【0015】本発明においては、まずノズル下で紡糸口
金から押しだされた糸状を保温区間に於いて概繊維の結
晶分散温度より高く概繊維の融点より低い温度で保温
し、その後すぐに急冷させることが重要である。これに
より、高い紡糸速度で紡糸が可能となり、また低繊度ま
で延伸が可能な未延伸しを得ることが可能となる、さら
に繊維数が増加した場合でも繊維の融着を防止すること
が可能となる。
【0016】以下に本発明における特性値に関する測定
法および測定条件を説明する。
【0017】(強度・弾性率)本発明における引っ張り
強度,弾性率は、オリエンティック社製「テンシロン」
を用い、試料長200mm(チャック間長さ)、伸長速
度100%/分の条件で歪ー応力曲線を雰囲気温度20
℃、相対湿度65%条件下で測定し、曲線の破断点での
応力を強度(cN/dtex)、曲線の原点付近の最大
勾配を与える接線より弾性率(cN/dtex)を計算
して求めた。なお、各値は10回の測定値の平均値を使
用した。
【0018】(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn
及びMw/Mn)重量平均分子量Mw、数平均分子量M
n及びMw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置
としては、Waters製GPC 150C ALC/
GPCを持ち、カラムとしてはSHODEX製GPC
UT802.5を一本UT806Mを2本用いて測定し
た。測定溶媒は、o−ジクロロベンゼンを使用しカラム
温度を145度した。試料濃度は1.0mg/mlと
し、200マイクロリットル注入し測定した。分子量の
検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により分
子量既知のポリスチレン試料を用いて構成されている。
【0019】(分散性試験)あらかじめ脱油を行った1
0mm長にカットした繊維を約0.02g秤量し、30
0mlの蒸留水に投入し、回転数が60rpmのスター
ラにて1分間攪拌する。その後、#300メッシュの金
属性フィルターにて濾し取り、室温で24時間風乾させ
る。乾燥後、ルーペで観察しながら、繊維が2本以上融
着している繊維塊をピックアップする。その重量を秤量
し、分散不良糸の含有率を算出する。n=10の試験を
行い、その平均値で評価した。分散不良糸の割合は以下
の式で計算される。 分散不良糸の割合(%)=(分散不良糸の重量)×10
0÷(カットファイバーの重量)
【実施例】以下、実施例をもって本発明を説明する。
【0020】(実施例1)重量平均分子量115,00
0、重量平均分子量と数平均分子量の比が2.3である
高密度ポリエチレンを0.8mm10Hからなる紡糸口
金から290度で単孔吐出量0.5g/minの速度で
押し出した。押し出された繊維は、110度に加熱され
た長さ15cmの保温筒を通りその後20度に保たれた
冷却バスでクエンチされ、300m/min速度で巻き
取られる。該未延伸糸を、100度に加熱し10m/m
inで供給し2倍の延伸を行った。さらにその後130
度まで加熱し7倍の延伸を行い、延伸糸を得た。得られ
た繊維の物性を表1に示した。
【0021】(実施例2)巻き取り速度を500m/m
inにし、2段目の延伸倍率を4.1倍にした以外は実
施例1と同様に実験を行った。得られた繊維の物性を表
1に示した。
【0022】(実施例3)該未延伸糸を、100度に加
熱し10m/minで供給し2倍の延伸を行った。さら
にその後130度まで加熱し14倍の延伸を行い、延伸
糸を得た以外は実施例1と同様に実験を行った。延伸糸
の物性を表1に示した。
【0023】(実施例4)該未延伸糸を、100度に加
熱し10m/minで供給し2倍の延伸を行った。さら
にその後130度まで加熱し20倍の延伸を行い、延伸
糸を得た以外は実施例1と同様に実験を行った。延伸糸
の物性を表1に示した。
【0024】(実施例5)重量平均分子量152,00
0、重量平均分子量と数平均分子量の比が2.4である
高密度ポリエチレンを、0.9mm10Hの紡糸口金か
ら300度で単孔吐出量0.5g/minの速度で押し
出した以外は実施例1と同様にして未延伸糸を得た。未
延伸糸を、100Cに加熱し10m/minで供給し2
倍の延伸を行った。さらにその後135Cまで加熱し
8.0倍の延伸を行い、延伸糸を得た。延伸糸の物性を
表1に示した。
【0025】(比較例1)重量平均分子量3,200,
000、重量平均分子量と数平均分子量の比が6.3で
ある超高分子量ポリエチレンを10wt%およびデカヒ
ドロナフタレン90wt%のスラリー状の混合物を分散
しながら230度の温度に設定したスクリュー型の混練
り機で溶解し、170℃に設定した直径0.2mmを2
000ホール有する口金に計量ポンプにて単孔吐出量
0.08g/minで供給した。ノズル直下に設置した
スリット状の気体供給オリフィスにて1.2m/分の速
度で100℃に調整した窒素ガスをできるだけ糸条に均
等に当たるようにして繊維の表面のデカリンを積極的に
蒸発させ、その直後30度に設定された空気流にて実質
的に冷却し、ノズル下流に設置されたネルソン状のロー
ラーにて50m/分の速度で引き取られた、この際に糸
状に含有される溶剤は元の重量の約半分まで低下してい
た。引き続き、得られた繊維を100度の加熱オーブン
下で3倍に延伸した、引き続きこの繊維を149度に設
置した加熱オーブン中にて4.6倍で延伸した。途中破
断することなく均一な繊維が得ることができた。得られ
た繊維の物性を表2に示した。
【0026】(比較例2)重量平均分子量125,00
0、重量平均分子量と数平均分子量の比が4.9である
高密度ポリエチレンを0.8mm10Hからなる紡糸口
金から300度で単孔吐出量0.6g/minの速度で
押し出した。押し出された繊維は、270度に加熱され
た長さ60cmのホットチューブを通りその後20度に
保たれた空気によりクエンチされ、90m/min速度
で巻き取られる。該未延伸糸を、100Cに加熱し10
m/minで供給し2倍の延伸を行った。さらにその後
130Cまで加熱し15倍の延伸を行い、延伸糸を得
た。得られた繊維の物性を表2に示した。
【0027】(比較例3)比較例2の未延伸糸を100
Cに加熱し10m/minで供給し2倍の延伸を行っ
た。さらにその後130Cまで加熱し16倍の延伸を行
おうとしたが、糸切れが生じ延伸糸を得ることができな
かった。
【0028】(比較例4)重量平均分子量125,00
0、重量平均分子量と数平均分子量の比が6.7である
高密度ポリエチレンを実施例1と同様にして紡糸を行っ
た。得られた未延伸糸を100Cに加熱し10m/mi
nで供給し2倍の延伸を行った。さらにその後130C
まで加熱し7倍の延伸を行った。得られた繊維の物性を
表2に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】従来になく分散性に優れ、低繊度である
高強度・高弾性率ポリエチレン繊維の提供を可能とし
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単繊維繊度が1.5dtex以下、引っ張
    り強度が15cN/dtex以上、及び引っ張り弾性率
    が300cN/dtex以上のポリエチレン繊維であ
    り、カットファイバーとしたときの分散不良糸の割合が
    2.0%以下であることを特徴とする高強度ポリエチレ
    ン繊維。
  2. 【請求項2】単繊維繊度が1.0dtex以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高強度ポリエチレン繊
    維。
  3. 【請求項3】単繊維繊度が0.5dtex以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高強度ポリエチレン繊
    維。
  4. 【請求項4】分散不良糸の割合が1.0%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高強度
    ポリエチレン繊維。
  5. 【請求項5】繊維状態での重量平均分子量(Mw)が5
    0,000〜300,000であり、重量平均分子量と
    数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4.5以下
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の高強度ポリエチレン繊維。
  6. 【請求項6】繊維状態での重量平均分子量(Mw)が5
    0,000〜200,000であり、重量平均分子量と
    数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4.0以下
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の高強度ポリエチレン繊維。
  7. 【請求項7】繊維状態での重量平均分子量(Mw)が5
    0,000〜150,000であり、重量平均分子量と
    数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の高強度ポリエチレン繊維。
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