JP2002180036A - 高密度冷熱蓄熱輸送用組成物 - Google Patents

高密度冷熱蓄熱輸送用組成物

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JP2002180036A
JP2002180036A JP2000403997A JP2000403997A JP2002180036A JP 2002180036 A JP2002180036 A JP 2002180036A JP 2000403997 A JP2000403997 A JP 2000403997A JP 2000403997 A JP2000403997 A JP 2000403997A JP 2002180036 A JP2002180036 A JP 2002180036A
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aqueous solution
cyclodextrin
ice
formula
mix
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JP2000403997A
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Tatsu Nakada
達 中田
Kenji Sato
健次 佐藤
Sumiko Kuriyama
澄子 栗山
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地域冷暖房において、氷スラリーを用いる冷
熱蓄熱・輸送システムの開発が求められている。しか
し、氷粒子が結合し塊状化した場合、蓄熱槽内における
流動・伝熱の不良や輸送を困難にする等の問題がある。
氷の凝集・合一を防止する安定剤を開発し、安全に輸送
出来る氷スラリーの生成を目的とする。 【解決手段】 水又は各種ブライン水溶液又は有機化合
物水溶液又はそれらの混合水に、サッカロース誘導体又
はシクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体、
望ましくはポリオキシアルキレンサッカロース脂肪酸エ
ステルの1種類又は2種類以上の混合物を添加すること
により、高密度冷熱蓄熱輸送用組成物を完成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】夜間電力の有効利用を目的と
して、ビルの冷暖房や地域冷暖房において冷熱蓄熱材と
して冷水や氷を用いる冷熱蓄熱システムの開発が求めら
れている。冷水を用いる場合には、冷水の持つ顕熱差を
利用するために冷熱蓄熱密度が小さく蓄熱槽の容積が大
きくなる等の問題が指摘されている。氷を用いる場合に
は、氷の持つ大きな融解潜熱を利用する為に蓄熱密度が
大きくなる等の特徴があるが、蓄熱中に氷粒子が凝集
し、塊状化する等の問題点も指摘されている。さらに生
成した氷粒子のスラリーにより冷熱輸送を行う場合に
は、輸送中にパイプラインの淀み等において塊状化し、
輸送を困難にしている。この氷粒子の凝集・塊状化は、
氷粒子同士の接触による界面の融解・再固着によるもの
と考えられ、その特性から通常では防止出来ないもので
ある。水溶液にアルコール等を添加し、凝集を防止する
事が試みられているが、現状では、安定した運転を長期
間可能とするには課題も多いと考えられる。本発明の特
徴とするところは、水又は各種ブラインにサッカロース
誘導体又はシクロデキストリン又はシクロデキストリン
誘導体を添加する事により、長時間低温下で保持してお
いてもIPFが一定でかつ安定したスラリーとして存在
する氷スラリーの調製が可能であることを見出し、氷粒
子の凝集及び合一の無い氷スラリーを調製する事を可能
にした。本発明は、氷スラリーの調製時、貯蔵時及び輸
送時の問題、例えば氷粒子どうしが互いに結合し塊状化
する事による冷熱蓄熱槽内における流動・伝熱の不良、
輸送中にパイプラインの淀み等において塊状化し輸送を
困難にする、又伝熱管表面への氷の析出・付着による流
動・伝熱の不良、等のトラブルを防止する高密度冷熱蓄
熱輸送用組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】低温の熱(以下、冷熱という)を他の場
所に輸送するには、冷熱を一旦水等の液体に与えて液体
を低温とし、この低温となった液体は配管を介して流動
輸送する方法が採られている。ところが、水などの流体
を低温として輸送する冷熱輸送システムでは、低温流体
によって輸送される冷熱量がその顕熱差しかないので、
輸送される冷熱量は余り大きくはなく、また冷熱蓄熱密
度も小さく、冷熱蓄熱槽の容積が大きくなる等の問題点
が指摘されている。輸送される冷熱量を増大させるに
は、該冷熱量を流体が凝固する際に吸収する凝固熱の形
に一旦変換し、凝固した液体を輸送すると良い。一般に
は、冷熱によって水を凍らせて一旦氷を作り、当該氷を
輸送する方法が試みられているのが現状である。氷を用
いる場合には、氷の持つ大きな融解潜熱を利用するため
に冷熱蓄熱密度や冷熱輸送密度が大きくなるなどの特徴
を有している。しかしながら、氷スラリーを用いて冷熱
蓄熱・冷熱輸送する場合には、氷貯槽内において凝集・
塊状化した氷を搬送する事を考慮する必要があるととも
に、氷は水に比べはるかに小さい比重を持つことに起因
する、輸送配管中の曲がり部、弁部や各種淀み部などに
おけるブロックによる管路の閉塞化について十分に注意
をする必要があるなど氷の持つ大きな冷熱蓄熱密度、冷
熱輸送密度の利用には困難な面が多々ある。氷のように
輸送・貯蔵中に塊状化する性質を持つ物質を配管を用い
て効率良く輸送する事の出来る簡単な方法は現在の所ま
だ見出されていない。そこで従来は、小さな氷粒子から
なる氷スラリーを作り、当該氷スラリーを配管により輸
送する事が試みられてきた。しかしながら、この場合に
も、前記したように氷貯槽内において氷粒子の凝集・塊
状化、あるいは配管中の塊状化当が指摘され、氷スラリ
ーによる安定で効率の良い冷熱蓄熱・輸送はまだ出来て
いない。さらに水にアルコール等を添加し、氷粒子の凝
集・塊状化防止が試みられているが、長期間にわたり安
定した運転を可能とするには、まだ課題が多いのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来公知の氷スラ
リーを用いた冷熱蓄熱や冷熱輸送方法には、以下のよう
な問題点がある。例えば、水を急激に過冷却する装置が
必要であるため、装置全体が大型化する上、高コストと
なってしまう。又、氷スラリーを形成している氷粒子ど
うしが互いに結合しないように、氷スラリーの温度を一
定の範囲に制御する必要があるため、氷スラリーの取り
扱いが困難である。さらに生成した氷粒子のスラリーに
より冷熱輸送を行う場合には、輸送中にパイプラインの
淀み等において塊状化し、輸送を困難にしている。この
氷粒子の凝集・塊状化は、氷粒子同士の接触による界面
の融解・再固着によるものと考えられ、その特性から通
常では防止出来ないものである。そこで、水溶液にアル
コール等を添加し、凝集を防止する事が試みられている
が、現状では、安定した運転を長期間可能とするには課
題も多いと考えられる。又、氷を機械的に掻き砕いて氷
スラリーを製造するには、その掻き砕くための装置全体
が大型化し、かつ大きな動力が必要な事から高コスト化
してしまうなどの問題点がある。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者等は上記従来技
術の欠点を克服すべく鋭意研究を行った結果、氷スラリ
ーを調製する際に、水又は無機塩水溶液、グリコール水
溶液、低級アルコール水溶液などで代表されるブライン
成分の1種類あるいは数種類の混合水溶液、又は有機化
合物水溶液、又は前記ブライン水溶液と有機化合物水溶
液の混合水溶液に、氷粒子の凝集・合一を防止する安定
剤として、サッカロース誘導体又はシクロデキストリン
又はシクロデキストリン誘導体の1種類又は2種類以上
の混合物を、0.0005〜20wt%、性能及び経済
性から好ましくは0.1〜10wt%を添加する事によ
り、長時間低温下で保持しておいても氷の凝集及び合一
を防止し、IPF(氷スラリー中の氷充填率)が一定で
かつ安定したスラリーとして存在する事を可能にした。
冷熱蓄熱槽の安定した操作を可能とし、配管及びポンプ
によって所定の場所に安全に輸送出来、又伝熱管表面へ
の氷の析出・付着の防止効果のある氷スラリーを生成す
ることを見出し、本発明を完成したものである。この安
定剤は次に列記するサッカロース誘導体又はシクロデキ
ストリン又はシクロデキストリン誘導体であり、氷スラ
リー状態における氷の凝集及び合一を防止する効果を見
出した。
【0005】(1)安定剤が化5で示されるポリオキシ
アルキレン−サッカロースである高密度冷熱蓄熱輸送用
組成物。 式中Rはエチレン、プロピレン、ブチレンを意味し、
(RO)nで示されるポリオキシアルキレンはアルキ
レンの1種類が1モル以上付加反応して生成したブロッ
ク、又はアルキレンの2種類以上が2モル以上付加反応
して生成したブロック又はミックス又はブロック/ミッ
クスの混合である。n〜nは各々1〜50の整数を
示す。RはH又は脂肪酸と−OH基がエステル化反応
して生成した化6を表す。 は炭素原子が1〜36のアルキル、又は炭素原子が
2〜36のアルケニル、又は二重結合を2個以上有する
炭素原子が3〜36のジオレフィン系炭化水素、ポリオ
レフィン系炭化水素、又は炭素原子が2〜36のアセチ
レン系炭化水素である。
【0006】(2)安定剤が化7で示されるブドウ糖単
位の数のnが6のα−シクロデキストリン、又はnが7
のβ−シクロデキストリン又はnが8のγ−シクロデキ
ストリン、又はそれらの2種類以上を混合した物である
高密度冷熱蓄熱輸送用組成物。 式中R、R、Rは水素原子Hを示す。
【0007】(3)安定剤が化7で示されるアルキルポ
リオキシアルキレンシクロデキストリンである高密度冷
熱蓄熱輸送用組成物。式中R、R、Rは水素原子
H又は−C2m+1又は −(RO)Hのいず
れかを示す。但し、化7中に含有している−C
2m+1の数は1個以上である。mは1〜22の整数を
示す。Rはエチレン、プロピレン、ブチレンを意味
し、ポリオキシアルキレンはアルキレンの1種類が1モ
ル以上付加反応して生成したブロック、又はアルキレン
の2種類以上が2モル以上付加反応して生成したブロッ
ク、又はミックス、又はブロック/ミックスの混合であ
る。yは1〜50、nは6〜8の整数を示す。
【0008】(4)安定剤が化7で示されるポリオキシ
アルキレンシクロデキストリンである高密度冷熱蓄熱輸
送用組成物。式中R、R、Rは水素原子H、又は
−(RO)Hのいずれかを示す。但し、Rはエ
チレン、プロピレン、ブチレンを意味し、ポリオキシア
ルキレンはアルキレンの1種類が1モル以上付加反応し
て生成したブロック、又はアルキレンの2種類以上が2
モル以上付加反応して生成したブロック、又はミック
ス、又はブロック/ミックスの混合である。化7中に含
有している−(RO)Hの数は1個以上である。y
は1〜50、nは6〜8の整数を示す。
【0009】(5)安定剤が化7で示されるポリオキシ
アルキレンシクロデキストリンアルキル又はアルケニル
エステルである高密度冷熱蓄熱輸送用組成物。式中
、R、Rは水素原子H又は化6又は−(R
O)H又は化8のいずれかを示す。 但し、Rはエチレン、プロピレン、ブチレンを意味
し、ポリオキシアルキレンはアルキレンの1種類が1モ
ル以上付加反応して生成したブロック、又はアルキレン
の2種類以上が2モル以上付加反応して生成したブロッ
ク、又はミックス、又はブロック/ミックスの混合であ
る。Rは炭素原子が1〜36のアルキル又は炭素原子
が2〜36のアルケニルである。化7中に含有している
化6と化8の総数は1個以上である。yは1〜50、n
は6〜8の整数を示す。
【0010】本発明の高密度冷熱蓄熱輸送用組成物は、
水又は無機塩水溶液、グリコール水溶液及び低級アルコ
ール水溶液などで代表される各種ブライン成分の1種類
あるいは数種類の混合水溶液、又は有機化合物水溶液、
又は前記ブライン水溶液と有機化合物水溶液の混合水溶
液へ、サッカロース誘導体又はシクロデキストリン又は
シクロデキストリン誘導体の1種類又は2種類以上の混
合物を、0.0005〜20wt%、性能及び経済性か
ら好ましくは0.1〜10wt%含有する水溶液に、防
錆剤、スケール防止剤、スライム処理薬剤、分散剤、防
腐剤、消泡剤等の添加剤を必要に応じて所定量添加する
事により完成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、当該特許記載のサ
ッカロース誘導体又はシクロデキストリン又はシクロデ
キストリン誘導体を添加した水又は各種ブラインを低温
として凍らせた場合に、どのような現象が生ずるかを実
験した結果、当該サッカロース誘導体又はシクロデキス
トリン又はシクロデキストリン誘導体の添加により、長
時間低温下で保持して置いてもIPFが一定でかつ安定
したスラリーとして存在する事が出来る氷スラリーを調
製出来る事が可能であることを見出した。この事は、当
該サッカロース誘導体又はシクロデキストリン又はシク
ロデキストリン誘導体が、生成した氷結晶の成長をコン
トロールし、氷スラリーとして適切な形状の氷結晶を成
長させるとともに、氷結晶間にサッカロース誘導体又は
シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体を存
在させることにより、氷の凝集・合一を防止したと考え
られる。以下、後出の図1によって本発明の冷熱蓄熱・
冷熱輸送システムについて説明する。
【0012】
【実施例】本発明の実施例になる冷熱蓄熱・冷熱輸送シ
ステムの概略系統図を図1に示す。試験装置本体は、内
部に流動攪拌機構を装備し、また界面活性剤を加えた水
溶液を冷却するための熱交換器が設けられている。外部
の冷凍システムから送られてきたブラインにより冷却さ
れた水溶液の温度変化は、内部に設けられた温度計によ
り連続測定され、その温度変化を容易に知るために記録
計に連続記録される。氷スラリーの調製は、外部の冷凍
システムにより充分に冷却されたブラインを試験装置内
の熱交換器に流し、水溶液を冷却することにより行っ
た。氷スラリーの生成開始の判断は、試験装置内の温度
を連続記録し、その変化から判断した。IPFは、水溶
液に添加した食塩などの添加物の濃度を氷の生成前後で
測定し、これらの添加物の物質収支から求めた。所定の
氷充填率まで、氷を生成した後、試験装置内部の様子を
内視鏡ならびにビデオにより氷スラリーの様子を観察し
ながら8時間放置した。その後試験装置内部の氷スラリ
ーを内視鏡により観察するとともに、ビデオを再生し氷
スラリーの凝集状況を観察したところ、氷スラリー粒子
の凝集は見られず、極めて滑らかな氷スラリーとして存
在している事が観察された。
【0013】また、この氷スラリー溶液を、図1に示し
たように外部の冷熱利用熱交換機にポンプで送り、氷ス
ラリーの輸送状況を確認したところ、文献などで指摘さ
れている氷スラリーの分流や配管の淀み部で生じる凝集
・塊状化等は見られず、安定して輸送出来ることが確認
された。ここでは、氷スラリーの調製は、0.17℃/
minで水溶液を冷却して行ったが、当然の事ながら、
冷却速度は、これより大きくすることも小さくすること
も可能であり、この速度の大小により氷スラリー粒子の
凝集防止効果について変わることは無い。
【0014】試験結果の概要を実施例1〜7に示した。
この結果から、サッカロース誘導体又はシクロデキスト
リン又はシクロデキストリン誘導体の添加が無い時に
は、氷スラリーは容易に凝集していくが、界面活性剤を
添加することにより氷スラリーの凝集が無いことが明ら
かにされた。以上の実施例から、サッカロース誘導体又
はシクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体を
添加することにより、冷熱蓄熱槽内で生成させた氷スラ
リーは長期間、安定し滑らかな氷スラリーとして存在す
る事が明らかとなった。また滑らかな氷スラリーとして
存在する事から試験装置内に設けられた熱交換器を介し
ての熱交換が容易であり、安定した運転が可能となっ
た。滑らかな氷スラリーを生成させることが可能となっ
た事から、夜間電力を用いて氷スラリーを生成させ、昼
間のピーク時に、これらの冷熱を高率良く冷熱蓄熱槽か
ら、冷熱を必要とする箇所へ安定して輸送することが可
能となり、冷熱の高密度輸送が可能となった。
【0015】(実施例1)下記の化9で表すポリオキシ
アルキレンサッカロースを添加した場合。 式中Rはプロピレン、n〜nの総和は16、R
はHを示す。
【0016】
【表1】
【0017】試験条件 食塩添加量 : 0.3モル/L 冷却速度 : 0.17℃/Min 氷スラリーの凝集の状態:×凝集塊状化、△一部凝集あ
り、□凝集はないが流動性に欠ける、○凝集無し
【0018】(実施例2)化9で表すポリオキシアルキ
レンサッカロース脂肪酸エステルを添加した場合。式中
はエチレン、n〜nの総和は16、RはHが
4個でありオレイン酸とOH基がエステル化反応して生
成した 基は2個を示す。Rは−(CHCH=CH(C
CHを示す。
【0019】
【表2】
【0020】試験条件 食塩添加量 : 0.3モル/L 冷却速度 : 0.17℃/Min 氷スラリーの凝集の状態:×凝集塊状化、△一部凝集あ
り、□凝集はないが流動性に欠ける、○凝集無し
【0021】(実施例3)下記の化10で表すα−シク
ロデキストリンを添加した場合。 式中R、R、Rは水素原子Hを示す。ブドウ糖単
位の数のnは6を示す。
【0022】
【表3】
【0023】試験条件 食塩添加量 : 0.3モル/L 冷却速度 : 0.17℃/Min 氷スラリーの凝集の状態:×凝集塊状化、△一部凝集あ
り、□凝集はないが流動性に欠ける、○凝集無し
【0024】(実施例4)化10で示されるアルキルポ
リオキシエチレンシクロデキストリンを添加した場合。
式中R、R、Rは水素原子H、−CH、又は−
CHCHOHのいずれかを示す。但し、お互いに重
複しない。nは7を示す。
【0025】
【表4】
【0026】試験条件 食塩添加量 : 0.3モル/L 冷却速度 : 0.17℃/Min 氷スラリーの凝集の状態:×凝集塊状化、△一部凝集あ
り、□凝集はないが流動性に欠ける、○凝集無し
【0027】(実施例5)化10で示されるポリオキシ
アルキレンシクロデキストリンを添加した場合。式中R
、R、Rを示す。但し、nは7を示す。
【0028】
【表5】
【0029】試験条件 食塩添加量 : 0.3モル/L 冷却速度 : 0.17℃/Min 氷スラリーの凝集の状態:×凝集塊状化、△一部凝集あ
り、□凝集はないが流動性に欠ける、○凝集無し
【0030】(実施例6)化10で示されるトリアセチ
ル−β−シクロデキストリンを添加した場合。式中
、R、Rはアセチル を示す。但し、nは7を示す。
【0031】
【表6】
【0032】試験条件 食塩添加量 : 0.3モル/L 冷却速度 : 0.17℃/Min 氷スラリーの凝集の状態:×凝集塊状化、△一部凝集あ
り、□凝集はないが流動性に欠ける、○凝集無し氷スラ
リーの凝集の状態
【0033】(実施例7)化10で示されるアセチルポ
リオキシプロピレンシクロデキストリンを添加した場
合。式中R、R、Rのいずれか1個がアセチル を示し、残りの2個は を示す。但し、nは7を示す。
【0034】
【表7】
【0035】試験条件 食塩添加量 : 0.3モル/L 冷却速度 : 0.17℃/Min 氷スラリーの凝集の状態:×凝集塊状化、△一部凝集あ
り、□凝集はないが流動性に欠ける、○凝集無し
【0036】
【発明の効果】以上に説明した本発明による効果を列挙
すると、以下のとおりである。従来流動性のある氷スラ
リーを生成する製氷方式にはダイナミック型(動的製氷
法)により行われており、冷熱蓄熱槽ならびにその運転
方法に特別の工夫が必要であった。一方スタティック型
(静的製氷法)では、氷の生成は冷熱蓄熱槽内に設けら
れた冷却用伝熱管の表面上に行わせており、冷熱の蓄熱
・放熱時の熱交換速度が小さい等の問題点もあり、種々
の工夫が施されている。しかしながら本発明によれば、
ダイナミック型及びスタティック型において、冷熱蓄熱
槽内に設けられた伝熱管表面上に氷スラリーが生成・固
着する事もなく、流動性の良い氷スラリーとして存在す
る事は、冷熱蓄熱槽内における流動・伝熱に対して良い
効果を示すとともに、氷スラリーの取り扱いが簡単で容
易となる。実施例1〜7に示したように、サッカロース
誘導体又はシクロデキストリン又はシクロデキストリン
誘導体を利用すると、水溶液中でのサッカロース誘導体
又はシクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体
が氷結晶の成長する方向を一方向に制御する作用を行っ
ているものと思われ、その結果、例えば針状に成長した
結晶は、ある程度まで成長すると水溶液の流動のため破
砕され、氷の微細な針状結晶からなる氷スラリーとなっ
ているものと思われる。
【0037】また、サッカロース誘導体又はシクロデキ
ストリン又はシクロデキストリン誘導体を使用した氷ス
ラリーは、その生成時や生成後の成長過程において互い
に結合する事も無いため、長時間低温下で保持して置い
てもIPFが一定でかつ安定したスラリーとし存在する
事が出来る氷スラリーを調製出来る事が可能であること
を見出した。従って、ビルの冷暖房、地域冷暖房におい
て冷熱蓄熱材として氷の持つ大きな融解潜熱を利用する
事が可能になるとともに蓄熱中に氷粒子が凝集し塊状化
する問題、さらに生成した氷粒子のスラリーにより冷熱
輸送を行う場合に輸送中にパイプラインの淀み等におい
て塊状化し、輸送を困難にする等の問題点も解決し、ビ
ルの冷暖房、地域冷暖房において冷熱蓄熱材として氷を
用いる冷熱蓄熱システム及び冷熱輸送システムに極めて
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】サッカロース誘導体又はシクロデキストリン又
はシクロデキストリン誘導体の添加による氷スラリーの
凝集防止効果評価試験装置の図である。
【符号の説明】
1 冷凍システム 2 冷熱蓄熱槽 3 冷熱利用用熱交換機 4 冷熱利用 5 冷却用ブライン 6 攪拌機 7 ブライン用ポンプ 8 冷熱輸送用氷スラリーポンプ 9 温度計

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 氷スラリーを調製する際に、水又は無機
    塩水溶液、グリコール水溶液及び低級アルコール水溶液
    などで代表されるブライン成分の1種類あるいは数種類
    の混合水溶液、又は有機化合物水溶液、又は前記ブライ
    ン水溶液と有機化合物水溶液の混合水溶液に、サッカロ
    ース誘導体又はシクロデキストリン又はシクロデキスト
    リン誘導体の1種類又は2種類以上の混合物を0.00
    05〜20wt%添加する事により、長時間低温下で保
    持しておいても氷の凝集及び合一を防止し、IPF(氷
    スラリー中の氷充填率)が一定でかつ安定したスラリー
    として存在する事が出来る事により冷熱蓄熱槽の安定し
    た操作を可能とし、配管及びポンプによって所定の場所
    に安全に輸送出来、又伝熱管表面への氷の析出・付着防
    止効果のある氷スラリーを生成することを特徴とする高
    密度冷熱蓄熱輸送用組成物。
  2. 【請求項2】 サッカロース誘導体が化1で示される
    ポリオキシアルキレンサッカロース又はその脂肪酸エス
    テルである請求項1記載の高密度冷熱蓄熱輸送用組成
    物。 式中Rはエチレン、プロピレン、ブチレンを意味し、
    (RO)nで示されるポリオキシアルキレンはアルキ
    レンの1種類が1モル以上付加反応して生成したブロッ
    ク、又はアルキレンの2種類以上が2モル以上付加反応
    して生成したブロック又はミックス又はブロック/ミッ
    クスの混合である。n〜nは各々1〜50の整数を
    示す。RはH又は脂肪酸と−OH基がエステル化反応
    して生成した化2を表す。 は炭素原子が1〜36のアルキル、又は炭素原子が
    2〜36のアルケニル、又は二重結合を2個以上有する
    炭素原子が3〜36のジオレフィン系炭化水素、ポリオ
    レフィン系炭化水素、又は炭素原子が2〜36のアセチ
    レン系炭化水素である。
  3. 【請求項3】 シクロデキストリンが化3で示されるブ
    ドウ糖単位の数のnが6のα−シクロデキストリン、又
    はnが7のβ−シクロデキストリン、又はnが8のγ−
    シクロデキストリン、又はそれらの2種類以上を混合し
    た物である請求項1記載の高密度冷熱蓄熱輸送用組成
    物。 式中R、R、Rは水素原子Hを示す
  4. 【請求項4】 シクロデキストリン誘導体が請求項3
    記載の化3で示されるアルキルポリオキシアルキレンシ
    クロデキストリンである請求項1記載の高密度冷熱蓄熱
    輸送用組成物。式中R、R、Rは水素原子H又は
    −C2m+1又は −(RO)Hのいずれかを
    示す。但し、化3中に含有している−C2m+1
    数は1個以上である。mは1〜22の整数を示す。R
    はエチレン、プロピレン、ブチレンを意味し、ポリオキ
    シアルキレンはアルキレンの1種類が1モル以上付加反
    応して生成したブロック、又はアルキレンの2種類以上
    が2モル以上付加反応して生成したブロック、又はミッ
    クス、又はブロック/ミックスの混合である。yは1〜
    50、nは6〜8の整数を示す。
  5. 【請求項5】 シクロデキストリン誘導体が請求項3
    記載の化3で示されるポリオキシアルキレンシクロデキ
    ストリンである請求項1記載の高密度冷熱蓄熱輸送用組
    成物。式中R、R、Rは水素原子H、又は −
    (RO)Hのいずれかを示す。但し、Rはエチレ
    ン、プロピレン、ブチレンを意味し、ポリオキシアルキ
    レンはアルキレンの1種類が1モル以上付加反応して生
    成したブロック、又はアルキレンの2種類以上が2モル
    以上付加反応して生成したブロック、又はミックス、又
    はブロック/ミックスの混合である。化3中に含有して
    いる−(RO)Hの数は1個以上である。yは1〜
    50、nは6〜8の整数を示す。
  6. 【請求項6】 シクロデキストリン誘導体が請求項3
    記載の化3で示されるポリオキシアルキレンシクロデキ
    ストリンアルキル又はアルケニルエステルである請求項
    1記載の高密度冷熱蓄熱輸送用組成物。式中R
    、Rは水素原子H又は請求項2記載の化2又は−
    (RO)H又は化4のいずれかを示す。 但し、Rはエチレン、プロピレン、ブチレンを意味
    し、ポリオキシアルキレンはアルキレンの1種類が1モ
    ル以上付加反応して生成したブロック、又はアルキレン
    の2種類以上が2モル以上付加反応して生成したブロッ
    ク、又はミックス、又はブロック/ミックスの混合であ
    る。Rは炭素原子が1〜36のアルキル又は炭素原子
    が2〜36のアルケニルである。化3中に含有している
    化2と化4の総数は1個以上である。yは1〜50、n
    は6〜8の整数を示す。
  7. 【請求項7】 水又は無機塩水溶液、グリコール水溶
    液、低級アルコール水溶液などで代表される各種ブライ
    ン成分の1種類あるいは数種類の混合水溶液又は有機化
    合物水溶液又は前記ブライン水溶液と有機化合物水溶液
    の混合水溶液へ、請求項2〜6に記載したサッカロース
    誘導体又はシクロデキストリン又はシクロデキストリン
    誘導体の1種類又は2種類以上の混合物を0.0005
    〜20wt%含有する水溶液に防錆剤、スケール防止
    剤、スライム処理薬剤、分散剤、防腐剤、消泡剤等の添
    加剤を必要に応じて所定量添加する事を特徴とする高密
    度冷熱蓄熱輸送用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103743180A (zh) * 2013-12-30 2014-04-23 中国科学院广州能源研究所 一种无级浓度调节冰浆浓缩装置

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CN103743180A (zh) * 2013-12-30 2014-04-23 中国科学院广州能源研究所 一种无级浓度调节冰浆浓缩装置

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