JP2002179663A - オキシラン化合物の製造方法 - Google Patents

オキシラン化合物の製造方法

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JP2002179663A
JP2002179663A JP2000376967A JP2000376967A JP2002179663A JP 2002179663 A JP2002179663 A JP 2002179663A JP 2000376967 A JP2000376967 A JP 2000376967A JP 2000376967 A JP2000376967 A JP 2000376967A JP 2002179663 A JP2002179663 A JP 2002179663A
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hydrogen atom
oxirane compound
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reaction system
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English (en)
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Norihito Shiga
紀仁 志賀
Mikio Kasai
幹生 笠井
Yasuo Kawamura
保夫 河村
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性の高い塩素原子とエポキシ基を有
し、接着剤、および電子材料や建築分野等で使用される
エポキシ樹脂、耐熱性ポリマー等の合成原料として有用
なオキシラン化合物の製造に関する。 【解決手段】 式(1): 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子または、炭素数1
〜4のアルキル基を表す。)で表されるアリルクロライ
ド類を、有機溶媒中で、タングステン酸、りん酸、及び
4級アンモニウム塩の存在下に、過酸化水素によって反
応系内にヘテロポリ酸を形成させエポキシ化する反応に
おいて、反応系内のpHを1.6〜2.0に制御するこ
とを特徴とする式(2): 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子または、炭素数1
〜4のアルキル基を表す。)で表されるオキシラン化合
物の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアリルクロライド類
を有機溶媒中でタングステン酸、りん酸、及び4級アン
モニウム塩の存在下に、過酸化水素によって反応系内に
ヘテロポリ酸を形成させエポキシ化する反応において、
反応系内のpHを1.6〜2.0に制御する方法による
オキシラン化合物の製造に関する。
【0002】本発明の化合物は、反応性の高い塩素原子
とエポキシ基を有し、接着剤、および電子材料や建築分
野等で使用されるエポキシ樹脂、耐熱性ポリマー等の合
成原料として有用なものである。
【0003】
【従来の技術】これまで、アリルクロライド類をエポキ
シ化した例としては、次ぎの方法が知られている。
【0004】Chem.Abstr.141408(1
971)中のRazrab.Usoversh.Tek
hnol.Khim.Proizvod.164〜16
6(1969)には、アリルクロライド類に次亜塩素酸
を付加反応させた後、脱塩化水素により合成する方法が
記載されている。
【0005】特開平3−74364号公報には、アルキ
ルハイドロパーオキサイド、または過酸によって酸化す
る方法が記載されている。
【0006】ソビエト連邦特許第583131号には、
硝酸銀触媒の存在下、酸素によるエポキシ化する方法が
記載されている。
【0007】またJ.Org.Chem.Vol.5
3,No.7,1553〜1557、(1988)に
は、別途調製したヘテロポリ酸を触媒とし、過酸化水素
によるエポキシ化の例が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記方法においては、
反応収率の低さや、副生する併産物、多量の廃棄物等の
面で必ずしも満足できる方法ではない。また別途調製し
たヘテロポリ酸を触媒とし、過酸化水素によるエポキシ
化の方法でも工業的製造法として必ずしも満足いくもの
ではない。
【0009】本発明の目的は、経済的でかつ、クリーン
な酸化剤である過酸化水素を用い高収率で目的のオキシ
ラン化合物を得る製造法の提供にある。
【0010】本発明者らは、上記課題を解決するため、
鋭意研究を行なった。アリルクロライド類を有機溶媒
中、タングステン酸、りん酸、及び4級アンモニウム塩
の存在下に、過酸化水素によるエポキシ化において、反
応系のpHをコントロールする事により、高収率でオキシ
ラン化合物が得られる事を見い出し、本発明を完成し
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明は第1観点とし
て、式(1):
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1、R2及びR3は水素原子また
は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるア
リルクロライド類を、有機溶媒中で、タングステン酸、
りん酸、及び4級アンモニウム塩の存在下に、過酸化水
素によって反応系内にヘテロポリ酸を形成させエポキシ
化する反応において、反応系内のpHを1.6〜2.0
に制御することを特徴とする式(2):
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1、R2及びR3は水素原子また
は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるオ
キシラン化合物の製造方法、第2観点として、4級アン
モニウム塩がトリオクチルメチルアンモニウム塩または
セチルピリジニウムアンモニウム塩である第1観点に記
載のオキシラン化合物の製造方法、及び第3観点とし
て、R1が水素原子またはメチル基を表し、R2及びR3
が水素原子を表す第1観点又は第2観点に記載のオキシ
ラン化合物の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は下記の反応スキームで表
される。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R1、R2及びR3は水素原子また
は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。) 即ち、アリルクロライド類を、有機溶媒中で、タングス
テン酸、りん酸、及び4級アンモニウム塩の存在下に、
過酸化水素によってエポキシ化する反応において、反応
系内のpHを1.6〜2.0に制御する事により、目的
とするエポキシ化合物が収率良く得られる。
【0019】置換基R1、R2及びR3としては、水素原
子、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプ
ロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダ
リーブチル基、及びターシャリーブチル基があげられ
る。
【0020】4級アンモニウム塩としては、テトラアル
キルアンモニウム塩及びアルキルピリジニウム塩等が挙
げられ、好ましくはトリオクチルメチルアンモニウムク
ロライド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイ
ド、トリオクチルメチルアンモニウムホスフェート、セ
チルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロ
マイド、及びセチルピリジニウムホスフェートがあげら
れる。これら4級アンモニウム塩の量としては、反応基
質に対し、0.0001〜0.06モル、好ましくは、
0.003〜0.03モルである。
【0021】本発明に用いるタングステン酸としては、
反応基質に対し、0.0001〜0.08モル、好まし
くは、0.004〜0.04モルである。
【0022】使用するりん酸量は、反応基質に対し、
0.000025〜0.1モル、好ましくは、0.00
1〜0.02モルである。
【0023】過酸化水素は市販の水溶液をそのまま、ま
たは希釈して使用でき、反応基質に対し、0.5〜3モ
ル、好ましくは、0.8〜1.5モルである。
【0024】本反応で使用される溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、及
びこれら溶媒の混合物が挙げられ、特に、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、およびこれ
ら溶媒の混合物が好ましい。
【0025】反応温度は0〜150℃、好ましくは、2
0〜80℃である。
【0026】反応系内のpHの調整は過酸化水素水を滴
下後、pHメーターで測定しながら、りん酸を添加する
ことで行なった。
【0027】反応は常圧でも加圧下でも行う事ができ
る。また、回分式でも連続式でも行う事ができる。
【0028】反応終了後、有機層を分離、水洗浄し、必
要に応じ蒸留にて精製し、目的物を得る事ができる。
【0029】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0030】
【実施例】実施例1
【0031】
【化6】
【0032】β−メタリルクロライド(MAC)18.0
g(199mmol)、タングステン酸1.0g(4m
mol)、85%りん酸0.14g(1.2mmo
l)、及びトリオクチルメチルアンモニウムクロライド
1.34g(3.3mmol)をトルエン30mlに加
え、60℃にて35%過酸化水素水21.3g(219
mmol)を2時間かけて攪拌しながら滴下した。滴下
後、りん酸をゆっくり添加しながら、pHを1.6〜
2.0に保ち、60℃にて1時間攪拌した。反応後、有
機層を分液し、ガスクロマトグラフィーにより、定量分
析(内標法)し、β−メタリルクロライド転化率100
%、選択率92%(収率92%)で2−(クロロメチ
ル)−2−メチルオキシラン(MECH)が生成している事
を確認した。
【0033】
【発明の効果】本発明方法によれば、経済的でかつ、高
収率にて、アリルクロライド類をエポキシ化し、目的の
オキシラン化合物を製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C048 AA01 BB02 BB04 CC01 UU03 XX02 4H039 CA63 CC40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1): 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子または、炭素数1
    〜4のアルキル基を表す。)で表されるアリルクロライ
    ド類を、有機溶媒中で、タングステン酸、りん酸、及び
    4級アンモニウム塩の存在下に、過酸化水素によって反
    応系内にヘテロポリ酸を形成させエポキシ化する反応に
    おいて、反応系内のpHを1.6〜2.0に制御するこ
    とを特徴とする式(2): 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子または、炭素数1
    〜4のアルキル基を表す。)で表されるオキシラン化合
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 4級アンモニウム塩がトリオクチルメチ
    ルアンモニウム塩またはセチルピリジニウムアンモニウ
    ム塩である請求項1に記載のオキシラン化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 R1が水素原子またはメチル基を表し、
    2及びR3が水素原子を表す請求項1又は請求項2に記
    載のオキシラン化合物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007291010A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Daiso Co Ltd 光学活性2−メチルエピハロヒドリン等の製造法
JP2010106009A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Sanyo Chem Ind Ltd エポキシ化合物の製造方法
JP2016094353A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 昭和電工株式会社 多価グリシジル化合物の製造方法

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JP2010106009A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Sanyo Chem Ind Ltd エポキシ化合物の製造方法
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