JP2002179161A

JP2002179161A - 粘性を有する製品のための供給ポット

Info

Publication number: JP2002179161A
Application number: JP2001292609A
Authority: JP
Inventors: Guilhem Rousselet; ルスレギレム; Nicolas Albisetti; アルビセッティニコラス
Original assignee: LOreal SA
Current assignee: LOreal SA
Priority date: 2000-09-22
Filing date: 2001-09-25
Publication date: 2002-06-26
Also published as: US6655557B2; FR2814446B1; US20020036214A1; CA2357576A1; EP1190962A1; FR2814446A1

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】粘性の高い化粧用又は医療用製品を衛生的か
つ清潔に収容と供給することのできる容器を提供する。【解決手段】供給装置は軸Ｘを有するポット状であ
り、第１の端部は底１３であり第２の端部は開口９して
いる。吐出エレメント５０が製品の上部に設けられ、軸
Ｘとは垂直でない平面に位置する少なくとも１つの入り
口オリフィス５７と、当該入り口オリフィス５７とは少
なくとも部分的にある程度離れて設けられた出口オリフ
ィス５９とを有する流路５８を形成している。出口オリ
フィス５９は少なくとも部分的には入り口オリフィス５
７の上に位置する。吐出エレメント５０を製品の上で回
転させることによって出口オリフィス５９から製品が取
り出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明はクリーム状、ペース
ト状、軟膏状、バルサム状あるいはジェル状の粘性を有
する製品の収容と供給のための供給ポットに関するもの
である。本発明は特に、手入れクリームのような化粧用
途、皮膚科的用途又は医学的用途の製品を収容し供給す
るために好適に使用することができる。

【従来の技術】

【０００２】化粧品とスキンケアの分野では、ポットが
すでに使用されており現在もなお広く使用されている。
ポットには、痩身クリームや特にスキンケアのために使
用されるクリーム類が収容される。ポットは、特に製品
を直接指にとる必要がある場合に、収容されている製品
を取り出しやすいことから、この種の製品を収容するの
に適している。さらに、大きな開口を有することが特徴
であってそのために、内容物を、完全に無くなるまで取
り出すことができるが、このことは単位重量あたりの値
段が高い製品を収容する場合には、ユーザにとって極め
て望ましいことである。

【０００３】この種の収容および吐出方法の問題の１つ
は、製品を、この種の製品に劣化を生じさせる傾向があ
る大気と接触させるために、内容物の保護が不十分であ
ることである。他の問題は、指で取り出す使用方法によ
って生じる製品の「汚染」の問題である。この問題を解
決するために、製品をへらにとることが提案されてい
る。しかしこの方法は内容物を外部の汚染から保護した
り空気との接触から保護する役には立たない。

【０００４】製品の自由表面をディスクで覆って製品を
保護することも知られており、この様なディスクにはデ
ィスクの平面と平行、つまりポットの軸とは直角に設け
られた開口を少なくとも１つ有している。この種の装置
は、フランス特許出願第２６０２７５３号あるいはフラ
ンス特許第１３８４４１７号に開示されている。一般
に、ディスクをポットの中で、ポットの内壁面に設けた
ねじ切り部とディスクの外縁部に設けたねじ切り部との
共同作用によって、スライドさせるか回転させるかして
下方に押し下げることによって製品が取り出される。ポ
ット内部の圧力が上昇する結果、製品がディスクに設け
られた少なくとも１つの開口から流出する。このように
製品を流動させる処理は製品の化粧品としてのあるいは
皮膚科学的な性質にとって、場合によっては致命的であ
る。これは、このように加圧することによって、製品の
粘性が影響を受け、適用、特にスムーズさ、清涼感およ
び皮膚への浸透又はその挙動が変化するからである。さ
らに、経験によれば、この種の供給システムは本質的に
慣性力を有するので、吐出する製品の量を計量すること
は困難である。最後に、製品の粘性如何によっては、製
品を押し出すために必要な力は現実的には使用不可能な
ほどに大きなものになる。

【０００５】英国特許第０００６３３２号は、特にグリ
ース状の製品を収容したポットに関して、一方では蓋の
役目を果たし、他方では供給エレメントによって形成さ
れたディスクに切り込まれポットの底の方に向けて折れ
曲がるリップに縁取られた開口を有するポットを開示す
るものである。ディスクとの組み合わせによって、リッ
プは、その上端がディスクの平面に位置して、第１の
「開口」の縁を形成し、リップの下端部は折り曲げられ
たバックリップの自由端と同じ位置になる。リップをポ
ットの内側に曲げることによって、製品はこの第１の開
口を通って、折り曲げられたバックリップに沿って吐出
され、第２の開口を通じてディスクの表面に直接出るよ
うに強制される。第２の開口の第１の縁部は第１の開口
の上縁部と同じ位置であり、第１の開口の、第１の縁部
とは反対側の第２の縁部はリップの折り曲げ軸と同じ位
置である。従って、第２の開口はディスクと同じ平面、
つまり第１の開口の上縁部と同一平面に位置する。ディ
スクはディスクの上表面に点対称の位置に設けられたハ
ンドルによって回転させられる。

【０００６】同様の構造が英国特許出願公開第０３８５
１８２号に記載されている。

【０００７】上述の文献に記載された構造の主な問題点
は、製品がディスクの表面に直接吐出され、必要な量の
製品を供給するに十分な角度だけディスクを回転させた
後に、例えば指で取り上げることに起因するものであ
る。経験によれば、ディスクに表面の製品を全て取り上
げることは困難である。従ってディスクは汚れたまま残
されることになる。この結果は、化粧品のような製品の
収容と取り扱いに関する衛生と清潔の要求とは相容れな
いものである。

【０００８】英国特許出願公開第０５２４８１１号と第
０１５７６９９号に開示された構造についても同様の問
題がある。さらに、ディスクを製品の自由表面に単に搭
載してあるだけなので、製品が十分な粘性を有している
ことが必須である。製品の粘性が小さいと、ディスクを
回転させるときに必然的に生じる圧力によってディスク
がポットの中に沈み込んでしまう可能性がある。従っ
て、折り曲げリップの開口だけでなくディスクの周囲か
らディスクの上面に製品が乗ってしまう危険性がある。
さらに、この様な構造では吐出量を正確に計量すること
ははなはだ困難である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記のような諸点に鑑
みて、従来の装置が有していた上述のような課題を完全
にあるいは部分的に解決することのできる吐出エレメン
トを有する供給装置を提供することが本発明の解決課題
の１つである。

【００１０】特に、本発明の目的の１つは、吐出エレメ
ントの頂部へ送られた製品のほとんど全てを、簡単かつ
衛生的に取り上げることができる供給装置を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、１つのアクションで製
品を吐出すると同時に例えば指である適用部で製品を取
り上げることができる供給装置を提供することである。

【００１１】本発明の他の目的は、特に化粧用製品の収
容と供給のためのポットであって、製品の特性特に製品
の流動性に影響を与えることなく外気による「汚染」を
防止することが可能なものを提供することである。

【００１２】本発明のさらに別の目的は、供給される製
品の正確な計量を可能にする供給装置を提供することで
ある。

【００１３】本発明のさらに別の目的は、安価に製造す
ることができ、使用が簡単で信頼性の高いシステムを提
供することである。

【００１４】本発明のさらに別の目的は、以下の詳細な
記述によって明らかにする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
目的は、軸Ｘに関して、第１の端部は閉じた底部であ
り、第２の端部は開口しており、製品の上部に軸Ｘとは
直角でない平面内に延びる少なくとも１つの入り口オリ
フィスと、少なくとも部分的には入り口オリフィスとは
離れた位置に設けられた出口オリフィスを有し、出口オ
リフィスは少なくとも部分的には入り口オリフィスの上
端部よりも上に位置し、製品の上で回転させることによ
って製品を出口オリフィスから排出する吐出エレメント
を具備する、クリームやジェル状の粘性を有する製品の
ための供給装置によって達成される。

【００１６】出口オリフィスは軸周りの位置が入り口オ
リフィスとは角度的に異なるものであっても良い。この
角度差は、２５°から９０°程度の範囲、好ましくは、
４５°程度である。

【００１７】従って、出口オリフィスを入り口オリフィ
スに対して持ち上げることによって、製品を、吐出エレ
メントの表面から有る程度離れた位置まで導くことがで
き、製品を吐出エレメントの上面に乗せずに直接取り上
げることが容易になる。その結果、吐出エレメントの外
表面を清潔に維持することが可能である。

【００１８】さらに、出口オリフィスの縁部の少なくと
も一部は、例えばユーザの指である適用部材によって吐
出エレメントをポットの中向きに回転させるための手が
かりとして使用することができる。したがって、出口オ
リフィスを適切に設計することによって、例えば指であ
る適用部材によって吐出エレメントを回転させ、同時に
供給された製品を直接指で取り上げることが可能にな
る。

【００１９】本発明に基づく装置によれば、吐出エレメ
ントを回転させることによって、ポットの底部に最も近
い入り口オリフィスの縁部によって製品を薄く切り出
す。従って、上述の従来型の装置に関して述べた「クリ
ープ」つまり粘性に影響を与える問題を生じない。特に
製品の流動特性は、供給動作によって関知できるほどに
変化することはない。

【００２０】本発明によれば、吐出エレメントは供給装
置に着脱可能に取り付けられていても良く、このような
構造の場合には利用に当たっての柔軟性は一層増大す
る。

【００２１】本発明の第３の好ましい実施態様によれ
ば、供給装置は、吐出エレメントが製品に対して相対的
に回転すると、吐出エレメントがポットの底部方向に移
動する手段を具備する。従って、ポット内部における吐
出エレメントの沈み込み量を、例えば指によって、軸方
向圧力とは別個に正確に制御することができる。従って
供給される製品を正確に計量することが可能である。

【００２２】好ましくは、吐出エレメントは１つのエッ
ジが出口オリフィスの縁部を形成し、ユーザがポットの
中で吐出エレメントを回転させることができるようなリ
ムを具備する。従って、指をリムにかけてユーザは吐出
エレメントを回転させることができる。同時に、指ある
いは指以外の何らかの適用部（特にへら）の出口オリフ
ィスに対する位置によっては、製品は直接指の上に供給
され、自動的に取り上げることができる。従って後は、
所望の位置に製品を塗布するだけである。

【００２３】リムの高さは１ｍｍから１５ｍｍの範囲で
あり、好ましくは、２ｍｍから５ｍｍの範囲である。

【００２４】好ましくは、出口オリフィスの少なくとも
一部は入り口オリフィスが存在する平面とは平行でない
平面内に位置する。換言すれば、出口オリフィスの開口
方向は入り口オリフィスの開口方向とは異なっている。
この様な形状を有することによって、製品を、吐出エレ
メントを回転させている指あるいは適用部材上に供給す
ることが容易になる。

【００２５】この様に製品を適用部材上に直接供給する
ことは、出口オリフィスの一部が入り口オリフィスの位
置する平面とほぼ並行であるときには一層容易になる。

【００２６】好ましくは、出口オリフィスの断面積は入
り口オリフィスの断面積と同等以上であり、出口オリフ
ィスの断面形状は入り口オリフィスの断面形状とは異な
る。従って、ディスクの回転は出口オリフィスから製品
が供給される場合にも遅くなることがない。

【００２７】好ましくは、入り口オリフィスの平均半径
は出口オリフィスの平均半径よりも大きい。

【００２８】従って、特定の実施態様によれば、吐出エ
レメントはポットの内部空間と同様な断面を有し、入り
口オリフィスは吐出エレメントの中央部付近の第１の端
部から吐出エレメントの外縁部又はその近傍の第２の端
部にかけて延在している。この構造は製品の保護を提供
するものでもある。さらに、入り口オリフィスがポット
に対して回転すると、入り口オリフィスはポットの全段
面を覆い、全周に渡って製品を掻き出す。その結果、製
品の高さはポットの全断面を通じて均一に減少する。

【００２９】出口オリフィスの半径方向の長さを、指
（あるいはそれ以外の適用部材）の幅以下に設定するこ
とにより、吐出された製品は全て直接指に載ることにな
る。典型的な場合には、この半径方向の幅は５ｍｍから
１０ｍｍの範囲である。

【００３０】好ましくは、吐出エレメントは、少なくと
も一部に螺旋状の形状を有する円形断面の平坦な部材で
ある。好ましくは、平坦な部材は３６０°以上に渡る螺
旋状である。

【００３１】概略螺旋状の部分に加えて、吐出エレメン
トは製品が押し出される流路が続いている。この様な流
路は４５度以上に渡って存在するものであっても良い。
好ましくは、入り口オリフィスと出口オリフィスの間に
延びる底部を有しており、その平均傾斜は好ましくは螺
旋部の平均傾斜よりも大きい。その結果、出口オリフィ
スの下端部を吐出エレメントの表面から有る程度はなす
事ができる。上述のように、この様に出口オリフィスの
一方のエッジが高くなっていることによって特に指のよ
うな適用部材を平坦な部材の表面と出口オリフィスのエ
ッジ部との間において、吐出エレメントを回転させ、製
品を出口オリフィスから適用部材に直接受け取ることが
できる。

【００３２】吐出エレメントが少なくとも部分的に螺旋
状であれば、吐出エレメントの外周部をポットの内壁面
に形成したネジ溝とかみ合わせることができる。ポット
の内壁面に形成したネジ面と吐出エレメントの外周部に
形成したネジ面とをかみ合わせることによって、この位
置で良好な密封性を維持し、吐出エレメントに形成した
少なくとも１つの開口である出口以外の経路からは製品
が出ないようにすることができる。ねじ切り面はポット
内壁面の成形加工、あるいは、通常の内面が平滑なポッ
トの内部に別の部材を追加することによって作ることが
できる。

【００３３】好ましくは、ポットの内部に形成されたネ
ジ面の溝の軸方向の高さは、吐出メンバーの外縁部の厚
さよりも大きい。この構成の場合には、吐出エレメント
に連続的あるいは不連続的なリムを形成して、当該リム
によって吐出エレメントを溝の最も上の部分に押し当て
るようにしても良い。ネジ溝の高さが大きい場合には、
特に指を使用したときに、溝に残ってしまいかねない製
品をきれいに取り上げることができる。溝を切った部分
の高さが、吐出エレメントの高さ、つまり、０．５ｍｍ
から２ｍｍと同程度であるとこの様にきれいに製品を取
り上げることは困難である。

【００３４】別の実施例では、吐出エレメントは内壁面
に、ポットの底部からポットの開口部に向けて突出する
ように固定されたロッドに形成されたネジ山と係合する
ネジ溝を形成した中央孔を有する。

【００３５】好ましくは、入り口オリフィスの平面はポ
ットの軸Ｘの近傍に位置する。ポットの底部に最も近い
入り口オリフィスのエッジは、特にモールドから容易に
取り出せるように、直線状又は曲線状である。

【００３６】ポットの底部は、製品を全て吐出できるよ
うに、吐出エレメントの形状と同じである。いずれの場
合においても、吐出エレメントはポットに着脱可能に取
り付けられており、使用済みの時点ではポットを完全に
からにするように取り出すことができるのが望ましい。

【００３７】ポットの底部は取り付けられたものであっ
ても良い。そのような底部とは、スナップ動作によって
取り付けられたもの、ねじ込み式、接着式、あるいは溶
着式等である。別な方法としては、底部は容器と一体で
あってもよい。ポットの種々の構成部分は熱可塑性の材
料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリビニルクロライド、あるいは
スチレン族の材料から作ることができる。

【００３８】好ましくは、化粧用製品や手入れ用製品の
多くがそうであるように、特に製品が空気に対して敏感
なとき、あるいは、製品の粘性が小さいときは、ポット
の開口部は着脱可能な封止エレメント例えば蓋によって
封止するのがよい。

【００３９】本発明に基づく供給装置は、例えばクリー
ム、軟膏、バームあるいはジェル状の化粧品又は医療用
の製品を収容して供給するために好適に使用することが
できる。

【００４０】上述の内容とは別に、本発明は添付の図面
を参照して以下に述べる限定的ではない実施例が示す特
徴を有する。

【００４１】

【実施例】図１Ａと１Ｂに示したポットは全体的には円
筒状であり、中心軸はＸである。ポット１は内壁２、ポ
ットの高さのほぼ全体に渡ってねじ切り面４が形成され
た内壁面３を有する。壁２の外壁面の頂部付近には、壁
２の自由端に形成された開口９を着脱可能に覆うことの
できるキャップ８に形成された、ネジ７と共同すること
のできるネジ６が形成されている。

【００４２】ポット１はさらに、内壁２と共に環状空間
１１を定義する外壁１０を有する。外壁１０は壁２の下
端部にまで延びており、その上端は、ポットの肩部を形
成している半径方向部１２によって壁２と接続されてい
る。

【００４３】開口部９とは反対の端面には、リム１４が
内壁２と外壁１０との間にスナップ結合された底部１３
が取り付けられている。別な方法としては、底部１３は
ポットと同時に成形しても良い。

【００４４】ポットの内部には、製品Ｐの自由表面の上
に、図４ないし７を参照して詳細に説明する吐出エレメ
ント５０が設けられている。

【００４５】吐出エレメント５０は円形の断面を有し、
設置されるポット１の断面と基本的には同じ断面形状で
ある。吐出エレメント５０は３６０度以上にわたる螺旋
状のネジが形成された外縁部５１を有する螺旋状であっ
て、ポット１の内壁面３に形成されたネジ４と協働する
ことが出来る。

【００４６】ポットに設けられたネジ切り部４のネジ溝
４１の高さは吐出エレメント５０に形成された螺旋形部
の厚さよりも大きい。典型的な場合には、螺旋形の厚さ
は１ないし２ｍｍである。ネジ切り部４のネジ溝４１の
高さは、５ないし１０ｍｍである。底１３に対向した面
には、吐出エレメント５０は複数の平行なリム部５２，
５３，５４を有しておりこれらはディスクの前面に均一
に設けられており、その高さは吐出エレメント５０がポ
ットの内壁面３に形成されたネジ切り部４のネジ溝４１
の上面４２に押し付けられるように定められている。

【００４７】吐出エレメント５０は中央部から円周状に
延びて３６０度にわたる螺旋形状の対応する部分５６と
協同して細長い入り口オリフィスを規定する第１のエッ
ジ５５を有する。当該対応する部分５６は入り口オリフ
ィスの上部エッジを形成する。入り口オリフィス５７は
吐出エレメント５０の中央軸を通る平面に概略位置す
る。入り口オリフィス５７は下から見た図６に明瞭に示
されている。

【００４８】螺旋状の部分５０の前記対応部分５６の外
側には、４５度にわたって延びるトンネル状の流路５８
が続いている。流路５８の外縁エッジの曲率半径は、吐
出エレメント５０の螺旋部分の曲率半径よりも小さいた
めに、流路５８の端部に形成された出口オリフィス５９
は螺旋状の外縁エッジ５１からはある程度離れている。

【００４９】出口オリフィス５９は入り口オリフィス５
７の平面とは概ね平行な平面に沿って、半径方向には指
の幅と同程度に延びる第１の部分６０を有する。出口オ
リフィスはさらに、入り口オリフィス５７の平面とは垂
直な平面に位置する第２の部分６１を有する。第２の部
分６１の半径方向の幅は第１の部分から次第に遠ざかっ
ている。

【００５０】出口オリフィスの第１の部分６０は部分的
には螺旋部の表面６５から５ｍｍの位置にある下部エッ
ジ６２に当接しており、リム６４を形成している。流路
５８は螺旋部のエッジ５５から出口オリフィス５９の下
部エッジ６２にいたる底部６３を有している。底部６３
の傾斜は吐出エレメントの螺旋部の傾斜よりも大きい。
この形状によって、出口オリフィス５９の少なくとも一
部は入り口オリフィス５７の最も高い位置よりも上にな
る。その結果、この形状は出口オリフィス５９が螺旋部
の表面６５よりもある程度はなれた位置に開口すること
ができる。

【００５１】本発明の第１の実施例にかかる供給ポット
の使用方法は、図１Ｂと２から自明であろう。図に示し
たように、吐出エレメント５０は製品Ｐの自由表面上に
位置する。吐出エレメント５０の外延部５１はポットの
内壁面３のネジ切り面４と係合している。製品の所定量
を取り出すためには、ユーザは指（Ｄ）を、指がポット
の底部１３を向くようにリム６４に当てる。次に、図に
矢印で示した方向に吐出エレメント５０を回転させる。
この動作によって、吐出エレメント５０はポットの底部
方向に進む。製品Ｐは螺旋部５０の半径方向のエッジ５
５によって薄く切り出され、流路５８を通って上方に移
動し、そこから吐出エレメント５０を回転させている指
に対向している出口オリフィス５９を通って吐出され
る。したがって、製品は直接指に乗ることになる。所望
の製品が吐出されたら、ユーザは製品が乗った指を吐出
エレメントから外し、従来と同じように所望の場所に製
品を塗布する。

【００５２】その結果、吐出エレメント５０の外表面６
５は清潔に保たれる。ポットはまた同じように再使用が
可能である。

【００５３】図３Ａと３Ｂに示した実施例は、上述の実
施例と比較して以下の点において異なっている。−ポッ
ト２の内壁面にはネジが切ってなく概ね平滑である。−
ポット１の底部１３にネジを切ったロッド３０が設けら
れており当該ロッドはポットの開口部９に向けてポット
内部を軸方向に延びている。ネジを設けたロッド３０は
底部１３と一体に成型することも出来るし、底部にネジ
止め等によって取り付けられたものであっても良い。−
吐出エレメント５０は中央孔７０を有しており、その内
壁面７１には、ロッド３０に形成されたネジ部３２と契
合することが出来るネジが設けてある。それ以外の点に
関しては、吐出エレメント５０は、図４ないし７に記載
したものと同じである。

【００５４】この実施例に示した供給ポットの機能は前
出の実施例の機能と同様であり、ロッド３０に形成した
ネジ３２と契合した中央孔７０に形成したネジによって
吐出エレメント５０はポットの底部１３方向に回転しな
がら進む。製品の粘性が高い場合には、吐出エレメント
５０の外延部でのシール性は特に問題にならない。

【００５５】上述の詳細な説明では、本発明の好ましい
実施態様について説明した。しかし、特許請求の範囲か
ら理解されるように、本発明の技術的思想の範囲内にお
いて上述の実施例を変更することが可能なことは自明で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１Ａと図１Ｂは、本発明の基づく供給ポッ
トの第１の実施例を示すものである。

【図２】図２は、図１Ａと１Ｂに示した供給ポットの
使用方法を示すものである。

【図３】図３Ａと３Ｂは、本発明に基づく供給ポット
の第２の実施例を示すものである。

【図４】図４は、本発明に基づく供給装置として使用
することができる吐出エレメントの１つを示すものであ
る。

【図５】図５は、本発明に基づく供給装置として使用
することができる吐出エレメントの１つを示すものであ
る。

【図６】図６は、本発明に基づく供給装置として使用
することができる吐出エレメントの１つを示すものであ
る。

【図７】図７は、本発明に基づく供給装置として使用
することができる吐出エレメントの１つを示すものであ
る。

【符号の説明】

１・・・ポット２・・・内壁３・・・内壁面７・・・ネジ８・・・キャップ９・・・開口３０・・・ロッド５０・・・吐出エレメント５１・・・外縁部５２，５３，５４・・・リム部５７・・・入り口オリフィス５８・・・流路５９・・・出口オリフィス６４・・・リム７０・・・中央孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】第１の端部は底（１３）によって閉止さ
れ第２の端部は開口（９）する、軸Ｘを有するポットを
有し、製品の上部に設けられた吐出エレメント（５０）
が、軸Ｘに対して垂直でない面に沿って延びる入り口オ
リフィス（５７）と少なくとも部分的に入り口オリフィ
ス（５７）から離れた位置に形成された出口オリフィス
（５９）とを有する流路を形成し、当該出口オリフィス
（５９）が入り口オリフィス（５７）の上部エッジより
も少なくとも部分的には上に位置し、吐出エレメント
（５０）を回転させることによって製品が出口オリフィ
ス（５９）から供給されるように構成された、クリーム
やジェル状の粘性を有する製品（Ｐ）の供給装置
（１）。
【請求項２】製品（Ｐ）と吐出エレメント（５０）と
の相対的な回転に応じて吐出エレメント（５０）とポッ
トの底部（１３）との間の相対距離を小さくする手段
（４，５１，３２，７１）を具備することを特徴とする
請求項１に記載の供給装置（１）。
【請求項３】リム（６４）を有し、リムのエッジ（６
２）が前記出口オリフィス（５９）を部分的に規定し、
ユーザはリム（６４）によって供給エレメント（５０）
をポットの中で回転させることができることを特徴とす
る請求項１又は２のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項４】リム（６４）の高さは１ｍｍから１５ｍ
ｍの範囲、好ましくは、２ｍｍから５ｍｍの範囲である
ことを特徴とする請求項３に記載の供給装置。
【請求項５】ユーザ（Ｄ）の指と供給部材との係合に
よって塗布エレメント（５０）をポット（１）の中で回
転させることができ、当該回転によって製品（Ｐ）が出
口オリフィス（５９）から吐出されて当該ユーザの供給
部材（Ｄ）に付与されることを特徴とする請求項３また
は４のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項６】出口オリフィス（５９）の少なくとも一
部分（６１）は入り口オリフィス（５７）が位置する平
面とは平行でない平面に位置することを特徴とする請求
項１ないし５のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項７】出口オリフィス（５９）の少なくとも一
部分（６０）は、概略、入り口オリフィス（５７）が位
置する平面と平行な平面内に位置することを特徴とする
請求項６に記載の供給装置（１）。
【請求項８】出口オリフィス（５９）の断面積は入り
口オリフィス（５７）の断面積と同じ又はそれ以上であ
り、出口オリフィス（５９）の断面形状は入り口オリフ
ィス（５７）の断面形状とは異なることを特徴とする請
求項１ないし７のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項９】入り口オリフィス（５７）の半径方向の
平均広さは出口オリフィス（５９）の半径方向の平均広
さよりも大きいことを特徴とする請求項８に記載の供給
装置（１）。
【請求項１０】出口オリフィス（５９）の最大半径方
向幅は指の幅（Ｄ）と実質的に同じかそれよりも小さい
ことを特徴とする請求項９に記載の供給装置（１）。
【請求項１１】吐出エレメント（５０）の前記軸Ｘと
直交方向の断面はポット内壁面の断面とほぼ同一であ
り、前記入り口オリフィス（５７）は吐出エレメント
（５０）の中心近傍の第１の端部から吐出エレメント
（５０）の外縁部（５１）近傍に位置する第２の端部と
の間に位置していることを特徴とする請求項１ないし１
０のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項１２】吐出エレメント（５０）は円形の断面
を有する平坦な形状で少なくとも一部分は螺旋状である
ことを特徴とする請求項１ないし１１のいずれかに記載
の供給装置（１）。
【請求項１３】前記平坦なエレメントはほぼ３６０度
以上の角度に渡る螺旋状の部分を有することを特徴とす
る請求項１２に記載の供給装置（１）。
【請求項１４】流路（５８）は、入り口オリフィス
（５７）から出口オリフィス（５９）まで延びる底部
（６３）を有し、当該底部（６３）の平均傾斜は螺旋部
分の平均傾斜よりも大きいことを特徴とする請求項１２
または１３のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項１５】前記吐出エレメント（５０）の外縁部
（５１）には螺旋状のネジが切ってあり、当該ネジはポ
ットの内壁面（３）に形成されたネジ面（４）と係合す
ることができることを特徴とする請求項１２ないし１４
のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項１６】前記ネジ面（４）は容器の内部に追加
された部材に形成されたものであることを特徴とする請
求項１５に記載の供給装置（１）。
【請求項１７】ポットの内壁面（３）に形成されたネ
ジ面（４）のネジ溝（４１）の高さは、前記外縁部（５
１）の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項１５ま
たは１６のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項１８】前記吐出エレメント（５０）が前記ネ
ジ溝（４１）の上面（４２）と常に係合するように、吐
出エレメントの外縁部には連続的又は断続的なリムから
なる手段（５２〜５４）が設けられていることを特徴と
する請求項１７に記載の供給装置（１）。
【請求項１９】吐出エレメント（５０）の内壁面（７
１）には、ポット（１）の底部（１３）に固定されてポ
ットの開放端の方に延びるロッド（３０）に設けられた
ネジ（３２）と係合するネジが形成された中央孔（７
０）が設けられていることを特徴とする請求項１ないし
１８のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項２０】入り口オリフィス（５７）の面はポッ
トの軸（Ｘ）をほぼ通ることを特徴とする請求項１ない
し１９のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項２１】ポットの内容物を全て吐出するよう
に、ポットの底部（１３）の形状は吐出エレメント（５
０）の形状とほぼ同一であることを特徴とする請求項１
ないし２０のいずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項２２】前記底部（１３）は胴部に後付けされ
たものであることを特徴とする請求項１ないし２１のい
ずれかに記載の供給装置（１）。
【請求項２３】吐出エレメント（５０）はポットの内
部に着脱可能に設けられたものであることを特徴とする
請求項１ないし２２のいずれかに記載の供給装置
（１）。
【請求項２４】ポットの開口部（９）は蓋状の着脱可
能な部材（８）によって閉じられていることを特徴とす
る請求項１ないし２３のいずれかに記載の供給装置
（１）。
【請求項２５】部材がポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ス
チレン族の材料等の熱可塑性材料からなることを特徴と
する請求項１ないし２４のいずれかに記載の供給装置
（１）。
【請求項２６】クリーム、軟膏、バーム又はジェル状
の化粧用又は医療用製品を収容して供給する請求項１な
いし２５に記載の供給装置（１）。