JP2002177299A - 歯列矯正装置、歯列保定装置、歯列治療装置および前記諸装置の製造方法 - Google Patents

歯列矯正装置、歯列保定装置、歯列治療装置および前記諸装置の製造方法

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JP2002177299A
JP2002177299A JP2000382829A JP2000382829A JP2002177299A JP 2002177299 A JP2002177299 A JP 2002177299A JP 2000382829 A JP2000382829 A JP 2000382829A JP 2000382829 A JP2000382829 A JP 2000382829A JP 2002177299 A JP2002177299 A JP 2002177299A
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dentition
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JP2000382829A
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Hidekazu Tsuzuki
秀和 都築
Masato Asai
真人 浅井
Takayuki Yoneyama
隆之 米山
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯の並びを矯正するための歯列矯正装置を提
供する。 【解決手段】 歯の内側と外側からはさみ込む形で歯列
に装着し、任意方向に矯正力を働かせる三次元構造を有
し、同一材料により一体に構成された歯列矯正装置。 【効果】 構造が単純で取外しも可能であり、装着して
も不快感が少なく、特に歯列保定装置として異物感が小
さい。また歯の1本1本にブラケットを装着する必要が
ないため、歯科医師による装置の装着が簡単で、一体型
で位置が狂わず、且つ歯列矯正の移動量の正確なコント
ロールが容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯並びを矯正する
ための歯列矯正装置、矯正後の歯並びを保定するための
歯列保定装置、前記矯正と保定を兼備した歯列治療装置
および前記諸装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯列矯正治療は、歯列矯正とその歯列矯
正時の状態を保定するための2段階で行われる。前記歯
列矯正は患者に暫くの期間(通常は1年〜3年) 、歯列
矯正装置を装着して歯列を移動させ歯並びを矯正する初
期治療である。また歯列保定は歯列矯正装置を取り外し
た後、そのままの状態で放置していると矯正した歯並び
が再び乱れて来るため、矯正時の状態を保定する最終治
療である。歯列矯正装置は装着中歯列に矯正力を付与し
続けるものであり、歯列保定装置は装着中に力を発生せ
ずにあくまでも歯列の移動を抑えるものであり、両者は
設計思想が異なる全く別の装置であり、異なる材料が用
いられていた。
【0003】即ち、従来の歯列矯正装置は各歯に予めブ
ラケットを接着しておいて、ワイヤで作成したリング状
或いはU字状の器具を、前記ブラケットに設けた溝に挿
入し固定することにより保持させるもので、このブラケ
ットとワイヤからなる歯列矯正装置は、患者にとって不
快感があり、また歯磨きが困難になるなどの問題があ
り、歯科医師にとってはブラケットの装着と固定および
ワイヤの固定に手間が掛かるといった問題があった。
【0004】また従来の歯列保定装置には、レジン、シ
リコン、ポリウレタン等の高分子材料が用いられ、口腔
内に挿入して上下歯列を包み込むマウスピース形状の装
置、金属材料と高分子材料とを複合して用い、各歯列を
内側と外側から挟み込む入れ歯形状の装置、両者の要素
を兼ね備えた中間的な装置等がある。当該歯列保定装置
には、歯列を矯正後の位置に保つことにより、歯並びが
元の位置に戻るのを抑制する働きがある。
【0005】しかし、従来の歯列保定装置は、装着した
際に歯列からずれる場合があった。また水平方向の保定
効果はあるが、垂直方向の保定効果が劣っていた。さら
に高分子材料が用いられているので、所定の弾性や強度
を維持するために厚くする必要があり、異物感があっ
た。
【0006】さらにこれまでは歯列矯正装置と歯列保定
装置は別々の装置であったため、矯正治療が終わってい
る歯があっても、終わっていない歯のために矯正装置を
装着する必要があり、歯に負担がかかる場合があった。
【0007】このようなことから、本発明者等は前記諸
問題(装着時のずれ、異物感等)を解決するため種々研
究を重ねて、構造が単純な歯列矯正装置を開発した(特
開平8−299367号公報)。即ち、この歯列矯正装
置は、歯の側面に添うように配置され、且つ該歯に対し
て専ら矯正力を及ぼすための部材と、これを保持・装着
もしくは補強するための部材とを同一の材質で一体に構
成した歯列矯正装置である。
【0008】この歯列矯正装置は図5〜7に示すように
(図5は歯列矯正装置を下の歯に取り付けた状態の底面
図、図6は図5の装置を内側から見た場合の側面図、図
7は図6のA−A部の拡大断面図)、歯2〜6のうち内
側に寄っている永久大臼歯5を矯正するために、正常歯
4、6に保持・装着用金属環である第2部材30(3
1、32)を取り付け、歯5には外側への矯正応力を発
生する板状の第1部材20が内側から歯5に添うように
取り付ける。保持・装着用金属環である第2部材30
(31、32)は、第1部材20を保持し、歯に装着す
るためのもので、この第1部材20と第2部材30は、
二次元構造であり、精密鋳造により同一材質で一体に作
られている。
【0009】図8(上顎の歯列に歯列矯正装置を取り付
けた底面図)に示す矯正装置は、左側の歯1〜6のうち
の内側に寄っている歯4、5、6(右側の歯も同様)を
矯正(歯列弓拡大)するための矯正装置である。この矯
正装置は、歯にあてがう第1部材20と、左右の第1部
材20を繋ぎ保持・補強を担う第2部材40からなる。
第1部材20は大部分が板状の断面略矩形である。第2
部材40の一部の断面は、歯の側面ではなく、装置全体
を保持するために、上部を覆うようにL型をしている。
第1部材20と第2部材40の接合部23において曲げ
応力が外側に作用し、第1部材20の各部24、25、
26において、歯4、5、6は外側に矯正される。第1
部材20と保持兼補強用部材である第2部材40は、二
次元構造であり、精密鋳造により同一材質で一体に作ら
れている。図8で、41、41’、42、42’は40
の各部である。
【0010】前記歯列矯正装置にはNi−Ti系合金が
用いられており(特開平8−299367号公報)、前
記図5〜8に示した歯列矯正装置を鋳造一体型で製造す
るためにNi−Ti系合金の酸素量を0.08mass%以
下に規定して湯流れ性を改善した合金が提案されている
(特公平3−31777号公報)。また精密鋳造したN
i−Ti系合金(形状記憶合金または超弾性合金)は、
加工による特性改善ができないため、熱処理により特性
(超弾性特性)を改善する方法が提案されている(特開
平11−106880号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記二次元構
造の歯列矯正装置(特開平8−299367号公報)に
は次のような問題がある。即ち、(1)装着用金属環を
被せる歯が1本の場合は、その歯に装置固定力が集中し
て健全な歯が損傷する恐れがある。 (2)歯の側面に這わせるだけの固定では十分な矯正力
が得られず、内側から押しつける保持力を得るには部材
を厚くする必要があり、矯正力と保持力のバランスを取
るのが難しい。 (3)歯の側面に添わせて保持する場合は、矯正力は歯
の内側または外側の一方向のみからしか付与できない。 (4)歯の捩れや傾斜を矯正する場合、二次元構造では
効果的な矯正力の方向を実現するのが難しい。 (5)歯列矯正装置用材料には複雑な形状に鋳造できる
十分な湯流れ性が要求されるが、従来のNi−Ti系合
金では前記要求は十分には満足されない。
【0012】本発明は、かかる状況に鑑みなされたもの
で、前記二次元構造の歯列矯正装置の持つ着脱の容易さ
と歯列矯正力維持の特長を向上させ、さらに歯列矯正装
置の安定した装着、歯列矯正力の方向を選択できる三次
元構造の歯列矯正装置、矯正後の歯列を良好に保定でき
る歯列保定装置、歯列矯正と歯列保定を兼備した歯列治
療装置、前記諸装置に適したNi−Ti系合金、および
前記諸装置の優れた製造方法の提供を目的とする。な
お、前記Ni−Ti系合金は十分な湯流れ性を有し、か
つ一体型構造で変形可能な箇所が限定されても十分な超
弾性特性および所要伸び量が低応力で得られるものとす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
歯の内側と外側からはさみ込む形で歯列に装着し、任意
方向に矯正力を働かせる三次元構造を有し、同一材料に
より一体に構成されていることを特徴とする歯列矯正装
置である。
【0014】請求項2記載の発明は、前記歯列矯正装置
の構成部材を歯間部に密着させることにより固定し、前
記歯間部に密着した構成部材を支点として矯正力の方向
を制御することを特徴とする請求項1記載の歯列矯正装
置である。
【0015】請求項3記載の発明は、歯列の上部より歯
に密着するように被せ、歯列に対して押し付ける力を発
生させて歯列を矯正することを特徴とする請求項1記載
の歯列矯正装置である。
【0016】請求項4記載の発明は、歯列矯正後の歯列
保定に用いる装置であり、歯列弓と同様なU字形状をし
た歯列弓内側に装着する内側装着部と、歯列弓と同様な
U字形状をした歯列弓外側に装着する外側装着部からな
り、前記両装着部はそれぞれ歯の内側と外側からはさみ
込む形で、また歯列上面が露出するように装着され、か
つ三次元構造を有し、同一材料により一体に構成されて
いることを特徴とする歯列保定装置である。
【0017】請求項5記載の発明は、歯列矯正後は歯列
への矯正力をなくしそのまま歯列保定に用いることがで
きる歯の内側と外側からはさみ込む形で歯列に装着する
三次元構造を有し、同一材料により一体に構成された歯
列矯正と歯列保定とを兼備することを特徴とする歯列治
療装置である。
【0018】請求項6記載の発明は、前記装置を構成す
る材料が、酸素を0.04mass%以下、Tiを48〜5
1 mol%含み、残部がNiおよび不可避的不純物からな
るNi−Ti合金からなる請求項1、2、3のいずれか
に記載の歯列矯正装置である。
【0019】請求項7記載の発明は、前記装置を構成す
る材料が、酸素を0.04mass%以下、Tiを48〜5
1 mol%含み、残部がNiおよび不可避的不純物からな
るNi−Ti合金からなる請求項4記載の歯列保定装置
である。
【0020】請求項8記載の発明は、前記装置を構成す
る材料が、酸素を0.04mass%以下、Tiを48〜5
1 mol%含み、残部がNiおよび不可避的不純物からな
るNi−Ti合金からなる請求項5記載の歯列治療装置
である。
【0021】請求項9記載の発明は、前記装置を構成す
る材料が、酸素を0.04mass%以下、Tiを48〜5
1 mol%含み、残部がNiおよび不可避的不純物からな
るNi−Ti合金のうちの前記Niおよび/またはTi
の一部を、各々2 mol%以下のFe、Cr、V、Mn、
Co、Al、Nbのうちの1種または2種以上、または
各々20 mol%以下のCu、Pd、Auのうちの1種ま
たは2種以上で置換したNi−Ti系合金からなる請求
項1、2、3のいずれかに記載の歯列矯正装置である。
【0022】請求項10記載の発明は、前記装置を構成
する材料が、酸素を0.04mass%以下、Tiを48〜
51 mol%含み、残部がNiおよび不可避的不純物から
なるNi−Ti合金のうちの前記Niおよび/またはT
iの一部を、各々2 mol%以下のFe、Cr、V、M
n、Co、Al、Nbのうちの1種または2種以上、ま
たは各々20 mol%以下のCu、Pd、Auのうちの1
種または2種以上で置換したNi−Ti系合金からなる
請求項4記載の歯列保定装置である。
【0023】請求項11記載の発明は、前記装置を構成
する材料が、酸素を0.04mass%以下、Tiを48〜
51 mol%含み、残部がNiおよび不可避的不純物から
なるNi−Ti合金のうちの前記Niおよび/またはT
iの一部を、各々2 mol%以下のFe、Cr、V、M
n、Co、Al、Nbのうちの1種または2種以上、ま
たは各々20 mol%以下のCu、Pd、Auのうちの1
種または2種以上で置換したNi−Ti系合金からなる
請求項5記載の歯列治療装置である。
【0024】請求項12記載の発明は、前記装置を構成
する材料が、酸素を0.08mass%以下、Cuを7.0
〜10.0 mol%、Tiを49.0〜50.0 mol%、
残部Ni及び不可避的不純物からなる超弾性並びに湯流
れ性に優れる精密鋳造用Ni−Ti−Cu合金からなる
ことを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の
歯列矯正装置である。
【0025】請求項13記載の発明は、前記装置を構成
する材料が、酸素を0.08mass%以下、Cuを7.0
〜10.0 mol%、Tiを49.0〜50.0 mol%、
残部Ni及び不可避的不純物からなる超弾性並びに湯流
れ性に優れる精密鋳造用Ni−Ti−Cu合金からなる
ことを特徴とする請求項4記載の歯列保定装置である。
【0026】請求項14記載の発明は、前記装置を構成
する材料が、酸素を0.08mass%以下、Cuを7.0
〜10.0 mol%、Tiを49.0〜50.0 mol%、
残部Ni及び不可避的不純物からなる超弾性並びに湯流
れ性に優れる精密鋳造用Ni−Ti−Cu合金からなる
ことを特徴とする請求項5記載の歯列治療装置である。
【0027】請求項15記載の発明は、所定組成のNi
−Ti系合金からなる鋳造用母合金を溶解し、これを精
密鋳造する歯列矯正装置の製造方法において、前記所定
組成の母合金の表面酸化膜を溶解前に除去することを特
徴とする歯列矯正装置の製造方法である。
【0028】請求項16記載の発明は、所定組成のNi
−Ti系合金からなる鋳造用母合金を溶解し、これを精
密鋳造する歯列保定装置の製造方法において、前記所定
組成の母合金の表面酸化膜を溶解前に除去することを特
徴とする歯列保定装置の製造方法である。
【0029】請求項17記載の発明は、所定組成のNi
−Ti系合金からなる鋳造用母合金を溶解し、これを精
密鋳造する歯列治療装置の製造方法において、前記所定
組成の母合金の表面酸化膜を溶解前に除去することを特
徴とする歯列治療装置の製造方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】請求項1の発明の歯列矯正装置
は、歯の内側と外側からはさみ込む形で歯列に装着し、
任意の方向に矯正力が働く三次元構造を有するするの
で、次のような利点を有する。(1)矯正力を働かせる
向きを内方と外方に選択できる。(2)構成部材の厚み
や長さを変えることにより矯正力を部分的に変化させる
ことができる。(3)歯間での接触部分を支点として矯
正方向を制御できる。(4)内方または外方に傾斜した
歯列を矯正する場合は歯の側面上部に矯正力を加え、歯
の側面下部で装着のための固定を行うという効果的な構
造が取れる。
【0031】また、この歯列矯正装置は、同一材料によ
り一体に構成され、歯の三次元構造を利用して固定する
ので、着脱の動きは上下方向に限られるが、二次元構造
のものに比べて、治療の際の着脱の容易さと日常使用時
の固定性を両立させることができ、しかも永久変形し難
い。
【0032】請求項2の発明は、請求項1の発明の歯列
矯正装置の好ましい実施態様で、当該装置の部材が歯間
部に密着して固定され、前記部材の歯間密着部分を支点
として矯正力の方向を制御するものである。歯1本1本
にかかる力の大きさと方向が三次元的に制御できるため
健全な歯に加わる力を小さくできる。従って矯正治療が
効率良くなされ、患者にとっては不快感が軽減される。
【0033】請求項3の発明は、請求項1の発明の歯列
矯正装置の好ましい実施態様で、歯の上部より歯に密着
させるように被せ、歯列に対して下方向に発生する力に
より密着させた歯列矯正装置である。従来の歯列矯正ワ
イヤでは下に押しつける方向の力を出すのは困難である
が、この発明の歯列矯正装置によれば押しつける方向の
力を容易に出せる。この力は装着に利用できるだけでな
く、水平方向の矯正力と組み合わせることにより矯正に
も効果的に利用できる。
【0034】請求項4の発明の歯列保定装置は、歯の内
側と外側からはさみ込む形で歯列を保定する三次元構造
を有し、同一材料により一体に構成されるので、異物感
が小さく、また歯列全体にはめ込む形にすることによ
り、一体型であるための歯列密着性、歯の噛み合わせに
よる位置の変化にも適応できる。
【0035】請求項5の発明は、これまでは別々の装置
であった歯列矯正装置と歯列保定装置を同一装置で可能
にする歯列治療装置であり、この装置によれば、歯列矯
正とその後の歯列保定とを連続して行えるので効果的な
治療が可能になる。
【0036】請求項6の発明は請求項1〜3の発明の歯
列矯正装置に適した、請求項7の発明は請求項4の発明
の歯列保定装置に適した、請求項8の発明は請求項5の
発明の歯列治療装置に適した、それぞれNi−Ti系合
金である。前記Ni−Ti系合金は歯列への装置の装着
のし易さ及び矯正中の歯列に対する矯正力の掛かり方の
点で極めて優れている。特に逆変態点以上の温度である
体温において、超弾性効果により、数%におよぶ歪み量
に対して一定の応力を保持できるので一定の矯正力が働
き効果的な治療が可能である。また歯列移動後は矯正力
がなくなるため、そのまま保定治療に用いることができ
る。特にNi−Ti系合金は通常の金属線に比較してし
なやかなため保定装置として装着しても違和感がない。
また、高分子材料より高強度なため構成部材を薄くで
き、また歯列を覆う必要がないため口腔が塞がれるよう
なことがない。
【0037】前記Ni−Ti系合金の組成をTi48〜
51 mol%、残部Ti及び不可避的不純物からなるNi
−Ti合金、もしくは前記Niおよび/またはTiの一
部を、各々2 mol%以下のFe、Cr、V、Mn、C
o、Al、Nbのうちの1種以上、または各々20 mol
%以下のCu、Pd、Auのうちの1種以上で置換した
Ni−Ti系合金とした理由は、これらの合金組成で優
れた形状記憶及び超弾性特性を示すからである。また、
前記Ni−Ti系合金における酸素濃度を0.04mass
%以下に規定する理由は、酸素濃度が0.04mass%を
超えると、本発明の歯列矯正装置、歯列保定装置および
歯列治療装置に要求される、良好な湯流れ性と局部的変
形に耐え得る超弾性特性の要求が満足されなくなるため
である。0.04mass%以下の酸素濃度は高真空下での
鋳造または母合金の酸化膜除去により達成される。ここ
で母合金とは、歯列矯正装置などにそのまま用いられる
所定組成の合金のことである。
【0038】請求項9の発明は請求項1〜3の発明の歯
列矯正装置に適した、請求項10の発明は請求項4の発
明の歯列保定装置に適した、請求項11の発明は請求項
5の発明の歯列治療装置に適した、それぞれNi−Ti
系合金である。これらのNi−Ti系合金は前記請求項
6、7、8に適したNi−Ti系合金のNiおよび/ま
たはTiの一部を、各々2 mol%以下のFe、Cr、
V、Mn、Co、Al、Nbのうちの1種または2種以
上、または各々20 mol%以下のCu、Pd、Auのう
ちの1種または2種以上で置換したNi−Ti系合金で
ある。これらのNi−Ti系合金は優れた形状記憶およ
び超弾性特性を示す。さらに本発明の一体型歯列矯正な
らびに歯列保定装置では良好な湯流れ性と局部的変形に
耐え得る超弾性特性が要求されるために、酸素濃度を
0.04mass%以下に規定する必要がある。0.04ma
ss%以下の酸素濃度は鋳造時の高真空若しくは母合金に
おける酸化膜の除去により達成される。
【0039】請求項12の発明は請求項1〜3の発明の
歯列矯正装置に適した、請求項13の発明は請求項4の
発明の歯列保定装置に適した、請求項14の発明は請求
項5の発明の歯列治療装置に適した、それぞれNi−T
i系合金である。前記請求項12〜14の発明で用いら
れるNi−Ti−Cu合金は、酸素濃度0.08mass%
以下でも上記Ni−Ti系合金の中でも良好な湯流れ性
を示し、かつ良好な超弾性特性を示すことが特長であ
る。Ti量が49.0 mol%以下では過度のTiNi系
析出物の生成により加工が困難になり、Ti量が50.
5 mol%を超えるとTi系酸化物が生成して延性を劣化
させるので好ましく、安定した超弾性特性を得るには、
Cu量が7.0 mol%以上10 mol%以下の組成の合金
で、酸素濃度が0.08mass%以下である。また歯列治
療装置は一体型構造のために変形可能な箇所が少なくな
るため、良好な超弾性特性だけでなく伸び量が大きく、
変形に必要な力も少なくする必要があるが、Ni−4
9.2Ti合金の0.2%耐力値が460MPaに対し
てNi−49.2Ti−10Cu合金では0.2%耐力
値で332MPaであるため、変形し易く本発明装置に
適した材料である。
【0040】請求項15、16、17の発明は、それぞ
れ前記歯列矯正装置、歯列保定装置、歯列治療装置を精
密鋳造して製造する際に、用いる母合金の表面酸化膜を
除去する製造方法である。前記各装置は精密鋳造して製
造するが、その溶解原料にNi、Ti、Cu等の原料を
直接溶かすことは、秤量した原料をその少量の材料毎に
用意する必要があり、組成管理並びに製造上からも好ま
しくなく、目的組成を有する鋳造母合金を使用するのが
望ましい。特にNi−Ti−Cu合金では鋳造時にCu
の融点がTiやNiの融点に比較して300℃以上低い
ためにCuの蒸発による組成変化や鋳造装置が汚れる懸
念がある。
【0041】前記母合金の形状は歯科鋳造機の仕様にあ
った形が望ましく、前記母合金の鋳造材または前記鋳造
材の熱間加工材を切断して供するのが望ましい。Ni−
Ti系合金は等原子比近傍の金属間化合物であるため、
加工が困難であり切断時の熱で酸化膜が表面に生じる。
酸化膜が生じた状態で溶解鋳造すると酸化膜が精密鋳造
した装置内に混入して欠陥の原因になり十分な矯正力を
発現できなくなる。このため本発明では、鋳造母合金
は、表面酸化皮膜を除去してから溶解鋳造する。酸化膜
の除去方法は酸洗だけでは十分でなく、ブラスティング
などの機械研磨と酸洗を組み合わせると効果的に除去で
きる。機械加工による酸化膜除去は、必要以上の表面を
除去してしまう、費用がかかるなど工業上好ましくな
い。
【0042】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)本発明の歯列矯正装置の第1の実施形態を
図1(a)、(b)に示す。治療を要する患者の歯列模
型に本発明の歯列矯正装置を取付けて、前記歯列を矯正
後の状態に強制的に移動させた状態である。この歯列
は、隣接する歯1、2はその向き(矢印)が内側に寄っ
ており、歯3は全体的に内側に寄っている。他は正常な
歯並びである。この実施例は、歯1〜3を矯正する装置
であり、外側に向かって矯正力が発生する構造である。
歯列矯正後と現在の位置との相違により矯正力が発生す
る。歯列矯正装置51は歯列全体をはさみ込む形で装着
されている。歯列矯正装置51は線や板ではなく複雑な
三次元形状の一体装置で、歯間部に効果的に密着してい
る。
【0043】個別の歯についての装着の状態を図2、3
に示す。図2に示す矯正器具54、56は、装着前はL
字状を呈し、その曲がり角α1,α2 は歯の装着箇所のコ
ーナー部の角度β1,β2 より鋭角に形成されており、矯
正器具54は歯に装着すると右方向(矢印A)に装着力
が発生し、矯正器具56は歯に装着すると上下方向(矢
印B、C)に装着力が発生する。図3に示す矯正器具5
8は、装着前は円弧状を呈し、そのRは歯の装着箇所の
rより小さく形成されており、歯に装着すると中心方向
に装着力が発生する。図中の矢印方向に装着のために力
が発生する構造である。このように歯の断面方向に装着
力を発生できる。このように本発明の歯列矯正並びに保
定治具は三次元構造を有するので、効果的で少しの力で
矯正器具を歯に装着できる。
【0044】次に、上記構造の歯列矯正装置の製造方法
について説明する。まず治療を要する患者の歯より模型
を作製し、これに対して矯正装置の設計を行った。移動
を必要とする矯正を要する歯に対して、正常な位置に移
動する量(距離)、歯に加える力並びに方向を考慮した
歯列矯正後の正常な位置を反映した歯列矯正装置を設計
した。そして設計を基に常法に従って精密鋳造用の鋳型
を製作した。
【0045】Ti、Ni、Cuの各金属を所定量配合し
て高周波誘導加熱溶解法にて3kg溶解し、これを鋳造
して49.2Ti−Ni−8.5Cu合金鋳塊を得、こ
の鋳塊を面削したのち、25mmφの円柱状に熱間鍛造
し、これを長さ12mmに切断して母合金とした。次い
で、この母合金の表面酸化膜をバレルまたはブラスティ
ングにより機械的に除去した後、フッ硝酸に1分間浸漬
して表面酸化膜を除去した。なお、ブラスティングだけ
では酸化膜を完全には除去できず、またフッ硝酸に浸漬
するだけでは5分間浸漬しても酸化膜を完全に除去でき
なかった。次に、この表面酸化膜を除去した母合金をA
rガス雰囲気中でアーク溶解し、吸引加圧式鋳造機で所
定形状に鋳造し、表面を常法により仕上げて図1に示す
構造の歯列矯正装置を製造した。
【0046】前記歯列矯正装置を、その逆変態温度(約
15℃)以下の5℃で、患者の現状の歯列に合うように
所定量引き延ばして、患者の歯に装着した。なお、装着
後は体温(36〜37℃)により、材料の形状記憶効果
により歯列矯正後を想定した元の形状並びに位置に戻ろ
うとし、更に超弾性の応力による力が歯に働き、歯1は
外側に寄る方向へ矯正された。
【0047】1年後、患者の歯1〜3は、正常な位置に
移動して矯正治療効果が確認された。この間、本発明の
前述の効果である装着のし易さ、不快感の程度、歯磨き
の容易さ、また移動量のコントロールの容易さ等の効果
も確認できた。
【0048】その後引き続き歯列保定装置として上記歯
列矯正装置を使用した治療を行った。歯列矯正のために
歯列移動が終了しているので、歯列への矯正力は発生し
ていないのが確認できた。歯列保定治療の間、本発明の
前述の効果である、装着のし易さ、歯列の保定、異物感
の低減、歯磨きの容易さ等の効果も確認できた。
【0049】(実施例2)歯が傾斜している場合の矯正
装置を示す。歯列矯正を行う歯の周辺のみの拡大図を図
4に示す。歯列矯正前の歯13を歯列矯正装置の矯正器
具により歯14に矯正を行う。この場合歯列矯正装置は
側面を這わすだけでは十分でなく、歯側面上部に矯正力
を加えるのが効果的であり、矯正器具60が装着前の形
状であり、歯への装着により矯正器具61のように拡げ
られるため、図中の矢印方向に矯正のために力が発生す
る構造である。図中62は矯正のための基点となる矯正
器具である。このように本発明の歯列矯正は三次元構造
を有するので、効果的かつ少しの力で矯正力を歯に負荷
できる。
【0050】(実施例3)実施例3では合金材料につい
ての発明を説明する。丸棒チタンおよびニッケルペレッ
ト、または丸棒チタン、ニッケルペレットおよび純銅を
表1に示す合金組成になるように秤量し、タングステン
電極による非消耗型高真空アルゴンガスアーク溶解炉を
用いて溶解し、これをボタン状の鋳造用母合金を作製し
た。前記溶解鋳造は表1に示す真空度まで排気した後、
純度99.9%のアルゴンガスを50kPaの圧力で充
満させた雰囲気下で行った。前記雰囲気中の酸素濃度
を、不活性ガス融解−ガスクロマトグラフ法により測定
し表1に示した。測定はn=2の平均値である。次に、
前記ボタン状母合金を溶解し、これを平行部直径3m
m、平行部長さ15mmの歯科鋳造用コバルトクロム合
金の規格値に準拠した鋳型に鋳造して引張試験用サンプ
ルを製造した。
【0051】前記サンプルを550℃で1時間熱処理し
て超弾性効果の指標となる超弾性特性を調べた。超弾性
特性は、体温に相当する温度36℃(逆変態温度15℃
より高温)で引張歪みを4%与えた後、除荷した時の残
留歪み率で評価した。残留歪み率が0.5%以下は非常
に優れる(◎)、0.5%を超え1%以下は優れる
(○)、1%を超え2%以下はやや劣る(△)、2%を
超えは劣る(×)と評価した。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、本発明例のN
o.1〜3はいずれも良好な超弾性特性を示した。な
お、Ni−Ti二元合金では酸素濃度が0.04mass%
以下でないと良好な超弾性特性を示さないが(No.1
とNo.4、5の比較)、Ni−Ti−Cu合金では酸
素濃度が0.04〜0.08mass%の間でも良好な超弾
性特性を示した(No.2、3とNo.6の比較)。
【0054】
【発明の効果】本発明に係わる歯列矯正装置、歯列保定
装置および歯列治療装置は構造が単純で取外しも可能で
あり、装着しても不快感が少なく、特に歯列保定装置と
して異物感が小さい。また歯の1本1本にブラケットを
装着する必要がないため、歯科医師による装置の装着が
簡単で、一体型で位置が狂わず、且つ歯列矯正の移動量
の正確なコントロールが容易である。またこれまで歯列
矯正装置と歯列保定装置は別の装置であったが、本装置
では兼用も可能であり、治療作業も単純化できる。本発
明では、酸素を0.04mass%以下、Tiを48〜51
mol%含むNi−Ti合金、酸素を0.04mass%以
下、Tiを48〜51 mol%含み、前記Niおよび/ま
たはTiの一部を、各々2 mol%以下のFe、Cr、
V、Mn、Co、Al、Nbのうちの1種または2種以
上、または各々20 mol%以下のCu、Pd、Auのう
ちの1種または2種以上で置換したNi−Ti系合金、
または酸素を0.08mass%以下、Cuを7.0〜1
0.0 mol%、Tiを49.0〜50.0 mol%、残部
Ni及び不可避的不純物からなる超弾性並びに湯流れ性
に優れる精密鋳造用Ni−Ti−Cu合金を用いること
により超弾性特性に優れ装着性が極めて良好な歯列矯正
装置、歯列保定装置および歯列治療装置が得られる。歯
列矯正装置を精密鋳造により製造する際に用いる母合金
の表面酸化膜を溶解前に除去しておくことにより各装置
の低酸素化が容易に実現する。依って、工業上顕著な効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯列矯正装置の説明用写真で(a)は
斜め上方からの写真、(b)は上方からの写真である。
【図2】本発明の歯列矯正装置の個別の歯に装着した状
態の説明図である。
【図3】本発明の歯列矯正装置の個別の歯に装着した状
態の説明図である。
【図4】本発明の歯列矯正装置の個別の歯に装着した状
態の説明図である。
【図5】従来の歯列矯正装置を下の歯に取り付けた状態
の底面図である。
【図6】図5に示した従来の歯列矯正装置を内側から見
た側面図である。
【図7】図6に示した歯列矯正装置のA−A拡大断面図
である。
【図8】上顎の歯列に歯列矯正装置を取り付けた状態の
底面図である。
【符号の説明】
1〜6、13、14 歯 20 第1部材 30 第2部材 40 第2部材 23 接合部 24〜26 第1の部材の各部 41、41’、42、42’ 40の各部 51 歯列矯正装置 54、56、58、60 矯正器具 62 矯正のための基点となる矯正器具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米山 隆之 東京都渋谷区西原2丁目3番8号 Fターム(参考) 4C052 AA16 BB14 JJ01 JJ09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯の内側と外側からはさみ込む形で歯列
    に装着し、任意方向に矯正力を働かせる三次元構造を有
    し、同一材料により一体に構成されていることを特徴と
    する歯列矯正装置。
  2. 【請求項2】 前記歯列矯正装置の構成部材を歯間部に
    密着させることにより固定し、前記歯間部に密着した構
    成部材を支点として矯正力の方向を制御することを特徴
    とする請求項1記載の歯列矯正装置。
  3. 【請求項3】 歯列の上部より歯に密着するように被
    せ、歯列に対して押し付ける力を発生させて歯列を矯正
    することを特徴とする請求項1記載の歯列矯正装置。
  4. 【請求項4】 歯列矯正後の歯列保定に用いる装置であ
    り、歯列弓と同様なU字形状をした歯列弓内側に装着す
    る内側装着部と、歯列弓と同様なU字形状をした歯列弓
    外側に装着する外側装着部からなり、前記両装着部はそ
    れぞれ歯の内側と外側からはさみ込む形で、また歯列上
    面が露出するように装着され、かつ三次元構造を有し、
    同一材料により一体に構成されていることを特徴とする
    歯列保定装置。
  5. 【請求項5】 歯列矯正後は歯列への矯正力をなくしそ
    のまま歯列保定に用いることができる歯の内側と外側か
    らはさみ込む形で歯列に装着する三次元構造を有し、同
    一材料により一体に構成された歯列矯正と歯列保定とを
    兼備することを特徴とする歯列治療装置。
  6. 【請求項6】 前記装置を構成する材料が、酸素を0.
    04mass%以下、Tiを48〜51 mol%含み、残部が
    Niおよび不可避的不純物からなるNi−Ti合金から
    なる請求項1、2、3のいずれかに記載の歯列矯正装
    置。
  7. 【請求項7】 前記装置を構成する材料が、酸素を0.
    04mass%以下、Tiを48〜51 mol%含み、残部が
    Niおよび不可避的不純物からなるNi−Ti合金から
    なる請求項4記載の歯列保定装置。
  8. 【請求項8】 前記装置を構成する材料が、酸素を0.
    04mass%以下、Tiを48〜51 mol%含み、残部が
    Niおよび不可避的不純物からなるNi−Ti合金から
    なる請求項5記載の歯列治療装置。
  9. 【請求項9】 前記装置を構成する材料が、酸素を0.
    04mass%以下、Tiを48〜51 mol%含み、残部が
    Niおよび不可避的不純物からなるNi−Ti合金のう
    ちの前記Niおよび/またはTiの一部を、各々2 mol
    %以下のFe、Cr、V、Mn、Co、Al、Nbのう
    ちの1種または2種以上、または各々20 mol%以下の
    Cu、Pd、Auのうちの1種または2種以上で置換し
    たNi−Ti系合金からなる請求項1、2、3のいずれ
    かに記載の歯列矯正装置。
  10. 【請求項10】 前記装置を構成する材料が、酸素を
    0.04mass%以下、Tiを48〜51 mol%含み、残
    部がNiおよび不可避的不純物からなるNi−Ti合金
    のうちの前記Niおよび/またはTiの一部を、各々2
    mol%以下のFe、Cr、V、Mn、Co、Al、Nb
    のうちの1種または2種以上、または各々20 mol%以
    下のCu、Pd、Auのうちの1種または2種以上で置
    換したNi−Ti系合金からなる請求項4記載の歯列保
    定装置。
  11. 【請求項11】 前記装置を構成する材料が、酸素を
    0.04mass%以下、Tiを48〜51 mol%含み、残
    部がNiおよび不可避的不純物からなるNi−Ti合金
    のうちの前記Niおよび/またはTiの一部を、各々2
    mol%以下のFe、Cr、V、Mn、Co、Al、Nb
    のうちの1種または2種以上、または各々20 mol%以
    下のCu、Pd、Auのうちの1種または2種以上で置
    換したNi−Ti系合金からなる請求項5記載の歯列治
    療装置。
  12. 【請求項12】 前記装置を構成する材料が、酸素を
    0.08mass%以下、Cuを7.0〜10.0 mol%、
    Tiを49.0〜50.0 mol%、残部Ni及び不可避
    的不純物からなる超弾性並びに湯流れ性に優れる精密鋳
    造用Ni−Ti−Cu合金からなることを特徴とする請
    求項1、2、3のいずれかに記載の歯列矯正装置。
  13. 【請求項13】 前記装置を構成する材料が、酸素を
    0.08mass%以下、Cuを7.0〜10.0 mol%、
    Tiを49.0〜50.0 mol%、残部Ni及び不可避
    的不純物からなる超弾性並びに湯流れ性に優れる精密鋳
    造用Ni−Ti−Cu合金からなることを特徴とする請
    求項4記載の歯列保定装置。
  14. 【請求項14】 前記装置を構成する材料が、酸素を
    0.08mass%以下、Cuを7.0〜10.0 mol%、
    Tiを49.0〜50.0 mol%、残部Ni及び不可避
    的不純物からなる超弾性並びに湯流れ性に優れる精密鋳
    造用Ni−Ti−Cu合金からなることを特徴とする請
    求項5記載の歯列治療装置。
  15. 【請求項15】所定組成のNi−Ti系合金からなる鋳
    造用母合金を溶解し、これを精密鋳造する歯列矯正装置
    の製造方法において、前記所定組成の母合金の表面酸化
    膜を溶解前に除去することを特徴とする歯列矯正装置の
    製造方法。
  16. 【請求項16】所定組成のNi−Ti系合金からなる鋳
    造用母合金を溶解し、これを精密鋳造する歯列保定装置
    の製造方法において、前記所定組成の母合金の表面酸化
    膜を溶解前に除去することを特徴とする歯列保定装置の
    製造方法。
  17. 【請求項17】所定組成のNi−Ti系合金からなる鋳
    造用母合金を溶解し、これを精密鋳造する歯列治療装置
    の製造方法において、前記所定組成の母合金の表面酸化
    膜を溶解前に除去することを特徴とする歯列治療装置の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014140013A1 (de) * 2013-03-13 2014-09-18 SCHUMACHER, Pascal Roman Retainer sowie verfahren zu dessen herstellung
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