JP2002175636A - 光記憶媒体および傾き検出装置および情報記録再生装置 - Google Patents

光記憶媒体および傾き検出装置および情報記録再生装置

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JP2002175636A JP2001283432A JP2001283432A JP2002175636A JP 2002175636 A JP2002175636 A JP 2002175636A JP 2001283432 A JP2001283432 A JP 2001283432A JP 2001283432 A JP2001283432 A JP 2001283432A JP 2002175636 A JP2002175636 A JP 2002175636A
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Shigeru Furumiya
成 古宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】案内溝の周期を小さくして記録容量を増大して
も、光記憶媒体の傾きを安定に検出する。 【解決手段】周期Gpの連続した溝を有するディスクの、
n番目のトラックGnに隣接するトラックをGn-1,Gn+1と
するとき、Gn-1とGn+1のトラックの溝を一部無くし、等
価的に溝周期をGpの2倍となる領域を設ける。溝周期Gp
の領域から得られるプッシュプル信号と溝周期Gpの2倍
の領域から得られるプッシュプル信号を差動演算し、チ
ルト誤差信号を得る。溝周期Gpを狭くして記憶容量を
増大しても、新たに部品を追加することなく傾きを検出
できるので、信頼性の高い情報記録再生装置を安価に実
現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクあるい
は光カードなどの光記憶媒体、および光記憶媒体上に情
報の記録・再生あるいは消去を行う情報記録再生装置、
およびその装置における集光光学系で集光されるビーム
と光記憶媒体とがなす角度を検出する傾き検出装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】高密度・大容量の記憶媒体として、ピッ
ト状パターンを有する光ディスクを用いる光メモリ技術
は、ディジタルオーディオディスク、ビデオディスク、
文書ファイルディスク、さらにはデータファイルと用途
を拡張しつつ、実用化されてきている。近年、特に普及
し始めたデジタルバーサタイルディスク(DVD)は、
波長650nmの可視光半導体レーザーを光源とした高
密度光ディスクであり、再生専用のDVD−ROM、1
度だけ記録可能なDVD−R、何度も記録可能なDVD
−RAM等、様々な媒体が規格化されている。
【0003】図15は、記憶媒体の1つであるDVD−
ROMに対する従来の光ピックアップヘッド装置の光学
系の構成を示した図である。光源である半導体レーザ1
は、波長λ=0.65μmの直線偏光の発散ビーム70
を出射する。ビーム70はハーフミラー7で反射されて
光路を折り曲げられた後、焦点距離20mmのコリメー
トレンズ8を経て平行光に変換される。平行光に変換さ
れたビーム70は、焦点距離3mmの対物レンズ9で収
束ビームに変換され、記憶媒体40の透明基板40aを
透過し、情報記録面40b上に集光される。対物レンズ
9の開口はアパーチャ12で制限され、対物レンズ9の
開口数NAを0.6としている。透明基板40aの厚さ
は、0.6mmである。情報記録面40bで反射された
ビーム70は、対物レンズ9、コリメートレンズ8を透
過した後、ハーフミラー7を透過して非点収差が付与さ
れ、光軸を傾けた凹レンズ11を透過することでハーフ
ミラー7を透過する際に非点収差と共に付与されたコマ
収差が補正され、光検出器31で受光される。軸31e
は、光検出器31で受光されるビーム70における情報
記録面40bのトラックの写像と平行な軸である。 光
検出器31は4つの受光部31a〜31dを有し、それ
ぞれ受光した光量に応じた電流信号I31a〜I31d
を出力する。受光部31a〜31dの大きさは、それぞ
れ50μm×50μmである。受光部31a〜31dか
ら出力される電流信号I31a〜I31dは、それぞれ
電流電圧変換回路51の回路部51a〜51dに入力さ
れて、電圧信号V51a〜V51dに変換され光ピック
アップヘッド装置から出力される。 フォーカス誤差信
号は、光ピックアップヘッド装置から出力される信号V
51a〜V51dを用いて非点収差法により、すなわち
(V51a+V51c)−(V51b+V51d)の演
算で得られる。また、トラッキング誤差信号は、媒体が
DVD−ROMのときは、V51a〜V51dの位相を
比較する位相差法により、媒体がDVD−RAMのとき
はプッシュプル法により、すなわち(V51a+V51
d)−(V51b+V51c)の演算でそれぞれ得られ
る。フォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号は、
所望のレベルに増幅及び位相補償が行われた後、アクチ
ュエータ91及び92に供給されて、フォーカス及びト
ラッキング制御がなされる。
【0004】対物レンズ9の開口数NAを0.6まで大
きくすると、光記憶媒体40の有するそりが大きい場合
に、光記憶媒体40に記録された情報を忠実に読み出す
ことができなくなってしまう。そこで、光記憶媒体40
と集光ビーム70とがなす角度の検出を、反射型フォト
カップラで行っている。反射型フォトカップラは、光源
97と光検出器98からなり、光源97は発光ダイオー
ドであり、光検出器98は受光部が2分割に分けられて
いる。光記憶媒体40の傾きに応じて、光検出器98の
2分割の受光部から出力される信号強度が変化するの
で、光検出器98から出力される信号を差動演算するこ
とにより、光記憶媒体40の傾きに応じた信号が得られ
る。ここでは、図示していないが、傾きに応じた信号を
用いて、フォトカップラ及び光ピックアップヘッド装置
からなる光学系全体を傾けることにより、光記憶媒体4
0がどのようなそりを有していても常に光記憶媒体40
に対してビーム70が所望の角度となるように制御して
いる。しかしながら、反射型フォトカップラを用いて、
光記憶媒体40のそりを検出する場合、その分、部品点
数と光ピックアップヘッド装置を組み立てる際の工数が
増えるので、高価な光学系になる。また、傾きを検出す
るビームを照射するトラックと情報を再生するビームを
照射するトラックが異なるため、半径方向の位置で傾き
が異なるような光記憶媒体の場合、光記憶媒体の傾きを
十分に補正することができず、信号を忠実に再生できな
いことがある。
【0005】フォトカップラを傾き検出に用いる際の課
題を解消するために、特開平10−97753号(アメ
リカ特許出願番号08/877363号)、特開200
0−57606号、特開2000−90948号、特開
2000−123390号、特開2000−13792
3号、特開2000−149296号(アメリカ特許出
願番号09/386458号)、特開2000−149
298号、特開2000−123390号(アメリカ特
許出願番号09/386458号)公報には、DVD−
RAMの案内溝およびCAPAと呼ぶアドレス部を用い
た傾き検出装置が開示されている。これらの傾き検出装
置は、フォトカップラが不要であり、光学構成が簡素化
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】傾き検出にフォトカッ
プラを用いたとき、フォトカップラを含めて光学系全体
を駆動して光記憶媒体に対する傾きを調整しないと閉ル
ープ制御ができない。光学系全体を駆動するため、薄型
の情報記録再生装置に適用することは困難であるという
課題があった。
【0007】また、案内溝とCAPAを用いた傾き検出
は、光記憶媒体に形成された案内溝の周期Gpがλ/N
Aよりも大きいときに有効であるので、DVD−RAM
のようにランドとグルーブの両方にトラックを設けると
きには、情報を多く記録できるし、傾きも良好に検出で
きる。しかしながら、ランドもしくはグルーブの一方に
しか情報トラックを設けない場合、Gp>λ/NAとし
て良好な傾き検出を行う場合には、情報記録容量が低下
し、Gp<λ/NAとして情報記録容量を上げると、傾
きをうまく検出できなくなるという課題があった。
【0008】本発明は、傾き検出装置で光記憶媒体の傾
きを検出する場合において、案内溝の周期を小さくして
記録容量を増大しても、光記憶媒体の傾き検出を安定に
実現するためのものであり、従来の装置のこのような課
題を考慮し、簡素な構成で光記憶媒体、およびそのよう
な光記憶媒体を用いた傾き検出装置、およびそのような
傾き検出装置を用いた情報記録再生装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る光記憶媒体は、隣接する溝と溝との周
期がGp1の案内溝を有する光記憶媒体において、n番
目の溝Gnの両側に隣接する溝をそれぞれ溝Gn−1と
溝Gn+1とするとき、溝Gn−1と溝Gn+1をいず
れも一部無くした断続的な溝とし、溝Gnの周期Gp2
が等価的にGp1の2倍となる領域を設け、情報を記録
再生する際に照射されるビームの波長をλ、前記ビーム
を光記憶媒体に集光する集光光学系の開口数をNAとす
るとき、λ/NA≧Gp1≧λ/(2・NA)の関係を
有する。
【0010】本発明に係る別の光記憶媒体は、隣接する
溝と溝との周期がGp1の案内溝を有する光記憶媒体に
おいて、溝の一部を無くして断続的な溝を形成し、溝の
周期Gp2が等価的にGp1の2倍となる領域を設け、
情報を記録再生する際に照射されるビームの波長をλ、
前記ビームを光記憶媒体に集光する集光光学系の開口数
をNAとするとき、λ/NA≧Gp1≧λ/(2・N
A)の関係を有する。
【0011】本発明に係る更に別の光記憶媒体は、周期
Gp1の案内溝を有する光記憶媒体において、n番目の
溝Gnの両側に隣接する溝をそれぞれ溝Gn−1と溝G
n+1とするとき、溝Gn−1もしく溝Gn+1の一方
の一部を無くして断続的な溝とし、溝の周期Gp2が等
価的にGp1よりも広くなる領域を設け、情報を記録再
生する際に照射されるビームの波長をλ、前記ビームを
光記憶媒体に集光する集光光学系の開口数をNAとする
とき、λ/NA≧Gp1≧λ/(2・NA)の関係を有
する。
【0012】本発明に係る傾き検出装置は、ビームを発
するレーザ光源と、該光源から出射されたビームを情報
記憶媒体上へ微小スポットに収束する集光光学系と、該
情報記憶媒体で反射、回折したビームを受け取り、受け
取ったビームの光量に応じた信号を出力する光検出器
と、該光検出器から出力される第1の信号と第2の信号
を受け取り、受け取った信号を演算して、該光記憶媒体
と該集光光学系の光軸とがなす角度に関係する信号を出
力する信号処理部とを備え、該光記憶媒体は隣接する溝
と溝との周期がGp1の案内溝を有しており、n番目の
溝Gnの両側に隣接する溝をそれぞれ溝Gn−1と溝G
n+1とするとき、溝Gn−1と溝Gn+1をいずれも
一部無くした断続的な溝とし、溝Gnの周期Gp2が等
価的にGp1の2倍となる領域を設け、該光源からのビ
ームの波長をλ、該ビームを該光記憶媒体に集光する該
集光光学系の開口数をNAとするとき、λ/NA≧Gp
1≧λ/(2・NA)の関係にあり、該第1の信号が得
られるときの該情報記憶媒体上の溝の周期はGp1であ
り、該第2の信号が得られるときの該情報記憶媒体上の
溝の周期はGp2である。
【0013】本発明に係る別の傾き検出装置は、ビーム
を発するレーザ光源と、該光源から出射されたビームを
情報記憶媒体上へ微小スポットに収束する集光光学系
と、該情報記憶媒体で反射、回折したビームを受け取
り、受け取ったビームの光量に応じた信号を出力する光
検出器と、該光検出器から出力される第1の信号と第2
の信号を受け取り、受け取った信号を演算して、該光記
憶媒体と該集光光学系の光軸とがなす角度に関係する信
号を出力する信号処理部とを備え、該光記憶媒体は隣接
する溝と溝との周期がGp1の案内溝を有しており、溝
の一部を無くして断続的な溝を形成し、溝の周期Gp2
が等価的にGp1の2倍となる領域を設け、情報を記録
再生する際に照射されるビームの波長をλ、前記ビーム
を光記憶媒体に集光する集光光学系の開口数をNAとす
るとき、λ/NA≧Gp1≧λ/(2・NA)の関係に
あり、該第1の信号が得られるときの該情報記憶媒体上
の溝の周期はGp1であり、該第2の信号が得られると
きの該情報記憶媒体上の溝の周期はGp2である。傾き
検出装置。
【0014】本発明に係る更に別の傾き検出装置は、ビ
ームを発するレーザ光源と、該光源から出射されたビー
ムを情報記憶媒体上へ微小スポットに収束する集光光学
系と、該情報記憶媒体で反射、回折したビームを受け取
り、受け取ったビームの光量に応じた信号を出力する光
検出器と、該光検出器から出力される第1の信号と第2
の信号を受け取り、受け取った信号を演算して、該光記
憶媒体と該集光光学系の光軸とがなす角度に関係する信
号を出力する信号処理部とを備え、該光記憶媒体は隣接
する溝と溝との周期がGp1の案内溝を有しており、n
番目の溝Gnの両側に隣接する溝をそれぞれ溝Gn−1
と溝Gn+1とするとき、溝Gn−1もしく溝Gn+1
の一方の一部を無くして断続的な溝とし、溝の周期Gp
2が等価的にGp1よりも広くなる領域を設け、情報を
記録再生する際に照射されるビームの波長をλ、前記ビ
ームを光記憶媒体に集光する集光光学系の開口数をNA
とするとき、λ/NA≧Gp1≧λ/(2・NA)の関
係にあり、該第1の信号が得られるときの該情報記憶媒
体上の溝の周期はGp1であり、該第2の信号が得られ
るときの該情報記憶媒体上の溝の周期はGp2である。
【0015】本発明に係る情報記録再生装置は、上記の
傾き検出装置と、情報記憶媒体と傾き検出装置との相対
的な位置を変化させる駆動部と、前記傾き検出装置から
出力される信号を受けて演算を行い、光記憶媒体に記憶
された所望の情報を得る電気信号処理部とを備える。
【0016】上記発明の構成によれば、案内溝の周期を
小さくして記録容量を増大しても、溝の周期が異なる案
内溝から得られる2つの信号を演算することにより、照
射されるビームと光記憶媒体の相対的な傾きを検出する
ことが可能となるため、信頼性の高い情報記録再生装置
を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光記憶媒体お
よび傾き検出装置および情報記録再生装置の実施の形態
について添付の図面を参照して説明する。なお、各図面
において同一の符号は同一の構成要素または同様の作
用、動作をなすものを表す。
【0018】(実施の形態1)図1は、本発明の傾き検
出装置の一例を示す信号処理部707の構成図である。
光源から出射されるビームを光記憶媒体に照射し、光記
憶媒体で反射された光検出器で受光する光ピックアップ
ヘッド装置は、例えば図15に示すような従来の光ピッ
クアップヘッド装置が適用できる。波長λ=0.65μ
m、対物レンズの開口数NA=0.6である。ただし、
本願発明は後述する光記憶媒体41を用いているので、
光源97及び光検出器98からなる反射型フォトカップ
ラは不要である。
【0019】光検出器31の4つの受光部31a〜31
dから出力される信号は、電流電圧変換回路51の回路
部51a〜51dで電流電圧変換される。電流電圧変換
部51から出力される信号は演算部871で、トラッキ
ング誤差信号を得るときと同様な差動演算がなされる。
演算部871から出力される信号は、いわゆるプッシュ
プル信号である。演算部871から出力される信号は、
サンプルアンドホールド部821及び822でサンプリ
ングされる。サンプルアンドホールド部821と822
で信号をサンプリングするタイミングを示すタイミング
信号は、トリガー信号生成部804で生成される。サン
プルアンドホールド部821から得られる信号とサンプ
ルアンドホールド部822から得られる信号の振幅は異
なるので、サンプルアンドホールド部822から出力さ
れる信号は、可変利得増幅部831で振幅がサンプルア
ンドホールド部821から出力される信号と等しくなる
ように増幅される。サンプルアンドホールド部821か
ら出力される信号と可変利得増幅部831から出力され
る信号は演算部872で差動演算がなされ、演算部87
2から出力される信号は端子813から出力され、光記
憶媒体41と集光されるビームの光軸との傾きを示す信
号となる。
【0020】図2は、光記憶媒体41の案内溝Gの概略
構成を示している。媒体は、外形が円盤の形状をしてお
り、ここでは、案内溝Gをスパイラル状に形成して、ト
ラックとしている。基板の厚みは0.6mmである。
【0021】図3は、情報記憶媒体41の案内溝Gの構
成さらに詳しく示したものである。・・・、Gn−3、
・・・、Gn+3、・・・は、それぞれn−3、・・
・、n+3番目の案内溝である。案内溝の半径方向の周
期Gp1は、0.62μmとしている。傾きの検出は、
5本の案内溝に特徴を持たすことによって可能になる。
案内溝Gnにビームを照射したときに傾きの検出が行わ
れる。このとき、溝Gn−1と溝Gn+1は、案内溝の
一部をなくした、すなわち離散的な溝を形成しておく。
ここでは、溝をなくす部分の長さBKを4μmとしてい
る。情報を記録再生するために、光ピックアップヘッド
装置からのビームが溝Gnをトラックに沿って走査する
際、溝Gn−1と溝Gn+1をなくしたところでは、集
光ビーム70は、溝の周期をあたかもGpwと感じる。
本当に溝の周期を変えるためには、溝Gn−3と溝Gn
+3の一部もなくさなければならないが、Gp1>λ/
(2・NA)であれば、溝Gn−3と溝Gn+3の一部
をなくさなくても光ピックアップヘッド装置から集光さ
れるビームは実質的に溝の周期をGpwと感じる。Gp
wはGp1の2倍であり、Gp1が0.62μmのと
き、Gpwは1.24μmである。トリガー信号生成部
804が生成するタイミング信号のタイミングはSa1
とSa2であり、これは、光ピックアップヘッド装置か
らのビームがそれぞれ周期Gp1とGpwの案内溝を走
査しているタイミングに相当する。差動演算部871か
ら出力される信号は、プッシュプル法で得られるトラッ
キング誤差信号と同様であり、サンプルアンドホールド
部821と822でサンプルアンドホールドされる信号
は、それぞれ溝の周期が0.62μmと1.24μmの
プッシュプル信号である。光記憶媒体と光ピックアップ
ヘッド装置からのビームに傾きが生じたとき、プッシュ
プル信号のゼロクロスの点がトラックの中心すなわち溝
の中心から光記憶媒体の半径方向にずれた位置に動くと
いうことは、特開平10−97753号(アメリカ特許
出願番号08/877363号)で明らかにされた公知
の事象である。特開平10−97753号(アメリカ特
許出願番号08/877363号)は、本願明細書の一
部を構成する。
【0022】このずれ量は、溝の周期Gpと光源の波長
λと対物レンズの開口数NAとの間に密接な関係が有
り、GP>λ/NAのときに顕著である。ここでは、光
源の波長λ=0.65μm、対物レンズのNA=0.
6、溝の周期Gp1=0.62μm、Gpw=1.24
μmとしているので、Gp1<λ/NA、Gpw>λ/
NAの関係を持たせている。その結果、光記憶媒体の傾
きに対するプッシュプル信号のゼロクロス点の溝中心か
らの移動量は、溝の周期がGp1のときには小さく、溝
の周期がGpwのときには大きい。したがって、差動演
算部872から出力される信号が、傾き検出信号とな
る。
【0023】ここで、傾きが検出される原理について図
10、11、12、13、14を用いて説明する。図1
1において、集光ビーム70が光記憶媒体に垂直に入射
している場合、すなわち、光記憶媒体の傾きがない場
合、集光ビーム70が溝を垂直方向に横切ると、溝のピ
ッチである周期Gp1を1サイクルとする正弦波のプッ
シュプル信号S1が発生する。光記憶媒体の傾きが生じ
た場合も、同じプッシュプル信号S1が発生する。図1
0において、光記憶媒体の傾きがない場合、集光ビーム
70が溝を垂直方向に横切ると、溝のピッチである周期
Gpwを1サイクルとする正弦波のプッシュプル信号S
2が発生する。集光ビーム70の光軸に対し、プラスの
方向に光記憶媒体の傾きが生じた場合、正弦波の位相が
進み、プッシュプル信号S2+が発生する。逆に、集光
ビーム70の光軸に対し、マイナスの方向に光記憶媒体
の傾きが生じた場合、正弦波の位相が遅れ、プッシュプ
ル信号S2−が発生する。
【0024】動作時には、トラッキング制御が加わって
いるので、集光ビーム70は、溝を垂直方向に横切るこ
とはせず、溝に沿って移動する。図3において、Sa1
の時点においてサンプルされたプッシュプル信号がサン
プルアンドホールド部821に保持される。また、Sa
2の時点においてサンプルされたプッシュプル信号がサ
ンプルアンドホールド部822に保持される。2つのサ
ンプルされたプッシュプル信号が、演算部872におい
て比較される。集光ビーム70が溝の中心を通っておれ
ば、サンプルアンドホールド部821に保持された信号
はゼロである。この場合、光記録媒体の傾きが無い場合
は、サンプルアンドホールド部822に保持された信号
もゼロである。サンプルアンドホールド部821、82
2からの信号の差はゼロであり、光記録媒体の傾きが無
いことを示す。
【0025】集光ビーム70が溝の中心を通っており、
プラスの方向に光記憶媒体の傾きが生じた場合、サンプ
ルアンドホールド部821に保持される信号はゼロであ
り、サンプルアンドホールド部822に保持される信号
は+Kとなる。サンプルアンドホールド部821、82
2からの信号の差は+Kであり、光記録媒体の傾きがプ
ラス方向にあることを示す。また、その程度はKに比例
した値となる。マイナスの方向に光記憶媒体の傾きが生
じた場合も同様に考えられる。集光ビーム70が溝の中
心からずれた位置を通っており、プラスの方向に光記憶
媒体の傾きが生じた場合、サンプルアンドホールド部8
21に保持される信号はΔdであり、サンプルアンドホ
ールド部822に保持される信号は+K+Δdとなる。
サンプルアンドホールド部821、822からの信号の
差は+Kであり、光記録媒体の傾きがプラス方向にある
ことを示す。以上のようにして、特別な外部構成を設け
ることなく、光記録媒体の溝のピッチに変化を設けるだ
けで、容易に光記憶媒体の傾きを検出することができ
る。
【0026】次に、溝のピッチの長さにより、プッシュ
プル信号に影響が表れたり表れなかったりする理由につ
いて説明する。集光ビーム70には、光記録媒体から直
接反射してくる直接ビームと、溝のエッジで回折され、
直接ビームの両側に現れる一次回折光と二次回折光が含
まれる。一次回折光と二次回折光の距離は、溝のピッチ
Gpが大きくなるほど小さくなる。一次回折光と二次回
折光が接近すると、光検出器31の中央部で一部重複
し、アイパターンの明るい部分ができる。光記録媒体が
傾斜すると、この明るい部分の内、光検出部31の右半
分31a、31bに来る光の部分と、左半部31c、3
1dに来る光の部分に差が生じ、信号S2+やS2−の
ような位相差が生じる。
【0027】図12に示す様に、一次回折光と二次回折
光が直接ビームの両側に接する様に現れるための条件
は、Gp=λ/2NAである。ここで、λは、情報を記
録再生する際に照射されるビームの波長であり、NA
(numerical aperture)は、集光ビームを光記憶媒体に
集光する集光光学系の開口数である。図13に示す様
に、一次回折光と二次回折光が互いに接する様に現れる
ための条件は、Gp=λ/NAである。図14に示す様
に、一次回折光と二次回折光が、互いの半径が重複する
程度に、重複する様に現れるための条件は、Gp=2λ
/NAである。この実施の形態では、通常の溝のピッチ
をGp1とし、 λ/2NA≦Gp1≦λ/NA を満たす様な値に選ぶ。また、溝が一部欠落した部分の
溝のピッチをGpwとし、 λ/NA≦Gpw≦2λ/NA を満たす様な値に選ぶ。
【0028】図4は、本実施の形態の傾き検出装置から
得られる傾き検出信号の一例である。良好な傾き検出信
号が得られる。ここで、対物レンズをアクチュエータで
駆動してトラッキング制御を行う場合には、光記憶媒体
の偏心量に依存して、サンプルアンドホールド部821
と822でサンプルアンドホールドされる信号に不要な
オフセットが混入する。そのオフセットを低減するに
は、光検出器へビームを導く素子としてホログラム素子
を用い、対物レンズとホログラム素子を一体にして駆動
する構成や、特開平10−162383号公報に開示さ
れているように光記憶媒体に3つのビームを照射して、
差動演算によりオフセットを補正する方法、等、プッシ
ュプル信号のオフセットを低減するための一般的な方法
を適用すればよい。トラッキング動作を光学系全体を駆
動して行う場合、トラッキング誤差信号のオフセットの
補正は不要である。
【0029】また、ここでは、詳しく述べていないが、
光検出器31は、通常、情報記録再生装置を実現するた
めのフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、光記
憶媒体に記録された情報信号を検出するために用いられ
る光検出器であり、その光検出器を用いて傾き検出を行
うことができる。すなわち傾きを検出するために検知器
として新規の部品を設ける必要がなく、新規部品を設け
ないので、その分組み立て調整工程も簡素化され、安価
で小型な傾き検出装置となる。さらに、温度変化や経時
変化が生じないので、信頼性の高い情報記録再生装置と
なる。
【0030】また、トラッキング制御は、溝の周期Gp
がGp1のときのプッシュプル信号を用いて行うことが
でき、このときGp1<λ/NAの関係を有しているこ
とから、光記憶媒体と光ピックアップヘッド装置からの
ビームに傾きが生じた場合でも、トラッキング誤差信号
のゼロクロスの点が溝の中心から光記憶媒体の半径方向
にずれる量は小さい。言い換えれば、光記憶媒体に傾き
が生じても、常にトラックの中心に光ピックアップヘッ
ド装置からのビームを照射できる。そのため、クロスト
ークやクロスイレースによるジッタの劣化が少なく、従
来のCAPAを用いて傾き検出を行う装置と比べて信頼
性の高い情報記録再生装置となる。また、複数の異なる
光ヘッド装置および情報記憶媒体を用いる場合の互換性
が高くなる。
【0031】また、Gp1<λ/NAの関係を持たせ
て、グルーブもしくはランドの一方に情報を記録する光
記憶媒体の場合、光記憶媒体を作製する際に、ランドと
トラックの情報を記録するどちらか一方の特性を最適化
すればよいので、光記憶媒体に製膜する際の作製精度は
極めて緩和される。また、溝の深さの管理についても同
様で、ランドグルーブ記録であれば、隣接トラックから
のクロストークを低減するために溝深さを厳密に管理し
なければならないが、ランドもしくはグルーブの一方の
みに情報を記録する場合、溝深さの影響は少なく、製膜
と同様に作製精度が緩和される。そのため、光記憶媒体
を製造する際の、歩留まりがよくなり、安価な媒体とな
る。ランドとグルーブの両方に情報を記録する記憶容量
2.6GBのDVD−RAMの溝周期が1.48μmで
あり、グルーブのみに情報を記録するDVD−RWの溝
周期が0.74μmであることからもわかるように、信
号を忠実に記録再生するという点から、ランドとグルー
ブの両方に情報を記録する際の溝の周期は、ランドもし
くはグルーブの一方のみに情報を記録する際の溝の周期
よりも広くする必要があるので、ランドもしくはグルー
ブの一方のみに情報を記録する場合も、溝の周期を適切
に設計することにより、ランドとグルーブの両方に情報
を記録する場合と比較して、同じ記録容量を実現でき
る。
【0032】傾きを検出するための溝は、光記憶媒体の
傾きが実質上問題無い程度に検出できる程度であればよ
いので、例えば光記憶媒体の半径方向に対して溝100
0本につき1ケ所程度の割合で設ければよい。光記憶媒
体のトラック群をいくつかのゾーンに分ける構成の場合
には、ゾーンの境界毎に設けることで、記録容量を損な
うことなく、傾き検出が可能となる。勿論、傾きの検出
精度を高めたい場合には、ゾーン毎よりも細かい間隔で
入れればよいし、逆に傾きの検出精度をゆるめられる場
合には、ゾーン毎よりも粗い間隔で設ければよく、この
とき光記憶媒体1枚に記録可能な容量は大きくなる。ど
の程度の間隔で傾きを検出する溝を設けるかに関して
は、記録容量と検出精度の両面から見た設計事項であ
り、如何様にも変更可能である。傾き検出を行うトラッ
クと情報を記録再生するトラックとを同一のトラックも
しくは、極近傍のトラックにできるので、内周と外周で
傾き角の変わるような光記憶媒体に対しても、常に良好
な傾き状態で情報を記録再生できるので、信頼性の高い
情報記録再生装置となる。
【0033】溝Gn−1と溝Gn+1の一部をなくす長
さBKはλ/(2・NA)よりも大きければ、特に制約
はなく、サンプルアンドホールド部821と822が所
望のタイミングで、差動演算部871からの信号をサン
プリングできればよい。また、最少でSa1とSa2の
タイミングでそれぞれ1点のサンプングを行えば、傾き
検出信号が得られるので、特開2000−149298
号公報に開示されているDPD法で信号を得る構成と比
較して、傾きを検出するために必要な領域は狭くてよ
く、その分、本発明の光記憶媒体は大容量となる。勿
論、光記憶媒体の円周方向に溝の周期がGpwの領域を
数ケ所から数十ケ所設けることにより、光記憶媒体のA
Cチルト成分の検出と補正も可能になるので、本傾き検
出装置を用いた情報記録再生装置はさらに信頼性の高い
装置となる。
【0034】なお、ここでは媒体を円盤状の光記憶媒体
としたが、本実施の形態に示したような溝が形成されて
いるのであれば、媒体の外形形状や材質に全く制約はな
い。例えば、長方形のカード型等、様々な形状でもよ
い。情報記録層は、相変化膜、光磁気膜、磁気膜、等、
何を用いても全く問題ない。また、基板の厚みに関して
も同様に傾きを検出するという観点での制約はなく、光
源の波長、対物レンズの開口数、記録密度の観点で決め
られる設計事項である。
【0035】本発明の傾き検出装置は、プッシュプル信
号を検出可能ならば、如何なる光学系も適用可能であ
り、フォーカス誤差信号の検出方式や、光学構成等で、
様々な変更が可能である。勿論、光源の波長λ、対物レ
ンズの開口数NA、溝の周期Gpも、同様に変更可能で
あり、例えば、光源の波長λ=0.405μm、対物レ
ンズの開口数NA=0.85、溝の周期Gp1=0.3
2μm、基板の厚みを0.1mmとした、さらに大容量
の情報記録再生装置にも適用できる。
【0036】Sa1とSa2のタイミングを生成する方
法については、溝をウォブルさせてクロックを生成する
方法、溝を一定の間隔で離散的になくすことにより、そ
の周期からクロックを生成する方法、記録されたデータ
からクロックを生成する方法、等、今までに公知の技術
が適用できるので、詳しい説明は略する。
【0037】(実施の形態2)本発明の別の実施の形態
である傾き検出装置における情報記憶媒体の構成を図5
に示す。Gn−3、・・・、Gn+3、・・・は、実施
の形態1と同様に案内溝である。傾きの検出は、3本の
案内溝に特徴を持たすことによって可能になる。案内溝
Gnがビームを照射したときに傾きの検出を行うための
案内溝とすると、溝Gnは案内溝の一部をなくした、す
なわち離散的な溝を形成しておく。溝Gnの案内溝をな
くした所で隣接する案内溝Gn−1と案内溝Gn+1の
溝はなくさないようにする。すると、情報を記録再生す
るために、光ピックアップヘッド装置からのビームが溝
Gnをトラックに沿って走査する際、溝Gnをなくした
ところでは、集光ビーム70は、溝の周期をあたかもG
pwと感じる。本当に溝の周期を変えるためには、溝G
n−2と溝Gn+2の一部もなくさなければならない
が、Gp1>λ/(2・NA)であれば、溝Gn−2と
溝Gn+2の一部をなくさなくても光ピックアップヘッ
ド装置から集光されるビームは実質的に溝の周期をGp
wと感じる。GpwはGp1の2倍であり、Gp1が
0.62μmのとき、Gpwは1.24μmである。ト
リガー信号生成部804が生成するタイミング信号のタ
イミングはSa1とSa2であり、これは、光ピックア
ップヘッド装置からのビームがそれぞれ周期Gp1とG
pwの案内溝を走査しているタイミングに相当する。
【0038】図6は、本発明の傾き検出装置の一例を示
す信号処理部708の構成図である。光源から出射され
るビームを光記憶媒体に照射し、光記憶媒体で反射され
た光検出器で受光する光ピックアップヘッド装置は、実
施の形態1と同様、プッシュプル信号が検出できれば、
何でも構わない。ここでは、実施の形態1との違いを分
かり易くするため、光学系は実施の形態1と同じとす
る。
【0039】信号処理部708が光検出器31からの信
号を受けて、差動演算部871からプッシュプル信号が
出力され、サンプルアンドホールド部821と822が
サンプルアンドホールドし、サンプルアンドホールド部
822から出力される信号が可変利得増幅部831で増
幅される動作は実施の形態1の信号処理部707と同様
である。サンプルアンドホールド部821から出力され
る信号は反転部832に入力され、信号の極性が反転さ
れる。反転部832から出力される信号と可変利得増幅
部831から出力される信号は演算部872で差動演算
がなされ、演算部872から出力される信号は端子81
3から出力され、出力された信号は、ディスクに集光さ
れるビームの光軸が傾いたことを示す信号となる。本実
施の形態でサンプルアンドホールド部821から出力さ
れる信号の極性を反転部832で反転するのは、Sa1
のタイミングでサンプリングする信号が、ビーム70が
溝上を照射したときの信号であるのに対して、Sa2の
タイミングでサンプリングする信号が、ビーム70が溝
間を照射したときの信号であるためである。光学的に様
々な変更が可能なことや、本傾き検出装置の特徴や得ら
れる効果等は、実施の形態1に示す傾き検出装置と同様
である。
【0040】実施の形態1では5本の案内溝に特徴を持
たすことによって傾き検出を可能にしていたが、本実施
の形態では3本の案内溝に特徴を持たすことによって傾
き検出が可能である。すなわち本実施の形態の傾き検出
装置では、傾き検出に用いられる溝の領域が少なくて済
むので、より光記憶媒体の大容量化ができる。
【0041】また、本実施の形態の信号処理部708で
は、反転部832をサンプルアンドホールド部821と
演算部872の間に設けたが、演算部872で差動演算
される入力信号の極性を反転させる構成であれば、どの
ような構成でもよい。例えば演算部872で加算演算を
行うようにすれば、反転部832は不要となり、回路規
模が小さくなるので、より安価な傾き検出装置となる。
【0042】(実施の形態3)本発明の別の実施の形態
である傾き検出装置における情報記憶媒体の構成を図7
に示す。Gn−3、・・・、Gn+3、・・・は、実施
の形態1と同様に案内溝である。信号処理部は実施の形
態1に示した信号処理部が適用できる。傾きの検出は、
5本の案内溝に特徴を持たすことによって可能になる。
今、案内溝Gnがビームを照射したときに傾きの検出を
行うための案内溝とすると、溝Gn−1とGn+1には
案内溝の一部をなくした、すなわち離散的な溝を形成し
ておく。ただし、実施の形態1とは異なり、溝Gn−1
の案内溝をなくした所で隣接する案内溝Gn+1、溝G
n+1の案内溝をなくした所で隣接する案内溝Gn−1
の溝はそれぞれなくさないようにする。すると、情報を
記録再生するために、光ピックアップヘッド装置からの
ビームが溝Gnをトラックに沿って走査する際、溝Gn
−1とGn+1の一方の溝をなくしたところでは、集光
ビーム70は、溝の周期をあたかも片側はGpw、他方
はGp1と感じる。信号をサンプリングするタイミング
はSa1とSa2である。
【0043】図8は、本実施の形態の傾き検出装置から
得られる傾き検出信号の一例である。NA=0.85、
λ=405nm、溝の周期Gp1=0.34μm、Gp
2=0.68μmとしている。
【0044】今までに述べた傾き検出装置と同様に良好
な傾き検出信号が得られている。
【0045】(実施の形態4)図9は、以上に述べてき
た傾き検出装置を用いて構成した情報記録再生装置の一
例である。情報記録再生装置は、光ピックアップヘッド
装置80、光記憶媒体駆動部81、光ピックアップヘッ
ド装置駆動部82、電気回路部83、電源部84及び対
物レンズ駆動部85からなる。光記憶媒体駆動部81
は、記憶媒体41を回転させる。光ピックアップヘッド
装置80は、光ピックアップヘッド装置80と記憶媒体
41との位置関係に対応する信号を電気回路部83へ送
る。光ピックアップヘッド装置からの信号は、電気回路
部83で増幅または演算された後、光ピックアップヘッ
ド装置駆動部82及び光ピックアップヘッド装置内のア
クチュエータに供給され、光ピックアップヘッド装置8
0または光ピックアップヘッド装置内の対物レンズをそ
れぞれ微動させる信号となる。また、電気回路83は、
光ピックアップヘッド装置から出力される信号を受け
て、記憶媒体41に記録された情報の復調及び光記憶媒
体の傾きに応じた信号の検出を行う。傾きに応じた信号
の検出は、今までに述べてきた信号処理部が用いられ
る。対物レンズ駆動部85は、傾き検出信号が印加され
て、光記憶媒体の傾きの影響が低減されるように光ピッ
クアップヘッド装置内の対物レンズが駆動される。
【0046】傾き検出信号は、光記憶媒体の溝に光ピッ
クアップヘッド装置からのビームを照射することにより
得られる。すなわち、情報を記録もしくは再生するビー
ムと傾きを検出するビームが同一である。したがって、
ここでは、光記憶媒体の傾きの影響を補正する手段とし
て、対物レンズ駆動部85で光ピックアップヘッド装置
を構成する対物レンズだけを動かす方法を取っても、閉
ループ制御で傾きを補正可能となっている。勿論、光ピ
ックアップヘッド装置全体を動かす方法や、液晶素子を
用いてビームの波面を補正する方法など、公知の傾き補
正手段もしくはコマ収差補正手段が全て適用できる。対
物レンズだけを駆動する構成や液晶素子を用いてビーム
の波面を補正する構成を適用した場合には、閉ループ制
御が可能な信頼性の高い情報記録再生装置を小型に実現
することができる。電源または外部電源との接続部84
から電気回路部83、光ピックアップヘッド装置駆動部
82、光記録媒体駆動部81へ電源が供給される。な
お、電源もしくは外部電源との接続端子は各駆動回路に
それぞれ設けられても何ら問題ない。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光記憶媒
体の溝の一部分をなくすことにより、情報を記録もしく
は再生するビームを用いて傾きを検出することができ
る。これにより、新たに部品を追加することなく傾きを
検出できるので、信頼性の高い情報記録再生装置を安価
に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の傾き検出装置を構成
する信号処理部の構成を示す図。
【図2】 本発明の実施の形態1の傾き検出装置を構成
する光記憶媒体の概略構成を示す図。
【図3】 本発明の実施の形態1の傾き検出装置を構成
する光記憶媒体の構成を示す図。
【図4】 本発明の実施の形態1の傾き検出装置で得ら
れる傾き検出信号を示す図。
【図5】 本発明の実施の形態2の傾き検出装置を構成
する光記憶媒体の構成を示す図。
【図6】 本発明の実施の形態2の傾き検出装置を構成
する信号処理部の構成を示す図。
【図7】 本発明の実施の形態3の傾き検出装置を構成
する光記憶媒体の構成を示す図。
【図8】 本発明の実施の形態3の傾き検出装置で得ら
れる傾き検出信号を示す図。
【図9】 本発明の実施の形態4の情報記録再生装置の
構成を示す図。
【図10】溝の周期がGpwである部分での動作説明
図。
【図11】溝の周期がGp1である部分での動作説明
図。
【図12】Gp=λ/2NAの場合の一次回折光と二次
回折光の関係を示す説明図。
【図13】Gp=λ/NAの場合の一次回折光と二次回
折光の関係を示す説明図。
【図14】Gp=2λ/NAの場合の一次回折光と二次
回折光の関係を示す説明図。
【図15】 従来の傾き検出装置の構成を示す図。
【符号の説明】
41 光記憶媒体 80 光ピックアップヘッド装置 81 光記憶媒体駆動部 82 光ピックアップヘッド装置駆動部 83 電気回路部 84 電源部 85 対物レンズ駆動部 707 信号処理部 708 信号処理部 804 トリガー信号生成部 813 出力端子 821 サンプルアンドホールド部 822 サンプルアンドホールド部 831 可変利得増幅部 832 反転部 871 演算部 872 演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 広通 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古宮 成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D029 WA01 WB11 WC05 WC06 WC10 5D090 AA01 CC14 FF00 GG01 JJ20 5D118 AA16 BA01 CA05 CD04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する溝と溝との周期がGp1の案内
    溝を有する光記憶媒体において、n番目の溝Gnの両側
    に隣接する溝をそれぞれ溝Gn−1と溝Gn+1とする
    とき、溝Gn−1と溝Gn+1をいずれも一部無くした
    断続的な溝とし、溝Gnの周期Gp2が等価的にGp1
    の2倍となる領域を設け、情報を記録再生する際に照射
    されるビームの波長をλ、前記ビームを光記憶媒体に集
    光する集光光学系の開口数をNAとするとき、λ/NA
    ≧Gp1≧λ/(2・NA)の関係にあることを特徴と
    する光記憶媒体。
  2. 【請求項2】 隣接する溝と溝との周期がGp1の案内
    溝を有する光記憶媒体において、溝の一部を無くして断
    続的な溝を形成し、溝の周期Gp2が等価的にGp1の
    2倍となる領域を設け、情報を記録再生する際に照射さ
    れるビームの波長をλ、前記ビームを光記憶媒体に集光
    する集光光学系の開口数をNAとするとき、λ/NA≧
    Gp1≧λ/(2・NA)の関係にあることを特徴とす
    る光記憶媒体。
  3. 【請求項3】 周期Gp1の案内溝を有する光記憶媒体
    において、n番目の溝Gnの両側に隣接する溝をそれぞ
    れ溝Gn−1と溝Gn+1とするとき、溝Gn−1もし
    く溝Gn+1の一方の一部を無くして断続的な溝とし、
    溝の周期Gp2が等価的にGp1よりも広くなる領域を
    設け、情報を記録再生する際に照射されるビームの波長
    をλ、前記ビームを光記憶媒体に集光する集光光学系の
    開口数をNAとするとき、λ/NA≧Gp1≧λ/(2
    ・NA)の関係にあることを特徴とする光記憶媒体。
  4. 【請求項4】 ビームを発するレーザ光源と、該光源か
    ら出射されたビームを情報記憶媒体上へ微小スポットに
    収束する集光光学系と、該情報記憶媒体で反射、回折し
    たビームを受け取り、受け取ったビームの光量に応じた
    信号を出力する光検出器と、該光検出器から出力される
    第1の信号と第2の信号を受け取り、受け取った信号を
    演算して、該光記憶媒体と該集光光学系の光軸とがなす
    角度に関係する信号を出力する信号処理部とを備え、該
    光記憶媒体は隣接する溝と溝との周期がGp1の案内溝
    を有しており、n番目の溝Gnの両側に隣接する溝をそ
    れぞれ溝Gn−1と溝Gn+1とするとき、溝Gn−1
    と溝Gn+1をいずれも一部無くした断続的な溝とし、
    溝Gnの周期Gp2が等価的にGp1の2倍となる領域
    を設け、該光源からのビームの波長をλ、該ビームを該
    光記憶媒体に集光する該集光光学系の開口数をNAとす
    るとき、λ/NA≧Gp1≧λ/(2・NA)の関係に
    あり、該第1の信号が得られるときの該情報記憶媒体上
    の溝の周期はGp1であり、該第2の信号が得られると
    きの該情報記憶媒体上の溝の周期はGp2である傾き検
    出装置。
  5. 【請求項5】 ビームを発するレーザ光源と、該光源か
    ら出射されたビームを情報記憶媒体上へ微小スポットに
    収束する集光光学系と、該情報記憶媒体で反射、回折し
    たビームを受け取り、受け取ったビームの光量に応じた
    信号を出力する光検出器と、該光検出器から出力される
    第1の信号と第2の信号を受け取り、受け取った信号を
    演算して、該光記憶媒体と該集光光学系の光軸とがなす
    角度に関係する信号を出力する信号処理部とを備え、該
    光記憶媒体は隣接する溝と溝との周期がGp1の案内溝
    を有しており、溝の一部を無くして断続的な溝を形成
    し、溝の周期Gp2が等価的にGp1の2倍となる領域
    を設け、情報を記録再生する際に照射されるビームの波
    長をλ、前記ビームを光記憶媒体に集光する集光光学系
    の開口数をNAとするとき、λ/NA≧Gp1≧λ/
    (2・NA)の関係にあり、該第1の信号が得られると
    きの該情報記憶媒体上の溝の周期はGp1であり、該第
    2の信号が得られるときの該情報記憶媒体上の溝の周期
    はGp2である傾き検出装置。
  6. 【請求項6】 ビームを発するレーザ光源と、該光源か
    ら出射されたビームを情報記憶媒体上へ微小スポットに
    収束する集光光学系と、該情報記憶媒体で反射、回折し
    たビームを受け取り、受け取ったビームの光量に応じた
    信号を出力する光検出器と、該光検出器から出力される
    第1の信号と第2の信号を受け取り、受け取った信号を
    演算して、該光記憶媒体と該集光光学系の光軸とがなす
    角度に関係する信号を出力する信号処理部とを備え、該
    光記憶媒体は隣接する溝と溝との周期がGp1の案内溝
    を有しており、n番目の溝Gnの両側に隣接する溝をそ
    れぞれ溝Gn−1と溝Gn+1とするとき、溝Gn−1
    もしく溝Gn+1の一方の一部を無くして断続的な溝と
    し、溝の周期Gp2が等価的にGp1よりも広くなる領
    域を設け、情報を記録再生する際に照射されるビームの
    波長をλ、前記ビームを光記憶媒体に集光する集光光学
    系の開口数をNAとするとき、λ/NA≧Gp1≧λ/
    (2・NA)の関係にあり、該第1の信号が得られると
    きの該情報記憶媒体上の溝の周期はGp1であり、該第
    2の信号が得られるときの該情報記憶媒体上の溝の周期
    はGp2である傾き検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の傾き検
    出装置と、情報記憶媒体と傾き検出装置との相対的な位
    置を変化させる駆動部と、前記傾き検出装置から出力さ
    れる信号を受けて演算を行い、光記憶媒体に記憶された
    所望の情報を得る電気信号処理部とからなる情報記録再
    生装置。
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