JP2002175617A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002175617A
JP2002175617A JP2000372088A JP2000372088A JP2002175617A JP 2002175617 A JP2002175617 A JP 2002175617A JP 2000372088 A JP2000372088 A JP 2000372088A JP 2000372088 A JP2000372088 A JP 2000372088A JP 2002175617 A JP2002175617 A JP 2002175617A
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lubricant
recording medium
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protective film
magnetic
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Withdrawn
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JP2000372088A
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English (en)
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Takahiro Kamei
隆広 亀井
Noriyuki Kishii
典之 岸井
Kenichi Kurihara
研一 栗原
Takeshi Kobayashi
健 小林
Hiroshi Iwamoto
岩本  浩
Hisanori Tsuboi
寿憲 坪井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた潤滑性が保たれるとともに、走行性、
耐摩耗性、耐久性に優れた磁気記媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2と、上記非磁性支持体2
の一主面上に形成された磁性層3と、上記磁性層3上に
形成されたカーボン保護膜4と、上記カーボン保護膜4
上に形成された潤滑剤層6とを備える磁気記録媒体1に
おいて、上記カーボン保護膜4上に、カーボンへの吸着
率が15%以上80%以下であり且つ上記潤滑剤との相
互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90%
以下である化合物を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上
に、強磁性金属材料からなる磁性層と、カーボン保護膜
と、潤滑剤を含有する潤滑剤層とを備える磁気記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、酸化物磁
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と結合剤と、有機
溶剤等よりなる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布するこ
とで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒
体が広く使用されている。
【0003】これに対し、高密度記録、長時間記録への
要求の高まりとともに、Co、Co−Ni合金、Co−
Cr合金、Co−O等の強磁性金属磁性材料をメッキや
真空薄膜形成技術(真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等)によってポリエステルフィル
ムやポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着
させることで磁性層が形成される、いわゆる強磁性金属
薄膜型の磁気記録媒体が使用されてきている。そして、
このような強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、民生用
コンスーマービデオフォーマット(8ミリHi−8方
式、DV方式)あるいは業務用ビデオフォーマット(D
VCAM)等において幅広く実用化されている。
【0004】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、
塗布型の磁気記録媒体に比べて抗磁力、角形比等の磁気
特性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばか
りでなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能で
あるため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい
こと、磁性層中に非磁性材料である結合剤等を混入する
必要がないことから、磁性材料の充填密度を高めること
が可能である等、数々の利点を有している。
【0005】一般に、磁気記録媒体は、磁気信号の記録
・再生の過程で磁気ヘッドとの高速相対運動のもとにお
かれ、その際走行が円滑に、且つ安定な状態で行われな
ければならない。また、磁気ヘッドとの接触による磨耗
や損傷はなるべく少ない方が良い。
【0006】しかしながら、上述の強磁性金属薄膜型の
磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好で
あるために、実質的な磁気ヘッドとの接触面積が大きく
なることから、凝着現象、いわゆるハリツキが起こり易
くなったり、摩擦係数が大きくなり、耐久性や走行性等
に欠点が多く、それらの改善が大きな課題となってい
る。
【0007】そこで、これら問題点を改善するために、
潤滑剤を上記磁気記録媒体の磁性層に内添したり、ある
いは磁性層表面に塗布したりして潤滑膜を形成し、摩擦
係数を抑えようとする試みがされている。また、磁性層
を炭素、酸化物、炭化物、窒化物等からなる保護膜によ
り被膜し、さらに、保護膜上に潤滑剤を塗布し潤滑膜を
形成することにより、磁気記録媒体自体の耐摩耗性を向
上させて、上記課題を解決しようとする試みが為されて
いる。
【0008】このような磁気記録媒体に用いられる潤滑
剤には、その性質上厳しい特性が要求され、一般に次に
挙げるような特性が求められている。 (1)寒冷地での使用に際しても、所定の潤滑効果が確
保されるように低温特性に優れていること。 (2)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので極
めて薄く塗布できることと、その場合にも十分な潤滑特
性が発揮されること。 (3)長時間の使用に耐え、長期間にわたり潤滑効果が
持続すること。 そして、このような特性を満足する潤滑剤が様々検討さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来用
いられている例えば含フッ素系潤滑剤を直接磁気記録媒
体上に塗布すると、含フッ素系潤滑剤は磁気記録媒体表
面との親和性が低いために、磁気記録媒体表面に十分な
量が塗布されなかったり、均一に塗布されなかったりす
る。そのため、磁気記録媒体表面に十分な潤滑剤が供給
されず、摩擦係数が上昇したり、シャトル耐久性及びス
チル耐久性の劣化が大きくなる、シャトル走行試験にお
ける再生出力のレベルダウン等という問題点があった。
すなわち、使用される潤滑剤の能力不足のため、シャト
ル走行試験等の実用特性を満足させる磁気記録媒体は、
未だ確立されていないのが現状である。
【0010】したがって、本発明は、上述した従来の実
情に鑑みて創案されたものであり、優れた潤滑性が保た
れるとともに、走行性、耐摩耗性、耐久性に優れた磁気
記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、カーボンへの
吸着率が15%以上80%以下であり且つ潤滑剤との相
互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90%
以下である化合物を用いることにより上述の目的を達成
できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明に係る磁気記録媒体は、
非磁性支持体と非磁性支持体の一主面上に形成された磁
性層と磁性層上に形成されたカーボン保護膜とカーボン
保護膜上に形成され潤滑剤を含有する潤滑剤層とを備え
る磁気記録媒体において、カーボン保護膜上に、カーボ
ンへの吸着率が15%以上80%以下であり且つ潤滑剤
との相互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上
90%以下である化合物を備えることを特徴とするもの
である。
【0013】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体は、カーボン保護膜上にカーボンへの吸着率が
15%以上80%以下であり且つ潤滑剤との相互作用を
示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90%以下であ
る化合物を備える。これにより、カーボン保護膜の表面
状態は、潤滑剤が保持されやすい状態とされ、潤滑剤の
塗布性が向上する。すなわち、この磁気記録媒体におい
ては、カーボン保護膜上に十分な量の潤滑剤を保持され
ることとなる。その結果、この磁気記録媒体は優れた潤
滑性が保たれるため、走行性、耐摩耗性、耐久性に優れ
たものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の実施の形態について図面を参照して詳説する。なお、
本発明は、以下の記述に限定されることはなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0015】本実施の形態に係る磁気記録媒体の一構成
例を図1に示す。
【0016】この磁気記録媒体1は、強磁性金属材料を
蒸着等の手法により非磁性支持体上に被着させ、これを
磁性層としたいわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体であ
る。
【0017】この磁気記録媒体1は、非磁性支持体2
と、非磁性支持体2の一主面上に形成された金属磁性膜
3と、金属磁性膜3上に形成されたカーボン保護膜4
と、カーボン保護膜4上に形成された潤滑剤下地層5
と、潤滑剤下地層5上に形成された潤滑剤層6と、非磁
性支持体2の他主面上に形成されたバックコート層7と
を有する。
【0018】非磁性支持体2には、磁気記録媒体の非磁
性支持体として通常用いられている公知の材料が使用さ
れる。非磁性支持体2として例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、アルミニウム合金板、ガラス板等が挙げら
れる。
【0019】また、非磁性支持体2にアルミニウム合金
板やガラス板等、剛性を有する材料を使用する場合に
は、基板表面にアルマイト処理等の酸化被膜やNi−P
被膜等を形成してその表面を硬くするようにしても良
い。
【0020】金属磁性膜3は、強磁性金属材料がメッキ
やスパッタリング、真空蒸着等の、いわゆる物理的蒸着
法(PVD:Physical Vapour Deposition)の手法によ
り非磁性支持体2の一主面上に連続膜として形成されて
なる。このような金属磁性膜3には面内磁化膜や垂直磁
化膜がある。
【0021】面内磁化膜に用いられる強磁性金属材料と
しては、例えば、Fe、Co、Ni等の金属や、Co−
Ni系合金、Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合
金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co
−Ni系合金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B
系合金、Fe−Co−Ni−B系合金等が挙げられる。
【0022】面内磁化膜を形成する場合、予め非磁性支
持体2の一主面上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、I
n、Ge、Si、Tl等の低融点非磁性材料からなる下
地層を形成しておくことが好ましい。金属磁性材料を垂
直方向から蒸着あるいはスパッタして金属磁性膜3を形
成する際にこれらの低融点非磁性材料を拡散させること
により、金属磁性膜3の配向性を解消して面内等方性が
確保されるとともに、抗磁性が向上する。
【0023】また、垂直磁化膜に用いられる強磁性金属
材料としては、例えば、Co−Cr系合金等が挙げられ
る。
【0024】カーボン保護膜4は、金属磁性膜3上にカ
ーボンをスパッタリングや化学気相成長法(CVD:Ch
emical Vapor Deposition)等により被着させて形成さ
れる。カーボン保護膜4の膜厚は2nm〜100nmで
あることが好ましく、より好ましい膜厚は5nm〜30
nmである。カーボン保護膜4の膜厚が薄すぎると、カ
ーボン保護膜4の耐久性が低下してしまう。また、カー
ボン保護膜4の膜厚が厚すぎると、短波長記録を行う際
に十分な出力が得られない。
【0025】なお、非磁性支持体2、金属磁性膜3及び
カーボン保護膜4は、上記に限定されるものではなく、
従来より用いられている公知なものは全て使用すること
ができる。
【0026】潤滑剤下地層5は、カーボン保護膜4と潤
滑剤層6との間に形成され、カーボンへの吸着率が15
%以上80%以下であり且つ後述する潤滑剤との相互作
用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90%以下
の化合物が溶媒中に溶解され、塗布されてなる。
【0027】一般に磁気記録媒体のカーボン保護膜が例
えばダイヤモンドライクカーボンで形成されている場
合、カーボン保護膜の最表面は、グラファイト構造とダ
イヤモンド構造とで形成されている。従来、カーボン保
護膜を保護膜として用いる以前は、磁気記録媒体の最表
面はCoO、CoNiO、NiO等の金属酸化物で形成
されており、潤滑剤分子が吸着し易い表面構造を有して
いた。また、金属酸化物の最表面は、−OH、−COO
H等の極性基が多く形成されていることが知られてお
り、この極性基に潤滑剤分子の極性基が物理吸着するこ
とにより、潤滑剤層が磁気記録媒体表面に形成されてい
た。ところが、磁気記録媒体の高性能化に伴い、磁気ヘ
ッドと磁気記録媒体との間のスペーシングの減少によ
り、磁気記録媒体表面にカーボン保護膜が形成されるよ
うになった。カーボン保護膜は、通常スパッタリングや
CVD法により作製される。このように作製されたカー
ボン保護膜の表面は、金属酸化物表面に比べ、潤滑剤分
子が吸着する極性基等の吸着サイトが著しく少ない。こ
のため、カーボン保護膜の表面に潤滑剤層を形成するこ
とは非常に困難であった。これに対して、カーボン保護
膜の表面を活性化させてカーボン保護膜の表面に潤滑剤
層を形成する試みが為されており、例えば、特開平10
−3649号公報に記載される非磁性支持体のカーボン
保護膜の表面を水素を含有する混合ガスでプラズマ処理
する方法、特開平7−296372号公報に記載される
炭素質保護膜表面を機械的に摺動して活性化する方法、
特開平2−27522号公報に記載される炭素保護膜表
面にオゾン雰囲気下で紫外線を照射して表面処理炭素保
護膜とする方法、特開昭63−308727号公報に記
載される炭素質薄膜表面に紫外線を照射して表面処理を
行う方法等が挙げられる。
【0028】しかしながら、上記において各種ガスを用
いたプラズマ処理は、カーボン保護膜の表面を活性化さ
せることはできるが、プラズマ処理時にカーボン保護膜
がエッチングされてしまい、カーボン保護膜自体の機械
的強度が低下してしまうため、十分な潤滑特性を得るこ
とができない。また、カーボン保護膜の表面に紫外線を
照射するだけでは、カーボン保護膜の表面を十分に活性
化することができない。したがって、カーボン保護膜の
表面を十分に活性化させてカーボン保護膜の表面に潤滑
剤層を形成する手法は確立されていない。
【0029】そこで、本発明に係る磁気記録媒体1にお
いては、上述したようにカーボン保護膜4と潤滑剤層6
との間に、カーボンへの吸着率が15%以上80%以下
であり且つ潤滑剤との相互作用を示す紫外線スペクトル
変化率が5%以上90%以下の化合物を含有する潤滑剤
下地層5を備える。このような化合物を含有する潤滑剤
下地層5を備えることにより、カーボン保護膜4の表面
状態を潤滑剤層6が形成されやすい状態とすることがで
きる。すなわち、潤滑剤下地層5を備えることにより、
カーボン保護膜4の表面状態を潤滑剤が保持されやすい
状態とすることができ、潤滑剤の塗布性が向上する。そ
の結果、磁気記録媒体1は、十分な量の潤滑剤を備える
ことができるため、様々な使用条件下においても良好な
潤滑性を保つことが可能となり、走行性、耐摩耗性及び
耐久性に優れた磁気記録媒体を実現することができる。
【0030】ここで、カーボンへの吸着率が15%未満
の場合には、上記化合物のカーボン保護膜4への吸着力
は非常に弱くなり、潤滑剤の塗布性が低くなってしま
う。一方、カーボンへの吸着率が80%よりも大きい場
合には、上記化合物のみがカーボン保護膜4上に吸着さ
れてしまい、潤滑剤分子がカーボン保護膜4表面に吸着
されなくなる。その結果、カーボン保護膜4表面に所望
の量の潤滑剤を保持させることができず、カーボン保護
膜4表面上の潤滑剤量が不十分となり、十分な潤滑効果
を発揮されなくなる。
【0031】また、上記化合物と潤滑剤との相互作用を
紫外線を照射した際の紫外線スペクトルの変化率で評価
したときの紫外線スペクトル変化率が5%未満の場合に
は、化合物と潤滑剤分子との相互作用が弱く、潤滑剤の
塗布性が低くなってしまう。一方、紫外線スペクトル変
化率が90%より大きい場合には、化合物と潤滑剤分子
との相互作用が強すぎてしまい、潤滑剤分子が潤滑剤と
しての効果を発揮できなくなるため良好な潤滑効果が期
待できない。
【0032】したがって、カーボンへの吸着率を15%
以上80%以下とし、且つ紫外線スペクトル変化率を5
%以上90%以下とすることにより、カーボン保護膜4
上に十分な量の潤滑剤を保持することが可能となり、ま
た潤滑剤分子は潤滑剤としての効果を十分に発揮するこ
とができる。その結果、磁気記録媒体1は、様々な使用
条件下においても良好な潤滑性を保つことが可能とな
り、走行性、耐摩耗性及び耐久性に優れた磁気記録媒体
を実現することができる。
【0033】また、カーボン保護膜4上における上記化
合物の塗布量は、0.5〜100mg/mであること
が望ましく、1〜20mg/mであることがより好ま
しい。上記化合物の塗布量を0.5〜100mg/m
とすることにより上述した効果を確実に得ることができ
る。
【0034】なお、上記化合物を塗布することで、潤滑
剤が均一に塗布され、磁気記録媒体1表面を確実に被覆
することで防錆効果を得ることもできる。
【0035】さらに、上記潤滑剤下地層を形成する際に
上記化合物を溶解させる溶剤としては、例えば、トルエ
ン、アセトン、エタノール等の汎用の炭化水素系溶剤を
用いることができるため、環境へ与える負荷が小さい。
【0036】ここで、カーボンへの吸着率が15%以上
80%以下であり且つ潤滑剤との相互作用を示す紫外線
スペクトル変化率が5%以上90%以下の化合物として
は、例えば、2つ以上4つ以下のベンゼン環が結合した
縮合環及び極性基を有する芳香族系両親媒性化合物を好
適に用いることができる。以下においては、カーボンへ
の吸着率が15%以上80%以下であり且つ潤滑剤との
相互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90
%以下の化合物として、2つ以上4つ以下のベンゼン環
が結合した縮合環及び極性基を有する芳香族系両親媒性
化合物を用いた場合について説明する。また、以下にお
いては、説明の便宜上、2つ以上4つ以下のベンゼン環
が結合した縮合環及び極性基を有する芳香族系両親媒性
化合物を芳香族系両親媒性化合物と略称する。
【0037】一般に、ベンゼン環のような単環の化合物
は、ベンゼン環上に存在するπ電子系だけではカーボン
保護膜4との相互作用が弱く、カーボン保護膜4表面へ
の吸着性が悪い。このため、カーボン保護膜4表面への
吸着性を向上させるためには、芳香族系両親媒性化合物
には、ナフタレン環以上の縮合環、すなわちベンゼン環
が2つ以上必要となる。一方、ベンゼン環が5つ以上の
場合、汎用溶媒に対する芳香族系両親媒性化合物の溶解
性が非常に悪くなり、塗布することが不可能になる。し
たがって、本発明に係る磁気記録媒体に用いる芳香族系
両親媒性化合物の縮合環部は、2つ以上4つ以下のベン
ゼン環が結合して構成されていることが好ましい。
【0038】また、この芳香族系両親媒性化合物におい
て、2つ以上のベンゼン環が結合した縮合環部と極性基
との中間に位置する炭化水素鎖−(CH)n−では、
炭素数nは0〜30であることが好ましく、より好まし
くは、炭素数nは、0〜18である。炭素数nが31以
上の場合には、芳香族系両親媒性化合物をカーボン保護
膜4表面に塗布する際の溶媒への溶解性が減少し、カー
ボン保護膜4表面に十分な量の芳香族系両親媒性化合物
を塗布することができない。
【0039】また、この芳香族系両親媒性化合物におけ
る極性基としては、−OH、−COOH、−OCO−、
−NH、−CONH、−C(=O)−等が挙げられ
る。これらの極性基は、潤滑剤分子と相互作用して、潤
滑剤分子とコンプレックス化合物を形成する。そして、
このコンプレックス化合物が形成されることにより、潤
滑剤分子がカーボン保護膜4表面に吸着し易くなる。
【0040】ここで、芳香族系両親媒性化合物と潤滑剤
分子とがコンプレックス化合物を形成する指標として紫
外線スペクトル変化率を用いた場合、紫外線スペクトル
変化率が5%未満の場合には、芳香族系両親媒性化合物
と潤滑剤分子との間で十分な量のコンプレックス化合物
が形成されず、上述した効果が発揮されない。また、紫
外線スペクトル変化率が90%よりも大きい場合には、
芳香族系両親媒性化合物と潤滑剤分子との相互作用が強
すぎてしまい、潤滑剤分子が潤滑剤としての効果を発揮
できなくなるため、良好な潤滑効果が期待できない。
【0041】このような芳香族系両親媒性化合物をカー
ボン保護膜4上に保持させることにより、芳香族系両親
媒性化合物における2つ以上4つ以下のベンゼン環が結
合した縮合環部がカーボン保護膜4の表面と相互作用
し、芳香族系両親媒性化合物は十分な量がカーボン保護
膜4の表面に吸着することが可能となる。また、芳香族
系両親媒性化合物をカーボン保護膜4上に保持させるこ
とにより、芳香族系両親媒性化合物における極性基部が
潤滑剤分子と相互作用し、潤滑剤との親和性を高めるこ
とができる。すなわち、上述した芳香族系両親媒性化合
物をカーボン保護膜4上に保持させることにより、カー
ボン保護膜4の表面を潤滑剤が塗布されやすい状態とす
ることができる。
【0042】したがって、カーボンへの吸着率が15%
以上80%以下であり且つ潤滑剤との相互作用を示す紫
外線スペクトル変化率が5%以上90%以下の化合物と
して、2つ以上4つ以下のベンゼン環が結合した縮合環
及び極性基を有する芳香族系両親媒性化合物を用いるこ
とにより、カーボン保護膜4上に十分な量の潤滑剤を保
持することが可能となり、また潤滑剤分子は潤滑剤とし
ての効果を十分に発揮することができる。その結果、磁
気記録媒体1は、様々な使用条件下においても良好な潤
滑性を保つことが可能となり、走行性、耐摩耗性及び耐
久性に優れた磁気記録媒体を実現することができる。
【0043】また、上述したような芳香族系両親媒性化
合物としては、例えば下記化6乃至化10に示す化合物
を好適に用いることができる。
【0044】
【化6】
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】
【化10】
【0049】潤滑剤層6は、潤滑剤下地層5上に形成さ
れ、溶媒中に溶解された潤滑剤が塗布されてなる。潤滑
剤層5を形成する潤滑剤は、特に限定されることはな
く、フッ素系潤滑剤等、従来公知の潤滑剤を用いること
ができる。
【0050】また、磁気記録媒体1において潤滑剤層6
を形成する方法としては、潤滑剤下地層5の表面に潤滑
剤をトップコートする方法が挙げられる。ここで、その
塗布量は、0.5mg/m〜100mg/mである
ことが望ましく、1mg/m 〜20mg/mである
ことがより好ましい。潤滑剤の塗布量が0.5mg/m
よりも少ない場合には、磁気記録媒体1表面の摩擦係
数の低減や、シャトル耐久性を向上させる効果が十分で
はない。また、潤滑剤の塗布量が100mg/mより
も多い場合には、潤滑剤が磁気記録媒体1表面に析出し
たり、潤滑剤がヘッドに付着してヘッドを汚してしま
い、磁気記録媒体1の走行性が低下してしまう。したが
って、潤滑剤の塗布量を0.5mg/m〜100mg
/mとすることで、磁気記録媒体1の摩擦係数を低減
することができ、走行性、耐摩耗性及び耐久性を向上さ
せることができる。ここで、磁気記録媒体1において
は、上述した潤滑剤下地層5を備えているため、所望の
特性を得るのに十分な量の潤滑剤量を塗布することが可
能となるため、確実に上述した効果を得ることができ
る。
【0051】なお、潤滑剤は、潤滑剤下地層5上全面に
存在する必用はなく、潤滑剤下地層5上において例えば
アイランド状に存在していて良い。
【0052】バックコート層7は、非磁性支持体2上の
上記金属磁性膜3が形成される面とは反対側の面に形成
され、例えば結合剤樹脂と粉末成分とを有機溶媒に混合
分散させたバックコート用塗料を非磁性支持体2に塗布
することにより形成される。
【0053】ここで、バックコート用塗料に使用される
結合剤樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン硬化型樹脂、メラミン樹脂、アルキッ
ド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、
ニトロセルロース−メラミン樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマとの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマとの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコ
ール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソ
シアネートとの混合物、ポリアミン樹脂及びこれらの混
合物等が挙げられる。
【0054】あるいは、粉末成分の分散性の改善を図る
ために、親水性極性基を有する結合剤樹脂を使用しても
良い。
【0055】一方、上記粉末成分としては、導電性を付
与するためのカーボン系微粉末や表面粗度のコントロー
ル及び耐久性向上のために添加される無機顔料が挙げら
れる。上記カーボン系微粒子としては、例えば、ファー
ネスカーボン、チャネルカーボン、アセチレンカーボ
ン、サーマルカーボン、ランプカーボン等が例示され、
上記無機顔料としては、α−FeOOH、α−Fe
、Cr、TiO 、ZnO、SiO、Si
、SiO・2HO、Al、CaCO
MgCO、Sb等が挙げられる。
【0056】さらに、上記バックコート用塗料の有機溶
剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系
溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶
媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロ
ルベンゼン等の塩素化炭化水素系溶媒等、汎用の溶剤を
用いることができる。
【0057】さらに、上記のバックコート層7には潤滑
剤を併用しても良い。この場合、上記バックコート層7
中に潤滑剤を内添する方法、あるいはバックコート層7
上に潤滑剤を被着する方法がある。いずれの場合も、上
記潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸ア
ミド、金属石鹸、脂肪族アルコール、シリコーン系潤滑
剤等、従来周知の潤滑剤が使用できる。
【0058】また、上記においては、カーボン保護膜4
と潤滑剤層6との間に潤滑剤下地層5を形成した場合に
ついて説明したが、本発明においては図2に示すように
上述したカーボンへの吸着率が15%以上80%以下で
あり且つ潤滑剤との相互作用を示す紫外線スペクトル変
化率が5%以上90%以下の化合物を潤滑剤と混合して
塗布しても良い。すなわち、図1に示す磁気記録媒体1
のように潤滑剤下地層5を形成することなく、潤滑剤層
9中にカーボンへの吸着率が15%以上80%以下であ
り且つ潤滑剤との相互作用を示す紫外線スペクトル変化
率が5%以上90%以下の化合物を混合する。ここで、
潤滑剤と上記化合物とをトルエン、ヘキサン等の汎用溶
媒に溶解させた場合、当該汎用溶媒中において潤滑剤分
子と上記化合物とがコンプレックス化合物を形成するこ
とが判っている。このコンプレックス化合物中には、上
記化合物が含まれているため、コンプレックス化合物の
カーボン保護膜4表面への吸着性は飛躍的に大きなもの
となる。そのため、このコンプレックス化合物は、カー
ボン保護膜4表面に十分な量が、均一にカーボン保護膜
4表面に塗布される。そして、コンプレックス化合物に
は、潤滑剤も含まれているため、潤滑剤を単独でカーボ
ン保護膜4上に塗布する場合に比べて十分な量の潤滑剤
がカーボン保護膜4上に塗布されることとなる。これに
より、上記化合物を潤滑剤と混合して塗布した場合にお
いても、潤滑剤下地層5を形成した場合と同様の効果を
得ることができる。
【0059】また、上述したように非磁性支持体2表面
に蒸着等により金属磁性膜3が磁性層として形成され、
さらにその磁性層の上にカーボン保護膜が形成された、
いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体1に好適に適用する
ことができる。
【0060】以上のような本実施の形態に係る磁気記録
媒体1は、次のようにして作製することができる。
【0061】まず、非磁性支持体2の一主面上に、例え
ば真空蒸着法により金属磁性膜3となる強磁性金属薄膜
を形成する。その後、この金属磁性膜3上に、例えばマ
グネトロンスパッタ法によりカーボン保護膜4を形成す
る。そして、このカーボン保護膜4上に、上述したカー
ボンへの吸着率が15%以上80%以下であり且つ潤滑
剤との相互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以
上90%以下の化合物を溶剤に溶解して塗布することに
より潤滑剤下地層5を形成し、当該潤滑剤下地層5上に
潤滑剤をトップコートして潤滑剤層6を形成する。ま
た、非磁性支持体2の他主面上に塗布によりバックコー
ト層7を形成して、磁気記録媒体1が得られる。
【0062】詳しくは、上記磁性層を形成する真空蒸着
装置としては、図3に示すような連続巻き取り式の真空
蒸着装置が挙げられる。
【0063】この真空蒸着装置は、いわゆる斜方蒸着用
として構成され、内部が例えば1×10−3Pa程度の
真空にされた真空室11内に、例えば−20℃程度に冷
却され、図中矢印Aで示すように反時計回り方向に回転
する冷却キャン12と、これに対向するように強磁性金
属薄膜用の蒸着源13が配置されてなるものである。
【0064】また、この真空蒸着装置においては、真空
室11内に、図中の反時計回り方向に回転する供給ロー
ル14と図中の反時計回り方向に回転する巻き取りロー
ル15も配設されており、非磁性支持体16は供給ロー
ル14から図中矢印Bで示す方向に繰り出され、冷却キ
ャン12の周面に沿って走行した後、巻き取りロール1
5に巻き取られる。
【0065】なお、供給ロール14と冷却キャン12と
の間、及び冷却キャン12と巻き取りロール15との間
にはそれぞれガイドローラー17、18が配置され、供
給ロール14から冷却キャン12、及びこの冷却キャン
12から巻き取りロール15に従って走行する非磁性支
持体16に所定のテンションをかけ、非磁性支持体16
が円滑に走行するようになされている。
【0066】上記蒸着源13は坩堝等の容器にCo等の
強磁性金属材料が収容されたものであり、この真空蒸着
装置においては、この蒸着源13の強磁性金属材料を加
熱、蒸発させるための電子ビーム発生源19も配設され
ている。すなわち、上記電子ビーム発生源19から電子
ビーム20を蒸着源13の強磁性金属材料に加速照射し
てこれを図中矢印Cで示すように加熱、蒸発させる。す
ると、強磁性金属材料は蒸着源13と対向する冷却キャ
ン12の周面に沿って走行する非磁性支持体16上に被
着し、非磁性支持体16上に強磁性金属薄膜が形成され
ることとなる。
【0067】なお、上記真空蒸着装置においては、蒸着
源13と冷却キャン12との間に防着板21を設け、こ
の防着板21にシャッタ22を位置調整可能に設けて、
非磁性支持体16に対して所定の角度で入射する蒸着粒
子のみを通過させる。こうして斜め蒸着法によって強磁
性金属薄膜が形成されるようになされている。
【0068】さらに、このような強磁性金属薄膜の蒸着
に際し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持
体16の表面近傍に酸素ガスを供給し、これによって強
磁性金属薄膜の磁性特性、耐久性及び耐候性の向上が図
られるようにすることが好ましい。また、蒸着源を加熱
するためには、上述のような電子ビームによる加熱手段
の他、例えば抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加
熱手段等の公知の手段を使用できる。
【0069】ここでは、斜め蒸着法によりCoからなる
強磁性金属薄膜を形成する例について説明したが、強磁
性金属薄膜を形成する方法としては、この方法の他に、
垂直蒸着法やスパッタリング法等の従来公知の薄膜形成
法が適用可能である。
【0070】また、この強磁性金属薄膜の材料として
は、Coの他にNi、Fe等やこれらの合金が使用可能
である。また、このときの強磁性金属薄膜の厚さは、
0.01μm〜1μm程度が良い。
【0071】次に、カーボン保護膜4の形成方法につい
て説明する。カーボン保護膜4は、マグネトロンスパッ
タ法等により形成される。カーボン保護膜4を形成する
には、図4に示すようなマグネトロンスパッタ装置を用
いて、金属磁性膜3上にカーボンを被着させる。
【0072】このマグネトロンスパッタ装置は、チャン
バ31内が真空ポンプ32にて例えば10−4Pa程度
にまで減圧された後、真空ポンプ32側へ排気するバル
ブ33の角度を絞ることにより、排気速度を落とすとと
もに、ガス導入管34からArガスを導入して、真空度
が例えば約0.8Paとされる。また、マグネトロンス
パッタ装置は、チャンバ31内に、例えば、−40℃に
冷却され図中矢印D方向に回転する冷却キャン35と、
この冷却キャン35と対向配置されるターゲット36と
がそれぞれ設けられている。ターゲット36は、カーボ
ン保護膜4の材料となるものであり、例えばカーボン等
が用いられる。また、ターゲット36は、カソード電極
を構成するバッキングプレート37に支持されている。
そして、バッキングプレート37の裏側には、磁場を形
成するマグネット38が配設されている。
【0073】また、このマグネトロンスパッタ装置は、
図示しない回転自在とされた供給軸に金属磁性膜3が成
膜された上述の磁気テープロール15が装着されるとと
もに、図示しない駆動源により回転駆動される巻き取り
軸に磁気テープロール39が装着されて、金属磁性膜3
が成膜された非磁性支持体2を冷却キャン35を介して
図中E方向に連続走行させる。
【0074】このマグネトロンスパッタ装置によりカー
ボン保護膜4を形成する際は、まず、ガス導入管34か
らArガスを導入するとともに、冷却キャン35をアノ
ード、バッキングプレート37をカソードとして約30
00Vの電圧を印加し、約1.4Aの電流が流れる状態
を保つようにする。
【0075】そして、この電圧の印加により、Arガス
がプラズマ化し、電離されたイオンがターゲット36に
衝突することにより、ターゲット36の原子がはじき出
される。このとき、バッキングプレート37の裏側には
マグネット38が配設されており、ターゲット36の近
傍に磁場が形成されるので、電離されたイオンはターゲ
ット36の近傍に集中されることになる。そして、この
ターゲット36からはじき出された原子は、磁気テープ
ロール15から図中矢印E方向に繰り出されて冷却キャ
ン35の外周面に沿って走行する非磁性支持体2の金属
磁性膜3上に付着して、カーボン保護膜4が形成され
る。最終的に、カーボン保護膜4が形成された非磁性支
持体2は、巻き取り軸に装着された磁気テープロール3
9により巻き取られる。
【0076】ここでは、マグネトロンスパッタ法により
カーボン保護膜4を形成する例について説明したが、カ
ーボン保護膜4を形成する方法としては、この方法の他
に、CVD法、イオンビームスパッタ法、イオンビーム
プレーティング法等の従来公知の薄膜形成方法を用いる
ことができる。
【0077】次に、カーボン保護膜4上に、カーボンへ
の吸着率が15%以上80%以下であり且つ潤滑剤との
相互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90
%以下の化合物、例えば、2つ以上4つ以下のベンゼン
環が結合した縮合環及び極性基を有する芳香族系両親媒
性化合物を例えばトルエンに溶解させて塗布、乾燥させ
て潤滑剤下地層5を形成する。
【0078】次に、潤滑剤下地層5上に潤滑剤を例えば
トルエンに溶解させて塗布、乾燥させることにより潤滑
剤層6を形成する。
【0079】さらにバックコート層を非磁性支持体2の
金属磁性層3形成面とは反対側の主面に塗布することに
より磁気記録媒体1を得ることができる。
【0080】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的な実験
結果に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定
されるものではない。
【0081】実験例1 実験例1では、2つ以上4つ以下のベンゼン環が結合し
た縮合環及び極性基を有する芳香族系両親媒性化合物を
潤滑剤層中に混合した場合について説明する。
【0082】1.サンプルテープの作製 <実施例1>実施例1では、以下のようにしてサンプル
テープを作製した。
【0083】まず、非磁性支持体である7.0μm厚の
ポリエチレンテレフタレートフィルムに、上述した図3
に示す真空蒸着装置を使用して斜法蒸着法によりCoを
被着させ、磁性層となる金属磁性膜を180nmの厚さ
に形成した。
【0084】次に、上述した図4に示したようなマグネ
トロンスパッタリング装置を、その内部が10−4(P
a)程度になるまで減圧した後、Arガスを導入し、
0.8Pa程度にした。そして、このマグネトロンスパ
ッタリング装置に金属磁性膜が形成された非磁性支持体
をセッティングし、−40℃に冷却した冷却キャン上を
5m/分の速度で走行させて金属磁性膜上に膜厚が約8
nmのカーボン保護膜を形成した。
【0085】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの金属磁性膜が形成された面とは反対側の面に、カー
ボン及びポリウレタン樹脂よりなる膜厚0.5μmのバ
ックコート層を形成した。
【0086】次に、下記表1に示される2つ以上4つ以
下のベンゼン環が結合した縮合環及び極性基を有する芳
香族系両親媒性化合物である化合物1を0.01wt%
と、下記化11で示される潤滑剤を0.10wt%とをト
ルエンに溶解させた混合溶液をカーボン保護膜表面に塗
布、乾燥して潤滑剤層を形成した。
【0087】そして、得られた磁気記録媒体を6.35
mm幅に裁断して、実施例1のサンプルテープとした。
【0088】<実施例2乃至実施例78>トルエンに溶
解させる化合物として下記表1乃至表5に示す2つ以上
4つ以下のベンゼン環が結合した縮合環及び極性基を有
する芳香族系両親媒性化合物である化合物2乃至化合物
78を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプ
ルテープを作製した。
【0089】<比較例1乃至比較例10>トルエンに溶
解させる化合物として下記表6及び表7に示す化合物1
01乃至化合物110を用いたこと以外は、実施例1と
同様にしてサンプルテープを作製した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】
【表6】
【0096】
【表7】
【0097】
【化11】
【0098】2.特性の評価 まず、上記実施例1乃至実施例78及び比較例1乃至比
較例10の88種類のサンプルテープの特性を評価し
た。ここでは、耐久性と走行性を評価することとし、具
体的にはサンプルテープにおける潤滑剤塗布量と、摩擦
係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を評価した。こ
れらを評価する際の環境条件としては、本発明者等が検
討した上で、最も厳しい条件と思われる条件を採用し
た。 (1)潤滑剤塗布量の測定 潤滑剤塗布量の測定は、各サンプルテープに対して、半
球状ATR金属クリスタルを用いた全反射赤外吸収分光
法により吸光度を測定することにより、各サンプルテー
プ表面に塗布された潤滑剤塗布量を測定した。 (2)摩擦係数の測定 摩擦係数の測定は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度80%RHに制御して、この恒温槽中で各サンプル
テープを100パス走行させて行った。なお、摩擦走行
100パス目の数値を摩擦係数とした。 (3)スチル耐久性の評価 スチル耐久性の評価は、−5℃の恒温槽中で行い、市販
のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:
DCR−VX1000)を用いて、各サンプルテープの
再生出力が3dB落ちるまでの時間を測定して行った。 (4)シャトル耐久性の評価 シャトル耐久性は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度20%RHに制御して、この恒温槽中で市販のデジ
タルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:DCR
−VX1000)を用い、各サンプルテープを100パ
スシャトル走行させ、100パス走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定して評価した。
【0099】上記各特性の測定結果を表8乃至表10に
示す。
【0100】
【表8】
【0101】
【表9】
【0102】
【表10】
【0103】表8乃至表10において実施例と比較例と
の吸光度を比較することにより、潤滑剤層中に、2つ以
上4つ以下のベンゼン環が結合した縮合環及び極性基を
有する芳香族系両親媒性化合物を備える実施例のサンプ
ルテープでは、カーボン保護膜上に保持される潤滑剤量
を増加させることができるといえる。
【0104】また、表8乃至表10において、実施例と
比較例とを比較することにより、潤滑剤層中に、2つ以
上4つ以下のベンゼン環が結合した縮合環及び極性基を
有する芳香族系両親媒性化合物を備える実施例のサンプ
ルテープでは、高温多湿、あるいは低温等の様々な使用
条件下においても摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐
久性の劣化が極めて少なく、非常に良好な結果が得られ
ていることが判った。
【0105】以上の結果より、潤滑剤層中に、2つ以上
4つ以下のベンゼン環が結合した縮合環及び極性基を有
する芳香族系両親媒性化合物を備えることにより、磁気
記録媒体のカーボン保護膜上に保持される潤滑剤量を増
加させることができ、様々な使用条件下においても潤滑
性が保たれるため、走行性、耐摩耗性、耐久性に優れた
磁気記録媒体を実現可能であることが判った。 (5)溶媒に対する溶解度評価 次に、実施例1乃至実施例78及び比較例1乃至10で
使用した化合物1乃至1乃至化合物78及び化合物10
1乃至化合物110について、エタノール、アセトン及
びトルエンの各溶媒に対する溶解性を調べた。その結果
を表11に示す。なお、表11における記号は、○は溶
媒に易溶な場合、×は溶媒に不溶な場合を意味する。
【0106】
【表11】
【0107】表11より、比較例1乃至比較例1で用い
た化合物101乃至化合物110は、エタノール及びア
セトンには溶解したが、トルエンには溶解しないことが
判った。一方、実施例1乃至実施例78で用いた化合物
1乃至化合物78は、エタノール、アセトン及びトルエ
ンの全ての溶媒に対して溶解し、各種の炭化水素系溶媒
に対しての溶解性に優れていることが判った。
【0108】したがって、実施例1乃至実施例78で用
いた2つ以上4つ以下のベンゼン環が結合した縮合環及
び極性基を有する芳香族系両親媒性化合物は、エタノー
ル、アセトン、トルエン等の各種炭化水素系溶媒に溶解
して塗布することができ、環境に与える影響が少ないこ
とが判った。次に、化合物1乃至化合物78及び化合物
101乃至化合物110について、カーボン保護膜への
吸着性及び上記潤滑剤との相互作用を定量的に評価し
た。 (6)カーボンへの吸着性の評価 上記実施例1乃至実施例78及び比較例1乃至比較例1
0のサンプルテープのカーボン保護膜を形成後、マグネ
トロンスパッタリング装置に付着しているカーボン粉末
を採取し、このカーボン粉末に対する各化合物の吸着性
を測定することにより、各化合物のカーボンへの吸着性
を定量的に評価した。
【0109】具体的には、マグネトロンスパッタリング
装置より採取したカーボン粉末を液体クロマトグラフィ
ー用カラムに5グラム充填し、化合物1乃至化合物78
及び化合物101乃至化合物110をそれぞれ0.5グ
ラム溶解させたエタノールをカラム中に流して溶出液を
得た。次いで、溶出液中の各化合物の重量を測定するこ
とによりカーボン粉末に吸着した化合物の量を測定し
た。そして、下記数1により、カーボンへの吸着率
(%)を求めた。その結果を表12乃至表14に示す。 (7)潤滑剤との相互作用の評価 化合物と潤滑剤との相互作用は、紫外線スペクトルの変
化率を求めることにより評価した。
【0110】具体的には、まず、化合物1乃至化合物7
8及び化合物101乃至化合物110をそれぞれ塩化メ
チレン溶液に0.1mM溶解させ、紫外線スペクトルを
測定した。
【0111】次いで、各化合物を溶解させた塩化メチレ
ン溶液に潤滑剤溶液を0.1mlずつ滴下し、紫外線ス
ペクトルを測定した。ここで、各化合物と潤滑剤とが、
相互作用している場合には、紫外線スペクトルは等級集
点を通り、変化することが判っている。したがって、潤
滑剤溶液の滴下の前後の紫外線スペクトルの値から、下
記数2により紫外線スペクトル変化率(%)を求めた。
その結果を表12乃至表14に併せて示す。
【0112】
【数1】
【0113】
【数2】
【0114】
【表12】
【0115】
【表13】
【0116】
【表14】
【0117】表12乃至表14より、化合物1乃至化合
物78は、カーボンへの吸着率が15%以上80%以下
の範囲にあり、また、紫外線スペクトル変化率が5%以
上90%以下の範囲にあることが確認された。一方、化
合物101乃至化合物110は、カーボンへの吸着率及
び紫外線スペクトル変化率のいずれも上述した範囲外で
あることが確認された。
【0118】以上のことより、潤滑剤層中に、カーボン
への吸着率が15%以上80%以下であり且つ潤滑剤と
の相互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上9
0%以下の化合物を含有する化合物を備えることによ
り、磁気記録媒体のカーボン保護膜上に保持される潤滑
剤量を増加させることができ、様々な使用条件下におい
ても潤滑性が保たれるため、走行性、耐摩耗性、耐久性
に優れた磁気記録媒体を実現可能であることが判った。
【0119】実験例2 実験例2では、2つ以上4つ以下のベンゼン環が結合し
た縮合環及び極性基を有する芳香族系両親媒性化合物か
らなる潤滑剤下地層を形成した場合について説明する。
【0120】1.サンプルテープの作製 <実施例101>実施例101では、以下のようにして
サンプルテープを作製した。
【0121】まず、非磁性支持体である7.0μm厚の
ポリエチレンテレフタレートフィルムに、上述した図3
に示す真空蒸着装置を使用して斜法蒸着法によりCoを
被着させ、磁性層となる金属磁性膜を180nmの厚さ
に形成した。
【0122】次に、上述した図4に示したようなマグネ
トロンスパッタリング装置を、その内部が10−4(P
a)程度になるまで減圧した後、Arガスを導入し、
0.8Pa程度にした。そして、このマグネトロンスパ
ッタリング装置に金属磁性膜が形成された非磁性支持体
をセッティングし、−40℃に冷却した冷却キャン上を
5m/分の速度で走行させて金属磁性膜上に膜厚が約8
nmのカーボン保護膜を形成した。
【0123】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの金属磁性膜が形成された面とは反対側の面に、カー
ボン及びポリウレタン樹脂よりなる膜厚0.5μmのバ
ックコート層を形成した。
【0124】次に、下記表15に示す上記実験例1で用
いた2つ以上4つ以下のベンゼン環が結合した縮合環及
び極性基を有する芳香族系両親媒性化合物である化合物
1を0.6wt%の濃度でトルエンに溶解させ、カーボン
保護膜表面に塗布、乾燥して潤滑剤下地層を形成した。
【0125】次に、上記実験例1で用いた下記化12で
示される潤滑剤をトルエンに0.1wt%溶解させ、潤滑
剤下地層の表面に塗布、乾燥して潤滑剤層を形成した。
【0126】そして、得られた磁気記録媒体を6.35
mm幅に裁断して、実施例101のサンプルテープとし
た。
【0127】<実施例102乃至実施例178>トルエ
ンに溶解させる化合物として、下記表15乃至表19に
示すように、上記実験例1で用いた2つ以上4つ以下の
ベンゼン環が結合した縮合環及び極性基を有する芳香族
系両親媒性化合物である化合物2乃至化合物78を用い
たこと以外は、実施例101と同様にしてサンプルテー
プを作製した。
【0128】<比較例101乃至比較例110>トルエ
ンに溶解させる化合物として、下記表20及び表21に
示すように、上記実験例1で用いた化合物101乃至化
合物110を用いたこと以外は、実施例101と同様に
してサンプルテープを作製した。
【0129】
【表15】
【0130】
【表16】
【0131】
【表17】
【0132】
【表18】
【0133】
【表19】
【0134】
【表20】
【0135】
【表21】
【0136】
【化12】
【0137】2.特性の評価 まず、上記実施例101乃至実施例178及び比較例1
01乃至比較例110の88種類のサンプルテープの特
性を評価した。ここでは、耐久性と走行性を評価するこ
ととし、具体的にはサンプルテープにおける摩擦係数、
スチル耐久性及びシャトル耐久性を実験例1と同様にし
て評価した。その結果を表22乃至表24に示す。
【0138】
【表22】
【0139】
【表23】
【0140】
【表24】
【0141】表22乃至表24において、実施例と比較
例とを比較することにより、潤滑剤層中に、2つ以上4
つ以下のベンゼン環が結合した縮合環及び極性基を有す
る芳香族系両親媒性化合物を備える実施例のサンプルテ
ープでは、高温多湿、あるいは低温等の様々な使用条件
下においても摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐久性
の劣化が極めて少なく、非常に良好な結果が得られてい
ることが判った。
【0142】以上の結果より、カーボン保護膜と潤滑剤
層との間に、2つ以上4つ以下のベンゼン環が結合した
縮合環及び極性基を有する芳香族系両親媒性化合物から
なる潤滑剤下地層を形成した場合においても磁気記録媒
体のカーボン保護膜上に保持される潤滑剤量を増加させ
ることができ、様々な使用条件下においても潤滑性が保
たれるため、走行性、耐摩耗性、耐久性に優れた磁気記
録媒体を実現可能であることが判った。
【0143】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支
持体と非磁性支持体の一主面上に形成された磁性層と磁
性層上に形成されたカーボン保護膜とカーボン保護膜上
に形成され潤滑剤を含有する潤滑剤層とを備える磁気記
録媒体において、カーボン保護膜上に、カーボンへの吸
着率が15%以上80%以下であり且つ潤滑剤との相互
作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90%以
下である化合物を備えてなるものである。
【0144】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体は、カーボン保護膜上にカーボンへの吸着率が
15%以上80%以下であり且つ潤滑剤との相互作用を
示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90%以下であ
る化合物を備える。これにより、この磁気記録媒体で
は、カーボン保護膜の表面状態を潤滑剤が保持されやす
い状態とすることができ、潤滑剤の塗布性を向上させる
ことができる。すなわち、この磁気記録媒体は、カーボ
ン保護膜上に十分な量の潤滑剤を保持することが可能と
なる。
【0145】したがって、本発明によれば、優れた潤滑
性を保つことにより、走行性、耐摩耗性、耐久性に優れ
た磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す縦断面図である。
【図2】本発明を適用した磁気記録媒体の他の構成例を
示す縦断面図である。
【図3】強磁性金属薄膜を形成する連続巻き取り式真空
蒸着装置の概略構成図である。
【図4】カーボン保護膜を形成するマグネトロンスパッ
タ装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、2 非磁性支持体、3 金属磁性
膜、4 カーボン保護膜、5 潤滑剤下地層、6 潤滑
剤層、7 バックコート層、8 磁気記録媒体、9 潤
滑剤層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 129/16 C10M 129/16 129/40 129/40 129/42 129/42 129/44 129/44 129/72 129/72 129/76 129/76 131/10 131/10 131/12 131/12 133/04 133/04 133/08 133/08 // C10N 20:00 C10N 20:00 B 30:00 30:00 Z 30:06 30:06 40:18 40:18 (72)発明者 栗原 研一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小林 健 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岩本 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 坪井 寿憲 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BB02C BB04C BB05C BB08C BB17C BB18C BB19C BB33C BB35C BD06C BD07C BE02C BE04C EA11C LA03 LA20 PA16 5D006 AA01 AA02 AA05 AA06 FA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、上記非磁性支持体の一
    主面上に形成された磁性層と、上記磁性層上に形成され
    たカーボン保護膜と、上記カーボン保護膜上に形成され
    潤滑剤を含有する潤滑剤層とを備える磁気記録媒体にお
    いて、 上記カーボン保護膜上に、カーボンへの吸着率が15%
    以上80%以下であり且つ上記潤滑剤との相互作用を示
    す紫外線スペクトル変化率が5%以上90%以下である
    化合物を備えることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記化合物は、2つ以上4つ以下のベン
    ゼン環が結合した縮合環及び極性基を有する芳香族系両
    親媒性化合物であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記芳香族系両親媒性化合物は、下記化
    1で表される構造を有することを特徴とする請求項2記
    載の磁気記録媒体。 【化1】
  4. 【請求項4】 上記芳香族系両親媒性化合物は、下記化
    2で表される構造を有することを特徴とする請求項2記
    載の磁気記録媒体。 【化2】
  5. 【請求項5】 上記芳香族系両親媒性化合物は、下記化
    3で表される構造を有することを特徴とする請求項2記
    載の磁気記録媒体。 【化3】
  6. 【請求項6】 上記芳香族系両親媒性化合物は、下記化
    4で表される構造を有することを特徴とする請求項2記
    載の磁気記録媒体。 【化4】
  7. 【請求項7】 上記芳香族系両親媒性化合物は、下記化
    5で表される構造を有することを特徴とする請求項2記
    載の磁気記録媒体。 【化5】
  8. 【請求項8】 上記カーボン保護膜と上記潤滑剤層との
    間に、上記カーボンへの吸着率が15%以上80%以下
    であり且つ上記潤滑剤との相互作用を示す紫外線スペク
    トル変化率が5%以上90%以下である化合物を含有す
    る潤滑剤下地層を備えることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記潤滑剤層中に、上記カーボンへの吸
    着率が15%以上80%以下であり且つ上記潤滑剤との
    相互作用を示す紫外線スペクトル変化率が5%以上90
    %以下である化合物を含有することを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
JP2000372088A 2000-12-06 2000-12-06 磁気記録媒体 Withdrawn JP2002175617A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105392777A (zh) * 2013-06-27 2016-03-09 株式会社Lg生命科学 作为gpr120激动剂的联芳基衍生物

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