JP2002174813A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2002174813A JP2001298246A JP2001298246A JP2002174813A JP 2002174813 A JP2002174813 A JP 2002174813A JP 2001298246 A JP2001298246 A JP 2001298246A JP 2001298246 A JP2001298246 A JP 2001298246A JP 2002174813 A JP2002174813 A JP 2002174813A
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鈴木  剛
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政之 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明るく、しかもコントラスト等の表示品質の高
い反射表示を行なうことができる液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】後側基板3の内面に反射膜5aが設けられ
た液晶素子1と、前記液晶素子1の前側に配置された偏
光板16と、前記偏光板16と前記液晶素子1との間に
配置された位相板20とを備え、且つ、前記液晶素子1
のΔndと、前記位相板20のリタデーションを、前記
液晶素子1の液晶層14の液晶分子が初期配向状態にあ
るときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一
方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波
長の正の整数倍の位相差を与える値に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は基板の内面側に光
反射膜を設けた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置には、その使用環境の光で
ある外光を利用する反射表示を行なう反射型のものと、
バックライトからの照明光を利用する透過表示を行なう
透過型のものと、前記反射表示と透過表示との両方の表
示を行なう反射/透過型のものとがある。
【0003】反射型の液晶表示装置は、従来、表示の観
察側である前側の基板とこの前側基板に対向する後側基
板の内面上にそれぞれ電極が設けられ、これらの基板間
に液晶層が設けられた液晶素子を挟んでその前後に前側
偏光板と後側偏光板とを配置し、前記後側偏光板の背後
に反射板を配置した構成となっており、また、反射/透
過型の液晶表示装置は、従来、前記液晶素子を挟んでそ
の前後に前側偏光板と後側偏光板とを配置し、前記後側
偏光板の背後に半透過反射板を配置するとともに、前記
半透過反射板の後側にバックライトを配置した構成とな
っている。
【0004】前記反射型の液晶表示装置は、外光を利用
して表示するものであり、また前記反射/透過型液晶表
示装置は、充分な明るさの外光が得られる環境下では外
光を利用して表示し、充分な明るさの外光が得られない
ときにバックライトを点灯させて表示するものであるた
め、常にバックライトを点灯させて表示する透過型の液
晶表示装置に比べて消費電力が少ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の反射型
または反射/透過型液晶表示装置は、表示の観察側であ
る前側から入射し、前側偏光板と液晶素子と後側偏光板
とを透過して後側に出射した光を反射板または半透過反
射板により反射させ、その反射光を前記後側偏光板と液
晶素子と前側偏光板とを再び透過させて前側に出射する
ため、偏光板による光の吸収が多く、明るい表示が得ら
れない。
【0006】しかも、液晶素子の前後に前側偏光板と後
側偏光板を配置し、前記後側偏光板の背後に反射板を配
置した構成の従来の反射型または反射/透過型液晶表示
装置は、前記前側偏光板から前記反射板までの距離が大
きいため、前側からの光の入射位置に対して、前記反射
板により反射されて前側に出射する反射光の出射位置が
大きくずれ、そのために、前記液晶素子の複数の画素領
域のうちの1つの画素領域を通って入射した光の反射光
が他の画素領域を通って出射し、表示品質を低下させ
る。
【0007】この発明は、明るく、しかも表示品質の高
い反射表示を行なうことができる液晶表示装置を提供す
ることを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対
向する後側基板の内面上にそれぞれ電極が設けられ、こ
れらの基板間に液晶層が設けられるとともに、前記後側
基板の内面側に反射膜が設けられた液晶素子と、前記液
晶素子の前側に配置された偏光板と、前記偏光板と前記
液晶素子との間に配置された位相板とを備え、且つ、前
記液晶素子の液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの
積Δndと、前記位相板のリタデーションが、前記液晶
素子の液晶層の液晶分子が初期配向状態にあるときに、
前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向に透過する
光の常光と異常光との間に1/4波長の正の整数倍の位
相差を与える値に設定されていることを特徴とするもの
である。
【0009】この液晶表示装置は、外光を利用する反射
表示を行なうものであり、表示の観察側である前側から
入射した外光を、液晶素子の前側に配置された偏光板に
よりその透過軸に沿った直線偏光として入射させ、前記
偏光板と前記液晶素子との間に配置された位相板と前記
液晶素子の液晶層とを透過して前記液晶素子の後側基板
の内面に設けられた反射膜により反射され、前記液晶層
と前記位相板とを再び透過した光のうち、前記偏光板の
透過軸に沿った偏光成分の光を、この偏光板を透過させ
て前側に出射する。
【0010】この液晶表示装置によれば、前側から入射
し、前記反射膜により反射されて前側に出射する光の偏
光板による吸収が、前記液晶素子の前側に配置された偏
光板による入射時と出射時の2回の吸収であるため、偏
光板による光の吸収を必要最小限にし、明るい表示を得
ることができる。
【0011】しかも、この液晶表示装置は、前記反射膜
を前記液晶素子の後側基板の内面に設けているため、前
記液晶素子の前側に配置された前記偏光板から前記反射
膜までの距離が小さく、したがって、前側から入射した
光の光路と、前記反射膜により反射されて前側に出射す
る反射光の光路とのずれを小さくし、前記液晶素子の複
数の画素領域のうちの1つの画素領域を通って入射した
光の反射光が他の画素領域を通って出射することによる
表示品質の低下を防ぐことができる。
【0012】さらに、この液晶表示装置は、前記液晶素
子のΔndと前記位相板のリタデーションを、前記液晶
素子の液晶層の液晶分子が初期配向状態にあるときに、
前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向に透過する
光の常光と異常光との間に1/4波長の正の整数倍の位
相差を与える値に設定しているため、前側から前記偏光
板の透過軸に沿った直線偏光となって入射し、前記位相
板と前記液晶層とを往復して透過して前記偏光板に再び
入射する光が、前記液晶分子が初期配向状態にあるとき
に、前記偏光板の透過軸に対して略直交する直線偏光
か、あるいは前記透過軸に沿った直線偏光のいずれかと
なって前記偏光板に再び入射する。
【0013】そのため、前記液晶素子の液晶層の液晶分
子が初期配向状態にあるときの表示を最も暗い暗表示ま
たは最も明るい明表示とし、よりコントラストを高くす
ることができる。
【0014】この発明の液晶表示装置は、上記のよう
に、後側基板の内面に反射膜が設けられた液晶素子と、
前記液晶素子の前側に配置された偏光板と、前記偏光板
と前記液晶素子との間に配置された位相板とを備え、且
つ、前記液晶素子のΔndと前記位相板のリタデーショ
ンを、前記液晶素子の液晶層の液晶分子が初期配向状態
にあるときに、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の
方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の
正の整数倍の位相差を与える値に設定することにより、
明るく、しかもコントラストの高い反射表示を行なうこ
とができるようにしたものである。
【0015】この発明の液晶表示装置において、前記液
晶素子の液晶層の液晶分子の初期配向状態が、基板面に
対して倒伏した配向状態であるときは、前記液晶素子の
Δndと位相板のリタデーションを、前記液晶分子が前
記初期配向状態にあるときに、前記位相板と前記液晶層
の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間
に1/4波長の奇数倍の位相差を与え、前記液晶分子が
前記基板面に対して略垂直に立ち上がり配向したとき
に、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向に透過
する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍の位
相差を与える値に設定するのが望ましい。
【0016】また、前記液晶素子の液晶層の液晶分子の
初期配向状態が、基板面に対して倒伏した配向状態であ
るときは、前記液晶素子のΔndと位相板のリタデーシ
ョンを、前記液晶分子が前記初期配向状態にあるとき
に、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向に透過
する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍の位
相差を与え、前記液晶分子が前記基板面に対して略垂直
に立ち上がり配向したときに、前記位相板と前記液晶層
の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間
に1/4波長の奇数倍の位相差を与える値に設定するの
が望ましい。
【0017】さらに、この発明の液晶表示装置において
は、前記液晶素子の後側基板の内面を凹凸面に形成し、
その上に前記凹凸面に沿わせて前記反射膜を形成する
か、あるいは、液晶素子の後側基板の内面に、表面が凹
凸面に形成された下地膜を設け、その上に前記凹凸面に
沿わせて前記反射膜を形成するのが好ましい。
【0018】また、この発明の液晶表示装置は、前記液
晶素子の後側基板の内面に設けられた反射膜を半透過反
射膜とし、前記液晶素子の後側に、後側偏光板と、前記
後側偏光板と前記液晶素子との間に配置された位相板
と、前記後側基板の後側に配置されたバックライトとを
設けた構成としてもよい。
【0019】また、もう一つの発明としての液晶表示装
置は、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に
対向する後側基板の内面にそれぞれ電極が設けられ、こ
れらの基板間に液晶分子が所定のツイスト角でツイスト
配向した液晶層が設けられるとともに、前記液晶層と前
記後側基板との間に半透過反射膜が設けられた液晶素子
と、前記液晶素子を挟んでその前後に配置された前側偏
光板および後側偏光板と、前記前側偏光板と前記液晶素
子との間に配置された捩れ位相板と、前記後側偏光板と
前記液晶素子との間に配置された位相板と、前記後側偏
光板の背後に配置されたバックライトとを備えたことを
特徴とするものである。
【0020】この液晶表示装置は上記のような構成であ
るため、反射表示のときは、表示の観察側である前側か
ら入射した外光が、前側偏光板と、前記前側偏光板と液
晶素子との間に配置された捩れ位相板と、前記液晶素子
の液晶層とを透過して半透過反射膜により反射され、そ
の反射光が、前記液晶層と前記捩れ位相板とを再び透過
して前記前側偏光板に入射し、その光のうち、前記前側
偏光板を透過する偏光成分の光が、この前側偏光板を透
過して前側に出射する。
【0021】また、透過表示のときは、前記バックライ
トから出射した照明光が、後側偏光板と、この後側偏光
板と前記液晶素子との間に配置された位相板と、前記半
透過反射板と、前記液晶素子の液晶層と、前記捩れ位相
板とを透過して前側偏光板に入射し、その光のうち、前
記前側偏光板を透過する偏光成分の光が、この前側偏光
板を透過して前側に出射する。
【0022】この液晶表示装置によれば、反射表示のと
きの偏光板による光の吸収は、前記前側偏光板による入
射時と出射時の2回の吸収であり、また、透過表示のと
きの偏光板による光の吸収は、入射時の後側偏光板によ
る吸収と、出射時の前側偏光板による吸収との2回の吸
収であるため、反射表示のときも、透過表示のときも、
偏光板による光の吸収を必要最小限にし、明るい表示を
得ることができる。
【0023】しかも、この液晶表示装置は、前側偏光板
と液晶素子との間、および後側偏光板と前記液晶素子と
の間にそれぞれ位相板を配置したものであり、そのうち
の前記前側偏光板と液晶素子との間に配置された位相板
を捩れ位相板としているため、表示の視野角を広くする
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施例を
示す液晶表示装置の一部分の断面図である。
【0025】この液晶表示装置は、表示の観察側である
前側の透明基板2とこの前側基板2に対向する透明な後
側基板3の内面側にそれぞれ透明な電極6,7が設けら
れ、これらの基板2,3間に液晶層14が設けられると
ともに、前記後側基板3の内面に反射膜5aが設けられ
た液晶素子1と、前記液晶素子1の前側に配置された1
枚の偏光板16と、前記偏光板16と前記液晶素子1と
の間に配置された1枚の位相板20とを備えている。
【0026】なお、前記液晶素子1は、例えば単純マト
リックス型のものであり、一方の基板、例えば前側基板
2の内面に設けられた電極6は、行方向(図1において
紙面に垂直な方向)に沿わせて互いに平行に形成された
複数の走査電極、他方の基板である後側基板3の内面に
設けられた電極7は、列方向(図1において紙面に平行
な方向)に沿わせて互いに平行に形成された複数の信号
電極である。
【0027】また、前記液晶素子1は、前記複数本の走
査電極6と信号電極7とが互いに対向する複数の画素領
域にそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青の3
色のカラーフィルタ8R,8G,8Bを備えており、こ
のカラーフィルタ8R,8G,8Bは、いずれか一方の
基板、例えば後側基板3の内面に設けられている。
【0028】さらに、前記液晶素子1の後側基板3の内
面は凹凸面4に形成されており、前記反射膜5aは、前
記後側基板3の内面の凹凸面4上に、アルミニウム等か
らなる金属膜を蒸着またはスパッタにより被着させるこ
とにより、前記凹凸面4に沿って形成されている。
【0029】前記後側基板3の内面の凹凸面4は、基板
面のフッ素処理またはサンドブラスト処理により形成さ
れており、その凹凸の大きさは、JIS(日本工業規
格)で規定される表面あらさ測定法による十点平均あら
さRz値で、Rz=1.3±0.5μm、つまり0.8
μm〜1.8μmの範囲に設定されている。なお、前記
凹凸面4の凹凸の大きさは、1.3μm程度がより好ま
しい。
【0030】なお、前記カラーフィルタ8R,8G,8
Bは前記反射膜5aの上に形成されており、このカラー
フィルタ8R,8G,8Bの上に、透明絶縁膜からなる
カラーフィルタ保護膜9が設けられ、このカラーフィル
タ保護膜9の上に、前記信号電極7が形成されている。
【0031】さらに、前記前側基板2と後側基板3の最
も内面にはそれぞれ前記電極6,7を覆って配向膜1
2,13が設けられており、これらの配向膜12,13
は、その膜面を所定方向にラビングすることにより配向
処理されている。
【0032】そして、前記前側基板2と後側基板3は、
その周縁部において図示しない枠状のシール材を介して
接合されており、これらの基板2,3間の前記シール材
で囲まれた領域に、正の誘電異方性を有するネマティッ
ク液晶が充填され、前記液晶層14が形成されている。
【0033】前記液晶層14の液晶分子は、前記配向膜
12,13によりそれぞれの基板2,3の近傍における
配向方向を規制され、前記基板2,3に対してある程度
のプレチルト角をもって倒伏した状態で、一方向に沿っ
てホモジニアス配向するか、あるいはツイスト配向して
いる。 図2は前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子
の配向状態を示している。
【0034】図2の(a)に示した液晶素子1は、ホモ
ジニアス配向型液晶素子であり、前側基板2の近傍にお
ける液晶分子配向方向(配向膜12の配向処理方向)2
aを、画面の横軸xに対し、前側から見て左回りに90
°±10°の方向、後側基板3の近傍における液晶分子
配向方向(配向膜13の配向方向)3aを、画面の横軸
xに対し、前側から見て左回りに90°±10°の方向
(前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aと略
平行で且つ逆向きの方向)とし、前記液晶層14の液晶
分子を、前記横軸xに対し、90°±20°の方向に沿
ってホモジニアス配向させるとともに、液晶素子1の液
晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndを、1
38nm±20nmに設定したものである。
【0035】図2の(b)液晶素子1は、TN(ツイス
テッドネマティック)型液晶素子であり、前側基板2の
近傍における液晶分子配向方向2aを、画面の横軸xに
対して前側から見て右回りに26°±10°の方向、後
側基板3の近傍における液晶分子配向方向3aを、前記
横軸xに対して前側から見て左回りに90°±10°の
方向とし、前記液晶層14の液晶分子を、そのツイスト
方向を図に破線矢印で示したように、後側基板3から前
側基板2に向かい、前側から見て左回りに64°±20
°のツイスト角でツイスト配向させるとともに、Δnd
を195nm±20nmに設定したものである。
【0036】図2の(c)に示した液晶素子1は、ST
N(スーパーツイステッドネマティック)型液晶素子で
あり、前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2a
を、画面の横軸xに対して前側から見て左回りに101
°±10°の方向、後側基板3の近傍における液晶分子
配向方向3aを、前記横軸xに対して前側から見て左回
りに90°±10°の方向とし、前記液晶層14の液晶
分子を、そのツイスト方向を図に破線矢印で示したよう
に、後側基板3から前側基板2に向かい、前側から見て
左回りに191°±20°のツイスト角でツイスト配向
させるとともに、Δndを583nm±40nmに設定
したものである。
【0037】図2の(d)に示した液晶素子1は、ST
N型液晶素子であり、前側基板2の近傍における液晶分
子配向方向2aを、画面の横軸xに対して前側から見て
左回りに48°±10°の方向、後側基板3の近傍にお
ける液晶分子配向方向3aを、前記横軸xに対して前側
から見て左回りに90°±10°の方向とし、前記液晶
層14の液晶分子を、そのツイスト方向を図に破線矢印
で示したように、後側基板3から前側基板2に向かい、
前側から見て左回りに318°±20°のツイスト角で
ツイスト配向させるとともに、Δndを972nm±1
00nmに設定したものである。
【0038】図3は、前記液晶素子1として図2の
(a)に示したホモジニアス配向型液晶素子を用いたと
きの、前記液晶素子1に対する偏光板16と位相板20
の配置状態を示している。
【0039】図3のように、前記偏光板16は、その透
過軸16aを、前記横軸xに対して0°±10°の方
向、つまり、前記液晶素子1の液晶分子のホモジニアス
配向方向と略直交する方向に向けて配置されている。
【0040】一方、前記位相板20は一軸位相板であ
り、この位相板20は、図3のように、その遅相軸20
aを、前記横軸xに対して0°±10°の方向、つま
り、前記偏光板16の透過軸16aと略平行で、前記液
晶素子1の液晶分子のホモジニアス配向方向に対して略
直交する方向に向けて配置されている。
【0041】そして、前記液晶素子1のΔndと、前記
位相板20のリタデーションReは、前記液晶素子1の
液晶層14の液晶分子が初期のホモジニアス配向状態に
あるときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を
一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4
波長の正の整数倍の位相差を与える値に設定されてい
る。
【0042】なお、この実施例の液晶表示装置は、前記
液晶素子1の電極6,7間に電界が印加されない無電界
時、つまり液晶層14の液晶分子が初期配向状態にある
ときの表示が暗表示であるノーマリーブラックモードの
ものであり、前記液晶素子1のΔndと位相板20のリ
タデーションReは、前記液晶分子が基板2,3面に対
して倒伏した初期のホモジニアス配向状態にあるとき
に、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方の方
向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の奇
数倍(本例では1倍)の位相差を与え、前記液晶分子が
前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向した
ときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方
の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長
の偶数倍(本例では2倍)の位相差を与える値に設定さ
れている。
【0043】この実施例では、前記液晶素子1のΔnd
を、上述したように、138nm±20nmに設定する
とともに、前記位相板20として、リタデーションRe
が275nm±20nmのλ/2位相板を用いている。
【0044】図4は前記液晶表示装置の表示原理を示す
模式図であり、(a)は前記液晶素子1の液晶層の液晶
分子が初期配向状態にあるとき、(b)は前記液晶分子
が基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したと
きを示している。
【0045】この液晶表示装置は、その使用環境の光で
ある外光を利用する反射表示を行なうものであり、表示
の観察側である前側から入射した外光Aは、図4
(a),(b)に示したように、前記偏光板16により
その吸収軸(図示せず)に沿った偏光成分の光bを吸収
され、前記偏光板16の透過軸16aに沿った偏光成分
の光aが、この偏光板16を透過し、前記透過軸16a
に沿った直線偏光Aとなって入射する。
【0046】前記偏光板16を透過して入射した光(偏
光板16の透過軸16aに沿った直線偏光)Aは、前
記位相板20を透過して液晶素子1に入射し、その液晶
層14を透過して、前記液晶素子1の後側基板3の内面
に設けられた反射膜5aに入射する。
【0047】このとき、この実施例では、前記液晶素子
1の液晶層14の液晶分子14aの初期配向状態をホモ
ジニアス配向とし、前記偏光板16の透過軸16aの向
きを、前記液晶素子1の液晶分子14aのホモジニアス
配向方向と略直交する方向とし、前記一軸位相板20の
遅相軸20aの向きを、前記偏光板16の透過軸16a
と略平行で、前記液晶素子1の液晶分子14aのホモジ
ニアス配向方向に対して略直交する方向とするととも
に、前記液晶素子1のΔndを138nm±20nmに
設定し、前記一軸位相板20としてリタデーションRe
が275nm±20nmのλ/2位相板を用いているた
め、前記液晶素子1の電極6,7間に電界が印加されな
い無電界時、つまり液晶層14の液晶分子14aが基板
2,3面に対して倒伏した初期のホモジニアス配向状態
にあるときは、図4(a)に示したように、前記偏光板
16を透過して入射した光、つまり前記偏光板16の透
過軸16aに沿った直線偏光Aが、前記位相板20と
液晶層14の両方を前側から後側に向かって透過する間
に、常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えら
れ、円偏光Aとなって前記反射膜5aに入射する。
【0048】そして、前記反射膜5aに入射した光は、
この反射膜5aにより反射されて偏光方向が逆向きの円
偏光Aとなり、その光が、前記液晶層14と位相板2
0の両方を後側から前側に向かって再び透過する間に、
常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えられ、
前記偏光板16の透過軸16aに対して90°回転した
直線偏光(偏光板16の吸収軸に沿った直線偏光)A
となって前記偏光板16に入射する。
【0049】そのため、前記液晶素子1の電極6,7間
に電界が印加されない無電界時は、前記偏光板16を透
過して入射し、前記反射膜5aにより反射された光のほ
とんどが前記偏光板16により吸収され、その画素領域
の表示が最も暗い暗表示になる。
【0050】一方、前記液晶素子1の電極6,7間に電
界が印加されると、その電界により液晶分子14aが基
板2,3面に対して立ち上がるように配向状態を変え、
この液晶分子14aの配向状態の変化に応じて液晶層1
4の複屈折性が変化するため、前記偏光板16を透過し
て入射し、前記位相板20と液晶層14とを透過して反
射膜5aにより反射され、前記液晶層14と位相板20
とを再び透過した光が、前記無電界時とは異なる偏光状
態の光となって前記偏光板16に入射する。
【0051】そのため、電界印加時は、前記偏光板16
を透過して入射し、前記位相板20と液晶層14とを透
過して反射膜5aにより反射され、前記液晶層14と位
相板20とを再び透過した光が、前記無電界時とは異な
る偏光状態の光となって前記偏光板16に入射し、その
光のうち、前記偏光板16の吸収軸に沿った偏光成分の
光が、この偏光板16により吸収され、前記偏光板16
の透過軸16aに沿った偏光成分の光が、この偏光板1
6を透過して前側に出射して、その画素領域の表示が明
るくなる。
【0052】この表示の明るさは、前記液晶分子14a
の立上り配向状態に応じて変化し、液晶分子14aが基
板2,3面に対して略垂直に立上り配向したときに、最
も明るい明表示になる。
【0053】すなわち、液晶分子14aが基板2,3面
に対して略垂直に立上り配向すると、前記液晶層14の
複屈折性がほとんど0になるため、前記位相板20と液
晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常
光との間に与えられる位相差は、前記位相板(λ/2位
相板)20による1/2波長の位相差(1/4波長の2
倍の位相差)となる。
【0054】そのため、前記液晶分子14aが基板2,
3面に対して略垂直に立上り配向したときは、図4
(b)に示したように、偏光板16を透過して入射した
直線偏光Aが、前記位相板20と液晶層14とを透過
する間に、常光と異常光との間に1/2波長の位相差を
与えられ、前記偏光板16を透過して入射した直線偏光
に対して90°回転した直線偏光Aとなって前記
反射膜5aにより反射される。
【0055】そして、前記反射膜5aにより反射された
直線偏光Aは、前記液晶層14と位相板20とを再び
透過する間に、常光と異常光との間に1/2波長の位相
差を与えられ、前記反射膜5aにより反射された直線偏
光Aに対して90°回転した直線偏光、つまり前記偏
光板16の透過軸16aに沿った直線偏光Aとなって
前記偏光板16に入射する。
【0056】したがって、液晶分子14aが基板2,3
面に対して略垂直に立上り配向したときは、前側から前
記偏光板16を透過して入射し、前記反射膜5aにより
反射された光のほとんどが、前記偏光板16を透過して
前側に出射し、その画素領域の表示が最も明るい明表示
になる。
【0057】このように、前記液晶表示装置は、表示の
観察側である前側から入射した外光を、液晶素子1の前
側に配置された偏光板16によりその透過軸16aに沿
った直線偏光として入射させ、前記偏光板16と前記液
晶素子1との間に配置された位相板20と前記液晶素子
1の液晶層14とを透過して前記液晶素子1の後側基板
3の内面に設けられた反射膜5aにより反射され、前記
液晶層14と位相板20とを再び透過した光のうち、前
記偏光板16の透過軸16aに沿った偏光成分の光を、
この偏光板16を透過させて前側に出射する。
【0058】この液晶表示装置によれば、前側から入射
し、前記反射膜5aにより反射されて前側に出射する光
の偏光板による吸収が、前記液晶素子1の前側に配置さ
れた偏光板16入射時と出射時の2回の吸収であるた
め、偏光板による光の吸収を必要最小限にし、明るい表
示を得ることができる。
【0059】しかも、この液晶表示装置は、前記反射膜
5aを前記液晶素子1の後側基板3の内面に設けている
ため、前記液晶素子1の前側に配置された前記偏光板1
6から前記反射膜5aまでの距離が小さく、したがっ
て、前側から入射した光の光路と、前記反射膜5aによ
り反射されて前側に出射する反射光の光路とのずれを小
さくし、前記液晶素子1の複数の画素領域のうちの1つ
の画素領域を通って入射した光の反射光が他の画素領域
を通って出射することによる画像ボケやコントラストの
低下等の表示品質の低下を防ぐことができる。
【0060】なお、この液晶表示装置は、前記液晶素子
1の一方の基板(後側基板)3の内面に、複数の画素領
域にそれぞれ対応させて、赤、緑、青のカラーフィルタ
8R,8G,8Bを設けたものであるため、明表示の画
素領域から出射する光は、その画素領域に対応するカラ
ーフィルタ8R,8G,8Bの色に着色した光であり、
各画素領域から出射する赤、緑、青の着色光により、フ
ルカラー等の多色カラー画像が表示される。
【0061】この液晶表示装置は、上述したように、前
側から入射した光の光路と、前記反射膜5aにより反射
されて前側に出射する反射光の光路とのずれが小さいた
め、前記液晶素子1の複数の画素領域のうち、1つの色
のカラーフィルタが対応する画素領域を通って入射した
光の反射光が、他の色のカラーフィルタが対応する画素
領域に入射して吸収されることによる明度の低下を防
ぎ、色質の良いカラー画像を表示することができる。
【0062】さらに、この液晶表示装置は、前記液晶素
子1のΔndと前記位相板20のリタデーションRe
を、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が初期配向
状態にあるときに、前記位相板20と前記液晶層14の
両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に
1/4波長の正の整数倍の位相差を与える値に設定して
いるため、前側から前記偏光板16の透過軸16aに沿
った直線偏光となって入射し、前記位相板20と前記液
晶層14とを往復して透過して前記偏光板16に再び入
射する光が、前記液晶分子が初期配向状態にあるとき
に、前記偏光板16の透過軸16aに対して略直交する
直線偏光か、あるいは前記透過軸16aに沿った直線偏
光のいずれかとなって前記偏光板16に再び入射する。
【0063】そのため、前記液晶素子1の液晶層14の
液晶分子が初期配向状態にあるときの表示を最も暗い暗
表示または最も明るい明表示とし、よりコントラストを
高くすることができる。
【0064】上記実施例の液晶表示装置はノーマリーブ
ラックモードのものであり、前記液晶素子1のΔndと
位相板20のリタデーションReを、液晶素子1の液晶
層14の液晶分子が基板2,3面に対して倒伏した初期
配向状態(ホモジニアス配向状態)にあるときに、前記
位相板20と前記液晶層14の両方を一方の方向に透過
する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与
え、前記液晶分子が前記基板2,3面に対して略垂直に
立ち上がり配向したときに、前記位相板20と前記液晶
層14の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光
との間に1/2波長(1/4波長の2倍)の位相差を与
える値に設定しているため、前記液晶分子が初期配向状
態にあるときの表示が最も暗く、前記液晶分子が基板
2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときの表
示が最も明るい、高コントラストの表示を得ることがで
きる。
【0065】また、この液晶表示装置は、前記偏光板1
6と液晶素子1との間に位相板20を配置したものであ
るため、表示の視野角を広くすることができる。
【0066】さらに、この液晶表示装置では、前記液晶
素子1の後側基板3の内面を凹凸面4に形成し、その上
に前記凹凸面4に沿わせて反射膜5aを形成しているた
め、入射光を前記反射膜5aにより拡散させて反射し、
均一な輝度分布の光を前側に出射することができ、した
がって、表示の視野角がより広く、しかも輝度むらのな
い良好な表示を得ることができる。
【0067】前記反射膜5aは、その凹凸が大きいほど
高い拡散性を示すが、この実施例では、上述したよう
に、前記後側基板3の凹凸面4の凹凸の大きさをJIS
で規定されるRz値で0.8μm〜1.8μmの範囲に
設定しているため、前記反射膜5aにより、前側からの
入射した光を適度に拡散させて反射するとともに、拡散
反射された光のほとんどを、前側からの入射時に透過し
た画素領域と同じ画素領域から前側に出射することがで
き、したがって、コントラストの良い表示を得ることが
できる。
【0068】なお、上記実施例では、前記液晶素子1の
Δndと位相板20のリタデーションReを、液晶素子
1の液晶層14の液晶分子が基板2,3面に対して倒伏
した初期配向状態にあるときに、前記位相板20と前記
液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常光と異
常光との間に1/4波長の位相差を与え、前記液晶分子
が前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向し
たときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一
方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/2波
長の位相差を与える値に設定しているが、ノーマリーブ
ラックモードの液晶表示装置の場合、前記液晶素子1の
Δndと位相板20のリタデーションReは、液晶素子
1の液晶層14の液晶分子が基板2,3面に対して倒伏
した初期配向状態にあるときに、前記位相板20と前記
液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常光と異
常光との間に1/4波長の奇数倍の位相差を与え、前記
液晶分子が前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上が
り配向したときに、前記位相板20と前記液晶層14の
両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に
1/4波長の偶数倍の位相差を与える値であればよく、
このように前記液晶素子1のΔndと位相板のリタデー
ションReを設定することにより、前記液晶分子が初期
配向状態にあるときの表示が最も暗く、前記液晶分子が
基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したとき
の表示が最も明るい、高コントラストのノーマリーブラ
ックモードの表示を得ることができる。
【0069】また、上記図3および図4に示した液晶表
示装置は、液晶素子1として、図2の(a)に示したホ
モジニアス配向型液晶素子を用いたものであるが、前記
液晶素子1は、図2の(b)〜(d)に示したTN型ま
たはSTN型液晶素子でもよく、その場合は、前記偏光
板16の透過軸16aの向きと、前記位相板(リタデー
ションReが275nm±20nmの一軸位相板)20
の遅相軸20aの向きを、前記TN型またはSTN型液
晶素子の前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2
aに対して次のような関係に設定すればよい。
【0070】すなわち、前記液晶素子1として、図2の
(b)に示した液晶分子ツイスト角=64°±20°、
Δnd=195nm±20nmのTN型液晶素子を用い
るときは、前記偏光板16を、その透過軸16aを前記
液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分子配向方
向2aに対して前側から見て左回りに26°±20°の
方向(画面の横軸xに対して0°±10°の方向)に向
けて配置し、前記一軸位相板(λ/2位相板)20を、
その遅相軸20aを前記偏光板16の透過軸16aと略
平行にして配置すればよく、このようにすることによ
り、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が基板2,
3面に対して倒伏した初期のツイスト配向状態にあると
きに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方の
方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の
位相差を与え、前記液晶分子が前記基板2,3面に対し
て略垂直に立ち上がり配向したときに、前記位相板20
と前記液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常
光と異常光との間に1/2波長(1/4波長の2倍)の
位相差を与えることができる。
【0071】また、前記液晶素子1として、図2の
(c)に示した液晶分子ツイスト角=191°±20
°、Δnd=583nm±40nmのSTN型液晶素子
を用いるときは、前記偏光板16を、その透過軸16a
を前記液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分子
配向方向2aに対して前側から見て右回りに101°±
20°の方向(画面の横軸に対して0°±10°の方
向)に向けて配置し、前記一軸位相板(λ/2位相板)
20を、その遅相軸20aを前記偏光板16の透過軸1
6aと略平行にして配置すればよく、このようにするこ
とにより、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が基
板2,3面に対して倒伏した初期のツイスト配向状態に
あるときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を
一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4
波長の奇数倍の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板
2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときに、
前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方の方向に
透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍
の位相差を与えることができる。
【0072】さらに、前記液晶素子1として、図2の
(d)に示した液晶分子ツイスト角=318°±20
°、Δnd=972nm±100nmのSTN型液晶素
子を用いるときは、前記偏光板16を、その透過軸16
aを前記液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分
子配向方向2aに対して前側から見て右回りに48°±
20°の方向(画面の横軸に対して0°±10°の方
向)に向けて配置し、前記一軸位相板(λ/2位相板)
20を、その遅相軸20aを前側偏光板16の透過軸1
6aと略平行にして配置すればよく、このようにするこ
とにより、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が基
板2,3面に対して倒伏した初期のツイスト配向状態に
あるときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を
一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4
波長の奇数倍の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板
2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときに、
前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方の方向に
透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍
の位相差を与えることができる。
【0073】したがって、前記液晶素子1を図2の
(a)に示したホモジニアス配向型液晶素子から図2の
(b)〜(c)に示したTN型またはSTN型液晶素子
に置き換えた表示装置も、ノーマリーブラックモード
で、しかも前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が初
期配向状態(基板2,3面に対して倒伏したツイスト配
向状態)にあるときの表示が最も暗く、前記液晶分子が
基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したとき
の表示が最も明るい、高コントラストの表示を得ること
ができる。
【0074】なお、上記実施例の液晶表示装置は、前記
偏光板16と液晶素子1との間に一軸位相板20を配置
したものであるが、前記偏光板16と液晶素子1との間
に配置する位相板は、捩れ位相板でもよい。
【0075】図5はこの発明の第2の実施例を示す液晶
表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表
示装置は、図2の(a)〜(d)に示したホモジニアス
配向型、TN型、STN型のいずれかの液晶素子1の前
側に1枚の偏光板16を配置し、この偏光板16と前記
液晶素子1との間に2枚の捩れ位相板30,30を配置
したものである。なお、他の構成は上述した第1の実施
例と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付し
て省略する。
【0076】前記捩れ位相板30は、液晶性高分子が一
方の面から他方の面に向かって捩れ配列した高分子液晶
フィルムからなっており、この実施例では、図6の
(a)〜(c)の捩れ位相板のいずれかを用いている。
【0077】図6の(a)に示した捩れ位相板30は、
液晶性高分子を、その分子配列の捩れ方向を図に破線矢
印で示したように、後面から前面に向かって、前側から
見て左回りに64°±20°の捩れ角で捩れ配列させた
ものであり、そのリタデーションReは195nm±2
0mnである。
【0078】この捩れ位相板30は、前記液晶素子1の
液晶分子配向状態が画面の横軸xを基準にして図2の
(a)〜(d)のように設定されている場合、その前面
における分子配列方向30aを、画面の横軸xに対し、
前側から見て左回りに64°±10°の方向、後面にお
ける分子配列方向30bを、前記横軸xに対して0°±
10°の方向に向けて配置する。
【0079】図6の(b)に示した捩れ位相板30は、
液晶性高分子を、その分子配列の捩れ方向を図に破線矢
印で示したように、後面から前面に向かって、前側から
見て左回りに191°±20°の捩れ角で捩れ配列させ
たものであり、そのリタデーションReは583nm±
20mnである。
【0080】この捩れ位相板30は、前記液晶素子1の
液晶分子配向状態が画面の横軸xを基準にして図2の
(a)〜(d)のように設定されている場合、その前面
における分子配列方向30aを、画面の横軸xに対し、
前側から見て左回りに11°±10°の方向、後面にお
ける分子配列方向30bを、画面の横軸xに対して0°
±10°の方向に向けて配置する。
【0081】図6の(c)に示した捩れ位相板30は、
液晶性高分子を、その分子配列の捩れ方向を図に破線矢
印で示したように、後面から前面に向かって、前側から
見て左回りに318°±20°の捩れ角で捩れ配列させ
たものであり、そのリタデーションReは972nm±
20mnである。
【0082】この捩れ位相板30は、前記液晶素子1の
液晶分子配向状態が画面の横軸xを基準にして図2の
(a)〜(d)のように設定されている場合、その前面
における分子配列方向30aを、画面の横軸xに対し、
前側から見て右回りに42°±10°の方向、後面にお
ける分子配列方向30bを、画面の横軸xに対して0°
±10°の方向に向けて配置する。
【0083】図7は、前記液晶素子1として、図2の
(b)に示したTN型液晶素子を用い、前記2枚の捩れ
位相板30,30の両方を、図6の(a)に示した位相
板としたときの、前記液晶素子1に対する前記偏光板1
6と前記2枚の捩れ位相板30,30の配置状態を示し
ている。
【0084】すなわち、前記液晶素子1は、図2の
(b)のように、液晶層14の液晶分子が、後側基板3
から前側基板2に向かい、前側から見て左回りに64°
±20°のツイスト角でツイスト配向した、Δnd=1
95nm±20nmのTN型液晶素子であり、その前側
基板2の近傍における液晶分子配向方向2aは、画面の
横軸xに対し、前側から見て右回りに26°±10°の
方向、後側基板3の近傍における液晶分子配向方向3a
は、前記横軸xに対して90°±10°の方向にある。
【0085】また、前記液晶素子1の前側に配置された
偏光板16は、その透過軸16を、前記画面の横軸xに
対して0°±10°の方向、つまり、前記液晶素子1の
前側基板2の近傍における分子配向方向2aに対し、前
側から見て左回りに26°±20°の方向に向けて配置
されている。
【0086】一方、前記2枚の捩れ位相板30,30は
いずれも、図6の(a)のように、液晶性高分子が後面
から前面に向かい、前側から見て左回り、つまり前記液
晶素子1の液晶分子のツイスト方向と同方向に、64°
±20°の捩れ角で捩れ配列した、リタデーションRe
=195nm±20mnの捩れ位相板であり、この2枚
の捩れ位相板30,30は、それぞれの前面および後面
における分子配列方向30a,30aおよび30b,3
0bを互いに略平行にするとともに、それぞれの前面に
おける分子配列方向30a,30aを、前記偏光板16
の透過軸16aに対し、前側から見て左回りに64°±
20°の方向(画面の横軸xに対し、前側から見て左回
りに64°±10°の方向)に向け、後面における分子
配列方向30b,30bを、前記液晶素子1の前側基板
2の近傍における液晶分子配向方向2aに対し、前側か
ら見て左回りに26°±20°の方向(画面の横軸xに
対して0°±10°の方向)に向けて配置されている。
【0087】この液晶表示装置は、前記液晶素子1の電
極6,7間に電界が印加されない無電界時、つまり液晶
層14の液晶分子が初期配向状態にあるときの表示が暗
表示であるノーマリーブラックモードのものであり、前
記液晶素子1の液晶分子配向状態と、前記偏光板16の
透過軸16aの向きと、前記2枚の捩れ位相板30,3
0のそれぞれの前後面における分子配列方向30a,3
0bが図7に示したように設定されるとともに、前記液
晶素子1のΔndと前記2枚の捩れ位相板30,30の
それぞれのリタデーションReが上記のような値である
ため、前記液晶分子が基板2,3面に対して倒伏した初
期のツイスト配向状態にあるときに、前記2枚の捩れ位
相板30,30と前記液晶層14の両方を一方の方向に
透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の奇数倍
の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板2,3面に対
して略垂直に立ち上がり配向したときに、前記2枚の捩
れ位相板30,30と前記液晶層14の両方を一方の方
向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶
数倍の位相差を与える。
【0088】図8は前記液晶表示装置の表示原理を示す
模式図であり、(a)は前記液晶素子1の液晶層の液晶
分子が初期配向状態にあるとき、(b)は前記液晶分子
が基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したと
きを示している。
【0089】この液晶表示装置は、外光を利用する反射
表示を行なうものであり、表示の観察側である前側から
入射した外光Bは、図8(a),(b)に示したよう
に、前記偏光板16の透過軸16aに沿った直線偏光B
となって入射する。
【0090】前記偏光板16を透過して入射した光(前
側偏光板16の透過軸16aに沿った直線偏光)B
は、前記2枚の捩れ位相板30,30を透過して液晶
素子1に入射し、その液晶層14を透過して、前記液晶
素子1の後側基板3の内面に設けられた反射膜5aに入
射する。
【0091】このとき、この実施例では、前記液晶素子
1の液晶層14の液晶分子14aの初期配向状態を後側
基板3から前側基板2に向かい、前側から見て左回りに
64°±20°のツイスト角でツイスト配向させ、前記
偏光板16の透過軸16aの向きを、前記液晶素子1の
前側基板2の近傍における分子配向方向2aに対し、前
側から見て左回りに26°±20°の方向とし、前記2
枚の捩れ位相板30,30のそれぞれの前面における分
子配列方向30a,30aの向きを、前記偏光板16の
透過軸16aに対し、前側から見て左回りに64°±2
0°の方向、後面における分子配列方向30b,30b
の向きを、前記液晶素子1の前側基板2の近傍における
液晶分子配向方向2aに対し、前側から見て左回りに2
6°±20°の方向とするとともに、前記液晶素子1の
Δndを195nm±20nmに設定し、前記2枚の位
相板30,30のリタデーションReをそれぞれ195
nm±20nmとしているため、前記液晶素子1の電極
6,7間に電界が印加されない無電界時、つまり液晶層
14の液晶分子14aが基板2,3面に対して倒伏した
初期のツイスト配向状態にあるときは、図8(a)に示
したように、前記偏光板16を透過して入射した光、つ
まり前記偏光板16の透過軸16aに沿った直線偏光B
が、前記2枚の捩れ位相板30,30と液晶層14の
両方を前側から後側に向かって透過する間に、常光と異
常光との間に1/4波長の位相差を与えられ、円偏光B
となって前記反射膜5aに入射する。
【0092】そして、前記反射膜5aに入射した光は、
この反射膜5aにより反射されて偏光方向が逆向きの円
偏光Bとなり、その光が、前記液晶層14と前記2枚
の捩れ位相板30,30の両方を後側から前側に向かっ
て再び透過する間に、常光と異常光との間に1/4波長
の位相差を与えられ、前記偏光板16の透過軸16aに
対して90°回転した直線偏光(偏光板16の吸収軸に
沿った直線偏光)Bとなって前記偏光板16に入射す
る。
【0093】そのため、前記液晶素子1の電極6,7間
に電界が印加されない無電界時は、前記偏光板16を透
過して入射し、前記反射膜5aにより反射された光のほ
とんどが前記偏光板16により吸収され、その画素領域
の表示が最も暗い暗表示になる。
【0094】一方、前記液晶素子1の電極6,7間に電
界が印加されると、その電界により液晶分子14aが基
板2,3面に対して立ち上がるように配向状態を変え、
この液晶分子14aの配向状態の変化に応じて液晶層1
4の複屈折性が変化する。
【0095】そして、液晶分子14aが基板2,3面に
対して略垂直に立上り配向すると、前記液晶層14の複
屈折性がほとんど0になるため、前記2枚の捩れ位相板
30,30と液晶層14の両方を一方の方向に透過する
光の常光と異常光との間に与えられる位相差は、前記2
枚の捩れ位相板30,30による1/2波長の位相差
(1/4波長の2倍の位相差)となる。
【0096】そのため、前記液晶分子14aが基板2,
3面に対して略垂直に立上り配向したときは、図8
(b)に示したように、偏光板16を透過して入射した
直線偏光Bが、前記2枚の捩れ位相板30,30と液
晶層14の両方を前側から後側に向かって透過する間
に、常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍の位相差
を与えられ、前記偏光板16を透過して入射した直線偏
光Bに対して90°回転した直線偏光Bとなって前
記反射膜5aにより反射される。
【0097】前記反射膜5aにより反射された直線偏光
は、前記液晶層14と2枚の捩れ位相板30,30
の両方を後側から前側に向かって再び透過する間に、常
光と異常光との間に1/2波長の位相差を与えられ、前
記反射膜5aにより反射された直線偏光Bに対して9
0°回転した直線偏光、つまり前記偏光板16の透過軸
16aに沿った直線偏光Bとなって前記偏光板16に
入射する。
【0098】そのため、前記液晶分子14aが基板2,
3面に対して略垂直に立上り配向したときは、前側から
前記偏光板16を透過して入射し、前記反射膜5aによ
り反射された光のほとんどが、前記偏光板16を透過し
て前側に出射し、その画素領域の表示が最も明るい明表
示になる。
【0099】したがって、この液晶表示装置によれば、
上記第1の実施例の液晶表示装置と同様に、前記液晶素
子1の液晶層14の液晶分子が初期のツイスト配向状態
にあるときの表示が最も暗く、前記液晶分子が基板2,
3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときの表示が
最も明るい、高コントラストの表示を得ることができ
る。
【0100】なお、上記図7および図8に示した液晶表
示装置は、液晶素子として、図2の(b)に示したTN
型液晶素子を用いたものであるが、前記液晶素子1は、
図2の(a)に示したホモジニアス型、あるいは、図2
の(c),(d)に示したSTN型の液晶素子でもよ
い。
【0101】また、上記図7および図8に示した液晶表
示装置は、前記偏光板16と前記液晶素子1との間に配
置する2枚の捩れ位相板30,30の両方を、図6の
(a)に示した捩れ位相板としているが、前記2枚の位
相板30,30は、図6の(b)または(c)に示した
捩れ位相板でもよく、さらに、図6の(a)〜(c)に
示した捩れ位相板のうち、分子配列の捩れ角とリタデー
ションReが異なる任意の2枚の捩れ位相板の組み合わ
せてもよい。なお、分子配列の捩れ角とリタデーション
Reが異なる任意の2枚の捩れ位相板を組み合わせる場
合、前記2枚の捩れ位相板は、そのいずれの位相板を前
側にして配置してもよい。
【0102】次の表は、図2の(a)〜(d)に示した
4種類の液晶素子1と、図6の(a)〜(c)で示した
3種類の捩れ位相板30とを組み合わせを示している。
【0103】
【表1】
【0104】なお、前記表の各液晶表示装置NB―1〜
NB―24は、いずれも、前記液晶素子1の液晶分子配
向状態を画面の横軸xを基準にして図2の(a)〜
(d)のように設定し、前記偏光板16を、その透過軸
16aを前記画面の横軸xに対して0°±10°の方向
に配置するとともに、前記2枚の捩れ位相板30,30
をそれぞれ、その前後面における分子配列方向30a,
30bを前記画面の横軸xに対して図6の(a)〜
(c)に示した方向に向けて配置したものであり、これ
らの液晶表示装置NB―1〜NB―24のうち、NB―
2の液晶表示装置は、図7および図8に示したものであ
る。
【0105】前記表の各液晶表示装置NB―1〜NB―
24は、いずれも、前記液晶素子1の液晶層14の液晶
分子が前記基板2,3面に対して倒伏した初期の配向状
態にあるときに、前記2枚の捩れ位相板30,30と前
記液晶素子1の液晶層14の両方を一方の方向に透過す
る光の常光と異常光との間に1/4波長の奇数倍(本例
では1倍)の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板
2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときに、
前記2枚の捩れ位相板30,30と前記液晶層14の両
方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1
/4波長の偶数倍(本例では2倍)の位相差を与えるた
め、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が初期の配
向状態にあるときの表示が最も暗く、前記液晶分子が基
板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときの
表示が最も明るい、高コントラストの表示を得ることが
できる。
【0106】なお、上記第1および第2の実施例の液晶
表示装置は、液晶素子1の液晶層14の液晶分子が初期
配向状態にあるときの表示が暗表示であるノーマリーブ
ラックモードのものであるが、この発明は、前記液晶素
子1の液晶層14の液晶分子が初期配向状態にあるとき
の表示が明表示であるノーマリーホワイトモードの液晶
表示装置にも適用することができる。
【0107】図9および図10はこの発明の第3の実施
例を示しており、図9は液晶素子の液晶層の液晶分子の
配向状態を示す図、図10は前記液晶素子に対する偏光
板と位相板の配置状態を示す図である。
【0108】この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1
として、図9の(a)〜(c)に示したいずれかの液晶
分子配向状態のものを用いるとともに、前記液晶素子1
の前側に配置された偏光板16と前記液晶素子1との間
に、一軸位相板20を配置したものである。
【0109】まず、前記図9の(a)〜(d)に示した
液晶素子1の液晶層の液晶分子の配向状態について説明
する。なお、これらの液晶素子1は、上記第1の実施例
の液晶表示装置の液晶素子1とは液晶分子の配向状態が
異なるが、他の構成は同じであるから、重複する説明は
省略する。
【0110】図9の(a)に示した液晶素子1は、ホモ
ジニアス配向型液晶素子であり、前側基板2の近傍にお
ける液晶分子配向方向2aを、画面の横軸xに対し、前
側から見て左方向に0°±10°の方向、後側基板3の
近傍における液晶分子配向方向3aを、画面の横軸xに
対し、前側から見て右方向に0°±10°の方向(前側
基板2の近傍における液晶分子配向方向2aと略平行で
且つ逆向きの方向)とし、液晶層14の液晶分子を、前
記横軸xに対し、0°±20°の方向に沿ってホモジニ
アス配向させるとともに、Δndを138nm±20n
mに設定したものである。
【0111】図9の(b)に示した液晶素子1は、TN
型液晶素子であり、前側基板2の近傍における液晶分子
配向方向2aを、画面の横軸xに対して前側から見て左
回りに64°±10°の方向、後側基板3の近傍におけ
る液晶分子配向方向3aを、前記横軸xに対して0°±
10°の方向とし、前記液晶層14の液晶分子を、その
ツイスト方向を図に破線矢印で示したように、後側基板
3から前側基板2に向かい、前側から見て左回りに64
°±20°のツイスト角でツイスト配向させるととも
に、Δndを195nm±20nmに設定したものであ
る。
【0112】図9の(c)に示した液晶素子1は、ST
N型液晶素子であり、前側基板2の近傍における液晶分
子配向方向2aを、画面の横軸xに対して前側から見て
左回りに11°±10°の方向、後側基板3の近傍にお
ける液晶分子配向方向3aを、前記横軸xに対して0°
±10°の方向とし、前記液晶層14の液晶分子を、そ
のツイスト方向を図に破線矢印で示したように、後側基
板3から前側基板2に向かい、前側から見て左回りに1
91°±20°のツイスト角でツイスト配向させるとと
もに、Δndを583nm±40nmに設定したもので
ある。
【0113】図9の(d)に示した液晶素子1は、ST
N型液晶素子であり、前側基板2の近傍における液晶分
子配向方向2aを、画面の横軸xに対して前側から見て
右回りに42°±10°の方向、後側基板3の近傍にお
ける液晶分子配向方向3aを、前記横軸xに対して0°
±10°の方向とし、前記液晶層14の液晶分子を、そ
のツイスト方向を図に破線矢印で示したように、後側基
板3から前側基板2に向かい、前側から見て左回りに3
18°±20°のツイスト角でツイスト配向させるとと
もに、Δndを972nm±100nmに設定したもの
である。
【0114】図10に示した偏光板16の透過軸16a
の向きと一軸位相板20の遅相軸20aの向きは、液晶
素子1として、図9の(a)に示したホモジニアス配向
型液晶素子を用いたときの例であり、前記偏光板16
は、その透過軸16aを、前記液晶素子1の液晶分子の
ホモジニアス配向方向と略平行な方向(画面の横軸xに
対して0°±10°の方向)に向けて配置され、前記一
軸位相板20は、その遅相軸20aを、前記偏光板16
の透過軸16aおよび前記液晶素子1の液晶分子のホモ
ジニアス配向方向に対して略平行な方向(画面の横軸x
に対して0°±10°の方向)に向けて配置されてい
る。
【0115】そして、前記液晶素子1のΔndと、前記
位相板20のリタデーションReは、前記液晶素子1の
液晶層14の液晶分子が初期のホモジニアス配向状態に
あるときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を
一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4
波長の正の整数倍の位相差を与える値に設定されてい
る。
【0116】なお、この実施例の液晶表示装置は、前記
液晶素子1の電極6,7間に電界が印加されない無電界
時、つまり液晶層14の液晶分子が初期配向状態にある
ときの表示が明表示であるノーマリーホワイトモードの
ものであり、前記液晶素子1のΔndと位相板20のリ
タデーションReは、前記液晶分子が基板2,3面に対
して倒伏した初期のホモジニアス配向状態にあるとき
に、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方の方
向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶
数倍(本例では2倍)の位相差を与え、前記液晶分子が
前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向した
ときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方
の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長
の奇数倍(本例では1倍)の位相差を与える値に設定さ
れている。
【0117】この実施例では、前記ホモジニアス配向型
液晶素子1のΔndを、上述したように、138nm±
20nmに設定するとともに、前記一軸位相板20とし
て、リタデーションReが138nm±20nmのλ/
4位相板を用いている。
【0118】図11は前記液晶表示装置の表示原理を示
す模式図であり、(a)は前記液晶素子1の液晶層の液
晶分子が初期配向状態にあるとき、(b)は前記液晶分
子が基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向した
ときを示している。
【0119】この液晶表示装置は、外光を利用する反射
表示を行なうものであり、表示の観察側である前側から
入射した外光Cは、図11(a),(b)に示したよ
うに、前記偏光板16の透過軸16aに沿った直線偏光
となって入射する。
【0120】前記偏光板16を透過して入射した光(偏
光板16の透過軸16aに沿った直線偏光)Cは、前
記位相板20を透過して液晶素子1に入射し、その液晶
層14を透過して、前記液晶素子1の後側基板3の内面
に設けられた反射膜5aに入射する。
【0121】このとき、この実施例では、前記液晶素子
1の液晶層14の液晶分子14aの初期配向状態をホモ
ジニアス配向とし、前記偏光板16の透過軸16aの向
きを、前記液晶素子1の液晶分子14aのホモジニアス
配向方向と略平行な方向とし、前記一軸位相板20の遅
相軸20aの向きを、前記偏光板16の透過軸16aお
よび前記液晶素子1の液晶分子14aのホモジニアス配
向方向に対して略平行な方向とするとともに、前記液晶
素子1のΔndを138nm±20nmに設定し、前記
一軸位相板20としてリタデーションReが138nm
±20nmのλ/4位相板を用いているため、前記液晶
素子1の電極6,7間に電界が印加されない無電界時、
つまり液晶層14の液晶分子14aが基板2,3面に対
して倒伏した初期のホモジニアス配向状態にあるとき
は、図11(a)に示したように、前記偏光板16を透
過して入射した光、つまり前記偏光板16の透過軸16
aに沿った直線偏光Cが、前記位相板20と液晶層1
4の両方を前側から後側に向かって透過する間に、常光
と異常光との間に1/2波長の位相差を与えられ、前記
偏光板16を透過して入射した直線偏光Cに対して9
0°回転した直線偏光Cとなって前記反射膜5aによ
り反射される。
【0122】そして、前記反射膜5aにより反射された
直線偏光Cは、前記液晶層14と位相板20の両方を
後側から前側に向かって再び透過する間に、常光と異常
光との間に1/2波長の位相差を与えられ、前記反射膜
5aにより反射された直線偏光Cに対して90°回転
した直線偏光、つまり前記偏光板16の透過軸16aに
沿った直線偏光Cとなって前記偏光板16に入射す
る。
【0123】そのため、前記液晶素子1の電極6,7間
に電界が印加されない無電界時は、前記偏光板16を透
過して入射し、前記反射膜5aにより反射された光のほ
とんどが、前記偏光板16を透過して前側に出射し、そ
の画素領域の表示が最も明るい明表示になる。
【0124】一方、前記液晶素子1の電極6,7間に電
界が印加されると、その電界により液晶分子14aが基
板2,3面に対して立ち上がるように配向状態を変え、
この液晶分子14aの配向状態の変化に応じて液晶層1
4の複屈折性が変化するため、前記偏光板16を透過し
て入射し、前記位相板20と液晶層14とを透過して反
射膜5aにより反射され、前記液晶層14と位相板20
とを再び透過した光が、前記無電界時とは異なる偏光状
態の光となって前記偏光板16に入射する。
【0125】そして、液晶分子14aが基板2,3面に
対して略垂直に立上り配向すると、前記液晶層14の複
屈折性がほとんど0になるため、前記位相板20と液晶
層14の両方を透過する光の常光と異常光との間に与え
られる位相差は、前記位相板(λ/4位相板)20によ
る1/4波長の位相差となる。
【0126】そのため、前記液晶分子14aが基板2,
3面に対して略垂直に立上り配向したときは、図11
(b)に示したように、偏光板16を透過して入射した
直線偏光Cが、前記位相板20と液晶層14の両方を
前側から後側に向かって透過する間に、常光と異常光と
の間に1/4波長の位相差を与えられ、円偏光Cとな
って前記反射膜5aに入射する。
【0127】前記反射膜5aに入射した光は、この反射
膜5aにより反射されて偏光方向が逆向きの円偏光C
となり、その光が、前記液晶層14と位相板20の両方
を後側から前側に向かって再び透過する間に、常光と異
常光との間に1/4波長の位相差を与えられ、前記偏光
板16の透過軸16aに対して90°回転した直線偏光
(偏光板16の吸収軸に沿った直線偏光)Cとなって
前記偏光板16に入射する。
【0128】したがって、液晶分子14aが基板2,3
面に対して略垂直に立上り配向したときは、前側から前
記偏光板16を透過して入射し、前記反射膜5aにより
反射された光のほとんどが前記偏光板16により吸収さ
れ、その画素領域の表示が最も暗い暗表示になる。
【0129】したがって、この液晶表示装置によれば、
前記液晶素子1の液晶層の液晶分子が初期配向状態にあ
るときの表示が最も明るく、前記液晶分子が基板2,3
面に対して略垂直に立ち上がり配向したときの表示が最
も暗い、高コントラストの表示を得ることができる。
【0130】なお、上記実施例では、前記液晶素子1の
Δndと位相板20のリタデーションReを、液晶素子
1の液晶層14の液晶分子が基板2,3面に対して倒伏
した初期配向状態にあるときに、前記位相板20と前記
液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常光と異
常光との間に1/2波長の位相差を与え、前記液晶分子
が前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向し
たときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一
方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波
長の位相差を与える値に設定しているが、ノーマリーホ
ワイトモードの液晶表示装置の場合、前記液晶素子1の
Δndと位相板のリタデーションReは、液晶素子1の
液晶層14の液晶分子が基板2,3面に対して倒伏した
初期配向状態にあるときに、前記位相板20と前記液晶
層14の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光
との間に1/4波長の偶数倍の位相差を与え、前記液晶
分子が前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配
向したときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方
を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/
4波長の奇数倍の位相差を与える値であればよく、この
ように前記液晶素子1のΔndと位相板のリタデーショ
ンReを設定することにより、前記液晶分子が初期配向
状態にあるときの表示が最も明るく、前記液晶分子が基
板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときの
表示が最も暗い、高コントラストの表示を得ることがで
きる。
【0131】また、上記図10および図11に示した液
晶表示装置は、液晶素子1として、図9の(a)に示し
たホモジニアス配向型液晶素子を用いたものであるが、
前記液晶素子1は、図9の(b)〜(d)に示したTN
型またはSTN型液晶素子でもよく、その場合は、前記
偏光板16の透過軸16aの向きと、前記位相板(リタ
デーションReが138nm±20nmの一軸位相板)
20の遅相軸20aの向きを、前記TN型またはSTN
型液晶素子の前側基板2の近傍における液晶分子配向方
向2aに対して次のような関係に設定すればよいすなわ
ち、前記液晶素子1として、図9の(b)に示した液晶
分子ツイスト角=64°±20°、Δnd=195nm
±20nmのTN型液晶素子を用いるときは、前記偏光
板16を、その透過軸16aを前記液晶素子1の前側基
板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対して前側
から見て右回りに64°±20°の方向(画面の横軸x
に対して0°±10°の方向)に向けて配置し、前記一
軸位相板(λ/4位相板)20を、その遅相軸20aを
前記偏光板16の透過軸16aと略平行にして配置すれ
ばよく、このようにすることにより、前記液晶素子1の
液晶層14の液晶分子が基板2,3面に対して倒伏した
初期のツイスト配向状態にあるときに、前記位相板20
と前記液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常
光と異常光との間に1/2波長(1/4波長の2倍)の
位相差を与え、前記液晶分子が前記基板2,3面に対し
て略垂直に立ち上がり配向したときに、前記位相板20
と前記液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常
光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えることが
できる。
【0132】また、前記液晶素子1として、図9の
(c)に示した液晶分子ツイスト角=191°±20°
Δnd=583nm±40nmのSTN型液晶素子を用
いるときは、前記偏光板16を、その透過軸16aを前
記液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分子配向
方向2aに対して前側から見て右回りに11°±20°
の方向(画面の横軸に対して0°±10°の方向)に向
けて配置し、前記一軸位相板(λ/4位相板)20を、
その遅相軸20aを前記偏光板16の透過軸16aと略
平行にして配置すればよく、このようにすることによ
り、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が基板2,
3面に対して倒伏した初期のツイスト配向状態にあると
きに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方の
方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の
偶数倍の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板2,3
面に対して略垂直に立ち上がり配向したときに、前記位
相板20と前記液晶層14の両方を一方の方向に透過す
る光の常光と異常光との間に1/4波長の奇数倍の位相
差を与えることができる。
【0133】さらに、前記液晶素子1として、図9の
(d)に示した液晶分子ツイスト角=318°±20
°、Δnd=972nm±100nmのSTN型液晶素
子を用いるときは、前記偏光板16を、その透過軸16
aを前記液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分
子配向方向2aに対して前側から見て左回りに42°±
20°の方向(画面の横軸に対して0°±10°の方
向)に向けて配置し、前記一軸位相板(λ/4位相板)
20を、その遅相軸20aを前側偏光板16の透過軸1
6aと略平行にして配置すればよく、このようにするこ
とにより、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が基
板2,3面に対して倒伏した初期のツイスト配向状態に
あるときに、前記位相板20と前記液晶層14の両方を
一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4
波長の偶数倍の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板
2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときに、
前記位相板20と前記液晶層14の両方を一方の方向に
透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の奇数倍
の位相差を与えることができる。
【0134】したがって、前記液晶素子1を図9の
(a)に示したホモジニアス配向型液晶素子から図9の
(b)〜(c)に示したTN型またはSTN型液晶素子
に置き換えた表示装置も、ノーマリーホワイトモード
で、しかも前記液晶素子1の液晶層14の液晶分子が初
期配向状態(基板2,3面に対して倒伏したツイスト配
向状態)にあるときの表示が最も明るく、前記液晶分子
が基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したと
きの表示が最も暗い、高コントラストの表示を得ること
ができる。
【0135】なお、上記実施例の液晶表示装置は、前記
偏光板16と液晶素子1との間に一軸偏光板20を配置
したものであるが、前記偏光板16と液晶素子1との間
に配置する位相板は、捩れ位相板でもよい。
【0136】図12はこの発明の第4の実施例を示す液
晶表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶
表示装置は、液晶素子として、上記図9の(a)〜
(d)に示したホモジニアス配向型、TN型、STN型
のいずれかの液晶素子1の前側に1枚の偏光板16を配
置し、この偏光板16と前記液晶素子1との間に、上記
図6の(a)〜(c)に示した捩れ位相板のうちのいず
れか1枚の捩れ位相板30を配置したものである。な
お、他の構成は上述した第1の実施例と同じであるか
ら、重複する説明は図に符号を付して省略する。
【0137】図13は、前記液晶素子1として図9の
(b)に示したTN型液晶素子を用い、前記捩れ位相板
30として図6(a)に示した位相板を用いたときの、
前記液晶素子1に対する前記偏光板16と前記捩れ位相
板30の配置状態を示している。
【0138】すなわち、前記液晶素子1は、図9の
(b)のように、液晶層14の液晶分子が、後側基板3
から前側基板2に向かい、前側から見て左回りに64°
±20°のツイスト角でツイスト配向した、Δnd=1
95nm±20nmのTN型液晶素子であり、その前側
基板2の近傍における液晶分子配向方向2aは、画面の
横軸xに対し、前側から見て左回りに64°±10°の
方向、後側基板3の近傍における液晶分子配向方向3a
は、前記横軸xに対して0°±10°の方向にある。
【0139】また、前記液晶素子1の前側に配置された
偏光板16は、その透過軸16を、前記画面の横軸xに
対して0°±10°の方向、つまり、前記液晶素子1の
前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対
し、前側から見て右回りに64°±20°の方向に向け
て配置されている。
【0140】一方、前記捩れ位相板30は、図6の
(a)のように、液晶性高分子が後面から前面に向か
い、前側から見て左回り、つまり前記液晶素子1の液晶
分子のツイスト方向と同方向に64°±20°の捩れ角
で捩れ配列した、リタデーションRe=195nm±2
0mnの捩れ位相板であり、この捩れ位相板30は、そ
の前面における分子配列方向30aを、前記偏光板16
の透過軸16aに対し、前側から見て左回りに64°±
20°の方向(画面の横軸xに対し、前側から見て左回
りに64°±10°の方向)に向け、後面における分子
配列方向40bを、前記液晶素子1の前側基板2の近傍
における液晶分子配向方向2aに対し、前側から見て右
回りに64°±20°の方向(画面の横軸xに対して0
°±10°の方向)に向けて配置されている。
【0141】この液晶表示装置は、前記液晶素子1の電
極6,7間に電界が印加されない無電界時、つまり液晶
層14の液晶分子が初期配向状態にあるときの表示が明
表示であるノーマリーホワイトモードのものであり、前
記液晶素子1の液晶分子配向状態と、前記偏光板16の
透過軸16aの向きと、前記捩れ位相板30の前後面に
おける分子配列方向30a,30bが図13に示したよ
うに設定されるとともに、前記液晶素子1のΔndと前
記捩れ位相板30のリタデーションReが上記のような
値であるため、前記液晶分子1が基板2,3面に対して
倒伏した初期のツイスト配向状態にあるときに、前記捩
れ位相板30と前記液晶層14の両方を一方の方向に透
過する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍の
位相差を与え、前記液晶分子が前記基板2,3面に対し
て略垂直に立ち上がり配向したときに、前記捩れ位相板
30と前記液晶層14の両方を一方の方向に透過する光
の常光と異常光との間に1/4波長の奇数倍の位相差を
与える。
【0142】図14は前記液晶表示装置の表示原理を示
す模式図であり、(a)前記液晶素子1の液晶層の液晶
分子が初期配向状態にあるとき、(b)は前記液晶分子
が基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したと
きを示している。
【0143】この液晶表示装置は、外光を利用する反射
表示を行なうものであり、表示の観察側である前側から
入射した外光Dは、図14(a),(b)に示したよ
うに、前記偏光板16の透過軸16aに沿った直線偏光
となって入射する。
【0144】前記偏光板16を透過して入射した光(偏
光板16の透過軸16aに沿った直線偏光)Dは、前
記位相板30を透過して液晶素子1に入射し、その液晶
層14を透過して、前記液晶素子1の後側基板3の内面
に設けられた反射膜5aに入射する。
【0145】このとき、この実施例では、前記液晶素子
1の液晶層14の液晶分子14aの初期配向状態を後側
基板3から前側基板2に向かい、前側から見て左回りに
64°±20°のツイスト角でツイスト配向させ、前記
偏光板16の透過軸16aの向きを、前記液晶素子1の
前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対
し、前側から見て右回りに64°±20°の方向とし、
前記捩れ位相板30の前面における分子配列方向30a
の向きを、前記偏光板16の透過軸16aに対し、前側
から見て左回りに64°±20°の方向、後面における
分子配列方向30bを、前記液晶素子1の前側基板2の
近傍における液晶分子配向方向2aに対し、前側から見
て右回りに64°±20°の方向とするとともに、前記
液晶素子1のΔndを195nm±20nmに設定し、
前記捩れ位相板30のリタデーションReを195nm
±20nmとしているため、前記液晶素子1の電極6,
7間に電界が印加されない無電界時、つまり液晶層14
の液晶分子14aが基板2,3面に対して倒伏した初期
のツイスト配向状態にあるときは、図14(a)に示し
たように、前記偏光板16を透過して入射した光、つま
り前記偏光板16の透過軸16aに沿った直線偏光D
が、前記捩れ位相板30と液晶層14の両方を前側から
後側に向かって透過する間に、常光と異常光との間に1
/2波長の位相差(1/4波長の2倍の位相差)を与え
られ、前記偏光板16を透過して入射した直線偏光D
に対して90°回転した直線偏光Dとなって前記反射
膜5aにより反射される。
【0146】そして、前記反射膜5aにより反射された
直線偏光Dは、前記液晶層14と捩れ位相板30の両
方を後側から前側に向かって再び透過する間に、常光と
異常光との間に1/2波長の位相差を与えられ、前記反
射膜5aにより反射された直線偏光Dに対して90°
回転した直線偏光、つまり前記偏光板16の透過軸16
aに沿った直線偏光Dとなって前記偏光板16に入射
する。
【0147】そのため、前記液晶素子1の電極6,7間
に電界が印加されない無電界時は、前記偏光板16を透
過して入射し、前記反射膜5aにより反射された光のほ
とんどが、前記偏光板16を透過して前側に出射し、そ
の画素領域の表示が最も明るい明表示になる。
【0148】一方、前記液晶素子1の電極6,7間に電
界が印加されると、その電界により液晶分子14aが基
板2,3面に対して立ち上がるように配向状態を変え、
この液晶分子14aの配向状態の変化に応じて液晶層1
4の複屈折性が変化する。
【0149】そして、液晶分子14aが基板2,3面に
対して略垂直に立上り配向すると、前記液晶層14の複
屈折性がほとんど0になるため、前記捩れ位相板30と
液晶層14の両方を透過する光の常光と異常光との間に
与えられる位相差は、前記捩れ位相板30による1/4
波長の位相差となる。
【0150】そのため、前記液晶分子14aが基板2,
3面に対して略垂直に立上り配向したときは、図14
(b)に示したように、偏光板16を透過して入射した
直線偏光Dが、前記捩れ位相板30と液晶層14の両
方を前側から後側に向かって透過する間に、常光と異常
光との間に1/4波長の位相差を与えられ、円偏光D
となって前記反射膜5aに入射する。
【0151】前記反射膜5aに入射した光は、この反射
膜5aにより反射されて偏光方向が逆向きの円偏光D
となり、その光が、前記液晶層14と捩れ位相板30の
両方を後側から前側に向かって再び透過する間に、常光
と異常光との間に1/4波長の位相差を与えられ、前記
偏光板16の透過軸16aに対して90°回転した直線
偏光(偏光板16の吸収軸に沿った直線偏光)Dとな
って前記偏光板16に入射する。
【0152】したがって、液晶分子14aが基板2,3
面に対して略垂直に立上り配向したときは、前側から前
記偏光板16を透過して入射し、前記反射膜5aにより
反射された光のほとんどが前記偏光板16により吸収さ
れ、その画素領域の表示が最も暗い暗表示になる。
【0153】したがって、この液晶表示装置によれば、
前記液晶分子1の液晶素子1の液晶層14が初期配向状
態にあるときの表示が最も明るく、前記液晶分子が基板
2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときの表
示が最も暗い、高コントラストの表示を得ることができ
る。
【0154】なお、上記図13および図14に示した液
晶表示装置は、液晶素子1として、図9の(b)に示し
たTN型液晶素子を用いたものであるが、前記液晶素子
1は、図9の(a)に示したホモジニアス型、あるい
は、図9の(c),(d)に示したSTN型の液晶素子
でもよい。
【0155】また、上記図13および図14に示した液
晶表示装置は、前記偏光板16と前記液晶素子1との間
に、図6(a)に示した捩れ位相板30を配置したもの
であるが、前記捩れ位相板30は、図6の(b)または
(c)に示した捩れ位相板でもよい。
【0156】次の表は、図9の(a)〜(d)に示した
4種類の液晶素子1と、図6の(a)〜(c)で示した
3種類の捩れ位相板30との組み合わせを示している。
【0157】
【表2】
【0158】なお、前記表の各液晶表示装置NW―1〜
NW―12は、いずれも、前記液晶素子1の液晶分子配
向状態を画面の横軸xを基準にして図9の(a)〜
(d)のように設定し、前記偏光板16を、その透過軸
16aを前記画面の横軸xに対して0°±10°の方向
に配置するとともに、前記捩れ位相板30を、その前後
面における分子配列方向30aを前記画面の横軸xに対
して図6の(a)〜(c)に示した方向に向けて配置し
たものであり、これらの液晶表示装置NW―1〜NW―
12のうち、NW―2の液晶表示装置2は、図13およ
び図14に示したものである。
【0159】前記表の各液晶表示装置NW―1〜NW1
2は、いずれも、前記液晶素子1の液晶層14の液晶分
子が前記基板2,3面に対して倒伏した初期の配向状態
にあるときに、前記捩れ位相板30と前記液晶素子1の
液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常光と異
常光との間に1/4波長の偶数倍の位相差を与え、前記
液晶分子が前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上が
り配向したときに、前記捩れ位相板30と前記液晶層1
4の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との
間に1/4波長の奇数倍の位相差を与えるため、前記液
晶素子1の液晶層14の液晶分子が初期の配向状態にあ
るときの表示が最も明るく、前記液晶分子が基板2,3
面に対して略垂直に立ち上がり配向したときの表示が最
も暗い、高コントラストの表示を得ることができる。
【0160】なお、上述した第1〜第4の実施例では、
前記液晶素子1の後側基板3の内面を凹凸面4に形成
し、その凹凸面4上に反射膜5aを形成しているが、前
記液晶素子1の後側基板3の内面に、表面が凹凸面に形
成された下地膜を設け、この下地膜の上にその凹凸面に
沿わせて前記反射膜5aを設けることにより、前記反射
膜5aに反射光を拡散させる機能をもたせてもよい。
【0161】さらに、前記反射膜5aは、拡散性をもた
ない鏡面反射膜としてもよく、その場合は、前記液晶素
子1の前側に拡散手段を設ければよい。
【0162】また、上記第1〜第4の実施例の液晶表示
装置は、外光を利用する反射表示を行なう反射型液晶表
示装置であるが、この発明は、外光を利用する反射表示
と、バックライトからの照明光を利用する透過表示との
両方の表示を行なう反射/透過型の液晶表示装置にも適
用することができる。
【0163】図15はこの発明の第5の実施例を示す液
晶表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶
表示装置は、反射/透過型のものである。
【0164】この液晶表示装置は、表示の観察側である
前側の透明基板2とこの前側基板2に対向する透明な後
側基板3の内面上にそれぞれ透明な電極6,7が設けら
れ、これらの基板2,3間に液晶分子が所定のツイスト
角でツイスト配向した液晶層14が設けられるととも
に、前記後側基板3の内面に、半透過反射膜5bが設け
られた液晶素子1と、前記液晶素子1を挟んでその前後
に配置された一対の偏光板16,17と、前記液晶素子
1の前側に配置された偏光板(以下、前側偏光板と言
う)16と前記液晶素子1との間に配置された1枚の捩
れ位相板40と、前記液晶素子1の後側に配置された偏
光板(以下、後側偏光板と言う)17と前記液晶素子1
との間に配置された1枚の一軸位相板41と、前記捩れ
位相板40と液晶素子1との間に設けられた拡散層15
と、前記後側偏光板17の背後に配置されたバックライ
ト50とを備えている。
【0165】なお、前記液晶素子1は、後側基板3の内
面を平坦面としたものであり、前記後側基板3の内面に
設けられた反射膜5bが半透過反射膜であるとともに、
液晶層14の液晶分子の配向状態が上述した実施例の液
晶素子1と異なるが、他の構成は同じであるから、重複
する説明は図に同符号を付して省略する。
【0166】前記液晶素子1の後側基板3の内面に設け
られた半透過反射膜5bは、前記後側基板3の内面にア
ルミニウム等の高い光反射率を有する金属を0.01μ
m〜0.05μmの膜厚に蒸着またはスパッタして形成
された極薄金属膜からなっており、その反射率は約70
%、透過率は約10%である。
【0167】前記液晶素子1はSTN型のものであり、
その液晶層14の液晶分子は、前記配向膜12,13に
よりそれぞれの基板2,3の近傍における配向方向を規
制され、両基板2,3間において180〜270°の範
囲の所定のツイスト角でツイスト配向している。
【0168】この実施例では、前記液晶層14の液晶分
子のツイスト角を250°±10°とするとともに、液
晶素子1のΔndを865nm±100nmに設定して
いる。
【0169】また、前記前側偏光板16と液晶素子1と
の間に配置された捩れ位相板40は、液晶性高分子が一
方の面から他方の面に向かって捩れ配列した高分子液晶
フィルムからなっており、この実施例では、分子配列の
捩れ角が175°±10°、リタデーションReが75
0nm±20nmのものを用いている。
【0170】一方、前記後側偏光板17と液晶素子1と
の間に配置された一軸位相板41は、透過光の常光と異
常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相板
である(以下、この位相板41をλ/4位相板と言
う)。
【0171】また、前記捩れ位相板40と液晶素子1と
の間に設けられた拡散層15は、拡散フィラー分散フィ
ルムまたは粗面化処理フィルム等からなる拡散板、ある
いは散乱フィラーを分散させた粘着剤層であり、そのヘ
イズ値は60〜90%である。
【0172】図16は、前記液晶素子1に対する前後の
偏光板16,17と前記捩れ位相板40と前記λ/4位
相板41の配置状態を示している。
【0173】図16のように、前記液晶素子1の前側基
板2の近傍における液晶分子配向方向(配向膜12の配
向処理方向)2aは、画面の横軸xに対し、前側から見
て右回りに35°±5°の方向、後側基板3の近傍にお
ける液晶分子配向方向(配向膜12の配向処理方向)3
aは、前記横軸xに対し、前側から見て左回りに35°
±5°の方向にあり、前記液晶層14の液晶分子は、そ
のツイスト方向を図に破線矢印で示したように、後側基
板3から前側基板2に向かい、前側から見て右回りに2
50°±10°のツイスト角でツイスト配向している。
【0174】また、前記捩れ位相板40は、その分子配
列の捩れ方向を図16に破線矢印で示したように、前記
液晶素子1の液晶分子のツイスト方向とは逆方向に17
5°±10°の捩れ角で捩れ配列しており、この捩れ位
相板40は、その後面における分子配列方向40bを、
前記横軸xに対し、前側から見て左回りに55°±5°
の方向に向け、前面における分子配列方向40aを、前
記横軸xに対し、前側から見て左回りに50°±5°の
方向に向けて配置されており、前記前側偏光板16は、
その透過軸16aを、前記横軸xに対し、前側から見て
右回りに55°±10°の方向に向けて配置されてい
る。
【0175】すなわち、前記捩れ位相板40は、その後
面における分子配列方向40bを、前記液晶素子1の前
側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対し、
前記液晶素子1の液晶分子のツイスト方向と逆方向に9
0°±10°の方向に向けて配置され、前記前側偏光板
16は、その透過軸16aを、前記捩れ位相板40の前
面における分子配列方向40aに対し、前記液晶素子1
の液晶分子のツイスト方向と逆方向に75°±10°の
方向に向けて配置されている。
【0176】なお、例えば前記液晶素子1の液晶分子の
ツイスト角が250°±10°、Δndが865nmで
あり、前記捩れ位相板40の分子配列の捩れ角が170
°、リタデーションRe750nmである場合、前記捩
れ位相板40の後面における分子配列方向40bと前記
液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分子配向方
向2aとの交差角は、好ましくは90°±5°、より好
ましくは90°であり、また、前記前側偏光板16の透
過軸16aと前記捩れ位相板40の前面における分子配
列方向40aとの交差角は、好ましくは75°±5°、
より好ましくは75°である。
【0177】また、前記λ/4位相板41は、その遅相
軸41aを、前記横軸xに対し、前側から見て左回りに
45°±10°の方向に向けて配置されており、前記後
側偏光板17は、その透過軸17aを、前記横軸xに対
して0°±10°の方向に向けて配置されている。
【0178】すなわち、前記λ/4位相板41は、その
遅相軸41aを、前記液晶素子1の後側基板3の近傍に
おける液晶分子配向方向3aに対し、前記液晶素子1の
液晶分子のツイスト方向と逆方向に10°±10°の方
向に向けて配置され、前記後側偏光板17は、その透過
軸17aを、前記λ/4位相板41の遅相軸41aに対
し、前記液晶素子1の液晶分子のツイスト方向と同方向
に45°±10°の方向に向けて配置されている。な
お、前記λ/4位相板41の遅相軸41aと、前記後側
偏光板17の透過軸17aとの交差角は、好ましくは4
5°±5°、より好ましくは45°である。
【0179】そして、前記液晶素子1のΔndと、前記
捩れ位相板40のリタデーションReは、前記液晶素子
1の液晶層14の液晶分子が初期のツイスト配向状態に
あるときに、前記捩れ位相板40と前記液晶層14の両
方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1
/4波長の正の整数倍の位相差を与える値に設定されて
いる。
【0180】なお、この実施例の液晶表示装置は、前記
液晶素子1の電極6,7間に電界が印加されない無電界
時、つまり液晶層14の液晶分子が初期配向状態にある
ときの表示が暗表示であるノーマリーブラックモードの
ものであり、前記液晶素子1のΔndと前記捩れ位相板
40のリタデーションReは、前記液晶分子が基板2,
3面に対して倒伏した初期のツイスト配向状態にあると
きに、前記捩れ位相板40と前記液晶層14の両方を一
方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波
長の奇数倍(本例では1倍)の位相差を与え、前記液晶
分子が前記基板2,3面に対して略垂直に立ち上がり配
向したときに、前記捩れ位相板40と前記液晶層14の
両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に
1/4波長の偶数倍(本例では2倍)の位相差を与える
値に設定されている。
【0181】この実施例では、前記液晶素子1のΔnd
を、上述したように、865nm±100nmに設定す
るとともに、前記捩れ位相板40として、リタデーショ
ンReが750nm±20nmのものを用いている。
【0182】次に、前記バックライト50について説明
すると、このバックライト50は、その構造は図示しな
いが、例えば、入射端面と、前記入射端面からの入射光
を出射を出射させる出射面とを有し、前記入出射面を前
記後側偏光板17の後面に対向させて配置されたアクリ
ル樹脂等からなる透明導光板と、前記導光板の入射端面
に対向させて設けられたLED(発光ダイオード)アレ
イ等の光源とからなっており、前記光源からの照明光を
前記導光板により導いてその前面の出射面から出射す
る。
【0183】この液晶表示装置は、充分な明るさの外光
が得られる環境下では、液晶表示装置の使用環境の光で
ある外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの
外光が得られない環境下で使用されるときに、前記バッ
クライト50から照明光を出射させて、その照明光を利
用する透過表示を行なうものであり、反射表示も、透過
表示も、ノーマリーブラックモードの表示である。
【0184】まず、反射表示のときについて説明する
と、このときは、表示の観察側である前側から入射した
光(外光)が図15に実線で示した透過経路で前側に出
射し、透過表示のときは、バックライト50からの照明
光が図15に破線で示した透過経路で前側に出射する。
【0185】すなわち、外光を利用する反射表示のとき
は、表示の観察側である前側から入射した外光が、前側
偏光板16によりその吸収軸(図示せず)に沿った偏光
成分の光を吸収され、透過軸16aに沿った偏光成分の
光が、この前側偏光板16を透過し、前記透過軸16a
に沿った直線偏光となって入射する。
【0186】前記前側偏光板16を透過して入射した光
(前側偏光板16の透過軸16aに沿った直線偏光)
は、捩れ位相板40を透過し、拡散層15により拡散さ
れて液晶素子1に入射し、この液晶素子1の液晶層14
を透過して、前記液晶素子1の後側基板3の内面に設け
られた半透過反射膜5bに入射する。
【0187】前記半透過反射膜5bに入射した光は、こ
の半透過反射膜5bにより約70%の反射率で反射さ
れ、前記液晶層14を再び透過して液晶素子1の前側に
出射し、拡散層15により拡散されるとともに、さらに
前記捩れ位相板40を再び透過して前記前側偏光板16
に入射する。
【0188】このとき、前記捩れ位相板40と液晶素子
1の液晶層14を透過する光は、前記捩れ位相板40と
液晶層14の両方の複屈折作用により偏光状態を変え、
液晶素子1の電極6,7間に電界が印加されない無電界
時、つまり液晶層14の液晶分子が基板2,3面に対し
て倒伏した初期のツイスト配向状態にあるときは、前側
偏光板16を透過して入射した直線偏光が、前記捩れ位
相板40と液晶層14の両方を前側から後側に向かって
透過する間に、前記捩れ位相板40と液晶層14の複屈
折作用により1/4波長の位相差を与えられて円偏光と
なる。
【0189】その円偏光は、前記半透過反射膜5bによ
り反射されて偏光方向が逆向きの円偏光となり、その光
が、前記液晶層14と捩れ位相板40の両方を後側から
前側に向かって再び透過する間に、前記液晶層14と捩
れ位相板40の複屈折作用により1/4波長の位相差を
与えられ、前側偏光板16の透過軸16aに対して略直
交する方向に沿った直線偏光となって前記前側偏光板1
6に入射する。
【0190】そのため、この無電界時は、前側偏光板1
6を透過して入射し、半透過反射膜5bにより反射され
た光のほとんどが前記前側偏光板16により吸収され、
その画素領域の表示が最も暗い暗表示になる。
【0191】一方、前記液晶素子1の電極6,7間に電
界が印加されると、その電界により液晶分子が基板面に
対して立ち上がるように配向状態を変え、この液晶分子
の配向状態の変化に応じて液晶層14の複屈折性が変化
するため、前側偏光板16を透過して入射し、前記捩れ
位相板40と液晶層14とを透過して半透過反射膜5b
により反射され、再び前記液晶層14と捩れ位相板40
とを透過した光が、前記無電界時とは異なる偏光状態の
光となって前側偏光板16に入射する。
【0192】そのため、電界印加時は、前側偏光板16
を透過して入射し、半透過反射膜5bにより反射された
光(無電界時とは異なる偏光状態の光)のうち、前記前
側偏光板16の吸収軸に沿った偏光成分の光がこの前側
偏光板16により吸収され、透過軸16aに沿った偏光
成分の光がこの前側偏光板16を透過して前側に出射し
て、その画素領域の表示が明るくなる。
【0193】この表示の明るさは、前記液晶分子の立上
り配向状態に応じて変化し、液晶分子が基板2,3面に
対して略垂直に立上り配向したときに、最も明るい明表
示になる。
【0194】すなわち、液晶分子が基板2,3面に対し
て略垂直に立上り配向すると、前記液晶層14の複屈折
性がほとんど0になるため、前記捩れ位相板40と液晶
層14の両方を透過する光の常光と異常光との間に与え
られる位相差は、前記捩れ位相板40による1/2波長
の位相差(1/4波長の2倍の位相差)である。
【0195】そのため、前記液晶分子が基板2,3面に
対して略垂直に立上り配向したときは、前記前側偏光板
16を透過して入射した直線偏光が、前記捩れ位相板4
0と液晶層14の両方を前側から後側に向かって透過す
る間に、常光と異常光との間に1/2波長の位相差を与
えられ、前記偏光板16を透過して入射した直線偏光に
対して90°回転した直線偏光となって前記半透過反射
膜5bにより反射される。
【0196】そして、前記半透過反射膜5bにより反射
された直線偏光は、前記液晶層14と捩れ位相板40の
両方を後側から前側に向かって再び透過する間に、常光
と異常光との間に1/2波長の位相差を与えられ、前記
半透過反射膜5bにより反射された直線偏光に対して9
0°回転した直線偏光、つまり前記前側偏光板16の透
過軸11aに沿った直線偏光となって前記前側偏光板1
6に入射する。
【0197】したがって、液晶分子が基板2,3面に対
して略垂直に立上り配向したときは、前側から前記前側
偏光板16を透過して入射し、前記半透過反射膜5bに
より反射された光のほとんどが、前記前側偏光板16を
透過して前側に出射し、その画素領域の表示が最も明る
い明表示になる。
【0198】このように、反射表示のときは、表示の観
察側である前側から入射した外光が、前側偏光板16
と、捩れ位相板40と、拡散層15と、液晶素子1の液
晶層14とを透過して半透過反射膜5bにより反射さ
れ、その反射光が、前記液晶層14と拡散層15と捩れ
位相板40とを再び透過して前記前側偏光板16に入射
し、その光のうち、前記前側偏光板16を透過する偏光
成分の光が、この前側偏光板16を透過して前側に出射
する。
【0199】そのため、この液晶表示装置の反射表示の
ときの偏光板による光の吸収は、前記前側偏光板16に
よる入射時と出射時の2回の吸収であり、したがって、
偏光板による光の吸収を必要最小限にし、明るい表示を
得ることができる。
【0200】しかも、この液晶表示装置は、前記半透過
反射膜5bを前記液晶素子1の後側基板3の内面に設け
ているため、前記液晶素子1の前側に配置された前記偏
光板16から前記半透過反射膜5bまでの距離が小さ
く、したがって、前側から入射した光の光路と、前記半
透過反射膜5bにより反射されて前側に出射する反射光
の光路とのずれを小さくし、前記液晶素子1の複数の画
素領域のうちの1つの画素領域を通って入射した光の反
射光が他の画素領域を通って出射することによるコント
ラストの低下等の表示品質の低下を防ぐことができる。
【0201】また、照明光を利用する透過表示のとき
は、バックライト50から出射した照明光が、後側偏光
板17によりその吸収軸(図示せず)に沿った偏光成分
の光を吸収され、前記吸収軸に対して直交する透過軸1
7aに沿った偏光成分の光が、この後側偏光板17を透
過し、前記透過軸17aに沿った直線偏光となって入射
する。
【0202】前記後側偏光板17を透過して入射した光
(後側偏光板17の透過軸に沿った直線偏光)は、λ/
4位相板41に入射してこのλ/4位相板41により常
光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えられ、円
偏光となって液晶素子1に入射する。
【0203】前記液晶素子1に入射した光は、この液晶
素子1の後側基板3の内面に設けられた前記半透過反射
膜5bを約10%の透過率で透過し、その光が、液晶層
14を透過して液晶素子1の前側に出射し、拡散層15
により拡散されるとともに、さらに捩れ位相板40を透
過して前側偏光板16に入射する。
【0204】このときも、前記半透過反射膜5bを透過
した入射光が円偏光であるため、液晶素子1の電極6,
7間に電界が印加されない無電界時は、前記入射光(円
偏光)が、液晶層14と捩れ位相板40の両方を後側か
ら前側に向かって透過する間に、常光と異常光との間に
1/4波長の位相差を与えられ、前側偏光板16の透過
軸に対して略直交する直線偏光となって前記前側偏光板
16に入射し、その光のほとんどが前記前側偏光板16
により吸収されて、その画素領域の表示が最も暗い暗表
示になる。
【0205】一方、前記液晶素子1の電極6,7間に電
界が印加されると、その電界による液晶分子の配向状態
の変化に応じて液晶層14の複屈折性が変化するため、
前記半透過反射膜5bを透過した入射光(円偏光)が、
液晶層14と捩れ位相板40の両方を後側から前側に向
かって透過する間に、前記無電界時とは異なる偏光状態
の光となって前側偏光板16に入射し、その光のうち、
前記前側偏光板16の吸収軸に沿った偏光成分の光がこ
の前側偏光板16により吸収され、透過軸16aに沿っ
た偏光成分の光がこの前側偏光板16を透過して前側に
出射して、その画素領域の表示が明るくなる。この表示
の明るさは、前記液晶素子1の電極6,7間に印加され
る電界の強さに応じて変化する。
【0206】この表示の明るさは、前記液晶分子の立上
り配向状態に応じて変化し、液晶分子が基板2,3面に
対して略垂直に立上り配向したときに、最も明るい明表
示になる。
【0207】すなわち、液晶分子が基板2,3面に対し
て略垂直に立上り配向すると、前記液晶層14の複屈折
性がほとんど0になるため、前記捩れ位相板40と液晶
層14の両方を透過する光の常光と異常光との間に与え
られる位相差は、前記捩れ位相板40による1/2波長
の位相差(1/4波長の2倍の位相差)となる。
【0208】そのため、前記液晶分子が基板2,3面に
対して略垂直に立上り配向したときは、後側から前記半
透過反射膜5bとを透過して入射した光(円偏光)が、
液晶層14と捩れ位相板40とを透過する間に、常光と
異常光との間に1/2波長の位相差を与えられ、前側偏
光板16の透過軸に沿った直線偏光となって前記前側偏
光板16に入射する。
【0209】したがって、液晶分子が基板2,3面に対
して略垂直に立上り配向したときは、後側から入射した
光のほとんどが、前記前側偏光板16を透過して前側に
出射し、その画素領域の表示が最も明るい明表示にな
る。
【0210】このように、透過表示のときは、バックラ
イト50から出射した照明光が、後側偏光板17と、λ
/4位相板41と、半透過反射板7と、液晶素子1の液
晶層14と、拡散層15と、捩れ位相板40とを透過し
て前側偏光板16に入射し、その光のうち、前記前側偏
光板16を透過する偏光成分の光が、この前側偏光板1
6を透過して前側に出射する。
【0211】そのため、この液晶表示装置の透過表示の
ときの偏光板による光の吸収は、入射時の後側偏光板1
7による吸収と、出射時の前側偏光板16による吸収と
の2回の吸収であり、したがって、偏光板による光の吸
収は、必要最小限の吸収である。
【0212】このように、この液晶表示装置によれば、
外光を利用する反射表示のときも、照明光を利用する透
過表示のときも、偏光板による光の吸収が必要最小限の
吸収であるため、明るく、コントラストも充分な表示を
得ることができる。
【0213】しかも、この液晶表示装置は、反射表示の
ときの半透過反射膜5bにより反射された反射光と、透
過表示のときの前記半透過反射膜5bを透過した入射光
とがいずれも円偏光であり、その光が液晶層14と捩れ
位相板40の両方の複屈折作用により偏光状態を変えて
前側偏光板16に入射するため、反射表示のときと透過
表示のときとで明暗が反転することのない、均質な表示
を得ることができる。
【0214】また、この液晶表示装置は、前側偏光板1
6と液晶素子1との間、および後側偏光板17と前記液
晶素子1との間にそれぞれ位相板40,41を配置して
いるため、表示の視野角を広くすることができる。
【0215】さらに、この液晶表示装置は、前記液晶素
子1の前側に拡散層15を設けているため、反射表示の
ときも、透過表示のときも、前記拡散層15により拡散
された均一な輝度分布の光を前側に出射し、輝度むらの
ない良好な表示を得ることができる。
【0216】なお、上記実施例では、捩れ位相板40と
液晶素子1との間に拡散層15を設けているが、この拡
散層15は、前側偏光板16と前記捩れ位相板40との
間に設けてもよい。
【0217】図17および図18はこの発明の第6の実
施例を示しており、図17は、液晶表示装置の一部分の
断面図、図18は液晶素子1の後側基板3の内面に設け
られた半透過反射膜の拡大断面図である。
【0218】この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1
の後側基板3の内面に設けられた半透過反射膜5cに、
反射光および透過光を拡散させる機能をもたせ、上記第
5の実施例で備えた拡散層15を省略したものであり、
他の構成は第5の実施例の液晶表示装置と同じである。
【0219】すなわち、この実施例では、液晶素子1の
後側基板3の内面に、微小な凹凸を有する透明な下地膜
10を設け、この下地膜10の上にその凹凸面に沿わせ
て半透過反射膜5cを形成することにより、この半透過
反射膜5cに、反射光および透過光を拡散させる機能を
もたせている。
【0220】なお、前記下地膜10は、基板3上に透明
樹脂膜を設け、その表面全体を粗面化処理することによ
り形成されたものであり、その凹凸面の凹凸のピッチは
20μm〜50μm、凹部の深さは1μm〜5μmであ
る。
【0221】そして、前記半透過反射膜5cは、前記下
地膜10の上に、アルミニウム等の高い光反射率を有す
る金属を0.01μm〜0.05μmの膜厚に蒸着また
はスパッタすることにより、前記下地膜10の凹凸面に
沿った形状に形成されている。そのため、この半透過反
射膜5cは、反射光および透過光を拡散させる機能を有
している。
【0222】また、この実施例では、前記半透過反射膜
5cの上に、透明な平坦化絶縁膜11を形成し、この平
坦化絶縁膜11の上にカラーフィルタ8R,8G,8B
を設け、その上に電極7を形成している。
【0223】この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1
の後側基板3の内面に設けられた半透過反射膜5cに、
反射光および透過光を拡散させる機能をもたせたもので
あるため、反射表示のときも、透過表示のときも、前記
半透過反射膜5cにより拡散された均一な輝度分布の光
を前側に出射し、輝度むらのない良好な表示を得ること
ができる。
【0224】図19はこの発明の第7の実施例を示す液
晶表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶
表示装置は、液晶素子1の後側基板3の内面に、微小な
凹凸を有する透明な下地膜10を設け、この下地膜10
の上にその凹凸面に沿わせて半透過反射膜5cを形成す
ることにより、この半透過反射膜5cに、反射光および
透過光を拡散させる機能をもたせるとともに、前記液晶
素子1の前側(この実施例では捩れ位相板40と液晶素
子1との間)拡散層15を設けたものである。
【0225】この実施例の液晶表示装置によれば、反射
表示のときも、透過表示のときも、前記半透過反射膜5
bにより拡散され、さらに前記拡散層15により拡散さ
れた、より均一な輝度分布の光を前側に出射し、さらに
輝度むらのない良好な表示を得ることができる。
【0226】また、上記第5〜第7の実施例の反射/透
過型液晶表示装置は、液晶素子1として、液晶分子ツイ
スト角が250°±10°、Δndが865nm±10
0nmのSTN型液晶素子を用い、前側偏光板16と前
記液晶素子1との間に、分子配列の捩れ方向が前記液晶
素子1の液晶分子ツイスト方向と逆方向でその捩れ角が
175°±10°、リタデーションReが750nm±
20nmの捩れ位相板40を配置しているが、前記液晶
表示素子1と、前側偏光板16と前記液晶素子1との間
に配置する位相板は、上記実施例の組み合わせに限ら
ず、上述した第1〜第4の実施例の反射型液晶表示装置
と同様な組み合わせとしてもよい。
【0227】その場合も、液晶表示装置をノーマリーブ
ラックモードとするときは、前記液晶素子1のΔndと
前記位相板のリタデーションReを、前記液晶素子1の
液晶層14の液晶分子が基板2,3面に対して倒伏した
初期配向状態(ホモジニアス配向またはツイスト配向)
にあるときに、前記位相板と前記液晶層14の両方を一
方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波
長の奇数倍の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板
2,3面に対して略垂直に立ち上がり配向したときに、
前記位相板と前記液晶層14の両方を一方の方向に透過
する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍の位
相差を与える値に設定すればよく、また、ノーマリーホ
ワイトモードとするときは、前記液晶素子1のΔndと
前記位相板のリタデーションReを、前記液晶分子が基
板2,3面に対して倒伏した初期配向状態にあるとき
に、前記位相板と前記液晶層14の両方を一方の方向に
透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍
の位相差を与え、前記液晶分子が前記基板2,3面に対
して略垂直に立ち上がり配向したときに、前記位相板と
前記液晶層14の両方を一方の方向に透過する光の常光
と異常光との間に1/4波長の奇数倍の位相差を与える
値に設定すればよい。
【0228】さらに、上記各実施例の液晶表示装置は、
液晶素子1の液晶層14の初期配向状態を、基板2,3
面に対して倒伏したホモジニアス配向またはツイスト配
向としたものであるが、液晶素子は、負の誘電異方性を
有するネマティック液晶からなる液晶層を有し、その液
晶分子の初期配向状態をホメオトロピック配向としたも
のでもよく、その場合も、前記液晶素子のΔndと、前
記液晶素子の前側に配置された偏光板と前記液晶素子の
間に配置する位相板のリタデーションを、前記液晶素子
の液晶層の液晶分子が初期配向状態(ホメオトロピック
配向)にあるときに、前記位相板と前記液晶層の両方を
一方の方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4
波長の正の整数倍の位相差を与える値に設定することに
より、前記液晶素子の液晶層の液晶分子が初期配向状態
にあるときの表示を最も暗い暗表示または最も明るい明
表示とし、よりコントラストを高くすることができる。
【0229】また、上記各実施例の液晶表示装置は、単
純マトリックス型の液晶素子1を備えたものであるが、
液晶素子は、アクティブマトリックス型のものでもよ
い。
【0230】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、後側基板の
内面に反射膜が設けられた液晶素子と、前記液晶素子の
前側に配置された偏光板と、前記偏光板と前記液晶素子
との間に配置された位相板とを備え、且つ、前記液晶素
子の液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δnd
と前記位相板のリタデーションを、前記液晶素子の液晶
層の液晶分子が初期配向状態にあるときに、前記位相板
と前記液晶層の両方を一方の方向に透過する光の常光と
異常光との間に1/4波長の正の整数倍の位相差を与え
る値に設定したものであるため、偏光板による光の吸収
を必要最小限にするとともに、前側から入射した光の光
路と、前記反射膜により反射されて前側に出射する反射
光の光路とのずれを小さくし、明るく、しかもコントラ
ストの高い反射表示を行なうことができる。
【0231】この発明の液晶表示装置において、前記液
晶素子の液晶層の液晶分子の初期配向状態が、基板面に
対して倒伏した配向状態であるときは、前記液晶素子の
Δndと位相板のリタデーションを、前記液晶分子が前
記初期配向状態にあるときに、前記位相板と前記液晶層
の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間
に1/4波長の奇数倍の位相差を与え、前記液晶分子が
前記基板面に対して略垂直に立ち上がり配向したとき
に、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向に透過
する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍の位
相差を与える値に設定するのが望ましく、このようにす
ることにより、前記液晶分子が初期配向状態にあるとき
の表示が最も暗く、前記液晶分子が基板面に対して略垂
直に立ち上がり配向したときの表示が最も明るい、高コ
ントラストの表示を得ることができる。
【0232】また、前記液晶素子の液晶層の液晶分子の
初期配向状態が、基板面に対して倒伏した配向状態であ
るときは、前記液晶素子のΔndと位相板のリタデーシ
ョンを、前記液晶分子が前記初期配向状態にあるとき
に、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向に透過
する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数倍の位
相差を与え、前記液晶分子が前記基板面に対して略垂直
に立ち上がり配向したときに、前記位相板と前記液晶層
の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常光との間
に1/4波長の奇数倍の位相差を与える値に設定するの
が望ましく、このようにすることにより、前記液晶分子
が初期配向状態にあるときの表示が最も明るく、前記液
晶分子が基板面に対して略垂直に立ち上がり配向したと
きの表示が最も暗い、高コントラストの表示を得ること
ができる。
【0233】さらに、この発明の液晶表示装置において
は、前記液晶素子の後側基板の内面を凹凸面に形成し、
その上に前記凹凸面に沿わせて前記反射膜を形成する
か、あるいは、液晶素子の後側基板の内面に、表面が凹
凸面に形成された下地膜を設け、その上に前記凹凸面に
沿わせて前記反射膜を形成するのが好ましく、このよう
にすることにより、入射光を前記反射膜により拡散させ
て反射し、均一な輝度分布の光を前側に出射させて、表
示の視野角がより広く、しかも輝度むらのない良好な表
示を得ることができる。
【0234】また、この発明の液晶表示装置は、前記液
晶素子の後側基板の内面に設けられた反射膜を半透過反
射膜とし、前記液晶素子の後側に、後側偏光板と、前記
後側偏光板と前記液晶素子との間に配置された位相板
と、前記後側基板の後側に配置されたバックライトとを
設けた構成としてもよく、このような構成とすることに
より、外光を利用する反射表示と、前記バックライトか
らの照明光を利用する透過表示との両方の表示を行なう
ことができる。
【0235】もう一つの発明の液晶表示装置は、液晶層
と後側基板との間に半透過反射膜を備えた液晶素子を挟
んでその前後に前側偏光板および後側偏光板を配置する
とともに、前記前側偏光板と前記液晶素子との間に捩れ
位相板を配置し、前記後側偏光板と前記液晶素子との間
に位相板を配置し、前記後側偏光板の背後にバックライ
トを配置したものであるため、反射表示のときも、透過
表示のときも、偏光板による光の吸収を必要最小限に
し、明るい表示を得ることができるとともに、表示の視
野角を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図2】液晶素子の液晶分子の配向状態を示す図。
【図3】第1の実施例における図2の(a)に示したホ
モジニアス配向型液晶素子を用いたときの前記液晶素子
に対する偏光板と位相板の配置状態を示す図。
【図4】第1の実施例の液晶表示装置の表示原理を示す
模式図。
【図5】この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図6】捩れ位相板の分子配列状態を示す図。
【図7】第2の実施例における図2の(b)に示したT
N型液晶素子を用い、2枚の捩れ位相板の両方を図6の
(a)に示した位相板としたときの、偏光板の透過軸の
向きと、液晶素子に対する偏光板と2枚の捩れ位相板の
配置状態を示す図。
【図8】第2の実施例の液晶表示装置の表示原理を示す
模式図。
【図9】液晶素子の液晶分子の他の配向状態を示す図。
【図10】この発明の第3の実施例を示す、液晶素子と
して図9の(a)に示したホモジニアス型液晶素子を用
いたときの前記液晶素子に対する偏光板と位相板の配置
状態を示す図。
【図11】第3の実施例の液晶表示装置の表示原理を示
す模式図。
【図12】この発明の第4の実施例を示す液晶表示装置
の一部分の断面図。
【図13】第4の実施例における液晶素子として図9の
(b)に示したホモジニアス型液晶素子を用い、捩れ位
相板として図6(a)に示した位相板を用いたときの、
偏光板と捩れ位相板の配置状態を示す図。
【図14】第4の実施例の液晶表示装置の表示原理を示
す模式図。
【図15】この発明の第5の実施例を示す液晶表示装置
の一部分の断面図。
【図16】第5の実施例における液晶素子に対する前後
の偏光板と捩れ位相板とλ/4位相板の配置状態を示す
図。
【図17】この発明の第6の実施例を示す液晶表示装置
の一部分の断面図。
【図18】第2の実施例における液晶素子の後側基板の
内面に設けられた半透過反射膜の拡大断面図。
【図19】この発明の第7の実施例を示す液晶表示装置
の一部分の断面図。
【符号の説明】 1…液晶素子 2,3…基板 2a,3a…液晶分子配向方向 4…凹凸面 5a…反射膜 5b,5c…半透過反射膜 10…下地膜 11…平坦化絶縁膜 12,13…配向膜 14…液晶層 15…拡散層 16,17…偏光板 16a…透過軸 20…一軸位相板(λ/2位相板またはλ/4位相板) 20a…遅相軸 30,40…捩れ位相板 30a,40a…捩れ位相板の前面における分子配列方
向 30b,40b…捩れ位相板の前面における分子配列方
向 41…後側位相板 41a…遅相軸 50…バックライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 政之 東京都八王子市石川町2951番地の5 カシ オ計算機株式会社八王子研究所内 (72)発明者 荒井 則博 東京都八王子市石川町2951番地の5 カシ オ計算機株式会社八王子研究所内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BB03 BB63 BC22 2H090 JB02 JC03 JC07 LA08 LA09 LA16 LA20 MA01 MA02 MA04 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FA11X FA15Y FA23Z FA41Z FD10 HA07 KA02 KA10 LA17 LA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示の観察側である前側の基板とこの前側
    基板に対向する後側基板の内面上にそれぞれ電極が設け
    られ、これらの基板間に液晶層が設けられるとともに、
    前記後側基板の内面側に反射膜が設けられた液晶素子
    と、前記液晶素子の前側に配置された偏光板と、前記偏
    光板と前記液晶素子との間に配置された位相板とを備
    え、且つ、前記液晶素子の液晶の屈折率異方性Δnと液
    晶層厚dとの積Δndと、前記位相板のリタデーション
    が、前記液晶素子の液晶層の液晶分子が初期配向状態に
    あるときに、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方
    向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の正
    の整数倍の位相差を与える値に設定されていることを特
    徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】液晶素子の液晶層の液晶分子の初期配向状
    態は、基板面に対して倒伏した配向状態であり、前記液
    晶素子のΔndと位相板のリタデーションが、前記液晶
    分子が前記初期配向状態にあるときに、前記位相板と前
    記液晶層の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常
    光との間に1/4波長の奇数倍の位相差を与え、前記液
    晶分子が前記基板面に対して略垂直に立ち上がり配向し
    たときに、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向
    に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の偶数
    倍の位相差を与える値に設定されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】液晶素子の液晶層の液晶分子の初期配向状
    態は、基板面に対して倒伏した配向状態であり、前記液
    晶素子のΔndと位相板のリタデーションが、前記液晶
    分子が前記初期配向状態にあるときに、前記位相板と前
    記液晶層の両方を一方の方向に透過する光の常光と異常
    光との間に1/4波長の偶数倍の位相差を与え、前記液
    晶分子が前記基板面に対して略垂直に立ち上がり配向し
    たときに、前記位相板と前記液晶層の両方を一方の方向
    に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の奇数
    倍の位相差を与える値に設定されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】液晶素子の後側基板の内面が凹凸面に形成
    され、その上に前記凹凸面に沿わせて反射膜が形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】液晶素子の後側基板の内面に、表面が凹凸
    面に形成された下地膜が設けられ、その上に前記凹凸面
    に沿わせて反射膜が形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】液晶素子の後側基板の内面に設けられた反
    射膜は半透過反射膜であり、前記液晶素子の後側に、後
    側偏光板と、前記後側偏光板と前記液晶素子との間に配
    置された後側位相板と、前記後側偏光板の後側に配置さ
    れたバックライトとが設けられていることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】表示の観察側である前側の基板とこの前側
    基板に対向する後側基板の内面にそれぞれ電極が設けら
    れ、これらの基板間に液晶分子が所定のツイスト角でツ
    イスト配向した液晶層が設けられるとともに、前記液晶
    層と前記後側基板との間に半透過反射膜が設けられた液
    晶素子と、前記液晶素子を挟んでその前後に配置された
    前側偏光板および後側偏光板と、前記前側偏光板と前記
    液晶素子との間に配置された捩れ位相板と、前記後側偏
    光板と前記液晶素子との間に配置された位相板と、前記
    後側偏光板の背後に配置されたバックライトとを備えた
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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