JP2002174780A

JP2002174780A - 反射型カラー表示器

Info

Publication number: JP2002174780A
Application number: JP2000374495A
Authority: JP
Inventors: Toru Hashimoto; 徹橋本
Original assignee: Stanley Electric Co Ltd
Current assignee: Stanley Electric Co Ltd
Priority date: 2000-12-08
Filing date: 2000-12-08
Publication date: 2002-06-21

Abstract

(57)【要約】【課題】従来の反射型カラー表示器は、カラー液晶表
示器の背面に鏡を設けたものであり、偏光板、カラーフ
ィルターを往復透過させることで反射率が１０％以下の
暗い表示となり表示品質に劣る問題点を生じていた。【解決手段】本発明により、外光を照明光としてカラ
ー表示を行わせるための反射型カラー表示器１であっ
て、色彩の発色が透明な薄膜９の二面間の反射光の干渉
現象により生成され、薄膜９は空気層であり、二面はガ
ラス板２との境界面と、この境界面と対峙する鏡面４と
で構成され、発色は形状可変素子を駆動し空気層の膜厚
を可変することで行われる反射型カラー表示器としたこ
とで、従来のカラー液晶表示器の背面に鏡を配置した反
射型カラー表示器では必要とされた２枚の偏光板とカラ
ーフィルターとを不要とし課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば携帯電話な
ど、電池で駆動される機器に各種の情報を表示させるた
めに用いられる表示器に関するものであり、詳細には、
上記の情報を表示するときにカラー表示を行う表示器で
あり、且つ、外光での読取りを可能とし背面照明を不要
とした反射型表示器の構成に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の反射型カラー表示器９０の構成の
例を示すものが図５であり、二枚のガラス基板９１ａの
間に液晶９１ｂを挟持し、更にカラーフィルタ９１ｃ、
二枚の偏光板９１ｄなどで構成されるカラー液晶表示器
９１の背面に鏡面９２を設置した構成としたものが採用
されている。このようにすることで、外光はカラー液晶
表示器９１を透過して鏡面９２で反射するものと成り、
その反射光をもって照明光とするものである。尚、図中
に符号９１ｅで示すものは透明電極、符号９１ｆで示す
ものは配向膜である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の構成の反射型カラー表示器９０においては、本
来、理論値で５０％、実際には４０％程度の透過率を有
するカラー液晶表示器９１に外光を往復させて照明用と
するものであるので、反射光としては入射した外光の約
１５％に減衰するものとなり、更にはカラーフィルタ９
１ｃでも減衰が行われるので、最終的に回帰してくる反
射光は１０％以下（例えば７％）となり、室内など外光
が不充分な場所では表示が暗く、読み難いなどの問題点
を生じるものとなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来
の課題を解決するための具体的手段として、外光を照明
光としてカラー表示を行わせるための反射型カラー表示
器であって、色彩の発色が透明な薄膜の二面間の反射光
の干渉現象により生成され、前記色彩の変更が前記薄膜
の膜厚の変更、又は、前記薄膜の屈折率の変更により行
われることを特徴とする反射型カラー表示器を提供する
ことで課題を解決するものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形
態に基づいて詳細に説明する。図１に示すものは本発明
に係る反射型カラー表示器１の第一実施形態であり、こ
の第一実施形態では反射型カラー表示器１はガラス板２
と、例えば圧電素子など電歪素子である可変形状素子３
と、鏡面４とから構成されている。

【０００６】前記可変形状素子３は、前記ガラス板２と
同様な構成のガラス基板５上に例えば縦横のマトリクス
状に複数が配置され、それぞれの可変形状素子３の先端
には鏡面４が設けられている。そして、前記可変形状素
子３の駆動が行われない状態においては、前記ガラス板
２と鏡面４との間には所定の間隔ｄが保たれるものとさ
れている。

【０００７】また、この第一実施形態においては、ガラ
ス板２と鏡面４とのお互いが対峙する側の面にはＩＴＯ
膜６（屈折率約２．０）が成膜され、更に、前記ガラス
基板５の背面には例えば黒色とした吸収膜７が形成さ
れ、ガラス板２の観視側の面には拡散膜８が形成されて
いる。

【０００８】このようにしたことで、前記ガラス板２と
鏡面４との間には空気層が存在するものとなり、この第
一実施形態では前記空気層をもって薄膜９としている。
従って、薄膜９の屈折率ｎは１となり、その薄膜９をよ
り大きい屈折率（約２）を有するＩＴＯ膜６で挟むもの
となる。

【０００９】この状態で、前記可変形状素子３に電圧を
印加すると、この可変形状素子３は伸縮し、前記ガラス
板２との間隔を変化させる。よって、前記薄膜９の膜厚
が変化するものとなり、ガラス板２の鏡面４と対峙する
側の面で生じた反射光と、鏡面４で生じた反射光とが干
渉し、このときの薄膜９の屈折率（この第一実施形態で
は屈折率ｎ＝１）と間隔ｄとの係数によりガラス板２の
観視側の面から放射される反射光に着色を生じるものと
なる。

【００１０】そして、前記可変形状素子３の１個を１画
素とし、それぞれの可変形状素子３に適切な電圧を印加
させれば、所望のカラー画像が表示されるものと成る。
ここで、前記ＩＴＯ膜６は薄膜９（空気層）に対する屈
折率の差を大きくし、境界面における反射率を向上させ
る目的で設けられるもので、本発明の反射型カラー表示
器１の一層の性能向上を目的とするものである。

【００１１】また、前記反射光の干渉による着色は、前
記ガラス板２および前記鏡面４に対して鉛直方向に入射
し、鉛直方向に反射する光に対して最も高い効率で生じ
るものである。この状況を鑑みて設けられたものが前記
拡散膜８であり、上記の方向として射出される反射光を
拡散することで、反射型カラー表示器１としてカラー画
像が見える観視角を拡げるものである。また、吸収膜７
は反射光がないときの表示面を暗黒に近づけ画像のコン
トラストを向上させる。

【００１２】図２および図３は、上記の構成とした本発
明の反射型カラー表示器１の特性の例を示すものであ
り、図２は間隔ｄ、即ち、薄膜９の膜厚と反射率Ｒとの
関係を示すものであり、本発明の反射型カラー表示器１
においては間隔ｄが０nmおよび約８５０nmのときに反射
率Ｒは約３％と最低値が得られ、間隔ｄが約１５０nmの
ときに反射率Ｒは約５１％が得られることが判る。

【００１３】また、図３に示すものは、前記間隔ｄと反
射光の色彩Ｃとの関係を示すものであり、間隔ｄが３０
０nm近傍では反射光の色彩Ｃに青色が得られ、２５０nm
近傍若しくは５００近傍では反射光の色彩Ｃに赤色が得
られ、６２５nm近傍では色彩Ｃに緑色と、いわゆる光の
三原色が得られることが判る。また、図３からはそれら
の中間色も適宜な間隔ｄを設定することで得られるもの
であることが明らかである。

【００１４】加えて、図３からは間隔ｄが１０００nmを
越えると反射光は、ほぼ白色の範囲内で僅かに色彩が変
るものであり、２０００nm以上では反射率においても色
彩Ｃにおいても変化しなくなる。よって、本発明の反射
型カラー表示器１においては黒色から白色までほぼ全て
の色彩を再現するときに、前記間隔ｄを０から最大２０
００nmの範囲で可変すれば良いものであることも理解で
きる。

【００１５】更に、反射率Ｒについては、黒色とする最
低の反射率が約３％であり、白色とするときの反射率が
約３０％であるので、本発明の反射型カラー表示器１で
は、表示のコントラスト比として、おおよそ１０が得ら
れるものと成る。尚、実質的には３０％以上となる色光
も反射する（図２参照）ので、観視者が感じるコントラ
スト比は上記の数値以上である。

【００１６】図４は本発明に係る反射型カラー表示器１
０の第二実施形態であり、前の第一実施形態でも説明し
たように、反射光の干渉による発色は間隔ｄと屈折率ｎ
とに依存する。そして、前の第一実施形態では間隔ｄを
変化させることで所望の発色を反射光に得るものであっ
たが、この第二実施形態においては屈折率を変化させる
ことで発色を得るものとしている。

【００１７】前記反射型カラー表示器１０は、所定の間
隔ｄを有して対峙する２枚のガラス板１１Ａ、１１Ｂが
設けられ、それぞれのガラス板１１Ａ、１１Ｂにはお互
いが対峙する側の面にＩＴＯなどによる透明電極１２
Ａ、１２Ｂと、配向膜１３Ａ、１３Ｂとが設けられてい
る。そして、前記ガラス板１１Ａ、１１Ｂの間には液晶
１４が封止されている。

【００１８】尚、このときに前記透明電極１２Ａ、１２
Ｂはお互いが行、列状に直交するライン状とされ、行と
列とを順次に駆動していくことで、所望のエレメントを
駆動することができるものとされている。よって、赤色
の発色を望むエレメントに対しては反射光に赤色が得ら
れる屈折率ｎを与える電圧を印加し、青色の発色を望む
エレメントに対しては反射光に青色が得られる屈折率ｎ
を与える電圧を印加するなどとして、マトリクス駆動を
行えば、表示画面にはカラー画像が得られるものと成
る。

【００１９】尚、前記ガラス板１１Ｂの背面側には吸収
膜１５を設けて表示画面のコントラストを向上させ、ガ
ラス板１１Ａの観視側の面には拡散膜１６を設けてカラ
ー画像の観視角を拡げ、もって、反射型カラー表示器１
０としての表示品質を向上させることが好ましいもので
あることは、前述の第一実施形態と全くに同様である。

【００２０】

【発明の効果】以上に説明したように本発明により、外
光を照明光としてカラー表示を行わせるための反射型カ
ラー表示器であって、色彩の発色が透明な薄膜の二面間
の反射光の干渉現象により生成され、色彩の変更が薄膜
の膜厚の変更、又は、薄膜の屈折率の変更により行われ
る反射型カラー表示器としたことで、従来のカラー液晶
表示器の背面に鏡を配置した反射型カラー表示器では絶
対に必要とされた２枚の偏光板とカラーフィルターとを
不要とし、透過率を格段に向上させて外光でも明るい表
示が得られるものとして、この種の反射型カラー表示器
の性能の向上に極めて優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る反射型カラー表示器の第一実施
形態を示す断面図である。

【図２】同じ第一実施形態の膜厚と反射率との関係を
示すグラフである。

【図３】同じ第一実施形態の膜厚と色彩との関係を示
すグラフである。

【図４】同じく本発明に係る反射型カラー表示器の第
二実施形態を示す断面図である。

【図５】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１、１０……反射型カラー表示器２、１１Ａ、１１Ｂ……ガラス板３……可変形状素子４……鏡面５……ガラス基板６……ＩＴＯ膜７、１５……吸収膜８、１６……拡散膜９……薄膜１２Ａ、１２Ｂ……透明電極１３Ａ、１３Ｂ……配向膜１４……液晶

フロントページの続きＦターム(参考） 2H041 AA21 AC08 AZ01 2H048 BA03 BB02 BB06 BB42 GA03 GA11 GA21 GA61 2H088 EA49 HA02 HA21 KA02 MA02 MA06 MA07 2H091 FA14Y FA31X GA03 KA04 LA15 LA16 LA17 LA19

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外光を照明光としてカラー表示を行わせ
るための反射型カラー表示器であって、色彩の発色が透
明な薄膜の二面間の反射光の干渉現象により生成され、
前記色彩の変更が前記薄膜の膜厚の変更、又は、前記薄
膜の屈折率の変更により行われることを特徴とする反射
型カラー表示器。
【請求項２】前記薄膜は空気層であり、前記二面はガ
ラス板との境界面と、該境界面と対峙する鏡面とで構成
され、前記発色は、前記ガラス板との間隔を可変として
設けられた形状可変素子上に前記鏡面が設けられ、前記
形状可変素子を駆動し前記空気層の膜厚を可変すること
で行われることを特徴とする請求項１記載の反射型カラ
ー表示器。
【請求項３】前記薄膜はガラス板間に挟持される液晶
層であり、それぞれの前記ガラス板のお互いが対峙する
側の面には透明電極が設けられ、前記発色は、前記透明
電極を駆動することで、前記液晶層の屈折率を変化させ
ることで行われることを特徴とする請求項１記載の反射
型カラー表示器。
【請求項４】前記ガラス板の観視側の面には拡散膜が
設けられていることを特長とする請求項２または請求項
３記載の反射型カラー表示器。