JP2002172728A - 天然樹脂を含む包装材および包装体、およびそれらの製造方法 - Google Patents
天然樹脂を含む包装材および包装体、およびそれらの製造方法Info
- Publication number
- JP2002172728A JP2002172728A JP2000372315A JP2000372315A JP2002172728A JP 2002172728 A JP2002172728 A JP 2002172728A JP 2000372315 A JP2000372315 A JP 2000372315A JP 2000372315 A JP2000372315 A JP 2000372315A JP 2002172728 A JP2002172728 A JP 2002172728A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- shellac
- shellac resin
- packaging material
- natural
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D193/00—Coating compositions based on natural resins; Coating compositions based on derivatives thereof
- C09D193/02—Shellac
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Bag Frames (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
全性、使用済み廃棄後微生物等による生分解性に優れ、
環境公害を引き起こすことのない包装材および包装体、
およびそれらの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】基材の片面もしくは両面に、ラックカイガ
ラ虫が分泌する酸エステル樹脂状物質を精製してなる生
物産生天然樹脂(セラック樹脂)または該樹脂層を少な
くとも含むことを特徴とする天然樹脂を含む包装材であ
る。
Description
が分泌する酸エステル樹脂状物質を精製してなる生物産
生天然樹脂であるセラック樹脂またはその樹脂層を含む
バリア性の包装材および包装体、およびそれらの製造方
法に関する。
ラスチック、あるいは紙とプラスチックの複合材料、ま
たは古くからある金属製の缶、ガラス瓶など多くの材料
は、地球上に長い歳月をかけて蓄積されてきた化石燃料
を原料とした材料であって、またそれらの化石燃料によ
る熱エネルギーなどを消費しながら、大量生産方式の工
業生産によって製造されてきた。
を、自然界へ還元する目的とした数多くの研究がなさ
れ、その代表的なものに生分解性プラスチックがある
が、その用途としては、まだ農業用マルチフィルム、生
ごみ用袋、文具類にとどまっている。家庭ごみとしての
包装容器類などの包装材料が、多様なため分別回収・再
利用が難しく、これらの包装容器類の素材として、生分
解性のある素材あるいは天然に存在する有機物や無機物
からなる材料を使用できれば、特に食品包装、食品容器
の場合には、内容物食品の残りや食品残飯と分別せずに
一緒に生ごみとして処理できるので便利である。
容器の分野では、包装材料の特性や加工性の問題、食品
に対する安全性、使用済み廃棄後、微生物によって分解
される際に生ずる物質などの環境公害の問題があり、ま
た、その安全性の評価方法も確立していないのが現状で
あって、未だ、上記問題を解決した包装材料、およびそ
のような材料を使用した包装容器や包装袋は得られてい
ない。
鑑みてなされたもので、包装材料の加工性、食品に対す
る安全性、使用済み廃棄後微生物等による生分解性に優
れ、環境公害を引き起こすことのない包装材および包装
体、およびそれらの製造方法を提供することを目的とす
る。
に、請求項1に係る発明は、基材の片面もしくは両面
に、セラック樹脂または該樹脂層を少なくとも含むこと
を特徴とする天然樹脂を含む包装材である。
然樹脂を含む包装材において、前記セラック樹脂または
該樹脂層が、発泡していることを特徴とする。
然樹脂を含む包装材において、前記セラック樹脂層が、
基材上に接着よって積層されていることを特徴とする。
然樹脂を含む包装材において、前記セラック樹脂層が、
基材上に塗布によって積層されていることを特徴とす
る。
装材において、前記セラック樹脂が、基材に含浸されて
なることを特徴とする。
然樹脂を含む包装材において、基材が、紙、プラスチッ
クフィルムもしくはシートであることを特徴とする。
然樹脂を含む天然樹脂を含む包装材において、基材が、
金属またはガラス、もしくはそれらの基材の少なくとも
片面に、金属または無機酸化物からなる蒸着層が施され
た金属またはガラスであることを特徴とする。
然樹脂を含む包装材において、基材が、生分解性を有す
ることを特徴とする。
のいずれか1項に記載の天然樹脂を含む包装材を成形し
てなる包装体である。
成型物の片面もしくは両面に、セラック樹脂を塗布また
は含浸してなることを特徴とする天然樹脂を含む包装体
である。
の天然樹脂を含む包装体において、前記成型物が、繊維
状物質からなることを特徴とする。
の天然樹脂を含む包装体において、前記成型物が、金属
またはガラスからなることを特徴とする。
の天然樹脂を含む包装体において、前記セラック樹脂
が、微粉末状のセラック樹脂を塗布してなることを特徴
とする。
の天然樹脂を含む包装体において、塗布してなる前記セ
ラック樹脂層に、金属または無機酸化物からなる蒸着層
が施された蒸着層を設けたことを特徴とする。
アルコール系溶剤またはアルカリ水に溶解して、セラッ
ク樹脂溶液とし、柔軟化剤として、植物ワックス、有機
酸または脂肪酸エステル、植物油変成物、チクル、天然
ゴム、ポリフェノール、サポニン等から選ばれる少なく
とも1種類の柔軟化剤を、前記セラック樹脂溶液に配合
し、その柔軟化剤を配合したセラック樹脂溶液を、基材
の片面もしくは両面に塗布または含浸して、セラック樹
脂または該樹脂層を少なくとも含むことを特徴とする天
然樹脂を含む包装材の製造方法である。
アルコール系溶剤またはアルカリ水に溶解して、セラッ
ク樹脂溶液とし、熱硬化制御剤としてステアリン酸、オ
レイン酸、マレイン酸、クエン酸等の少なくとも1種の
熱硬化制御剤を、前記セラック樹脂溶液に配合し、その
熱硬化制御剤を配合したセラック樹脂溶液を、基材の片
面もしくは両面に塗布または含浸して、セラック樹脂ま
たは該樹脂層を少なくとも含むことを特徴とする天然樹
脂を含む包装材の製造方法である。
アルコール系溶剤またはアルカリ水に溶解したセラック
樹脂溶液に発泡剤を配合してなるセラック樹脂溶液を、
紙等の繊維状シートまたは熱可塑性フィルム等からなる
基材の片面もしくは両面に塗布または含浸した後、セラ
ック樹脂または該樹脂層を加熱発泡をさせてなる発泡セ
ラック樹脂または該樹脂層を少なくとも含むことを特徴
とする天然樹脂を含む包装材の製造方法である。
アルコール系溶剤またはアルカリ水に溶解したセラック
樹脂溶液に発泡剤を配合してなるセラック樹脂溶液を、
紙等の繊維状シートまたは熱可塑性フィルム等からなる
基材の片面もしくは両面に塗布または含浸した後、加セ
ラック樹脂または該樹脂層を加熱発泡させると同時に成
形することを特徴する天然樹脂を含む包装体の製造方法
である。
アルコール系溶剤に溶解したセラック樹脂溶液、アルカ
リ水に溶解したセラック樹脂水溶液もしくは水に分散し
たセラック樹脂水分散液にパルプ等の繊維を混練し、こ
の混練物を枠型内で枠型形状に賦型し、乾燥させた後加
熱することを特徴とする天然樹脂を含む包装体の製造方
法である。
天然樹脂を含む包装体が、包装容器または包装袋である
ことを特徴とする。
4、18、19のいずれか1項に記載の天然樹脂を含む
包装体が、包装容器であることを特徴とする。
て詳細に説明する
面に、少なくともセラック樹脂または該樹脂層を含むこ
とを特徴とするものである。
クカイガラ虫が分泌する樹脂状物質を精製したオキシカ
ルボン酸であるアレウリチン酸とジャラール酸またはラ
クシジャール酸などのセスキテルペンとのエステル結合
物である。上記セラック樹脂は、無毒・無味・無臭であ
り、熱硬化特性、離形性、接着性、成形性を有し、アル
コール系溶剤に溶け、また各種適したアルカリにより種
々のケン化液を容易に作成することができ、水溶化も可
能である。セラック樹脂を、例えば、エチルアルコール
に溶解した溶液またはアルカリ水に溶解した水溶液を塗
布等により容易に強靱な被膜を形成するものである。そ
してその被膜は、優れた耐熱性およびバリア性を有す
る。従って、基材の片面もしくは両面に、セラック樹脂
または該樹脂層を少なくとも含む包装材は、優れた耐熱
性およびバリア性を有するものである。包装容器や包装
袋を構成する紙やプラスチック基材の表面への塗布、あ
るいは基材内部への含浸、混合などの方法によりセラッ
ク樹脂または該樹脂層を含むた包装容器や包装袋とする
ことが可能である。
は、純白、クラフト紙およびそのクレイコート紙等の薄
紙、コートボール紙、カップ用耐水用紙等の板紙やプラ
スチックフィルムまたはシート、もしくは生分解性を有
する紙やプラスチックフィルムまたはシート、金属また
はガラス、もしくは金属または無機酸化物からなる蒸着
層が施された金属またはガラスなどが挙げられる。
樹脂層を形成する好ましい方法としては、接着、塗布、
含浸等の手段を挙げることができる。
成する方法の一例として、セラック樹脂を熱硬化温度以
下の軟化温度である80以上、150以下の温度で加熱
軟化させて、プレス等で圧着することができる。また、
接着剤を介して、基材上にセラック樹脂層を形成するこ
ともできる。
成する方法の一例として、セラック樹脂のアルコール溶
液、アルカリ水溶液あるいは水分散液を、基材に印刷、
コーティング、スプレー等の方法で塗布することができ
る。また、セラック樹脂の乾燥微粉末を静電塗装による
方法により、塗布し、加熱によって、基材上にセラック
樹脂層を設けることもできる
の一例として、セラック樹脂のアルコール溶液、アルカ
リ水溶液あるいは水分散液を基材に塗布または基材を前
記溶液に浸漬して含浸することができる。
態の包装体とすることができる。加熱して利用する冷凍
食品、レトルト食品等の耐熱性を要求される包装容器ま
たは包装袋、または吸湿し易く、油分が酸化し易いスナ
ック食品等のバリア性を要求される包装容器または包装
袋として好適に用いられる。
成型物の片面もしくは両面に、セラック樹脂を塗布また
は含浸してなることを特徴とするものであって、本発明
で用いられる成型物としては、広葉樹木あるいは針葉樹
木、竹あるいは笹、葦等の茎葉からなる繊維または繊維
状シートからなる成型物、もしくは金属缶またはガラス
瓶が挙げられる。
浸する方法は、セラック樹脂のアルコール溶液、アルカ
リ水溶液あるいは水分散液をスプレー等により塗布また
はセラック樹脂のアルコール溶液、アルカリ水溶液ある
いは水分散液に浸漬することにより含浸することができ
る。
れたセラック樹脂層表面に、真空蒸着法もしくは化学蒸
着法により、金属または無機酸化物からなる蒸着層を施
すこともできる。
法について説明する。
は、セラック樹脂をアルコール系溶剤またはアルカリ水
に溶解して、セラック樹脂溶液とし、柔軟化剤として、
植物ワックス、有機酸または脂肪酸エステル、植物油変
成物、チクル、天然ゴム、ポリフェノール、サポニン等
から選ばれる少なくとも1種類の柔軟化剤を、前記セラ
ック樹脂溶液に配合し、その柔軟化剤を配合したセラッ
ク樹脂溶液を、基材の片面もしくは両面に塗布または含
浸して、セラック樹脂または該樹脂層を少なくとも含む
ことを特徴とする。
脂膜もしくはセラック樹脂層は、比較的硬く、脆い性質
を有し、外的圧力または衝撃によってセラック樹脂膜も
しくは樹脂層に割れ等が発生する恐れがあり、上記の製
造方法により、柔軟化剤の配合に応じて柔軟性を制御
し、割れ等の発生を防止し、セラック樹脂特有のバリア
性(防湿性)の低下を防止することができ、優れたバリ
ア性を有する包装材が得られる。
造方法は、セラック樹脂をアルコール系溶剤またはアル
カリ水に溶解して、セラック樹脂溶液とし、熱硬化制御
剤としてステアリン酸、オレイン酸、マレイン酸、クエ
ン酸等の少なくとも1種の熱硬化制御剤を、前記セラッ
ク樹脂溶液に配合し、その熱硬化制御剤を、配合したセ
ラック樹脂溶液を基材の片面もしくは両面に塗布または
含浸して、セラック樹脂または該樹脂層を少なくとも含
むことを特徴とする。
始する熱可塑性樹脂であるが、一方、熱硬化の性質をも
有する。しかし、その熱硬化速度が遅く、120℃以上
の温度で5〜10分の加熱硬化時間を要する。従って、
包装材の生産効率が悪という問題があったが、有機酸に
よる酸硬化によって硬化時間の制御が可能であることを
見出し、硬化セラック樹脂は、硬化の程度に応じて結晶
化度が変化し、硬化が進めば耐熱性およびバリア性が向
上し、一方熱シール性は低下する。上記の製造方法によ
り、耐熱性、バリア性および熱シール性を制御可能な包
装材が得られる。
は、セラック樹脂をアルコール系溶剤またはアルカリ水
に溶解したセラック樹脂溶液に発泡剤を配合してなるセ
ラック樹脂溶液を、紙等の繊維状シートまたは熱可塑性
フィルム等からなる基材の片面もしくは両面に塗布また
は含浸した後、セラック樹脂または該樹脂層を加熱発泡
させてなる発泡セラック樹脂または該樹脂層を少なくと
も含むことを特徴とする。
限定されるものではないが、炭酸水素ナトリウム(重
曹)等が好ましく用いられる。セラック樹脂またはセラ
ック樹脂層を発泡させることにより、上記包装材の巻き
取りや断裁枚葉品の積み重ね時のブロッキングを防止す
ることができる。
造方法は、セラック樹脂をアルコール系溶剤またはアル
カリ水に溶解したセラック樹脂溶液に発泡剤を配合して
なるセラック樹脂溶液を、紙等の繊維状シートまたは熱
可塑性フィルム等からなる基材の片面もしくは両面に塗
布または含浸した後、セラック樹脂または該樹脂層を加
熱発泡させると同時に成形することを特徴する。
されるものではないが、射出成形、圧縮成形等を挙げる
ことができる。上記で得られる成形体は、断熱性、保冷
性、耐衝撃性を有する包装容器として用いられる。
造方法は、セラック樹脂をアルコール系溶剤に溶解した
セラック樹脂溶液、アルカリ水に溶解したセラック樹脂
水溶液もしくは水に分散したセラック樹脂水分散液にパ
ルプ等の繊維を混練し、この混練物を枠型内で枠型形状
に賦型し、乾燥させた後、加熱することを特徴とする。
れるものではない。上記型枠が金属製の枠型である場合
は、セラック樹脂は金属に対する接着性が強いために、
型枠に予め適切な離型剤を塗布しておくのが望ましい。
また、パルプを混練したセラック樹脂水分散液に適量の
有機酸を添加することで金属との接着性が低下し、型枠
からの離型がし易くなる。
する。
セラック」GSN、(株)岐阜セラック製造所製)およ
びセラック樹脂2(商品名「白色セラック」GBN―
D、(株)岐阜セラック製造所製)の各々50%アルコ
ール溶液を作成し、片側乾燥固形分量が10〜20g/
m2になように下記基材の両面に塗布して得られたセラ
ック樹脂1層を形成した包装材とセラック樹脂2層を形
成した包装材を作成した。 坪量40〜50g/m2の純白紙の薄紙、 坪量120〜180g/m2のコートボール紙、 坪量180〜280g/m2のカップ用耐水サイズ紙 基材とセラック樹脂1を用いた両面塗工包装材A、同
様にして、基材とセラック樹脂1を用いた両面塗工包
装材B、基材とセラック樹脂1を用いた両面塗工包装
材C、また、基材とセラック樹脂2を用いた両面塗工
包装材D、同様にして、基材とセラック樹脂2を用い
た両面塗工包装材E、基材とセラック樹脂2を用いた
両面塗工包装材Fを作成した。
とDを用いて、加熱して溶融させたチーズおよび羊羹を
前記包装材上に延展した後、セラック樹脂の熱シール性
を利用して、熱封緘し、1ヶ月冷凍保存後、内容物およ
び包装材を評価した。その結果、加熱して溶融させた内
容物に接した前記包装材の表面には異常がみられなかっ
た。また、セラック樹脂層からの内容物の剥離性も良
く、紙を切り開くような開封による紙断面の紙粉の発生
もなく、開封性、開封感の良い包装材が得られた。さら
に、セラック樹脂の有する防湿性により、内容物に適度
の保湿感があり、乾燥して硬くなってしまうこともな
く、耐熱性、防湿性およびシール性に優れた、スライス
チーズや羊羹用個包装材として使用できることが確認さ
れた。
とDを用いて、ゲル状または粒状の家庭用芳香剤を、一
辺を折り曲げ、三方を熱シールして包装した包装体を作
成した。それを常温の状態で約1ヶ月放置した後、包装
材を評価した。その結果、セラック樹脂の有する防湿性
により、熱シール部には異常がなく、芳香成分、防虫剤
等の除放性薬剤の包装材としても適することが確認され
た。
とDを用いて、腐葉土、黒土からなる園芸用土中に、そ
の包装材の半分を土中に約1ヶ月埋設した後、包装材を
評価した。その結果、土中に埋設された部分の包装材の
セラック樹脂層の表面がマット状に荒れ、微少なピンホ
ール状の穴が観察された。埋設しない部分の包装材のセ
ラック樹脂層との表面状態の差が明らかで、前記包装材
は土中における生分解が徐々に進行していることを認め
られ、肥料、家庭菜園用種子等の包装材としても適する
ことが確認できた。
とEを用いて、セラック樹脂層の面に市販の板チョコレ
ートを置き、温度が30〜45℃の場所に10日間放置
した後、内容物と包装材を評価した。その結果、チョコ
レートは軟化し、油脂分の溶解がみられたが、セラック
樹脂の有する耐油性により、紙への染みなどがみられな
かった。また、天ぷら油、ごま油の油滴でのスポットテ
ストにおいても、同様に紙への染みなどの異常は認めら
れず、高油脂製品の包装材として適することが確認でき
た。
度が5〜10%となるように溶解したセラック樹脂エタ
ノール溶液に、製紙原料となる原料パルプ(化学パル
プ)を投入し、容器型に所望の離型剤を塗布した型を用
い、パルプモールド成形を行い、セラック樹脂をバイン
ダーとするセラック樹脂内添パルプモールド容器を作成
した。この容器は、耐水性、耐油性に優れていることが
確認できた。
μの微粉末[(株)岐阜セラック製造所製商品名「色セ
ラックGSN」または「白色セラックGBN−D」を使
用]を用いて、静電塗装方式により、板紙容器およびパ
ルプモールド容器内面へ、板紙容器の場合は8〜15g
/m2、パルプモールド容器の場合は15〜30g/m2
の塗布量となるように静電塗装方式によって塗布し、赤
外線加熱方式オーブン中にて加熱温度150〜15℃、
10分間放置し、セラック樹脂微粉末を溶融造膜せしめ
た。セラック樹脂層を形成した容器を得た。この容器
は、耐水性、耐油性に優れていることが確認できた。
阜セラック製造所製の商品名「柔軟化白色セラック」を
用いて作成したセラック樹脂塗工紙または含浸紙を最内
面に設けた下記(a)、(b)、(c)の構成の包装材
を作成した。最内層面のセラック樹脂塗工紙または含浸
紙を熱シールして、その熱封緘性、密封性を評価した
が、問題は認められなかった。そこで、油脂分を多く含
むポテトチップスを封入し、温度40℃湿度90%の環
境に7日間放置後、内容物および包装材の変化を観察し
たが、包装材の油分による染みや強度の劣化は認められ
なかった。また、内容物の酸化などによる異臭、吸湿に
よる食感の変化も認められず、スナック菓子、即席麺な
どのフレキシブル包装材として適することが確認でき
た。 (a)ポリエステルフィルム(厚さ12μ)/接着剤/
セラック樹脂塗工紙(または含浸紙)[塗布量または含
浸量60g/m2(セラック樹脂換算で20g/m 2)] (b)ポリプロピレンフィルム(厚さ20μ)/接着剤
/セラック樹脂塗工紙(または含浸紙)[塗布量または
含浸量60g/m2(セラック樹脂換算で20g/
m2)] (c)生分解性フィルム(厚さ50μ)/接着剤/セラ
ック樹脂塗工紙(または含浸紙)[塗布量または含浸量
60g/m2(セラック樹脂換算で20g/m2)]
ック樹脂層を少なくとも含む構成の包装材または包装体
であることから、包装材料の加工性、食品に対する安全
性、使用済み廃棄後の微生物等による生分解性に優れ、
環境公害を引き起こすことのない包装材および包装体、
およびそれらの製造方法を提供することが可能となっ
た。本発明の包装材および包装体は、優れた耐熱性、耐
水性、耐油性、封緘性(シール性)、生分解性およびバ
リア性等に優れた包装材料、包装容器または包装袋とし
て好適に用いられるものである。
Claims (21)
- 【請求項1】基材の片面もしくは両面に、ラックカイガ
ラ虫が分泌する酸エステル樹脂状物質を精製してなる生
物産生天然樹脂(以下セラック樹脂と呼ぶ)または該樹
脂層を少なくとも含むことを特徴とする天然樹脂を含む
包装材。 - 【請求項2】前記セラック樹脂または該樹脂層が、発泡
していることを特徴とする請求項1記載の天然樹脂を含
む包装材。 - 【請求項3】前記セラック樹脂層が、基材上に接着よっ
て積層されていることを特徴とする請求項1記載の天然
樹脂を含む包装材。 - 【請求項4】前記セラック樹脂層が、基材上に塗布によ
って積層されていることを特徴とする請求項1記載の天
然樹脂を含む包装材。 - 【請求項5】前記セラック樹脂が、基材に含浸されてな
ることを特徴とする請求項1記載の天然樹脂を含む包装
材。 - 【請求項6】請求項3記載の包装材において、基材が、
紙、プラスチックフィルムもしくはシートであることを
特徴とする天然樹脂を含む包装材。 - 【請求項7】請求項3記載の包装材において、基材が、
金属またはガラス、もしくはそれらの基材の少なくとも
片面に、金属または無機酸化物からなる蒸着層が施され
た金属またはガラスであることを特徴とする天然樹脂を
含む包装材。 - 【請求項8】請求項6記載の包装材における基材が、生
分解性を有することを特徴とする天然樹脂を含む包装
材。 - 【請求項9】請求項1〜6、8のいずれか1項に記載の
包装材を成形してなることを特徴とする天然樹脂を含む
包装体。 - 【請求項10】予め成形された成型物の片面もしくは両
面に、セラック樹脂を塗布または含浸してなることを特
徴とする天然樹脂を含む包装体。 - 【請求項11】請求項10記載の包装体において、前記
成型物が、繊維状物質からなることを特徴とする天然樹
脂を含む包装体。 - 【請求項12】請求項10記載の包装体において、前記
成型物が、金属またはガラスからなることを特徴とする
天然樹脂を含む包装体。 - 【請求項13】請求項10記載の包装体において、前記
セラック樹脂が、微粉末状のセラック樹脂を塗布してな
ることを特徴とする天然樹脂を含む包装体。 - 【請求項14】請求項10記載の包装体において、塗布
してなる前記セラック樹脂層に、金属または無機酸化物
からなる蒸着層が施された蒸着層を設けたことを特徴と
する天然樹脂を含む包装体。 - 【請求項15】セラック樹脂をアルコール系溶剤または
アルカリ水に溶解して、セラック樹脂溶液とし、柔軟化
剤として、植物ワックス、有機酸または脂肪酸エステ
ル、植物油変成物、チクル、天然ゴム、ポリフェノー
ル、サポニン等から選ばれる少なくとも1種類の柔軟化
剤を、前記セラック樹脂溶液に配合し、その柔軟化剤を
配合したセラック樹脂溶液を、基材の片面もしくは両面
に塗布または含浸して、セラック樹脂または該樹脂層を
少なくとも含むことを特徴とする天然樹脂を含む包装材
の製造方法。 - 【請求項16】セラック樹脂をアルコール系溶剤または
アルカリ水に溶解して、セラック樹脂溶液とし、熱硬化
制御剤としてステアリン酸、オレイン酸、マレイン酸、
クエン酸等の少なくとも1種の熱硬化制御剤を、前記セ
ラック樹脂溶液に配合し、その熱硬化制御剤を、配合し
たセラック樹脂溶液を基材の片面もしくは両面に塗布ま
たは含浸して、セラック樹脂または該樹脂層を少なくと
も含むことを特徴とする天然樹脂を含む包装材の製造方
法。 - 【請求項17】セラック樹脂をアルコール系溶剤または
アルカリ水に溶解したセラック樹脂溶液に発泡剤を配合
してなるセラック樹脂溶液を、紙等の繊維状シートまた
は熱可塑性フィルム等からなる基材の片面もしくは両面
に塗布または含浸した後、セラック樹脂または該樹脂層
を加熱発泡させてなる発泡セラック樹脂または該樹脂層
を少なくとも含むことを特徴とする天然樹脂を含む包装
材の製造方法。 - 【請求項18】セラック樹脂をアルコール系溶剤または
アルカリ水に溶解したセラック樹脂溶液に発泡剤を配合
してなるセラック樹脂溶液を、紙等の繊維状シートまた
は熱可塑性フィルム等からなる基材の片面もしくは両面
に塗布または含浸した後、セラック樹脂または該樹脂層
を加熱発泡させると同時に成形することを特徴する天然
樹脂を含む包装体の製造方法。 - 【請求項19】セラック樹脂をアルコール系溶剤に溶解
したセラック樹脂溶液、アルカリ水に溶解したセラック
樹脂水溶液もしくは水に分散したセラック樹脂水分散液
にパルプ等の繊維を混練し、この混練物を枠型内で枠型
形状に賦型し、乾燥させた後、加熱することを特徴とす
る天然樹脂を含む包装体の製造方法。 - 【請求項20】請求項9記載の包装体が、包装容器また
は包装袋であることを特徴とする天然樹脂を含む包装
体。 - 【請求項21】請求項10〜14、18、19のいずれ
か1項に記載の包装体が、包装容器であることを特徴と
する天然樹脂を含む包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000372315A JP2002172728A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | 天然樹脂を含む包装材および包装体、およびそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000372315A JP2002172728A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | 天然樹脂を含む包装材および包装体、およびそれらの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002172728A true JP2002172728A (ja) | 2002-06-18 |
Family
ID=18841881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000372315A Pending JP2002172728A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | 天然樹脂を含む包装材および包装体、およびそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002172728A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005018930A1 (ja) * | 2003-08-25 | 2005-03-03 | Keiwa Inc. | 水溶性防水フィルム |
WO2009034972A1 (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-19 | Awa Paper Mfg.Co., Ltd. | 車両用のフィルター紙とその製造方法 |
JP2009287159A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-12-10 | National Institute Of Agrobiological Sciences | 耐酸耐水性紙シート及びその製造方法 |
CN105438614A (zh) * | 2015-11-24 | 2016-03-30 | 安徽美翔塑业有限公司 | 一种双层抗菌保鲜袋及其加工方法 |
CN106400603A (zh) * | 2016-10-21 | 2017-02-15 | 陕西科技大学 | 一种防油食品包装纸的制备方法 |
JP2019038554A (ja) * | 2017-08-23 | 2019-03-14 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 内容物付着防止蓋材 |
JP2019089595A (ja) * | 2017-11-17 | 2019-06-13 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 包装体及びその製造方法 |
JP2020001830A (ja) * | 2009-08-26 | 2020-01-09 | マントローズ−ハウザー カンパニー, インコーポレイテッド | 食品包装のための印刷された可撓性フィルム |
US11192139B2 (en) | 2017-06-22 | 2021-12-07 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited organic coating |
US11208246B2 (en) * | 2017-06-22 | 2021-12-28 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited inorganic coating |
CN114196323A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-18 | 武汉科技大学 | 一种虫胶多孔注油疏液涂层及其制备方法 |
EP3974134A2 (en) | 2020-09-23 | 2022-03-30 | Seiko Epson Corporation | Fiber structural body and manufacturing apparatus for the same |
JP7250417B2 (ja) | 2017-03-23 | 2023-04-03 | 株式会社レゾナック・パッケージング | 食品用容器および包装体 |
-
2000
- 2000-12-07 JP JP2000372315A patent/JP2002172728A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005018930A1 (ja) * | 2003-08-25 | 2005-03-03 | Keiwa Inc. | 水溶性防水フィルム |
WO2009034972A1 (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-19 | Awa Paper Mfg.Co., Ltd. | 車両用のフィルター紙とその製造方法 |
JP2009287159A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-12-10 | National Institute Of Agrobiological Sciences | 耐酸耐水性紙シート及びその製造方法 |
JP2020001830A (ja) * | 2009-08-26 | 2020-01-09 | マントローズ−ハウザー カンパニー, インコーポレイテッド | 食品包装のための印刷された可撓性フィルム |
CN105438614A (zh) * | 2015-11-24 | 2016-03-30 | 安徽美翔塑业有限公司 | 一种双层抗菌保鲜袋及其加工方法 |
CN106400603A (zh) * | 2016-10-21 | 2017-02-15 | 陕西科技大学 | 一种防油食品包装纸的制备方法 |
JP7250417B2 (ja) | 2017-03-23 | 2023-04-03 | 株式会社レゾナック・パッケージング | 食品用容器および包装体 |
US11208246B2 (en) * | 2017-06-22 | 2021-12-28 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited inorganic coating |
US11192139B2 (en) | 2017-06-22 | 2021-12-07 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited organic coating |
US11473190B2 (en) | 2017-06-22 | 2022-10-18 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited inorganic coating |
US11738367B2 (en) | 2017-06-22 | 2023-08-29 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited organic coating |
JP2019038554A (ja) * | 2017-08-23 | 2019-03-14 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 内容物付着防止蓋材 |
JP2019089595A (ja) * | 2017-11-17 | 2019-06-13 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 包装体及びその製造方法 |
EP3974134A2 (en) | 2020-09-23 | 2022-03-30 | Seiko Epson Corporation | Fiber structural body and manufacturing apparatus for the same |
CN114196323A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-18 | 武汉科技大学 | 一种虫胶多孔注油疏液涂层及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20050163944A1 (en) | Biodegradable film | |
JP2002172728A (ja) | 天然樹脂を含む包装材および包装体、およびそれらの製造方法 | |
US5709913A (en) | Method and apparatus for manufacturing articles of manufacture from sheets having a highly inorganically filled organic polymer matrix | |
US5928741A (en) | Laminated articles of manufacture fashioned from sheets having a highly inorganically filled organic polymer matrix | |
US5705238A (en) | Articles of manufacture fashioned from sheets having a highly inorganically filled organic polymer matrix | |
US5830548A (en) | Articles of manufacture and methods for manufacturing laminate structures including inorganically filled sheets | |
JP4291699B2 (ja) | 生分解性成形物 | |
WO2001045941A2 (en) | Laminates and coated materials comprising hydroxy-phenoxyether polymers | |
EP2829396B1 (de) | Behälter zur verpackung von lebensmitteln | |
MX2008014314A (es) | Empaquetamiento de productos y metodos para hacerlo. | |
JPH11512467A (ja) | 生分解可能な材料からバリヤ層を有する成形体を製造するための方法及びその成形体 | |
AU2017327693A1 (en) | Improved pulp disposable tray | |
US20110259917A1 (en) | Single Piece Paper Container | |
CN113661128A (zh) | 由仿羊皮纸和多糖基涂层组成的密封包装 | |
WO2022008484A1 (en) | Rigid biodegradable food container | |
JP5332108B2 (ja) | 電子レンジ用紙容器 | |
JP4278646B2 (ja) | 防湿層用ワックス | |
JP4599636B2 (ja) | パルプモールド容器の製造方法 | |
US20220049428A1 (en) | Moisture/oil-resistant fiber/starch composite materials | |
CA3206132A1 (en) | High durability cardboard product and method for the manufacturing thereof | |
KR100574048B1 (ko) | 볏짚 성형제품 및 그 제조방법 | |
TW202218879A (zh) | 增強兩種纖維材料之間的黏合和密封 | |
JP4270366B2 (ja) | 双方向完全生分解性成型物 | |
NL2022111B1 (en) | Method for manufacturing a 3-dimensional shaped product from a fluff pulp material and a barrier material, and such product | |
CN105283080B (zh) | 奶酪分装制品及相关生产方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040916 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060501 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060523 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060706 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070320 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070814 |