JP2002172465A - スタッド溶接用ガン - Google Patents
スタッド溶接用ガンInfo
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- JP2002172465A JP2002172465A JP2000369986A JP2000369986A JP2002172465A JP 2002172465 A JP2002172465 A JP 2002172465A JP 2000369986 A JP2000369986 A JP 2000369986A JP 2000369986 A JP2000369986 A JP 2000369986A JP 2002172465 A JP2002172465 A JP 2002172465A
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- JP
- Japan
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- stud
- welding
- linear motor
- base material
- welding gun
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 母材及びスタッド材の最適な溶融状態に対応
して、タイミングよくスタッド材を母材に押圧し、十分
な溶接強度を得ることができるスタッド溶接用ガンを提
供する。 【解決手段】 導電性材料からなって上下動可能に配置
された通電材14と、通電材14の先部に設けられて溶
接しようとするスタッド材23を保持する取付け治具2
2と、通電材14を上下動させる駆動手段と、これらを
保持するホルダー11とを有するスタッド溶接用ガン1
0において、駆動手段に、上下動する距離を制御可能な
リニアモータ16を用いた。
して、タイミングよくスタッド材を母材に押圧し、十分
な溶接強度を得ることができるスタッド溶接用ガンを提
供する。 【解決手段】 導電性材料からなって上下動可能に配置
された通電材14と、通電材14の先部に設けられて溶
接しようとするスタッド材23を保持する取付け治具2
2と、通電材14を上下動させる駆動手段と、これらを
保持するホルダー11とを有するスタッド溶接用ガン1
0において、駆動手段に、上下動する距離を制御可能な
リニアモータ16を用いた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサー放電
型スタッド溶接法又はアーク溶接型スタッド溶接法に最
適に適用可能なスタッド溶接用ガンに関する。
型スタッド溶接法又はアーク溶接型スタッド溶接法に最
適に適用可能なスタッド溶接用ガンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スタッド溶接に使用されるスタッ
ド溶接用ガンには、例えば特開平11−300472号
公報に開示されているように、溶接しようとするスタッ
ド材を保持するチャックをシリンダのピストンロッドに
取付け、シリンダを母材に向かって付勢するスプリング
と、シリンダを母材から引き上げるソレノイドからなる
引上げ手段とを設けたものがある。このスタッド溶接用
ガンを使用してスタッド溶接を行う場合、スプリングの
付勢力により、ピストンロッドを介してチャックに保持
されたスタッド材を母材に当接させ、パイロット電流を
流しながらソレノイドによりシリンダを引き上げて、ス
タッド材を母材から離し、パイロット電流によるアーク
を発生させた状態で溶接電流を流すことにより、スタッ
ド材と母材間に溶接アークを発生させて母材及びスタッ
ド材の一部を溶融させる。そして、適当に溶融したとき
にソレノイドの引上げ力を解除して、スプリングの付勢
力により、シリンダを介してスタッド材を母材の溶融部
分に押圧してスタッド溶接を行うようにしている。コン
デンサー放電型スタッド溶接法の場合、コンデンサーに
充電した電気エネルギーを短時間に、例えば5000〜
20000A程度の大電流を放電して溶接電流を発生さ
せ、母材及びスタッド材のそれぞれ一部を溶融させて溶
接している。また、アーク溶接型スタッド溶接法では、
トランス等を介して低電圧で、例えば100〜500A
程度の溶接電流を発生させ、母材及びスタッド材のそれ
ぞれ一部を溶融させて溶接している。
ド溶接用ガンには、例えば特開平11−300472号
公報に開示されているように、溶接しようとするスタッ
ド材を保持するチャックをシリンダのピストンロッドに
取付け、シリンダを母材に向かって付勢するスプリング
と、シリンダを母材から引き上げるソレノイドからなる
引上げ手段とを設けたものがある。このスタッド溶接用
ガンを使用してスタッド溶接を行う場合、スプリングの
付勢力により、ピストンロッドを介してチャックに保持
されたスタッド材を母材に当接させ、パイロット電流を
流しながらソレノイドによりシリンダを引き上げて、ス
タッド材を母材から離し、パイロット電流によるアーク
を発生させた状態で溶接電流を流すことにより、スタッ
ド材と母材間に溶接アークを発生させて母材及びスタッ
ド材の一部を溶融させる。そして、適当に溶融したとき
にソレノイドの引上げ力を解除して、スプリングの付勢
力により、シリンダを介してスタッド材を母材の溶融部
分に押圧してスタッド溶接を行うようにしている。コン
デンサー放電型スタッド溶接法の場合、コンデンサーに
充電した電気エネルギーを短時間に、例えば5000〜
20000A程度の大電流を放電して溶接電流を発生さ
せ、母材及びスタッド材のそれぞれ一部を溶融させて溶
接している。また、アーク溶接型スタッド溶接法では、
トランス等を介して低電圧で、例えば100〜500A
程度の溶接電流を発生させ、母材及びスタッド材のそれ
ぞれ一部を溶融させて溶接している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、次のような解決すべき問題があった。 (1)スタッド溶接用ガンを用いてコンデンサー放電型
スタッド溶接法又はアーク溶接型スタッド溶接法により
スタッド溶接を行う場合、スタッド材の太さや母材の材
質等の違いによって、最適なアークを発生させる間隙の
長さや溶融時間等の溶接条件が異なる。異なる溶接条件
にそれぞれ対応するためには、短時間にスタッド材を敏
速に移動させる高い追従性をもった駆動手段をスタッド
溶接用ガンに備えることが必要で、しかも機械的に引上
げ距離を調整したり、引上げのタイミングを調整する必
要がある。しかし、母材からスタッド材を引き上げる距
離とタイミングを決める構成要素には、スタッド材の慣
性、引上げ手段のソレノイドのストローク及び引上げ力
とスプリングの付勢力等が関係するため、引上げ距離や
タイミングの調整が難しく、多くの手間と時間を要して
いる。
来の方法では、次のような解決すべき問題があった。 (1)スタッド溶接用ガンを用いてコンデンサー放電型
スタッド溶接法又はアーク溶接型スタッド溶接法により
スタッド溶接を行う場合、スタッド材の太さや母材の材
質等の違いによって、最適なアークを発生させる間隙の
長さや溶融時間等の溶接条件が異なる。異なる溶接条件
にそれぞれ対応するためには、短時間にスタッド材を敏
速に移動させる高い追従性をもった駆動手段をスタッド
溶接用ガンに備えることが必要で、しかも機械的に引上
げ距離を調整したり、引上げのタイミングを調整する必
要がある。しかし、母材からスタッド材を引き上げる距
離とタイミングを決める構成要素には、スタッド材の慣
性、引上げ手段のソレノイドのストローク及び引上げ力
とスプリングの付勢力等が関係するため、引上げ距離や
タイミングの調整が難しく、多くの手間と時間を要して
いる。
【0004】(2)アーク溶接型スタッド溶接法の場
合、母材の最適な溶融状態になったときに、ソレノイド
の引上げ力を解除して、スプリングの付勢力により、ス
タッド材を母材の溶融部分に押圧するが、ソレノイドか
らなる引上げ手段の動作が8〜20msec程度で遅い
ため、タイミングがずれることがあり、必要以上に溶融
部分ができて、母材の板厚が薄い場合には孔開き現象が
発生したり、最終的な押圧力が不足してスタッド材の溶
接部分に十分な溶接強度を持たせることが出来ないこと
がある。
合、母材の最適な溶融状態になったときに、ソレノイド
の引上げ力を解除して、スプリングの付勢力により、ス
タッド材を母材の溶融部分に押圧するが、ソレノイドか
らなる引上げ手段の動作が8〜20msec程度で遅い
ため、タイミングがずれることがあり、必要以上に溶融
部分ができて、母材の板厚が薄い場合には孔開き現象が
発生したり、最終的な押圧力が不足してスタッド材の溶
接部分に十分な溶接強度を持たせることが出来ないこと
がある。
【0005】(3)コンデンサー放電型スタッド溶接法
の場合、瞬間的に溶接電流が流れるため、母材の一部の
溶融状態が維持される時間が短く、ソレノイドの引上げ
力を解除して、スプリングを介してスタッド材を母材の
溶融部分に押圧するタイミングが遅れて、最終的な押圧
力が不足してスタッド材の溶接部分に十分な溶接強度を
持たせることが出来ないことがある。また、溶接アーク
を安定して発生させるために、溶接電流を放電させる前
にパイロット電流を流す方法を用いているが、コンデン
サー放電型溶接電源の外にパイロット電流を発生させる
直流電源装置等が必要となり、電源装置が高価となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、母材
及びスタッド材の最適な溶融状態に対応して、タイミン
グよくスタッド材を母材に押圧し、十分な溶接強度を得
ることができるスタッド溶接用ガンを提供することを目
的とする。
の場合、瞬間的に溶接電流が流れるため、母材の一部の
溶融状態が維持される時間が短く、ソレノイドの引上げ
力を解除して、スプリングを介してスタッド材を母材の
溶融部分に押圧するタイミングが遅れて、最終的な押圧
力が不足してスタッド材の溶接部分に十分な溶接強度を
持たせることが出来ないことがある。また、溶接アーク
を安定して発生させるために、溶接電流を放電させる前
にパイロット電流を流す方法を用いているが、コンデン
サー放電型溶接電源の外にパイロット電流を発生させる
直流電源装置等が必要となり、電源装置が高価となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、母材
及びスタッド材の最適な溶融状態に対応して、タイミン
グよくスタッド材を母材に押圧し、十分な溶接強度を得
ることができるスタッド溶接用ガンを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るスタッド溶接用ガンは、導電性材料からなって上下
動可能に配置された通電材と、通電材の先部に設けられ
て溶接しようとするスタッド材を保持する取付け治具
と、通電材を上下動させる駆動手段と、これらを保持す
るホルダーとを有するスタッド溶接用ガンにおいて、駆
動手段に、通電材の上下動距離を制御可能なリニアモー
タを用いた。これにより、取付け治具にスタッド材を保
持させた後、スタッド材の先端部を母材に当接させ、そ
の状態で、溶接電流を通電材から母材に流しながら所定
距離だけリニアモータによってスタッド材を上昇させ、
母材とスタッド材先端との間に間隙を設けて所定時間ア
ークを発生させる。そのアーク熱によって母材及びスタ
ッド材の一部は溶融するが、その状態でリニアモータに
より通電材を介してスタッド材を下降させると共に溶融
部分に押圧し、スタッド材と母材とを一体に溶接する。
したがって、溶接電流を通電し、母材及びスタッド材の
一部が溶融を開始すると共に、例えば1〜5msec程
度の短時間にリニアモータによってスタッド材を引上
げ、更に最適な溶融状態になったときに短時間でリニア
モータによって溶融部分にスタッド材を押圧することが
できるので、最適な溶融状態の間にタイミングがずれる
ことなく、スタッド溶接を行うことが可能である。
係るスタッド溶接用ガンは、導電性材料からなって上下
動可能に配置された通電材と、通電材の先部に設けられ
て溶接しようとするスタッド材を保持する取付け治具
と、通電材を上下動させる駆動手段と、これらを保持す
るホルダーとを有するスタッド溶接用ガンにおいて、駆
動手段に、通電材の上下動距離を制御可能なリニアモー
タを用いた。これにより、取付け治具にスタッド材を保
持させた後、スタッド材の先端部を母材に当接させ、そ
の状態で、溶接電流を通電材から母材に流しながら所定
距離だけリニアモータによってスタッド材を上昇させ、
母材とスタッド材先端との間に間隙を設けて所定時間ア
ークを発生させる。そのアーク熱によって母材及びスタ
ッド材の一部は溶融するが、その状態でリニアモータに
より通電材を介してスタッド材を下降させると共に溶融
部分に押圧し、スタッド材と母材とを一体に溶接する。
したがって、溶接電流を通電し、母材及びスタッド材の
一部が溶融を開始すると共に、例えば1〜5msec程
度の短時間にリニアモータによってスタッド材を引上
げ、更に最適な溶融状態になったときに短時間でリニア
モータによって溶融部分にスタッド材を押圧することが
できるので、最適な溶融状態の間にタイミングがずれる
ことなく、スタッド溶接を行うことが可能である。
【0007】本発明に係るスタッド溶接用ガンにおい
て、リニアモータはパルス制御型のリニアモータから構
成されてもよい。この場合、スタッド材や母材等の材
料、形状によって溶接条件が異なるが、例えば直径が6
mm程度のスタッド材でスタッド材と母材の間の間隙、
例えば0.5〜2mm程度を開けるために、所定のパル
ス電圧及びパルス数をパルス制御型のリニアモータに入
力することによって、引上げ距離を正確に、しかも例え
ば1〜5msec程度の短時間に動作させることができ
る。したがって、アーク溶接型スタッド溶接法の場合で
もコンデンサー放電型スタッド溶接法の場合でも、タイ
ミングを失することなく溶融部分にスタッド材を押圧す
ることができるので、十分な溶接強度が得られるスタッ
ド溶接を行うことが可能である。また、リニアモータの
制御装置によりリニアモータに入力するパルス数や押圧
力の設定を任意に変えることが可能であるので、溶接条
件が変わっても、容易に変更された溶接条件に対応した
スタッド材の引上げ距離、引上げ及び押圧のタイミン
グ、押圧力等によって安定したスタッド溶接が可能とな
る。
て、リニアモータはパルス制御型のリニアモータから構
成されてもよい。この場合、スタッド材や母材等の材
料、形状によって溶接条件が異なるが、例えば直径が6
mm程度のスタッド材でスタッド材と母材の間の間隙、
例えば0.5〜2mm程度を開けるために、所定のパル
ス電圧及びパルス数をパルス制御型のリニアモータに入
力することによって、引上げ距離を正確に、しかも例え
ば1〜5msec程度の短時間に動作させることができ
る。したがって、アーク溶接型スタッド溶接法の場合で
もコンデンサー放電型スタッド溶接法の場合でも、タイ
ミングを失することなく溶融部分にスタッド材を押圧す
ることができるので、十分な溶接強度が得られるスタッ
ド溶接を行うことが可能である。また、リニアモータの
制御装置によりリニアモータに入力するパルス数や押圧
力の設定を任意に変えることが可能であるので、溶接条
件が変わっても、容易に変更された溶接条件に対応した
スタッド材の引上げ距離、引上げ及び押圧のタイミン
グ、押圧力等によって安定したスタッド溶接が可能とな
る。
【0008】本発明に係るスタッド溶接用ガンにおい
て、通電材の上下動距離を測定するセンサーが設けら
れ、このセンサーの出力によって、通電材の上下動距離
を制御するようにしてもよい。この場合、センサーにリ
ニアエンコーダあるいは静電型距離センサー等の精密直
線距離測定器を用いて、その検出出力に応じてパルス制
御型リニアモータに代えて、直流又は交流入力によって
動作するリニアモータを駆動することによっても、例え
ば±10μ程度でスタッド材の引上げ距離を制御するこ
とができ、スタッド材や母材等の材料や材質の条件が異
なる場合に対応することが可能となる。
て、通電材の上下動距離を測定するセンサーが設けら
れ、このセンサーの出力によって、通電材の上下動距離
を制御するようにしてもよい。この場合、センサーにリ
ニアエンコーダあるいは静電型距離センサー等の精密直
線距離測定器を用いて、その検出出力に応じてパルス制
御型リニアモータに代えて、直流又は交流入力によって
動作するリニアモータを駆動することによっても、例え
ば±10μ程度でスタッド材の引上げ距離を制御するこ
とができ、スタッド材や母材等の材料や材質の条件が異
なる場合に対応することが可能となる。
【0009】本発明に係るスタッド溶接用ガンにおい
て、ホルダーには、支持脚が設けられていてもよい。こ
の場合、最初にスタッド材の先端部を母材に当接させる
ときに、駆動手段であるリニアモータを保持するホルダ
ーに設けた支持脚を同時に母材に当接させることによ
り、簡単にスタッド材の位置、すなわちリニアモータの
初期位置を決定することができ、スタッド材の引上げ距
離の精度を高く維持することができる。
て、ホルダーには、支持脚が設けられていてもよい。こ
の場合、最初にスタッド材の先端部を母材に当接させる
ときに、駆動手段であるリニアモータを保持するホルダ
ーに設けた支持脚を同時に母材に当接させることによ
り、簡単にスタッド材の位置、すなわちリニアモータの
初期位置を決定することができ、スタッド材の引上げ距
離の精度を高く維持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の第1の実施
の形態に係るスタッド溶接用ガンの側断面図、図2は本
発明の第2の実施の形態に係るスタッド溶接用ガンの側
断面図である。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の第1の実施
の形態に係るスタッド溶接用ガンの側断面図、図2は本
発明の第2の実施の形態に係るスタッド溶接用ガンの側
断面図である。
【0011】図1に示すように、本発明の第1の実施の
形態に係るスタッド溶接用ガン10は、コンデンサー放
電型スタッド溶接法に用いるもので、中空筒状のホルダ
ー11とハンドル部12とを有するガン本体13を備え
ている。ホルダー11の先部には導電性材料からなる棒
状の通電材14を上下方向(通電材14の長手方向)に
摺動可能に支持する、例えば合成樹脂によって電気的絶
縁性を備えた軸受部15を設け、ホルダー11の基部に
は駆動手段の一例であるパルス制御型のリニアモータ1
6が装着されている。リニアモータ16は、固定子とし
て例えば複数相、例えば3〜6相の励磁部を備えると共
に、励磁部の励磁によって直線移動する可動子として棒
状の可動ロッド17を備え、200〜1000Hzのパ
ルス電圧を入力することによって上下に30mm程度の
有効ストロークの間を、600mm/sec程度の速度
で往復移動可能で、しかも入力するパルス数によって可
動ロッド17を介して通電材14の上下動する移動距離
を制御可能にしている。すなわち、可動ロッド17の先
端には両端部が電気的に絶縁可能なカップリング18が
連結され、更にカップリング18には通電材14の基端
が連結されている。なお、軸受部15及びカップリング
18が絶縁性を備えているので、溶接電流の漏電やリニ
アモータ16に対する電磁誘導作用の影響を防止し、リ
ニアモータ16の誤作動を防ぐことができる。
形態に係るスタッド溶接用ガン10は、コンデンサー放
電型スタッド溶接法に用いるもので、中空筒状のホルダ
ー11とハンドル部12とを有するガン本体13を備え
ている。ホルダー11の先部には導電性材料からなる棒
状の通電材14を上下方向(通電材14の長手方向)に
摺動可能に支持する、例えば合成樹脂によって電気的絶
縁性を備えた軸受部15を設け、ホルダー11の基部に
は駆動手段の一例であるパルス制御型のリニアモータ1
6が装着されている。リニアモータ16は、固定子とし
て例えば複数相、例えば3〜6相の励磁部を備えると共
に、励磁部の励磁によって直線移動する可動子として棒
状の可動ロッド17を備え、200〜1000Hzのパ
ルス電圧を入力することによって上下に30mm程度の
有効ストロークの間を、600mm/sec程度の速度
で往復移動可能で、しかも入力するパルス数によって可
動ロッド17を介して通電材14の上下動する移動距離
を制御可能にしている。すなわち、可動ロッド17の先
端には両端部が電気的に絶縁可能なカップリング18が
連結され、更にカップリング18には通電材14の基端
が連結されている。なお、軸受部15及びカップリング
18が絶縁性を備えているので、溶接電流の漏電やリニ
アモータ16に対する電磁誘導作用の影響を防止し、リ
ニアモータ16の誤作動を防ぐことができる。
【0012】ホルダー11の中間部には内側に突出する
ホルダー側ばね受け19を設け、ホルダー側ばね受け1
9より先部側の通電材14には外周に突出して設けられ
た通電材側ばね受け20を設け、ホルダー側ばね受け1
9と通電材側ばね受け20との間にはコイルばねからな
る圧縮ばね21が装着されて、常に通電材14を下方に
付勢するようにしている。通電材14の軸受部15から
突出する先端には、取付け治具の一例であって、軸方向
に複数のスリットを有するチャック22が着脱自在に取
付けられ、チャック22の内側に溶接対象となるスタッ
ド材23を保持できるようにしている。ホルダー11の
先部には、取付け部材24Aを介して長さが調整可能な
支持脚24が設けられて、チャック22に保持されたス
タッド材23が母材25に当接したときに、同時に支持
脚24の先端が母材25に当接するように調整すること
により、リニアモータ16の初期位置を設定できるよう
にしている。通電材14には溶接電流を供給するリード
線26が接続され、リード線26はハンドル部12の中
を通り、ハンドル部12の端部から引き出されてコンデ
ンサー放電型スタッド溶接用電源(図示しない)に接続
されている。また、ハンドル部12には溶接電源及びリ
ニアモータ16の制御装置(図示しない)を制御用信号
線27を介して制御するスイッチ28が設けられてい
る。
ホルダー側ばね受け19を設け、ホルダー側ばね受け1
9より先部側の通電材14には外周に突出して設けられ
た通電材側ばね受け20を設け、ホルダー側ばね受け1
9と通電材側ばね受け20との間にはコイルばねからな
る圧縮ばね21が装着されて、常に通電材14を下方に
付勢するようにしている。通電材14の軸受部15から
突出する先端には、取付け治具の一例であって、軸方向
に複数のスリットを有するチャック22が着脱自在に取
付けられ、チャック22の内側に溶接対象となるスタッ
ド材23を保持できるようにしている。ホルダー11の
先部には、取付け部材24Aを介して長さが調整可能な
支持脚24が設けられて、チャック22に保持されたス
タッド材23が母材25に当接したときに、同時に支持
脚24の先端が母材25に当接するように調整すること
により、リニアモータ16の初期位置を設定できるよう
にしている。通電材14には溶接電流を供給するリード
線26が接続され、リード線26はハンドル部12の中
を通り、ハンドル部12の端部から引き出されてコンデ
ンサー放電型スタッド溶接用電源(図示しない)に接続
されている。また、ハンドル部12には溶接電源及びリ
ニアモータ16の制御装置(図示しない)を制御用信号
線27を介して制御するスイッチ28が設けられてい
る。
【0013】ここで、本発明の第1の実施の形態に係る
スタッド溶接用ガン10の動作について説明する。 (1)先ず、チャック22にスタッド材23を保持させ
る。このとき、スタッド材23の先端が母材25に当接
するまでは、圧縮ばね21によって通電材14及びチャ
ック22と共にスタッド材23が先側に付勢されている
ので、スタッド材23の先端は支持脚24の先端より先
に押し出された状態になっている。 (2)ハンドル部12を手で持ってスタッド材23の先
端と共に支持脚24の先端を同時に母材25に当接させ
る。これにより、スタッド材23の初期位置、及び位置
駆動手段であるリニアモータ16の初期位置が決定され
る。
スタッド溶接用ガン10の動作について説明する。 (1)先ず、チャック22にスタッド材23を保持させ
る。このとき、スタッド材23の先端が母材25に当接
するまでは、圧縮ばね21によって通電材14及びチャ
ック22と共にスタッド材23が先側に付勢されている
ので、スタッド材23の先端は支持脚24の先端より先
に押し出された状態になっている。 (2)ハンドル部12を手で持ってスタッド材23の先
端と共に支持脚24の先端を同時に母材25に当接させ
る。これにより、スタッド材23の初期位置、及び位置
駆動手段であるリニアモータ16の初期位置が決定され
る。
【0014】(3)スイッチ28を操作してコンデンサ
ー放電型スタッド溶接用電源からリード線26、通電材
14、チャック22を介してスタッド材23から母材2
5に溶接電流を通電する。溶接電源がコンデンサー放電
型であるため、例えば5000〜20000A程度の溶
接電流が短時間(例えば2〜5msec程度)にスタッ
ド材23から母材25に流れる。 (4)溶接電流を通電材14から母材25に流しながら
リニアモータ16を駆動して、通電材14、チャック2
2と共に所定距離、例えば0.5〜2mm程度だけスタ
ッド材23を圧縮ばね21に抗して上昇させ、母材25
とスタッド材23の先端との間に間隙を設けることによ
り、コンデンサーの瞬間的な放電時間(例えば1〜5m
sec)だけ通電してアークを発生させる。そのアーク
熱によって母材25の一部及びスタッド材23の先端部
は溶融する。 (5)その溶融状態が形成されているうちに、リニアモ
ータ16を駆動することによりスタッド材23を、例え
ば1〜5msec程度の短時間に下降させて、圧縮ばね
21の圧縮力以上の押圧力で溶融部分に押圧し、スタッ
ド材23と母材25を一体に溶接する。
ー放電型スタッド溶接用電源からリード線26、通電材
14、チャック22を介してスタッド材23から母材2
5に溶接電流を通電する。溶接電源がコンデンサー放電
型であるため、例えば5000〜20000A程度の溶
接電流が短時間(例えば2〜5msec程度)にスタッ
ド材23から母材25に流れる。 (4)溶接電流を通電材14から母材25に流しながら
リニアモータ16を駆動して、通電材14、チャック2
2と共に所定距離、例えば0.5〜2mm程度だけスタ
ッド材23を圧縮ばね21に抗して上昇させ、母材25
とスタッド材23の先端との間に間隙を設けることによ
り、コンデンサーの瞬間的な放電時間(例えば1〜5m
sec)だけ通電してアークを発生させる。そのアーク
熱によって母材25の一部及びスタッド材23の先端部
は溶融する。 (5)その溶融状態が形成されているうちに、リニアモ
ータ16を駆動することによりスタッド材23を、例え
ば1〜5msec程度の短時間に下降させて、圧縮ばね
21の圧縮力以上の押圧力で溶融部分に押圧し、スタッ
ド材23と母材25を一体に溶接する。
【0015】このように、例えば直径が鋼製の6mm程
度のスタッド材23で、スタッド材23と鋼板製の母材
25の間の0.5〜2mm程度の間隙を開けるために、
所定の周波数、例えば200〜1000Hzのパルス電
圧をパルス制御型のリニアモータ16に印加することに
よって、引上げ距離を例えば設定値±10μm程度に正
確に、しかも例えば1〜5msec程度の短時間に動作
させることができる。また、スタッド材23を母材25
に当接し、通電を開始してから短時間のうちに、リニア
モータ16によってスタッド材23を所定距離引上げて
アークを発生させ、母材25及びスタッド材23の一部
が溶融している短時間のうちに、リニアモータ16によ
ってスタッド材23を溶融部分に圧縮ばね21の圧縮力
以上の押圧力で押圧することができるので、応答性が高
められて瞬間的に形成される最適な溶融状態の間にタイ
ミングが遅れることなく、スタッド溶接を行うことが可
能である。しかも、リニアモータ16は応答性の高いパ
ルス制御型であるため、スタッド材23の太さや母材2
5の形状、材質等の溶接条件が異なる場合でも、動作時
間と移動ストローク(上下動距離)をリニアモータ16
の制御装置によって自由に変更できるので、異なる溶接
条件に対応するスタッド材23の引上げ距離やタイミン
グを容易に実現することが可能である。
度のスタッド材23で、スタッド材23と鋼板製の母材
25の間の0.5〜2mm程度の間隙を開けるために、
所定の周波数、例えば200〜1000Hzのパルス電
圧をパルス制御型のリニアモータ16に印加することに
よって、引上げ距離を例えば設定値±10μm程度に正
確に、しかも例えば1〜5msec程度の短時間に動作
させることができる。また、スタッド材23を母材25
に当接し、通電を開始してから短時間のうちに、リニア
モータ16によってスタッド材23を所定距離引上げて
アークを発生させ、母材25及びスタッド材23の一部
が溶融している短時間のうちに、リニアモータ16によ
ってスタッド材23を溶融部分に圧縮ばね21の圧縮力
以上の押圧力で押圧することができるので、応答性が高
められて瞬間的に形成される最適な溶融状態の間にタイ
ミングが遅れることなく、スタッド溶接を行うことが可
能である。しかも、リニアモータ16は応答性の高いパ
ルス制御型であるため、スタッド材23の太さや母材2
5の形状、材質等の溶接条件が異なる場合でも、動作時
間と移動ストローク(上下動距離)をリニアモータ16
の制御装置によって自由に変更できるので、異なる溶接
条件に対応するスタッド材23の引上げ距離やタイミン
グを容易に実現することが可能である。
【0016】また、通電時間が瞬間的なコンデンサー放
電型スタッド溶接法の場合でも、タイミングを失するこ
となくスタッド材23を引上げて安定したアークを発生
させることができるので、溶接電流を放電させるタイミ
ングを決めるためにパイロット電流を流す装置は必要が
なく、コンデンサー放電型スタッド溶接用電源を安価に
構成することが可能である。なお、最初に溶接電流を流
す前に、スタッド材23の先端部を母材25に当接させ
るときに、圧縮ばね21のストロークが不足して、スタ
ッド材23の先端部が母材25に当接しないような場合
には、必要に応じてリニアモータ16を駆動して通電材
14を移動させ、通電材14及びチャック22を介して
スタッド材23を母材25側に当接させてもよい。
電型スタッド溶接法の場合でも、タイミングを失するこ
となくスタッド材23を引上げて安定したアークを発生
させることができるので、溶接電流を放電させるタイミ
ングを決めるためにパイロット電流を流す装置は必要が
なく、コンデンサー放電型スタッド溶接用電源を安価に
構成することが可能である。なお、最初に溶接電流を流
す前に、スタッド材23の先端部を母材25に当接させ
るときに、圧縮ばね21のストロークが不足して、スタ
ッド材23の先端部が母材25に当接しないような場合
には、必要に応じてリニアモータ16を駆動して通電材
14を移動させ、通電材14及びチャック22を介して
スタッド材23を母材25側に当接させてもよい。
【0017】図2に示すように、本発明の第2の実施の
形態に係るスタッド溶接用ガン30は、前記第1の実施
の形態に係るスタッド溶接用ガン10のコンデンサー放
電型スタッド溶接用電源をアーク溶接型スタッド溶接用
電源に変え、アーク溶接型スタッド溶接法に用いるもの
で、スタッド材43の先端部と母材46との間のアーク
の発生を安定させるために、スタッド材43の先端部の
周囲を覆うフェルール48を設けたものである。なお、
第1の実施の形態と共通する動作については説明を省略
する。すなわち、スタッド溶接用ガン30のガン本体3
1には中空円筒状のホルダー32とハンドル部33が設
けられ、ホルダー32の基部には、駆動手段の一例であ
るパルス制御型のリニアモータ34が装着されている。
リニアモータ34は、棒状の可動ロッド35を備え、可
動ロッド35の一方端部(下方端部)はホルダー32の
先部に設けられた軸受部36に上下方向に摺動可能に支
持され、可動ロッド35の軸受部36から突出する端部
には電気的に絶縁可能なカップリング37が連結され、
更にカップリング37には通電材38の基部が連結され
ている。
形態に係るスタッド溶接用ガン30は、前記第1の実施
の形態に係るスタッド溶接用ガン10のコンデンサー放
電型スタッド溶接用電源をアーク溶接型スタッド溶接用
電源に変え、アーク溶接型スタッド溶接法に用いるもの
で、スタッド材43の先端部と母材46との間のアーク
の発生を安定させるために、スタッド材43の先端部の
周囲を覆うフェルール48を設けたものである。なお、
第1の実施の形態と共通する動作については説明を省略
する。すなわち、スタッド溶接用ガン30のガン本体3
1には中空円筒状のホルダー32とハンドル部33が設
けられ、ホルダー32の基部には、駆動手段の一例であ
るパルス制御型のリニアモータ34が装着されている。
リニアモータ34は、棒状の可動ロッド35を備え、可
動ロッド35の一方端部(下方端部)はホルダー32の
先部に設けられた軸受部36に上下方向に摺動可能に支
持され、可動ロッド35の軸受部36から突出する端部
には電気的に絶縁可能なカップリング37が連結され、
更にカップリング37には通電材38の基部が連結され
ている。
【0018】ホルダー32の中間部には内側に突出する
ホルダー側ばね受け39を設け、ホルダー側ばね受け3
9より先部側の可動ロッド35の外周には可動ロッド側
ばね受け40を突出して設け、可動ロッド側ばね受け4
0とホルダー側ばね受け39との間にはコイルばねから
なる圧縮ばね41が装着されて、可動ロッド35を常に
下方に付勢するようにしている。通電材38の先部に
は、取付け治具の一例である軸方向に複数のスリットを
有するチャック42が着脱自在に取付けられ、チャック
42の内側に溶接対象となるスタッド材43を保持でき
るようにしている。ホルダー32の先側側部には、セッ
トねじ44によって長さが調整可能に取付けられた支持
脚45が設けられ、支持脚45の下端部には支持部材4
7を介してスタッド材43の先端部の周囲を覆うフェル
ール48を設けている。チャック42に保持されたスタ
ッド材43が母材46に当接したときに、同時に支持脚
45の先端のフェルール48が母材46に当接すること
により、リニアモータ34の初期位置を設定できるよう
にしている。通電材38には溶接電流を供給するリード
線49が接続され、リード線49はハンドル部33の中
を通り、ハンドル部33の端部から引き出されてアーク
溶接型スタッド溶接用電源(図示しない)に接続されて
いる。また、ハンドル部33には溶接電源を制御用信号
線50を介して制御するスイッチ51が設けられてい
る。
ホルダー側ばね受け39を設け、ホルダー側ばね受け3
9より先部側の可動ロッド35の外周には可動ロッド側
ばね受け40を突出して設け、可動ロッド側ばね受け4
0とホルダー側ばね受け39との間にはコイルばねから
なる圧縮ばね41が装着されて、可動ロッド35を常に
下方に付勢するようにしている。通電材38の先部に
は、取付け治具の一例である軸方向に複数のスリットを
有するチャック42が着脱自在に取付けられ、チャック
42の内側に溶接対象となるスタッド材43を保持でき
るようにしている。ホルダー32の先側側部には、セッ
トねじ44によって長さが調整可能に取付けられた支持
脚45が設けられ、支持脚45の下端部には支持部材4
7を介してスタッド材43の先端部の周囲を覆うフェル
ール48を設けている。チャック42に保持されたスタ
ッド材43が母材46に当接したときに、同時に支持脚
45の先端のフェルール48が母材46に当接すること
により、リニアモータ34の初期位置を設定できるよう
にしている。通電材38には溶接電流を供給するリード
線49が接続され、リード線49はハンドル部33の中
を通り、ハンドル部33の端部から引き出されてアーク
溶接型スタッド溶接用電源(図示しない)に接続されて
いる。また、ハンドル部33には溶接電源を制御用信号
線50を介して制御するスイッチ51が設けられてい
る。
【0019】したがって、スタッド材43の先端とフェ
ルール48の下端の位置を一致させておけば、フェルー
ル48を母材46に当接させることにより、スタッド材
43の先端部と母材46との間のアークの発生を安定さ
せると共に、チャック42に保持されたスタッド材43
が母材46に当接したときの位置、及びリニアモータ3
4の初期位置を設定できる。これにより、例えば溶接電
流が100〜500Aで0.1〜0.5sec程度の比
較的長い通電時間によってアークを発生するアーク溶接
型スタッド溶接法の場合でも、所定の周波数、例えば2
00〜1000Hzのパルス電圧をパルス制御型のリニ
アモータ34に印加することによって、引上げ距離を正
確に、しかも短時間に動作させることができる。また、
溶接条件が変わっても、動作時間と移動ストロークをリ
ニアモータ34の制御装置によって変更することによ
り、異なる溶接条件に対応する通電材38及びスタッド
材43の上下動距離やタイミングを実現することが可能
である。
ルール48の下端の位置を一致させておけば、フェルー
ル48を母材46に当接させることにより、スタッド材
43の先端部と母材46との間のアークの発生を安定さ
せると共に、チャック42に保持されたスタッド材43
が母材46に当接したときの位置、及びリニアモータ3
4の初期位置を設定できる。これにより、例えば溶接電
流が100〜500Aで0.1〜0.5sec程度の比
較的長い通電時間によってアークを発生するアーク溶接
型スタッド溶接法の場合でも、所定の周波数、例えば2
00〜1000Hzのパルス電圧をパルス制御型のリニ
アモータ34に印加することによって、引上げ距離を正
確に、しかも短時間に動作させることができる。また、
溶接条件が変わっても、動作時間と移動ストロークをリ
ニアモータ34の制御装置によって変更することによ
り、異なる溶接条件に対応する通電材38及びスタッド
材43の上下動距離やタイミングを実現することが可能
である。
【0020】以上、本発明の第1、第2の実施の形態に
係るスタッド溶接用ガンについて説明してきたが、本発
明は、何ら前記の実施の形態に記載の構成に限定される
ものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の
範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含む
ものである。例えば、前記実施の形態に係るスタッド溶
接用ガンにおいて、ホルダーの上端部に、リニアモータ
の可動ロッドによって駆動される通電材の上下動距離を
測定するセンサーを設け、このセンサーの出力によっ
て、可動ロッドに連結された通電材の上下動距離を検出
し、その検出出力によってパルス制御型リニアモータに
代えて、直流又は交流入力によって動作するリニアモー
タを制御するようにしてもよい。この場合、センサーに
リニアエンコーダあるいは静電型距離センサー等の精密
直線距離検出器を用いて、その検出出力に応じてリニア
モータを駆動することにより、例えば±10μm程度の
精度でスタッドの引上げ距離を制御することができ、各
種の太さのスタッドの溶接に対応することが可能とな
る。
係るスタッド溶接用ガンについて説明してきたが、本発
明は、何ら前記の実施の形態に記載の構成に限定される
ものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の
範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含む
ものである。例えば、前記実施の形態に係るスタッド溶
接用ガンにおいて、ホルダーの上端部に、リニアモータ
の可動ロッドによって駆動される通電材の上下動距離を
測定するセンサーを設け、このセンサーの出力によっ
て、可動ロッドに連結された通電材の上下動距離を検出
し、その検出出力によってパルス制御型リニアモータに
代えて、直流又は交流入力によって動作するリニアモー
タを制御するようにしてもよい。この場合、センサーに
リニアエンコーダあるいは静電型距離センサー等の精密
直線距離検出器を用いて、その検出出力に応じてリニア
モータを駆動することにより、例えば±10μm程度の
精度でスタッドの引上げ距離を制御することができ、各
種の太さのスタッドの溶接に対応することが可能とな
る。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜4記載のスタッド溶接用ガン
においては、導電性材料からなって上下動可能に配置さ
れた通電材と、通電材の先部に設けられて溶接しようと
するスタッド材を保持する取付け治具と、通電材を上下
動させる駆動手段と、これらを保持するホルダーとを有
し、駆動手段に、通電材の上下動距離を制御可能なリニ
アモータを用いたので、母材及びスタッド材の一部が溶
融したときに、短時間にリニアモータによってスタッド
材を溶融部分に押圧することができ、母材及びスタッド
材の最適な溶融状態の間にタイミングがずれることなく
スタッド溶接を行い、十分な溶接強度を得ることができ
るスタッド溶接用ガンを提供することが可能である。ま
た、スタッド材や母材の溶接条件が変わっても、リニア
モータの動作間と移動ストロークの設定を制御装置によ
って変更することにより、容易に異なる溶接条件に直ち
に対応して安定した溶接強度を持つスタッド溶接を行う
ことができる。
においては、導電性材料からなって上下動可能に配置さ
れた通電材と、通電材の先部に設けられて溶接しようと
するスタッド材を保持する取付け治具と、通電材を上下
動させる駆動手段と、これらを保持するホルダーとを有
し、駆動手段に、通電材の上下動距離を制御可能なリニ
アモータを用いたので、母材及びスタッド材の一部が溶
融したときに、短時間にリニアモータによってスタッド
材を溶融部分に押圧することができ、母材及びスタッド
材の最適な溶融状態の間にタイミングがずれることなく
スタッド溶接を行い、十分な溶接強度を得ることができ
るスタッド溶接用ガンを提供することが可能である。ま
た、スタッド材や母材の溶接条件が変わっても、リニア
モータの動作間と移動ストロークの設定を制御装置によ
って変更することにより、容易に異なる溶接条件に直ち
に対応して安定した溶接強度を持つスタッド溶接を行う
ことができる。
【0022】特に、請求項2記載のスタッド溶接用ガン
においては、リニアモータはパルス制御型のリニアモー
タから構成されているので、スタッド材や母材等の材
料、形状によって溶接条件が異なる場合でも、所定のパ
ルス電圧をパルス制御型のリニアモータに印加すること
によって、引上げ距離を正確に、しかも短時間に引上げ
動作をさせることができ、アーク溶接型スタッド溶接法
の場合でもコンデンサー放電型スタッド溶接法の場合で
も、タイミングを失することなく溶融部分にスタッドを
押圧して、十分な溶接強度が得られるスタッド溶接を行
うことできる。
においては、リニアモータはパルス制御型のリニアモー
タから構成されているので、スタッド材や母材等の材
料、形状によって溶接条件が異なる場合でも、所定のパ
ルス電圧をパルス制御型のリニアモータに印加すること
によって、引上げ距離を正確に、しかも短時間に引上げ
動作をさせることができ、アーク溶接型スタッド溶接法
の場合でもコンデンサー放電型スタッド溶接法の場合で
も、タイミングを失することなく溶融部分にスタッドを
押圧して、十分な溶接強度が得られるスタッド溶接を行
うことできる。
【0023】請求項3記載のスタッド溶接用ガンにおい
ては、通電材の上下動距離を測定するセンサーが設けら
れ、このセンサーの出力によって、通電材の上下動距離
を制御するようにしているので、その検出出力に応じて
リニアモータを駆動することにより、高精度でスタッド
の引上げ距離を制御することができ、スタッド材や母材
等の材料や材質の条件が異なる場合にも十分対応するこ
とができる。請求項4記載のスタッド溶接用ガンにおい
ては、ホルダーには、支持脚が設けられているので、簡
単にスタッド材の位置及びリニアモータの初期位置を決
定することができ、スタッド材の引上げ距離の精度を高
く維持することができる。
ては、通電材の上下動距離を測定するセンサーが設けら
れ、このセンサーの出力によって、通電材の上下動距離
を制御するようにしているので、その検出出力に応じて
リニアモータを駆動することにより、高精度でスタッド
の引上げ距離を制御することができ、スタッド材や母材
等の材料や材質の条件が異なる場合にも十分対応するこ
とができる。請求項4記載のスタッド溶接用ガンにおい
ては、ホルダーには、支持脚が設けられているので、簡
単にスタッド材の位置及びリニアモータの初期位置を決
定することができ、スタッド材の引上げ距離の精度を高
く維持することができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスタッド溶接
用ガンの側断面図である。
用ガンの側断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るスタッド溶接
用ガンの側断面図である。
用ガンの側断面図である。
10:スタッド溶接用ガン、11:ホルダー、12:ハ
ンドル部、13:ガン本体、14:通電材、15:軸受
部、16:リニアモータ、17:可動ロッド、18:カ
ップリング、19:ホルダー側ばね受け、20:通電材
側ばね受け、21:圧縮ばね、22:チャック、23:
スタッド材、24:支持脚、24A:取付け部材、2
5:母材、26:リード線、27:制御用信号線、2
8:スイッチ、30:スタッド溶接用ガン、31:ガン
本体、32:ホルダー、33:ハンドル部、34:リニ
アモータ、35:可動ロッド、36:軸受部、37:カ
ップリング、38:通電材、39:ホルダー側ばね受
け、40:可動ロッド側ばね受け、41:圧縮ばね、4
2:チャック、43:スタッド材、44:セットねじ、
45:支持脚、46:母材、47:支持部材、48:フ
ェルール、49:リード線、50:制御用信号線、5
1:スイッチ
ンドル部、13:ガン本体、14:通電材、15:軸受
部、16:リニアモータ、17:可動ロッド、18:カ
ップリング、19:ホルダー側ばね受け、20:通電材
側ばね受け、21:圧縮ばね、22:チャック、23:
スタッド材、24:支持脚、24A:取付け部材、2
5:母材、26:リード線、27:制御用信号線、2
8:スイッチ、30:スタッド溶接用ガン、31:ガン
本体、32:ホルダー、33:ハンドル部、34:リニ
アモータ、35:可動ロッド、36:軸受部、37:カ
ップリング、38:通電材、39:ホルダー側ばね受
け、40:可動ロッド側ばね受け、41:圧縮ばね、4
2:チャック、43:スタッド材、44:セットねじ、
45:支持脚、46:母材、47:支持部材、48:フ
ェルール、49:リード線、50:制御用信号線、5
1:スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000196598 西尾 一政 福岡県北九州市八幡西区鷹の巣2丁目4− 38−703 (72)発明者 溝口 純一 福岡県北九州市小倉北区末広2−3−26 有限会社アジア技研内 (72)発明者 山口 武和 福岡県北九州市八幡西区紅梅2−5−1 有限会社九州複合材料研究所内 (72)発明者 与田 靖之 福岡県北九州市小倉南区新曽根8番21号 株式会社戸畑製作所内 (72)発明者 西尾 一政 福岡県北九州市八幡西区鷹の巣2丁目4− 38−703
Claims (4)
- 【請求項1】 導電性材料からなって上下動可能に配置
された通電材と、該通電材の先部に設けられて溶接しよ
うとするスタッド材を保持する取付け治具と、前記通電
材を上下動させる駆動手段と、これらを保持するホルダ
ーとを有するスタッド溶接用ガンにおいて、 前記駆動手段に、前記通電材の上下動距離を制御可能な
リニアモータを用いたことを特徴とするスタッド溶接用
ガン。 - 【請求項2】 請求項1記載のスタッド溶接用ガンにお
いて、前記リニアモータはパルス制御型のリニアモータ
からなることを特徴とするスタッド溶接用ガン。 - 【請求項3】 請求項1記載のスタッド溶接用ガンにお
いて、前記通電材の上下動距離を測定するセンサーが設
けられ、このセンサーの出力によって、前記通電材の上
下動距離を制御することを特徴とするスタッド溶接用ガ
ン。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のス
タッド溶接用ガンにおいて、前記ホルダーには、支持脚
が設けられていることを特徴とするスタッド溶接用ガ
ン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369986A JP2002172465A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | スタッド溶接用ガン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369986A JP2002172465A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | スタッド溶接用ガン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002172465A true JP2002172465A (ja) | 2002-06-18 |
Family
ID=18839939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000369986A Pending JP2002172465A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | スタッド溶接用ガン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002172465A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346712A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Dengen Kk | コンデンサ放電型スタッド溶接ガン及びこれを備えたポータブルコンデンサ放電型スタッド溶接機 |
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JP2011110580A (ja) * | 2009-11-26 | 2011-06-09 | Japan Drive-It Co Ltd | コンデンサ放電型スタッド溶接用の溶接銃 |
KR101050239B1 (ko) | 2006-05-30 | 2011-07-19 | 준이치 미조구치 | 스터드 용접 방법 |
CN102873441A (zh) * | 2012-07-25 | 2013-01-16 | 深圳市鸿栢科技实业有限公司 | 直线电机驱动拉弧螺柱焊枪及其焊接方法 |
US20130015163A1 (en) * | 2011-07-15 | 2013-01-17 | Illinois Tool Works Inc. | Stud welding system, consumables, and method |
CN103817419A (zh) * | 2014-03-03 | 2014-05-28 | 青岛艾特尔机械电子科技有限公司 | 一种连发式螺柱焊枪 |
KR101668323B1 (ko) * | 2016-05-10 | 2016-10-24 | 주식회사 지에스티 | 액추에이터를 이용한 스터드 용접 건 |
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JPH06500958A (ja) * | 1991-06-24 | 1994-01-27 | エム ハート インコーポレイテッド | スタッド溶接装置 |
-
2000
- 2000-12-05 JP JP2000369986A patent/JP2002172465A/ja active Pending
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