JP2002172301A - 水溶液の凍結濃縮方法 - Google Patents

水溶液の凍結濃縮方法

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JP2002172301A
JP2002172301A JP2000369394A JP2000369394A JP2002172301A JP 2002172301 A JP2002172301 A JP 2002172301A JP 2000369394 A JP2000369394 A JP 2000369394A JP 2000369394 A JP2000369394 A JP 2000369394A JP 2002172301 A JP2002172301 A JP 2002172301A
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concentration
tower
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freeze
aqueous solution
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Hiroshi Oka
洋 岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置及び操作コストが安く、かつ操作が簡単な
水溶液の凍結濃縮方法を提供する。 【解決手段】塔槽内の原液を目的とする濃縮液の融点以
下まで冷却し氷晶を析出させる第1工程と、塔槽内を断
熱状態で上から加熱して前記氷晶を融解し流下させる第
2工程と、塔槽底から平均濃度が目的とする濃縮液の濃
度である濃縮フラクションを分取する第3工程と,塔槽
底から平均濃度が原液濃度に等しい中間フラクションを
分取して次の操作の原液に混入する第4工程と、ついで
塔槽内の残余の氷晶を廃棄する第5工程を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶液から溶解し
ている成分を濃縮された状態で取り出す方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】天然物、発酵醸造物には、有効成分が水
溶液のかたちで供されるものが多い。これらの有効成分
を分取するために、一般に蒸留、抽出、吸着等の化学工
学操作が利用される。目的物が特定されている場合は、
上記の化学工学操作を単独又は組み合わせて目的物を分
取する方法が最も有効である。しかし、目的物の物性が
特定されていなかったり、目的物が多数の成分の混合物
である場合も現実には多い。又、目的物が熱に弱かった
り化学的に不安定な成分を含む場合も多い。このような
場合、水溶液から水だけを凍結によって固体として分離
する凍結濃縮法は、極めて有効である。又、凍結濃縮法
は、エネルギー的にも有利な方法である。しかし、装置
コスト、操作コストが高いこと、操作が複雑であること
等の理由で、実用化された例は少ない(松野隆一;「濃
縮と乾燥」、113頁、光琳書房刊)。
【0003】凍結濃縮操作で最も問題になるのは、氷結
晶を生成させるときの過冷却による溶質の氷結晶中への
取り込みと、氷と濃縮液の分離方法である。過冷却によ
る溶質の結晶中への取りこみ防止とその後の分離操作を
容易にするための晶析条件、装置については、凍結濃縮
に限らず一般の晶析操作として広く研究されており (化
学工学便覧等 ) 、技術的にはほぼ完成しているといえ
るが、いずれも簡便な方法とは言えずコストアップの要
因となる。
【0004】氷と濃縮液の分離は凍結濃縮方法の独特の
課題でいくつかの方法が提案されている。例えば、Th
ijssen,H.A.C.:“Advance in
Preconcentration and Deh
ydration of Food”には、向流による
連続方式の洗浄等が報告されている。しかし、工業的に
安定した操作を行うには厳密なコントロールを要し、操
作コストがふくらむ。より安定した操作を維持できる方
法として、多段の向流洗浄方法が提案されている(特許
第2620584号)。しかし、この方法でも装置が複
雑になり装置コストがかさむ。
【0005】又、新しい凍結濃縮方法として前進凍結濃
縮法が提案されている(日本農芸化学会誌、71巻臨時
増刊号、60頁、 1997)(特開平11−2163
01)。本法は、厄介な固液分離を容易にするため容器
に入った溶液を撹拌しながら冷媒中にゆっくり沈めてい
き、下部に1個の氷結晶を生成させ上部の濃縮液を得よ
うというものであるが、原理的に生産性に限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流通、保管
の大幅な合理化を可能にする水溶液の濃縮方法として、
装置及び操作コストが安く、かつ操作の簡単な凍結濃縮
方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】凍結濃縮法において、単
純に水溶液を冷却氷結させても、氷晶の内部に溶質が取
り込まれたり、表面に溶質が付着するため、純粋に近い
水を氷のかたちで分取することは難しい。より純粋な氷
を分取するためには、晶析条件を厳しく制約したり多段
の晶析を行う必要があり、さらに氷に付着する濃縮液を
効率よく分離する必要がある。本発明者は,水溶液を塔
槽内で冷却し水溶液の中に氷の微結晶を生成させ塔頂か
ら加温することで、塔頂から氷を徐々に融解させて、融
解水が下部に移動する際に多段晶析効果をもたせながら
氷晶表面を洗浄して、塔底から濃縮された水溶液を取り
出しうることを見出し、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、塔槽内の原液を目的とす
る濃縮液の融点以下にまで冷却し氷晶を析出させる第1
工程と、塔槽内を断熱状態で上から加熱して前記氷晶を
融解し流下させる第2工程と、塔槽底から平均濃度が目
的とする濃縮液の濃度である濃縮フラクションを分取す
る第3工程と、塔槽底から平均濃度が原液濃度に等しい
中間フラクションを分取して次の操作の原液に混入する
第4工程と、ついで塔槽内の残余の氷晶を融解し廃液と
して、又は固体のまま廃棄する第5工程を繰り返すこと
を特徴とする水溶液の凍結濃縮方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本法において、最初に塔槽底から
出てくる濃縮液の濃度は原料水溶液の冷却温度が融点と
なる濃度であり、それ以降の流出液の濃度はその濃度よ
り下がってくる。この為、目的とする濃縮フラクション
を得るためには、原料水溶液を目的とする濃縮液の融点
以下まで冷却する必要がある。目的とする濃縮液の融点
より何度低く冷却温度を設定するかは、塔高等の装置条
件、エネルギーコスト等を勘案して、対象とする水溶液
ごとに経験的に決定する。塔槽内で氷晶をできるだけ均
一な微結晶として析出させることが第2工程以降の効率
を高めるために重要であり、その為に原液中に気体を溶
解しておく事が有効である。溶解度、取り扱いの容易さ
から炭酸ガスが最も適しており、その量は気体の容積で
原液の容積に対して2〜10容積%が適当である。
【0010】第2工程は、多段晶析効果をもたせながら
氷晶表面を洗浄して塔槽底に濃縮液を流下させる重要な
工程で、周辺部からの吸熱による融解を防ぐため断熱状
態で上部から加熱して上部から徐々に氷晶を融解して融
解液を流下させる。上部から加熱する方法としては、温
風を吹きつける方法、水滴を滴下する方法等がある。
【0011】第3工程は、目的とする濃縮液を得る工程
で、槽底から排出された液の平均濃度が目的とする濃縮
液の濃度になった時点で終了する。その後も塔槽上部か
らの加温を継続して槽底から排出された液の平均温度が
原液温度と等しくなるまでを中間フラクションとして分
取し、この液は,次回の操作の原液に混ぜる。この工程
を第4工程と呼ぶ。
【0012】最後に塔槽内の残余の氷晶を融解して、又
は固体のまま、廃棄する。この工程を第5工程と呼ぶ。
この第5工程の量が多く、濃縮対象成分の濃度が低い
程、本発明の凍結濃縮方法の効率は高くなる。この効率
は、1、氷晶の晶析速度、最終晶析温度、2、塔槽の高
さ等に支配される。晶析速度が遅いほど、最終晶析温度
が低いほど、塔槽の高さが高いほど、高くなる。実際に
は、凍結濃縮する対象物、目的とする濃縮度に応じて、
生産性、経済性を考慮して最適条件を決める。
【0013】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお、以下の濃度はすべて質量%である。
【0014】実施例1:底部にコックのついた排出ノズ
ルを設けた内径3cmの円筒に、日本酒450gを入
れ、253K(−20℃)に冷却して凍らせた。次い
で、円筒の外部を断熱し、底部の排出ノズルのコックを
開け、濃縮された液を排出すると同時に、塔頂から27
3K(0℃)の水を、排出される液量とほぼ等量滴下し
た。日本酒原液のアルコール濃度は、ガスクロ分析によ
れば11.6%であった。
【0015】濃縮液の初期アルコール濃度は、24.8
%であった。排出液の積算量が140gになった時点で
排出液の平均アルコール濃度が23.2%となったの
で、ここまでを濃縮フラクションとした。これによっ
て、2倍に濃縮された日本酒が得られた。続いて同じ操
作を続け170g排出させた時点で排出液の平均アルコ
ール濃度が11.6%となったので、ここまでを中間フ
ラクションとした。その後の排出液を廃棄した。廃棄液
の140g中の平均アルコール濃度は0.03%であっ
た。
【0016】中間フラクションを新たな日本酒原液28
0gと混合し、同様の操作を行い2倍濃縮の日本酒14
0gを得た。以下、同様の操作を3回繰り返し、2倍濃
縮日本酒700gを得た。
【0017】実施例2:固形物濃度7%のりんごジュー
ス300gを実施例1と同じ装置に入れ263K(−1
0℃)に冷却,晶析させた後、実施例1と同様の操作を
行い固形物濃度20%の濃縮フラクション53gを得
た。
【0018】次いで平均固形物濃度7%の中間フラクシ
ョン148gを分取した後、排出液を廃棄した。
【0019】中間フラクション148gを新たな原料り
んごジュースと混合し,2回目の操作を行い,濃度20
%の濃縮りんごジュース53gを得た。以下、同様の操
作を繰り返した。
【0020】
【発明の効果】上記のとおり、本発明方法は、天然物や
発酵生成物の水溶液を原料組成を保ったまま簡便に濃縮
液とすることができるから、流通,保管の大幅な合理化
を可能にするという優れた効果を奏する。特に酒類で
は,飲酒前に水を加えるだけで,ほぼ元の酒に戻せるの
で、流通業の合理化効果は大きい。また、個人の持ち運
び,保管も容易になるので地酒の普及など、酒業の発展
にも貢献できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 603 B01D 9/02 603A 604 604 606 606 611 611A 614 614 615 615Z 616 616 618 618A // A23L 2/02 A23L 2/02 C 2/12 2/12 C12H 1/16 C12H 1/16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塔槽内の原液を目的とする濃縮液の融点
    以下まで冷却し氷晶を析出させる第1工程と、塔槽内を
    断熱状態で上から加熱して前記氷晶を融解し流下させる
    第2工程と、塔槽底から平均濃度が目的とする濃縮液の
    濃度である濃縮フラクションを分取する第3工程と,塔
    槽底から平均濃度が原液濃度に等しい中間フラクション
    を分取して次の操作の原液に混入する第4工程と、つい
    で塔槽内の残余の氷晶を融解し廃液として、又は固体の
    まま廃棄する第5工程を繰り返すことを特徴とする水溶
    液の凍結濃縮方法。
  2. 【請求項2】 原液中に2〜10容積%相当の炭酸ガス
    を吸収させた状態で、氷晶を析出させる事を特徴とする
    請求項1の水溶液の凍結濃縮方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003072216A1 (fr) * 2002-02-27 2003-09-04 Yoshihito Shirai Methode de production d'un concentre par congelation et decongelation, et appareil associe
JP2005296006A (ja) * 2004-03-18 2005-10-27 Mayekawa Mfg Co Ltd 多種濃度アルコール飲料の製造方法及び装置
JP2010162451A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Toyo Eng Works Ltd 溶液の凍結濃縮方法
CN112079710A (zh) * 2020-09-07 2020-12-15 河北鹏发化工有限公司 一种对甲酸水溶液进行浓缩制备高浓甲酸的方法

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