JP2002171907A - (z)−4−デセナールからなる茶飲料用添加剤 - Google Patents

(z)−4−デセナールからなる茶飲料用添加剤

Info

Publication number
JP2002171907A
JP2002171907A JP2000374029A JP2000374029A JP2002171907A JP 2002171907 A JP2002171907 A JP 2002171907A JP 2000374029 A JP2000374029 A JP 2000374029A JP 2000374029 A JP2000374029 A JP 2000374029A JP 2002171907 A JP2002171907 A JP 2002171907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tea
ppb
tea beverage
decenal
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000374029A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kumazawa
賢二 熊沢
Yasuhiro Harada
靖裕 原田
Izumi Nakamura
いずみ 中村
Hideki Masuda
秀樹 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ogawa and Co Ltd
Original Assignee
Ogawa and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ogawa and Co Ltd filed Critical Ogawa and Co Ltd
Priority to JP2000374029A priority Critical patent/JP2002171907A/ja
Publication of JP2002171907A publication Critical patent/JP2002171907A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 茶類が本来持つリーフィーでしっかりとした
コクのあるグリーン香を持った茶飲料を提供することを
目的とする。 【解決手段】 (Z)−4−デセナールを10-3〜10
3ppbの濃度添加した茶飲料用香味料組成物を茶飲料に添
加することにより、茶類が本来持つリーフィーでしっか
りとしたコクのあるグリーン香を持った茶飲料を得るこ
とができる。2−アミノアセトフェノン、2−メトキシ
−4−ビニルフェノール、5−オクタノライド、マルト
ール、メチオナールおよびβ−ダマスコンからなる群か
ら選ばれる1種または2種以上を添加することによりさ
らに上記の効果が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶類が本来持つリ
ーフィーでしっかりとしたコクのあるグリーン香をもつ
茶飲料用添加剤、該添加剤を添加した茶飲料用香味組成
物および該組成物を添加した茶飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】緑茶に代表される茶類は、日々の生活に
潤いを与え、日本人の生活にはなくてはならないもので
ある。最近では茶類の持つ抗酸化性が注目を集めてお
り、健康的な飲み物として、茶飲料は無糖飲料の代表的
なものとなってきている。しかしながら、従来の茶飲料
の持つ欠点としては、茶類が本来持っていた入立の馥郁
とした香りが消費者の手に渡る前に失われるという問題
点があった。この問題を解決する手段として、入立の茶
の香気を得るために、茶葉に短時間に蒸気を通ずる方法
(特開平8−116882)、酸化防止剤の存在下に茶
から香気成分を蒸留する方法(特開平8−73886)
等が提案されている。しかしながら、上記方法で得られ
た香気も経時的に劣化が進行し、問題の解決とはならな
かった。
【0003】茶飲料自体の香味を増強する手段として、
茶の香気は茶葉に存在するカロチン類の分解によるとの
考えから、茶飲料にカロチン類の熱分解物を加える方法
が提案されている(特公平7−99995)が、これに
より得られる香味は主として花香調であり、茶本来の持
つ香りではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、茶類が本来
持つリーフィーでしっかりとしたコクのあるグリーン香
を持った茶飲料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意検討した結果、微量の(Z)−4−
デセナールを茶飲料に添加することにより、茶類が本来
持つリーフィーでしっかりとしたコクのあるグリーン香
を持った茶飲料が得られることを発見し、本発明を完成
させた。
【0006】従って、本発明は(Z)−4−デセナール
よりなる茶飲料用添加剤からなる。さらに本発明は
(Z)−4−デセナールを10-3〜103ppbの濃度添加
したことを特徴とする茶飲料用香味料組成物からなる。
本発明はさらに(Z)−4−デセナールを10-5〜10
ppbの濃度添加したことを特徴とする茶飲料からなる。
またさらに本発明は、さらに2−アミノアセトフェノ
ン、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、5−オクタ
ノライド、マルトール、メチオナールおよびβ−ダマス
コンからなる群から選ばれる1種または2種以上を添加
したことを特徴とする茶飲料用香味料組成物または該茶
飲料用香味料組成物を添加した茶飲料からなる。
【0007】本発明で使用される(Z)−4−デセナー
ルは、リン脂質の酸化物や加熱したチキンなどから見い
だされており、快いシトラス、ミューゲ、橙花様香気を
もつ無色の液体であり、シトラスタイプの調合香料およ
びフレーバーに用いられることが知られている(合成香
料,印藤元一著,化学工業日報社,1996年3月6日)。
また(Z)−4−デセナールは、緑茶の揮発画分に含ま
れ、グリーンな香気を有することがJournal of Agricul
tural and Food Chemistry, Vol.4, Number 12, Pages
5169?5172に報告されている。しかしながら、(Z)−
4−デセナールを茶飲料に添加したときに茶類が本来持
つリーフィーでしっかりとしたコクのあるグリーン香を
もたらすことは知られていなかった。(Z)−4−デセ
ナールの香気は強く、水溶液中での閾値は10-4ppbと
され、100ppm以上の濃度ではシトラス/フローラル
な香調であるが、10-5〜10ppb、より好ましくは1
-4〜1ppb、更に好ましくは10-3〜10-1ppbの範囲
で茶飲料に含有されたときに限り、茶類が本来持つリー
フィでしっかりとしたコクのあるグリーン香を持った茶
飲料が得られる。含有量が10-5ppb未満であれば、他
のいかなる成分との相乗効果によってしても茶類が本来
持つリーフィでしっかりとしたコクのあるグリーン香は
得られず、含有量が10ppbを越えると、異臭として感
じられ茶飲料に適さない。したがって、(Z)−4−デ
セナールを香味料組成物の中に添加する場合は、当該香
味料を茶飲料中に1%添加するものとして、10-3〜1
3ppb、より好ましくは10-2〜102ppb、更に好まし
くは10-1〜10ppbの範囲で添加されなければならな
い。(Z)−4−デセナールは微量で使用されるため、
好ましくはエタノールやプロピレングリコール等の溶剤
の希釈液として、そのまま或いは他の香味料との併用で
用いられる。
【0008】本発明の茶飲料用添加剤が添加される茶飲
料の例としては、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉を
常法により熱水、温水または冷水で抽出して得られる茶
抽出液、茶の香味成分を適宜調合して得られる茶香味を
有する調合飲料などがあげられ、茶飲料用香味料組成物
の例としては、上記茶抽出液を蒸留して得られる茶溜出
液または茶の香味成分を調合して得られる添加用組成物
などがあげられる。調合に使用される茶の香味成分には
特に制限はなく、(Z)−3−へキセノール、β−イオ
ノン、ヘキサナール、リナロールオキシド、ヘキサノー
ル、オクタノール、ベンジルアルコール、(E)−2−
のネナール、リナロール等、公知の茶用香味成分が目的
に応じて適宜混合して用いられるが、最も好ましくは、
2−アミノアセトフェノン、2−メトキシ−4−ビニル
フェノール、5−オクタノライド、マルトール、β−ダ
マスコンおよびメチオナールからなる群から選ばれる1
種または2種以上とを組み合わせて用いられる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0010】実施例1 緑茶抽出液100重量部に対し、(Z)−4−デセナー
ルの100ppbエタノール溶液を0.1重量部加え、
(Z)−4−デセナールを0.1ppb含有する本発明の緑
茶飲料を得た。このものは緑茶が本来持つしっかりとし
コクのあるグリーン香を持ったものであった。
【0011】実施例2 緑茶抽出液を蒸留して得られた緑茶香味料100重量部
に対し、(Z)−4−デセナールの10ppbエタノール
溶液を0.1重量部加え、(Z)−4−デセナールを0.
01ppb含有する本発明の緑茶飲料用香味料を得た。こ
のものを緑茶抽出物100重量部に対し、1重量部添加
したところ、緑茶が本来持つしっかりとしたコクのある
グリーン香を持った緑茶飲料が得られた。
【0012】実施例3 表1のウーロン茶香味料組成物100重量部に、(Z)
−4−デセナールの10ppbエタノール溶液を5重量部
加え、(Z)−4−デセナールを0.5ppb含有する本発
明のウーロン茶飲料用香味料を得た。このものをウーロ
ン茶抽出物100重量部に対し、1重量部加え、(Z)
−4−デセナールを0.005ppb含有するウーロン茶飲
料を調製した。
【0013】
【表1】 表1 成 分 名 重量部 (Z)−3−へキセノール 0.01 オイゲノール 0.02 ゲラニオール 0.02 δ−デカラクトン 0.02 リナロール 0.04 メチル ジャスモネート 0.1 フェニルエチル アセテート 0.2 フェニルエチル アルコール 0.4 ジャスミンラクトン 2.0 インドール 0.02 95%アルコール 残量 水 400 1000
【0014】比較例1 表1のウーロン茶香味料組成物100重量部に、(Z)
−4−デセナールの1000ppmエタノール溶液を2重
量部加え、(Z)−4−デセナールを20ppm含有する
ウーロン茶飲料用香味料を得た。このものをウーロン茶
抽出物100重量部に対し、1重量部を加え、(Z)−
4−デセナールを200ppb含有するウーロン茶飲料を
調製した。
【0015】試験例 実施例3及び比較例1のウーロン茶飲料を、8名のパネ
ルで7段階評価を行い、その結果を表2に示した。
【0016】
【表2】
【0017】実施例4 緑茶抽出液を蒸留して得られた緑茶香味料100重量部
に対し、(Z)−4−デセナールの10ppbエタノール
溶液を0.1重量部、2−アミノアセトフェノンの10p
pbエタノール溶液を0.1重量部、2−メトキシ−4−
ビニルフェノールの10ppbエタノール溶液を0.1重量
部、5−オクタノライドの10ppbエタノール溶液を0.
1重量部、マルトールの10ppbエタノール溶液を0.1
重量部、メチオナールの0.1ppbエタノール溶液を0.
1重量部、β−ダマスコンの0.1ppbエタノール溶液を
0.1重量部それぞれ加え、(Z)−4−デセナールを
0.01ppb、2−アミノアセトフェノンを0.01ppb、
2−メトキシ−4−ビニルフェノールを0.01ppb、5
−オクタノライドを0.01ppb、マルトールを0.01p
pb、メチオナールを0.0001ppb、β−ダマスコンを
0.0001ppb含有する本発明の緑茶飲料用香味料を得
た。このものを緑茶抽出物100重量部に対し、1重量
部添加したところ、緑茶が本来持つしっかりとしたリー
フィでコクのあるグリーン香をもち、且つ馥郁とした香
ばしさと豊かなボディ感をもった緑茶飲料が得られた。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、茶類が本来持つリーフ
ィーなしっかりとしたコクのあるグリーン香を持った茶
飲料用香味料並びに当該香味を持った茶飲料を提供する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (Z)−4−デセナールからなる茶飲料
    用添加剤。
  2. 【請求項2】 (Z)−4−デセナールを10-3〜103
    ppbの濃度添加したことを特徴とする茶飲料用香味料組
    成物。
  3. 【請求項3】 (Z)−4−デセナールを10-5〜10p
    pbの濃度添加したことを特徴とする茶飲料。
  4. 【請求項4】 さらに2−アミノアセトフェノン、2−
    メトキシ−4−ビニルフェノール、5−オクタノライ
    ド、マルトール、メチオナールおよびβ−ダマスコンか
    らなる群から選ばれる1種または2種以上を添加したこ
    とを特徴とする請求項2記載の茶飲料用香味料組成物。
  5. 【請求項5】 2−アミノアセトフェノンの添加濃度が
    10-3〜103ppb、2−メトキシ−4−ビニルフェノー
    ルの添加濃度が10-3〜103ppb、5−オクタノライド
    の添加濃度が10-3〜103ppb、マルトールの添加濃度
    が10-3〜103ppb、メチオナールの添加濃度が10-5
    〜10ppb、およびβ−ダマスコンの添加濃度が10-5
    〜10ppbであることを特徴とする請求項4記載の茶飲
    料用香味料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の茶飲料用香味料組成物を
    0.1〜10%の濃度添加したことを特徴とする茶飲
    料。
JP2000374029A 2000-12-08 2000-12-08 (z)−4−デセナールからなる茶飲料用添加剤 Pending JP2002171907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000374029A JP2002171907A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 (z)−4−デセナールからなる茶飲料用添加剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000374029A JP2002171907A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 (z)−4−デセナールからなる茶飲料用添加剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002171907A true JP2002171907A (ja) 2002-06-18

Family

ID=18843306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000374029A Pending JP2002171907A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 (z)−4−デセナールからなる茶飲料用添加剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002171907A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123404A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Ogawa & Co Ltd ピーナッツ風味を有する飲食品の香味改善剤
JP2016015924A (ja) * 2014-07-09 2016-02-01 味の素ゼネラルフーヅ株式会社 茶飲料用組成物、茶飲料用組成物の製造方法、茶飲料の製造方法、及び茶飲料の風味改善方法
JP6807483B1 (ja) * 2019-12-27 2021-01-06 サントリーホールディングス株式会社 オフフレーバーが低減された緑茶飲料
WO2021132441A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01 サントリーホールディングス株式会社 オフフレーバーが低減された緑茶飲料
CN113755245A (zh) * 2021-09-08 2021-12-07 云南中烟工业有限责任公司 一种鳄梨香型香精及其制备方法和包含其的卷烟

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123404A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Ogawa & Co Ltd ピーナッツ風味を有する飲食品の香味改善剤
JP2016015924A (ja) * 2014-07-09 2016-02-01 味の素ゼネラルフーヅ株式会社 茶飲料用組成物、茶飲料用組成物の製造方法、茶飲料の製造方法、及び茶飲料の風味改善方法
JP6807483B1 (ja) * 2019-12-27 2021-01-06 サントリーホールディングス株式会社 オフフレーバーが低減された緑茶飲料
WO2021132441A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01 サントリーホールディングス株式会社 オフフレーバーが低減された緑茶飲料
JP2021106567A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 サントリーホールディングス株式会社 オフフレーバーが低減された緑茶飲料
CN113755245A (zh) * 2021-09-08 2021-12-07 云南中烟工业有限责任公司 一种鳄梨香型香精及其制备方法和包含其的卷烟
CN113755245B (zh) * 2021-09-08 2023-11-24 云南中烟工业有限责任公司 一种鳄梨香型香精及其制备方法和包含其的卷烟

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6619550B2 (ja) 柑橘系果実の香味を有する飲料
JP5544674B1 (ja) 乳化剤を使用したエッセンス香料及びその製造方法
CN112401293A (zh) 苦味抑制剂、应用、电子雾化液及其制备方法
JP2003261895A (ja) 香料組成物および該香料組成物を含有する茶飲料
JP2002171907A (ja) (z)−4−デセナールからなる茶飲料用添加剤
JP4510340B2 (ja) 呈味改善剤
JP6525492B2 (ja) ウーロン茶飲料及びその製造方法
JP2002171906A (ja) 3−メチルノナン−2,4−ジオンからなる茶飲料用添加剤
JP4771246B2 (ja) 香気・香味・香喫味付与組成物およびそれを添加した飲食物、香水、化粧品、または、たばこ
KR100886145B1 (ko) 인삼 또는 홍삼 제품의 고미의 제거방법
JP3026437B1 (ja) 4―メルカプト―2―ペンタノン化合物からなる茶飲料用添加剤
JP5738154B2 (ja) ミント風味香料組成物
JP6761139B1 (ja) オフフレーバーが低減された緑茶飲料
JP4521853B2 (ja) 乳飲料
JP5941510B2 (ja) アルコール飲料
JP3026436B1 (ja) 2―ブタンチオ―ル化合物からなる茶飲料用添加剤
JP3058165B1 (ja) オクタジエン―3―オンからなる茶飲料用添加剤
CN111269753A (zh) 一种香精、卷烟叶组配方及它们在烟草制品中的应用
CN110603245B (zh) 作为香精成分的烯基硫代碳酸酯
JP3238657B2 (ja) 食品とその製造方法
JP2020025521A (ja) 苦味抑制剤
JP2005204617A (ja) 香料組成物
JP3263356B2 (ja) 食品とその製造方法
JPH0132879B2 (ja)
CN118085960A (zh) 清雅风味香精、电子烟烟油及其制备方法、应用