JP2002170983A - 受光半導体デバイス - Google Patents

受光半導体デバイス

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JP2002170983A
JP2002170983A JP2000364055A JP2000364055A JP2002170983A JP 2002170983 A JP2002170983 A JP 2002170983A JP 2000364055 A JP2000364055 A JP 2000364055A JP 2000364055 A JP2000364055 A JP 2000364055A JP 2002170983 A JP2002170983 A JP 2002170983A
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Masayoshi Tsuji
正芳 辻
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長距離光通信に使用される1μm帯の受光素
子において、Si基板上に形成された低雑音特性・超高速
特性を有する素子を提供する。また、該受光素子と周辺
回路がSi単一基板上へ作製された安価な受光半導体デバ
イスを提供する。 【解決手段】 電子注入型の光吸収・増倍分離型のアバ
ランシェフォトダイオードであって、n型Si(100)基板1
上にn+型Siバッファ層2、ノンドープn-型Si増倍層
3、p+型Si電界緩和層11、p-型SixGe1-x組成傾斜障壁
緩和層12、p-型β-Fe((CyGe1-yxSi1-x)2光吸収層13
(0<x,y<1)、p+型Siキャップ層5、p+型Siコンタクト
層6が順次積層されている。電界緩和層11と障壁緩和層
12の何れか一方若しくは両方がなくてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信や光情報処
理、光計測等で用いられる受光半導体デバイスに関し、
特に、1.6 μm帯までの長波長信号光を検出することの
できる受光素子を備えた受光半導体デバイスに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、波長1〜1.6μm帯の光通信用半
導体受光素子として、InP基板上に格子整合したIn0.53G
a0.47As層(以下、InGaAs層と記す)を光吸収層とするP
IN型半導体受光素子(例えば、「光通信素子工学」、米
津著、工学図書株式会社刊、371頁 (1983) )、アバラ
ンシェ増倍型半導体受光素子(例えば、エレクトロニク
ス・レターズ(Electronics Letters) 20巻(1984)p
p.653-654)が知られている。特に後者は、アバランシ
ェ増倍作用による内部利得効果及び高速応答が得られる
素子として長距離通信用に実用化されている。
【0003】第10図は、典型的なInGaAs-APD(以下、ア
バランシェ増倍型半導体受光素子は適宜APDと略す)の
断面図である。同図に示すように、n型InP(100)基板31
上には、n型InPバッファ層32を介してn-型InGaAs光吸収
層33が形成されており、その上にn型InP増倍層34とn型I
nPキャップ層35が形成されている。n型InPキャップ層35
のガードリング36に囲まれた領域は、光が入射されるp+
型受光領域37になされている。半導体層の表面は、電極
のコンタクト部を除いてパッシベーション膜38に覆われ
ており、パッシベーション膜38上にはp+型受光領域37に
接触するp側電極39が形成されている。また、基板裏面
にはn側電極40が形成されている。この半導体受光素子
の動作原理は、InGaAs光吸収層33で生成された光キャリ
アのうち、正孔が電界によりInP増倍層34に注入され、
該増倍層には高電界が印加されているので、正孔が加速
され衝突イオン化により他の電子・正孔対を生成しアバ
ランシェ増倍が起こるというものである。
【0004】APDの素子特性上重要な雑音特性や高速特
性は、この増倍過程でのキャリアのランダムなイオン化
プロセスにより支配される。具体的には、増倍層での電
子及び正孔のイオン化率の比が大きくなるほど低雑音特
性が期待でき、またこのイオン化率比が大きいと所定の
増倍率を短時間で得ることができ、高速特性も得ること
ができる。ここで、電子のイオン化率αと正孔のイオン
化率βは、どちらが大きくてもよく、その差を示す比α
/β(またはβ/α)が大きい方がより好ましい。とこ
ろが、このイオン化率比は材料固有の値であり、上記In
GaAs-APDの増倍層であるInPでは高々2程度(=β/α)
しかない。一方、波長0.8μm帯で用いられるSi-APDで
は、Si増倍層のイオン化率比(α/β)は20〜50程度も
あり、十分な低雑音特性を有している。よって、波長1
〜1.6μm帯の長波長帯においても、イオン化率比を大
きく取れるAPDの出現が待たれていた。これに対し、近
年、増倍層に超格子構造や組成傾斜多重層を用いた超格
子APDやStaircase APDが研究報告されている。これらの
APDは、伝導帯不連続エネルギーを用いて、電子の衝突
イオン化を促進させ、イオン化率比を拡大することを目
的として作製されている。InAlAs/InAlGaAs超格子層を
増倍層に用いた超格子APDでは、利得帯域幅積120 GHzが
報告され、実用化可能なレベルに達している(例えば、
アイ・イー・イー・イーフォトニクステクノロジーレタ
ーズ(IEEE Photonics Technology Letters)5巻(199
3) pp.675-677)。また、InAlAs-InAlGaAs組成傾斜多
重層を増倍層に用いるStaircase APDにおいては、超格
子APDを上回るイオン化率比が報告されている(アプラ
イド・フィジックス・レターズ(Appl. Phys. Letter
s)65巻 (1994) pp.3248-3250)。
【0005】しかしながら、上記超格子APDやStaircase
APDのイオン化率比は5程度以下と報告されており、上
記短波長帯APDであるSi増倍層の20〜50には遠い及ばな
い。一方、近年、光デバイス材料として、鉄シリサイド
(β-FeSi2)が注目されている(例えば、2000年春季
第47回応用物理学関連連合講演会 講演予稿集 pp.65-
69)。このβ-FeSi2は、Siに近い格子定数を持ち、且
つ、バンドギャップ波長が1.46μm程度(直接遷移型)
であるため、Si基板上に光デバイスが形成できる可能性
を有しているからである。受光素子、特にアバランシェ
フォトダイオードを考えた場合、β-FeSi2を光吸収層と
し、Siを増倍層とした場合、上記Siの大きなイオン化率
比を利用することが出来るので、低雑音受光装置を形成
できる可能性がある(例えば、特開2000-261026号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、長波
長帯APDにおいて、β-FeSi2を光吸収層とし、Siを増倍
層とした場合、低雑音受光装置を形成できる可能性があ
る。しかしながら、β-FeSi2とSiの間には2.1%の格子不
整合があり、高電界を印加するAPDでは暗電流の激増が
予想され、十分なデバイス特性を得ることが出来ない。
また、光通信に用いられている波長帯は〜1.6μm程度ま
でであるが、β-FeSi2を光吸収層とした場合、バンドギ
ャップ波長が1.46μm程度であるため、長波側の光を受
光出来ないという問題がある。つまり、β-FeSi2をPIN
フォトダイオードやアバランシェフォトダイオードの光
吸収層として適用しても、光通信用受光素子としては、
デバイス特性も、受光波長域も不十分である。本発明の
課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであ
って、その目的は、1.46μm以上の波長の光をも検出す
ることのできる、高感度・低雑音のPINフォトダイオー
ドやAPDを有する受光半導体デバイスを提供できるよう
にすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によれば、半導体基板上に光吸収層を有する
受光素子が形成されている受光半導体デバイスにおい
て、前記光吸収層がβ-Fe(AxSi1-x)2(但し、0<x<1、A
は1種若しくは複数種のIV族元素)により形成されてい
ることを特徴とする受光半導体デバイス、が提供され
る。また、上記の目的を達成するため、本発明によれ
ば、半導体基板上に光吸収層と該光吸収層において生成
されたキャリアを増倍する増倍層とを有する受光素子が
形成されている受光半導体デバイスにおいて、前記光吸
収層がβ-Fe(AxSi1-x) 2(但し、0<x<1、Aは1種若しく
は複数種のIV族元素)により形成され、前記増倍層がSi
により形成されていることを特徴とする受光半導体デバ
イス、が提供される。そして、好ましくは、前記Aは、
C、Ge、CGeの中の何れかである。また、好ましくは、前
記半導体基板上には、前記受光素子より出力される信号
電流を処理する信号処理回路が形成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態の半導体受光素子を説明するためのそのバンド
構造図である。素子の主要部は、β-Fe(CxSi1-x)2光吸
収層(0<x<1)とSi増倍層からなる。光吸収層で吸収さ
れた光は、電子・正孔対を発生させ、そのうち電子のみ
が電界によりSi増倍層に注入される。そして、注入され
た電子は電界により加速され衝突イオン化を繰り返すこ
とによりアバランシェ増倍される。ここで、高電界が印
加されているSi増倍層が大きなイオン化率比を有してい
ることにより低雑音増倍特性を実現することが出来る。
β-Fe(CxSi1-x)2光吸収層(0<x<1 )のx組成比とSiと
の格子不整合の関係を図2に示す。図2から分かるよう
に、x組成の増加に伴い、Siと格子不整合が小さくな
り、格子整合するポイントがある。この近傍のx組成の
光吸収層を用いることにより、Si増倍層とのヘテロ界面
における格子不整合による結晶欠陥の誘発を防ぐことが
出来る。したがって、アバランシェフォドダイオードの
暗電流を低く抑さえることが出来、通信用光受光素子と
して適用するに好適なデバイス特性を実現できる。
【0009】図3は、本発明の第2の実施の形態の半導
体受光素子を説明するためのそのバンド構造図である。
素子の主要部は、β-Fe(GexSi1-x)2光吸収層(0<x<1)
とSi増倍層からなる。光吸収層で吸収された光は、電子
・正孔対を発生させ、そのうち電子のみが電界によりSi
増倍層に注入される。そして、電界により加速され衝突
イオン化を繰り返すことによりアバランシェ増倍され
る。ここで、高電界が印加されているSi増倍層では、そ
の大きなイオン化率比により低雑音増倍特性を実現する
ことが出来る。β-Fe(GexSi1-x)2光吸収層(0<x<1)の
x組成比とバンドギャップ波長との関係を図4に示す。
図4から分かるように、x組成の増加に伴い、バンドギ
ャップ波長が1.6μm以上に長波長化できる。この組成を
用いることで、光通信に用いられる1.6μm帯までの光を
受光できるようになる。
【0010】図5は、本発明の第3の実施の形態の半導
体受光素子を説明するためのそのバンド構造図である。
素子の主要部は、β-Fe((CyGe1-yxSi1-x)2光吸収層
(0<x,y<1)とSi増倍層、及び、両者の間に挿入されたS
i電界緩和層とSixGe1-x組成傾斜障壁緩和層(0<x≦1)か
らなる。光吸収層で吸収された光は、電子・正孔対を発
生させ、そのうち電子のみが電界によりSi増倍層に注入
される。そして、電界により加速され衝突イオン化を繰
り返すことによりアバランシェ増倍される。
【0011】ここで、電界緩和層は、増倍層と光吸収層
の電界強度制御する目的で、また、組成傾斜障壁緩和層
は、ヘテロ界面での伝導帯エネルギー差による電子のパ
イルアップを緩和する目的で挿入されている。これらを
経て、電子は、光吸収層から増倍層に導入される。高電
界が印加されているSi増倍層では、その大きなイオン化
率比により低雑音増倍特性を実現することが出来る。光
吸収層のβ-Fe((CyGe 1-yxSi1-x)2(0<x,y<1)は、x
及びy組成を適正な値とすると、Siと格子整合し、且
つ、バンドギャップ波長を1.6μmとすることが可能であ
る。これにより、上述のように、低暗電流、且つ、1.6
μm光の受光を両立できる超低雑音受光素子を実現でき
る。第3の実施の形態において導入された障壁緩和層と
電界緩和層は、第1、第2の実施の形態の受光素子に対
しても適用することができる。また、障壁緩和層と電界
緩和層の両方を形成するのではなく、何れか一方のみを
設けるようにしてもよい。また、障壁緩和層は組成が連
続的に変化するのではなく階段状に変化するものであっ
てもよい。
【0012】図6は、本発明の第4の実施の形態を示す
受光半導体デバイスの回路構成図である。受光素子21に
て発生した光電流は、プリアンプ22にて電圧信号に変換
されるとともに所定のレベルにまで増幅される。そし
て、スライスアンプ23にて増幅・波形成形された後、識
別回路24において信号の“0”、“1”の判定がなされ
る。その後、分離回路25において信号の分離が行われ
る。これらの回路は全て同一基板上に集積化される。受
光素子21は、上記第1〜第3の実施の形態のアバランシ
ェフォトダイオードまたは本発明に係るβ-Fe(AxSi1-x)
2(但し、0<x<1、Aは1種若しくは複数種のIV族元素)
により形成された光吸収層をもつPINフォトダイオード
である。この第4の実施の形態によれば、受光素子およ
びその出力信号の処理回路をすべてSi基板上に一括形成
することができ、小型・低コストの受光半導体デバイス
を実現できる。なお、第4の実施の形態はプリアンプ以
下分離回路までを全て同一基板上に集積化するものであ
るが、その内の一部のみ、例えばプリアンプのみあるい
はプリアンプから識別回路までであってもよい。あるい
は、分離回路以降の回路をも同一基板上に集積化するこ
ともできる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を参照
して詳細に説明する。図7は、本発明の第1の実施例で
あるアバランシェ増倍型受光素子の断面図である。この
受光素子は以下のようにして作製される。まず、n型Si
(100)基板1上に、MBE法を用いて成長温度700℃でn+
Siバッファ層2(n =2 x 1018 cm-3)を0.5μm厚に、
ノンドープn-型Si増倍層3(n = 1 x 1015 cm-3)を0.
3μm厚に成長させる。続いて、成長温度450℃でp型β-
Fe(CxSi1-x)2光吸収層4(0<x<1)(p =2 x 1017 c
m-3)を0.9μm厚に成長させ、700℃に昇温してp+型Si
キャップ層5(p = 1 x 1018 cm-3)を0.2μm厚に、そ
してp+型Siコンタクト層6(p = 5 x 1018 cm-3)を0.
2μm厚に順次成長させる。次に、そのまま900℃で1時
間アニールして、結晶品質を高める。
【0014】その後、量子効率低下を防ぐために、光入
射部(電極直下以外)のSiコンタクト層を除去し、エッ
チングにより素子領域をメサ状に加工した後、表面にSi
Nxパッシベーション膜7を150 nm厚に堆積する。コンタ
クト形成領域のSiNxパッシベーション膜7に窓開けを行
なった後、AuZnを200nm厚に堆積しこれをパターニング
して環状のp側電極8を形成する。そして、基板裏面に
Alを200nm厚に堆積してn側電極9を形成することによ
り、本実施例の受光素子の製作工程が完了する。
【0015】上記のように製作されたアバランシェ増幅
型半導体受光素子のバンド構造を図1に示す。この受光
素子に対して、波長1.3μmの光を入射して測定したとこ
ろ、実効イオン化率比(α/β比)50、最大帯域10GHz、
利得帯域幅積250GHz、量子効率70%の低雑音・超高速応
答特性を実現できたことが分かった。
【0016】図8は、本発明の第2の実施例であるアバ
ランシェ増倍型受光素子の断面図である。この受光素子
は以下のようにして作製される。第1の実施例での成膜
方法と同じ方法を用いて、n型Si(100)基板1上に、n+
型Siバッファ層2(n =2 x 10 18 cm-3)を0.5μm厚
に、ノンドープn-型Si増倍層3(n = 1 x 1015 cm-3
を0.3μm厚に、p型β-Fe(GexSi1-x)2光吸収層10(0<x<
1)(p =2 x 1017 cm-3)を0.9μm厚に、p+型Siキャ
ップ層5(p = 1 x 1018 cm-3)を0.2μm厚に、p +型S
iコンタクト層6(p = 5 x 1018 cm-3)を0.2μm厚に
順次成長させる。
【0017】そして、そのまま900℃で1時間アニールし
て、結晶品質を高める。その後、量子効率低下を防ぐた
めに、光入射部(電極直下以外)のSiコンタクト層を除
去し、エッチングにより素子領域をメサ状に加工した
後、表面にSiNxパッシベーション膜7を150 nm厚に堆積
する。コンタクト形成領域のSiNxパッシベーション膜7
に窓開けを行なった後、AuZnを200nm厚に堆積しこれを
パターニングして環状のp側電極8を形成する。そし
て、基板裏面にAlを200nm厚に堆積してn側電極9を形
成することにより、本実施例の受光素子の製作工程が完
了する。
【0018】上記のように製作されたアバランシェ増幅
型半導体受光素子のバンド構造を図3に示す。この受光
素子に対して、波長1.55μmの光を入射して測定したと
ころ、実効イオン化率比(α/β比)50、最大帯域10GH
z、利得帯域幅積230GHz、量子効率60%の低雑音・超高速
応答特性を実現できたことが分かった。
【0019】図9は、本発明の第3の実施例であるアバ
ランシェ増倍型受光素子の断面図である。この受光素子
は以下のようにして作製される。第1の実施例での成膜
方法と同じ方法を用いて、n型Si(100)基板1上にn+型S
iバッファ層2(n =2 x 1018cm-3)を0.5μm厚に、ノ
ンドープn-型Si増倍層3(n = 1 x 1015 cm-3)を0.3
μm厚に、p+型Si電界緩和層11(p = 1 x 1018 cm-3
を50 nm厚に、p-型SixGe 1-x組成傾斜障壁緩和層12(0<x
≦1)(p = 5 x 1016 cm-3)を0.1μm厚に、p-型β-Fe
((CyGe1-yxSi1-x)2光吸収層13(0<x,y<1)(p = 1 x
1016 cm-3)を0.9μm厚に、p+型Siキャップ層5(p
= 1 x 1018 cm-3)を0.2μm厚に、そしてp+型Siコン
タクト層6(p = 5 x 1018 cm-3)を0.2μm厚に順次成
長させる。
【0020】そして、そのまま900℃で1時間アニールし
て、結晶品質を高める。その後、量子効率低下を防ぐた
めに、光入射部(電極直下以外)のSiコンタクト層を除
去し、エッチングにより素子領域をメサ状に加工した
後、表面にSiNxパッシベーション膜7を150 nm厚に堆積
する。コンタクト形成領域のSiNxパッシベーション膜7
に窓開けを行なった後、AuZnを200nm厚に堆積しこれを
パターニングして環状のp側電極8を形成する。そし
て、基板裏面にAlを200nm厚に堆積してn側電極9を形
成することにより、本実施例の受光素子の製作工程が完
了する。
【0021】上記のように製作されたアバランシェ増幅
型半導体受光素子のバンド構造を図5に示す。この受光
素子に対して、波長1.55μmの光を入射して測定したと
ころ、実効イオン化率比(α/β比)50、最大帯域10GH
z、利得帯域幅積250GHz、量子効率70%の低雑音・超高速
応答特性を実現できたことが分かった。
【0022】以上、本発明の好ましい実施の形態、実施
例について説明したが本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適
宜の変化が可能なものである。例えば、実施例では受光
素子を表面入射型素子で説明したが、この構造に代え、
裏面入射素子、導波路型素子(端面入射素子)であって
もよい。導波路型素子である場合には導波路をメサスト
ライプ状に形成してもよい。また、実施例では、n側の
電極を基板裏面に形成していたが、基板上にn+型コンタ
クト層を形成しこのコンタクト層上にn側電極を形成す
るようにしてもよい。この場合には、基板としてp型基
板または半絶縁性基板を用いてもよい。さらに、素子上
層側の電極がn側電極、素子下層側の電極がp側電極と
なるように層構造を構成してもよい。また、実施例で
は、MBE法を用いて受光素子を形成する例について説明
したが、この結晶成長方法に代え、MOVPE法やGS-MBE法
等を用いてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による受光
半導体デバイスは、β-Fe(AxSi1-x)2(但し、AはIV族元
素)を光吸収層としたPIN型ないしアバランシェ型の受
光素子を有するものであるので、以下の効果を得ること
ができる。 光吸収層の格子定数を基板に整合させることができる
ので、格子不整合による暗電流を抑制することができ
る。 バンドギャップ波長が1.46μm以上の半導体を光吸収
層としイオン化率比の大きなSiを増倍層とすることがで
きるので、1.46μm帯以上においても用いることのでき
る高速で低雑音のアバランシェ型受光素子を得ることが
できる。 受光素子とその信号処理回路とを同一基板上に集積化
することで、1.46μm帯以上にも感度のある高速・低雑
音を受光素子を有する受光半導体デバイスを安価に提供
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態及び第1の実施例
を説明するためのバンド構造図。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を説明するため
の、β-Fe(CxSi1-x)2光吸収層(0<x<1 )のx組成比とS
iとの格子不整合の関係を示す図。
【図3】 本発明の第2の実施の形態及び第2の実施例
を説明するためのバンド構造図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態を説明するため
の、β-Fe(GexSi1-x)2光吸収層(0<x<1)のx組成比と
バンドギャップ波長との関係を示す図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態及び第3の実施例
を説明するためのバンド構造図。
【図6】 本発明の第4の実施の形態を示す受光半導体
デバイスの回路ブロック図。
【図7】 本発明の第1の実施例の断面図。
【図8】 本発明の第2の実施例の断面図。
【図9】 本発明の第3の実施例の断面図。
【図10】 従来のInGaAs APDの断面図。
【符号の説明】
1 n型Si(100)基板 2 n+型Siバッファ層 3 ノンドープn-型Si増倍層 4 p型β-Fe(CxSi1-x)2光吸収層) 5 p+型Siキャップ層 6 p+型Siコンタクト層 7 SiNxパッシベーション膜 8 p側電極 9 n側電極 10 p型β-Fe(GexSi1-x)2光吸収層 11 p+型Si電界緩和層 12 p-型SixGe1-x組成傾斜障壁緩和層 13 p-型β-Fe((CyGe1-yxSi1-x)2光吸収層 21 受光素子 22 プリアンプ 23 スライスアンプ 24 識別回路 25 分離回路 31 n型InP(100)基板 32 n型InPバッファ層 33 n-型InGaAs光吸収層 34 n型InP増倍層 35 n型InPキャップ層 36 ガードリング領域 37 p+型受光領域 38 パッシベーション膜 39 p側電極 40 n側電極

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に光吸収層を有する受光素
    子が形成されている受光半導体デバイスにおいて、前記
    光吸収層がβ-Fe(AxSi1-x)2(但し、0<x<1、Aは1種若
    しくは複数種のIV族元素)により形成されていることを
    特徴とする受光半導体デバイス。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に光吸収層と該光吸収層に
    おいて生成されたキャリアを増倍する増倍層とを有する
    受光素子が形成されている受光半導体デバイスにおい
    て、前記光吸収層がβ-Fe(AxSi1-x)2(但し、0<x<1、A
    は1種若しくは複数種のIV族元素)により形成され、前
    記増倍層がSiにより形成されていることを特徴とする受
    光半導体デバイス。
  3. 【請求項3】 前記増倍層と前記光吸収層との間に電界
    緩和層が挿入されていることを特徴とする請求項2記載
    の受光半導体デバイス。
  4. 【請求項4】 前記電界緩和層がSiにより形成されてい
    ることを特徴とする請求項3記載の受光半導体デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記増倍層と前記光吸収層との間、また
    は、前記電界緩和層と前記光吸収層との間に、組成が段
    階的若しくは連続的に変化する障壁緩和層が挿入されて
    いることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の受
    光半導体デバイス。
  6. 【請求項6】 前記障壁緩和層が、SixGe1-x(但し、0<
    x ≦1)の組成を有することを特徴とする請求項5記載の
    受光半導体デバイス。
  7. 【請求項7】 前記Aが、C、Ge、CGeの中の何れかであ
    ることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の受光
    半導体デバイス。
  8. 【請求項8】 前記受光素子の光吸収層を含む半導体層
    がメサ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜
    7の何れかに記載の受光半導体デバイス。
  9. 【請求項9】 前記受光素子の光吸収層を含む半導体層
    がメサストライプ状に形成され、前記受光素子には半導
    体基板に平行に光が入射されることを特徴とする請求項
    1〜7の何れかに記載の受光半導体デバイス。
  10. 【請求項10】 前記受光素子の一方の電極は、前記光
    吸収層上に形成された一導電型コンタクト層上に設けら
    れ、他方の電極は前記半導体基板の底面若しくは前記半
    導体基板の表面に形成された他導電型コンタクト層上に
    設けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れか
    に記載の受光半導体デバイス。
  11. 【請求項11】 前記半導体基板上には、前記受光素子
    より出力される信号電流を処理する信号処理回路が形成
    されていることを特徴とする請求項1〜10の何れかに
    記載の受光半導体デバイス。
  12. 【請求項12】 前記信号処理回路が、前記信号電流を
    電圧信号に変換するとともに該電圧信号を増幅する機能
    を有するプリアンプであることを特徴とする請求項11
    記載の受光半導体デバイス。
  13. 【請求項13】 前記信号処理回路が、前記信号電流を
    電圧信号に変換するとともに該電圧信号を増幅する機能
    を有するプリアンプと、該プリアンプの出力信号に基づ
    いて入力信号を識別する識別回路と、を含んでいること
    を特徴とする請求項11記載の受光半導体デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005135993A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光センサ
US7422919B2 (en) 2003-07-09 2008-09-09 Hitachi, Ltd. Avalanche photodiode
JP7422955B1 (ja) 2023-04-11 2024-01-26 三菱電機株式会社 半導体受光素子及び半導体受光素子の製造方法

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