JP2002170224A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2002170224A JP2000363662A JP2000363662A JP2002170224A JP 2002170224 A JP2002170224 A JP 2002170224A JP 2000363662 A JP2000363662 A JP 2000363662A JP 2000363662 A JP2000363662 A JP 2000363662A JP 2002170224 A JP2002170224 A JP 2002170224A
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Yoshiharu Kashiwakura
良晴 柏倉
Yoshifumi Ajishi
善史 安宍
Satoru Ikegami
哲 池上
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層、
磁性記録層、保護層が形成された3層以上の薄膜の積層
構造を有する磁気記録媒体において、磁気記録層を形成
するCo合金結晶粒子径を、他の特性を犠牲にすること
なく、より均一化し、磁気記録媒体のSNR特性を高め
る。 【解決手段】 非磁性下地層の2層化し、2層のうち下
地層の基板に近い側を純Cr層とするとともに、下地層
の磁気記録層に近い側をCr−Mo−Wの3元系合金層
とすることによって、下地層の上に形成されるCo合金
磁性記録層の結晶粒子径をより均一なものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器用記憶装
置などに使用される磁気記録媒体およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報社会の高度化に伴い、コンピ
ュータを始めとする情報機器用記憶装置への高記録密度
化の要求は、ますます高まっている。磁気記録装置にお
いても、情報を読み書きする磁気ヘッドの高性能化、お
よび情報が読み書きされる磁気記録媒体の高記録密度化
が進んでいる。
【0003】磁気記録媒体の高記録密度化のためには、
情報信号の記録再生を行う際の再生信号と媒体ノイズの
比率(SNR)を高める必要がある。
【0004】一般に、磁気記録媒体はアルミニウム合金
やガラスなど非磁性基板上に、非磁性下地層、情報が記
録される磁性記録層、磁気ヘッドとの摺動から磁性記録
層を保護するための保護層を、順次成膜することによ
り、製造される。前記非磁性下地層は、その上に成膜さ
れる前記磁性記録層の結晶配向性を制御するために、前
記基板上に設けられるものである。図1に、一般的な磁
気記録媒体の層構成模式図を示す。通常、NiPメッキ
付きアルミニウム合金やガラスなどの非磁性基板1の上
に設けられる下地層2の材料には、CrないしCr合金
薄膜が用いられる。また、その上に設けられる磁性記録
層3には、CoとCrの合金を主体とし、これに数種類
の元素を添加した磁性薄膜が、用いられる。そして、最
上層の保護層4には、カーボンを主体とする薄膜が使用
される。
【0005】この積層構造の成膜方法には、一般的に、
薄膜特性の制御が容易で、かつ高品質の薄膜が得られる
ことから、スパッタ法が用いられている。
【0006】スパッタ法により下地層2の上に形成され
る磁性記録層3は、微小なCo合金結晶粒の集合体から
成る。この磁性記録層3は、この結晶粒と同様に微小結
晶粒の集合体であるCrまたはCr合金下地層2との結
晶学的な整合性を保った成長を可能とするエピタキシャ
ル成長により形成される。磁性記録層は、一般に、C
o、CrおよびCoよりも大きな金属結合半径を有する
Pt、Taなどとの合金からなる。そのため、磁性記録
層に用いられるCo合金の格子定数は、純Coよりも大
きな値をとることが普通である。一方、かつての下地層
材料には結晶性の良さと安価さから純Crが用いられて
いたが、純Crの格子定数は磁性記録層に使用されるC
o合金の格子定数よりも小さく、そのため、エピタキシ
ャル成長を行う上で支障をきたす。そこで、近年では、
純Crに対してこのCrよりも金属結合半径が大きいM
o、W、V、Tiなどを添加してなる合金を下地層材料
に用い、それによって、格子定数を拡大させて、エピタ
キシャル成長性を向上させることが、主流となってい
る。さらに、特開平7−21543号公報などでは、下
地層をCrと2元Cr合金との積層構造とすることで、
結晶性とエピタキシャル性を両立させようとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現状では、より一層の
高記録密度化が進められる中、SNR向上の要求レベル
は高まっている。
【0008】前述の通り磁性記録層は微小なCo合金結
晶粒子の集合体で形成されている。磁性記録層により微
小な記録ビットを書き込むためには、磁性記録層のCo
合金結晶粒子はより微細かつ粒径が均一であることが好
ましい。それを実現するためには、磁性記録層の下層に
位置する下地薄膜を制御することが必要となる。
【0009】純Cr下地層を有する磁気記録媒体は微細
な結晶粒子を得やすいが、前述した格子間隔の差の問題
があるために、SNRを高めることができない。Cr合
金を下地層とする磁気記録媒体や、特開平7−2154
3号公報にあるようなCrと2元Cr合金との積層下地
層を有する磁気記録媒体では、結晶粒径は比較的小径化
することができるものの、粒径の均一性が不十分であ
り、SNR改善に限りがある。
【0010】したがって、本発明の課題は、磁気記録媒
体の磁気記録層を形成するCo合金結晶粒子径を、他の
特性を犠牲にすることなく、より均一化し、磁気記録媒
体のSNR特性を高めることのできる磁気記録媒体の新
規な層構成およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために、鋭意、実験、検討を重ねたとこ
ろ、非磁性下地層の2層化し、2層のうち下地層の基板
に近い側を純Cr層とするとともに、下地層の磁気記録
層に近い側をCr−Mo−Wの3元系合金層とすること
によって、下地層の上に形成されるCo合金磁性記録層
の結晶粒子径をより均一なものとすることができること
を、知見するに至った。
【0012】本発明は、係る知見に基づいてなされたも
ので、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性基板上にス
パッタリング法により少なくとも非磁性下地層、磁性記
録層が順次形成され、さらに継続してスパッタリング法
もしくはCVD法により保護層が形成された3層以上の
薄膜の積層構造を有する磁気記録媒体において、前記非
磁性下地層が組成の異なる2種類の非磁性金属膜の2層
積層構造を有し、前記基板に近い側の前記非磁性金属膜
が純Crからなるとともに、前記磁性記録層に近い側の
前記非磁性金属膜がCrとMoとWとの3元合金からな
ることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、非磁性基板上に、スパッタリング法により、少な
くとも純Cr下地層、CrとMoとWとの3元合金から
なるCr合金下地層、および磁性記録層を順次に形成
し、さらに継続してスパッタリング法もしくはCVD法
により保護層を形成して、高SNR特性を有する磁気記
録媒体を得ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、前述のように、非磁性
下地層の2層化し、2層のうち下地層の基板に近い側を
純Cr層とするとともに、下地層の磁気記録層に近い側
をCr−Mo−Wの3元系合金層とすることによって、
下地層の上に形成されるCo合金磁性記録層の結晶粒子
径をより均一なものとすることを特徴とするものであ
る。
【0015】本発明では、2層積層構造を有する前記非
磁性下地層のうち前記基板に近い側の純Cr層の膜厚が
該非磁性下地層の総膜厚の20%以上80%以下である
とともに、前記非磁性下地層の総膜厚が20nm以下で
あることが、好ましい。
【0016】また、本発明では、前記磁性記録層に近い
側の前記Cr−Mo−W3元合金膜の組成が、下記の条
件; Cr:100−Mo%−W% Mo+W:5at%以上30at%以下 Mo:4at%以上29at%以下 W:1at%以上15at%以下 を満足していることが、好ましい。
【0017】本発明では、10Gbit/in2以上の
記録密度を得るためには、結晶粒径は12nm以下であ
ることが好ましく、それを満足する条件として下地膜の
総膜厚は20nm以下であることが好ましい。
【0018】また、本発明では、Co−Mo−W合金の
組成範囲については、格子定数の調整効果が認められる
組成を下限とし、Cr母相の結晶性が劣化する組成を上
限としたことから、Mo+Wを5at%以上30at%
以下とした。MoとWとの組成組合せは使用される磁気
記録層材料の格子定数に合わせて適宜選択することが好
ましい。ただし、W添加量が15%を超えると、結晶粒
径の肥大化が生じるため、W組成は15%以下に限定し
た。また、常にCr、Mo、Wが共存している必要があ
り、前述の組成に限定されることが好ましい。
【0019】本発明では、微細・均一な下地層構造を実
現することにより、この下地層の上に形成される結晶粒
径を微細かつ均一にすることを特徴とするものである。
下地層の結晶粒子の微細化・均一化は、その上層に形成
される膜種・成膜条件等に影響されない。したがって、
下地層と磁性記録層との間にエピタキシャル成長が認め
られる限りにおいて、本発明による結晶粒径の微細化、
均一化の効果は有効であり、そのため、本発明では、特
に磁性記録層材料の組成や構成は制限されない。
【0020】また、磁気記録密度の向上などの高品質化
を目的として、非磁性下地層と磁性記録層との間に中間
層と呼ばれる非磁性または磁性Co合金層を挿入する場
合があるが、この場合においても下地層−中間層−磁性
層間にエピタキシャル成長が成立していれば、本発明に
よる結晶粒径の微細化・均一化の効果は有効である。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0022】図2に、実施例の磁気記録媒体の断面図を
示した。
【0023】本実施例の磁気記録媒体は、円周方向にテ
クスチャー加工が施されたNi−Pメッキ層を有するア
ルミ合金基板10上に、純Cr下地層11、Cr合金下
地層12、Co合金磁性記録13層、およびカーボン保
護層14が、順次にDCマグネトロンスパッタ法により
成膜されてなる。Co合金磁性層13の組成は、Co−
24Cr−10Pt−2B(at%)とした。ターゲッ
ト組成と成膜される薄膜の組成はほぼ等しいことが確認
されている。
【0024】基板10の外形は、外周φ95mm−内周
φ25mmのドーナツ状で、厚さ1.0mmである。カ
ーボン保護層14の膜厚は8nmとした。
【0025】スパッタ時のアルゴン圧力は5mTorr
一定とした。スパッタ成膜前には、純Cr下地層11成
膜直前の基板温度が約250℃になるように、基板10
の加熱を行った。
【0026】表1に、実施例を含む5種類の磁気記録媒
体のCo磁性記録層の結晶粒径と粒径分散測定結果を示
す。比較例として下地層構成が異なる4種類の磁気記録
媒体についての測定値も記載した。下地層の合計膜厚は
18nm一定とした。粒径および粒径分散はTEM像を
元にして求めた。
【0027】純Cr下地層を有する比較例1では、5つ
の磁気記録媒体中、最小の結晶粒径と粒径分散を示して
いる。従来の磁気記録媒体に相当するCrMo合金単層
を下地層とする比較例2および純CrとCrMo合金と
の積層膜を下地層とする比較例3では、粒径、粒径分散
がほぼ同等の数値である。CoMoW合金単層を下地層
とする比較例4では、粒径分散は比較例2、3と同等で
あるが、粒径の数値がこれらより大きく、より微小な記
録ビットを形成することは困難であることが予想され
る。
【0028】これに対して、純CrとCrMoWとの積
層膜を下地層とする実施例では、結晶粒径は比較例2、
3と同等であり、粒径分散は約15%小さな値を示して
いる。このことから、実施例の積層構造では、良好なS
NR値を有することが予想される。
【0029】
【表1】
【0030】図3に、純Cr/Cr合金2層積層の下地
膜を有する磁気記録媒体について、純Cr膜厚とCr合
金膜厚との比率を変えた時のSNR値の変化を示した。
【0031】純Cr膜とCr合金膜の合計膜厚は18n
m一定とした。SNR測定にはスピンスタンドタイプの
テスターを使用した。測定ヘッドはGMRヘッド、線密
度は308kfciとした。純CrとCr合金の膜厚比
は、それぞれの成膜時に投入電力を変えることにより制
御した。純Cr、Cr合金の投入電力以外の成膜条件は
すべてのサンプルで共通である。磁性層の膜厚は、作成
された磁気記録媒体が有する残留磁化・磁性層膜厚積
(Mrt)が0.45memu/cm2になるように調
節し、その値は17nm〜20nmの範囲である。Mr
tを一定にした理由は、Mrtの変化がR/W特性に影
響を与えるために本実施例による効果が判断しにくくな
り、これを回避するためである。
【0032】純CrとCr−20Moとの積層下地層を
有する磁気記録媒体および純CrとCr−15Mo−5
Wとの積層下地層を有する磁気記録媒体ともに、下地層
を積層構造とすることで、それぞれ、単層時(グラフの
左端および右端の点)よりも、SNR値が増加してい
る。得られるSNR値は、Cr−CrMoWの方がCr
−CrMoよりも大きな値となっており、CrMoWを
用いた方が、下地層の積層化によるSNR改善効果がよ
り大きいことが分かる。従来の磁気記録媒体であるCr
−20Mo単層下地層を有する磁気記録媒体(グラフ中
◇ラインの左端の点)をリファレンス(以下、ref)
とすれば、refよりも高いSNR値が得られる下地膜
厚比の範囲は、CrMoWを用いた場合の方がCrMo
を用いた場合より広く、ここからも積層下地層としては
Cr−CrMoよりもCrとCrMoWとの組み合わせ
の方が優れていることが判断できる。これは、前述した
純CrとCrMoWとの積層化による結晶粒径の均一化
効果によるものである。本発明における純CrとCrM
oWとの比率は、refよりも大きなSNR値を示す範
囲とし、純Crの比率を20%以上80%以下とした。
表1において最小の結晶粒径と粒径分散を示した純Cr
単層下地層を有する磁気記録媒体は、全サンプル中もっ
とも劣るSNR値を示している(グラフ中の右端の
点)。これは、前述のように純Crの格子間隔がCo合
金磁性層の格子間隔よりも小さいためにエピタキシャル
成長性に劣り、Co合金磁性層の結晶性が劣化すること
によるものである。
【0033】表2に、下地膜厚を薄くしたときのSNR
値および記録密度の目安となるPw50値の変化を示し
た。このPw50値とは、R/W測定における孤立再生
出力波形の半値幅で、磁化反転遷移幅の目安になる数値
であり、この値がより小さいほど、記録密度は高くな
る。磁化反転遷移幅が狭いほど、記録密度を高めた時の
再生信号同士の干渉が少なくなり、高記録密度への対応
が可能となる。また、積層下地層を有する磁気記録媒体
(比較例7、8、実施例2、3)の純Cr膜厚とCr合
金膜厚との比率は、Cr:Cr合金=25:75とし
た。
【0034】Cr−Mo単層下地層を有する磁気記録媒
体(比較例5、6)では、下地膜厚を18nmから1
3.5nmに減じることによって、SNR、Pw50値
ともに改善傾向にあるが、その幅はわずかである。積層
下地層を有する磁気記録媒体(比較例7、8)では、下
地膜の薄膜化によってむしろSNRが劣化している。一
般に、下地膜厚が薄いほど結晶粒径は微細化されて、S
NR値やPw50値は改善されることが知られている。
しかし、その一方で、薄膜化を行うことでCrおよびC
r合金膜の結晶性が悪くなり、このことによるSNR、
Pw50値の劣化が生じることにもなる。すなわち、下
地膜厚の減少にともなうSNR、Pw50値の変化は、
結晶微細化と結晶性劣化のバランスの上に生じている。
このバランスにおいて、CrMo単層下地層を有する磁
気記録媒体および純CrとCr−Moの積層下地層を有
する磁気記録媒体では、下地薄層化によるSNR、Pw
50値の改善が十分に行えないと、考えられる。
【0035】これに対して、CrMoW単層下地層を有
する磁気記録媒体(比較例9、10)および実施例であ
る純CrとCrMoWとの積層下地層を有する磁気記録
媒体(実施例2、3)では、下地膜厚を18nmから1
3.5nmに減じることによって、SNRが0.7〜
0.9dB、Pw50値が0.2nsecの改善効果が
認められている。これは、CrMoWは薄膜化しても結
晶性の劣化が穏やかであり、それ以上に薄膜化による結
晶微細化の効果が顕著になるためであると、考えられ
る。このことから、CrMoWを下地膜に使用すること
で、結晶性を大きく劣化させることなく、下地膜をより
薄膜化することが可能となり、微細な結晶粒子を有し、
SNR、Pw50値に優れた磁気記録媒体を得ることが
可能となる。また、比較例10と実施例3との比較か
ら、下地層が薄層化された場合においても、純CrとC
rMoWとの積層化は、SNR改善に有効であることが
分かる。
【0036】
【表2】
【0037】以上説明したように、純Cr膜とCrMo
W膜との積層下地膜を有する本発明の磁気記録媒体は、
Co結晶粒径を均一化することによって、SNR値を改
善することができる。さらに、結晶性を劣化することな
く下地膜厚の薄膜化を行うことが可能であり、これによ
り、微細な結晶粒径を実現し、SNRを改善することが
可能である。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明は、磁気記録媒体
の非磁性下地層の2層化を行い、基板に近い側を純Cr
層、磁気記録層に近い側をCr−Mo−Wの3元系合金
とし、両薄膜の膜厚比およびCrMoW組成を適正な範
囲に限定することによって、その上に形成されるCo合
金記録層の結晶粒子径をより均一なものとし、SNR特
性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的な磁気記録媒体の積層構造を示す
断面図である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体の一実施例を示す断
面図である。
【図3】本発明の実施例を説明するもので、純Cr層と
Cr合金層との膜厚比率を変化させたときの磁気記録媒
体のSNR特性変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 Cr合金下地層 3 Co合金磁性記録層 4 保護層 10 基板 11 純Cr下地層 12 Cr合金下地層 13 Co合金磁性記録層 14 保護層
フロントページの続き (72)発明者 池上 哲 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5D006 CA01 CA06 DA03 EA03 FA09 5D112 AA03 BD04 FA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上にスパッタリング法により
    少なくとも非磁性下地層、磁性記録層が順次形成され、
    さらに継続してスパッタリング法もしくはCVD法によ
    り保護層が形成された3層以上の薄膜の積層構造を有す
    る磁気記録媒体において、 前記非磁性下地層が組成の異なる2種類の非磁性金属膜
    の2層積層構造を有し、前記基板に近い側の前記非磁性
    金属膜が純Crからなるとともに、前記磁性記録層に近
    い側の前記非磁性金属膜がCrとMoとWとの3元合金
    からなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 2層積層構造を有する前記非磁性下地層
    のうち前記基板に近い側の純Cr層の膜厚が該非磁性下
    地層の総膜厚の20%以上80%以下であるとともに、
    前記非磁性下地層の総膜厚が20nm以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性記録層に近い側の前記Cr−M
    o−W3元合金膜の組成が、下記の条件; Cr:100−Mo%−W% Mo+W:5at%以上30at%以下 Mo:4at%以上29at%以下 W:1at%以上15at%以下 を満足していることを特徴とする請求項1に記載の磁気
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性基板上に、スパッタリング法によ
    り、少なくとも純Cr下地層、CrとMoとWとの3元
    合金からなるCr合金下地層、および磁性記録層を順次
    に形成し、さらに継続してスパッタリング法もしくはC
    VD法により保護層を形成して、高SNR特性を有する
    磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板に近い側の純Cr下地層の膜厚
    が純Cr下地層とCr合金下地層との合計膜厚の20%
    以上80%以下とするとともに、前記合計膜厚を20n
    m以下とすることを特徴とする請求項4に記載の磁気記
    録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記磁性記録層に近い側の前記Cr−M
    o−W3元合金下地層の組成を、下記の条件; Cr:100−Mo%−W% Mo+W:5at%以上30at%以下 Mo:4at%以上29at%以下 W:1at%以上15at%以下 を満足させることを特徴とする請求項4に記載の磁気記
    録媒体の製造方法。
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