JP2001256632A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001256632A
JP2001256632A JP2000069294A JP2000069294A JP2001256632A JP 2001256632 A JP2001256632 A JP 2001256632A JP 2000069294 A JP2000069294 A JP 2000069294A JP 2000069294 A JP2000069294 A JP 2000069294A JP 2001256632 A JP2001256632 A JP 2001256632A
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JP2000069294A
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Yoshiharu Kashiwakura
良晴 柏倉
Manabu Shimozato
学 下里
Nantetsu Cho
南哲 趙
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保磁力およびSNRなどの磁性特性のバラン
スを改善し、記録密度の改善された磁気記録媒体の提
供。 【解決手段】 非磁性基体上に非磁性下地層、磁性記録
層、および保護層が形成された3層以上の薄膜の積層構
造を有し、該磁性記録層が異なる組成の第一の磁性記録
層と第二の磁性記録層との2層より構成されており、該
第一の磁性記録層は非磁性基体に近い側に形成され、少
なくともCo、Cr、Pt、およびTaを含有してお
り、該第二の磁性記録層は非磁性基体に遠い側に形成さ
れて、少なくともCo、Cr、Pt、およびBを含有し
ている磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピューターな
どの情報機器用記憶装置などに使用される磁気記録媒
体、特に記録密度が改善された磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】情報産業の著しい成長に伴い、コンピュ
ータを始めとする情報機器用記憶装置への高記憶密度化
の要求はより一層高まっている。磁気記録装置において
も、情報を読み書きする磁気ヘッドの高度化、および情
報が読み書きされる磁気記録媒体の高記録密度化が進ん
でいる。
【0003】磁気記録媒体の高記録密度化のためには、
磁気記録媒体の磁気特性のひとつである保磁力、および
実際に情報信号の記録再生を行う際の再生信号と媒体ノ
イズの比率SNRを高める必要がある。
【0004】図1に一般的な磁気記録媒体の層構成模式
図を示す。図1に示すように、一般に磁気記録媒体はア
ルミニウム合金やガラスなどの非磁性基体1上に、非磁
性下地層2が形成されており、この非磁性下地層2はそ
の上に成膜される磁性記録層3の結晶配向性を制御する
ためのものである。該非磁性下地層2の上に、情報が記
録される磁性記録層3、磁気ヘッドとの摺動から磁性記
録層3を保護するための保護層4を順次成膜することに
より磁気記録媒体は製造される。通常、下地層材料には
CrまたはCr合金薄膜、磁性記録層にはCoとCrの
合金を主体とし、これに数種類の元素を添加した磁性薄
膜、保護層にはカーボンを主体とする薄膜が使用され
る。
【0005】成膜方法には、薄膜特性の制御が容易で、
かつ高品質の薄膜が得られることから、一般にスパッタ
法が用いられる。スパッタ法によって成膜されたCo合
金層は、直径数十nmレベルの微小なCo合金結晶粒子
の集合からなる。それぞれのCo粒子は中心部分にCo
が存在し、これをCrが取り囲んだ偏析構造を取る。非
磁性のCrによってCoが囲まれることにより、隣り合
ったCo粒子間の磁気的相互作用が弱まる。そのためよ
り細かい記録ビットを書き込むことが可能となり、かつ
信号再生に発生する媒体ノイズが減少し、記録密度を高
める一因となる。
【0006】Co粒子の偏析構造を促進するための方法
はいくつか提案されており、例えば、日本特開平4−2
21418号および日本特開平5−189738号に記
載されているようにその一つとして磁性層の組成を適宜
選択する方法が挙げられる。これらには、Co合金磁性
層に数at%のBを添加することにより保磁力およびS
NRの向上を図っている。これは、添加されたBがCo
合金中のCrと結合し、生じた化合物が粒界に偏析する
ことによって偏析構造の形成が促進される事に起因して
いると理解されている。よって、Bの添加によるSNR
向上を図る際には、Bと結合しやすい元素を極力排する
ことが望ましい。Co、Cr、Pt、およびBからなる
4元磁性層は、Bの添加によるSNR向上効果が得られ
やすく、Ptを添加することにより、媒体特性のひとつ
である保磁力(記録密度を向上するためにより高い値が
求められる)の増加が図られており、記録密度向上のた
めに有効な合金系であると考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、さらなる高記
録密度化が進められる中、保磁力の増加およびSNR向
上の要求レベルは高まっている。
【0008】上述した従来技術では、Co−Cr−Pt
−B磁性層がCr下地層上にエピタキシャル成長を行う
ことで結晶性、磁気配向性が高められ高いSNR値を示
すことになる。そのためには、Co−Cr−Pt−B磁
性層とCr下地層の結晶格子間隔が同等であることが必
要となる。しかし両者の間には数%のずれがあり、この
ずれがSNRの低下を起こしていると考えられる。
【0009】格子間隔のずれによるSNR低下分を補う
方法として、磁性層中のCr添加量を増加すること、C
r下地層の膜厚を減ずることにより結晶粒径を微細化す
ること、Hk(異方性磁界)が大きいため媒体ノイズ源
となるPtの添加量を減らすことなどの方法が考えられ
る。しかし、これらの方法はいずれも保磁力の低下を伴
うものである。前述のように、記録密度を向上させるた
めに保磁力はより大きな値を持つことが好ましい。その
ため、これらの方法でSNRを向上させても最終的な目
的である記録密度の向上は逆行することになる。
【0010】保磁力を高めるためには、磁性記録層の磁
性合金に異方性磁界(Hk)を増大させるための元素、
主にPtを添加すること、磁性合金中のCr添加量を減
らすこと、または下地層の膜厚を厚くすることによって
その上に成膜される磁性記録層の磁気的な面内配向性を
高めることなどが行われている。
【0011】ところが、一般にPtを添加することでH
kを高めた磁性記録層は、上述したように、同時に媒体
のノイズが高くなる欠点を有している。そのため多量の
Ptを添加することにより高い保磁力が得られても、再
生信号に混在する媒体ノイズが高まってしまい、再生信
号と媒体ノイズの比率であるSNR(Single to Noise
ratio)が減少してしまう。SNRが小さい磁気記録媒
体はとくに記録ビットを小さくした場合に記録信号の再
生が困難となり、高記録密度化には不利である。コスト
的にも高価なPtを多量に添加することは好ましいこと
ではなく、Pt添加による保磁力増加には限界がある。
【0012】また、磁性記録層中のCr添加量を減少す
ることで保磁力を高める方法は、媒体ノイズの増加など
媒体特性を劣化させることにつながる。その理由は、C
o磁性記録層に添加されたCrはCo粒子の磁気的相互
作用を減少させるために必要不可欠であるからである。
そのため、磁性記録層中へのCr添加量は年々増加する
傾向にある。
【0013】さらに、Cr下地層の膜厚を増加させる
と、高記録密度を得るうえで好ましくない。Cr下地層
はCo合金磁性層同様、微小結晶粒子の集合体である。
その大きさはCr層の膜厚が増加するに従って増大し、
その上に形成されるCo層中のCo結晶粒子の大きさも
増大する。記録密度を向上させるためにはより小さな記
録ビットを形成する必要があり、そのためには信号を記
録されるCo結晶粒子はより微細であることが要求され
る。
【0014】以上のように、従来の保磁力を増加させる
方法では、同時にSNRの劣化を招き、またSNRを向
上させても最終的な目的である記録密度の向上には逆行
することになる。
【0015】本発明は、保磁力およびSNRなどの他の
磁気特性のバランスを考え、記録密度の向上を達成しよ
うとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の磁気記録媒体は、非磁性基体上に非磁性下地
層、磁性記録層、および保護層が形成された3層以上の
薄膜の積層構造を有しており、前述の磁性記録層が異な
る組成の第一の磁性記録層と第二の磁性記録層との2層
より構成されており、該第一の磁性記録層は非磁性基体
に近い側に形成され、少なくともCo、Cr、Pt、お
よびTaを含有しており、該第二の磁性記録層は非磁性
基体に遠い側に形成され、少なくともCo、Cr、P
t、およびBを含有している。
【0017】ここで、第一の磁性記録層は、Co≧55
at%、18at%≦Cr≦25at%、2at%≦P
t≦12at%、および0at%<Ta≦6at%を含
有していること、および第二の磁性記録層は、Co≧5
5at%、18at%≦Cr≦25at%、2at%≦
Pt≦12at%、および0at%<B≦6at%を含
有していることが好ましい。
【0018】また、第一の磁性記録層が、磁性記録層の
合計膜厚の80%以下の膜厚を有することが好ましい。
【0019】さらに、その所望する磁気特性に応じて、
第一の磁性記録層が、磁性記録層の合計膜厚の20%未
満の膜厚を有する、または20%以上80%以下の膜厚
を有することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。
【0021】図2に本発明の一例である磁気記録媒体の
断面略図を示す。図2に示す磁気記録媒体は、非磁性基
体1上に、非磁性下地層2、磁性記録層3、および保護
層4を順次形成した積層構造であり、磁性記録層3は、
基体側から第一の磁性記録層5、および第二の磁性記録
層6の異なる組成の2層より形成されている。
【0022】非磁性基体1としては、NiPメッキが施
されたアルミ合金など慣用のものが用いられる。下地層
2としては、Cr合金など慣用のものが用いることがで
き、その厚さは第一の磁性記録層および第二の磁性記録
層のそれぞれの組成および膜厚比率により変化させるこ
とができるが、好ましくは5〜30nmである。
【0023】第一の磁性記録層5は、少なくともCo、
Cr、Pt、およびTaが含まれる。これらの組成は、
Co≧55at%、18at%≦Cr≦25at%、2
at%≦Pt≦12at%、および0at%<Ta≦6
at%を含有する。Co量は実際に信号を読み書きする
ときの読み出し出力に影響を与えるのに最低限必要な組
成範囲である。Cr量は、SNRを維持するために最低
限必要な組成であり、保磁力を維持することのできる組
成範囲である。Pt量は保磁力が増加するのに最低限必
要な組成であり、SNRが許容することのできる組成範
囲である。Ta量は磁性記録層中のCrがCo粒子の粒
界に偏析することを促進するのに最低限必要な組成であ
り、Coの結晶構造を乱さない組成範囲である。
【0024】また、例えばCo−24Cr−10Ptお
よびCo−15Cr−5Taを第一の磁性記録層として
用いても、SNRの増加およびHcの増加は認められな
いことより、第一の磁性記録層には、少なくともCo、
Cr、Pt、Taを含む合金であることが必要であると
考えられる。
【0025】第二の磁性記録層6は、少なくともCo、
Cr、Pt、およびBが含まれる。これらの組成は、C
o≧55at%、18at%≦Cr≦25at%、2a
t%≦Pt≦12at%、および0at%<B≦6at
%を含有する。Co、Cr、およびPtについては上述
した第一の磁性記録層5の場合と同様の理由で範囲を特
定している。また、Bについては上述した第一の磁性記
録層5のTaと同様の理由で範囲を特定している。
【0026】例えばCo−19Cr−4Ta−4Pt、
Co−15Cr−5Taの場合には、第一の磁性記録層
5の組成によらず、Hcの増加が認められず、第二の磁
性記録層6は少なくともCo、Cr、Pt、およびBを
含む合金であることが好ましい。
【0027】本発明の磁気記録媒体中の第一の磁性記録
層5の膜厚は、第一の磁性記録層と第二の磁性記録層6
とを合計した磁性記録層3全体の厚さの80%以下であ
ることにより、保磁力およびSNRの向上を図ることが
できる。さらに、第一の磁性記録層5の膜厚が磁性記録
層3全体の厚さの20%〜80%の場合は、特に保磁力
が大きく増加するためCr下地層の膜厚をはじめとする
磁気記録媒体の製造条件にマージンが生じる。これを利
用することによって、Cr下地層の膜厚を調節したり、
成膜条件を調節することなどによって、SNRなどの磁
気記録媒体の諸特性を改善することが可能となる。
【0028】また、第一の磁性記録層5の膜厚が磁性記
録層3全体の厚さの20%未満のときは、20%〜80
%の膜厚の場合ほど大きな保磁力の増加はみられない
が、保磁力の増加とともに好ましいSNR値の大きな向
上を得ることができる。
【0029】磁性記録層3全体の厚さは所望する磁気特
性に応じて変えることが可能であるが、好ましくは10
〜30nmである。
【0030】磁性記録層3の上の保護層4は、カーボン
などの従来のものを用いることができる。
【0031】このように、磁性記録層が第一の磁性記録
層5と第二の磁性記録層6との2層からなり、各磁性記
録層が上述したような組成を有し、上述したような膜厚
比率を有する本発明の磁気記録媒体は、保磁力およびS
NRを高めることにより、記録密度の改善をすることが
可能となる。
【0032】さらに、従来の磁気記録媒体では、SNR
を改善するように、磁性記録層とCr下地層との間に、
CoCr合金系非磁性層を設けることがある。本発明に
おいても、同様に例えばCo−40Cr、Co−45C
r、Co−40Cr−2W、Co−42Cr−2Moの
ような非磁性のCoCr系合金層を第一の磁性記録層5
と非磁性のCr下地層2との間に設けた場合でも、同様
に保磁力・SNR増加効果があることが確認されてい
る。つまり、非磁性CoCr系合金層を設けた構造にお
いても、磁性層を本発明のように二層化することは有効
である。
【0033】以下本発明について実施例を用いて具体的
に説明する。
【0034】(実施例)実施例1 円周方向にテクスチャー加工が施されたNi−Pメッキ
層を有するアルミ合金基板(外周φ95mm−内周φ2
5mmのドーナツ状で、厚さ0.8mm)を非磁性基板
1として複数枚用意し、下地層2を成膜する直前の各基
板温度が約250℃になるように加熱を行った。これら
の非磁性基板1の上に、それぞれ膜厚20nmのCr−
20Mo(at%)の組成のCr合金下地層2を設け
た。
【0035】次いで、このCr合金下地層2の上に、C
o−20Cr−8Pt−3Ta(at%)(以下CCP
T)の組成のCo合金磁性記録層を第一の磁性記録層5
(以下Co1)として形成し、その上に、Co−24C
r−10Pt−4B(at%)(以下CCPB)の組成
のCo合金磁性記録層を第二の磁性記録層6(以下Co
2)として形成した。
【0036】このときCo1およびCo2の膜厚比を、
Co1およびCo2の成膜時の投入電力を変えることに
よって制御し、Co1とCo2の膜厚比率を変えて磁気
記録媒体を製造した。ここで、Co1およびCo2の合
計膜厚は、作製された磁気記録媒体が有する残留磁化・
磁性層膜厚積(Mrt)が0.45menu/cm2
なるように調節し、17nmから20nmの範囲とし
た。各磁気記録媒体の実際に測定したMrtを図3に示
す。
【0037】次いで、膜厚が10nmのカーボン保護層
4を設けることによって磁気記録媒体を得た。
【0038】各層は、アルゴン圧力5mTorrにおけ
るDCマグネトロンスパッタによって成膜した。ターゲ
ット組成と膜組成は、ほぼ等しいことが確認されてい
る。
【0039】このようにして得られた磁気記録媒体を、
試料振動式磁力計(VSM)により磁気特性を測定し
た。得られた結果を図4に示す。図4(a)はCo1の
膜厚比率の変化に対する保磁力Hcの変化を示してお
り、図4(b)はCo1の膜厚比率の変化に対するS*
の変化を示している。
【0040】図4(a)から分かるように、磁性記録層
3が二層よりなる場合は、CCPB単層(Co1=0
%)およびCCPT単層(Co1=100%)の場合よ
りも保磁力が大きいことが分かる。特に、Co1の膜厚
比率が20%から80%の範囲では、単層の場合よりも
約200Oe大きい保磁力を示した。また、図4(b)
からわかるように、保磁力が向上してもS*は劣化する
ことなく一定であることがわかる。S*は、磁場を振っ
たときの磁場反転の速さが速いほど1に近くなる。
【0041】また、本実施例に示す以外にも、Co1が
Co−19Cr−2Ta−12Pt、Co−19Cr−
4Pt−4Ta、Co−20Cr−8Pt−3Ta−1
Bなどの場合についてもHcが増加することが確認され
ている。
【0042】比較例1 第一の磁性記録層5のCo1としてCCPBの組成の層
を成膜し、第二の磁性記録層6のCo2としてCCPT
の組成の層を成膜する、つまり第一の磁性記録層と第二
の磁性記録層の組成を逆にすることを除いて、実施例1
と同様にして磁気記録媒体を製造した。このときの各磁
気記録媒体における磁性記録層の残留磁化・磁性層膜厚
積(Mrt)の値を図3に示す。
【0043】得られた磁気記録媒体を、VSMにより磁
気特性を測定した。得られた結果を図4に記載する。
【0044】図4(a)から分かるように、各層が同じ
組成を用いていても第一の磁性記録層と第二の磁性記録
層とを逆に設けると、実施例1とは逆に、Co1のみま
たはCo2のみの単層の場合よりも保磁力は減少する傾
向にあることがわかる。
【0045】実施例2 実施例1では、Mrtが0.45memu/cm2にな
るように調節して磁性記録層を成膜したが、図3より実
際に製造された磁気記録媒体のMrtは、Co1の膜厚
比率によっては、0.45menu/cm2よりわずか
にずれていることがわかった。そこで、実施例1をもと
に、本実施例では、さらに磁性記録層の成膜時の投入成
膜電力を調節することにより各磁性記録層が0.45m
emu/cm2となるようにし、表1に示す成膜条件お
よび構成にした以外は、実施例1と同様にして磁気記録
媒体を製造した。
【0046】
【表1】
【0047】得られた各磁気記録媒体について、VSM
により磁気特性を測定し、回転数7200rpm、測定
判定33.49mm、記録線密度308kfciの条件
でMRヘッドを用いたR/Wテスターにより信号の書き
込み/読み出し特性(R/W特定)を測定した。測定結
果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2より、サンプル1は、単層磁性記録層
を有するサンプル2、およびサンプル3のほぼ中間のS
NR値、O/W値を示している。記録密度を表すD50
は、サンプル1がサンプル2およびサンプル3を上回っ
ており、高保磁力化の効果が現れている。また、本発明
によるHc増加効果を利用すれば、サンプル2およびサ
ンプル3よりもCr下地層の膜厚を減じながら、サンプ
ル2およびサンプル3と同程度の保磁力を有するサンプ
ルを作製することが可能である。こうして作製されたサ
ンプル4のR/W特性は、SNR値においてはSNR特
性とO/W特性のバランスに優れ、またD50値も単層
磁性記録層であるサンプル2およびサンプル3よりも優
れている。Cr下地層をより薄くすることにより、磁性
記録層のCo結晶粒子を微細化することが可能となり、
その結果、記録ビットをより細かくすることができる。
サンプル4のD50特性が優れるのはこのことに起因し
ている。単層磁性記録層であるサンプル2およびサンプ
ル3のCr下地層の膜厚をそのまま薄くすると、同時に
保磁力の低下を招き、D50特性の改善は望めない。
【0050】実施例3 実施例1と同様にして、Co1およびCo2の膜厚比率
を変えて磁気記録媒体を製造した。ここで、Mrtを一
定にした理由は、Mrtの変化はR/W特性に影響を与
えるため本実施例による効果が判断し難くなることへの
配慮である。
【0051】得られた各磁気記録媒体について、回転数
7200rpm、測定判定33.49mm、記録線密度
308kfciの条件でMRヘッドを用いたR/Wテス
ターによって、R/W特性を測定した。得られた結果を
図5から図7に示す。図5は、Co1磁性記録層の膜厚
比率の変化に対するSNRの変化を表しており、図6は
Co1磁性記録層の変化に対するD50の変化を表して
おり、図7はCo1磁性記録層の変化に対するシグナル
の大きさで規格化したノイズの変化を表している。
【0052】図5からわかるように、CCPB単層(C
o1膜厚比率=0%)である従来媒体と比較して、Co
1膜厚比率を約20%まで増加させた本発明の媒体では
SNRの増加が認められている。さらに図6では、これ
に伴い記録密度の指標となるD50値も増加しており、
本発明が記録密度向上に有効であることが確認される。
さらに、図7よりCo1膜厚比率が約20%までのとき
は、ノイズも減少していることがわかる。
【0053】Co1膜厚比率を20%以上に増やすと従
来媒体よりもSNRが劣化している。Co1として用い
たCCPT磁性記録層はCo2に用いたCCPB磁性記
録層よりも本質的に高ノイズであるため、Co1膜厚を
増加させることで得られる格子間隔整合の効果を打ち消
して媒体ノイズが増加し、SNRが劣化すると考えられ
る。
【0054】しかし、実施例1および実施例2からもわ
かるように、Co1の膜厚比率が20%〜80%の場合
には、保磁力が大きく増加し、膜構成および成膜条件に
マージンが生じ、それを利用することによって、改善さ
れた記録密度を得ることができる。
【0055】本実施例に示す以外にも、Co1がCo−
19Cr−2Ta−12Pt、Co−19Cr−4Pt
−4Ta、Co−20Cr−8Pt−3Ta−1Bなど
の場合についてもSNRが増加することが確認されてい
る。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明は非磁性基体上に
スパッタリング法により少なくとも非磁性下地層、磁性
記録層が順次積層され、さらに連続してスパッタリング
法もしくはCVD法により保護層が形成された3層以上
の薄膜の積層構造を有する磁気記録媒体において、磁性
記録層を、規定された組成を有する2種類の磁性記録層
を所定の順番で所定の膜厚比率に積層することによっ
て、他の媒体特性を犠牲にすることなく保磁力が増加さ
れた改善された記録密度を有する磁気記録媒体、または
SNRを増加させた改善された記録密度を有する磁気記
録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の磁気記録媒体の断面略図であ
る。
【図2】図2は、本発明の一例を示す磁気記録媒体の断
面略図である。
【図3】図3は、実施例1および比較例1において製造
された磁気記録媒体の第一の磁性記録層の膜厚比率の変
化に対応するMrtの変化を示す図である。
【図4】図4は、実施例1および比較例1において製造
された磁気記録媒体の磁気特性を表す図であり、(a)
は第一の磁性記録層の膜厚比率の変化に対応する保磁力
Hcの変化を表す図であり、(b)は第一の磁性記録層
の膜厚比率の変化に対応するS*の変化を表す図であ
る。
【図5】図5は、実施例3において製造された磁気記録
媒体の第一の磁性記録層の膜厚比率の変化に対応するS
NRの変化を表す図である。
【図6】図6は、実施例3において製造された磁気記録
媒体の第一の磁性記録層の膜厚比率の変化に対応するD
50の変化を表す図である。
【図7】図7は、実施例3において製造された磁気記録
媒体の第一の磁性記録層の膜厚比率の変化に対応するシ
グナルの大きさで規格化したノイズの変化を表す図であ
る。
【符号の説明】
1 非磁性基体 2 非磁性下地層 3 磁性記録層 4 保護層 5 第一の磁性記録層 6 第二の磁性記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 趙 南哲 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 BB08 5E049 AA04 AA09 AC05 BA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に非磁性下地層、磁性記録
    層、および保護層が形成された3層以上の薄膜の積層構
    造を有する磁気記録媒体において、 前記磁性記録層が異なる組成の第一の磁性記録層と第二
    の磁性記録層との2層より構成されていること、 前記第一の磁性記録層は非磁性基体から近い側に形成さ
    れており、少なくともCo、Cr、Pt、およびTaを
    含有していること、および前記第二の磁性記録層は非磁
    性基体から遠い側に形成されており、少なくともCo、
    Cr、Pt、およびBを含有していることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第一の磁性記録層は、Co≧55a
    t%、18at%≦Cr≦25at%、2at%≦Pt
    ≦12at%、および0at%<Ta≦6at%を含有
    していること、および前記第二の磁性記録層は、Co≧
    55at%、18at%≦Cr≦25at%、2at%
    ≦Pt≦12at%、および0at%<B≦6at%を
    含有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第一の磁性記録層が、磁性記録層の
    合計膜厚の80%以下の膜厚を有することを特徴とする
    請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記第一の磁性記録層が、磁性記録層の
    合計膜厚の20%未満の膜厚を有することを特徴とする
    請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記第一の磁性記録層が、磁性記録層の
    合計膜厚の20%以上80%以下の膜厚を有することを
    特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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