JP2002169025A - 異方性散乱フィルムおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

異方性散乱フィルムおよびそれを用いた液晶表示装置

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JP2002169025A JP2001211807A JP2001211807A JP2002169025A JP 2002169025 A JP2002169025 A JP 2002169025A JP 2001211807 A JP2001211807 A JP 2001211807A JP 2001211807 A JP2001211807 A JP 2001211807A JP 2002169025 A JP2002169025 A JP 2002169025A
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liquid crystal
micropores
anisotropic scattering
scattering
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Kyoko Yamamoto
恭子 山本
Yasuteru Maeda
泰照 前田
Masato Kuwabara
真人 桑原
Koichi Fujisawa
幸一 藤沢
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い透過性、優れた散乱強度を有する異方性散
乱フィルム、該異方性散乱フィルムを用いた高輝度の液
晶表示装置を提供する。 【解決手段】[I]微細孔を有する微孔性フィルム、お
よび該微細孔中に存在し微孔性フィルムとは異なる屈折
率を有する物質とからなる、偏光成分に対し散乱異方性
を有する異方性散乱フィルムであり、該微孔性フィルム
は、フィルム表面に観測される微細孔の形状が実質的に
楕円形状であり、該楕円形の長軸径と短軸径の比(長軸
/短軸)が1より大きく、短軸径が用いる光の波長より
小さく、微細孔の長軸方向の向きが実質的に一方向に揃
っていることを特徴とする異方性散乱フィルム。 [II]少なくとも表面側に偏光板を有する液晶パネ
ル、[I]記載の異方性散乱フィルム、導光板、反射板
又は拡散反射板を、この順に備えてなり、液晶パネルの
透過軸と異方性散乱フィルムの透過軸とを実質的に一致
せしめてなる液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方性散乱フィル
ムおよびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置は、吸収型偏光板を
用いるために、その明るさはバックライトそのものの明
るさの半分以下になっていた。使用に際しては液晶パネ
ルの表裏に2枚の偏光板を用いるために、光の利用効率
がさらに低下し、バックライトそのものの30%から4
0%の明るさになっていた。そこで、光の利用効率を高
めるために、偏光板に吸収されてしまう偏光を、偏光板
に吸収されない偏光に変換して、これらの欠点を補うと
いう試みがなされている。
【0003】例えば、特表平11−509014号公報
には、等方性材料中に、特定の大きさを有する異方性粒
子を特定の間隔で配してなる偏光素子が開示されてい
る。しかしながら、該偏光素子では、十分な散乱強度が
得られない、粒子の分散性を制御することが難しい、な
どの問題があった。
【0004】また、特開平9−297204号公報に
は、アスペクト比が1以上である散乱粒子を、該散乱粒
子とは屈折率が異なる支持媒体中にほぼ一方向に分散配
列してなる異方性散乱素子が開示されている。しかしな
がら、該異方性散乱素子においても、十分な散乱強度が
得られない、異方性散乱粒子の分散性を制御することが
難しい、などの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
透過性、優れた散乱強度を有する異方性散乱フィルム、
該異方性散乱フィルムを用いた高輝度の液晶表示装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような問題がない異方性散乱フィルムを見出すべく、鋭
意検討を重ねた結果、フィルム表面に観測される微細孔
の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円形の長軸径と
短軸径の比(長軸/短軸)が1より大きく、短軸径が用
いる光の波長より小さく、微細孔の長軸方向の向きが実
質的に一方向に揃っている微孔性フィルム、および該微
細孔中に存在し微孔性フィルムとは異なる屈折率を有す
る物質とからなる異方性散乱フィルムが、高い透過性、
優れた散乱強度を有しており、しかも製造が容易であ
り、また該フィルムを用いることにより高輝度の液晶表
示装置を製造し得ることを見い出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0007】すなわち、本発明は、[I]微細孔を有す
る微孔性フィルム、および該微細孔中に存在し微孔性フ
ィルムとは異なる屈折率を有する物質とからなる、偏光
成分に対し散乱異方性を有する異方性散乱フィルムであ
り、該微孔性フィルムは、フィルム表面に観測される微
細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円形の長軸
径と短軸径の比(長軸/短軸)が1より大きく、短軸径
が用いる光の波長より小さく、微細孔の長軸方向の向き
が実質的に一方向に揃っていることを特徴とする異方性
散乱フィルムを提供するものである。また、本発明は、
[II]少なくとも表面側に偏光板を有する液晶パネ
ル、[I]記載の異方性散乱フィルム、導光板、反射板
又は拡散反射板を、この順に備えてなり、液晶パネルの
透過軸と異方性散乱フィルムの透過軸とを実質的に一致
せしめてなる液晶表示装置を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の異方性散乱フィルムとは、偏光成分に対し散乱
異方性を有するフィルムである。本発明で使用する微孔
性フィルムは、多孔性又は海綿状のフィルムである。該
フィルムは、その微細孔がフィルム内部で相互に連結し
ていても、連結していなくてもよい。また、本発明で使
用する微孔性フィルムは、その微細孔が一方の外側表面
又は表面領域から他方へと達することができる曲がりく
ねった経路を介して本質上相互接続している、いわゆる
貫通孔を有するフィルムであってもよい。本発明におけ
る微細孔は、上記した貫通孔を含む。貫通孔を有する微
孔性フィルムの場合、貫通性能を示す指標である透気度
は、5〜5,000sec/100cc・cm2である
ことが好ましい。透気度が5,000sec/100c
c・cm2を超えると、物質の充填が困難になる傾向が
あり、5sec/100cc・cm2未満であると、所
望の光学特性が発現しない傾向がある。尚、透気度は、
JIS P−8117に記載の方法により測定する。
【0009】図1に示すように、フィルム表面や内部に
観測される微細孔の形状は、実質的に楕円形状である。
ここで、楕円形状とは、小判形、両凸レンズ形などの広
義の形状を含み、円形とは異なる長軸と短軸が存在し得
る形状であれば特に限定されない。
【0010】長軸径と短軸径との比(アスペクト比:長
軸/短軸)は、1より大きいことが必要であり、好まし
くは1.01〜50、より好ましくは3〜30、さらに
好ましくは4〜30である。また、該貫通孔および微細
孔のフィルム表面における長軸の向きは実質的に一方向
に揃っていることが必要がある。
【0011】楕円の短軸径は、用いる光の波長よりも小
さいことが必要であり、用いる光の波長の50%以下が
好ましい。また、楕円の長軸径は、用いる光の波長と同
じであるか、それ以上であることが好ましく、用いる光
の波長の2倍以上であることがさらに好ましい。用いる
波長とは、本発明の異方性散乱フィルムを使用する条件
によるが、通常、液晶表示装置として用いる場合、可視
光領域(波長400〜800nm)をいう。
【0012】微細孔が微孔性フィルムに占める割合(以
下、空隙率という)は、特に限定されないが、30〜8
5%が好ましく、より好ましくは50〜75%である。
空隙率が30%未満であると、十分な透過率が得られな
い傾向があり、また85%を超えると機械的強度が低下
する傾向がある。
【0013】該微孔性フィルムの材質は、軽量化、成形
性の観点から高分子物質であることが好ましい。該高分
子物質は、微孔性フィルムを高温で使用した場合や、液
晶セルと貼合する際に光学的性質や形状の変化が起こら
ないものが好ましい。該高分子物質のガラス転移温度ま
たは軟化温度は、光学特性の変化や形状変化などの観点
から、40〜250℃が好ましく、50〜230℃がよ
り好ましく、さらに好ましくは60〜200℃である。
【0014】該高分子物質としては、ポリオレフィン系
高分子などが挙げられる。ポリオレフィン系高分子とし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン、ヘキセンなどのα-オレフィン単独重合体、エチレ
ン−プロピレン、エチレン−ブテン、エチレン−ペンテ
ン、エチレン−ヘキセンなどの共重合体、又はこれらの
ブレンド物などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0015】これらの高分子には、フィルムにさらに機
械的強度を付与したり、液晶表示セルに貼合する際の接
着性を改良するために、本発明の目的を損なわない範囲
で、各種の添加物を添加してもよい。該添加物として
は、例えば、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、
分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤などが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】該微孔性フィルムの膜厚は、特に限定され
ないが、好ましくは1〜500μm、より好ましくは2
0〜200μmである。1μmより薄いと十分な散乱が
得られない傾向があり、また500μmより厚いと十分
光が透過しない傾向がある。また、該微孔性フィルム
は、2種類以上のフィルムを積層した積層フィルムであ
ってもよい。
【0017】本発明で用いる微孔性フィルムは、下記の
方法に準拠して製造することができる。 (1)樹脂に充填剤を添加し、フィルムに成膜後延伸す
る方法(特公昭55−9131号公報等) (2)ポリマー溶融物中で微細粒子を合成し、フィルム
を成膜後延伸する方法(特開平10−287758号公
報) (3)樹脂に充填剤と可塑剤を添加し、フィルムに成膜
後延伸する方法(特公平7−15021号公報) (4)樹脂に表面処理された充填剤を添加し、フィルム
に成膜後延伸する方法(特開昭63−210144号公
報) (5)樹脂に充填剤と結晶核剤を添加し、フィルムに成
膜後延伸する方法(特開昭64−54042号公報) (6)樹脂に非相溶性樹脂を添加し、フィルムに成膜後
延伸する方法(特開平4−142341号公報) (7)樹脂に抽出可能物質を添加し、成膜後抽出し延伸
する方法(特開平1−201342号公報) (8)結晶性樹脂を成膜後、溶媒ストレッチ法により延
伸する方法(特公平2−19141号公報) (9)結晶性樹脂に結晶核剤を添加し、フィルムに成膜
後延伸する方法(特公平7−5780号公報) (10)冷延伸と熱延伸の工程を用いる方法(特公平2
−11620号公報) (11)溶媒キャスト法で得られたフィルムを乾燥して
延伸する方法(特開平5−98065号公報)
【0018】上記のような方法で微孔性フィルムを製造
することができるが、本発明の異方性散乱フィルムに用
いる微孔性フィルムは、少なくともフィルム表面に観測
される微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円
形の長軸径と短軸径の比(長軸/短軸)が1より大き
く、短軸径が用いる光の波長より小さく、長軸の向きが
実質的に一方向に揃っていることが必要である。また、
長軸径は用いる光の波長と同等以上であることが好まし
い。
【0019】短軸径は、微孔性フィルムの製造時にある
程度制御することが可能である。即ち、微孔性フィルム
は、例えば、ポリマー、無機微粉体、可塑剤を混練・加
熱溶融しながらフィルム状に成形した後、一軸方向にの
み延伸または二軸方向に延伸してフィルムを形成後、無
機微粉体及び可塑剤をそれぞれ抽出、除去、乾燥するこ
とにより製造することができるが、短軸径は、製造時に
用いる無機微粉体の粒径を変えることによって制御でき
る。
【0020】また、長軸径と短軸径の比(アスペクト
比:長軸/短軸)は、製造時の延伸倍率を変えることに
よって制御できる。延伸倍率は、面積延伸倍率で1.5
〜30倍であることが好ましく、2〜20倍であること
がより好ましい。延伸方向は、一軸方向でも二軸方向で
もかまわないが、二軸方向である場合には、微細孔のア
スペクト比を大きくするために、直交する二方向におい
て、その延伸倍率が異なることが好ましい。
【0021】上記のようにして得られた微孔性フィルム
は、さらに延伸されていても良い(以後、二次延伸とい
うことがある)。微孔性フィルムを製造する際の延伸(以
後、一次延伸ということがある)は、引き裂き強度の付
与などの観点から二軸延伸が好ましいが、二次延伸は、
楕円形状のアスペクト比を大きくする、長軸方向をそろ
えるために行うので、一軸延伸を含む延伸であることが
好ましく、実質的に一軸延伸であることがより好まし
い。延伸倍率は、微細孔の形状制御、生産性、得られる
フィルム幅の観点から、好ましくは1.2倍〜10倍、
より好ましくは1.3倍〜5倍である。二次延伸により
得られた楕円形状のアスペクト比は、好ましくは3〜3
0、より好ましくは4〜30である。
【0022】上記の微孔性フィルムの微細孔中の物質
は、微孔性フィルムと屈折率が異なる物質であることが
必要である。微孔性フィルムの微細孔には、微孔性フィ
ルムと屈折率が異なる物質が充填される。該物質は特に
限定されないが、無色であることが好ましい。微孔性フ
ィルムと異方性物質との屈折率差は、散乱軸方向におい
て実質的に後方散乱を生ずる領域にあることが好まし
い。ここで、後方散乱とは、入射光に垂直な平面を底面
とし、入射方向と反対の半球空間に入射光が散乱される
現象をいう。散乱軸は、散乱する偏光の振動方向と垂直
な方向をいう。
【0023】該物質は、微孔性フィルムと異なる屈折率
を有するものであれば、無機物質、有機物質、あるいは
空気などの気体でもよい。また、前記した無機物質、有
機物質、気体は、等方性物質であることが好ましい。
【0024】等方性の有機物質としては、例えば、ポリ
メチルメタクリレート、ポリベンジルメタクリレート、
ポリフェニルメタクリレート、ポリジアリルフタレー
ト、ポリスチレン、ポリP-ブロモフェニルメタクリレ
ート、ポリペンタクロロフェニルメタクリレート、ポリ
クロロスチレン、ポリαナフチルメタクリレートポリビ
ニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ポリペンタ
ブロモフェニルメタクリレート、ビスビニルチオフェニ
ルサルファイド、ビスエポキシプロピルチオフェニルサ
ルファイド、ビスメタクリロイルチオフェニルサルファ
イド、パーフロロオクチルエチルメタクリレート、パー
フロロオクチルエチルアクリレート、アセトン、酪酸メ
チル、1−ペンタノール、シンナムアルデヒド、二硫化
炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1−ブロモ
ナフタレン、アセトアルデヒド、アセトニトリル、イソ
ブチルアルコール、エタノール、1−クロロナフタレ
ン、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアル
コール、1−プロパノール、2−プロパノール酢酸エチ
ル、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。これらは単独
又は併用して用いることができる。
【0025】等方性の有機物質は、重合性物質であるこ
とが好ましく、該重合性物質としては、透明であれば特
に限定されず、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性のいずれ
のものであってもよい。光硬化性のものとしては、例え
ば、アクリルモノマーとして、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ートなどが、アクリルオリゴマーとしては、ポリエステ
ルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタン
アクリレートなどが挙げられる。
【0026】重合を促進するために、重合開始剤を添加
してもよく、光重合開始剤としては、例えば、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリテ
ィ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1
116」)、ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア651」)、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルホリノプロパノン−1(チバ・スペシャリティ・
ケミカルズ社製「イルガキュア907」)、アシルホス
フィンオキシド(BASF社製LUCIRIN TP
O)などが挙げられる。熱重合開始剤としては、例え
ば、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO)、t−ブチ
ルパーオキサイドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)などのラジカル発生剤、エチルア
ミン、n−ブチルアミン、ベンジルアミン、ジエチレン
トリアミン、テトラメチレンペンタミン、メンセンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタンなどのアミン化合物な
どが挙げられる。
【0027】本発明の異方性散乱フィルムの製造方法に
ついて説明する。本発明の異方性散乱フィルムは、例え
ば、上記の微孔性フィルムに微孔性フィルムとは屈折率
が異なる物質を充填することにより製造することができ
る。充填方法は特に限定されないが、充填する物質は、
室温(約20℃)で液体状態であることが好ましい。室
温で液体状態でない場合には、必要に応じて加熱して、
液体状態にして充填するか、又は溶媒に溶解して充填
後、その溶媒を除去することにより充填してもよい。充
填する物質が、重合性物質である場合には、重合性物質
を充填した微孔性フィルムをフィルム又はガラス基板な
どに挟んだ後、重合してもよいが、特に限定されるもの
ではない。このようにして得られる異方性散乱フィルム
は、偏光成分に対し透過・散乱偏光依存性、すなわち散
乱異方性を有する。
【0028】本発明の異方性散乱フィルムを用いた液晶
表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は、
少なくとも表面側に偏光板を有する液晶パネル、上記の
異方性散乱フィルム、導光板、反射板又は拡散反射板
を、この順に備えてなり、液晶パネルの透過軸と上記異
方性散乱フィルムの透過軸とを実質的に一致させてな
る。また、導光板と反射板又は拡散反射板との間に位相
差板を、特に1/4波長板を備えてなる液晶表示装置
が、光の有効利用という面で好ましい。導光板は、通
常、バックライト装置と一体であり、該バックライト装
置としては、例えば、光源から導光板を通じて照明を行
うサイド型バックライト装置、又は直下型のバックライ
ト装置などが挙げられる。
【0029】液晶表示装置における偏光変換について説
明する。図5に示すように、バックライトから発せられ
る光は、振動面が紙面に平行な偏光と、これに直交する
振動面が紙面に垂直な光からなる。本発明の異方性散乱
フィルムは、屈折率の異なる微孔性フィルムと微孔性フ
ィルムとは屈折率が異なる物質からなるが、該物質で実
質的に満たされている微孔性フィルムの貫通孔および微
細孔のフィルム表面における形状が実質的に楕円形状の
フィルムである。本発明の異方性散乱フィルムにおいて
は、例えば、振動面が紙面に垂直な偏光が透過し、振動
面が紙面に平行な偏光は後方散乱される(ここで透過す
る偏光の振動方向と平行な方向を透過軸、散乱する偏光
の振動方向と垂直な方向を散乱軸とする)。異方性散乱
フィルムによって後方散乱された偏光は、バックライト
裏側の反射板または拡散反射板によって、反射または拡
散反射し、再度、異方性散乱フィルムを通過する。この
ようにして、従来偏光板で吸収されていた光を、後方散
乱し、リサイクルすることにより、高輝度な液晶表示装
置を得ることができる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例により説明するが、本発
明が実施例により限定されるものではないことは言うま
でもない。物性評価は、以下に示す方法によって測定し
た。本願に用いた微孔性フィルムの透気度は、JIS
P8117に準拠したガーレー式デンソメーター(安田
精機製作所製No.323型)を用いて測定した。
【0031】直進透過光量の偏光依存性を測定するため
に、本発明の異方性散乱フィルムにほぼ平行光である直
線偏光を入射しサンプルをフィルム面内で回転させた時
の透過率を測定し、透過光量の極大値を透過状態の直進
光透過率、極小値を散乱状態の直進光透過率とした。光
源にはハロゲンランプ(SPH−100N 中央精機
製)を使用し、その透過光はオプティカルパワーメータ
ー(ML9001A アンリツ社製 波長400nm〜
800nm)により検出した。また、異方性散乱フィル
ムの全光線透過率は、偏光光源として光源(GOLDL
IGHT HL100E HOYA−SCOTT社製)
と偏光板を組み合わせ、光を偏光した平行光とした後、
積分球(Labsphere社製RT−060−SF
型)に入射し、輝度計(BM−8 TOPCON社製)
で光量を測定することにより、JIS K7105に準
拠した測定を行い、サンプルの透過軸と散乱軸に対しそ
れぞれ平行な偏光が入射したときの透過状態及び散乱状
態の全光線透過率を測定した。なお、異方性散乱フィル
ムの透過軸に対して、振動方向が平行である偏光を入射
する時の透過率を透過状態の透過率、異方性散乱フィル
ムの透過軸に対して、振動方向が垂直である偏光を入射
する時の透過率を散乱状態の透過率とした。
【0032】比較例1 屈折率1.50、厚み25μmのポリプロピレン製微孔
性フィルムで、電子顕微鏡観察からフィルム表面に観測
される微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円
形状の平均アスペクト比が16.7であり、微細孔の平
均短軸径が0.12μm、平均長軸径が2.0μmであ
り、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフィルム
で、透気度が700sec/100cc・cm2である
微孔性フィルムに、トルエン(屈折率1.50)を充填
した。これをコーニング社製ガラス基板(#7059)
で挟んだ。コーニング社製ガラス基板(#7059)の
透過率を100%とした場合、上記フィルムの透過状態
の直進光透過率は89.7%、散乱状態の直進光透過率
は88.5%と、その差が1.2%と小さく、用いる微
孔性フィルムと同じ屈折率を有する物質を、微細孔に充
填した場合、ほとんど偏光依存性(散乱異方性)がみら
れなかった。同様に、全光線透過率を測定した結果、上
記フィルムの透過状態の全光線透過率は89.9%、散
乱状態の全光線透過率が89.5%と、その差が0.4
%と小さく、用いる微孔性フィルムと同じ屈折率を有す
る物質を、微細孔に充填した場合、ほとんど偏光依存性
(散乱異方性)がみられなかった。
【0033】実施例1 屈折率1.50、厚み25μmのポリプロピレン製微孔
性フィルムで、電子顕微鏡観察からフィルム表面に観測
される微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円
形状の平均アスペクト比が16.7であり、微細孔の平
均短軸径が0.12μm、平均長軸径が2.0μmであ
り、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフィルム
で、透気度が700sec/100cc・cm2である
フィルムに、1−ブロモナフタレン(屈折率1.66)
を充填した。これをコーニング社製ガラス基板(#70
59)で挟んだ。コーニング社製ガラス基板(#705
9)の透過率を100%とした場合、上記フィルムの透
過状態の直進光透過率は62.3%、散乱状態の直進光
透過率は42.5%と、その差が19.8%で比較例1
に比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られた。同
様に、全光線透過率を測定した結果、上記フィルムの透
過状態の全光線透過率は79.6%、散乱状態の全光線
透過率は65.4%と、その差が14.2%で比較例1
に比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られた。ま
た、上記のフィルムを図3または図4に示す構成にすれ
ば、輝度が向上した液晶表示装置が得られる。
【0034】実施例2 屈折率1.50、厚み25μmのポリプロピレン−ポリ
エチレン−ポリプロピレン(3層構造である)製微孔性
フィルムで、電子顕微鏡観察からフィルム表面に観測さ
れる微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円形
状の平均アスペクト比が10であり、微細孔の平均短軸
径が0.2μm、平均長軸径が2.0μmであり、その
長軸方向の向きが実質的に揃っているフィルムで、透気
度が521sec/100cc・cm2であるフィルム
に、1−ブロモナフタレン(屈折率1.66)を充填し
た。これをコーニング社製ガラス基板(#7059)で
挟んだ。コーニング社製ガラス基板(#7059)の透
過率を100%とした場合、上記フィルムの透過状態の
直進光透過率は70.0%、散乱状態の直進光透過率は
47.5%と、その差22.5%で比較例1に比べて高
い偏光依存性(散乱異方性)が得られた。同様に、全光
線透過率を測定した結果、上記フィルムの透過状態の全
光線透過率は85.2%、散乱状態の全光線透過率は7
3.4%と、その差11.8%で比較例1に比べて高い
偏光依存性(散乱異方性)が得られた。また上記のフィ
ルムを図3または図4に示す構成にすれば、輝度が向上
した液晶表示装置が得られる。
【0035】実施例3 屈折率1.50、厚み25μmのポリプロピレン製微孔
性フィルムで、電子顕微鏡観察からフィルム表面に観測
される微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円
形状の平均アスペクト比が16.7であり、微細孔の平
均短軸径が0.12μm、平均長軸径が2.0μmであ
り、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフィルム
で、透気度が700sec/100cc・cm2である
フィルムに、MPV(住友精化(株)製 屈折率1.7
0)にIrgacure651とIrgacure18
4(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)をそ
れぞれ1wt%ずつ添加したモノマー液をポリカーボネ
ートフィルム上で充填した。その上からポリカーボネー
トフィルムを重ね、ゴム製ローラーでならして脱泡し
た。上記のフィルムを25℃で水銀ランプを光源とする
紫外線照射器を用いて29mW/cm2の紫外線を12
0秒間照射して重合した。得られたフィルムのポリカー
ボネートを剥がし、ポリプロピレン製微孔性フィルムに
充填したMPVを重合したフィルムが得られた。フィル
ムのない状態の透過率を100%とした場合、上記フィ
ルムの透過状態の直進光透過率は24.3%、散乱状態
の直進光透過率は14.8%と、その差9.5%で比較
例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られ
た。同様に、全光線透過率を測定した結果、上記フィル
ムの透過状態の全光線透過率は73.8%、散乱状態の
全光線透過率は63.1%と、その差10.7%で比較
例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られ
た。また、上記のフィルムを図3または図4に示す構成
にすれば、輝度が向上した液晶表示装置が得られる。
【0036】実施例4 屈折率1.50、厚み25μmのポリプロピレン製微孔
性フィルムで、電子顕微鏡観察からフィルム表面に観測
される微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円
形状の平均アスペクト比が16.7であり、微細孔の平
均短軸径が0.12μm、平均長軸径が2.0μmであ
り、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフィルム
で、透気度が700sec/100cc・cm2である
フィルムに、アセトン(屈折率1.36)を充填した。
これをコーニング社製ガラス基板(#7059)で挟ん
だ。コーニング社製ガラス基板(#7059)の透過率
を100%とした場合、上記フィルムの透過状態の直進
光透過率は48.5%、散乱状態の直進光透過率は4
4.5%と、その差4.0%で比較例1に比べて高い偏
光依存性(散乱異方性)が得られた。同様に、全光線透
過率を測定した結果、上記フィルムの透過状態の全光線
透過率は76.3%、散乱状態の全光線透過率は70.
3%と、その差6.0%で比較例1に比べて高い偏光依
存性(散乱異方性)が得られた。また上記のフィルムを
図3または図4に示す構成にすれば、輝度が向上した液
晶表示装置が得られる。
【0037】実施例5 屈折率1.50、厚み25μmのポリプロピレン製微孔
性フィルムで、電子顕微鏡観察からフィルム表面に観測
される微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円
形状の平均アスペクト比が28.6であり、微細孔の平
均短軸径が0.21μm、平均長軸径が6.0μmであ
り、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフィルム
で、透気度が173sec/100cc・cm2である
フィルムに、1−ブロモナフタレン(屈折率1.66)
を充填した。これをコーニング社製ガラス基板(#70
59)で挟んだ。コーニング社製ガラス基板(#705
9)の透過率を100%とした場合、上記フィルムの透
過状態の直進光透過率は3.1%、散乱状態の直進光透
過率は1.6%と、その差1.5%で比較例1に比べて
高い偏光依存性(散乱異方性)が得られた。同様に、全
光線透過率を測定した結果、上記フィルムの透過状態の
全光線透過率は79.6%、散乱状態の全光線透過率は
68.7%と、その差10.9%で比較例1に比べて高
い偏光依存性(散乱異方性)が得られた。また上記のフ
ィルムを図3または図4に示す構成にすれば、輝度が向
上した液晶表示装置が得られる。
【0038】実施例6 屈折率1.50、厚み25μmのポリプロピレン−ポリ
エチレン−ポリプロピレン(3層構造である)製微孔性
フィルムで、電子顕微鏡観察からフィルム表面に観測さ
れる微細孔の形状が実質的に楕円形状であり、該楕円形
状の平均アスペクト比が22.2であり、微細孔の平均
短軸径が0.09μm、平均長軸径が2.0μmであ
り、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフィルム
で、透気度が628sec/100cc・cm2である
フィルムに、1−ブロモナフタレン(屈折率1.66)
を充填した。これをコーニング社製ガラス基板(#70
59)で挟んだ。コーニング社製ガラス基板(#705
9)の透過率を100%とした場合、上記フィルムの透
過状態の直進光透過率は67.8%、散乱状態の直進光
透過率は42.1%と、その差25.7%で比較例1に
比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られた。同様
に、全光線透過光量を測定した結果、上記フィルムの透
過状態の全光線透過率は82.9%、散乱状態の全光線
透過率は68.3%と、その差14.6%で比較例1に
比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られた。また
上記のフィルムを図3または図4に示す構成にすれば、
輝度が向上した液晶表示装置が得られる。
【0039】実施例7 微孔性フィルムとしてリチウム二次電池用のセパレータ
ーフィルム(旭化成製、品番H6022厚み27μm、
屈折率約1.50)を用いた。電子顕微鏡観察からフィ
ルム表面に観察される微細孔の形状が実質的に楕円形状
であり、該楕円形状の平均アスペクト比が2であり、微
細孔の平均短軸径が0.2μm、平均長軸径が0.5μ
mであり、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフ
ィルムで、透気度が82sec/100cc・cm2
ある微孔性フィルムに、アセトン(屈折率1.36)を
充填した。これをコーニング社製ガラス基板(#705
9)で挟んだ。コーニング社製ガラス基板(#705
9)の透過率を100%とした場合、上記フィルムの透
過状態の直進光透過率は0.6%、散乱状態の直進光透
過率は0.2%と、その差0.4%であったが、全光線
透過率を測定した結果、上記フィルムの透過状態の全光
線透過率は59.6%、散乱状態の全光線透過率は4
4.1%と、その差15.5%で比較例1に比べて高い
偏光依存性(散乱異方性)が得られた。また上記のフィ
ルムを図3または図4に示す構成にすれば、輝度が向上
した液晶表示装置が得られる。
【0040】実施例8 実施例7に示した微孔性フィルムに、1−ブロモナフタ
レン(屈折率1.66)を充填した。これをコーニング
社製ガラス基板(#7059)で挟んだ。コーニング社
製ガラス基板(#7059)の透過率を100%とした
場合、上記フィルムの透過状態の直進光透過率は12.
4%、散乱状態の直進光透過率は3.9%と、その差
8.5%で比較例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方
性)が得られた。同様に、全光線透過率を測定した結
果、上記フィルムの透過状態の全光線透過率は70.4
%、散乱状態の全光線透過率は67.1%と、その差
3.3%で比較例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方
性)が得られた。また上記のフィルムを図3または図4
に示す構成にすれば、輝度が向上した液晶表示装置が得
られる。
【0041】実施例9 実施例7に示した微孔性フィルムを、120℃で2.0
倍に一軸延伸した。電子顕微鏡観察から得られたフィル
ム表面に観察される微細孔の形状が実質的に楕円形状で
あり、該楕円形状の平均アスペクト比が4であり、微細
孔の平均短軸径が0.2μm、平均長軸径が1.0μm
であり、その長軸方向の向きが実質的に揃っているフィ
ルムで、透気度が694sec/100cc・cm2
あった。フィルムのない場合を100%とした場合、上
記フィルムの透過状態の直進光透過率は0.04%、散
乱状態の直進光透過率は0.02%と、その差0.02
%であったが、全光線透過率を測定した結果、上記フィ
ルムの透過状態の全光線透過率は27.0%、散乱状態
の全光線透過率が18.2%と、その差8.8%で比較
例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られ
た。また、上記のフィルムを図3または図4に示す構成
にすれば、輝度が向上した液晶表示装置が得られる。
【0042】実施例10 実施例9に示した微孔性フィルムに、アセトン(屈折率
1.36)を充填した。これをコーニング社製ガラス基
板(#7059)で挟んだ。コーニング社製ガラス基板
(#7059)の透過率を100%とした場合、上記フ
ィルムの透過状態の直進光透過率は17.6%、散乱状
態の直進光透過率は4.4%と、その差13.2%で比
較例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られ
た。同様に、全光線透過率を測定した結果、上記フィル
ムの透過状態の直進光透過率は71.2%、散乱状態の
直進光透過率は49.5%と、その差21.7%で比較
例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方性)が得られ
た。また上記のフィルムを図3または図4に示す構成に
すれば、輝度が向上した液晶表示装置が得られる。
【0043】実施例11 屈折率1.50、厚み25μmのポリエチレン−ポリエ
チレン−ポリエチレン製微孔性フィルムで、電子顕微鏡
観察からフィルム表面に観測される微細孔の形状が実質
的に楕円形状であり、該楕円形状の平均アスペクト比が
5.6であり、微細孔の平均短軸径が0.18μm、平
均長軸径が1.0μmであり、その長軸方向の向きが実
質的に揃っているフィルムで、透気度が551sec/
100cc・cm2である微孔性フィルムに、1−ブロ
モナフタレン(屈折率1.66)を充填した。これをコ
ーニング社製ガラス基板(#7059)で挟んだ。コー
ニング社製ガラス基板(#7059)の透過率を100
%とした場合、上記フィルムの透過状態の直進光透過率
は70.9%、散乱状態の直進光透過率は42.5%
と、その差28.4%で比較例1に比べて高い偏光依存
性(散乱異方性)が得られた。同様に、全光線透過率を
測定した結果、上記フィルムの透過状態の直進光透過率
は84.1%、散乱状態の直進光透過率は66.5%
と、その差17.6%で比較例1に比べて高い偏光依存
性(散乱異方性)が得られた。また上記のフィルムを図
3または図4に示す構成にすれば、輝度が向上した液晶
表示装置が得られる。
【0044】実施例12 微孔性フィルムとしてリチウム二次電池用のセパレータ
ーフィルム(東燃化学SETELA、膜厚26μm、屈
折率約1.50、透気度725sec/100cc・c
2)を、100℃で1.9倍に一軸延伸した。電子顕
微鏡観察から得られたフィルム表面に観察される微細孔
の形状はアスペクト比が2であり、短軸方向の孔径が平
均0.1μmと光の波長よりも小さく、長軸方向の孔径
が平均0.4μmと光の波長より長く、長軸方向の向き
が実質的に揃っていた。この微孔性フィルムに、アセト
ン(屈折率1.36)を充填した。これをコーニング社
製ガラス基板(#7059)で挟んだ。コーニング社製
ガラス基板(#7059)の透過率を100%とした場
合、上記フィルムの透過状態の直進光透過率は39.8
%、散乱状態の直進光透過率は25.3%と、その差1
4.5%で比較例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方
性)が得られた。同様に、全光線透過率を測定した結
果、上記フィルムの透過状態の直進光透過率は83.0
%、散乱状態の直進光透過率は76.5%と、その差
6.5%で比較例1に比べて高い偏光依存性(散乱異方
性)が得られた。また上記のフィルムを図3または図4
に示す構成にすれば、輝度が向上した液晶表示装置が得
られる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、高い透過性、優れた散
乱強度を有し、しかも容易に製造可能な異方性散乱フィ
ルムを提供することが可能となり、該異方性散乱フィル
ムを用いることによって、高輝度の向上した液晶表示装
置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微孔性フィルムの表面を示す図
【図2】微細孔の形状と長軸、短軸方向を示す図
【図3】液晶表示装置構成図
【図4】液晶表示装置構成図
【図5】液晶表示装置動作原理図
【符号の説明】
1:異方性散乱フィルム 2:フィルム面内における微細孔 3:微細孔のフィルム面内における短軸径 4:微細孔のフィルム面内における長軸径 5:長軸方向の向き 6:偏光板 7:液晶セル 8:バックライト 9:反射板又は拡散反射板 10:位相差板 11:振動面が紙面に垂直な偏光 12:振動面が紙面に平行な偏光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 23:00 C08L 23:00 (72)発明者 桑原 真人 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 藤沢 幸一 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 2H042 BA04 BA12 BA14 BA20 2H049 BA01 BA44 BB48 BB63 BC22 2H091 FA07Y FA23Z FA32Y FB02 FC08 FC25 FC29 FC30 LA12 LA13 LA18 4F074 AA17 AA24 AA48 AA97 AD02 AD07 CD04 DA03 DA10 DA59

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細孔を有する微孔性フィルム、および該
    微細孔中に存在し微孔性フィルムとは異なる屈折率を有
    する物質とからなる、偏光成分に対し散乱異方性を有す
    る異方性散乱フィルムであり、該微孔性フィルムは、フ
    ィルム表面に観測される微細孔の形状が実質的に楕円形
    状であり、該楕円形の長軸径と短軸径の比(長軸/短
    軸)が1より大きく、短軸径が用いる光の波長より小さ
    く、微細孔の長軸方向の向きが実質的に一方向に揃って
    いることを特徴とする異方性散乱フィルム。
  2. 【請求項2】微細孔に、微孔性フィルムと屈折率が異な
    る物質を充填してなる請求項1記載の異方性散乱フィル
    ム。
  3. 【請求項3】微孔性フィルムが高分子物質からなる請求
    項1または2のいずれかに記載の異方性散乱フィルム。
  4. 【請求項4】微孔性フィルムの透気度が5〜5,000
    sec/100cc・cm2である請求項1〜3のいず
    れかに記載の異方性散乱フィルム。
  5. 【請求項5】微孔性フィルムが、フィルム表面における
    微細孔の楕円形状の長軸径と短軸径の比(長軸/短軸)
    が3〜30の微孔性フィルムである請求項1〜4のいず
    れかに記載の異方性散乱フィルム。
  6. 【請求項6】微孔性フィルムの微細孔に重合性物質を充
    填し、重合してなる請求項1〜5のいずれかに記載の異
    方性散乱フィルム。
  7. 【請求項7】少なくとも表面側に偏光板を有する液晶パ
    ネル、請求項1〜6のいずれかに記載の異方性散乱フィ
    ルム、導光板、反射板又は拡散反射板を、この順に備え
    てなり、液晶パネルの透過軸と異方性散乱フィルムの透
    過軸とを実質的に一致せしめてなる液晶表示装置。
  8. 【請求項8】液晶パネルが、表面側および裏面側にそれ
    ぞれ偏光板を有する液晶パネルである請求項7記載の液
    晶表示装置。
  9. 【請求項9】液晶パネルの裏面側の偏光板の透過軸と、
    異方性散乱フィルムの透過軸とを実質的に一致せしめて
    なる請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】導光板と、反射板ないしは拡散反射板と
    の間に位相差板を備えてなる請求項7〜9のいずれかに
    記載の液晶表示装置。
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