JP2002168764A - 電気化学stm探針の製造方法 - Google Patents

電気化学stm探針の製造方法

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JP2002168764A
JP2002168764A JP2000367564A JP2000367564A JP2002168764A JP 2002168764 A JP2002168764 A JP 2002168764A JP 2000367564 A JP2000367564 A JP 2000367564A JP 2000367564 A JP2000367564 A JP 2000367564A JP 2002168764 A JP2002168764 A JP 2002168764A
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Manabu Omi
学 大海
Takashi Arawa
隆 新輪
Hidetaka Maeda
英孝 前田
Kenji Kato
健二 加藤
Yoko Shinohara
陽子 篠原
Yasuyuki Mitsuoka
靖幸 光岡
Susumu Ichihara
進 市原
Nobuyuki Kasama
宣行 笠間
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、簡便な方法で制御されたサ
イズの導電性露出部を有する電気化学STM探針の製造
方法を提供することである。 【解決手段】 導電性材料あるいは支持体材料の一部を
先鋭化してチップを作製し、前記チップの近傍に、前記
チップと略同じ高さを有するストッパーを作製し、前記
チップ全体を絶縁膜で被覆し、少なくとも前記チップお
よび前記ストッパーの少なくとも一部を覆い、前記絶縁
膜の材質よりも硬い材質から成る押し込み体を、前記チ
ップに向かう成分を有する力によって変位させることに
よって、前記チップ先端部分の絶縁膜のみを選択的に除
去する工程を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、化学工業、金属
工業、電子工業分野等において、電気化学STMを利用
して試料の観察、加工を行う際に使用する探針の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気化学STMの探針を製造する
方法としては、白金もしくはタングステンの細線の一端
を電気化学的方法もしくは機械的な方法により尖鋭化
し、金属線全体を絶縁性を有する樹脂で被覆、その後、
最先端部分の樹脂を有機溶剤により除去する方法が一般
的に使用されていた。また、金属線全体を絶縁性材料で
被覆する方法としては、他にCVD法を使用して、窒化
シリコンや炭化シリコンの薄膜を最先端部分以外に選択
的に成膜することにより、探針を製造した例も報告され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電気化学STMの探針
では、最先端部分の直径1μm以下の領域が露出して、
それ以外の部分が完全に絶縁性物質で被覆されている必
要がある。このため、これらの方法には以下のような問
題点が存在する。まず、第1の方法では、最先端部分の
樹脂を除去する際に、樹脂被覆の最先端部分のみを有機
溶剤に浸漬するか、有機溶剤を揮発させた雰囲気中に暴
露することにより、尖鋭化した金属線の最先端部位を露
出させている。このような方法では、最先端部分の直径
1μm以下の微小な領域のみの樹脂を選択的に除去する
には熟練を要し、なおかつ露出する最先端部位の面積を
一定に保つことは非常に困難である。加えて、金属線全
体を樹脂で被覆する方法も、ディップコーティング法が
一般的に用いられるため、最先端部分以外の部分の絶縁
成物質の厚みが厚くなってしまい、かつ均一な厚さとす
ることも困難である。
【0004】次に、第2の方法では、電気化学STMの
探針の材料として用いられる金属線の表面はシリコンウ
エハーのように平滑度が高くないため、CVD法のよう
な薄膜形成方法では、金属線全体をピンホールなく被覆
するためには膜厚を非常に厚くする必要があり、膜の形
成に長時間を要するという問題がある。さらに最先端部
分のみを露出させるためには、最先端部分をあらかじめ
マスクした状態でCVD法により成膜を行うか、CVD
法で成膜を行ったあと、最先端部分の薄膜のみを選択的
に除去しなければならず、いずれの場合も複雑な工程が
さらに必要となる。また、このような方法で形成した密
着性がそれほど高くないために、長時間使用している
と、最先端部分から絶縁被覆が剥がれてきてしまうとい
う問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題に
鑑みてなされたものであり、微小な先端形状をもち、電
気的絶縁性を有する物質で最先端部以外を被覆された探
針を、電解質溶液中で試料に近接させて、試料表面の形
状測定や電気化学的情報の計測もしくは、電気化学的な
加工を行う電気化学STMにおける前記探針の製造方法
において、導電性材料あるいは支持体材料の一部を先鋭
化してチップを作製する工程と、前記チップの近傍に配
置され、前記チップと略同じ高さを有するストッパーを
作製する工程と、前記チップ全体を絶縁膜で被覆する工
程と、少なくとも前記チップおよび前記ストッパーの少
なくとも一部を覆い、前記絶縁膜の材質よりも硬い材質
から成る押し込み体を、前記チップに向かう成分を有す
る力によって変位させることによって、前記チップ先端
部分の絶縁膜のみを選択的に除去する工程と、を含むこ
とを特徴とする電気化学STM探針の製造方法とした。
【0006】したがって、前記チップと略同じ高さを有
するストッパーによって、前記平面の変位が制御される
ため、所定の力で平面を押すだけで簡単にチップ先端部
分の絶縁膜のみを除去する事ができる。また、真空中、
液中、大気中など様々な環境下で絶縁膜を除去すること
ができる。また、絶縁膜を除去する際に特別な制御装置
を必要としないため、装置を単純化する事ができる。ま
た、所定の力を与える時間を非常に短くすることが容易
であり、STM探針製造にかかる時間を短くすることが
できるため、製造コストを低くすることができる。
【0007】また、前記チップと、前記ストッパーを同
時に形成することを特徴とする電気化学STM探針の製
造方法とした。
【0008】したがって、前記チップおよび前記ストッ
パーの高さの差を制御でき、かつ、高さの差を非常に小
さくできるため、大きさが均一で、かつ、微小な先端形
状を持つSTM探針を簡単に作製する事ができ、STM
探針の製造歩留まりを向上させることが容易である。
【0009】また、前記チップと、前記ストッパーを同
一基板上に複数個形成することを特徴とする電気化学S
TM探針の製造方法とした。
【0010】したがって、前記チップおよび前記ストッ
パーに、一括で前記力を加えることによって、一度に複
数のSTM探針を製造することが可能であり、探針一つ
あたりの加工時間を非常に短くすることができ、結果と
してSTM探針の作製コストを低くすることができる。
【0011】また、前記押し込み体が前記チップの材質
よりも柔らかい材質から成ることを特徴とする電気化学
STM探針の製造方法とした。
【0012】したがって、前記押し込み体が前記絶縁膜
を除去するときに前記チップ先端は変形せず、結果とし
てチップ先端が突出した構造のSTM探針を作製するこ
とができる。
【0013】また、前記押し込み体が、前記チップおよ
び前記ストッパーに接触する部分が略平面であることを
特徴とする電気化学STM探針の製造方法とした。
【0014】したがって、前記押し込み量がチップ高さ
とストッパー高さの差にのみ依存して決まるため、一定
の形状の先端を持つSTM探針を安定して作製すること
ができる。
【0015】また、前記押し込み体のうち前記チップ先
端の略上方に当たる部分に、前記力が作用するように、
前記力を作用させる位置を調整する方法を含むことを特
徴とする電気化学STM探針の製造方法とした。
【0016】したがって、常にチップ先端に制御されて
力が作用するため、所望のサイズの露出部を持つ先端を
安定して作製することができる。
【0017】また、前記力を作用させる位置を調整する
方法が、前記押し込み体に設けられた位置合わせマーク
を利用するものであることを特徴とする電気化学STM
探針の製造方法とした。
【0018】したがって、力を作用させる位置を簡単に
決めることができ、STM探針の製造が低コストで行え
る。
【0019】また、前記押し込み体が、光学的に透明な
材質から成ることを特徴とする電気化学STM探針の製
造方法とした。
【0020】したがって、押し込み体に力を加えるとき
に、押し込み体の下方にあるチップの位置を確認するこ
とができ、常にチップ先端に同一の力が作用するため
に、一定サイズの露出部を持つ先端を安定して作製する
ことができる。
【0021】また、押し込み体が多数あり、柔軟な構造
体によって互いに接続されていることを特徴とする電気
化学STM探針の製造方法とした。
【0022】したがって、チップが形成されている基板
がたわんでいても、押し込み体がチップとストッパーに
密着した姿勢で力を加えられることができ、一定サイズ
の露出部を持つ先端を安定して作製することができる。
【0023】また、前記押し込み体のうち、前記チップ
に対向する面に突起が形成されていることを特徴とする
電気化学STM探針の製造方法とした。
【0024】したがって、前記チップと前記ストッパー
の高さに大きな差が有る場合でも、チップに押し込み体
が接触することができ、安定したサイズおよび形状の露
出部を持つ探針を作製することができる。さらに、基板
上の単位面積あたりに集積度を高くしてチップとストッ
パーを形成した場合でも、押し込み体の突起がチップ先
端に接触することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気化学STM探
針の製造方法について、添付の図面を参照して詳細に説
明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1に係る電
気化学STM探針の製造方法について説明した図であ
る。図1に示す、ワーク1000は、基板4上に形成さ
れた導電層5、導電層5の上に形成された錘状のチップ
1および尾根状のストッパー2、チップ1、ストッパー
2および導電層5の上に形成された絶縁膜3からなる。
なお、ワーク1000において、導電層5は、必ずしも
必要ではなく、その場合、絶縁膜3は、チップ1、スト
ッパー2および基板4上に形成される。また、絶縁膜3
は、チップ1にだけ堆積されていてもよい。
【0026】チップ1の高さH1は、数mm以下であ
り、ストッパー2の高さH2は、数mm以下である。高
さH1と高さH2の差は、1000nm以下である。チ
ップ1とストッパー2の間隔は、数mm以下である。ま
た、絶縁膜3の厚さは、絶縁膜3の材質によって異なる
が、数10nmから数100nmである。
【0027】チップ1は金から成るが、他の導電性材質
たとえば白金やタングステンなどによって形成しても良
い。ストッパー2、導電層5はチップ1と同一材料で構
成されても良いし、別々の材料で構成されても良い。絶
縁膜3はエポキシから構成されているが、他の絶縁性材
質たとえばシリコーン、ガラスエポキシ、水ガラスなど
によって構成されても良い。これらの絶縁膜3はスピン
コートによって作製したが、スプレーあるいはローラー
コートを用いても良い。
【0028】図2は、電気化学STM探針の製造方法に
おいて、チップ1上の絶縁膜3を塑性変形させている状
態を示した図である。図1で示したワーク1000の上
に、チップ1および少なくともストッパー2の一部を覆
い、かつ、少なくともチップ1およびストッパー2側が
平面である板6を載せ、さらに板6の上には、押し込み
用具7を載せる。このとき、板6は透明なガラスを用い
た。板6を載せた後でも顕微鏡あるいは目視によってチ
ップ1の位置を確認することができる。本実施の形態に
おいては顕微鏡によって2方向からチップ1と押し込み
用具7の位置を確認し、押し込み用具7がチップ1の真
上に配置されるようにした。押し込み用具7にチップ1
の中心軸方向に力Fを加えることによって、板6がチッ
プ1に向かって移動する。チップ1と板6との接触面積
に比べて、ストッパー2と板6との接触面積は、数百〜
数万倍も大きい。したがって、与えられた力Fは、スト
ッパー2によって分散され、結果として板6の変位量は
小さくなる。板6の変位量が小さいため、絶縁膜3が受
ける塑性変形量は非常に小さい。また、チップ1および
ストッパー2は、非常に小さな弾性変形を受けるのみで
ある。力Fの加え方は、所定の重さのおもりを所定の距
離だけ持ち上げて、自由落下させる方法や、所定のバネ
定数のバネを押し込み用具7に取り付け、所定の距離だ
けバネを押し込む方法などがある。板6が、絶縁膜3よ
りも硬く、チップ1およびストッパー2よりも柔らかい
材料である場合、チップ1およびストッパー2が受ける
力は、板6によって吸収されるため、板6の変位量がよ
り小さくなり、絶縁膜3の塑性変形量を小さくすること
が容易となる。
【0029】図3は、力Fを加えた後に、板6および押
し込み用具7を取り除いた状態を示した図である。絶縁
膜3の塑性変形量が非常に小さく、チップ1およびスト
ッパー2が弾性変形領域でのみ変位しているため、チッ
プ1の先端に露出部8が形成される。露出部8の大きさ
は、力Fの大きさを調整することによって数nmから数
μm程度の大きさでよく制御される。なお、上記では、
押し込み用具7とワーク1000の間に板6が挿入され
ていたが、板6を除去して直接押し込み用具7で押し込
むことによっても同様に露出部8を形成できる。
【0030】図4は図1に示したワーク1000を作製
する方法を示す。まず、ステップ1S1で、金属基板1
1に酸化ケイ素マスク12をパターニングし、ドライエ
ッチングによって凹部13を形成する。次にステップ2
S2において金属を蒸着する。金属膜14は酸化ケイ素
マスク12と、金属基板11の上に堆積する。ステップ
3S3で、酸化ケイ素マスク12をリフトオフする。最
後にステップ4S4で全体に対してスピンコート法によ
ってエポキシ絶縁膜3を塗布する。
【0031】以上説明したように、本発明の電気化学S
TM探針の製造方法によれば、ストッパー2によって板
6の変位量を良好に制御することができ、かつ、板6の
変位量を非常に小さくできるため、大きさが均一で小さ
な露出部8をチップ1先端に容易に作製することができ
る。このようにして作製したチップ1はダイシングによ
って切り出され、支持体に接着されたあと配線を接続さ
れてSTM探針として機能するものになる。
【0032】我々の実験では、手に持ったハンマーなど
で、押し込み用具7を叩くだけで直径100nm以下の
露出部8を形成する事ができた。また、チップ1とスト
ッパー2の高さが良好に制御されるため、露出部8の作
製歩留まりが向上した。また、本発明の実施の形態1で
説明したワーク1000は、フォトリソグラフィ工程に
よって作製可能なため、ウエハなどの大きな面積を有す
る試料に、複数個作製することが可能であり、力Fを一
定にすることによって複数個作製されたワーク1000
それぞれに対して均一なサイズの露出部8を形成する事
ができる。また、力Fの大きさを変えることが非常に簡
単なため、複数個作製されたワーク1000に対して個
別にサイズの異なる露出部8を形成する事が可能であ
る。また、単純に力Fを加えるだけで露出部8が形成さ
れるため、露出部作製にかかる時間は数秒から数10秒
と非常に短い。また、本発明の実施の形態1によれば、
加工雰囲気を問わない。従って、大気中で加工する事が
可能でありすぐに光学顕微鏡などで加工状態を観察でき
る。また、走査型電子顕微鏡中で加工することによっ
て、光学顕微鏡よりも高い分解能で加工状態を観察する
ことも可能である。また、液体中で加工することによっ
て、液体がダンパーの役目をするため、より制御性の向
上した加工条件が得られる。
【0033】また、ワーク1000が複数個作製された
試料に対して、一括で力Fを加えることによって、サイ
ズのそろった露出部8を一度に複数個作製する事も可能
である。一括で加工する場合、ウエハ一枚あたりのワー
ク1000の数にもよるが、露出部1個あたりの加工時
間は、数百ミリ秒以下と非常に短くなる。 (実施の形態2)図5は本発明の実施の形態2に係るワ
ークの作製プロセスを示す。ステップ1S11では、ボ
ロンなどの不純物ドーピングによって導電性を持たせた
シリコン基板15の上に、酸化ケイ素マスク16を形成
する。次に、S12ではドライエッチングによってシリ
コンのチップ17とストッパー18を形成する。S13
のステップではエポキシから成る絶縁膜3をスピンコー
トによって塗布した。このようにして作製されたワーク
に対し、実施の形態1で説明した方法によってチップ1
7の先端に微小な露出部を作製することによって、ST
M探針が製造される。 (実施の形態3)図6に本発明の実施の形態3に係る方
法で作製したチップ先端形状を示す。実施の形態1との
違いは、板6の材質を、チップ1の材質と比較して硬い
ものにした場合と柔らかいものにした場合を実施した点
であり、その他の工程については実施の形態1と同一で
あるので説明を略す。図6(a)は板6の材質がチップ
1の材質よりも硬い場合に作製されるチップ先端形状、
図6(b)は板6の材質がチップ1の材質よりも柔らか
い場合に作製されるチップの先端形状である。(a)で
はチップ先端が平坦になっていて、これを電気化学ST
Mの探針として利用した場合には、探針先端の導電性部
を加工対象物表面に非常に近接させることが可能であ
る。一方(b)の場合は、チップ先端に突出部21があ
る。これにより、突出部21の先端でのみ加工されるこ
とになり、高解像度の加工が可能となる。このように、
板6の材質を変えることで、所望の形状のチップを簡単
に作製することができる。 (実施の形態4)図7と図8は本発明の実施の形態4に
係る電気化学STM探針の製造方法を説明する図であ
る。図7は多数のチップ1とストッパー2が配列して形
成されたウェハの一部の上面図である。実施の形態1と
の違いは板6の代わりに図8に示す板22を用いて露出
部を作製する点であり、その他については同一であるの
で説明を略す。図8に示す板22は、図7に示すウェハ
とほぼ同じサイズである、ガラス板である。これにはあ
らかじめ、位置決め線23が印刷されており、縦横線の
交点が図7のチップ1の先端の真上に配置される。この
板22をウェハの上に載せ、押し込み用具(図示略)を
位置決め線23の交点の上に載せて上から衝撃を与える
ことで、チップ1の先端に導電性露出部を作製する。
【0034】これにより、押し込み用具の位置合わせが
容易になり、また、板22として透明でない材質、たと
えば金属を用いたとしても正確にチップ1の先端に一定
のサイズの露出部を作製することができる。 (実施の形態5)図9は本発明の実施の形態5に係る電
気化学STM探針の製造方法で使われる押し込み板付き
シート34を示す。シート34はポリエチレンから成る
薄いシート35にガラスから成る板36が接着されてい
る。板36の大きさは本実施の形態においては2mm角
の正方形であるが、数百μmから数cmまでの適当なサ
イズであればよい。実施の形態1との違いは板6の代わ
りに押し込み板付きシート34を用いる点である。この
押し込み板付きシートを、チップ1が形成されたウェハ
(図示略)の上に載せ、押し込み用具(図示略)を用い
てチップ1の先端に導電性露出部を作製する。ウェハは
図1に示すようにシリコン基板に二酸化ケイ素などを積
層しているために、完全な平面にはならず反りを持つ。
本実施の形態においては柔らかい構造を持つシートに板
を接着しているものを用いるため、ウェハの反りに沿っ
た形で押し込み板36が配置でき、ウェハのどの場所に
おいても同一の力でチップ先端に圧力がかかる。これに
より極めて均一なサイズの導電性露出部が安定的に作製
できる。 (実施の形態6)図10は本発明の実施の形態6に係る
電気化学STM探針の製造方法において、チップ1上の
絶縁膜3を塑性変形させている状態を示した図である。
実施の形態1との違いは、板6に突起41が形成されて
いる点であり、その他については同一であるので説明を
省略する。突起41は数十nmから数十μmまでの適当
なサイズにして形成される。このようにすることで、隣
り合うストッパー2の距離が短い場合でも突起41によ
ってチップ1先端に塑性変形を起こすことができる。こ
れによって一枚のウェハから、より多数のチップを集積
して形成することができる。また、シリコンのエッチン
グなどの別の方法によってチップとストッパーを形成
し、高さにμmオーダーの大きな差がある場合でも、突
起41の高さを調整することにより、安定した電気化学
STM探針の製造が可能である。
【0035】
【発明の効果】チップ1とストッパー2の高さ、および
力Fを制御することによって、簡単にチップ先端部分の
絶縁膜のみを選択的に除去することができる。また、こ
の方法は、真空中、液中、大気中など様々な環境下で実
行することができる。絶縁膜を除去するための特別な制
御装置も不必要で、短時間に安価に大量のSTM探針を
作製することができる。本発明による方法で作製された
STM探針は、大きさが均一で、かつ微小な先端形状を
持つ。チップ先端に加えられる力Fは常に一定の大きさ
で、一定の方向から加えられるように装置を調整するこ
とが容易であり、一定形状の先端部を持つSTM探針を
安定的に大量生産することができる。また、複数個のチ
ップ1に対して一括して絶縁膜を除去することも容易で
あり、STM探針の作製コスト低減という効果も大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気化学STM探
針の製造方法について説明した図である。
【図2】電気化学STM探針の製造方法において、チッ
プ1上の絶縁膜3を塑性変形させている状態を示した図
である。
【図3】力Fを加えた後に、板6および押し込み用具7
を取り除いた状態を示した図である。
【図4】ワーク1000を作製する方法を示す図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態2に係るワークの作製プロ
セスを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る方法で作製したチ
ップ先端形状を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る電気化学STM探
針の製造方法を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る電気化学STM探
針の製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態5に係る電気化学STM探
針の製造方法で使われる押し込み板付きシート34を示
す図である。
【図10】本発明の実施の形態6に係る電気化学STM
探針の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 チップ 2 ストッパー 3 絶縁膜 4 基板 5 導電層 6 板 7 押し込み用具 8 露出部 11 金属基板 12 酸化ケイ素マスク 13 凹部 14 金属膜 15 シリコン基板 16 酸化ケイ素マスク 17 チップ 18 ストッパー 21 突出部 22 板 23 位置決め線 34 押し込み板付きシート 35 シート 36 板 41 突起 1000 ワーク F 力 H1 チップ1の高さ H2 ストッパー2の高さ S1〜S4 ワーク1000作製プロセス S11〜S13 ワーク作製プロセス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 英孝 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 加藤 健二 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 篠原 陽子 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 光岡 靖幸 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 市原 進 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 笠間 宣行 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小な先端形状をもち、電気的絶縁性を
    有する物質で最先端部以外を被覆された探針を、電解質
    溶液中で試料に近接させて、試料表面の形状測定や電気
    化学的情報の計測もしくは、電気化学的な加工を行う電
    気化学STMにおける前記探針の製造方法において、導
    電性材料あるいは支持体材料の一部を先鋭化してチップ
    を作製する工程と、前記チップの近傍に配置され、前記
    チップと略同じ高さを有するストッパーを作製する工程
    と、前記チップ全体を絶縁膜で被覆する工程と、少なく
    とも前記チップおよび前記ストッパーの少なくとも一部
    を覆い、前記絶縁膜の材質よりも硬い材質から成る押し
    込み体を、前記チップに向かう成分を有する力によって
    変位させることによって、前記チップ先端部分の絶縁膜
    のみを選択的に除去する工程と、を含むことを特徴とす
    る電気化学STM探針の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記チップと、前記ストッパーを同時に
    形成することを特徴とする請求項1に記載の電気化学S
    TM探針の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チップと、前記ストッパーを同一基
    板上に複数個形成することを特徴とする請求項1あるい
    は2に記載の電気化学STM探針の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記押し込み体が前記チップの材質より
    も柔らかい材質から成ることを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の電気化学STM探針の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記押し込み体が、前記チップおよび前
    記ストッパーに接触する部分が略平面であることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の電気化学ST
    M探針の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記押し込み体のうち前記チップ先端の
    略上方に当たる部分に、前記力が作用するように、前記
    力を作用させる位置を調整する方法を含むことを特徴と
    する請求項1から5のいずれかに記載の電気化学STM
    探針の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記力を作用させる位置を調整する方法
    が、前記押し込み体に設けられた位置合わせマークを利
    用するものであることを特徴とする請求項6に記載の電
    気化学STM探針の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記押し込み体が、光学的に透明な材質
    から成ることを特徴とする請求項1から7のいずれかに
    記載の電気化学STM探針の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記押し込み体が多数あり、柔軟な構造
    体によって互いに接続されていることを特徴とする請求
    項1から8のいずれかに記載の電気化学STM探針の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記押し込み体のうち、前記チップに
    対向する面に突起が形成されていることを特徴とする請
    求項1から9のいずれかに記載の電気化学STM探針の
    製造方法。
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