JPH10340700A - 微細加工方法および微細加工装置 - Google Patents

微細加工方法および微細加工装置

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JPH10340700A
JPH10340700A JP16193797A JP16193797A JPH10340700A JP H10340700 A JPH10340700 A JP H10340700A JP 16193797 A JP16193797 A JP 16193797A JP 16193797 A JP16193797 A JP 16193797A JP H10340700 A JPH10340700 A JP H10340700A
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JP
Japan
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probe
resist
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detecting
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JP16193797A
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Akira Kuroda
亮 黒田
Junji Oyama
淳史 大山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、位置合わせ時と切削加工時とにおい
てカンチレバーを交換することを必要としない微細加工
方法および微細加工装置を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】本発明は、弾性体に支持された探針によっ
て、被加工物表面に微細加工を施す微細加工方法または
装置であって、該被加工物表面に位置合わせマーカーを
設け、該位置合わせマーカーを基にして該探針の該被加
工物表面上の切削加工を行うべき位置を検出する位置合
わせ工程と、該位置合わせ工程における位置合わせ終了
後、該被加工物表面に対して前記弾性に支持された探針
を所定の大きさの斥力で接触させることにより、該被加
工物に対して該探針を押し込み、該被加工物に対して該
探針を該被加工物表面内方向において所定方向に所定量
だけ相対移動させることによって、該被加工物の切削加
工を行う切削加工工程とを有することを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細加工方法およ
び微細加工装置に関し、特に、超微細構造を有する電子
回路素子等における導電性微細パターンの形成方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体技術の目覚しい進歩により、大容
量ランダムアクセスメモリや高速CPU等の超大規模集
積回路素子が開発され、多量のデータを高速に伝達する
ことが必須である現代の高度情報通信社会を支えてい
る。しかしながら、より大容量化・高速化への要請は留
まるところを知らず、現状の半導体材料・プロセス技術
開発においては、限界を超えるためのさまざまな試みが
続けられている。このような中で、ナノメートルサイズ
に構造制御された微細構造が生み出す量子効果に着目し
た新しい原理に基づく電子デバイスの探索的研究が行わ
れ、次世代のエレクトロニクスの基本構造として期待さ
れている。量子効果電子デバイスにおいて中心的役割を
担うこれらの微細構造は、量子ドットや量子細線と呼ば
れ、その大きさは電子波の波長と同程度である100ナ
ノメートル以下の大きさである。特に、室温で動作する
素子を作製するためにはその大きさが30ナノメートル
以下であることが求められる。これに対し、電子線リソ
グラフィー装置、集束イオンビーム加工装置等を用いた
微細加工プロセスが種々開発されているが、30ナノメ
ートル以下の微細パターンを安定に再現性良く作製する
ことは困難であった。
【0003】最近、導電性を有する試料に対し、ナノメ
ートル以下の観察分解能を有する走査型トンネル顕微鏡
(STM)を用いて、より細かいパターンを描画する方
法が提案されている。例えば米国特許第4,785,1
89号明細書ではSTM構成の低エネルギ電子線リソグ
ラフィ装置を提案している。これは基板上の導電性薄膜
上の電子線感光レジストに尖鋭な先端を有する探針を近
づけ、低エネルギーの電子線を照射してレジストを描画
するものである。さらに、絶縁性試料をナノメートル以
下の分解能で観察可能な原子間力顕微鏡(AFM)が開
発され、AFMを用いて試料の切削加工を行う微細加工
方法が提案されている(特開平6−151392号公
報、特開平6−291031号公報)。AFMは、試料
に導電性を必要とせず、レジスト等の絶縁性を有する試
料の加工が可能であるため、広い応用が期待されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、AFMを用
いて試料の切削加工を行う微細加工方法の上記従来例に
おいて、以下のような問題点を生じることがあった。レ
ジスト等の試料を切削加工する際に用いる探針を支持す
る弾性体からなるカンチレバー(以下、カンチレバーと
いう)として、撓みに関する弾性定数が大きい、すなわ
ち、硬いカンチレバーを用いた場合、(切削加工に先立
って)切削加工を行うべき位置を検出するための位置合
わせ工程中に探針が試料上を走査する際に、探針−試料
間に作用する力によって試料が剥がれたり、傷ついたり
することがあった。このようなことから、走査中に作用
する力を低減するために、弾性定数が小さい、すなわ
ち、柔かいカンチレバーを用いると、今度は、試料の切
削加工の際に試料に対して探針を押し込むために荷重を
加えてもカンチレバーの撓み量が大きくなるばかりで、
探針を押し込めず、試料の切削加工を行えないことがあ
った。
【0005】したがって、切削加工が行われる試料表面
の硬さ、強度との関係を考慮して、カンチレバーの弾性
定数を選択する必要がある。ところが、実際は、試料表
面にも硬いところ・強度の高いところと柔かいところ・
強度の低いところの分布があったり、微細加工の工程に
よって、試料表面が硬い場合と柔かい場合があったりと
必ずしも一様でない。位置合わせの際に試料を傷つけな
いことと切削加工の際に探針に十分荷重を加えることの
できることの両方の条件を両立するカンチレバーの弾性
定数をうまく設定することは手間がかかり、微細加工の
スループットが低下したり、コストが上昇してしまう。
これを解決するために、位置合わせ時と切削加工時のカ
ンチレバーを交換し、位置合わせ時には柔かいカンチレ
バーを用い、切削加工時には硬いカンチレバーを用いる
ようにしてもよいが、これでは、交換時に探針先端の位
置ずれが起こってしまう場合がある。
【0006】そこで、本発明は、上記した従来例の有す
る課題を解決し、位置合わせ時と切削加工時とにおいて
カンチレバーを交換することを必要としない微細加工方
法および微細加工装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、微細加工方法および微細加工装置をつぎの
ように構成したことを特徴とするものである。すなわ
ち、本発明の微細加工方法は、弾性体に支持された探針
によって、被加工物表面に微細加工を施す微細加工方法
であって、該被加工物表面に位置合わせマーカーを設
け、該位置合わせマーカーを基にして該探針の該被加工
物表面上の切削加工を行うべき位置を検出する位置合わ
せ工程と、該位置合わせ工程における位置合わせ終了
後、該被加工物表面に対して前記弾性に支持された探針
を所定の大きさの斥力で接触させることにより、該被加
工物に対して該探針を押し込み、該被加工物に対して該
探針を該被加工物表面内方向において所定方向に所定量
だけ相対移動させることによって、該被加工物の切削加
工を行う切削加工工程と、を有することを特徴としてい
る。また、本発明の微細加工方法は、前記位置合わせ工
程が、被加工物表面に対して非接触で先端を近づけた尖
鋭な探針と該被加工物表面との間に作用する引力を検知
し、該引力を一定に保つように、該探針と該被加工物表
面との間隔を制御し、該探針を該被加工物表面に対して
非接触に該被加工物表面内方向に相対的に走査し、該被
加工物表面に設けた位置合わせマーカー位置の該間隔制
御における変化を検知し、該間隔制御変化検知結果を基
に、該位置合わせマーカーと該探針との該被加工物表面
内方向の相対位置を検出し、該相対位置検出結果を基
に、該被加工物における加工予定位置に該探針を移動す
る工程を含んでいることを特徴としている。また、本発
明の微細加工方法は、前記位置合わせ工程において、該
探針と該被加工物表面との間に作用する引力がファンデ
ルワールス力であることを特徴としている。また、本発
明の微細加工方法は、前記位置合わせ工程において、該
探針と該被加工物表面との間に作用する引力がファンデ
ルワールス力であり、前記間隔制御変化が該位置合わせ
マーカーの3次元形状によって引き起こされるものであ
ることを特徴としている。また、本発明の微細加工方法
は、前記位置合わせ工程において、該探針と該被加工物
表面との間に作用する引力が、導電性を有する材料から
なる該探針と該被加工物との間に印加された電圧による
静電力であることを特徴としている。また、本発明の微
細加工方法は、前記位置合わせ工程において、該探針と
該被加工物表面との間に作用する引力が、導電性を有す
る材料からなる該探針と該被加工物との間に印加された
電圧による静電力であり、前記間隔制御変化が該位置合
わせマーカーの電気的性質の2次元分布によって引き起
こされるものであることを特徴としている。また、本発
明の微細加工方法は、前記被加工物が、レジストであ
り、前記切削加工工程における前記斥力が3×10-8
3×10-4[N]の範囲であることを特徴としている。
また、本発明の微細加工方法は、前記被加工物が、ネガ
型レジストであり、前記切削加工工程の後、さらに、該
レジストにエネルギー線を照射することにより、該レジ
ストを硬化させるエネルギー線照射工程を有することを
特徴としている。また、本発明の微細加工装置は、弾性
体に支持された探針を備え、該探針によって被加工物表
面に微細加工を施す微細加工装置であって、該被加工物
表面に設けられた位置合わせマーカーを基にして、該探
針の該被加工物表面上の切削加工を行うべき位置を検出
する位置合わせ手段と、斥力検知手段によって該探針と
該被加工物表面との間に作用する斥力を検知し、相対駆
動手段によって該被加工物と該探針との間に働く斥力が
所定の大きさに達するまで、該被加工物に対して該探針
を押し込むように該被加工物表面の法線方向に相対駆動
し、相対移動手段によって該被加工物に対して該探針を
該被加工物表面内方向において所定方向に所定量だけ相
対移動させる構成を備えた切削加工手段と、を有するこ
とを特徴としている。また、本発明の微細加工装置は、
前記位置合わせ手段は、該探針と該被加工物表面との間
に作用する引力を検知する引力検知手段と、該引力を一
定に保つように、該探針と該被加工物表面との間隔を制
御する間隔制御手段と、該探針を該被加工物表面に対し
て非接触に該被加工物表面内方向に相対的に走査する相
対走査手段と、該位置合わせマーカー位置の該間隔制御
における変化の検知結果を基に、該位置合わせマーカー
と該探針との該被加工物表面内方向の相対位置を検出す
る相対位置検出手段と、該相対位置検出結果を基に、該
被加工物における加工予定位置に該探針を移動する移動
手段と、により構成されていることを特徴としている。
また、本発明の微細加工装置は、前記引力検知手段が、
該弾性体を共振振動させる振動手段と、該共振振動の振
幅から該引力を検知する手段とを有することを特徴とし
ている。また、本発明の微細加工装置は、前記探針と前
記被加工物とが導電性材料により構成され、前記引力検
知手段が、該弾性体を共振振動させるように該探針と該
被加工物との間に交流電圧を印加する電圧印加手段と、
該共振振動の振幅から該引力を検知する手段とを有する
ことを特徴としている。また、本発明の微細加工装置
は、前記位置合わせマーカーが、前記被加工物中の2次
元の電気的性質の異なりであることを特徴としている。
また、本発明の微細加工装置は、前記弾性体は、該弾性
体の弾性定数が、3〜300[N/m]の範囲であるこ
とを特徴としている。また、本発明の微細加工装置は、
前記被加工物が、基板上に設けられたレジストであるこ
とを特徴としている。また、本発明の微細加工装置は、
前記レジストがネガ型レジストであり、該レジストにエ
ネルギー線を照射することにより、該レジストを硬化さ
せるエネルギー線照射手段を有していることを特徴とし
ている。また、本発明の微細加工装置は、前記レジスト
が、LB法によって成膜されたLB膜であることを特徴
としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、上記した位置
合わせ工程または手段によって、探針が被加工物である
試料に対して非接触の状態で位置合わせを行った後、切
削加工を行うに際して、試料に対して探針に接触させ、
荷重を印加することができるから、その位置合わせにお
いては、試料が剥がれたり、傷つけたりすることがな
く、切削加工においては試料に対して探針を十分押し込
んで加工することができる。したがって、位置合わせ時
と切削加工時とにおいてカンチレバーを交換することな
く、同一のカンチレバーによって微細加工を行うことが
可能となる。また、カンチレバーの弾性定数の選択範囲
に関する制限条件を緩くすることができるため、カンチ
レバーの選択の手間もかからないばかりか、複数の工程
で同一のカンチレバーを用いることが可能となり、微細
加工のスループットが向上し、コストの低減化を図るこ
とが可能となる。さらに、本発明の微細加工方法を用い
て、基板上にナノメートルオーダーの大きさの構造を有
する電子素子を作製することができ、室温で電子波の干
渉効果や量子効果による電気特性を示す電気素子の実現
が可能となる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1は本発明の微細加工方法の特徴を表す
図であり、図2は本発明の微細加工方法の実施に用いる
具体的な装置構成およびその動作方式の実施例1を示す
図である。以下に図1、図2を用いて本発明を説明す
る。図1において、図1(a)〜図1(c)は、本発明
の微細加工方法の第1の工程である非接触位置合わせ工
程を示す図である。図1(d)〜図1(f)は、本発明
の微細加工方法の第2の工程である切削加工工程を示す
図である。図1(a)は基板101上の被加工物102
に対する探針103の初期位置を示す。初期位置におい
て、被加工物102に対し、探針103の先端は非接触
となっている。探針103はカンチレバー104に支持
され、駆動素子105によって、基板101上の被加工
物102に対し相対的にxyz3次元方向に移動可能で
ある。基板101上の被加工物102の所定の場所に位
置合わせマーカー106が設けられている。まず初め
に、図1(a)の初期状態から図1(b)に示すよう
に、被加工物102に対し、探針103を非接触のまま
被加工物表面内のxy方向に相対的に移動し、位置合わ
せマーカー106を検出する。この工程により、被加工
物102に対する探針103の相対位置を検出する。次
に、図1cに示すように、位置合わせマーカー106の
位置を基準として、非接触のまま被加工物102上の微
細加工を行うべき所定の位置に探針103をxy方向移
動する。
【0010】上述のようにして位置合わせを終了した
後、図1(d)に示すように駆動素子105を被加工物
表面の法線方向であるz方向に駆動し、探針103先端
を被加工物102表面に接触させる。さらに、探針10
3先端と被加工物102との間に所定の大きさの斥力が
作用するように駆動素子105をz方向に駆動し、図1
(e)に示すように、被加工物102に対して探針10
3先端が基板101に達するまで、押し込む。上述のよ
うに所定の斥力が作用して押し込んだ状態のまま、被加
工物102に対し、探針103を相対的にxy方向に移
動し、図1(f)に示すように、被加工物102の切削
加工を行う。
【0011】次に具体的な装置構成及び微細加工の詳細
について説明する。図2において、z方向の撓みに関す
る弾性変形が可能なカンチレバー202の自由端に設け
られた探針201の先端を基板203上のレジスト20
4に近接するように配置する。ここで、カンチレバー2
02は、半導体加工プロセスを用いたマイクロマシン技
術によって作製される。カンチレバー202の材質例と
して、例えば、Si34、SiO2、Siが挙げられ
る。本実施例では、材質として、Si34を選択し、形
状として、長さ100[μm]、幅20[μm]の矩形
で、厚さ3.5[μm]のものを用いた。カンチレバー
202の撓みに関する弾性定数は30[N/m]、一次
の共振振動数は390[kHz]であった。カンチレバ
ー202先端に設けられる探針201はカンチレバー2
02と一体構成で作製しても良いし、別に作製した探針
201部材をカンチレバー202部材に接合して作製し
ても良い。一体構成の例として、Si基板に形成された
SiO2薄膜を正方形状に除去し、KOH溶液で異方性
エッチングを行うことにより、得られるピラミッド形状
の溝に対してSi34を成膜し、探針、カンチレバー形
状にパターニングした後、エッチングにより探針201
付きカンチレバー202を作製することができる。
【0012】基板203としては、Si・GaAs・I
nP等の半導体ウェハ、SOI、#7059ガラス(コ
ーニング社製)・石英ガラス・サファイア、水晶・グラ
ファイト等結晶のへき開面、あるいは、これらの基板上
に成膜したAu・Pt等の金属薄膜表面等平坦な表面を
有するものを用いることができる。基板203上のレジ
ストとして、通常の半導体プロセスで用いるレジストを
スピンコート等で塗布したものを用いることもできる
が、本発明の目的であるナノメートルレベルの微細加工
を行うためには、自己組織化膜(SAM膜)成膜法やL
B(Langmuir−Blodgett)膜成膜法を
用いて作製した10[nm]程度の超薄膜を用いること
が望ましい。特に、LB法によれば、基板やレジストの
材料・相性に関する制約を減らして種々の材料の組み合
わせを選択することが可能である。
【0013】本実施例では、基板203として、SiO
2/Si基板上に形成した多結晶Si薄膜を用いた。ま
た、レジスト204として、ネガ型レジストとして機能
し親水性を有する官能基と疎水性を有する官能基をあわ
せもつω−トリコセン酸を用いた。レジスト204は、
LB法により基板203上に成膜した。さて、カンチレ
バー202の固定端はz方向駆動素子205に取り付け
られている。ファンクションジェネレータ206から出
力される正弦波信号、すなわち、交流電圧信号が、切り
替え回路2(217)、加算回路207を通してz方向
駆動回路208に入力され、z方向に振幅Δzで振動す
るようにz方向駆動素子205を駆動する。このとき、
該正弦波信号の周波数は、カンチレバー202の撓みに
関する一次の共振振動数frと一致するように調整され
ている。これにより、カンチレバー202の自由端は振
動数frで共振し、探針201はz方向にΔzよりも大
きい振幅ΔZで振動する。
【0014】ここで、レーザー209から出力されるレ
ーザー光ビーム218をカンチレバー202先端の背面
(レジスト204対向面と反対面)に照射し、この反射
光ビーム219を2分割センサ210に入射させる。い
ま、カンチレバー202の固定端を基準として、探針2
01先端がz方向に変位し、カンチレバー202の撓み
角が変化すると、反射光ビームの反射角度が変化するた
め、2分割センサ(210)面上のビームスポットが移
動する。したがって、2分割センサ210の差信号から
カンチレバー202の固定端を基準とした探針201の
z方向変位を検知することができる。2分割センサ21
0の差信号を差信号算出回路211で算出し、算出差信
号を2つに分割し、一方を同期検出回路212に、他方
を切り替え回路1(213)に入力する。同期検出回路
212では、入力された該差信号に対し、ファンクショ
ンジェネレータ206から出力される周波数frの参照
信号をもとに同期検出を行い、該差信号における周波数
frの振動成分の振幅に比例する信号を出力し、この出
力信号が切り替え回路1(213)に入力される。
【0015】図1(a)〜図1(c)に対応する本発明
の微細加工方法の第1の工程である非接触位置合わせ工
程において、上記の装置を次のように動作させる。切り
替え回路1(213)の入力を同期検出回路212側に
切り替え、同期検出回路212からの出力信号をフィー
ドバック回路220に入力する。位置合わせ工程におけ
る所定の設定値信号をコンピュータ215から切り替え
回路3(221)を通してフィードバック回路220に
入力する。フィードバック回路220において、同期検
出回路212からの出力信号が所定の値に一定に保たれ
るように、該位置合わせ工程における所定の該設定値信
号との誤差信号を算出し、この信号をローパスフィルタ
ー・増幅器を通した後、出力する。この誤差信号を加算
回路207に入力し、前記正弦波信号と加算後、z方向
駆動回路208において増幅し、z方向駆動素子205
に印加する。以上のフィードバック制御により、探針2
01のz方向振動の振幅ΔZを所定の値に一定に保つよ
う制御することができる。
【0016】探針201の先端とレジスト204表面の
間隔は、両者が非接触かつ、両者の間にファンデルワー
ルス力が働く10[nm]程度の距離まで近づけてお
く。このとき、探針201のz方向振動の振幅ΔZは、
両者の間隔に応じて変化する。すなわち、探針201先
端がレジスト204表面に近づくと、探針201先端と
レジスト204表面との間に作用するファンデルワール
ス力の影響を受け、探針201のz方向振動の振幅ΔZ
が変化する。したがって、振幅ΔZが所定の値に一定に
なるよう第1のフィードバック制御を行うことにより、
探針201先端とレジスト204表面の間隔を非接触で
所定の値に一定に保つよう制御することができる。本実
施例では、第1のフィードバック制御のために、探針2
01のz方向振動の振幅ΔZを所定の値に一定に保つよ
う制御する方法を示したが、この他に、z方向駆動素子
205のz方向振動に対する探針201のz方向振動の
位相差を所定の値に一定に保つよう制御する方法でも良
い。
【0017】基板203はxyステージ214上に取り
付けられる。コンピュータ215から出力されるxy走
査信号をxy方向駆動回路216に入力し、xy方向駆
動回路216から出力される駆動信号により、xyステ
ージ214を駆動することにより、基板203を探針2
01に対して相対的に所定のxy方向2次元パターンに
走査する。このとき、前述の第1のフィードバック制御
を行ない、この第1のフィードバック制御のためにz方
向駆動素子205を駆動する駆動量(=これは、フィー
ドバック回路220から出力される前述の誤差信号の大
きさから逆算される)をコンピュータ215に入力し、
相対xy方向2次元走査位置に対応させて2次元マッピ
ングすることにより、レジスト204表面の3次元形状
情報を得る。このようにして、基板203上の所定の位
置に設けた凸(または凹)構造を有する位置合わせマー
カー222と探針201とのxy方向相対位置をレジス
ト204越しに検出する。
【0018】図1(a)に示される初期状態では、被加
工物102(図2ではレジスト204に対応)に対する
探針103(図2では探針201)のxy方向相対位置
関係は未知であり、粗動等の機械機構の送り精度で決ま
る範囲にある。ここで、上記のように位置合わせマーカ
ー106(図2では位置合わせマーカー222)の検出
を行い、被加工物102(レジスト204)と探針10
3(探針201)とのxy方向相対位置を検出する。こ
の後、検出した位置合わせマーカー106(図2では位
置合わせマーカー222)の位置を基準として、駆動素
子105(図2ではxyステージ214に対応)をxy
方向に所定量だけ駆動し、被加工物102上の微細加工
を行うべき所定の位置に探針103を相対移動する。こ
こで、位置合わせマーカー106の位置から微細加工位
置までの移動量は駆動素子105(図2ではxyステー
ジ214)の駆動精度で決まる精度を有する。
【0019】以上のようにして、非接触位置合わせ工程
を終了した後、図1(d)〜図1(f)に対応する本発
明の微細加工方法の第2の工程である切削加工工程にお
いて、上記の装置を次のように動作させる。初めに、フ
ィードバック回路220の出力を現状の値にホールド
し、探針201−レジスト204間隔に対する第1のフ
ィードバック制御を停止する。次いで、切り替え回路2
(217)の入力をファンクションジェネレータ206
に非接続の側に切り替え、z方向駆動素子205の振動
数frのz方向振動を停止する。切り替え回路1(21
3)の入力を差信号算出回路211からの差信号側に切
り替え、フィードバック回路220に差信号を入力す
る。切り替え回路3(221)を切り替えることによ
り、切削加工工程における所定の設定値信号をコンピュ
ータ215から切り替え回路3(221)を通してフィ
ードバック回路220に入力する。以上のように切り替
え回路1〜3(213,217,221)の切り替えを
行った後、フィードバック回路220の出力をオンにし
て、第2のフィードバック制御を行う。前述したように
差信号算出回路211から出力される差信号は、カンチ
レバー202の固定端を基準とした探針201のz方向
変位に対応しているので、切削加工工程における所定の
設定値信号を所定の値に選ぶことにより、探針201先
端とレジスト204との間に所定の値の斥力が作用する
状態に保てる。例えば、カンチレバー202自由端の撓
みに関する弾性定数がkのとき、該設定値を図2中に示
した+z方向の探針201の変位がdであるときの差信
号出力回路211の出力値に設定すると、フィードバッ
ク制御により、探針201先端とレジスト204との間
に働く斥力はk・dとなる。
【0020】さて、第2のフィードバック制御における
斥力の設定値として、探針201先端がレジスト204
に対して基板203に達するまで押し込まれるような値
を設定する。この結果、第1の工程である非接触位置合
わせ工程の終了直後、レジスト204表面に対して、非
接触であった探針201先端は、前述の第2のフィード
バック制御におけるz方向駆動素子205の駆動によ
り、レジスト204表面に接触し、次いで、基板203
に達するまで、押し込まれる。ここで、前記第2のフィ
ードバック制御における探針201先端とレジスト20
4との間に働く斥力の適した設定値は、用いるレジスト
材料によってすこしずつ異なるが、3×10-8〜3×1
-4[N]が好適であり、より好ましくは、1×10-7
〜1×10-4[N]が最適である。斥力をこれらの値よ
り大きく設定した場合、探針201先端に加わる力によ
る探針201先端の破壊が起こることが多くなり、探針
201先端曲率半径が増大し、切削加工パターンが大き
くなってしまうという問題が生じる可能性が高くなる。
カンチレバー202の弾性定数の最適値としては、z方
向駆動素子205の最大駆動量(実用上はピエゾ素子を
用いることが多く、この場合典型値は5〜50[μ
m])、カンチレバー202の長さ(実用上の典型値は
30〜500[μm])、探針201の(z方向)高さ
(実用上の典型値は1〜30[μm])、非接触位置合
わせ時におけるレジスト204表面への吸着の回避、非
接触位置合わせ信号のS/N比等の関係を考慮する必要
がある。
【0021】弾性定数が小さい場合、z方向駆動素子2
05を大きく駆動してもカンチレバー202が撓むばか
りで、切削加工に必要な接触力を得る前に、カンチレバ
ー202の腹(=自由端と固定端の中間)あるいはカン
チレバー202の固定端がレジスト204表面に接触し
たり、z方向駆動素子205が駆動限界に達するという
問題を生じる。また、弾性定数が小さい場合、非接触位
置合わせ中に、探針201とレジスト204表面との間
に作用する吸着力(表面吸着水による表面張力等)の影
響により、探針201先端がレジスト204表面に吸着
・接触する場合がある。この吸着・接触により、位置合
わせのための走査中に誤ってレジスト204を加工して
しまうといった問題が生じる。カンチレバー202の弾
性定数を大きくすれば、これらの問題は起こらないもの
の、あまり大きくすると、切削加工中に探針201−基
板203間に働く接触力が大きくなり、探針201先端
が破壊してしまうといった問題が生じる。また、同様に
カンチレバー202の弾性定数を大きくすれば、非接触
位置合わせ時のカンチレバー共振振動の振幅が小さくな
るため、2分割センサ210の差信号の振幅が小さくな
り、位置合わせのための信号のS/N比が低下する。以
上を考慮すると、カンチレバー202自由端のz方向撓
みに関する弾性定数の値として、3〜300[N/m]
が好適であり、より好ましくは、10〜100[N/
m]が最適である。
【0022】上述のように第2のフィードバック制御に
より、探針201先端が基板203に達するまで押し込
まれた状態で、レジスト204に対し探針201を相対
的にxy方向に移動し、レジスト204の切削加工を行
う。このとき、コンピュータ215から出力される所定
のxy走査信号をxy方向駆動回路216に入力し、x
y方向駆動回路216から出力される駆動信号により、
xyステージ214を駆動することにより、基板203
を探針201に対して相対的に所定のxy方向2次元パ
ターンに走査し、レジスト204に対して所定のパター
ンの切削加工を行う。この切削加工により、溝状にレジ
ストが除去されたパターンが基板203上のレジスト2
04に形成された。この溝パターンの最小形成幅はレジ
スト204の膜厚および探針201先端形状(曲率半径
および頂角)に依存する。本発明における溝パターンの
加工精度としては、溝パターン最小形成幅の1/10程
度であり、2つの溝パターンを平行に形成して得られる
凸形状の線パターンの最小形成幅は溝パターン最小形成
幅と同程度であった。例えば、レジスト204膜厚が1
0[nm]、探針201先端の曲率半径が10[n
m]、頂角60°の場合、溝パターンの最小形成幅およ
び線パターンの最小形成幅は約20[nm]であった。
最小形成幅より大きい幅を有する溝パターンを形成する
ためには、溝形成方向と直交方向に少しずつ位置をずら
して複数回切削加工を行えばよい。また、最小形成幅よ
り大きい幅を有する線(ランド、山)パターンを形成す
るためには、溝形成方向と直交方向に所定の距離だけ位
置をずらして2つの溝パターンを形成すればよい。ま
た、線状の溝パターンや線パターンでなく、点状の穴パ
ターンを形成するためには探針201をレジスト204
に対してz方向に押し込んだ後、xy方向に走査を行わ
ず、z方向に引き戻せば良い。同様に、線状の溝パター
ンや線パターンでなく、点状の山パターンを形成するに
は平行な2本の溝パターンに直交してさらに2本の溝パ
ターンを形成すれば良い。
【0023】上記に説明したように基板203上のレジ
スト204に形成した切削パターンに対して、引き続
き、次のようなプロセスを行い、基板203に微細パタ
ーンを形成した。レジスト204としてネガ型レジスト
材料を用いている場合は、レジスト204に対して、電
子線や紫外線、X線、イオンビーム等のエネルギー線を
照射し、レジスト204を硬化させる。続いて、ガスプ
ラズマ中での反応性イオンエッチング(ドライエッチン
グ)によって基板203である多結晶Siを加工する。
この加工により、レジスト204に形成した切削溝パタ
ーンに沿って(レジストに覆われないで)露出している
部分の多結晶Siが除去される。本実施例では、レジス
ト204材料として、ω−トリコセン酸等のネガ型レジ
スト材料を用い、切削加工後にエネルギー線を照射する
例を示した。これにより、切削加工時には、レジスト材
料が架橋反応等の硬化を起こす前の単分子、あるいは低
分子として存在しているため、分子同士の結合力が弱
く、隣合った分子間に相互に及ぼす影響が小さいため、
鋭利で、かつ、より細いパターンの切削加工が可能であ
るという効果を有する。さらに、エネルギー線照射によ
り、エッチング耐性が向上し、10[nm]程度の超薄
膜のレジストを用いる場合においても、エッチング中に
部分的にレジストが剥がれたり溶融することがなくなる
という効果を有する。上述の微細加工をもとに、基板2
03にナノメートルオーダーの大きさの構造を有する電
子素子を作製することができた。その電気特性を室温で
測定したところ、電子波の干渉効果や量子効果による特
性を示すことが確かめられた。
【0024】[実施例2]図3は、本発明の微細加工方
法の実施に用いる具体的な装置構成およびその動作方式
の実施例2を示す図である。実施例2では、本発明の微
細加工方法の第1の工程である非接触位置合わせ工程に
おける位置合わせマーカーの検出方法が実施例1と異な
る。他の部分については、実施例1と共通である。以下
に図3を用い、実施例1と異なる部分について説明す
る。図3において、探針201、カンチレバー202、
基板203は、いずれも導電性を有する材料によって構
成されている。
【0025】探針201やカンチレバー202の材質と
しては、実施例1で挙げた材料のうち、導電性を有する
ものを選択すればよい。また、導電性を有しない材料を
用いた場合であっても、その表面に導電性材料をコーテ
ィング、あるいはドーピングして導電性を持たせても良
い。位置合わせマーカー301は、(実施例1における
位置合わせマーカー222のような)基板203上に凹
凸を有するものでなく、基板203中の電気的性質が異
なる部分により構成されている。基板203中に部分的
に電気的性質の異なる位置合わせマーカー222を形成
するには、例えば、イオンビームにより、基板203に
BイオンやPイオンを局所的に注入すればよい。導電性
を有する基板203の電位をグラウンドに接地し、ファ
ンクションジェネレータ206から出力する正弦波信
号、すなわち交流電圧信号を、切り替え回路2(21
7)を通して導電性を有するカンチレバー202および
導電性を有する探針201に印加する。これにより、探
針201先端、カンチレバー202と基板203との間
に働く静電力により、カンチレバー202をz方向に振
幅Δzで振動させる。該正弦波信号の周波数は、カンチ
レバー202の撓みに関する一次の共振振動数frの1
/2より小さい周波数fに設定されている。これによ
り、カンチレバー202の自由端は振動数2fで振動
し、探針201もz方向に周波数2fで振動する。
【0026】差信号算出回路から出力される差信号を3
分割し、それぞれ、同期検出回路212、切り替え回路
1(213)、同期検出回路2(302)に入力する。
同期検出回路212では、ファンクションジェネレータ
206から出力される周波数の倍周波数である周波数2
fの信号を参照信号として、同期検出を行い、該差信号
における周波数2fの振動成分の振幅に比例する信号を
出力し、この信号が切り替え回路1(213)に入力さ
れる。この後、実施例1と同様にして、探針201振動
の振幅Δzを一定に保つ、すなわち、探針201先端と
レジスト204表面の間に作用する静電力の周波数2f
成分の振幅を一定に保つように第1のフィードバック制
御を行う。静電力の周波数2f成分の振幅は、探針20
1先端とレジスト204表面との間隔に依存するので、
第1のフィードバック制御により、探針201とレジス
ト204の間隔は一定に保たれる。同期検出回路2(3
02)に入力された差信号は、ファンクションジェネレ
ータ206から出力される周波数fの参照信号をもとに
同期検出を行い、該差信号における周波数fの信号成分
の振幅に比例する信号を出力する。この出力信号は、探
針201先端とレジスト204表面の間に作用する静電
力の周波数f成分の振幅を示している。第1のフィード
バック制御により探針201とレジスト204の間隔が
一定に保たれるので、静電力の周波数f成分の振幅は、
基板203・レジスト204中の電荷分布や電気双極子
分布等の電気的性質に対応している。したがって、この
出力信号を検知することにより、基板203・レジスト
204の電気的性質を検知することができる。
【0027】この状態で、基板203上のレジスト20
4表面に対して非接触に探針201をxy方向に2次元
相対走査する。位置合わせマーカー301の位置では、
基板203中の電気的性質が異なっているので、基板2
03の他の部分に比べ、探針201−基板203間に働
く静電力の周波数f成分の大きさが異なり、同期検出回
路2(302)の出力が変化する。この第1のフィード
バック制御において、同期検出回路2(302)の出力
信号の大きさをコンピュータ215に入力し、相対xy
方向2次元走査位置に対応して2次元マッピングするこ
とにより、レジスト204表面における電気的性質の2
次元分布情報を得る。このようにして、基板203上の
所定の位置に設けた電気的性質が異なる構造を有する位
置合わせマーカー301と探針201とのxy方向相対
位置をレジスト204越しに検出することができる。以
上のように探針201と基板203中の位置合わせマー
カー301との相対位置を検出した後のレジスト204
上の切削加工位置への探針201移動、切削加工に関し
ては実施例1と同様である。実施例2では、位置合わせ
マーカーが基板中に設けられているので、加工プロセス
工程中におけるレジスト塗布形状誤差の影響を受けずに
高精度の位置合わせが可能であるという効果を有する。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上のように、該被加工物表
面に設けられた位置合わせマーカーの構成により、探針
を非接触の状態で被加工物表面上の切削加工を行うべき
位置を検出し、位置合わせをすることができるから、位
置合わせ時と切削加工時とにおいてカンチレバーを交換
することなく、同一のカンチレバーによって微細加工を
行うことが可能となる。すなわち、探針が被加工物であ
る試料に対して非接触の状態で位置合わせを行った後、
切削加工を行うに際して、試料に対して探針に接触さ
せ、荷重を印加することができるから、その位置合わせ
においては、試料が剥がれたり、傷つけたりすることが
なく、切削加工においては試料に対して探針を十分押し
込んで加工することができる。また、カンチレバーの弾
性定数の選択範囲に関する制限条件を緩くすることがで
きるため、カンチレバーの選択の手間もかからないばか
りか、複数の工程で同一のカンチレバーを用いることが
可能となり、微細加工のスループットが向上し、コスト
の低減化を図ることが可能となる。さらに、本発明の微
細加工方法を用いて、基板上にナノメートルオーダーの
大きさの構造を有する電子素子を作製することができ、
室温で電子波の干渉効果や量子効果による電気特性を示
す電気素子の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微細加工方法の特徴を表す図である。
【図2】本発明の微細加工方法の実施に用いる具体的な
装置構成およびその動作方式の実施例1を示す図であ
る。
【図3】本発明の微細加工方法の実施に用いる具体的な
装置構成およびその動作方式の実施例2を示す図であ
る。
【符号の説明】
101:基板 102:被加工物 103:探針 104:カンチレバー 105:駆動素子 106:位置合わせマーカー 201:探針 202:カンチレバー 203:基板 204:レジスト 205:z方向駆動素子 206:ファンクションジェネレータ 207:加算回路 208:z方向駆動回路 209:レーザー 210:2分割センサ 211:差信号算出回路 212:同期検出回路 213:切り替え回路1 214:xyステージ 215:コンピュータ 216:xy方向駆動回路 217:切り替え回路2 218:レーザー光ビーム 219:反射光ビーム 220:フィードバック回路 221:切り替え回路3 222:位置合わせマーカー 301:位置合わせマーカー 302:同期検出回路2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/3065 H01L 21/304 301Z 21/304 301 21/302 H

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性体に支持された探針によって、被加工
    物表面に微細加工を施す微細加工方法であって、 該被加工物表面に位置合わせマーカーを設け、該位置合
    わせマーカーを基にして該探針の該被加工物表面上の切
    削加工を行うべき位置を検出する位置合わせ工程と、 該位置合わせ工程における位置合わせ終了後、該被加工
    物表面に対して前記弾性に支持された探針を所定の大き
    さの斥力で接触させることにより、該被加工物に対して
    該探針を押し込み、該被加工物に対して該探針を該被加
    工物表面内方向において所定方向に所定量だけ相対移動
    させることによって、該被加工物の切削加工を行う切削
    加工工程と、 を有することを特徴とする微細加工方法。
  2. 【請求項2】前記位置合わせ工程は、被加工物表面に対
    して非接触で先端を近づけた尖鋭な探針と該被加工物表
    面との間に作用する引力を検知し、該引力を一定に保つ
    ように、該探針と該被加工物表面との間隔を制御し、 該探針を該被加工物表面に対して非接触に該被加工物表
    面内方向に相対的に走査し、該被加工物表面に設けた位
    置合わせマーカー位置の該間隔制御における変化を検知
    し、 該間隔制御変化検知結果を基に、該位置合わせマーカー
    と該探針との該被加工物表面内方向の相対位置を検出
    し、 該相対位置検出結果を基に、該被加工物における加工予
    定位置に該探針を移動する工程を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の微細加工方法。
  3. 【請求項3】前記位置合わせ工程において、該探針と該
    被加工物表面との間に作用する引力がファンデルワール
    ス力であることを特徴とする請求項2に記載の微細加工
    方法。
  4. 【請求項4】前記位置合わせ工程において、該探針と該
    被加工物表面との間に作用する引力がファンデルワール
    ス力であり、前記間隔制御変化が該位置合わせマーカー
    の3次元形状によって引き起こされるものであることを
    特徴とする請求項2に記載の微細加工方法。
  5. 【請求項5】前記位置合わせ工程において、該探針と該
    被加工物表面との間に作用する引力が、導電性を有する
    材料からなる該探針と該被加工物との間に印加された電
    圧による静電力であることを特徴とする請求項2に記載
    の微細加工方法。
  6. 【請求項6】前記位置合わせ工程において、該探針と該
    被加工物表面との間に作用する引力が、導電性を有する
    材料からなる該探針と該被加工物との間に印加された電
    圧による静電力であり、前記間隔制御変化が該位置合わ
    せマーカーの電気的性質の2次元分布によって引き起こ
    されるものであることを特徴とする請求項2に記載の微
    細加工方法。
  7. 【請求項7】前記被加工物が、レジストであり、前記切
    削加工工程における前記斥力が3×10-8〜3×10-4
    [N]の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項
    6のいずれか1項に記載の微細加工方法。
  8. 【請求項8】前記被加工物が、ネガ型レジストであり、
    前記切削加工工程の後、さらに、該レジストにエネルギ
    ー線を照射することにより、該レジストを硬化させるエ
    ネルギー線照射工程を有することを特徴とする請求項1
    〜請求項6のいずれか1項に記載の微細加工方法。
  9. 【請求項9】弾性体に支持された探針を備え、該探針に
    よって被加工物表面に微細加工を施す微細加工装置であ
    って、 該被加工物表面に設けられた位置合わせマーカーを基に
    して、該探針の該被加工物表面上の切削加工を行うべき
    位置を検出する位置合わせ手段と、 斥力検知手段によって該探針と該被加工物表面との間に
    作用する斥力を検知し、相対駆動手段によって該被加工
    物と該探針との間に働く斥力が所定の大きさに達するま
    で、該被加工物に対して該探針を押し込むように該被加
    工物表面の法線方向に相対駆動し、相対移動手段によっ
    て該被加工物に対して該探針を該被加工物表面内方向に
    おいて所定方向に所定量だけ相対移動させる構成を備え
    た切削加工手段と、を有することを特徴とする微細加工
    装置。
  10. 【請求項10】前記位置合わせ手段は、該探針と該被加
    工物表面との間に作用する引力を検知する引力検知手段
    と、該引力を一定に保つように、該探針と該被加工物表
    面との間隔を制御する間隔制御手段と、該探針を該被加
    工物表面に対して非接触に該被加工物表面内方向に相対
    的に走査する相対走査手段と、該位置合わせマーカー位
    置の該間隔制御における変化の検知結果を基に、該位置
    合わせマーカーと該探針との該被加工物表面内方向の相
    対位置を検出する相対位置検出手段と、該相対位置検出
    結果を基に、該被加工物における加工予定位置に該探針
    を移動する移動手段と、により構成されていることを特
    徴とする請求項9に記載の微細加工装置。
  11. 【請求項11】前記引力検知手段が、該弾性体を共振振
    動させる振動手段と、該共振振動の振幅から該引力を検
    知する手段とを有することを特徴とする請求項10に記
    載の微細加工装置。
  12. 【請求項12】前記探針と前記被加工物とが導電性材料
    により構成され、前記引力検知手段が、該弾性体を共振
    振動させるように該探針と該被加工物との間に交流電圧
    を印加する電圧印加手段と、該共振振動の振幅から該引
    力を検知する手段とを有することを特徴とする請求項1
    0に記載の微細加工装置。
  13. 【請求項13】前記位置合わせマーカーが、前記被加工
    物中の2次元の電気的性質の異なりであることを特徴と
    する請求項12に記載の微細加工装置。
  14. 【請求項14】前記弾性体は、該弾性体の弾性定数が、
    3〜300[N/m]の範囲であることを特徴とする請
    求項9〜請求項13のいずれか1項に記載の微細加工装
    置。
  15. 【請求項15】前記被加工物が、基板上に設けられたレ
    ジストであることを特徴とする請求項9〜請求項14の
    いずれか1項に記載の微細加工装置。
  16. 【請求項16】前記レジストがネガ型レジストであり、
    該レジストにエネルギー線を照射することにより、該レ
    ジストを硬化させるエネルギー線照射手段を有している
    ことを特徴とする請求項15に記載の微細加工装置。
  17. 【請求項17】前記レジストが、LB法によって成膜さ
    れたLB膜であることを特徴とする請求項15に記載の
    微細加工装置。
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