JP2002166329A - 内面加工用ブローチ及びその製造方法 - Google Patents

内面加工用ブローチ及びその製造方法

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JP2002166329A JP2000363472A JP2000363472A JP2002166329A JP 2002166329 A JP2002166329 A JP 2002166329A JP 2000363472 A JP2000363472 A JP 2000363472A JP 2000363472 A JP2000363472 A JP 2000363472A JP 2002166329 A JP2002166329 A JP 2002166329A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内面加工用ブローチの製造工程の改善により、
歪み取りや研削加工等の製造に要する時間の短縮及びコ
スト削減等を行う内面加工用ブローチの製造方法を提供
することを目的とする。 【構成】素材を所定の長さに切断する等の材料準備工程
と、焼入れ焼戻しを行う熱処理工程と、外形及び刃溝の
形状加工と切れ刃すくい面の仕上げ加工を行う旋削工程
と、円筒面及び切れ刃にげ面の仕上げ加工を行う研削工
程、とを有することを特徴とする内面加工用ブローチの
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、丸穴、スプライン穴
等の加工を行う、丸ブローチ、スプラインブローチ等の
内面加工用ブローチの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ブローチの製造方法については、最終製
品硬さがHRC65以上となるため、熱処理工程前に概
略の形状を旋削加工すなわち切削加工により行い、熱処
理工程後に研削加工により最終仕上げまでを加工し、完
成させる方法が一般的である。また、ブローチ工具は熱
処理後に切削加工を行うにも工具寿命および加工精度等
が十分でないため、旋削加工すなわち切削加工が難し
く、研削加工が余儀なくされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、研削加
工における課題としては以下の3つが挙げられる。 1)ブローチの様に細く長いものは、通常でも熱処理歪
みが生じ易いにも拘わらず、さらに熱処理前の旋削加工
による切削残留応力が加熱により解放され、歪みが更に
大きくなるため、熱処理後の歪取りに時間がかかる。 2)研削加工は、加工面精度は旋削加工より良好である
が、一回当たりの切込みが多くできず加工時間がかか
り、切れ刃すくい面の加工では、特殊な加工機が必要と
なるため、段取り替えが必要になる場合もあり、段取り
替え等による加工工数も余分に必要になる。 3)研削加工では、加工部位毎に、異なる砥石形状が必
要であり、荒加工と仕上げ加工では、少しでも加工時間
を短縮するために、砥石の砥粒の粒度を変更するため、
砥石にコストがかかるとともに、全体の製造工程におけ
る工数が多いことから製造コストがかかる。
【0004】
【本発明の目的】本発明は、以上のような背景をもとに
なされたものであり、製造工程の改善により、歪み取り
や製造に要する時間の短縮及びコスト等削減等ができる
内面加工用ブローチの製造方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本願発明で
は、素材を所定の長さに切断する等の材料準備工程と、
焼入れ焼戻しを行う熱処理工程と、外形及び刃溝の形状
加工と切れ刃すくい面の仕上げ加工を行う旋削工程と、
円筒面及び切れ刃にげ面の仕上げ加工を行う研削工程、
とを有することを特徴とする内面加工用ブローチの製造
方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】図1及び図2の本発明例及び従来
例のフローチャートに基づき説明する。第1に、本発明
では熱処理工程における歪取り工程削減のため、熱処理
前の旋削工程を熱処理後に行う。この工程の改善によ
り、事前の旋削加工による切削残留応力が加熱により解
放され、歪みが更に大きくなる等の熱処理歪みを考慮す
る必要がなくなり、加工代の低減、適切な加工代で良
く、実際の歪取り工程のほとんどを削減することができ
る。
【0007】第2に、熱処理後に行う旋削加工である
が、CBN等の硬質材を使用したバイトにより旋削条件
を適正化することにより、HRC65以上の材料におい
てもバイトの工具寿命も問題なく、旋削加工が可能とな
る。また、加工精度はバイト刃先の形状や送りピッチを
含む旋削条件を適正化することにより対応できる。通常
の旋削条件的には通常より劣ることになっても、研削加
工と比較すれば、十分に早く加工時間が短縮できる。
【0008】第3に、全体の製造工程の流れにおいて、
旋削加工は旋削加工で集め、ほとんどの機械加工を旋削
加工でまかなうことにより、製造工程の流れが良好にな
り、機械段取り工数も必要最小限にでき、製造に要する
時間を大幅に短縮することができ、砥石の種類も少なく
て済み、製造コスト及び製造に要する時間を大幅に短縮
することができる。
【0009】ここで、機械加工前工程において熱処理済
みの素材を購入して使用したもの、及び/または、研削
工程の中にスプラインの縦溝研削工程や高精度維持のた
めの仕上げ研削工程を含むもの、及び/または、研削加
工による機械仕上げ加工終了後にブローチの工具寿命向
上のためのコーティング処理、窒化処理等の表面処理を
行うことも本発明の範疇であることはいうまでもなく、
とくに表面処理に伴う温度上昇による工具振れの再発が
ほとんどなく、従来の製造方法より、工具精度が向上す
る。
【0010】本願発明では、今まで研削加工でしかでき
なかった熱処理後の加工を旋削加工で行うという技術的
手段を講じたものであり、以下、実施例に基づき本発明
を具体的に説明する。
【0011】
【実施例】図1に本発明の一例を示し、切れ刃最外周の
稜線形状が工具軸を中心とする円弧形状であるスプライ
ンブローチに適用した製造工程のフローチャート、図2
にスプラインブローチの従来の製造工程のフローチャー
トを示す。図1に示す本発明例と比較して、工程数が多
く、また、段取り替えも多い。
【0012】本発明例、図1の機械加工前工程1では、
高速度工具鋼の丸棒素材を、製造するスプラインブロー
チの所定の長さに切断する材料準備工程4に続き、熱処
理工程5でHRC66〜68に焼入れ焼戻しを行う。ま
た、熱処理工程5における歪取りは、歪調査の結果、必
要としなかった。図1の旋削工程2では、CBNのバイ
トを使用し、シャンク部を含むブローチ全体の形状荒加
工及び仕上げ加工、刃溝荒加工及び仕上げ加工、切れ刃
すくい面仕上げ加工までを同一段取りで行った。CBN
のバイトは僅かに摩耗していたものの通常摩耗であり、
まだ切削可能な状態であった。また、この時の切れ刃す
くい面の面粗さはRy1μm以下と良好であった。図1
の研削工程3では、円筒面の仕上げ加工、切れ刃にげ面
の仕上げ加工、スプライン溝の縦溝荒加工及び仕上げ加
工を行い、スプラインブローチを完成させる。
【0013】次に、従来例・図2では、材料準備工程
4、旋削工程2、熱処理工程5迄行った後、研削工程3
に移る製法である。材料準備工程は本発明例と同じで、
次の旋削工程2は調質前の素材の荒加工を行う工程であ
るが、本発明例では省ける部分である。更に、次の熱処
理工程では、熱処理のたびに歪み取りを行う必要があ
る。この理由は、素材の荒加工により刃溝まで加工して
いるため、歪みが発生しやすいためである。次の研削工
程6では、熱処理前に荒加工しているのであるが、加工
代等を含め荒取りした後で仕上げ加工を行っている。最
後に、工具としての仕上げである、円筒面、切れ刃逃げ
面、スプラインの縦溝加工により完成する。
【0014】本発明例と従来例とでは、準備段階で大き
な違いがあり、切断後に熱処理を行うため、熱処理での
歪みは焼き戻し後の検査で判断すれば良く、中途での歪
み検査等を省くことができる。また、今回の熱処理工程
5における歪取りは、歪調査の結果、必要としなかっ
た。また、製造に要する工数の比較において、従来例で
は熱処理工程5における歪取り、及び研削工程3におけ
る加工機械変更6による段取り変更に時間を要してお
り、本発明例では、これらの時間を大幅に削減、削除で
きた。
【0015】次の旋削工程2では、CBNのバイトを使
用し、シャンク部を含むブローチ全体の形状荒加工及び
仕上げ加工、刃溝荒加工及び仕上げ加工、切れ刃すくい
面仕上げ加工までを同一段取りで行うことができた。ま
た、旋削加工で荒取りを行うため、研削加工のための加
工代は一定とすることができる特徴がある。また、CB
Nのバイトは僅かに摩耗していたものの通常摩耗であ
り、まだ切削可能な状態であった。また、この時の切れ
刃すくい面の面粗さはRy1μm以下と良好であった。
なお、本発明例の旋削加工面は、図3に示すように、最
外周切れ刃稜線とすくい面の加工条痕とが同心円状にな
り、該最外周切れ刃稜線に該研削条痕が現れることな
く、均一でスムーズな稜線が得られるのに対し、従来例
の研削面は、研削砥石が円盤状であるため、図4に示す
ように、すくい面の状態が砥石送り方向に対し傾斜した
研削条痕となり、該研削条痕が最外周刃先稜線に現れ、
該刃先稜線はノコギリ状の稜線となる。この事より、従
来例で加工したブローチ工具は、被加工物の加工面が、
粗い面粗さとなるばかりでなく、ノコギリ状の稜線の凸
部に切削負荷が集中し、チッピングの要因となり、とく
に最外周刃先稜線と側歯面とで形成されるエッジ部の強
度が弱くなり、チッピングや欠けを生じ、工具寿命を劣
化させていたのに対し、本発明例のブローチ工具は、被
加工物の加工面粗さが良好となり、チッピングや欠けを
抑制することになり加工面粗さを維持したままで工具寿
命が延びた。
【0016】刃溝は、本発明例で加工した工具は、旋削
面のみとなり、従来例の製造方法で加工した工具は、熱
処理前の旋削面と熱処理後の研削面の段差が有り、本発
明例では切り屑の排出性が良好となり、更に加工面粗
さ、工具寿命が向上した。
【0017】更に、図5に本発明例と従来例の所要製造
時間比較を示す。本発明例は従来例の約2/3の時間で
製造が完了し、また、製造に要する時間は製造コストに
連動するため、製造時間の削減は製造コストの削減に繋
がり、研削工程削減による研削砥石の使用量とともに製
造コストも大幅に削減できた。
【0018】
【発明の効果】以上の結果から、本願発明を適用するこ
とにより、丸穴、スプライン穴等の加工を行う内面加工
用ブローチの製造方法において、製造コスト及び製造に
要する時間を大幅に短縮することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例のフローチャート図で
ある。
【図2】図2は、従来例のフローチャート図である。
【図3】図3は、本発明例で加工したブローチのすくい
面の状態を示す図である。
【図4】図4は、従来例で加工したブローチのすくい面
の状態を示す図である。
【図5】図5は、本発明例と従来例の所要製造時間比較
を示す図である。
【符号の説明】
1 機械加工前工程 2 旋削工程 3 研削工程 4 材料準備工程 5 熱処理工程 6 加工機械変更
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月28日(2001.12.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 内面加工用ブローチ及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、丸穴、スプライン穴
等の加工を行う、丸ブローチ、スプラインブローチ等の
内面加工用ブローチの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ブローチの製造方法については、最終製
品硬さがHRC65以上となるため、熱処理工程前に概
略の形状を旋削加工すなわち切削加工により行い、熱処
理工程後に研削加工により最終仕上げまでを加工し、完
成させる方法が一般的である。また、ブローチ工具は熱
処理後に切削加工を行うにも工具寿命および加工精度等
が十分でないため、旋削加工すなわち切削加工が難し
く、研削加工が余儀なくされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、研削加
工における課題としては以下の3つが挙げられる。 1)ブローチの様に細く長いものは、通常でも熱処理歪
みが生じ易いにも拘わらず、さらに熱処理前の旋削加工
による切削残留応力が加熱により解放され、歪みが更に
大きくなるため、熱処理後の歪取りに時間がかかる。 2)研削加工は、加工面精度は旋削加工より良好である
が、一回当たりの切込みが多くできず加工時間がかか
り、切れ刃すくい面の加工では、特殊な加工機が必要と
なるため、段取り替えが必要になる場合もあり、段取り
替え等による加工工数も余分に必要になる。 3)研削加工では、加工部位毎に、異なる砥石形状が必
要であり、荒加工と仕上げ加工では、少しでも加工時間
を短縮するために、砥石の砥粒の粒度を変更するため、
砥石にコストがかかるとともに、全体の製造工程におけ
る工数が多いことから製造コストがかかる。
【0004】
【本発明の目的】本発明は、以上のような背景をもとに
なされたものであり、製造工程の改善により、歪み取り
や製造に要する時間の短縮及びコスト等削減等ができる
内面加工用ブローチの製造方法を提供することを目的と
する。また、加工面粗さ、工具寿命が向上する内面加工
用ブローチを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本願発明で
は、素材を所定の長さに切断する等の材料準備工程と、
焼入れ焼戻しを行う熱処理工程と、外形及び刃溝の形状
加工と切れ刃すくい面の仕上げ加工を行う旋削工程と、
円筒面及び切れ刃にげ面の仕上げ加工を行う研削工程、
とを有することを特徴とする内面加工用ブローチ及びそ
の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】図1及び図2の本発明例及び従来
例のフローチャートに基づき説明する。第1に、本発明
では熱処理工程における歪取り工程削減のため、熱処理
前の旋削工程を熱処理後に行う。この工程の改善によ
り、事前の旋削加工による切削残留応力が加熱により解
放され、歪みが更に大きくなる等の熱処理歪みを考慮す
る必要がなくなり、加工代の低減、適切な加工代で良
く、実際の歪取り工程のほとんどを削減することができ
る。
【0007】第2に、熱処理後に行う旋削加工である
が、CBN等の硬質材を使用したバイトにより旋削条件
を適正化することにより、HRC65以上の材料におい
てもバイトの工具寿命も問題なく、旋削加工が可能とな
る。また、加工精度はバイト刃先の形状や送りピッチを
含む旋削条件を適正化することにより対応できる。通常
の旋削条件的には通常より劣ることになっても、研削加
工と比較すれば、十分に早く加工時間が短縮できる。
【0008】第3に、全体の製造工程の流れにおいて、
旋削加工は旋削加工で集め、ほとんどの機械加工を旋削
加工でまかなうことにより、製造工程の流れが良好にな
り、機械段取り工数も必要最小限にでき、製造に要する
時間を大幅に短縮することができ、砥石の種類も少なく
て済み、製造コスト及び製造に要する時間を大幅に短縮
することができる。
【0009】ここで、機械加工前工程において熱処理済
みの素材を購入して使用したもの、及び/または、研削
工程の中にスプラインの縦溝研削工程や高精度維持のた
めの仕上げ研削工程を含むもの、及び/または、研削加
工による機械仕上げ加工終了後にブローチの工具寿命向
上のためのコーティング処理、窒化処理等の表面処理を
行うことも本発明の範疇であることはいうまでもなく、
とくに表面処理に伴う温度上昇による工具振れの再発が
ほとんどなく、従来の製造方法より、工具精度が向上す
る。また、上述の通り、ブローチの工具精度が向上した
ことにより、ブローチ加工において、加工面粗さ、工具
寿命が向上する。
【0010】本願発明では、今まで研削加工でしかでき
なかった熱処理後の加工を旋削加工で行うという技術的
手段を講じたものであり、以下、実施例に基づき本発明
を具体的に説明する。
【0011】
【実施例】図1に本発明の一例を示し、切れ刃最外周の
稜線形状が工具軸を中心とする円弧形状であるスプライ
ンブローチに適用した製造工程のフローチャート、図2
にスプラインブローチの従来の製造工程のフローチャー
トを示す。図1に示す本発明例と比較して、工程数が多
く、また、段取り替えも多い。
【0012】本発明例、図1の機械加工前工程1では、
高速度工具鋼の丸棒素材を、製造するスプラインブロー
チの所定の長さに切断する材料準備工程4に続き、熱処
理工程5でHRC66〜68に焼入れ焼戻しを行う。ま
た、熱処理工程5における歪取りは、歪調査の結果、必
要としなかった。図1の旋削工程2では、CBNのバイ
トを使用し、シャンク部を含むブローチ全体の形状荒加
工及び仕上げ加工、刃溝荒加工及び仕上げ加工、切れ刃
すくい面仕上げ加工までを同一段取りで行った。CBN
のバイトは僅かに摩耗していたものの通常摩耗であり、
まだ切削可能な状態であった。また、この時の切れ刃す
くい面の面粗さはRy1μm以下と良好であった。図1
の研削工程3では、円筒面の仕上げ加工、切れ刃にげ面
の仕上げ加工、スプライン溝の縦溝荒加工及び仕上げ加
工を行い、スプラインブローチを完成させる。
【0013】次に、従来例・図2では、材料準備工程
4、旋削工程2、熱処理工程5迄行った後、研削工程3
に移る製法である。材料準備工程は本発明例と同じで、
次の旋削工程2は調質前の素材の荒加工を行う工程であ
るが、本発明例では省ける部分である。更に、次の熱処
理工程では、熱処理のたびに歪み取りを行う必要があ
る。この理由は、素材の荒加工により刃溝まで加工して
いるため、歪みが発生しやすいためである。次の研削工
程3では、熱処理前に荒加工しているのであるが、加工
代等を含め荒取りした後で仕上げ加工を行っている。最
後に、工具としての仕上げである、円筒面、切れ刃逃げ
面、スプラインの縦溝加工により完成する。
【0014】本発明例と従来例とでは、準備段階で大き
な違いがあり、切断後に熱処理を行うため、熱処理での
歪みは焼き戻し後の検査で判断すれば良く、中途での歪
み検査等を省くことができる。また、今回の熱処理工程
5における歪取りは、歪調査の結果、必要としなかっ
た。また、製造に要する工数の比較において、従来例で
は熱処理工程5における歪取り、及び研削工程3におけ
る加工機械変更6による段取り変更に時間を要してお
り、本発明例では、これらの時間を大幅に削減、削除で
きた。
【0015】次の旋削工程2では、CBNのバイトを使
用し、シャンク部を含むブローチ全体の形状荒加工及び
仕上げ加工、刃溝荒加工及び仕上げ加工、切れ刃すくい
面仕上げ加工までを同一段取りで行うことができた。ま
た、旋削加工で荒取りを行うため、研削加工のための加
工代は一定とすることができる特徴がある。また、CB
Nのバイトは僅かに摩耗していたものの通常摩耗であ
り、まだ切削可能な状態であった。また、この時の切れ
刃すくい面の面粗さはRy1μm以下と良好であった。
なお、本発明例の旋削加工面は、図3に示すように、最
外周切れ刃稜線とすくい面の加工条痕とが同心円状にな
り、該最外周切れ刃稜線に該研削条痕が現れることな
く、均一でスムーズな稜線が得られるのに対し、従来例
の研削面は、研削砥石が円盤状であるため、図4に示す
ように、すくい面の状態が砥石送り方向に対し傾斜した
研削条痕となり、該研削条痕が最外周刃先稜線に現れ、
該刃先稜線はノコギリ状の稜線となる。この事より、従
来例で加工したブローチ工具は、被加工物の加工面が、
粗い面粗さとなるばかりでなく、ノコギリ状の稜線の凸
部に切削負荷が集中し、チッピングの要因となり、とく
に最外周刃先稜線と側歯面とで形成されるエッジ部の強
度が弱くなり、チッピングや欠けを生じ、工具寿命を劣
化させていたのに対し、本発明例のブローチ工具は、被
加工物の加工面粗さが良好となり、チッピングや欠けを
抑制することになり加工面粗さを維持したままで工具寿
命が延びた。
【0016】刃溝は、本発明例で加工した工具は、旋削
面のみとなり、従来例の製造方法で加工した工具は、熱
処理前の旋削面と熱処理後の研削面の段差が有り、本発
明例では切り屑の排出性が良好となり、更に加工面粗
さ、工具寿命が向上した。
【0017】更に、図5に本発明例と従来例の所要製造
時間比較を示す。本発明例は従来例の約2/3の時間で
製造が完了し、また、製造に要する時間は製造コストに
連動するため、製造時間の削減は製造コストの削減に繋
がり、研削工程削減による研削砥石の使用量とともに製
造コストも大幅に削減できた。
【0018】
【発明の効果】以上の結果から、本願発明を適用するこ
とにより、丸穴、スプライン穴等の加工を行う内面加工
用ブローチの製造方法において、製造コスト及び製造に
要する時間を大幅に短縮することができた。また、内面
加工用ブローチにおいて、加工面粗さ、工具寿命が向上
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例のフローチャート図で
ある。
【図2】図2は、従来例のフローチャート図である。
【図3】図3は、本発明例で加工したブローチのすくい
面の状態を示す図である。
【図4】図4は、従来例で加工したブローチのすくい面
の状態を示す図である。
【図5】図5は、本発明例と従来例の所要製造時間比較
を示す図である。
【符号の説明】 1 機械加工前工程 2 旋削工程 3 研削工程 4 材料準備工程 5 熱処理工程 6 加工機械変更

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素材を所定の長さに切断する等の材料準備
    工程と、焼入れ焼戻しを行う熱処理工程と、外形及び刃
    溝の形状加工と切れ刃すくい面の仕上げ加工を行う旋削
    工程と、円筒面及び切れ刃にげ面の仕上げ加工を行う研
    削工程、とを有することを特徴とする内面加工用ブロー
    チの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103419006A (zh) * 2013-08-02 2013-12-04 大连圣洁真空技术开发有限公司 采用复合技术制作整体拉刀的工艺
CN112008143A (zh) * 2019-05-28 2020-12-01 上海永桦合金工具有限公司 镶合金拉刀及制作工艺
CN116275930A (zh) * 2023-03-07 2023-06-23 江阴塞特精密工具有限公司 一种外齿拉刀的制造工艺

Cited By (4)

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CN116275930A (zh) * 2023-03-07 2023-06-23 江阴塞特精密工具有限公司 一种外齿拉刀的制造工艺
CN116275930B (zh) * 2023-03-07 2023-09-01 江阴塞特精密工具有限公司 一种外齿拉刀的制造工艺

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