JP2002164704A - バランス信号を扱う高周波スイッチ、スパイラルインダクタ及び分配器 - Google Patents

バランス信号を扱う高周波スイッチ、スパイラルインダクタ及び分配器

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JP2002164704A
JP2002164704A JP2000361020A JP2000361020A JP2002164704A JP 2002164704 A JP2002164704 A JP 2002164704A JP 2000361020 A JP2000361020 A JP 2000361020A JP 2000361020 A JP2000361020 A JP 2000361020A JP 2002164704 A JP2002164704 A JP 2002164704A
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JP2000361020A
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Koji Takinami
浩二 滝波
Makoto Sakakura
真 坂倉
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数が高くなった場合でも、FETの寄生
容量によるアイソレーション特性の劣化を防止する高周
波スイッチ及びそれに好適なスパイラルインダクタを提
供する。 【解決手段】 SPDTスイッチは、共通入出力端子1
01と入出力端子102、103を備え、共通入出力端
子101に接続される一方の信号線にλ/4線路(90
度移相器)130bを接続し、入出力端子102に接続
される信号線のうち、λ/4線路130bが接続されな
い側の信号線においてλ/4線路(90度移相器)13
0aを接続し、さらに、入出力端子103に接続される
信号線のうち、λ/4線路130bが接続されない側の
信号線においてλ/4線路(90度移相器)130cを
接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、等振幅、逆位相の
信号からなるバランス信号を扱う高周波スイッチ及びそ
れに好適なスパイラルインダクタ及び分配器に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話に代表される無線通信機におい
て、等振幅、逆位相の関係を有する信号対からなるバラ
ンス信号を用いて、増幅器や周波数変換器などをバラン
ス(差動)動作させる方式がある。このようなバランス
(差動)動作させる回路(以下「バランス型回路」とい
う。)では、電源や外部からの干渉による特性劣化を抑
えることができるので、特に、不要な信号の回り込みが
問題になりやすい半導体集積回路などで広く用いられて
いる。無線通信機において、アンテナを共用して送信経
路と受信経路とを切り替えて接続する構成の場合、その
切り替えのために、SPDT(Single−Pole
Double−Throw)スイッチが用いられるこ
とが多い。このSPDTスイッチもバランス型回路で構
成することが可能である。
【0003】図12は、広く採用されている単相動作の
SPDTスイッチの構成を示している。同図において、
SPDTスイッチは、共通入出力端子101と、2つの
入出力端子102、103と、制御端子104a、10
4bと、電界効果トランジスタ(以下「FET」とい
う。)110a〜110dとで構成される。また、SP
DTスイッチはバイアス用抵抗として、扱う周波数に対
して十分大きなインピーダンスを有する抵抗120a〜
120dを備える。共通入出力端子101から入力され
た信号は、入出力端子102又は入出力端子103のい
ずれか一方へ伝達され、そこから出力される。また、入
出力端子102又は入出力端子103の他方から入力し
た信号は共通入出力端子101へ伝達され、そこから出
力される。
【0004】このようなSPDTスイッチを用いてバラ
ンス型のスイッチを構成する場合、等振幅、逆位相の2
つの信号に対する信号経路の各々においてSPDTスイ
ッチを用いればよい。図13は、図12に示すSPDT
スイッチを用いて構成したバランス型SPDTスイッチ
の構成例である。図13に示す例は本発明者がバランス
回路の原理に基づいて独自に考案したものである。図1
3において、バランス型SPDTスイッチは、共通入出
力端子101、入出力端子102、103を備える。そ
れらの端子において、等振幅、逆位相のバランス信号が
入力または出力される。また、バランス型SPDTスイ
ッチは制御端子104a、104bと、FET110a
〜110hと、バイアス用抵抗120a〜120とを有
する。いま、各FETは、FETのゲート・ソース間電
圧がVc1のときオン状態となり、ゲート・ソース間電
圧がVc2のときオフ状態になると仮定する。制御端子
104a、104bには相補的に電圧Vc1または電圧
Vc2が印加される。制御端子104aにVc1、制御
端子104bにVc2を加えると、FET110b、1
10c、110f、110gがオン状態、FET110
a、110d、110e、110hがオフ状態となり、
共通入出力端子101と入出力端子103の経路は接続
され、共通入出力端子101と入出力端子102の経路
は遮断される。逆に、制御端子104aにVc2、制御
端子104bにVc1を加えると、FET110b、1
10c、110f、110gがオフ状態、FET110
a、110d、110e、110hがオン状態となり、
共通入出力端子101と入出力端子102の経路が接続
され、共通入出力端子101と入出力端子103の経路
は遮断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たSPDTスイッチでは、取り扱う周波数が高くなる
と、FETの寄生容量によって挿入損失やアイソレーシ
ョン特性が劣化する。FETは、図14(a)に示すよ
うにゲート・ソース間電圧に応じて変化するドレイン・
ソース間抵抗Rdsと寄生容量Cdsとの並列回路で簡易的
に等価回路表現でき、FETがオン時はドレイン・ソー
ス間抵抗Rdsのみ(図14(b)参照)で、オフ時はド
レイン・ソース間容量Cdsのみ(図14(c)参照)で
表現できる。挿入損失を低減するにはオン時のドレイン
・ソース間抵抗Rdsを小さくすればよい。しかし、ドレ
イン・ソース間抵抗Rdsを低減するためにFETのゲー
ト幅を大きくすると、ドレイン・ソース間容量Cdsが大
きくなりオフ時のアイソレーションが劣化する。このよ
うに、挿入損失とアイソレーション間にはトレードオフ
の関係がある。アイソレーションを改善するためにFE
Tに並列にインダクタを接続し、オフ時の浮遊容量Cds
と共振させる構成も提案されている。しかしながら、そ
の方法では、周波数特性が狭帯域となるだけでなく、共
振用インダクタに大きな面積を要するため半導体集積化
しにくいという問題があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するために、低
損失で高いアイソレーションを確保するSPDTスイッ
チ及びそれに好適なスパイラルインダクタ及び分配器を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明の第1の方法は、SPDTスイッチを構成す
る共通入出力端子に接続される一方の信号線に90度移
相器を接続し、残り2つの入出力端子に接続される信号
線のうち前記90度移相器が接続されない側の信号線に
90度移相器を接続することを特徴とする。本発明の第
2の方法は、SPDTスイッチを構成するFETに並列
にインダクタを接続してオフ時の浮遊容量と共振させ、
かつ、それらの共振周波数が異なることを特徴とする。
より、具体的には以下のとおりとなる。
【0008】本発明に係る第1の高周波スイッチは、等
振幅、逆位相のバランス信号の伝送経路を切り替える高
周波スイッチであって、共通入出力端子対と、第1及び
第2の入出力端子対と、共通入出力端子対に接続された
一対の信号経路と、第1の入出力端子対に接続された一
対の信号経路と、第2の入出力端子対に接続された一対
の信号経路と、共通入出力端子対に接続された信号経路
対に対して、第1の入出力端子対に接続された信号経路
対又は第2の入出力端子対に接続された信号経路対を接
続するように切り替えを行なうスイッチ手段とを含む。
共通入出力端子対に接続された信号経路の一方に90度
移相器が含まれる。第1の入出力端子対に接続された信
号経路のうち、共通入出力端子対に接続された信号経路
の他方に接続され得る方の信号経路に90度移相器が含
まれる。第2の入出力端子対に接続された信号経路のう
ち、共通入出力端子対に接続された信号経路の他方に接
続され得る方の信号経路に90度移相器が含まれる。
【0009】本発明に係る第2の高周波スイッチは、等
振幅、逆位相のバランス信号の伝送経路を切り替える高
周波スイッチであって、共通入出力端子には単相信号が
入力または出力される共通入出力端子と、バランス信号
が入力または出力される第1及び第2の入出力端子対
と、共通入出力端子に接続されて、単相信号を2つの同
じ信号に分配する分配手段と、分配手段から出力される
2つの信号を伝達するために前記分配手段に接続された
一対の信号経路と、第1の入出力端子対に接続された一
対の信号経路と、第2の入出力端子対に接続された一対
の信号経路と、分配手段に接続された信号経路対に対し
て、第1の入出力端子対に接続された信号経路対又は第
2の入出力端子対に接続された信号経路対を接続するよ
うに切り替えを行なうスイッチ手段とを含む。分配手段
に接続された信号経路の一方には、90度移相器が含ま
れる。第1の入出力端子対に接続された信号経路のう
ち、分配手段に接続された信号経路の他方に接続され得
る信号経路に90度移相器が含まれる。第2の入出力端
子対に接続された信号経路のうち、分配手段に接続され
た信号経路の他方に接続され得る信号経路に90度移相
器が含まれる。このとき、第1の入出力端子対に接続さ
れる2つの信号線の間を、FETを介して接続してもよ
い。
【0010】本発明に係る第3の高周波スイッチは、等
振幅、逆位相のバランス信号の伝送経路を切り替える高
周波スイッチであって、第1及び第2の共通入出力端子
対と、第1及び第2の入出力端子対と、第1の共通入出
力端子対に接続された一対の信号経路と、第2の共通入
出力端子対に接続された一対の信号経路と、第1の入出
力端子対に接続された一対の信号経路と、第2の入出力
端子対に接続された一対の信号経路と、第1の共通入出
力端子対に接続された信号経路対又は第2の共通入出力
端子対に接続された信号経路対に対して、第1の入出力
端子対に接続された信号経路対又は第2の入出力端子対
に接続された信号経路対を接続するように切り替えを行
なうスイッチ手段とを含む。第1の共通入出力端子対に
接続された信号経路の一方に90度移相器が含まれる。
第2の共通入出力端子対に接続された信号経路の一方に
90度移相器が含まれる。第1の入出力端子対に接続さ
れた信号経路の一方に90度移相器が含まれる。その信
号経路の一方は第1の共通入出力端子対に接続された他
方の信号経路又は第2の共通入出力端子対に接続された
他方の信号経路に接続可能である。第2の入出力端子対
に接続された信号経路の一方に90度移相器が含まれ
る。その信号経路の一方は第1の共通入出力端子対に接
続された他方の信号経路又は第2の共通入出力端子対に
接続された他方の信号経路に接続可能である。
【0011】上記の高周波スイッチにおいて、90度移
相器を4分の1波長の線路で構成してもよいし、又は、
コンデンサ及びインダクタを用いて構成してもよい。
【0012】本発明に係るFETスイッチは、直列に接
続した2つ以上のFETを有し、2つ以上のFETのそ
れぞれにはインダクタが並列に接続されており、2つ以
上のFETは異なる周波数で共振させる。
【0013】本発明に係る第4の高周波スイッチは、等
振幅、逆位相のバランス信号が入出力されるFETスイ
ッチであって、直列に接続されるFETにインダクタを
並列に接続するとともに、対向するインダクタを電磁界
的に結合させる。
【0014】本発明に係る第1のバランス型スパイラル
インダクタは、互いに逆方向に巻かれた2つのスパイラ
ルインダクタからなり、2つのスパイラルインダクタ
は、それらのスパイラル形状部分の配線が隣接する配線
層に絶縁層を介して重なり合うように形成されており、
2つのスパイラルインダクタに等振幅、逆位相のバラン
ス信号を入出力する。
【0015】上記のバランス型スパイラルインダクタに
おいて、少なくとも3層の配線層からなり、スパイラル
の中心部から外側へ信号線を引き出す引出し配線をスパ
イラル配線より下層の配線層を用いて形成してもよい。
【0016】本発明に係る第2のバランス型スパイラル
インダクタは、互いに逆方向に巻かれた2つのスパイラ
ルインダクタからなり、2つのスパイラルインダクタ
は、それらの配線が交差する部分を除いて同一配線層に
交互に平行に形成され、2つのスパイラルインダクタに
等振幅、逆位相のバランス信号が入出力される。
【0017】本発明に係る第3のバランス型スパイラル
インダクタは、互いに同方向に巻かれた2つのスパイラ
ルインダクタから成り、一方のスパイラルインダクタは
スパイラルの中心から信号が入力され、他方のスパイラ
ルインダクタはスパイラルの外側から信号が入力され、
それらのスパイラルインダクタに対して等振幅、逆位相
ののバランス信号が入力される。
【0018】本発明に係る第4のバランス型スパイラル
インダクタは、互いに逆方向に巻かれた2つのスパイラ
ルインダクタから成り、一方のスパイラルインダクタを
囲繞するように他方のスパイラルインダクタを形成し、
前記2つのスパイラルインダクタに等振幅、逆位相のバ
ランス信号を入力する。
【0019】上記のスパイラルインダクタを上記のバラ
ンス型スイッチに適用できる。
【0020】本発明に係るバランス型分配器は、等振
幅、逆位相のバランス信号を分配する分配器であって、
第1、第2および第3の入出力端子対と、第1の入出力
端子対に接続された一対の信号経路と、第2の入出力端
子対に接続された一対の信号経路と、第3の入出力端子
対に接続された一対の信号経路とを備える。第1の入出
力端子対に接続された一対の信号経路と、第2の入出力
端子対に接続された一対の信号経路とが接続される。さ
らに、その接続点において前記第3の入出力端子対に接
続された一対の信号経路が接続される。第1の入出力端
子に接続された信号経路の一方には90度移相器が含ま
れる。第2の入出力端子に接続された信号経路のうち、
第1の入出力端子に接続された他方の信号経路に接続さ
れた方の信号経路に90度移相器が含まれる。第3の入
出力端子に接続された信号経路のうち、第1の入出力端
子に接続された他方の信号経路に接続された方の信号経
路に90度移相器が含まれる。
【0021】本発明に係る第5の高周波スイッチは等振
幅、逆位相の信号対からなるバランス信号の伝送経路を
切り替えるものであり、少なくとも1つの共通入出力端
子と2つの入出力端子とを備え、共通入出力端子と各入
出力端子間の経路中をバランス信号を伝達させたとき
に、伝達後のバランス信号の一対の信号の位相差が18
0度に保持されるように、共通入出力端子と各入出力端
子間の経路中に90度移相器を配置し、かつ、2つの入
出力端子間の経路中をバランス信号が伝達した場合に、
その一対の信号の位相差を180度からずらし、バラン
ス信号が伝達しないように、入出力端子間の経路中に9
0度移相器を配置する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高周波スイッ
チの実施の形態について添付の図面を参照しながら説明
する。なお、各図面において、同一または同様の部分に
は同一の符号を付している。
【0023】以下の実施形態で説明する高周波スイッチ
は等振幅、逆位相の信号対からなるバランス信号の伝送
経路を切り替えるものであり、少なくとも1つの共通入
出力端子と2つの入出力端子とを備え、共通入出力端子
と各入出力端子間の経路中をバランス信号を伝達させた
ときに、伝達後のバランス信号の一対の信号の位相差が
180度に保持されるように、共通入出力端子と各入出
力端子間の経路中に90度移相器を配置し、かつ、2つ
の入出力端子間の経路中をバランス信号が伝達した場合
に、その一対の信号の位相差を180度からずらし、バ
ランス信号が伝達しないように、入出力端子間の経路中
に90度移相器を配置するものである。以下、その詳細
を説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1における、高周波信号の伝送経路の切り替えを行
なうバランス型SPDTスイッチの構成を示した図であ
る。同図において、バランス型SPDTスイッチは、共
通入出力端子101と、入出力端子102、103とを
有する、これらの各端子において、等振幅、逆位相の信
号対からなるバランス信号が入力または出力される。共
通入出力端子101はバランス信号を構成する2つの信
号を伝送するため一対の端子101a、101bからな
る。同様に、入出力端子102は一対の端子102a、
102bからなる。また、入出力端子103も一対の端
子103a、103bからなる。
【0025】入出力端子102と入出力端子103間の
回路構成を説明する。入出力端子102aと入出力端子
103a間には、λ/4線路130a、FET110
a、FET110b及びλ/4線路130cがこの順に
挿入されている。入出力端子102bと入出力端子10
3b間には、FET110e、FET110fがこの順
に挿入されている。λ/4線路130aとFET110
aとの接続点と、端子102bとFET110eの接続
点との間には、FET110cが接続されている。FE
T110cのゲートはバイアス用抵抗120cを介して
制御端子104aに接続されている。FET110aの
ゲートとFET110eのゲート間は抵抗120aと抵
抗120eの直列回路により接続される。抵抗120a
と抵抗120eの接続点は制御端子104bに接続され
ている。λ/4線路130cとFET110bとの接続
点と、端子103bとFET110fの接続点との間に
は、FET110dが接続されている。FET110d
のゲートはバイアス用抵抗120dを介して制御端子1
04bに接続されている。FET110bのゲートとF
ET110fのゲート間は抵抗120bと抵抗120f
の直列回路により接続される。抵抗120bと抵抗12
0fの接続点は制御端子104aに接続されている。
【0026】共通入出力端子101aはFET110a
とFET110bの接続点に接続されている。共通入出
力端子101bはFET110eとFET110fの接
続点にλ/4線路130bを介して接続されている。
【0027】図1では、2つのシャントFET110
c、110dの中点を仮想的にグランドと考え、シャン
トFETを実際には接地しない構成をとっている。この
ような構成により、4つのシャントFETが必要である
ところ、2つに削減でき、回路規模を小型化できる。さ
らに、安定したグランドを確保しにくい半導体集積回路
上でも、良好な特性を得ることができる。
【0028】ここで、共通入出力端子101をアンテナ
に接続するアンテナ(ANT)端子と、入出力端子10
2を受信信号を伝送するための受信(Rx)端子と、入
出力端子103を出力信号を伝送するための送信(T
x)端子とし、バランス型SPDTスイッチの動作を説
明する。
【0029】以上のように構成されるバランス型スイッ
チの動作を説明する。最初に、送信時、すなわち、送信
信号が送信端子103から入力されアンテナ端子101
に伝送される場合の動作について説明する。
【0030】送信時には、制御端子104aに電圧Vc
1、制御端子104bに電圧Vc2が印加される。各F
ETには微少なゲートリーク電流が流れるので、各FE
Tのドレイン及びソースが接続されている信号線の電位
は一意に定まる。いま、ドレインおよびソース端の電位
をVpとすれば、FET110a、110d、110e
のゲート・ソース間電圧はVc1−Vp、FET110
b、110c、110fのゲート・ソース間電圧はVc
2−Vpとなる。本実施形態では、各FETのゲート・
ソース間電圧がVc1−VpのときFETがオン状態
に、Vc2−Vpのときオフ状態になるとする。
【0031】したがって、制御端子104aに電圧Vc
1、制御端子104bに電圧Vc2を加えたときは、F
ET110b、110c、110fがオン状態に、FE
T110a、110d、110eがオフ状態となるの
で、共通入出力端子101と入出力端子103が接続さ
れ、共通入出力端子101と入出力端子102が遮断さ
れる。
【0032】送信端子103からアンテナ端子101へ
の経路は2つの信号線からなる。すなわち、アンテナ端
子101aと送信端子103a間を接続する経路と、ア
ンテナ端子101bと送信端子103b間を接続する経
路とからなる。それぞれの経路において1つのλ/4線
路130cまたは130bが含まれている。このため、
送信端子103から入力されたバランス信号を構成する
各信号の位相は、各経路を通過する間に90度だけ回転
する。したがって、バランス信号を構成する一対の信号
間の位相差は180度に保たれる。
【0033】ここで、FET110a、110eのオフ
時の浮遊容量によって、送信端子103から入力された
信号の一部は入出力端子102に漏洩するおそれがあ
る。しかし、送信端子103と受信端子102間におい
て、一方の経路(信号線)において2つλ/4線路13
0a、130cが含まれている。このため、バランス信
号が送信端子103から受信端子102への経路を通過
する間に、バランス信号の位相差は0度となる。したが
って、送信端子103から入力された信号はバランス信
号として受信端子102へは伝送されないので、受信端
子102と送信端子103間のアイソレーションが飛躍
的に高まる。
【0034】一方、受信時には、制御端子104aに電
圧Vc2、制御端子104bに電圧Vc1を加える。こ
れにより、FET110b、110c、110fがオフ
状態に、FET110a、110d、110eがオン状
態となる。アンテナ端子101と受信端子102は接続
され、アンテナ端子101と送信端子103は遮断され
る。このとき、アンテナ端子101から受信端子102
を通過する信号の位相差は180度に保たれる。一方、
送信端子103から受信端子102への経路において、
一方の信号線(端子102aと端子103aを接続する
信号線)に2つのλ/4線路130a、130cが接続
されているので、信号の位相差は0度となり、受信端子
102と送信端子103間のアイソレーションは飛躍的
に高まる。
【0035】一般に無線機においては、送信信号や雑音
の送信経路から受信経路への漏洩が問題となる場合が多
いが、本構成によれば、簡易な構成でバランス型SPD
Tスイッチの送信端子と受信端子の間に高いアイソレー
ションを確保することができる。
【0036】上述の様に、本実施形態のバランス型スイ
ッチは、共通入出力端子と各入出力端子間の経路中をバ
ランス信号を伝達させたときに、伝達後のバランス信号
の一対の信号の位相差が180度に保持されるように、
共通入出力端子と各入出力端子間の経路中に90度移相
器を配置し、かつ、2つの入出力端子間の経路中をバラ
ンス信号が伝達した場合に、その一対の信号の位相差を
180度からずらし、バランス信号が伝達しないよう
に、入出力端子間の経路中に90度移相器を配置するも
のである。故に、前記思想を実現するものであれば、本
発明において各経路に含まれる90度移相器の数、配置
場所は本実施形態に示した数、場所には限定されない
(以下の実施形態に同じ)。
【0037】(実施の形態2)図2は本発明に係るバラ
ンス型SPDTスイッチの別の実施の形態における構成
を示した図である。本実施形態では、単相動作のアンテ
ナへの接続に好適なバランス型SPDTスイッチの構成
を示す。同図に示すように、実施の形態1と異なる点
は、バランス型SPDTスイッチは、1つの信号を2つ
に分配し、または、2つの信号を1つに合成する分配合
成器125を有する点である。分配合成器125は一方
側で共通入力端子101に接続され、他方においてバラ
ンス信号用の2つの信号線に接続されている。その他方
において接続される2つの信号線のうちの1つにλ/4
線路130bが接続されている。また、端子102と端
子103間の2つの経路において、λ/4線路130b
が接続される信号線に接続する方の経路に、λ/4線路
130a、130cが挿入されている。
【0038】共通入出力端子101をアンテナ(AN
T)端子、入出力端子102を受信(Rx)端子、入出
力端子103を出力(Tx)端子とし、バランス型SP
DTスイッチの動作を説明する。
【0039】送信時には、制御端子104aに電圧Vc
1、制御端子104bに電圧Vc2が印加されるため、
実施の形態1の場合と同様に、アンテナ端子101と送
信端子103の経路が接続され、アンテナ端子101と
受信端子102の経路が遮断される。
【0040】このとき、送信端子103からアンテナ端
子101への経路において、一方の信号線(端子102
bと端子103b間を接続する信号線)に2つのλ/4
線路130a、130cが接続されている。このため、
送信端子103aと103bから入力されたバランス信
号間の位相差は0度となり、分配合成器125にて同相
合成されアンテナ端子101より出力される。
【0041】受信時には、制御端子104aに電圧Vc
2、制御端子104bに電圧Vc1が印加され、アンテ
ナ端子101と受信端子102間の経路が接続され、ア
ンテナ端子101と送信端子103間の経路が遮断され
る。アンテナ端子101から入力された信号は分配合成
器125にて同一の2つの信号に分配される。アンテナ
端子101から受信端子102への経路中の2つの信号
線において、一方の信号線上に2つのλ/4線路が挿入
されているので、受信端子102a、102bからはバ
ランス信号が出力される。一方、受信端子102と送信
端子103間の経路中の2つの信号線において、一方の
信号線に2つのλ/4線路130b、130cが挿入さ
れているので、それらの信号線の信号間の位相差は0度
となりバランス信号は端子103へは伝わらない。
【0042】以上のように本実施形態によれば、送信端
子と受信端子のアイソレーションを飛躍的に高めること
ができ、かつ、バランス型の送受信回路と単相動作のア
ンテナを、バランス−アンバランス変換器を用いること
なく接続でき、回路規模が縮小できる。
【0043】(実施の形態3)図3は、本発明に係るバ
ランス型分配器の構成を示した図である。同図に示すよ
うに、バランス型分配器は入出力端子301、302、
303を有する。入出力端子302と入出力端子303
間の2つの経路のうちの一方には、λ/4線路130a
と、抵抗302a、302bと、λ/4線路130cと
が挿入されている。入出力端子302と入出力端子30
3間の経路のうちの他方には、抵抗302d、302e
が挿入されている。抵抗302aと抵抗302bの接続
点には抵抗302cを介して端子301が接続されてい
る。抵抗302dと抵抗302eの接続点には、抵抗3
02fとλ/4線路130bを介して端子301が接続
されている。
【0044】抵抗302a〜302fの抵抗値は、信号
線の特性インピーダンスZ0とすれば、Z0/3に設定
される。このとき、入出力端子301と入出力端子30
2間及び入出力端子301と入出力端子303間は、各
々の信号線にλ/4線路130a、130bが接続され
ているので位相差は180度に保たれ、入出力端子30
1から入力された信号は、入出力端子302と入出力端
子303に1/2ずつ出力される。
【0045】一方、入出力端子302と303間は、一
方の信号線にλ/4線路が2つ接続されているので、信
号の位相差は180度回転して0度になる。本構成によ
れば、分配器の2つの出力302、303の間に高いア
イソレーションを確保できるので、不要な信号の回り込
みを抑えることができる。
【0046】(実施の形態4)本実施形態では、2つの
アンテナに対して切り替えて接続可能な構成を有するバ
ランス型DPDTスイッチを説明する。図4に、本実施
形態におけるバランス型DPDTスイッチの構成を示
す。同図において、バランス型DPDTスイッチは、ア
ンテナに接続する共通入出力端子101、105と、受
信信号を取り出す入出力端子(受信端子)130と、送
信信号を取り込む入出力端子(送信端子)103と、ス
イッチ部410a〜410dとを有する。スイッチ部4
10a〜410dは、図1または図2においてFET1
10a〜110fとバイアス用抵抗120a〜120f
により構成される回路をブロックとして表したものであ
り、その機能、動作は前述したとおりである。バランス
型DPDTスイッチは、スイッチ部410a〜410d
を切り替えることにより、受信端子102及び送信端子
103に対して、一のアンテナ端子101又は他のアン
テナ端子105を切り替えて接続するようになってい
る。
【0047】受信端子102とアンテナ端子101間、
及び、受信端子102とアンテナ端子105間において
は、各信号線にλ/4線路130a、130a、130
dが接続されている。このため、これらの経路ではバラ
ンス信号の位相差は180度に保たれる。また、受信端
子102と送信端子103間、及び、アンテナ端子10
1とアンテナ端子105間の経路においては、信号線対
の一方の信号線にのみ2つのλ/4線路が接続されてい
る。このため、これらの経路では信号の位相差は0度に
なる。したがってバランス信号は伝わらず、アイソレー
ションが飛躍的に高まる。
【0048】なお、以上の説明では、90度移相器とし
てλ/4線路を使用しているが、所望の周波数において
90度位相を変換する手段であれば他の手段でも良い。
図5に、90度移相器を集中定数素子を用いて構成した
場合の例を示す。同図に示すように、90度移相器は、
1つのインダクタL1と、そのインダクタL1の両端に
接続されたコンデンサC1、C2とで構成される。所望
の周波数f0、特性インピーダンスをZ0とすると、コ
ンデンサとインダクタの値をそれぞれ次式を満たす様に
設定すれば良い。 C1=C2=2/(2πf0・Z0) (1) L1=Z0/(2πf0) (2)
【0049】また、以上の説明では、各FETのドレイ
ンおよびソース端の電位VpがFETのゲートリーク電
流によって決定される構成をとっているが、バイアス抵
抗を介して外部から独立に印加しても良い。この場合、
回路規模は大きくなるものの、スイッチの動作速度を早
めることができ、高速動作が要求される場合にも使用す
ることができる。また、スイッチを構成する手段とし
て、FETの変わりにPINダイオードなど他の手段を
用いても良いことは言うまでもない。
【0050】(実施の形態5)図6は、本発明に係るバ
ランス型SPDTスイッチの第5の実施の形態の構成を
示した図である。バランス型SPDTスイッチは、アン
テナ端子101(101a、101b)、受信端子10
2(102a、102b)及び送信端子103(103
a、103b)を有する。アンテナ端子101と受信端
子102間の各信号線には2つのFET501a、50
1b(又は501e、501f)が直列に接続されてい
る。各FET501a、501b、501e、501f
のゲートは抵抗120a、120b、120e、120
fを介して制御端子104aに接続されている。また、
各FET501a、501bには、共振用インダクタ5
02a、502b、502e、502fがそれぞれ並列
接続されている。また、アンテナ端子101と送信端子
103間の各信号線においても、2つのFET501
c、501d(又は501g、501h)が直列に接続
されている。各FET501c、501d(又は501
g、501h)のゲートは抵抗120c、120d(又
は120g、120h)を介して制御端子104bに接
続されている。また、各FET501c、501d、5
01g、501hには、共振用インダクタ502c、5
02d、502g、502hがそれぞれ並列接続されて
いる。
【0051】共振周波数をf、各FETのオフ時のドレ
イン・ソース間容量をCdsとすると、共振用インダクタ
502a〜502hのインダクタンスLは次式で与えら
れる。 L=1/{Cds・(2πf)2} (3)
【0052】図6の構成では、FET502a、501
e、501d、501hは共振周波数f1にて、FET
501b、501f、501c、501gは共振周波数
f2(≠f1)にて共振するように設計される。従来の
共振型スイッチでは、一つの周波数においてのみFET
を共振させていたため、周波数特性が非常に狭帯域とな
るという問題があった。しかし、本構成のように、直列
に接続されるFETの共振周波数をずらすことで、広い
帯域にわたって良好な高周波特性を得ることができる。
図7において、(a1)は従来の共振型SPDTスイッ
チにおける挿入損失の周波数特性を、(a2)はそのア
イソレーションの周波数特性を示した図である。同図
(b1)は、共振周波数をずらした共振型SPDTスイ
ッチの挿入損失の周波数特性を、(b2)はそのアイソ
レーションの周波数特性を示している。図7において、
挿入損X[dB]以下を満たす周波数範囲をBW1a、
BW2a、アイソレーションY[dB]以上を満たす周
波数範囲をBW1b、BW2bとすれば、次式の関係が
成り立ち、周波数範囲を広帯域化できる。 BW1a<BW2a (4) BW1b<BW2b (5)
【0053】次に、図6に示す回路において、バランス
信号が通過する2つの経路に接続された対向するインダ
クタ(例えば502aと502e、502cと502
g)は、2つのスパイラルインダクタが電磁界的に結合
するように構成されたバランス型インダクタから成る。
【0054】図8はバランス型インダクタの構成例を示
した図である。バランス型インダクタは2つのスパイラ
ルインダクタからなり、各スパイラルインダクタには等
振幅、逆位相のバランス信号が入力および出力される。
第1のスパイラルインダクタは、信号を入力する入力配
線604aと、スパイラル形状に巻かれたスパイラル配
線601aと、信号を出力する出力配線605aとから
なる。第2のスパイラルインダクタも、入力配線604
bとスパイラル配線601bと出力配線605bとから
なる。第1及び第2のスパイラルインダクタにおいて、
スパイラル配線601a、601bは互いに逆方向(第
1のスパイラルインダクタは右回りに、第2のスパイラ
ルインダクタは左回りに)に巻かれている。また、スパ
イラル配線601a、601bは、絶縁層を介して上下
層に重なり合うように形成されている。
【0055】入力配線604a、604bは、引き出し
配線602a、602bを介してスパイラル配線601
a、601bに接続される。引き出し配線602a、6
02bには、スパイラル配線601a、601bを形成
する配線層よりも下の配線層を用いている。異なる配線
層間の配線は、層間コンタクト603a〜603dによ
って接続されている。
【0056】入力配線604a、604bにバランス信
号が入力されると、スパイラル配線601a、601b
には同方向に電流が流れることになるので、各スパイラ
ル配線に発生するインダクタンスを強め合うような相互
インダクタンスが生じる。これにより、スパイラルイン
ダクタを個別に形成した場合に比べ大きなインダクタン
スが得られる。共振型スイッチでは、共振に用いるスパ
イラルインダクタの占有面積が大きく、半導体集積化し
にくいという問題があるが、本構成によれば、スパイラ
ル配線を異なる配線層に重ねて形成し、さらに相互の電
磁界結合を積極的に利用することで、同じ巻き数でより
大きなインダクタンスを得ることができるので、占有面
積を半分以下に削減できる。また、一般にシリコンなど
の導電性基板を用いた場合、スパイラル配線の巻き数が
大きくなり占有面積が増加すると、スパイラル配線と基
板間の寄生容量が無視できなくなるが、本構成では、ス
パイラル配線よりも下の配線層を引出し配線に用いるこ
とで、スパイラル配線と基板との距離を離し、スパイラ
ル配線と基板間の寄生容量を小さくでき、基板での損失
を低減できる。
【0057】(実施の形態6)図9に、バランス型イン
ダクタのもう一つの構成例を示す。同図において、スパ
イラル配線601a、601bは互いに逆方向に巻かれ
ており、交差配線部分606a〜606cを除いて、同
一の配線層に交互に平行するように形成されている点が
図8の構成と異なる。図8において、入力配線604
a、604bにバランス信号が入力されると、スパイラ
ル配線601a、601bには同じ方向に電流が流れる
ことになるので、スパイラル配線のインダクタンスを強
め合うような相互インダクタンスが発生する。本構成に
よれば、小さな面積で大きなインダクタンスが得られる
バランス型スパイラルインダクタを2つの配線層のみで
構成できる。
【0058】(実施の形態7)図10に、バランス型イ
ンダクタのさらにもう一つの構成例を示す。同図におい
て、スパイラル配線601a、601bは同一方向に巻
かれている。すなわち、第1のスパイラルインダクタ
は、スパイラル配線601aがスパイラルの内側にて入
力配線604aと接続され、スパイラルの外側にて出力
配線605aと接続されている。すなわち、第1のスパ
イラルインダクタは内側から信号が入力される。第2の
スパイラルインダクタは、スパイラル配線601bがス
パイラルの外側にて入力配線604bと接続され、スパ
イラルの内側にて出力配線605bと接続されている。
つまり、第2のスパイラルインダクタは外側から信号が
入力される。入力配線604a、604bにバランス信
号が入力されると、スパイラル配線601a、601b
には同方向に電流が流れ、スパイラル配線のインダクタ
ンスを強め合うような相互インダクタンスが発生する。
本構成によれば、小さな面積で大きなインダクタンスが
得られるバランス型スパイラルインダクタを2層の配線
層を使用することで構成でき、かつ、スパイラル配線の
交差部分を少なくできるので、層間コンタクトで生じる
損失を低減できる。
【0059】(実施の形態8)図11は、バランス型イ
ンダクタのさらに別の構成例である。同図において、ス
パイラル配線601a、601bは互いに逆方向に巻い
ており、第2のスパイラルインダクタのスパイラル配線
601bは、第1のスパイラルインダクタのスパイラル
配線601aを取り囲むように、スパイラル配線601
aの外側に形成されている。入力配線604a、604
bにバランス信号が入力されると、2つのスパイラル配
線には同方向に電流が流れ、スパイラル配線のインダク
タンスを強め合うような相互インダクタンスが発生す
る。本構成によれば、小さな面積で大きなインダクタン
スが得られるバランス型スパイラルインダクタを2層の
配線層を用いることでき、かつスパイラル配線の交差部
分を図9の構成に比べて少なくできるので、層間コンタ
クトで生じる損失を低減できる。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、バラン
ス型スイッチの信号線に複数の90度移相器を適切に接
続することで、送信端子と受信端子のアイソレーション
を飛躍的に高めることができる。
【0061】また、FETと並列にインダクタを接続す
る共振型SPDTスイッチにおいて、複数の直列に接続
したFETの共振周波数をずらし、かつ向かい合うスパ
イラルインダクタを電磁界的に結合させることで、広い
周波数特性を有する共振型スイッチを、小さな面積で実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるバランス型ス
イッチの回路図。
【図2】 本発明の実施の形態2におけるバランス型ス
イッチの回路図。
【図3】 本発明の実施の形態3におけるバランス型分
配器の回路図。
【図4】 本発明の実施の形態4におけるバランス型ス
イッチの回路図。
【図5】 集中定数素子による90度移相器の回路図。
【図6】 本発明の実施の形態5におけるバランス型ス
イッチの回路図。
【図7】 従来のスイッチの周波数特性図(a1、a
2)、及び、本発明の実施の形態5におけるスイッチの
周波数特性図(b1、b2)。
【図8】 本発明のバランス型インダクタの第1の例の
構成図。
【図9】 本発明のバランス型インダクタの第2の例の
構成図。
【図10】 本発明のバランス型インダクタの第3の例
の構成図。
【図11】 本発明のバランス型インダクタの第4の例
の構成図。
【図12】 従来の単相動作スイッチの構成を示す回路
図。
【図13】 従来のバランス型スイッチの構成を示す回
路図。
【図14】 FETの等価回路図。
【符号の説明】
101 共通入出力端子対 101a、101b 共通入出力端子 102、103 入出力端子対 102a、102b、103a、103b 入出力端子 104a、104b 制御端子 110a〜110f FET 120a〜120f バイアス用抵抗 130a〜130c λ/4伝送線路(90度移相器) 601a、601b スパイラルインダクタのスパイラ
ル配線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J012 BA03 BA04 5J055 AX02 AX05 AX06 BX06 CX24 DX12 EX07 EY01 EY21 EZ00 EZ53 FX05 FX12 GX01 5K011 DA22 DA25 KA05

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等振幅、逆位相のバランス信号の伝送経
    路を切り替える高周波スイッチであって、 共通入出力端子対と、第1及び第2の入出力端子対と、 前記共通入出力端子対に接続された一対の信号経路と、
    前記第1の入出力端子対に接続された一対の信号経路
    と、前記第2の入出力端子対に接続された一対の信号経
    路と、 前記共通入出力端子対に接続された信号経路対に対し
    て、前記第1の入出力端子対に接続された信号経路対又
    は前記第2の入出力端子対に接続された信号経路対を接
    続するように切り替えを行なうスイッチ手段とを含み、 前記共通入出力端子対に接続された信号経路の一方に9
    0度移相器が含まれ、 前記第1の入出力端子対に接続された信号経路のうち、
    前記共通入出力端子対に接続された信号経路の他方に接
    続され得る方の信号経路に90度移相器が含まれ、 前記第2の入出力端子対に接続された信号経路のうち、
    前記共通入出力端子対に接続された信号経路の他方に接
    続され得る方の信号経路に90度移相器が含まれること
    を特徴とする高周波スイッチ。
  2. 【請求項2】 等振幅、逆位相のバランス信号の伝送経
    路を切り替える高周波スイッチであって、 前記共通入出力端子には単相信号が入力または出力され
    る共通入出力端子と、 バランス信号が入力または出力される第1及び第2の入
    出力端子対と、 前記共通入出力端子に接続されて、単相信号を2つの同
    じ信号に分配する分配手段と、 該分配手段から出力される2つの信号を伝達するために
    前記分配手段に接続された一対の信号経路と、前記第1
    の入出力端子対に接続された一対の信号経路と、前記第
    2の入出力端子対に接続された一対の信号経路と、 前記分配手段に接続された信号経路対に対して、前記第
    1の入出力端子対に接続された信号経路対又は前記第2
    の入出力端子対に接続された信号経路対を接続するよう
    に切り替えを行なうスイッチ手段とを含み、 前記分配手段に接続された信号経路の一方に90度移相
    器が含まれ、 前記第1の入出力端子対に接続された信号経路のうち、
    前記分配手段に接続された信号経路の他方に接続され得
    る信号経路に90度移相器が含まれ、 前記第2の入出力端子対に接続された信号経路のうち、
    前記分配手段に接続された信号経路の他方に接続され得
    る信号経路に90度移相器が含まれることを特徴とする
    高周波スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記第1の入出力端子対に接続される2
    つの信号線の間を、FETを介して接続したことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の高周波スイッチ。
  4. 【請求項4】 等振幅、逆位相のバランス信号の伝送経
    路を切り替える高周波スイッチであって、 第1及び第2の共通入出力端子対と、第1及び第2の入
    出力端子対と、 前記第1の共通入出力端子対に接続された一対の信号経
    路と、前記第2の共通入出力端子対に接続された一対の
    信号経路と、前記第1の入出力端子対に接続された一対
    の信号経路と、前記第2の入出力端子対に接続された一
    対の信号経路と、 前記第1の共通入出力端子対に接続された信号経路対又
    は前記第2の共通入出力端子対に接続された信号経路対
    に対して、前記第1の入出力端子対に接続された信号経
    路対又は前記第2の入出力端子対に接続された信号経路
    対を接続するように切り替えを行なうスイッチ手段とを
    含み、 前記第1の共通入出力端子対に接続された信号経路の一
    方に90度移相器が含まれ、 前記第2の共通入出力端子対に接続された信号経路の一
    方に90度移相器が含まれ、 前記第1の入出力端子対に接続された信号経路の一方に
    90度移相器が含まれ、該信号経路の一方は前記第1の
    共通入出力端子対に接続された他方の信号経路又は前記
    第2の共通入出力端子対に接続された他方の信号経路に
    接続可能であり、 前記第2の入出力端子対に接続された信号経路の一方に
    90度移相器が含まれ、該信号経路の一方は前記第1の
    共通入出力端子対に接続された他方の信号経路又は前記
    第2の共通入出力端子対に接続された他方の信号経路に
    接続可能であることを特徴とする高周波スイッチ。
  5. 【請求項5】 90度移相器を4分の1波長の線路で構
    成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいず
    れか一に記載のバランス型スイッチ。
  6. 【請求項6】 90度移相器をコンデンサ及びインダク
    タを用いて構成することを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれか一に記載のバランス型スイッチ。
  7. 【請求項7】 直列に接続した2つ以上のFETを有
    し、前記2つ以上のFETのそれぞれにはインダクタが
    並列に接続されており、前記2つ以上のFETは異なる
    周波数で共振することを特徴とするFETスイッチ。
  8. 【請求項8】 等振幅、逆位相のバランス信号が入出力
    されるFETスイッチであって、直列に接続されるFE
    Tにインダクタを並列に接続するとともに、対向するイ
    ンダクタを電磁界的に結合させることを特徴とするバラ
    ンス型スイッチ。
  9. 【請求項9】 互いに逆方向に巻かれた2つのスパイラ
    ルインダクタからなり、前記2つのスパイラルインダク
    タは、それらのスパイラル形状部分の配線が隣接する配
    線層に絶縁層を介して重なり合うように形成されてお
    り、前記2つのスパイラルインダクタに等振幅、逆位相
    のバランス信号を入出力することを特徴とするバランス
    型スパイラルインダクタ。
  10. 【請求項10】 少なくとも3層の配線層からなり、ス
    パイラルの中心部から外側へ信号線を引き出す引出し配
    線を前記スパイラル配線より下層の配線層を用いて形成
    することを特徴とする請求項9記載のバランス型スパイ
    ラルインダクタ。
  11. 【請求項11】 互いに逆方向に巻かれた2つのスパイ
    ラルインダクタからなり、前記2つのスパイラルインダ
    クタは、2つのスパイラルインダクタの配線が交差する
    部分を除いて同一配線層に交互に平行に形成され、前記
    2つのスパイラルインダクタに等振幅、逆位相のバラン
    ス信号が入出力されることを特徴とするバランス型スパ
    イラルインダクタ。
  12. 【請求項12】 互いに同方向に巻かれた2つのスパイ
    ラルインダクタから成り、一方のスパイラルインダクタ
    はスパイラルの中心から信号が入力され、他方のスパイ
    ラルインダクタはスパイラルの外側から信号が入力さ
    れ、それらのスパイラルインダクタに対して等振幅、逆
    位相のバランス信号が入力されることを特徴とするバラ
    ンス型スパイラルインダクタ。
  13. 【請求項13】 互いに逆方向に巻かれた2つのスパイ
    ラルインダクタから成り、一方のスパイラルインダクタ
    を囲繞するように他方のスパイラルインダクタを形成
    し、前記2つのスパイラルインダクタに等振幅、逆位相
    のバランス信号を入力することを特徴とするバランス型
    スパイラルインダクタ。
  14. 【請求項14】 請求項9ないし請求項13のいずれか
    一に記載のスパイラルインダクタを使用した請求項8記
    載のバランス型スイッチ。
  15. 【請求項15】 等振幅、逆位相のバランス信号を分配
    する分配器であって、 第1、第2および第3の入出力端子対と、 前記第1の入出力端子対に接続された一対の信号経路
    と、前記第2の入出力端子対に接続された一対の信号経
    路と、前記第3の入出力端子対に接続された一対の信号
    経路とを備え、 前記第1の入出力端子対に接続された一対の信号経路
    と、前記第2の入出力端子対に接続された一対の信号経
    路とが接続され、さらに、その接続点において前記第3
    の入出力端子対に接続された一対の信号経路が接続さ
    れ、 前記第1の入出力端子に接続された信号経路の一方には
    90度移相器が含まれ、 前記第2の入出力端子に接続された信号経路のうち、前
    記第1の入出力端子に接続された他方の信号経路に接続
    された方の信号経路に90度移相器が含まれ、 前記第3の入出力端子に接続された信号経路のうち、前
    記第1の入出力端子に接続された他方の信号経路に接続
    された方の信号経路に90度移相器が含まれることを特
    徴とするバランス型分配器。
  16. 【請求項16】 90度移相器を4分の1波長の線路で
    構成することを特徴とする請求項15記載のバランス型
    分配器。
  17. 【請求項17】 90度移相器をコンデンサおよびイン
    ダクタを用いて構成することを特徴とする請求項15記
    載のバランス型分配器。
  18. 【請求項18】 等振幅、逆位相の信号対からなるバラ
    ンス信号の伝送経路を切り替える高周波スイッチであっ
    て、 1つの共通入出力端子と、2つの入出力端子とを少なく
    とも備え、 前記共通入出力端子と前記各入出力端子間の経路中をバ
    ランス信号を伝達させたときに、伝達後のバランス信号
    の一対の信号の位相差が180度に保持されるように、
    前記共通入出力端子と前記各入出力端子間の経路中に9
    0度移相器を配置し、かつ、前記2つの入出力端子間の
    経路中をバランス信号が伝達した場合に、その一対の信
    号の位相差を180度からずらし、バランス信号が伝達
    しないように、前記2つの入出力端子間の経路中に90
    度移相器を配置することを特徴とする高周波スイッチ。
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