JP2002164693A

JP2002164693A - 電磁波シールド材

Info

Publication number: JP2002164693A
Application number: JP2000359023A
Authority: JP
Inventors: Shiyoushichiro Kobayashi; 昭七郎小林; Kazuo Kobayashi; 一男小林; Minoru Noda; 實野田
Original assignee: KOBAYASHIEN CHAHO KK
Current assignee: KOBAYASHIEN CHAHO KK
Priority date: 2000-11-27
Filing date: 2000-11-27
Publication date: 2002-06-07

Abstract

(57)【要約】【課題】シールド効果及び機械的特性に優れた電磁波
シールド材を提供する。【解決手段】アルミニウムを６０〜６５ｗｔ％、鉛を
２０〜２５ｗｔ％、亜鉛を１０〜１５ｗｔ％、ビスマス
を５〜１０ｗｔ％、混合溶融してなる合金によって、所
望の形状を有する電磁波シールド材を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波シールド効
果に優れた電磁波シールド材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、電気、電子、電波等を利用した各
種の電子機器が普及しているが、これらの中には、人体
や他の機器等に有害な影響を与える電磁波を放射してい
るものがあり、大きな問題となっている。例えば、この
ような電磁波の増加によって、他の電子機器が誤動作し
たり、テレビ等にノイズが発生するといった電磁波障害
が増加している。

【０００３】そのため、このような電磁波から人体や他
の機器等を保護するため、あるいは電磁波発生源として
周辺機器へ障害を及ぼすことを防止するために、電磁波
シールド材の必要性が高まっている。このような電磁波
シールド材としては、従来、樹脂中に金属粉末やＣｕ等
の金属繊維、カーボンあるいはガラス繊維に金属メッキ
したフィラーを分散させたもの、樹脂の表面に金属粉末
などを含んだ導電性の塗料を塗布したものが使用されて
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の電磁波シールド材のシールド効果は十分
なものではなく、また曲げ強度等の機械的特性も劣って
いた。そのため、十分な電磁波シールド効果が得られる
と共に、機械的特性に優れた電磁波シールド材の開発が
切望されていた。

【０００５】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、シールド効果及び機械的特性に優れた電磁波シール
ド材を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、複数の反磁性
を示す金属よりなる合金を用いてシールド材を構成する
ことにより、優れた電磁波シールド効果が得られること
を見い出し、本発明を完成するに至ったものである。以
下、本発明に係る電磁波シールド材について説明する。

【０００７】（電磁波シールド材の組成）本発明に係る
電磁波シールド材は、複数の反磁性を示す金属よりなる
合金であって、この反磁性金属としては、周期律表のＩ
Ｂ族、ＩＩＢ族、ＩＩＩＢ族、ＩＶＢ族、ＶＢ族、ＶＩ
ＩＢ族に属し、磁化率が１０ｍｍ³／ｋｇ以下である金
属が用いられる。具体例としては、ビスマス（Ｂｉ）、
鉛（Ｐｂ）、亜鉛（Ｚｎ）、アルミニウム（Ａｌ）、銅
（Ｃｕ）、金（Ａｕ）等が挙げられるが、なかでも、ビ
スマス（Ｂｉ）、鉛（Ｐｂ）、亜鉛（Ｚｎ）、アルミニ
ウム（Ａｌ）が好適である。なお、上記反磁性金属と
は、外部から加えた磁場に対して逆向きに弱く磁化が起
きる金属である。また、上記の反磁性金属の配合比は、
アルミニウム（Ａｌ）：６０〜６５ｗｔ％、鉛（Ｐ
ｂ）：２０〜２５ｗｔ％、亜鉛（Ｚｎ）：１０〜１５ｗ
ｔ％、ビスマス（Ｂｉ）：５〜１０ｗｔ％であることが
望ましい。

【０００８】（合金の製造方法）上述したように、本発
明に係る電磁波シールド材は、アルミニウム（Ａｌ）、
鉛（Ｐｂ）、亜鉛（Ｚｎ）、ビスマス（Ｂｉ）の各金属
を、それぞれ、アルミニウム（Ａｌ）：６０〜６５ｗｔ
％、鉛（Ｐｂ）：２０〜２５ｗｔ％、亜鉛（Ｚｎ）：１
０〜１５ｗｔ％、ビスマス（Ｂｉ）：５〜１０ｗｔ％含
有してなる合金から構成されているが、その製造方法と
しては、公知の合金の製造方法を適用することができ
る。なお、この場合、上記の反磁性金属の各々を適宜粉
砕して用いることにより、溶融が容易となる。

【０００９】（電磁波シールド材の形状）本発明に係る
電磁波シールド材は、上記のようにして製造した合金
を、遮蔽したい電磁波の強さや発生源の形状等に応じ
て、ブロック状、板状、シート状、粉状等、所望の形状
に加工して用いることができる。また、その大きさ、厚
さ、粒径等も適宜設定することができる。

【００１０】例えば、本発明に係る電磁波シールド材を
所定の厚さ（０．０１ｍｍ〜５ｍｍ）を有する箔状ある
いは板状に加工し、電磁波を発生するコンピュータ等の
ＯＡ機器、携帯電話や電子レンジ等の電気製品、ＮＭＲ
ＩやＣＴ等の医療機器等の筐体に接着させて用いること
ができる。また、この電磁波シールド材によって筐体自
体を形成することも可能である。

【００１１】また、本発明に係る電磁波シールド材を所
定の粒径を有する粉状に加工した場合には、プラスチッ
ク等の部材に混合することが容易となるため、適用範囲
が大幅に増大する。さらに、粉状のシールド材を所望の
大きさの袋状の収納部材に入れ、電磁波の発生を遮蔽し
たい部位に設置することもできる。

【００１２】（作用・効果）上記のような構成を有する
本発明に係る電磁波シールド材は、以下のように作用す
る。すなわち、上述したような所定の配合比で混合した
反磁性金属のそれぞれが電磁波を屈折させる作用を有す
るので、複数の反磁性金属の相乗効果により、より優れ
た電磁波シールド効果を得ることができる。

【００１３】また、本発明に係る電磁波シールド材の構
成要素であるアルミニウム（Ａｌ）、鉛（Ｐｂ）、亜鉛
（Ｚｎ）、ビスマス（Ｂｉ）の各金属は、低周波数の電
磁波を屈折させるだけでなく、Ｘ線等の高周波の電磁波
も屈折させる効果があるため、低周波数帯域からマイク
ロ波等の高周波帯域まで、広範囲にわたって電磁波を効
果的にシールドすることができる。特に、本発明に係る
電磁波シールド材は、ビスマスを合金材料として添加す
ることにより、ビスマスを含有しない合金に比べて、よ
り優れた遮蔽効果を発揮することが判明した。

【００１４】

【実施例】アルミニウム（Ａｌ）、鉛（Ｐｂ）、亜鉛
（Ｚｎ）、ビスマス（Ｂｉ）の各金属を、それぞれアル
ミニウム（Ａｌ）：６０ｗｔ％、鉛（Ｐｂ）：２５ｗｔ
％、亜鉛（Ｚｎ）：１０ｗｔ％、ビスマス（Ｂｉ）：５
ｗｔ％の割合で混合して合金を製造し、これを圧延して
厚さ２ｍｍの薄板に加工した。また、比較例として、ビ
スマスを含有しない、アルミニウム（Ａｌ）：６５ｗｔ
％、鉛（Ｐｂ）：２５ｗｔ％、亜鉛（Ｚｎ）：１０ｗｔ
％から成る合金を製造し、これを圧延して厚さ２ｍｍの
薄板に加工した。

【００１５】そして、これらの薄板で携帯電話を覆った
場合と覆わなかった場合とについて、携帯電話を作動さ
せたときに発生する電磁波を測定した。具体的には、電
磁波測定器を用いて、ラジオ波／マイクロ波モードに設
定して、携帯電話を作動させたときに発生する電磁波を
測定した。その結果、本実施例の薄板で携帯電話を覆っ
た場合には０．０５ｍｗ／ｃｍ²を示したのに対し、本
実施例の薄板で覆わなかった場合には１ｍｗ／ｃｍ²を
示した。また、ビスマスを含有しない比較例の薄板で携
帯電話を覆った場合には０．２ｍｗ／ｃｍ²を示した。
さらに、この薄板について３点曲げ試験により曲げ強度
を測定したところ、良好な結果が得られた。

【００１６】このように、本実施例の電磁波シールド材
を用いることにより、携帯電話から発生する電磁波は、
シールド材を用いなかった場合の約１／２０に低減さ
れ、優れた電磁波シールド効果が得られることが示され
た。また、本実施例の電磁波シールド材のようにビスマ
スを含有することが有効であることが示された。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の反磁性を示す金属よりなる合金を用いてシールド
材を構成することにより、シールド効果及び機械的特性
に優れた電磁波シールド材を提供することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アルミニウムを６０〜６５ｗｔ％、鉛を
２０〜２５ｗｔ％、亜鉛を１０〜１５ｗｔ％、ビスマス
を５〜１０ｗｔ％、混合溶融して形成された合金からな
ることを特徴とする電磁波シールド材。