JP2002164353A - 半導体素子の製造方法、および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

半導体素子の製造方法、および液晶表示装置の製造方法

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JP2002164353A
JP2002164353A JP2001271790A JP2001271790A JP2002164353A JP 2002164353 A JP2002164353 A JP 2002164353A JP 2001271790 A JP2001271790 A JP 2001271790A JP 2001271790 A JP2001271790 A JP 2001271790A JP 2002164353 A JP2002164353 A JP 2002164353A
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JP
Japan
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film
manufacturing
semiconductor
semiconductor film
tft
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JP2001271790A
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English (en)
Inventor
Teru Nishitani
輝 西谷
Masaharu Terauchi
正治 寺内
Mutsumi Yamamoto
睦 山本
Hiroshi Tsutsu
博司 筒
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多結晶半導体膜の結晶性が良好で、界面の欠
陥も少なく、したがって、電界効果移動度が大きく、さ
らに、良好なしきい値電圧特性やサブスレッショルド特
性を有する半導体素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 酸素雰囲気下において、ガラス基板31
上に成膜された非晶質シリコン膜32の表面にレーザ光
を照射することにより多結晶シリコン膜33を形成する
とともに、上記多結晶シリコン膜33の表面部分に酸化
シリコン膜34を形成する。これにより、多結晶シリコ
ン膜33の界面に生じるダングリングボンドが減少する
とともに、不純物が混入することがないので、界面欠陥
の少ない良好な結晶性が得られ、また、半導体酸化膜は
高温で形成されるので、良好な膜質の半導体酸化膜が得
られ、したがって、TFT特性が良好な半導体素子が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置や半
導体メモリ等において、スイッチング素子などとして用
いられる半導体素子の製造方法、およびその半導体素子
を用いた液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子としての薄膜トランジスタ
(Thin Film Transistor:以下
「TFT」と称する。)を用いたアクティブマトリクス
型の液晶表示装置(Liquid Crystal D
isplay:以下「LCD」と称する。)は、高画質
化に有利なため、近年、コンピュータの表示装置などに
多く用いられている。
【0003】この種のLCDは、画素電極と画素電極用
のTFTとから成る画素ユニットが形成されたガラス基
板と、対向して設けられた透明対向電極との間に液晶が
封入されて構成されている。上記画素ユニットは、より
詳しくは、TFTのドレイン端子に画素電極が接続され
て構成され、例えば一辺が数百μm程度の方形に形成さ
れたものが、ガラス基板上に数十万個配列されている。
【0004】また、ガラス基板における画素ユニットが
配列された領域(表示領域)の周辺部には、走査信号を
出力するゲート駆動回路、および画像信号を出力するソ
ース駆動回路が設けられ、それぞれ縦横の表示画素数に
応じた本数(例えば400〜1920本程度)の走査信
号線、または画像信号線を介して、各TFTのゲート端
子、またはソース端子に接続されている。
【0005】ここで、上記TFTとしては、水素化処理
の施された非晶質(アモルファス)シリコン(以下「a
−Si:H」と称する。)膜によって形成されたものが
多く用いられている。具体的には、例えば、ガラス基板
上にプラズマCVD(Chemical Vapor
Deposition)法によってa−Si:H膜を成
膜した後、プラズマCVD法等による酸化シリコン膜
(絶縁膜)の形成や、スパッタリングによるゲート電極
の形成、イオン注入、およびフォトリソグラフィによる
パターニング等を行うことによって、TFTが形成され
ている。
【0006】一方、上記ゲート駆動回路、およびソース
駆動回路は、単結晶シリコンなどによって構成される駆
動回路がパッケージ化されたIC(Integrate
dCircuit)チップを実装することにより構成さ
れている。なぜならば、これらの駆動回路は、高速なス
イッチング動作等をさせる必要があるのに対し、前記の
ようにa−Si:H膜を用いてガラス基板上に形成され
たTFTは、電界効果移動度が低く、動作速度が遅いた
めに適用することができないからである。
【0007】このため、ICチップを実装する際に、前
記のように多数の走査信号線および画像信号線にICチ
ップを対応させて位置合わせし、配線を接続するといっ
た工数の多くかかる工程を必要とし、製造コスト増大の
要因となっている。しかも、この問題点は、表示画面の
大型化や高精細度化、カラー表示の高品質化に伴って一
層大きなものとなる。
【0008】そこで、上記a−Si:H膜を用いたTF
Tよりも高速なスイッチング動作等が可能な半導体素子
を、このTFTと同様な工程によってガラス基板に形成
することができれば、ICチップの実装などを行うこと
なく、TFTや走査信号線等の形成と同時に、駆動回路
の形成および配線を行うことができ、製造コストの低減
を図ることができる。
【0009】上記のような高速なスイッチング動作等が
可能な半導体素子としては、上記a−Si:H膜よりも
電界効果移動度(mobility)の大きい多結晶シ
リコン(以下「p−Si」と称する。)膜を用いたTF
Tが考えられる。
【0010】このp−Si膜を形成する方法としては、
減圧CVD法を用いる方法と、レーザアニールを用いる
方法とが知られている。
【0011】前者は、減圧CVD法によってガラス基板
を600℃程度以上に加熱してp−Si膜の成膜処理を
行うものである。このために、ガラス基板として、高温
に耐え得る高価格なものを用いる必要があり、必ずしも
製造コストを低減することはできない。
【0012】一方、後者は、例えば以下のようにしてp
−Si膜を形成するものである。すなわち、まずプラズ
マCVD法により、約300℃の雰囲気下で、ガラス基
板上に大面積のa−Si膜を形成する。次に、真空中ま
たは窒素雰囲気下で、上記a−Si膜に対して例えばK
rFレーザにより、波長が248nmでエネルギ密度が
300mj/cm2 のレーザ光を23nsecの時間で
照射し、局部的に表面温度が例えば1200℃程度とな
るように加熱して、レーザアニールを行う。これによ
り、a−Si膜が多結晶化してp−Si膜が形成され
る。
【0013】この方法によれば、a−Si膜の形成時の
加熱温度は低く、また、a−Si膜を多結晶化させてp
−Si膜を形成するためのレーザアニールによる加熱処
理は瞬間的に行われるため、ガラス基板にはあまり熱が
伝わらない。それゆえ、ガラス基板には高い耐熱性が要
求されず、安価な材質のものを使用することができる。
【0014】なお、このようなp−Si膜を用いたTF
Tは、前記a−Si膜を用いる場合と同様に、上記のよ
うにしてp−Si膜を形成した後に、プラズマCVD法
等による酸化シリコン膜(絶縁膜)の形成や、スパッタ
リングによるゲート電極の形成、イオン注入、およびフ
ォトリソグラフィとエッチングによるパターニング等を
行うことによって形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなレーザアニールによって形成されるp−Si膜を
用いたTFTであっても、電界効果移動度を大幅に増大
させることは困難であり、したがって、ゲート駆動回路
やソース駆動回路などを構成するために十分なスイッチ
ング速度等を得ることが困難であるという課題を有して
いる。
【0016】すなわち、具体的には、上記のようなp−
Si膜の電界効果移動度は、30〜600cm2 /V・
s程度であり、また、半導体素子ごとのばらつきが大き
いために、LCDのようにガラス基板上に多数のTFT
が形成される場合には、そのうちの最低レベルの電界効
果移動度、すなわち基板全体として保証し得る電界効果
移動度は、数10cm2 /V・s程度に留まり、ゲート
駆動回路等に適用することができない。
【0017】このように電界効果移動度が小さいのは、
p−Si膜における、酸化シリコン膜との界面の欠陥が
影響していると考えられる。すなわち、p−Si膜の形
成時に、界面にダングリングボンド(シリコンの未結合
手)が生じたりしがちであるとともに、p−Si膜の形
成から酸化シリコン膜の形成に至るまでの間に、p−S
i膜の表面への不純物の混入により、やはりダングリン
グボンドが生じたりp−Si膜の結晶性が損なわれたり
しがちである。また、酸化シリコン膜をプラズマプロセ
ス(CVD法)により成膜する場合には、そのプラズマ
によるダメージによっても、p−Si膜の表面にダング
リングボンドが生じたりする。
【0018】さらに、特に酸化シリコン膜を比較的低温
で形成する場合には、しきい値電圧特性やサブスレッシ
ョルド(ゲート電圧の変化に対するドレイン電流の変化
の割合)特性などのTFT特性が低下しがちであるとい
う課題も有している。具体的には、しきい値電圧が高
く、また、サブスレッショルドが低くなりがちである。
【0019】このようなTFT特性の低下は、酸化シリ
コン膜のバルク特性(膜質)が影響していると考えられ
る。すなわち、低温で成膜した酸化シリコン膜は、ほと
んどの場合、熱酸化膜に比べて、Si−O−Si結合の
結合角が小さく、弱い結合が多いため、これらの結合が
切断されやすく、安定度が低い。
【0020】なお、これらの課題は、p−Si膜を用い
た半導体素子によって、高密度スタティックRAM等の
メモリLSIや、イメージセンサなどを構成する場合で
も同様である。
【0021】本発明は、上記の点に鑑み、多結晶半導体
膜の結晶性が良好で、界面の欠陥も少なく、したがっ
て、電界効果移動度が大きく、動作速度が高速で、さら
に、良好なしきい値電圧特性やサブスレッショルド特性
を有する半導体素子の製造方法の提供を目的としてい
る。
【0022】また、画素電極用のTFTや走査信号線等
の形成と同時に、駆動回路の形成および配線を行うこと
ができ、製造コストを低減できるとともに、表示画面の
大型化や高精細度化も容易に図ることができる液晶表示
装置の製造方法の提供を目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの第1ないし第4の発明は、基板上に形成された非晶
質半導体膜にエネルギビームを照射することにより多結
晶半導体膜を形成する工程を有する半導体素子の製造方
法において、上記多結晶半導体膜を形成する工程を酸素
(第1の発明)、オゾン(第2の発明)、水蒸気、もし
くは分散された水滴(第3の発明)を含む雰囲気下で、
または非晶質半導体膜の表面に、水滴、または水膜を付
着させた状態(第4の発明)で行うことを特徴としてい
る。
【0024】これにより、非晶質半導体膜が結晶化する
と同時に半導体酸化膜が形成されるため、多結晶半導体
膜の界面に生じるダングリングボンドが減少するととも
に、不純物が混入することがないので、界面欠陥の少な
い良好な結晶性が得られる。また、プラズマプロセスに
よって酸化シリコン膜を成膜する場合のように、プラズ
マによるダメージを受けることがないので、やはり、多
結晶半導体膜の表面にダングリングボンドが生じること
は抑制される。したがって、電界効果移動度が大きく、
高速なスイッチング動作等が可能な半導体素子を形成す
ることができる。
【0025】また、半導体酸化膜は高温で形成されるの
で、良好な膜質の半導体酸化膜が得られ、したがって、
しきい値電圧特性やサブスレッショルド特性などのTF
T特性が良好な半導体素子が得られる。
【0026】ここで、上記エネルギビームとしては、好
ましくはエキシマレーザを用いる。エキシマレーザは、
紫外線領域の光を高出力で発振できるからである。
【0027】また、第5の発明は、上記第1ないし第4
の何れかの発明にかかる半導体素子の製造方法におい
て、上記多結晶半導体膜を形成する工程を加圧された雰
囲気下で行うことを特徴としている。
【0028】これにより、非晶質半導体膜の結晶化と同
時に半導体酸化膜が効率的に形成され、一層、電界効果
移動度が大きく、また、TFT特性が良好な半導体素子
が得られる。
【0029】また、第6、および第7の発明は、基板上
に形成された非晶質半導体膜にエネルギビームを照射す
ることにより多結晶半導体膜を形成する工程を有する半
導体素子の製造方法において、上記多結晶半導体膜を形
成する工程を上記非晶質半導体膜を水に浸漬した状態、
または上記非晶質半導体膜の表面に氷層を付着させた状
態で行うことを特徴としている。
【0030】これにより、やはり、非晶質半導体膜の結
晶化と同時に半導体酸化膜が効率的に形成され、一層、
電界効果移動度が大きく、また、TFT特性が良好な半
導体素子が得られる。
【0031】第8、および第9の発明は、上記第1ない
し第7の何れかの発明にかかる半導体素子の製造方法で
あって、さらに上記多結晶半導体膜を形成する工程で多
結晶半導体膜の表面に形成された半導体酸化膜の上に、
さらに半導体酸化膜の追加成膜を行う工程、または上記
多結晶半導体膜を形成する工程で多結晶半導体膜の表面
に形成された半導体酸化膜を食刻する工程を有すること
を特徴としている。
【0032】これにより、所望の膜厚の半導体酸化膜を
有する半導体素子を形成することができるとともに、半
導体酸化膜の追加成膜や食刻によって多結晶半導体膜の
界面に影響を与えることはなく、また、半導体酸化膜の
膜質は維持されるので、電界効果移動度が大きく、TF
T特性が良好な半導体素子を得ることができる。
【0033】第10の発明は、基板上に、画素電極と、
上記画素電極に接続されたスイッチング素子と、上記ス
イッチング素子に接続された走査信号線、および画像信
号線と、上記走査信号線、および画像信号線を介して、
上記スイッチング素子を駆動する駆動回路とを備えた液
晶表示装置の製造方法において、第1ないし第9の何れ
かの発明に係る半導体素子の製造方法により、上記基板
上に半導体素子を形成する工程と、配線パターンを形成
することにより、上記半導体素子を結線して上記駆動回
路を形成するとともに、上記駆動回路に接続される上記
走査信号線、および画像信号線を形成する工程とを有す
ることを特徴としている。
【0034】これにより、走査信号線等の形成と同時
に、駆動回路の形成および配線を行うことができ、IC
チップの実装工程や配線の接続工程などを必要としない
ので、製造工程を簡略化して製造コストを低減できると
ともに、表示画面の大型化や高精細度化も容易に図るこ
とができる。
【0035】第11の発明は、上記第10の発明にかか
る液晶表示装置の製造方法において、第1ないし第9の
何れかの発明に係る半導体素子の製造方法により、上記
スイッチング素子を形成することを特徴としている。
【0036】これにより、駆動回路の形成と同時に画素
電極用のスイッチング素子も形成されるので、一層製造
工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。
【0038】まず、以下に説明する各実施の形態の製造
方法により製造される半導体素子であるTFTの構造の
例を説明する。
【0039】このTFTは、図1に示すように、光透過
性を有する透明基板としてのガラス基板31上に、多結
晶シリコン膜33、酸化シリコン膜(SiOx)34、
それぞれ例えばアルミニウム(Al)から成るゲート電
極35とソース電極36とドレイン電極37との3つの
電極、および層間絶縁膜38が設けられて構成されてい
る。
【0040】上記多結晶シリコン膜33は、後述するよ
うに、非晶質シリコン膜32の結晶化により形成された
もので、リン、またはボロン等の不純物イオンのドーピ
ングにより、チャネル領域33aと、チャネル領域33
aを挟むソース領域33bおよびドレイン領域33cが
形成されている。
【0041】また、上記ソース電極36とドレイン電極
37とは、酸化シリコン膜34および層間絶縁膜38に
形成されたコンタクトホール39・39を介して、ソー
ス領域33b、またはドレイン領域33cに接続される
とともに、これらのソース電極36とドレイン電極37
と、およびゲート電極35は、図示しない断面において
所定の配線パターンに接続されている。
【0042】(実施の形態1)上記のようなTFTの製
造方法についての本発明の実施の形態1を説明する。
【0043】(1) まず、図2に示すように、光透過
性を有する基板としてのガラス基板31上に、減圧CV
D法によって、例えば膜厚が85nmの非晶質シリコン
膜32を成膜する。より具体的には、例えば反応ガスと
してのモノシランガス(SiH 4 )またはジシランガス
(Si2 4 )を用い、圧力を数Torrにして、ガラ
ス基板31を350℃〜530℃に加熱することによ
り、非晶質シリコン膜32を成膜する。なお、この非晶
質シリコン膜32の成膜にあたっては、減圧CVD法に
代えて、後述する実施の形態2と同様のプラズマCVD
法を用いてもよい。また、上記非晶質シリコン膜32の
膜厚は、85nmに限らず、種々の設定が可能である。
【0044】(2) 図3に示すように、石英板から成
る窓11が設けられたアルミニウム製の気密な円筒状の
チャンバ12の中に、上記非晶質シリコン膜32が形成
されたガラス基板31を設置し、ヒータ13により40
0℃に加熱するとともに、酸素ボンベ5から酸素を導入
して圧力を1気圧に保つ。
【0045】この状態で、エキシマレーザ(XeCl)
3により、減衰器8、ミラー9、およびホモジナイザー
10を介して、非晶質シリコン膜32にレーザ光を照射
し、レーザアニールを行う。より具体的には、例えば一
辺が数ミリの角形のビーム断面形状を有する30nsの
レーザ光のパルスを、非晶質シリコン膜32上を走査し
ながら、10パルスずつ、270mJ/cm2 、のパワ
ー密度(単位面積当たりの照射エネルギー)で照射す
る。
【0046】上記レーザ光の照射によって、非晶質シリ
コン膜32は結晶化して多結晶シリコン膜33に変化す
る。また、このレーザ光の照射を上記のように酸素雰囲
気中で行うことにより、雰囲気中の酸素が多結晶シリコ
ン膜33の表面付近に効率的に導入され、膜厚が30n
mの酸化シリコン膜(SiO2 )34が形成される。
【0047】なお、レーザ光のパワー密度は、上記に限
らず、非晶質シリコン膜32を結晶化させるために十分
なパワー密度であればよく、例えば200〜350mJ
/cm2 、好ましくは230〜300mJ/cm2 など
に設定すればよい。 一方、照射するレーザ光のパルス
の幅、および回数も、上記に限らず、例えばより強い強
度のレーザ光を1パルスだけ照射するようにしてもよ
い。また、上記照射に先立って、上記パワー密度よりも
小さなパワー密度のパルスを1パルスあるいは複数パル
ス照射するようにしたりしてもよい。ただし、ガラス基
板31に伝わる熱量によってガラス基板31が例えば6
00℃程度以上にならないように設定することによっ
て、ガラス基板31として比較的耐熱性が低い安価なも
のを用いることができる。
【0048】また、レーザ光のビーム断面形状は、上記
のように一辺が数ミリの角形に限らず、数ミリ×100
ミリ程度の帯状などでもよい。
【0049】さらに、照射面積の数%から数十%ずつ照
射位置をずらしながら照射するようにして、基板全体
に、より一様な多結晶シリコン膜33が形成されるよう
にしてもよい。
【0050】(3) さらに、例えば常圧CVD法を用
いて、70nmの酸化シリコン膜を追加成膜し、酸化シ
リコン膜34の合計の膜厚をゲート絶縁膜として必要な
厚さ、例えば100nmにする。
【0051】すなわち、前記非晶質シリコン膜32の結
晶化の際に形成される酸化シリコン膜34の膜厚は、結
晶化のために必要なレーザ光のパワー密度等によって定
まるため、この膜厚が所望の膜厚よりも薄い場合には、
上記のように酸化シリコン膜を追加成膜すればよい。な
お、逆に非晶質シリコン膜32の結晶化の際に形成され
る酸化シリコン膜34の膜厚で不足がなければ、追加成
膜の必要はなく、一方、所望の膜厚よりも厚い場合に
は、エッチングにより薄くするなどしてもよい。また、
非晶質シリコン膜32の結晶化の際に形成された酸化シ
リコン膜34をエッチング等によって一旦除去した後
に、あらためて所望の膜厚の酸化シリコン膜を成膜した
場合でも、上記非晶質シリコン膜32の結晶化の際に生
じる界面欠陥(ダングリングボンド等)は低減されるの
で、電界効果移動度の向上等の効果は得られる。
【0052】以下、従来のTFTと同様に、以下の工程
を行う。
【0053】(4) アルミニウム(Al)膜をスパッ
タリングし、エッチングにより所定の形状にパターニン
グして、ゲート電極35を形成する。
【0054】(5) ゲート電極35をマスクとして、
多結晶シリコン膜33に例えばイオンドーピング法に
て、リン、またはボロンなどの不純物をイオン注入し、
多結晶シリコン膜33に、チャネル領域33a、ソース
領域33b、およびドレイン領域33cを形成する。
【0055】(6) 酸化シリコンから成る層間絶縁膜
38を常圧CVD法にて成膜し、ゲート電極35を覆
う。
【0056】(7) エッチングにより、層間絶縁膜3
8および酸化シリコン膜34に、多結晶シリコン膜33
のソース領域33b、またはドレイン領域33cに達す
るコンタクトホール39・39を開口する。
【0057】(8) チタン(Ti)膜およびアルミニ
ウム(Al)膜をスパッタリングし、エッチングにより
所定の形状にパターニングして、ソース電極36、およ
びドレイン電極37を形成する。
【0058】このようにして形成されたTFT、および
真空中または窒素雰囲気下でp−Siを形成した従来の
TFTについてのゲート電圧(VG )−ドレイン電流
(log10D )特性を図4に示す。
【0059】同図に示すように、しきい値電圧(ドレイ
ン電流が10-7(A)となるときのゲート電圧)は、
5.0Vから4.1Vに減少するとともに、ゲート電圧
の増加に応じたドレイン電流の立ち上がりが急になり、
サブスレッショルド特性が改善された。
【0060】また、電界効果移動度、および多結晶シリ
コン膜33の欠陥密度を確認したところ、電界効果移動
度は、50cm2 /V・Sから90cm2 /V・Sに増
大し、多結晶シリコン膜33の界面、および内部の合計
の欠陥密度は、1.3×10 12cm-2eV-1から1.2
×1012cm-2eV-1に減少していた。
【0061】すなわち、酸素雰囲気中でレーザ光を照射
し、非晶質シリコン膜32を結晶化させて多結晶シリコ
ン膜33を形成するとともに、同時に、酸化シリコン膜
34を形成することにより、多結晶シリコン膜33にお
ける酸化シリコン膜34との界面の欠陥が低減されると
ともに、酸化シリコン膜34の膜質も改善されたと考え
られる。
【0062】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
係るTFTの製造方法について説明する。
【0063】(1) ガラス基板31上に、プラズマC
VD法によって、反応ガスとしてモノシランガスと水素
ガスとを用い、反応温度が180℃〜300℃、圧力が
0.8Torrの条件下で、実施の形態1と同様の膜厚
が85nmの非晶質シリコン膜32を成膜する。なお、
プラズマCVD法に代えて、前記実施の形態1と同様の
減圧CVD法を用いてもよい。
【0064】(2) ガラス基板31を400〜500
℃で30分以上加熱し、脱水素処理を行う。すなわち、
上記のようにプラズマCVD法によって非晶質シリコン
膜32を形成する場合には、非晶質シリコン膜32中に
水素が取り込まれて、a−Si:H膜(水素化非晶質シ
リコン膜)が成膜されることになり、以下のレーザ光の
照射時に、水素の急激な放出に伴う膜の損傷が生じるの
で、あらかじめ、非晶質シリコン膜32中の水素を放出
させる。
【0065】(3) 前記実施の形態1と同様に、非晶
質シリコン膜32にレーザ光を照射して、レーザアニー
ルを行う。ただし、実施の形態1とは異なり、図5に示
すように、チャンバ12にオゾンボンベ17からオゾン
を導入し、オゾン濃度を100%、圧力を1気圧に保っ
た状態でレーザ光の照射を行う。
【0066】このレーザ光の照射によって、実施の形態
1と同様に、非晶質シリコン膜32が結晶化して多結晶
シリコン膜33に変化する。また、このレーザ光の照射
を上記のようにオゾン雰囲気中で行うことにより、雰囲
気中の酸素が多結晶シリコン膜33の表面付近に効率的
に導入され、酸化シリコン膜(SiO2 )6が形成され
る。
【0067】(4) 以下、実施の形態1の(3)〜
(8)と同様に、酸化シリコン膜の追加成膜等を行い、
TFTを形成する。
【0068】このようにして形成されたTFT、および
真空中または窒素雰囲気下でp−Siを形成した従来の
TFTについてのゲート電圧(VG )−ドレイン電流
(log10D )特性を図6に示す。
【0069】同図に示すように、しきい値電圧(ドレイ
ン電流が10-7(A)となるときのゲート電圧)は、
5.0Vから2.9Vに減少するとともに、ゲート電圧
の増加に応じたドレイン電流の立ち上がりは急になり、
サブスレッショルド特性が改善された。
【0070】また、電界効果移動度、および多結晶シリ
コン膜33の欠陥密度を確認したところ、電界効果移動
度は、50cm2 /V・Sから180cm2 /V・Sに
増大し、多結晶シリコン膜33の界面、および内部の合
計の欠陥密度は、1.3×1012cm-2eV-1から1.
1×1012cm-2eV-1に減少していた。
【0071】なお、レーザ光の照射時における、チャン
バ12内のオゾン濃度は、上記のように100%に限ら
ないが、濃度が高いほど、大きな効果が得られる。
【0072】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
係るTFTの製造方法について説明する。
【0073】(1) 前記実施の形態2の(1)、
(2)と同様に、プラズマCVD法によって、ガラス基
板31上に非晶質シリコン膜32成膜し、脱水素処理を
行う。
【0074】(2) 前記実施の形態1と同様に、非晶
質シリコン膜32にレーザ光を照射して、レーザアニー
ルを行う。ただし、実施の形態1とは異なり、図7に示
すように、チャンバ12に酸素ボンベ5から酸素を導入
するとともに、水蒸気発生装置16によって水蒸気を供
給し、チャンバ12内を飽和蒸気圧に保った状態でレー
ザ光の照射を行う。
【0075】このレーザ光の照射によって、実施の形態
1と同様に、非晶質シリコン膜32が結晶化して多結晶
シリコン膜33に変化する。また、このレーザ光の照射
を上記のように水蒸気を含む雰囲気中で行うことによ
り、水蒸気中の酸素が多結晶シリコン膜33の表面付近
に効率的に導入され、酸化シリコン膜(SiO2 )6が
形成される。
【0076】(3) 以下、実施の形態1の(3)〜
(8)と同様に、酸化シリコン膜の追加成膜等を行い、
TFTを形成する。
【0077】このようにして形成されたTFT、および
真空中または窒素雰囲気下でp−Siを形成した従来の
TFTについてのゲート電圧(VG )−ドレイン電流
(log10D )特性を図8に示す。
【0078】同図に示すように、しきい値電圧(ドレイ
ン電流が10-7(A)となるときのゲート電圧)は、
5.0Vから2.0Vに減少するとともに、ゲート電圧
の増加に応じたドレイン電流の立ち上がりは急になり、
サブスレッショルド特性が改善された。
【0079】また、電界効果移動度、および多結晶シリ
コン膜33の欠陥密度を確認したところ、電界効果移動
度は、50cm2 /V・Sから310cm2 /V・Sに
増大し、多結晶シリコン膜33の界面、および内部の合
計の欠陥密度は、1.3×1012cm-2eV-1から8.
7×1011cm-2eV-1に減少していた。
【0080】なお、レーザ光の照射時における、チャン
バ12内の水蒸気は、上記のように飽和蒸気圧の状態に
限らないが、湿度が高いほど、大きな効果が得られる。
【0081】また、完全に蒸気となっている状態に限ら
ず、水滴が分散した状態や、非晶質シリコン膜32の表
面に水滴または水の膜が付着した状態でも、同様の効果
が得られる。
【0082】さらに、水蒸気とともにチャンバ12内に
導入される気体は、酸素に限らず、オゾンや、窒素等の
不活性ガス、また、酸素と窒素との混合気(大気)など
でもよい。
【0083】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
係るTFTの製造方法について説明する。
【0084】(1) 前記実施の形態2の(1)、
(2)と同様に、プラズマCVD法によって、ガラス基
板31上に非晶質シリコン膜32を成膜し、脱水素処理
を行う。
【0085】(2) 前記実施の形態3と同様に、図7
に示すように、非晶質シリコン膜32にレーザ光を照射
して、レーザアニールを行う。ただし、実施の形態3と
は異なり、酸素および水蒸気が導入されたチャンバ12
内の圧力を10気圧に保った状態でレーザ光の照射を行
う。
【0086】このレーザ光の照射によって、実施の形態
3と同様に、非晶質シリコン膜32が結晶化して多結晶
シリコン膜33に変化する。また、このレーザ光の照射
を上記のように水蒸気を含む加圧された雰囲気中で行う
ことにより、水蒸気中の酸素が多結晶シリコン膜33の
表面付近に効率的に導入され、酸化シリコン膜(SiO
2 )6が形成される。
【0087】(3) 以下、実施の形態1の(3)〜
(8)と同様に、酸化シリコン膜の追加成膜等を行い、
TFTを形成する。
【0088】このようにして形成されたTFT、および
真空中または窒素雰囲気下でp−Siを形成した従来の
TFTについてのゲート電圧(VG )−ドレイン電流
(log10D )特性を図9に示す。
【0089】同図に示すように、しきい値電圧(ドレイ
ン電流が10-7(A)となるときのゲート電圧)は、
5.0Vから1.2Vに減少するとともに、ゲート電圧
の増加に応じたドレイン電流の立ち上がりは急になり、
サブスレッショルド特性が改善された。
【0090】また、電界効果移動度、および多結晶シリ
コン膜33の欠陥密度を確認したところ、電界効果移動
度は、50cm2 /V・Sから550cm2 /V・Sに
増大し、多結晶シリコン膜33の界面、および内部の合
計の欠陥密度は、1.3×1012cm-2eV-1から4.
4×1011cm-2eV-1に減少していた。
【0091】なお、レーザ光の照射時における、チャン
バ12内の圧力は、上記のように10気圧に限らない
が、圧力が高いほど、大きな効果が得られる。
【0092】また、完全に蒸気となっている状態に限ら
ず、水滴が分散した状態や、非晶質シリコン膜32の表
面に水滴または水の膜が付着した状態でも、同様の効果
が得られる。
【0093】さらに、水蒸気とともにチャンバ12内に
導入される気体は、酸素に限らず、オゾンや窒素等の不
活性ガス、また、酸素と窒素との混合気(大気)などで
もよい。
【0094】またさらに、水蒸気を導入することなく、
1気圧よりも高い圧力に加圧した酸素、またはオゾンを
供給するようにしてもよい。
【0095】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
係るTFTの製造方法について説明する。
【0096】(1) 前記実施の形態2の(1)、
(2)と同様に、プラズマCVD法によって、ガラス基
板31上に非晶質シリコン膜32成膜し、脱水素処理を
行う。
【0097】(2) 前記実施の形態2と同様に、非晶
質シリコン膜32にレーザ光を照射して、レーザアニー
ルを行う。ただし、実施の形態2とは異なり、図10に
示すように、非晶質シリコン膜32の形成されたガラス
基板31を水19に浸し、水面からガラス基板31の上
面までの距離が5mm程度になるようにした状態でレー
ザ光の照射を行う。なお、チャンバ12には、チャンバ
内の圧力が高くなりすぎるのを防ぐために、リリーフ圧
を10気圧にセットした図示しないバルブが設けられて
いる。
【0098】このレーザ光の照射によって、実施の形態
2と同様に、非晶質シリコン膜32が結晶化して多結晶
シリコン膜33に変化する。また、上記のようにガラス
基板31を水19に浸した状態でレーザ光の照射を行う
ことにより、非晶質シリコン膜32の表面付近の水19
が蒸発して、瞬間的に高圧の水蒸気となり、その水蒸気
中の酸素が多結晶シリコン膜33の表面付近に効率的に
導入され、酸化シリコン膜(SiO2 )6が形成され
る。
【0099】(3) 以下、実施の形態1の(3)〜
(8)と同様に、酸化シリコン膜の追加成膜等を行い、
TFTを形成する。
【0100】このようにして形成されたTFT、および
真空中または窒素雰囲気下でp−Siを形成した従来の
TFTについてのゲート電圧(VG )−ドレイン電流
(log10D )特性を図11に示す。
【0101】同図に示すように、しきい値電圧(ドレイ
ン電流が10-7(A)となるときのゲート電圧)は、
5.0Vから1.7Vに減少するとともに、ゲート電圧
の増加に応じたドレイン電流の立ち上がりは急になり、
サブスレッショルド特性が改善された。
【0102】また、電界効果移動度、および多結晶シリ
コン膜33の欠陥密度を確認したところ、電界効果移動
度は、50cm2 /V・Sから430cm2 /V・Sに
増大し、多結晶シリコン膜33の界面、および内部の合
計の欠陥密度は、1.3×1012cm-2eV-1から6.
3×1011cm-2eV-1に減少していた。
【0103】(実施の形態6)本発明の実施の形態6に
係るTFTの製造方法について説明する。
【0104】(1) 前記実施の形態2の(1)、
(2)と同様に、プラズマCVD法によって、ガラス基
板31上に非晶質シリコン膜32成膜し、脱水素処理を
行う。
【0105】(2) 前記実施の形態2と同様に、非晶
質シリコン膜32にレーザ光を照射して、レーザアニー
ルを行う。ただし、実施の形態2とは異なり、図12に
示すように、あらかじめ、非晶質シリコン膜32の表面
に厚さが10mmの氷20を形成した状態でレーザ光の
照射を行う。なお、チャンバ12には、実施の形態5と
同様に、チャンバ内の圧力が高くなりすぎるのを防ぐた
めに、リリーフ圧を10気圧にセットした図示しないバ
ルブが設けられている。
【0106】このレーザ光の照射によって、実施の形態
2と同様に、非晶質シリコン膜32が結晶化して多結晶
シリコン膜33に変化する。また、上記のように非晶質
シリコン膜32の表面に氷20が形成された状態でレー
ザ光の照射を行うことにより、非晶質シリコン膜32の
表面付近の氷20が蒸発して、瞬間的に高圧の水蒸気と
なり、その水蒸気中の酸素が多結晶シリコン膜33の表
面付近に効率的に導入され、酸化シリコン膜(Si
2 )6が形成される。
【0107】(3) 以下、実施の形態1の(3)〜
(8)と同様に、酸化シリコン膜の追加成膜等を行い、
TFTを形成する。
【0108】このようにして形成されたTFT、および
真空中または窒素雰囲気下でp−Siを形成した従来の
TFTについてのゲート電圧(VG )−ドレイン電流
(log10D )特性を図13に示す。
【0109】同図に示すように、しきい値電圧(ドレイ
ン電流が10-7(A)となるときのゲート電圧)は、
5.0Vから1.0Vに減少するとともに、ゲート電圧
の増加に応じたドレイン電流の立ち上がりは急になり、
サブスレッショルド特性が改善された。
【0110】また、電界効果移動度、および多結晶シリ
コン膜33の欠陥密度を確認したところ、電界効果移動
度は、50cm2 /V・Sから600cm2 /V・Sに
増大し、多結晶シリコン膜33の界面、および内部の合
計の欠陥密度は、1.3×1012cm-2eV-1から3.
6×1011cm-2eV-1に減少していた。
【0111】なお、前記実施の形態1〜6において、各
TFTの電界効果移動度の値、90cm2 /V・Sから
600cm2 /V・Sは、比較例の電界効果移動度の値
50cm2 /V・Sに対するものである。したがって、
従来の製造方法により得られたTFTの電界効果移動度
が、例えば600cm2 /V・Sで得られるような条件
の下に本発明を適用した場合には、さらにそれ以上の値
が得られる。
【0112】(実施の形態7)本発明の実施の形態7に
係る液晶表示装置の製造方法について説明する。
【0113】この製造方法により製造される液晶表示装
置は、図14および図15に示すように、光透過性基板
であるガラス基板31と、対向電極52が形成されたガ
ラス基板51との間に液晶層53が設けられるととも
に、上記ガラス基板31・51の両側に偏光板54・5
5が設けられて構成されている。
【0114】上記ガラス基板31における画像表示領域
56には、それぞれ互いに平行な走査信号線61…、お
よびこれらの走査信号線61…にそれぞれ垂直な画像信
号線62…が設けられている。また、各走査信号線61
と画像信号線62との各交差位置に対応して、画素電極
63…、および画素スイッチングTFT64…が設けら
れている。上記画素スイッチングTFT64のゲート電
極、ソース電極、およびドレイン電極には、それぞれ、
走査信号線61、画像信号線62、または画素電極63
が接続されている。さらに、ガラス基板31における画
像表示領域56の周辺部には、駆動回路用TFT65…
などによって構成されたシフトレジスタ等を有するゲー
ト駆動回路66、およびソース駆動回路67が設けられ
ている。
【0115】ここで、上記駆動回路用TFT65…は、
前記実施の形態1ないし実施の形態6の製造方法によっ
て形成されている。また、走査信号線61および画像信
号線62は、駆動回路用TFT65のドレイン電極等と
ともに一体的に形成されることにより、それぞれ、ゲー
ト駆動回路66、またはソース駆動回路67に接続され
ている。
【0116】すなわち、駆動回路用TFT65は、前述
のように酸素の雰囲気中などでp−Siを形成すること
により電界効果移動度が高いものに形成されるので、高
速なスイッチング動作等を必要とするゲート駆動回路6
6およびソース駆動回路67に適用することができる。
また、ガラス基板31上に形成された駆動回路用TFT
65によってゲート駆動回路66およびソース駆動回路
67を構成するとともに、そのドレイン電極等とともに
走査信号線61および画像信号線62を一体的に形成す
ることにより、ICチップの実装工程や配線の接続工程
などを必要とせず、製造工程を簡略化することができ
る。それゆえ、例えば大面積透過形液晶表示装置などを
容易に製造することが可能となる。
【0117】なお、画素スイッチングTFT64は、駆
動回路用TFT65と同様にp−Siによって形成して
もよいが、駆動回路用TFT65ほど高速なスイッチン
グ動作を必要としないので、従来の液晶表示装置と同様
にa−Siによって形成してもよい。
【0118】また、画素スイッチングTFT64と駆動
回路用TFT65とを所定のパターンのマスクを用いて
同一の工程で形成する場合には、製造工程の削減を図る
ことができるが、それぞれ別の工程で形成する場合で
も、上記ICチップの実装工程や配線の接続工程などを
必要しないことにより製造工程を簡略化できる効果は得
られる。
【0119】なお、本実施の形態7においては、TFT
を液晶表示装置に適用した例を示したが、これに限ら
ず、例えば高密度スタティックRAM等のメモリや、イ
メージセンサなどに適用することもできる。
【0120】
【発明の効果】本発明は、以上のように説明した形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0121】すなわち、酸素を含む雰囲気下等で非晶質
半導体膜にエネルギビームを照射して多結晶半導体膜を
形成することにより、非晶質半導体膜が結晶化すると同
時に半導体酸化膜が形成され、界面欠陥の少ない良好な
結晶性の多結晶半導体膜が得られるので、電界効果移動
度が大きく、高速なスイッチング動作等が可能な半導体
素子を形成することができるとともに、良好な膜質の半
導体酸化膜が形成されるため、しきい値電圧特性やサブ
スレッショルド特性などのTFT特性が良好な半導体素
子が得られるという効果を奏する。
【0122】また、上記のようにして基板上に半導体素
子を形成し、配線パターンを形成することにより上記半
導体素子を結線して駆動回路を形成するとともに、この
駆動回路に接続される上記走査信号線、および画像信号
線を形成することによって、走査信号線等の形成と同時
に、駆動回路の形成および配線を行うことができ、IC
チップの実装工程や配線の接続工程などを必要しないの
で、製造工程を簡略化して製造コストを低減できるとと
もに、表示画面の大型化や高精細度化も容易に図ること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1ないし実施の形態6により製造さ
れるTFTの構造を示す断面図である。
【図2】同、ガラス基板上に成膜された非晶質シリコン
膜の例を示す斜視図である。
【図3】実施の形態1のTFTの製造方法を示す説明図
である。
【図4】同、TFTのゲート電圧とドレイン電流との関
係を示す特性図である。
【図5】実施の形態2のTFTの製造方法を示す説明図
である。
【図6】同、TFTのゲート電圧とドレイン電流との関
係を示す特性図である。
【図7】実施の形態3および実施の形態4のTFTの製
造方法を示す説明図である。
【図8】実施の形態3のTFTのゲート電圧とドレイン
電流との関係を示す特性図である。
【図9】実施の形態4のTFTのゲート電圧とドレイン
電流との関係を示す特性図である。
【図10】実施の形態5のTFTの製造方法を示す説明
図である。
【図11】同、TFTのゲート電圧とドレイン電流との
関係を示す特性図である。
【図12】実施の形態6のTFTの製造方法を示す説明
図である。
【図13】同、TFTのゲート電圧とドレイン電流との
関係を示す特性図である。
【図14】実施の形態7により製造される液晶表示装置
の構成を示す斜視図である。
【図15】同、液晶表示装置の詳細な構成を示す斜視図
である。
【符号の説明】
3 エキシマレーザ 5 酸素ボンベ 12 チャンバ 16 水蒸気発生装置 17 オゾンボンベ 19 水 20 氷 31 ガラス基板 32 非晶質シリコン膜 33 多結晶シリコン膜 33a チャネル領域 33b ソース領域 33c ドレイン領域 34 酸化シリコン膜 51 ガラス基板 61 走査信号線 62 画像信号線 63 画素電極 64 画素スイッチングTFT 65 駆動回路用TFT 66 ゲート駆動回路 67 ソース駆動回路
フロントページの続き (72)発明者 山本 睦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 筒 博司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H092 GA59 HA00 HA04 JA25 JA28 KA04 MA08 MA14 MA15 MA16 MA18 MA19 MA20 MA23 MA30 MA35 5C094 AA05 AA14 AA21 AA43 AA44 BA03 CA19 DA14 DA15 DB04 GB10 5F052 AA02 BB07 DA02 DB02 DB03 JA01 5F110 AA01 AA30 BB02 BB07 BB10 CC02 DD02 EE03 EE44 FF02 FF09 FF22 FF29 GG02 GG13 GG25 GG45 GG47 HJ01 HJ12 HL03 HL04 HL11 HL23 NN02 NN23 NN35 PP03 PP06 PP13 PP26 PP35 QQ11 QQ21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された非晶質半導体膜にエ
    ネルギビームを照射することにより多結晶半導体膜を形
    成する工程を有する半導体素子の製造方法において、 上記多結晶半導体膜を形成する工程が、酸素を含む雰囲
    気下で非晶質半導体膜にエキシマレーザ光を照射する工
    程であることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された非晶質半導体膜にエ
    ネルギビームを照射することにより多結晶半導体膜を形
    成する工程を有する半導体素子の製造方法において、 上記多結晶半導体膜を形成する工程が、オゾンを含む雰
    囲気下で非晶質半導体膜にエキシマレーザ光を照射する
    工程であることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に形成された非晶質半導体膜にエ
    ネルギビームを照射することにより多結晶半導体膜を形
    成する工程を有する半導体素子の製造方法において、 上記多結晶半導体膜を形成する工程が、水蒸気、または
    分散された水滴を含む雰囲気下で非晶質半導体膜にエキ
    シマレーザ光を照射する工程であることを特徴とする半
    導体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかの半導
    体素子の製造方法において、上記多結晶半導体膜を形成
    する工程を加圧された雰囲気下で行うことを特徴とする
    半導体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の何れかの半導
    体素子の製造方法において、 さらに、上記多結晶半導体膜を形成する工程で多結晶半
    導体膜の表面に形成された半導体酸化膜の上に、さらに
    半導体酸化膜の追加成膜を行う工程を有することを特徴
    とする半導体素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4の何れかの半導
    体素子の製造方法において、 さらに、上記多結晶半導体膜を形成する工程で多結晶半
    導体膜の表面に形成された半導体酸化膜を食刻する工程
    を有することを特徴とする半導体素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に、画素電極と、上記画素電極に
    接続されたスイッチング素子と、上記スイッチング素子
    に接続された走査信号線、および画像信号線と、上記走
    査信号線、および画像信号線を介して、上記スイッチン
    グ素子を駆動する駆動回路とを備えた液晶表示装置の製
    造方法において、 請求項1ないし請求項6の何れかの半導体素子の製造方
    法により、上記基板上に半導体素子を形成する工程と、 配線パターンを形成することにより、上記半導体素子を
    結線して上記駆動回路を形成するとともに、上記駆動回
    路に接続された上記走査信号線、および画像信号線を形
    成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7の液晶表示装置の製造方法にお
    いて、 請求項1ないし請求項6の何れかの半導体素子の製造方
    法により、上記スイッチング素子を形成することを特徴
    とする液晶表示装置の製造方法。
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JP2007109943A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Shibuya Kogyo Co Ltd レーザアニール方法およびその装置
KR20150133697A (ko) * 2013-03-27 2015-11-30 고쿠리쓰다이가쿠호진 규슈다이가쿠 레이저 어닐링 장치

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