JP2002162002A - 流動層ボイラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の流動層ボイラは、経済的な手段によ
り燃料をコンバスタに投入する際に燃料に含まれる溶融
性材料が溶融されて燃料シュートの壁部に付着すること
を阻止することを課題とする。 【解決手段】 内部に流動材粒子が収容されるコンバス
タ１と、このコンバスタに設けられたバーナ３と、コン
バスタの壁部で開口する燃料シュート５およびこの燃料
シュートを通してコンバスタの内部に燃料を送込む燃料
バンカ３と、コンバスタの壁部で開口する空気ノズル２
およびこの空気ノズルを通してコンバスタの内部に燃焼
用空気を送込んで燃料を燃焼させるとともに流動材粒子
を吹き上げて燃料と衝突させる送風機Ｐ１と、燃料シュ
ートの周囲を囲んで設けられた２次空気ノズル１２とを
具備し、２次空気ノズル１２を流れる燃焼用空気により
燃料シュート５を冷却して燃料に含まれる溶融性材料の
溶融を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は流動層ボイラに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ＲＤＦ（固形化ペレット）、都市ごみ、
さらには産業廃棄物などを燃料として焼却するボイラと
して流動層ボイラが用いられている、この流動層ボイラ
は、内部に流動材粒子が収容されるコンバスタと、この
コンバスタに設けられた燃焼手段例えばバーナと、コン
バスタの側壁部で開口する燃料シュートおよびこの燃料
シュートを通してコンバスタの内部に燃料を送込む燃料
供給手段と、コンバスタの底部に設置されている空気ノ
ズルおよびこの空気ノズルを通してコンバスタの内部に
燃焼用空気を送込んで燃料を燃焼させるとともに流動材
粒子を吹き上げて燃料と接触させて燃焼を促進させる燃
焼用空気供給手段とを具備している。

【０００３】すなわち、この流動層ボイラは燃料を燃料
供給手段により燃料シュートを通してコンバスタの内部
へ投入する。加圧された空気を空気ノズルからコンバス
タの内部に送り込み、燃焼手段であるバーナを駆動して
燃料を着火して燃焼させる。空気ノズルから送込まれた
空気はコンバスタの下端から上側へ吹き上げるために、
コンバスタの内部の燃料と流動材粒子が吹き上げられて
互いに接触して燃料を燃焼させる効率が向上する。燃焼
により生じた燃焼ガスおよび燃焼物はコンバスタから集
塵装置へ運ばれて回収される。また、流動材粒子はサイ
クロンにより回収されて再びコンバスタに底部へ運ばれ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この流動層ボイラにお
いて燃料を焼却する際には、バーナから発する火炎の熱
および燃料の燃焼ガスの熱によりコンバスタの内部が約
９００℃程の高温となり、これに伴い燃料をコンバスタ
に投入する燃料シュートの壁部も加熱されて約９００℃
程に温度上昇する。また、燃料供給手段により燃料シュ
ートを通してコンバスタの内部へ投入される燃料は燃料
シュートの壁部に接触して移動する。このため、燃料シ
ュートを通してコンバスタの内部へ投入される燃料は約
９００℃の高温になった燃料シュートの壁部に接触して
高温に加熱される。

【０００５】一方、燃料とする流動層ボイラＲＤＦ、都
市ごみ、さらには産業廃棄物などに、合成樹脂などの比
較的低温（例えば４５０℃）で熱分解する溶融性材料が
含まれることがある。この場合、燃料シュートを通して
コンバスタの内部へ投入される燃料が燃料シュートの壁
部に接触して加熱されると、燃料に含まれる溶融性材料
が溶融して燃料シュートの壁部内面に付着する。そし
て、この溶融性材料の溶融付着が進行すると燃料シュー
トの内部を閉塞する大きさになり、この結果付着した溶
融性材料により燃料を燃料シュートを通してコンバスタ
の内部へ燃料を投入することが困難になる。

【０００６】そこで、従来はこの対策として燃料シュー
トの壁部を水冷して温度上昇を抑え、燃料が燃料シュー
ト内部を移動する際に燃料に含まれる溶融性材料が燃料
シュートにより加熱されて溶融し付着することを阻止す
ることが行われている。

【０００７】しかし、この方法では、常時燃料シュート
へ流す冷却用水を必要とし、また燃料シュートを囲んで
冷却用水を流す構造物、冷却用水をこの構造物に送るポ
ンプおよびポンプから構造物まで冷却用水を流す配管な
どの種々の設備を新たに特別に設けなければならず、設
備が大掛かりになって経済性が大変悪いという問題があ
る。

【０００８】本発明は、燃料をコンバスタに投入する際
に燃料に含まれる溶融性材料が溶融されて燃料シュート
の壁部に付着することを経済的な手段により阻止できる
流動層ボイラを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明の流動層
ボイラは、内部に流動材粒子が収容されるコンバスタ
と、このコンバスタに設けられた燃焼手段と、前記コン
バスタの壁部で開口する燃料シュートおよびこの燃料シ
ュートを通して前記コンバスタの内部に燃料を送込む燃
料供給手段と、前記コンバスタの底部に設置されている
空気ノズルおよびこの空気ノズルを通して前記コンバス
タの内部に燃焼用空気を送込んで前記燃料を燃焼させる
とともに前記流動材粒子を吹き上げて前記燃料と接触さ
せる燃焼用空気供給手段と、前記燃料シュートの周囲を
囲んで設けられた燃焼用空気通路部材およびこの燃焼用
空気通路部材に燃焼用空気を流通させる燃焼用空気供給
手段とを具備することを特徴とする。

【００１０】請求項２の発明の流動層ボイラは、内部に
流動材粒子が収容されるコンバスタと、このコンバスタ
に設けられた燃焼手段と、前記コンバスタの壁部で開口
する燃料シュートおよびこの燃料シュートを通して前記
コンバスタの内部に燃料を送込む燃料供給手段と、前記
コンバスタの底部に設置されている空気ノズルおよびこ
の空気ノズルを通して前記コンバスタの内部に燃焼用空
気を送込んで前記燃料を燃焼させるとともに前記流動材
粒子を吹き上げて前記燃料と接触させる燃焼用空気供給
手段と、前記コンバスタの壁部に設けられ前記コンバス
タの壁部における前記燃料シュートの開口より高い位置
で前記コンバスタの内部と前記燃料シュートとを連通す
る連通部および前記コンバスタの内部において前記燃焼
用空気により吹き上げられた前記流動材粒子の一部を受
けて前記連通部を通して前記燃料シュートの内部へ案内
する案内部材とを具備することを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明における第１の実施の形態
について図１を参照して説明する。図１はこの実施の形
態の流動層ボイラを模式的に示す断面図である。図１に
おいて１は垂直に立てて設けられたコンバスタで、この
コンバスタ１は下端底部に空気ノズル２が設けられ、こ
の空気ノズル２は図示しない予熱装置を経て燃焼用空気
供給手段の一例である送風機Ｐ１が接続されて流動化兼
燃焼用空気をコンバスタ１の内部へ吹き上げて送込むよ
うになっている。３はコンバスタ１の外側に設けられた
燃料バンカで、この燃料バンカ３にはＲＤＦ（固形化ペ
レット）、都市ごみ、さらには産業廃棄物などの燃料２
１が収容される。燃料バンカ３には燃料２１を送るスク
リュ送り機構４が設けられ、この送りスクリュ機構４に
は円筒状をなす燃料シュート５が接続されている。この
燃料シュート５は燃料２１をコンバスタ１の内部へ投入
するもので、この燃料シュート５の下端はコンバスタ１
の側壁部において空気ノズル２から所定高さの位置の箇
所に形成された開口５ａを介してコンバスタ１に接続さ
れている。なお、燃料シュート５にはコンバスタ１内の
燃焼ガスをシールする機能を持っロータリフィーダＶが
設けられている。６は燃料手段の一例である例えば重油
を用いるバーナで、このバーナ６はコンバスタ１の側壁
部において空気ノズル２から所定高さの箇所に設けられ
てコンバスタ１の内部へ火炎を発射するようになってい
る。

【００１２】コンバスタ１の内部には砂などの流動材粒
子２２が収容されており、この流動材粒子２２はコンバ
スタ１の下端底部に設けられた空気ノズル２上に積載さ
れ、空気ノズル２からコンバスタ１の内部へ送込まれる
空気により吹き上げられるようになっている。空気ノズ
ル２は空気を通すことが可能で、砂などの流動材粒子２
２を積載しても通すことが無い二重円筒形の構造を有す
るものである。なお、コンバスタ１の側壁部で開口する
燃料シュート５の開口５ａおよびバーナ６の高さ位置
は、第１空気ノズル２上に積載された流動材粒子２２の
高さより高い位置にある。

【００１３】コンバスタ１の上端部はサイクロン７に接
続されており、このサイクロン７はコンバスタ１の内部
で燃焼しながら吹き上げられた燃料の燃焼ガスおよび燃
焼物（灰）と、吹き上げられた流動材粒子２２とを分離
するものである。サイクロン７の上端壁部には燃焼物を
含む燃焼ガスを排出する燃焼ガス排出管８が接続され、
この燃焼ガス排出管８は図示しない蒸気加熱器、蒸発器
および集塵装置に接続されている。サイクロン７の下端
はシールポット９が接続されており、このシールポット
９は分離して落下する流動材粒子Ｒを受けて一時的に保
留しておき、コンバスタ１内の燃焼ガスをシールするた
めのものである。このシールポット９には受けた流動材
粒子を戻すために流動材粒子戻しシュート１０が接続さ
れており、この流動材粒子戻しシュート１０の下端はコ
ンバスタ１の側壁部に形成された開口１０ａを介してコ
ンバスタ１の内部に接続されている。シールポット９の
下端底部には保留した流動材粒子２２を積載するように
空気ノズル２と同様に二重円筒形の空気ノズル１１が設
けられ、この空気ノズル１１には送風機Ｐ２が接続され
て流動材粒子戻し用の空気をシールポット９の内部へ送
り込むようになっている。

【００１４】そして、この流動層ボイラでは、燃料シュ
ート５の周囲を囲んで設けられた燃焼用空気通路部材
と、この燃焼用空気通路部材に燃焼用空気を流通させる
燃焼用空気供給手段を具備して、燃焼用空気を利用して
燃料シュートを冷却（空冷）するようになっている。こ
の実施の形態では、燃焼用空気通路部材としてコンバス
タ１の内部へ２次燃焼用空気を送り込む２次空気ノズル
を利用する。２次燃焼用空気はコンバスタ１の内部へ空
気ノズル２から吹き上げて送り込まれる燃焼用空気に対
して側方から送り込まれて燃焼を補助的に支援するもの
であり、２次空気ノズルはコンバスタ１の側壁部に単数
または複数設けられる。

【００１５】すなわち、２次燃焼用空気をコンバスタ１
の内部へ供給する２次空気ノズル１２が燃料シュート５
を囲んで設けてある。この２次空気ノズル１２は円筒形
なす燃料シュート５より大きい直径の円筒形なすもの
で、コンバスタ１の側壁部の外側において燃料シュート
５の外側を囲んで２重管のようにして配置されている。
２次空気ノズル１２は燃焼用空気供給手段の一例として
図示しない予熱装置を介して前述した送風機Ｐ１に接続
されており、先端部はコンバスタ１の側壁部に形成され
た開口１２ａを介してコンバスタ１と接続されている。
この２次空気ノズル１２は前記燃焼用空気に対して補助
的にコンバスタ１の側壁部側から燃焼用第２空気をコン
バスタ１の内部へ送り込むもので、この２次空気が２次
空気ノズル１２を流れてコンバスタ１の内部へ達する途
中で燃料シュート５に接触して燃料シュート５を冷却
（空冷）して温度を低下させる役目を有している。な
お、コンバスタ１には他の箇所にも２次空気ノズルを設
けることもできる。

【００１６】このように構成された流動層ボイラの作用
について説明する。

【００１７】バーナ６を駆動して重油の火炎をコンバス
タ１の内部へ噴射する。燃料バンカ３に入れられた燃料
２１はスクリュ送り機構４の駆動により順次送られた
後、燃料シュート５の内部を移動してコンバスタ１の側
壁部に形成された開口５ａからコンバスタ１の内部へ投
入され、この燃料２１はコンバスタ１の内部でバーナ６
の火炎により加熱される。送風機Ｐ１を駆動して空気が
予熱装置を通して例えば３００℃程度に加熱した後に空
気ノズル２からコンバスタ１の内部へ送り込まれ、この
空気はコンバスタ１の内部でバーナ６の火炎により加熱
される。予熱装置は燃焼用空気をコンバスタ１に送り込
む前に加熱してコンバスタ１での燃焼効率を高めるため
のもので、例えば後述するように高温となっている燃焼
ガスを熱源として利用する。また、コンバスタ１の内部
の流動材粒子２２もバーナ６の火炎により加熱される。
これら燃料２１、流動材粒子２２および空気が加熱され
て例えばコンバスタ１の内部が９００℃の高温に温度上
昇して燃料が燃焼する。なお、燃料２１が自発的に燃焼
する時点でバーナ６による火炎の発射を停止する。

【００１８】そして、コンバスタ１の内部へ送り込まれ
る空気はコンバスタ１の下端底部に設けられた空気ノズ
ル２から吹き上げられる。空気ノズル２に積載されてい
た流動材粒子２２は送り込まれた空気によりコンバスタ
１の内部で吹き上げられ、またコンバスタ１の内部へ投
入された燃料も送り込まれた空気により吹き上げられて
燃料２１と衝突する。この両者の固体接触により燃料２
１が燃焼する効率が向上する。吹き上げられた流動材粒
子２２は一部がそのまま落下してコンバスタ１の下端部
部へ戻る。

【００１９】燃料２１の燃料により生じた燃焼ガスと燃
焼物が上昇し、また流動材粒子２２も吹き上げられてコ
ンバスタ１の上端部からサイクロン７へ移動する。サイ
クロン７では燃焼ガスと燃焼物は燃焼ガス排出管８を通
って集塵装置へ移動し、流動材粒子２２はシールポット
９へ落下して貯められる。送風機Ｐ２の駆動により空気
ノズル１１を介してシールポット９の内部へ空気が吹き
込まれ、この空気によりシールポット９に貯められた流
動材粒子２２が浮き上がって流動材粒子戻しシュート１
０を通ってコンバスタ１の下端部へ戻される。

【００２０】また、送風機Ｐ１により送られて予熱装置
で約３００℃に予熱された空気の一部は２次燃料用空気
として２次空気ノズル１２を通って送られ、開口１２ａ
からコンバスタ１の内部へ送り込まれる。２次空気ノズ
ル１２は燃料シュート５を囲んで設けられているため
に、空気が２次空気ノズル１２を流れて通過する際に燃
料シュート５の外側からその周方向全体に接触しながら
流れる。一方、コンバスタ１の内部はバーナ６の火炎お
よび高温燃焼ガスの熱により約９００℃程度の高温にな
るので、燃料シュート５の壁部もバーナ６の火炎および
高温燃焼ガスの熱により約９００℃程度に加熱される。

【００２１】ここで、２次空気ノズル１２において燃料
シュート５の壁部に接触して流れる３００℃程度の燃焼
用ガスと、高温燃焼ガスの熱により９００℃程度に加熱
された燃料シュート５の壁部との間で熱交換が行われ、
燃料シュート５の壁部の温度が約４００℃以下に抑えら
れるとともに、２次空気ノズル１２を流れる燃焼用空気
が３００℃以上の温度に上昇する。すなわち、２次空気
ノズル１２を流れる燃焼用空気はコンバスタ１の内部温
度に比較して大変温度が低いために燃料シュート５を冷
却して温度上昇を抑える。

【００２２】このため、燃料シュート５を通してコンバ
スタ１の内部へ投入される燃料２１が燃料シュート５の
壁部に接触しても、燃料シュート５の温度が低いために
合成樹脂などの比較的低温（例えば４５０℃）で熱分解
する溶融性材料が溶解する程度の温度まで上昇すること
がない。従って、燃料２１に合成樹脂などの比較的低温
で熱分解する溶融性材料が含まれている場合、燃料シュ
ート５を通してコンバスタ１の内部へ投入される燃料２
１が燃料シュート５の壁部に接触して加熱されても燃料
２１に含まれる溶融性材料が溶融することがない。従っ
て、この溶融性材料が溶融して燃料シュート５の壁部内
面に付着して燃料シュート５を閉塞するという事態が発
生することを防止できる。

【００２３】そして、燃料シュート５を冷却するための
手段としてコンバスタ１に供給する燃焼用ガスの一部を
利用するので、水道水のように有料の材料を使用する場
合に比較して特別に経費を必要としない。また、燃焼用
空気を燃料シュート５へ流すための燃焼用空気通路部材
は燃料シュート５を囲む管路例えば２次空気ノズル１２
を設けるだけで簡素な構成であり、また燃焼用空気通路
部材へ燃焼用空気を供給する設備も従来から用いられて
いる送風機を利用するので特別に大掛かりな設備を設け
る必要が無い。従って、燃料をコンバスタに投入する際
に燃料に含まれる溶融性材料が溶融されて燃料シュート
の壁部に付着することを経済的な手段により阻止でき
る。

【００２４】特にこの実施の形態では、燃焼用空気通路
部材として従来から設けられているコンバスタ１の内部
へ２次燃焼用空気を送り込む２次空気ノズル１２を利用
して設けているので、より設備が簡素で経済的である。
なお、燃焼用空気通路部材としては２次空気ノズルに限
定されず、他の部材、例えば燃焼用空気をコンバスタ１
の空気ノズル２へ送る管路の一部を利用しても良い。

【００２５】第２の実施の形態について図２を参照して
説明する。図２はこの実施の形態の流動層ボイラを模式
的に示す断面図であり、図１と同じ部分は同じ符号を付
して示している。

【００２６】この実施の形態では、コンバスタ１の側壁
部において燃料シュート５の開口５ａより高い位置に連
通部３１が開口して形成されており、この連通部３１は
コンバスタ１の内部と燃料シュート５の中間部とを連通
している。また、コンバスタ１の側壁部には連通部３１
の上側に位置して案内部材３２が設けられており、この
案内部材３２はコンバスタ１の内部において燃焼用空気
により吹き上げられた流動材粒子２２の一部を受けて連
通部３１を通して燃料シュート５の内部へ案内するもの
である。この実施の形態では、案内部材３２はコンバス
タ１の側壁部を直接用いている。

【００２７】この構造では、空気ノズル２によりコンバ
スタ１の内部へ送り込まれた空気により流動材粒子２２
が吹き上げられると、流動材粒子２２の一部が案内部材
３２に当たってコンバスタ１の内部から連通部３１を通
って燃料シュート５の中間部の内部へ案内される。連通
部３１は開口５より高い位置あるので、連通部３１から
燃料シュート５の内部へ入った流動材粒子２２は燃料シ
ュート３１の内部を下降して開口５ａから再びコンバス
タ１の内部へ入って落下し、ああるいは再び燃焼用空気
に吹き上げられる。

【００２８】ここで、燃料２１が燃料シュート５の内部
を通ってコンバスタ１の内部へ供給される際に燃料２１
に含まれる溶融性材料が燃料シュート５の壁部の熱によ
り加熱、溶融されて燃料シュート５の壁部内面に付着し
た場合には、流動材粒子２２が燃料シュート５の内部へ
入って燃料シュート３１の内部を下降して開口５ａから
出て行くまでの過程で、流動材粒子２２が燃料シュート
５の壁部内面に付着している溶融性材料を掻き落とす。
流動材粒子２２は砂など粒度が粗いもので燃料シュート
５の内部を落下する過程でやすりのような作用で燃料シ
ュート５の壁部内面に付着している溶融性材料を確実に
掻き落とす。

【００２９】従って、燃料シュート５が約９００℃程度
に加熱されて、燃料２１が燃料シュート５の壁部に接触
して燃料２１に含まれる溶融性材料が付着しても、付着
した溶融性材料が燃料シュート５の壁部から迅速に取り
除かれ、溶融性材料が燃料シュート５の壁部に付着して
燃料シュート５を閉塞するという事態が発生することを
防止できる。

【００３０】この実施の形態において燃料シュート５に
付着した溶融性材料が取り除くために流動性ボイラで使
用する流動材粒子２２を用いるために特別な手段を用意
する必要がなく、またコンバスタ１に設ける設備は連通
部３１と案内部材３２とを設けるだけの簡素な構成で経
済的なものである。従って、燃料２１をコンバスタ１に
投入する際に燃料に含まれる溶融性材料が燃料シュート
５の壁部に付着することを経済的な手段により阻止でき
る。

【００３１】なお、この実施の形態では図示しないが２
次空気ノズルを必要に応じて設けて、コンバスタ１に２
次燃焼用空気を供給している。

【００３２】なお、本発明は前述した実施の形態に限定
されず、種々変形して実施することができる。例えば、
コンバスタでの燃焼により生じた燃焼ガスおよび燃焼物
と流動材粒子とを取り扱うためにはサイクロンを設ける
方式に限定されず、他の方式であっても良い。

【００３３】

【発明の効果】請求項１の発明の流動層ボイラによれ
ば、燃料シュートの周囲を囲んで設けた燃焼用空気通路
部材に燃焼用空気を流通して燃料シュートを冷却して温
度上昇を抑えるので、燃料シュートを冷却するための手
段としてコンバスタに供給する燃焼用ガスの一部を利用
するために特別に経費を必要とせず、また燃焼用空気を
燃料シュートへ流すための燃焼用空気通路部材は燃料シ
ューを囲む管路で簡素名構成であり、さらに燃焼用空気
通路部材へ燃焼用空気を供給する設備も従来から用いら
れている送風機を利用するので特別に大掛かりな設備を
設ける必要が無い。従って、燃料をコンバスタに投入す
る際に、燃料に含まれる溶融性材料が溶融されて燃料シ
ュートの壁部に付着することを経済的な手段により阻止
できる。特に燃焼用空気通路部材として従来から設けら
れているコンバスタの内部へ２次燃焼用空気を送り込む
２次空気ノズルを利用すればより一層設備が簡素で経済
的である。

【００３４】請求項２の発明の流動層ボイラによれば、
案内部材がコンバスタの内部において燃焼用空気により
吹き上げられた流動材の粒子の一部を受けて、コンバス
タの壁部に形成された連通部を通して燃料シュートの内
部へ案内し、流動材粒子が燃料シュートの内部を下降し
て開口から出て行くまでの過程で燃料シュートの壁部内
面に付着している溶融性材料を確実に掻き落とすので、
燃料シュートに付着した溶融性材料を取り除くために流
動層ボイラで使用する流動材粒子を用いるために特別な
手段を用意する必要がなく、またコンバスタに設ける設
備は連通部と案内部材とを設けるだけの簡素で構成で経
済的なものである。従って、燃料をコンバスタに投入す
る際に、燃料に含まれる溶融性材料が燃料シュートに付
着して閉塞することを経済的な手段により阻止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における第１の実施の形態の流動層ボイ
ラを模式的に示す断面図。

【図２】第２の実施の形態の流動層ボイラを模式的に示
す断面図。

【符号の説明】

１…コンバスタ、 ２…空気ノズル、 ３…燃料バンカ（燃料供給手段）、 ４…スクリュ送り機構（燃料供給手段）、 ５…燃料シュート、 ６…バーナ、 ７…サイクロン ９…シールポット、 １２…２次空気ノズル（燃焼用空気通路部材）、 ２１…燃料、 ２２…流動材粒子、 ３１…連通部、 ３２…案内部材、 Ｐ１…送風機（燃焼用空気供給手段）、 Ｐ２…送風機（燃焼用空気供給手段）。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に流動材粒子が収容されるコンバス
   タと、このコンバスタに設けられた燃焼手段と、前記コ
   ンバスタの壁部で開口する燃料シュートおよびこの燃料
   シュートを通して前記コンバスタの内部に燃料を送込む
   燃料供給手段と、前記コンバスタの底部に設置されてい
   る空気ノズルおよびこの空気ノズルを通して前記コンバ
   スタの内部に燃焼用空気を送込んで前記燃料を燃焼させ
   るとともに前記流動材粒子を吹き上げて前記燃料と接触
   させる燃焼用空気供給手段と、前記燃料シュートの周囲
   を囲んで設けられた燃焼用空気通路部材およびこの燃焼
   用空気通路部材に燃焼用空気を流通させる燃焼用空気供
   給手段とを具備することを特徴とする流動層ボイラ。
2. 【請求項２】 内部に流動材粒子が収容されるコンバス
   タと、このコンバスタに設けられた燃焼手段と、前記コ
   ンバスタの壁部で開口する燃料シュートおよびこの燃料
   シュートを通して前記コンバスタの内部に燃料を送込む
   燃料供給手段と、前記コンバスタの底部に設置されてい
   る空気ノズルおよびこの空気ノズルを通して前記コンバ
   スタの内部に燃焼用空気を送込んで前記燃料を燃焼させ
   るとともに前記流動材粒子を吹き上げて前記燃料と接触
   させる燃焼用空気供給手段と、前記コンバスタの壁部に
   設けられ前記コンバスタの壁部における前記燃料シュー
   トの開口より高い位置で前記コンバスタの内部と前記燃
   料シュートとを連通する連通部および前記コンバスタの
   内部において前記燃焼用空気により吹き上げられた前記
   流動材粒子の一部を受けて前記連通部を通して前記燃料
   シュートの内部へ案内する案内部材とを具備することを
   特徴とする流動層ボイラ。