JP2002161827A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JP2002161827A
JP2002161827A JP2000363462A JP2000363462A JP2002161827A JP 2002161827 A JP2002161827 A JP 2002161827A JP 2000363462 A JP2000363462 A JP 2000363462A JP 2000363462 A JP2000363462 A JP 2000363462A JP 2002161827 A JP2002161827 A JP 2002161827A
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Japan
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fuel
mixed
injection valve
fluid
fuel injection
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Application number
JP2000363462A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Watanabe
義正 渡辺
Toshiaki Motoi
敏明 許斐
Akinori Saito
昭則 斎藤
Kiyomi Kawamura
清美 河村
Yoshiaki Fukushima
喜章 福嶋
Hiroshi Itahara
浩 板原
Hiroaki Wakayama
博昭 若山
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射弁の信頼性及び耐久性を高める。 【解決手段】 燃料タンクから供給される液体燃料に被
混合流体タンクから供給される被混合流体が混合された
混合燃料であって被混合流体が超臨界状態になっていな
い混合燃料を形成する。燃料噴射弁2内における混合燃
料の圧力が被混合流体の臨界圧力よりも高くなるように
混合燃料を燃料噴射弁2に供給する。燃料噴射弁2の先
端に燃焼室11内に延びるフィン19を形成する。燃焼
ガス又は火炎によりフィン19を加熱して燃料噴射弁2
先端部内にある混合燃料の温度が被混合流体の臨界温度
よりも高くなるようにし、それにより燃料噴射弁2内で
混合燃料中の被混合流体を超臨界状態にする。次いで、
この混合燃料を燃料噴射弁から噴射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料供給
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体燃料を燃料タンクから混合室内に供
給し、液体燃料と異なる被混合流体を被混合流体タンク
から混合室内に供給し、それにより液体燃料と被混合流
体とからなる混合燃料を形成し、混合室内の圧力及び温
度を被混合流体の臨界圧力及び臨界温度よりも高くして
混合燃料中の被混合流体を超臨界状態にし、次いで混合
燃料を燃料噴射弁から噴射するようにした内燃機関が公
知である(特許第2651974号公報参照)。
【0003】詳しくは後述するが、このようにすると液
体燃料の微粒化を促進することができ、従って良好な燃
焼を確保することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この内燃機関では被混
合流体を超臨界状態にした後に燃料噴射弁に供給するよ
うにしており、従って燃料噴射弁に高温の混合燃料が供
給されることになる。その結果、この高温の燃料が燃料
噴射弁内の燃料通路内をノズルまで進行する間に燃料噴
射弁の各部品を加熱するようになる。しかしながら、一
般的な燃料噴射弁は例えば樹脂のような低耐熱性材料か
らなる部品を含んでおり、従って上述の内燃機関では燃
料噴射弁の部品が損傷又は破損する恐れがあるという問
題点がある。
【0005】そこで本発明の目的は燃料噴射弁の信頼性
及び耐久性を高めることができる内燃機関の燃料供給装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明によれば、燃料タンクから供給される
液体燃料に被混合流体タンクから供給される被混合流体
が混合された混合燃料であって該被混合流体が超臨界状
態になっていない混合燃料を形成し、燃料噴射弁内にお
ける該混合燃料の圧力が被混合流体の臨界圧力よりも高
くなるように該混合燃料を燃料噴射弁に供給し、燃料噴
射弁の先端部を加熱して該先端部内にある混合燃料の温
度が被混合流体の臨界温度よりも高くなるようにし、そ
れにより燃料噴射弁内で混合燃料中の被混合流体を超臨
界状態にし、該混合燃料を燃料噴射弁から噴射するよう
にしている。即ち1番目の発明では、燃料噴射弁に高温
の混合燃料が供給されないので、低耐熱性材料が損傷す
る恐れがなくなる。従って、燃料噴射弁の信頼性及び耐
久性が高められる。
【0007】また、上記問題点を解決するために2番目
の発明によれば、燃料噴射弁の先端部を燃焼ガスにより
加熱するようにしている。また、上記問題点を解決する
ために3番目の発明によれば、燃料噴射弁の先端部を排
気ガスにより加熱するようにしている。即ち2番目又は
3番目の発明では、特別な加熱源を設ける必要がない。
【0008】また、上記問題点を解決するために4番目
の発明によれば、燃料タンクから供給される液体燃料に
被混合流体タンクから供給される被混合流体が混合され
た混合燃料であって該被混合流体が超臨界状態になって
いる混合燃料を形成する混合燃料形成手段を具備し、該
混合燃料形成手段を接続通路により燃料噴射弁に接続し
て該混合燃料を該燃料噴射弁から噴射するようにした内
燃機関の燃料供給装置において、接続通路又は燃料噴射
弁を冷却する冷却手段を具備している。即ち4番目の発
明でも、低耐熱性材料が損傷する恐れがなくなる。
【0009】なお、ある物質の圧力がその臨界圧力より
も高くかつこの物質の温度がその臨界温度よりも高い場
合にこの物質が超臨界状態にあるというのが一般的であ
る。しかしながら、本明細書にいう超臨界状態には、物
質の圧力及び温度がその臨界圧力及び臨界温度よりもわ
ずかばかり低い場合も含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明を車両用ディーゼル
機関に適用した場合を示している。しかしながら、火花
点火式ガソリン機関又は車両用でない内燃機関に本発明
を適用することもできる。図1を参照すると、機関本体
1は複数例えば四つの気筒1aを具備し、各気筒1aは
燃焼室内に配置された例えば電磁式の燃料噴射弁2を具
備する。これら燃料噴射弁2はそれぞれ対応する分配管
3を介してこれら燃料噴射弁2に対し共通の混合燃料用
容積部又はコモンレール4に接続される。コモンレール
4は高圧管5を介して例えば機関駆動式の、吐出圧を制
御可能なポンプ6の吐出側に接続され、ポンプ6の吸入
側は燃料供給管7を介して液体燃料タンク8に接続され
る。液体燃料タンク8内には液体燃料、本実施態様では
軽油が収容されている。
【0011】一方、被混合流体タンク9内には、燃料と
異なる被混合流体が収容されている。被混合流体とし
て、例えば水、二酸化炭素、水素、アルコール、メタン
やエタンなどの炭化水素のなかから選択された少なくと
も一つを用いることができる。被混合流体タンク9から
被混合流体供給管10が延びており、その流出端が燃料
供給管7に接続される。このようにすると、単一のポン
プでもって液体燃料と被混合流体との両方をコモンレー
ル4に供給することができる。なお、液体燃料供給用ポ
ンプと被混合流体用ポンプとを別個に設けることもでき
る。
【0012】電子制御ユニット(ECU)30はデジタ
ルコンピュータからなり、双方向性バス31を介して相
互に接続されたROM(リードオンリメモリ)32、R
AM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイク
ロプロセッサ)34、常時電源に接続されているB−R
AM(バックアップRAM)35、入力ポート36、お
よび出力ポート37を具備する。コモンレール4にはコ
モンレール4内の圧力に比例した出力電圧を発生する圧
力センサ38が取り付けられる。また、例えば吸入空気
量やアクセルペダルの踏み込み量などの機関負荷を表す
出力電圧を発生する負荷センサ39が設けられる。これ
らセンサ38,39の出力電圧はそれぞれ対応するAD
コバータ40を介して入力ポート36に入力される。更
に、機関回転数を表す出力パルスを発生する回転数セン
サ41が入力ポート36に接続される。一方、出力ポー
ト37はそれぞれ対応する駆動回路42を介して燃料噴
射弁2及びポンプ6に接続されている。
【0013】図2は燃料噴射弁2の先端部を示してい
る。図2を参照すると、燃料噴射弁2はそれぞれ対応す
る気筒1aの燃焼室11内に燃料を直接噴射するよう
に、シリンダヘッド12に形成される噴射弁受容孔13
内に取り付けられる。この燃料噴射弁2は例えば金属製
のハウジング14と、ソレノイドコイルやステータなど
からなるアクチュエータ(図示しない)により駆動され
るニードル15と、ニードル15周りのハウジング14
内に形成された燃料通路16と、ハウジング14の先端
又は長手方向一端に形成され燃料通路16から延びる複
数のノズル17と、ニードル15が燃料通路16内壁面
に当接することにより形成されるシール部18を具備す
る。例えばハウジング14の頂端又は長手方向他端には
分配管3(図1)が接続される燃料流入口(図示しな
い)が形成されており、燃料通路16は上述のアクチュ
エータ周りを通過して燃料流入口までハウジング14内
を延びる。ここで、アクチュエータには電気絶縁部材又
はシール部材として低耐熱性の樹脂部品が含まれてい
る。
【0014】図2に示されるように、ハウジング14の
先端には例えば金属製のフィン19がハウジング14と
一体的に形成される。これらフィン19は互いに隣接す
る二つのノズル17の間から、シリンダヘッド内壁面1
2aを越えて燃焼室11内に突出する。なお、この実施
態様では、ハウジング14の筒状側壁面、シール部1
8、及びシール部18上流の燃料通路16はシリンダヘ
ッド内壁面12aを越えて突出しない。
【0015】ポンプ6が作動せしめられると、燃料タン
ク8内の液体燃料がポンプ6に向けて燃料供給管7内を
流通せしめられ、被混合流体タンク9内の被混合流体が
被混合流体供給管10を介し燃料供給管7内に導かれ
る。従って、液体燃料に被混合流体が混合された混合燃
料が形成され、この混合燃料は次いでポンプ6に向か
う。
【0016】このようにして形成された混合燃料は次い
でポンプ6により加圧され、コモンレール4内に流入せ
しめられる。この場合、ポンプ6の吐出圧はコモンレー
ル4内の圧力が被混合流体の臨界圧力PCよりも高い圧
力P1に維持されるように制御されている。この混合燃
料は次いで分配管3を介し燃料噴射弁2に供給される。
具体的には、混合燃料は燃料流入口からアクチュエータ
周りの燃料通路16内を流通し、次いで燃料噴射弁2の
先端部に位置する燃料通路16に到る。上述したよう
に、燃料噴射弁2のフィン19は燃焼室11内に突出し
ており、このためフィン19は燃焼室19内の燃焼ガス
又は火炎により加熱される。その結果、燃料噴射弁2の
先端部内の混合燃料が加熱されることになる。
【0017】ここで、燃料噴射弁2の先端部内の混合燃
料の温度が被混合流体の臨界温度TCよりも高い温度T
1になるように、例えばフィン19の形状や寸法、燃焼
室11内での位置が定められている。一方、燃料噴射弁
2の先端部内における混合燃料の圧力はコモンレール4
内と同様に、被混合流体の臨界圧力PCよりも高くなっ
ており、その結果燃料噴射弁2の先端部内にある混合燃
料中の被混合流体が超臨界状態にせしめられる。言い換
えると、燃料噴射弁2に液体燃料と超臨界状態にない被
混合流体とからなる混合燃料を供給し、燃料噴射弁2内
において液体燃料と超臨界状態にある被混合流体とから
なる混合燃料を形成しているということになる。
【0018】この混合燃料は次いでノズル17から燃焼
室11内に噴射される。このようにすると液体燃料の微
粒化を促進することができ、従って良好な燃焼を確保す
ることができる。この場合の微粒化促進作用のメカニズ
ムは必ずしも明らかにされていない。しかしながら、こ
のメカニズムは次のように説明できると考えられてい
る。
【0019】即ち、超臨界状態になると被混合流体の分
子は液体状態にある場合に比べて、はるかに自由に動く
ことができる。このため、被混合流体分子が液体燃料の
分子間に容易に入り込み、それにより液体燃料の表面張
力を低下せしめる。その結果、液体燃料は噴射された後
に、寸法が大きい液滴を形成することができず、即ち寸
法が小さい液滴を形成する。このようにして微粒化が促
進される。
【0020】被混合流体だけでなく液体燃料も超臨界状
態にしてもよい。しかしながら、上述のメカニズムを考
えると被混合流体だけを超臨界状態にすれば微粒化促進
作用を確保できる。また、両方を超臨界状態にするのは
エネルギ消費の観点から好ましくない。そこで本実施態
様では、超臨界状態にない液体燃料と、超臨界状態にあ
る被混合流体との混合燃料を形成し、この混合燃料を噴
射するようにしている。言い換えると、被混合流体は超
臨界状態になるが液体燃料は超臨界状態にならないよう
に、燃料噴射弁2の先端部内の混合燃料の圧力及び温度
が設定されている。これを可能にするには被混合流体は
次の条件を満たしていなければならない。即ち、被混合
流体の臨界圧力と臨界温度とのうち少なくとも一方は液
体燃料の対応する値よりも小さくなければならない。
【0021】いずれにしても、本実施態様では、燃料噴
射弁2に供給される混合燃料が高温になっておらず、し
かも燃料噴射弁2のうちアクチュエータを含まない先端
部、即ちアクチュエータから遠い先端部が加熱される。
従って、アクチュエータ又は樹脂部品が高温に加熱され
るのが阻止される。また、燃料噴射弁2に供給される混
合燃料の温度は被混合流体の臨界温度PCよりも低いの
で、この比較的低温の混合燃料がアクチュエータ周りを
流通することにより、アクチュエータが冷却されうる。
その結果、燃料噴射弁2内の樹脂部品が損傷するのが阻
止され、従って燃料噴射弁2の耐久性、信頼性が確保さ
れる。この場合、アクチュエータ周りを通過した後の混
合燃料、又はアクチュエータとノズル17との間に位置
する混合燃料を加熱するという見方もできる。
【0022】更に、被混合流体を超臨界状態にするのに
電気ヒータのような加熱装置を設ける必要がなくなる。
なお、燃料噴射弁2に供給するのに先立って混合燃料を
予加熱するための加熱装置を設けることもできる。特に
図2に示す実施態様では、受熱用のフィン19がリブと
しても作用しうるので、ハウジング14の壁厚を小さく
することができる。その結果、燃料通路16内の混合燃
料を速やかに加熱することができる。更に、ノズル17
の長さLと直径Dとの比(L/D)を小さくすることが
できるので、燃料噴射弁2から噴射される液体燃料の微
粒化を更に促進することができる。
【0023】なお、燃料噴射弁2先端部とシリンダヘッ
ド12との間に断熱部材を配置して燃料噴射弁2先端部
からシリンダヘッド12に熱が逃げるのを阻止するよう
にすることもできる。また、燃料噴射弁2先端部のハウ
ジング14とアクチュエータ周りのハウジング14との
間に断熱部材を配置してアクチュエータが加熱されるの
を阻止するようにすることもできる。
【0024】図3に別の実施態様を示す。図3に示すよ
うに、ハウジング14の筒状側壁面14a、シール部1
8、及びシール部18上流の燃料通路16がシリンダヘ
ッド内壁面12aを越えて燃焼室11内に突出するよう
に、燃料噴射弁2を配置することもできる。この場合、
ハウジング14の筒状側壁面14aが燃焼ガス又は火炎
により直接的に加熱され、従って上述したフィン19を
設ける必要がない。
【0025】図4に更に別の実施態様を示す。シリンダ
ヘッド12の概略断面を示す図4を参照すると、51は
一対の吸気弁、52は一対の排気弁、53は隔壁54に
より互いに離間された一対の吸気ポート、55は隔壁5
6により互いに離間された一対の排気ポートをそれぞれ
示す。吸気弁51及び排気弁52により囲まれたシリン
ダヘッド12の中央部には加熱室57が形成され、この
加熱室57内に燃料噴射弁2先端部が収容される。この
加熱室57は一方では隔壁56内に形成された排気ガス
供給通路58を介して排気ポート56に接続され、他方
では隔壁54内に形成された排気ガス流出通路59を介
して吸気ポート53に接続される。
【0026】この実施態様では、排気ポート55内の排
気ガスの一部が排気ガス供給通路58を介して加熱室5
7内に流入し、燃料噴射弁2周りの環状間隙内を流通し
た後に、排気ガス流出通路59を介して吸気ポート53
内に流入する。その結果、この排気ガスによって燃料噴
射弁2先端部が直接的に加熱され、燃料噴射弁2先端部
内の被混合流体が超臨界状態にせしめられる。従って、
この実施態様でも燃料噴射弁2の信頼性及び耐久性を確
保しつつ、液体燃料の微粒化促進作用を得ることができ
る。
【0027】ここで、排気ガス供給通路58、加熱室5
7、及び排気ガス流出通路59は排気ポート55から吸
気ポート53に到るEGR通路を構成してという見方も
できる。この場合、燃料噴射弁2先端部をEGR通路内
に配置してEGRガスにより加熱しているということに
なる。なお、排気ガス流出通路59を設けず、加熱室5
7内に流入した排気ガスを再び排気ポート55内に戻す
ようにしてもよい。
【0028】ところで、例えば始動時のような冷間運転
時には燃焼室内に噴射された液体燃料滴の温度が速やか
に加熱されず、良好な燃焼が得られない恐れがある。し
かしながら、この実施態様では燃料噴射弁2先端部内の
混合燃料が排気ガスにより加熱されており、即ち燃料噴
射弁2内で予加熱された後に燃焼室内に噴射される。こ
の場合、冷間運転時には排気ガスの温度も低いので、燃
料噴射弁2内の被混合流体は必ずしも超臨界状態になる
とは限らないが、液体燃料は十分に加熱されうる。その
結果、冷間運転時にも良好な燃焼を得ることができる。
【0029】図5に更に別の実施態様を示す。この実施
態様では、排気ポート55から燃料噴射弁2先端部まで
延びる伝熱部材61がシリンダヘッド12内に設けられ
る。この伝熱部材61は排気ポート55の内壁面の一部
を形成する排気ガス側円筒状部分62と、内部に燃料噴
射弁2先端部が嵌合される噴射弁側円筒状部分63と、
これら円筒状部分62,63を互いに連結する連結部分
64とを具備する。伝熱部材61はシリンダヘッド12
よりも高熱伝導性の材料から形成され、特に連結部分6
4は円筒状部分62,63よりもさらに高熱伝導性の材
料から形成される。
【0030】この場合、排気ポート55内を流通する排
気ガスの熱は伝熱部材61を介して燃料噴射弁2先端部
に伝達され、従って燃料噴射弁2先端部が排気ガスによ
り間接的に加熱される。その結果、燃料噴射弁2先端部
内の被混合流体が超臨界状態にせしめられる。図6に更
に別の実施態様を示す。この実施態様では、燃料噴射弁
2先端部に位置するニードル15の一部が磁性体65か
ら形成される。また、この磁性体65に高周波磁場を印
加する高周波磁場印加装置66が設けられる。この高周
波磁場印加装置66はECU30により制御される。
【0031】磁性体65に高周波磁場を印加すると磁性
体65自体が発熱する。その結果、磁性体65周りの燃
料通路16内の混合燃料が加熱され、それにより、被混
合流体が超臨界状態にせしめられる。この場合、混合燃
料が直接的に加熱されるので、被混合流体を効率的に超
臨界状態にすることができる。ここで、燃料噴射弁2先
端部に位置するハウジング14の一部を磁性体から形成
することもできる。従って、燃料噴射弁2先端部内の燃
料通路16の内壁面を画定する部材を磁性体から形成
し、この磁性体に高周波磁場を印加するようにしている
という見方もできる。
【0032】図7に更に別の実施態様を示す。この実施
態様では、コモンレール4には例えば電気ヒータからな
る加熱装置67が取り付けられ、コモンレール4と燃料
噴射弁2とを接続する分配管3には例えば水冷式の冷却
装置68が取り付けられる。この冷却装置68は冷却水
循環装置69を具備し、ヒータ67及び冷却水循環装置
69はECU30により制御される。更に、分配管3の
外壁面にはフィン70が一体的に形成される。
【0033】ポンプ6から吐出された混合燃料はコモン
レール4内に流入する。上述したようにポンプ6の吐出
圧はコモンレール4内の燃料圧が被混合流体の臨界圧力
PCよりも高い圧力P1に維持されるように制御されて
いる。一方、ヒータ67の出力はコモンレール4内の混
合燃料の温度が被混合流体の臨界温度TCよりも高い温
度T1に維持されるように予め設定されている。即ち、
コモンレール4内において混合燃料は被混合流体を超臨
界状態にする超臨界状態生成環境に晒されることにな
る。その結果、コモンレール4内において被混合流体が
超臨界状態にせしめられ、即ち混合燃料が液体燃料と超
臨界状態にある被混合流体とから形成されることにな
る。
【0034】ここで、上述した超臨界状態生成環境はポ
ンプ6及びヒータ67によって形成される。従って、こ
れらポンプ6及びヒータ67は超臨界状態生成装置を形
成しているという見方もできる。この混合燃料は次いで
分配管3内で冷却装置68により冷却され、次いで燃料
噴射弁2に供給される。この場合、燃料噴射弁2の耐久
性のことを考えると、燃料噴射弁2に供給される燃料の
温度が燃料噴射弁2の樹脂部品の許容最高温度よりも低
くなるように、冷却装置68の冷却性能を制御するのが
好ましい。その結果、燃料噴射弁2に高温の混合燃料が
供給されるのが阻止され、従って燃料噴射弁2内の樹脂
部品が損傷する恐れがなくなる。なお、液体燃料と超臨
界状態にある被混合流体とから混合燃料を形成し、次い
でこの混合燃料を冷却した後に機関1に噴射していると
いう見方もできる。
【0035】一方、良好な燃焼を得るためには、燃料噴
射弁2内において混合燃料中の被混合流体が超臨界状態
に維持されるように冷却装置68の冷却性能を制御する
のが好ましい。ところが、燃料噴射弁2の耐久性を考え
て冷却装置68の冷却性能を設定すると、被混合流体の
種類によっては、混合燃料の温度が被混合流体の臨界温
度TCよりも低くなって混合燃料中の被混合流体が超臨
界状態でなくなる恐れがある。
【0036】しかしながら、被混合流体が超臨界状態で
なくなると直ちに、上述した液体燃料の微粒化促進作用
が全くなくなるわけではない。被混合流体の温度が低下
するにつれて、液体燃料分子間に入り込んでいる被混合
流体分子の数が徐々に少なくなるものと考えられるから
である。即ち、混合燃料の温度が被混合流体の臨界温度
よりも低くなってから短時間のうちに混合燃料を噴射す
れば、液体燃料の微粒化促進作用はそれほど低下しな
い。従って、混合燃料を被混合流体の臨界温度TCより
も低く冷却することも可能である。
【0037】この実施態様では、分配管3を冷却水によ
り冷却するようにしている。しかしながら、燃料噴射弁
2を冷却するようにしてもよいし、又は分配管3もしく
は燃料噴射弁2を車両走行風により冷却するようにする
こともできる。また、排気ガス又はEGRガスによりコ
モンレール4を加熱するようにしてもよい。図7のディ
ーゼル機関1の更に別の実施態様を説明する。
【0038】この実施態様では、コモンレール4内の混
合燃料中の液体燃料が超臨界状態になるようにポンプ6
及びヒータ67が制御される。また、液体燃料が超臨界
状態に予め定められた一定時間だけ保持されるように混
合燃料のコモンレール4内での滞留時間即ちコモンレー
ル4の容量が予め定められている。このようにすると、
更に良好な燃焼が確保される。これは次の二つの理由に
よると考えられている。
【0039】その第1点は液体燃料の微粒化促進作用が
更に促進されることにある。即ち、液体燃料それ自体が
超臨界状態になると、液体燃料の表面張力が低下し、そ
の結果液体燃料は寸法が大きい液滴を形成することがで
きず、即ち寸法が小さい液滴を形成する。また、その第
2点は液体燃料が改質されることにある。即ち、液体燃
料それ自体をその超臨界状態に予め定められた時間だけ
保持すると、液体燃料中の例えば炭素数13以上の重質
成分が軽質成分に転換されることが確認されている。言
い換えると、液体燃料中の成分が分解され、低分子量化
される。ここで、軽油の場合、400℃以上、好ましく
は400から420℃で、5から10秒だけ保持するこ
と好ましい。
【0040】このように超臨界状態にされた液体燃料を
含む混合燃料は次いで冷却装置68により冷却され、次
いで燃料噴射弁2から噴射される。この場合、被混合流
体について上述したように、液体燃料の微粒化促進作用
はそれほど低下しない。また、液体燃料中の軽質成分は
重質成分に戻らず、軽質成分に維持される。その結果、
燃料噴射弁2の耐久性を確保しつつ、更に良好な燃焼を
確保することができる。
【0041】従って、本実施態様では、液体燃料を超臨
界状態にし、次いで冷却した後に機関1に供給している
ということになる。または、液体燃料を超臨界状態に設
定時間だけ保持して改質し、次いで冷却した後に機関1
に供給することもできる。更に、超臨界状態の液体燃料
と、超臨界状態の被混合流体とからなる混合燃料を形成
し、この混合燃料を冷却した後に機関1に供給すること
も可能である。なお、この実施態様では、液体燃料に被
混合流体を必ずしも混合させる必要はなく、即ち液体燃
料のみを機関1に供給するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】燃料噴射弁の信頼性及び耐久性を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディーゼル機関の全体図である。
【図2】燃料噴射弁の部分断面拡大図である。
【図3】別の実施態様による燃料噴射弁の部分断面拡大
図である。
【図4】更に別の実施態様によるシリンダヘッドの部分
横断面図である。
【図5】更に別の実施態様によるシリンダヘッドの部分
縦断面図である。
【図6】更に別の実施態様による燃料噴射弁の部分断面
拡大図である。
【図7】更に別の実施態様によるディーゼル機関の部分
拡大図である。
【符号の説明】
1…機関本体 2…燃料噴射弁 4…コモンレール 8…燃料タンク 9…被混合流体タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 許斐 敏明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 斎藤 昭則 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 河村 清美 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福嶋 喜章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 板原 浩 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 若山 博昭 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3G066 AA02 AA07 AB06 AB08 AC09 BA03 BA31 BA36 BA41 BA46 CD01 CD22 CD23 CD24 CE22 DC04 DC18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクから供給される液体燃料に被
    混合流体タンクから供給される被混合流体が混合された
    混合燃料であって該被混合流体が超臨界状態になってい
    ない混合燃料を形成し、燃料噴射弁内における該混合燃
    料の圧力が被混合流体の臨界圧力よりも高くなるように
    該混合燃料を燃料噴射弁に供給し、燃料噴射弁の先端部
    を加熱して該先端部内にある混合燃料の温度が被混合流
    体の臨界温度よりも高くなるようにし、それにより燃料
    噴射弁内で混合燃料中の被混合流体を超臨界状態にし、
    該混合燃料を燃料噴射弁から噴射するようにした内燃機
    関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 燃料噴射弁の先端部を燃焼ガスにより加
    熱するようにした請求項1に記載の内燃機関の燃料供給
    装置。
  3. 【請求項3】 燃料噴射弁の先端部を排気ガスにより加
    熱するようにした請求項1に記載の内燃機関の燃料供給
    装置。
  4. 【請求項4】 燃料タンクから供給される液体燃料に被
    混合流体タンクから供給される被混合流体が混合された
    混合燃料であって該被混合流体が超臨界状態になってい
    る混合燃料を形成する混合燃料形成手段を具備し、該混
    合燃料形成手段を接続通路により燃料噴射弁に接続して
    該混合燃料を該燃料噴射弁から噴射するようにした内燃
    機関の燃料供給装置において、接続通路又は燃料噴射弁
    を冷却する冷却手段を具備した内燃機関の燃料供給装
    置。
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