JP2002161499A - パルプ成形品の成形方法 - Google Patents
パルプ成形品の成形方法Info
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- JP2002161499A JP2002161499A JP2000363073A JP2000363073A JP2002161499A JP 2002161499 A JP2002161499 A JP 2002161499A JP 2000363073 A JP2000363073 A JP 2000363073A JP 2000363073 A JP2000363073 A JP 2000363073A JP 2002161499 A JP2002161499 A JP 2002161499A
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- molding
- pulp molded
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Abstract
(57)【要約】
【課題】環境保全に配慮され、形状に自由度を持ち、製
造コストが嵩まないパルプ成形品の成形において、均一
で緻密構造を有し、外観的に良好なパルプ成形品の成形
方法の提供にある。 【解決手段】パルプを主体とし、そのバインダーとして
熱融着性樹脂が混合している成形材料30を成形するパ
ルプ成形品の成形方法であって、前記成形材料30を加
熱可能な下方固定金型10と上方可動金型20の間で、
前記熱融着性樹脂の融点以上で熱プレスし、次いで両金
型(10、20)を離反せしめて0.02〜0.50m
mの空隙40を形成して成形材料の水分を放出して後、
再度の熱プレスと空隙40を形成して水分を放出する工
程とを少なくとも1回繰り返すパルプ成形品の成形方法
とするものである。
造コストが嵩まないパルプ成形品の成形において、均一
で緻密構造を有し、外観的に良好なパルプ成形品の成形
方法の提供にある。 【解決手段】パルプを主体とし、そのバインダーとして
熱融着性樹脂が混合している成形材料30を成形するパ
ルプ成形品の成形方法であって、前記成形材料30を加
熱可能な下方固定金型10と上方可動金型20の間で、
前記熱融着性樹脂の融点以上で熱プレスし、次いで両金
型(10、20)を離反せしめて0.02〜0.50m
mの空隙40を形成して成形材料の水分を放出して後、
再度の熱プレスと空隙40を形成して水分を放出する工
程とを少なくとも1回繰り返すパルプ成形品の成形方法
とするものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプを主体とし
た成形材料を成形するパルプ成形品の成形方法に関する
ものであり、特に均一で緻密構造を有する紙製の容器等
の成形方法に関するものである。
た成形材料を成形するパルプ成形品の成形方法に関する
ものであり、特に均一で緻密構造を有する紙製の容器等
の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の廃棄物の増加等に係わる環境問題
の多発に鑑み、プラスチック容器や金属容器に代わり、
トイレタリー製品、飲料、食品などの収納に紙製容器、
例えば牛乳容器等は紙の両面にポリエチレン樹脂がコー
トされた板紙を6面体容器あるいはゲーブルトップと言
われる切妻屋根型の容器に成形した液体用紙製容器が、
省資源や省エネルギーに貢献し、かつ廃棄に際してもリ
サイクルや焼却し易いなど環境保全に貢献する容器とし
て各分野で普及している。
の多発に鑑み、プラスチック容器や金属容器に代わり、
トイレタリー製品、飲料、食品などの収納に紙製容器、
例えば牛乳容器等は紙の両面にポリエチレン樹脂がコー
トされた板紙を6面体容器あるいはゲーブルトップと言
われる切妻屋根型の容器に成形した液体用紙製容器が、
省資源や省エネルギーに貢献し、かつ廃棄に際してもリ
サイクルや焼却し易いなど環境保全に貢献する容器とし
て各分野で普及している。
【0003】しかし、上記のような紙製容器は、各種樹
脂等がコートされた板紙を折り曲げ、貼り合わせて成形
されるもので、製造工程も複雑になるため製造コストが
嵩み、さらにその形状に自由度がなく、商品の独自性を
充分に発揮できないなどの問題があった。
脂等がコートされた板紙を折り曲げ、貼り合わせて成形
されるもので、製造工程も複雑になるため製造コストが
嵩み、さらにその形状に自由度がなく、商品の独自性を
充分に発揮できないなどの問題があった。
【0004】そこで紙製容器の形状に自由度を持たせる
1つの手段として、例えばパルプ繊維に、その結着剤と
して熱融着性樹脂を混合したものをスプレーガン等で金
型内に吹き付けて積層させ、それを熱プレスして紙製ト
レー等のパルプモールド成形品とする方法と、あるいは
このパルプ繊維に、その結着剤として熱融着性樹脂を混
合したものを積繊機で積層してシートあるいはウエブ状
にした成形材料を、金型内に載置して熱プレスして紙製
トレー等とする方法がある。
1つの手段として、例えばパルプ繊維に、その結着剤と
して熱融着性樹脂を混合したものをスプレーガン等で金
型内に吹き付けて積層させ、それを熱プレスして紙製ト
レー等のパルプモールド成形品とする方法と、あるいは
このパルプ繊維に、その結着剤として熱融着性樹脂を混
合したものを積繊機で積層してシートあるいはウエブ状
にした成形材料を、金型内に載置して熱プレスして紙製
トレー等とする方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のパルプ成形品の成形方法では、その熱プレス工程
において、パルプ由来の水分(通常5〜10%)を除去
しないと、熱プレスによって成形材料内のパルプ壁中で
パルプ由来の水分の蒸発によるバブリング現象を起こ
し、パルプ成形品内に空隙が発生して均一な緻密性に欠
け、外観的に不良な成形物となるという問題があった。
従来のパルプ成形品の成形方法では、その熱プレス工程
において、パルプ由来の水分(通常5〜10%)を除去
しないと、熱プレスによって成形材料内のパルプ壁中で
パルプ由来の水分の蒸発によるバブリング現象を起こ
し、パルプ成形品内に空隙が発生して均一な緻密性に欠
け、外観的に不良な成形物となるという問題があった。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、環境保全に
配慮され、形状に自由度を持ち、製造コストが嵩まない
紙製トレー等パルプ成形品の成形において、均一で緻密
構造を有し、外観的に良好なパルプ成形品の成形方法を
提供することにある。
するものであり、その課題とするところは、環境保全に
配慮され、形状に自由度を持ち、製造コストが嵩まない
紙製トレー等パルプ成形品の成形において、均一で緻密
構造を有し、外観的に良好なパルプ成形品の成形方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、パルプを
主体とし、そのバインダーとして熱融着性樹脂が混合し
ている成形材料を成形するパルプ成形品の成形方法であ
って、前記成形材料を加熱可能な下型と上型の間に載置
し、該下型と上型のパーティング面を密着せしめて熱プ
レスし、次いで前記パティング面を離反せしめて0.0
2〜0.50mmの空隙を形成して前記成形材料由来の
水分を放出して後、再度の下型と上型のパーティング面
を密着せしめて熱プレスする工程と該パーティング面を
離反せしめて0.02〜0.50mmの空隙を形成して
成形材料由来の水分を放出する工程とを少なくとも1回
繰り返すことを特徴とするパルプ成形品の成形方法とし
たものである。
を達成するために、まず請求項1の発明では、パルプを
主体とし、そのバインダーとして熱融着性樹脂が混合し
ている成形材料を成形するパルプ成形品の成形方法であ
って、前記成形材料を加熱可能な下型と上型の間に載置
し、該下型と上型のパーティング面を密着せしめて熱プ
レスし、次いで前記パティング面を離反せしめて0.0
2〜0.50mmの空隙を形成して前記成形材料由来の
水分を放出して後、再度の下型と上型のパーティング面
を密着せしめて熱プレスする工程と該パーティング面を
離反せしめて0.02〜0.50mmの空隙を形成して
成形材料由来の水分を放出する工程とを少なくとも1回
繰り返すことを特徴とするパルプ成形品の成形方法とし
たものである。
【0008】上記請求項1の発明によれば、従来のパル
プモールドの型のように、水分抜きの孔がないので、再
度の熱プレスする工程と再度の下型と上型のパーティン
グ面を離反せしめて0.02〜0.50mmの空隙を形
成して、その空隙から成形材料由来の水分を放出する工
程とを少なくとも1回繰り返すことによって、ほぼ完全
に成形材料由来の水分が放出され、成形品中にバブリン
グ現象がなくなり緻密な構造で外観的にも良好なパルプ
成形品とする成形方法である。
プモールドの型のように、水分抜きの孔がないので、再
度の熱プレスする工程と再度の下型と上型のパーティン
グ面を離反せしめて0.02〜0.50mmの空隙を形
成して、その空隙から成形材料由来の水分を放出する工
程とを少なくとも1回繰り返すことによって、ほぼ完全
に成形材料由来の水分が放出され、成形品中にバブリン
グ現象がなくなり緻密な構造で外観的にも良好なパルプ
成形品とする成形方法である。
【0009】また、請求項2の発明では、前記熱プレス
の温度が、熱融着性樹脂の融点以上であることを特徴と
する請求項1記載のパルプ成形品の成形方法としたもの
である。
の温度が、熱融着性樹脂の融点以上であることを特徴と
する請求項1記載のパルプ成形品の成形方法としたもの
である。
【0010】上記請求項2の発明によれば、熱プレスの
温度を熱融着性樹脂の融点以上とすることによって、パ
ルプ繊維を均一に結着させ、緻密構造のパルプ成形品と
することができる。前記熱融着性樹脂の融点に満たない
熱プレスの温度では、パルプ繊維が均一に結着されず、
不均一な密度構造で外観的にも不良なパルプ成形品とな
るので好ましくない。
温度を熱融着性樹脂の融点以上とすることによって、パ
ルプ繊維を均一に結着させ、緻密構造のパルプ成形品と
することができる。前記熱融着性樹脂の融点に満たない
熱プレスの温度では、パルプ繊維が均一に結着されず、
不均一な密度構造で外観的にも不良なパルプ成形品とな
るので好ましくない。
【0011】上記でいう型のパーティング面とは、本発
明での上型と下型の接触面のことであり、実質的にはキ
ャビテイ内にある成形体と雄型となる上型との接触面と
なる場合もある。
明での上型と下型の接触面のことであり、実質的にはキ
ャビテイ内にある成形体と雄型となる上型との接触面と
なる場合もある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明のパルプ成形品の成形方法は、図1の側面概
略図に示すように、例えば、パルプ繊維に、そのバイン
ダーとして熱融着性樹脂が混合されているウエブ状成形
材料(30)を、加熱されている下方の固定金型(1
0)と上方の可動金型(20)の間に載置し、次いで図
2の側面概略図に示すように、前記上方の可動金型(2
0)を真下方向(O)に降ろして、下方の固定金型(1
0)のパーティング面(図示せず)と上方の可動金型
(20)のパーティング面(図示せず)を密着せしめて
ウエブ状成形材料(30)を熱プレスする。
る。本発明のパルプ成形品の成形方法は、図1の側面概
略図に示すように、例えば、パルプ繊維に、そのバイン
ダーとして熱融着性樹脂が混合されているウエブ状成形
材料(30)を、加熱されている下方の固定金型(1
0)と上方の可動金型(20)の間に載置し、次いで図
2の側面概略図に示すように、前記上方の可動金型(2
0)を真下方向(O)に降ろして、下方の固定金型(1
0)のパーティング面(図示せず)と上方の可動金型
(20)のパーティング面(図示せず)を密着せしめて
ウエブ状成形材料(30)を熱プレスする。
【0013】次いで、図3の側面概略図に示すように、
上方の可動金型(20)を真上方向(P)に上昇幅
(W)で上昇させて、下方の固定金型(10)のパーテ
ィング面(図示せず)から上方の可動金型(20)のパ
ーティング面(図示せず)を離反せしめ、下方の固定金
型(10)と成形材料(30)の間に0.02〜0.5
0mmの空隙(40)を形成し、所定の時間放置して成
形材料(30)中の水分を放出する。
上方の可動金型(20)を真上方向(P)に上昇幅
(W)で上昇させて、下方の固定金型(10)のパーテ
ィング面(図示せず)から上方の可動金型(20)のパ
ーティング面(図示せず)を離反せしめ、下方の固定金
型(10)と成形材料(30)の間に0.02〜0.5
0mmの空隙(40)を形成し、所定の時間放置して成
形材料(30)中の水分を放出する。
【0014】次いで図2に示すように、再度下方の固定
金型(10)と上方の可動金型(20)のパーティング
面(図示せず)を密着せしめて熱プレスし、さらに図3
に示すように、再度上方の可動金型(20)を真上方向
(P)に上昇幅(W)で上昇させて、下方の固定金型
(10)と成形材料(30)の間に空隙(40)を形成
し、所定の時間放置して前記の成形材料(30)中に残
存する水分を放出してバブリングによる空隙のなく、外
観的にも良好なパルプ成形品(1)の成形方法である。
このように再度の熱プレスと水分の放出を少なくとも1
回以上繰り返すことを特徴とする成形方法である。
金型(10)と上方の可動金型(20)のパーティング
面(図示せず)を密着せしめて熱プレスし、さらに図3
に示すように、再度上方の可動金型(20)を真上方向
(P)に上昇幅(W)で上昇させて、下方の固定金型
(10)と成形材料(30)の間に空隙(40)を形成
し、所定の時間放置して前記の成形材料(30)中に残
存する水分を放出してバブリングによる空隙のなく、外
観的にも良好なパルプ成形品(1)の成形方法である。
このように再度の熱プレスと水分の放出を少なくとも1
回以上繰り返すことを特徴とする成形方法である。
【0015】また、本発明のパルプ成形品の成形方法の
他の実施の形態として、図4の側面概略図に示すよう
に、例えば下方の固定金型(10)内面にパルプ繊維と
熱融着性樹脂粉末の混合物(32a)を、コロナチャー
ジ方式あるいはトリボ(摩擦)チャージ方式の静電粉体
塗工法でそのスプレーガン(50)より吹き付けて塗着
積層されたパルプモールド成形体(32)を形成する。
他の実施の形態として、図4の側面概略図に示すよう
に、例えば下方の固定金型(10)内面にパルプ繊維と
熱融着性樹脂粉末の混合物(32a)を、コロナチャー
ジ方式あるいはトリボ(摩擦)チャージ方式の静電粉体
塗工法でそのスプレーガン(50)より吹き付けて塗着
積層されたパルプモールド成形体(32)を形成する。
【0016】次いで図5の側面概略図に示すように、上
方の可動金型(20)を真下方向(O)に降ろして、下
方の固定金型(10)のパーティング面(10a)と上
方の可動金型(20)のパーティング面(20a)を密
着せしめてパルプモールド成形体(32)を熱プレスす
る。
方の可動金型(20)を真下方向(O)に降ろして、下
方の固定金型(10)のパーティング面(10a)と上
方の可動金型(20)のパーティング面(20a)を密
着せしめてパルプモールド成形体(32)を熱プレスす
る。
【0017】次いで、図6の側面概略図に示すように、
上方の可動金型(20)を真上方向(P)に上昇幅
(W)で上昇させて、下方の固定金型(10)のパーテ
ィング面(10a)から上方の可動金型(20)のパー
ティング面(20a)を離反せしめ、下方の固定金型
(10)とパルプモールド成形体(32)の間に0.0
2〜0.50mmの空隙(40)を形成し、所定の時間
放置してパルプモールド成形体(32)中の水分を放出
する。
上方の可動金型(20)を真上方向(P)に上昇幅
(W)で上昇させて、下方の固定金型(10)のパーテ
ィング面(10a)から上方の可動金型(20)のパー
ティング面(20a)を離反せしめ、下方の固定金型
(10)とパルプモールド成形体(32)の間に0.0
2〜0.50mmの空隙(40)を形成し、所定の時間
放置してパルプモールド成形体(32)中の水分を放出
する。
【0018】続いて図5に示す上記熱プレスと図6に示
す水分の放出を1回以上繰り返して、バブリングによる
空隙のない緻密構造のパルプ成形品(1)とする成形方
法である。
す水分の放出を1回以上繰り返して、バブリングによる
空隙のない緻密構造のパルプ成形品(1)とする成形方
法である。
【0019】上記空隙(40)の形成後、パルプ由来の
水分を放出する時間は、熱プレス温度や成形品のサイズ
等によって異なるが、生産効率等を加味すれば1〜2秒
程度が好ましい。
水分を放出する時間は、熱プレス温度や成形品のサイズ
等によって異なるが、生産効率等を加味すれば1〜2秒
程度が好ましい。
【0020】また本発明では上記空隙(40)を0.0
2〜0.50mmとするもので、空隙(40)が0.0
2mmに満たないと水分の放出がなされ難く、かつ放出
時間を大幅に必要とし、また0.50mmを越えると熱
拡散量が増大しエネルギーの無駄となるので好ましくな
い。
2〜0.50mmとするもので、空隙(40)が0.0
2mmに満たないと水分の放出がなされ難く、かつ放出
時間を大幅に必要とし、また0.50mmを越えると熱
拡散量が増大しエネルギーの無駄となるので好ましくな
い。
【0021】また、本発明では、前記熱プレスの温度
が、使用される熱融着性樹脂の融点以上で、その上限は
特に限定はしないが、300℃程度である。この熱プレ
スの温度を熱融着性樹脂の融点以上とすることによっ
て、パルプ繊維を均一に結着させ、緻密構造のパルプ成
形品とすることができる。前記熱融着性樹脂の融点に満
たない熱プレスの温度では、パルプ繊維が均一に結着さ
れず、不均一な密度構造で外観的にも不良なパルプ成形
品となるので好ましくない。また、300℃程度を越え
た異常に高温とするとことは、装置コストや熱エネルギ
ーの放出問題の他樹脂焼け等の危惧があるので好ましく
ない。
が、使用される熱融着性樹脂の融点以上で、その上限は
特に限定はしないが、300℃程度である。この熱プレ
スの温度を熱融着性樹脂の融点以上とすることによっ
て、パルプ繊維を均一に結着させ、緻密構造のパルプ成
形品とすることができる。前記熱融着性樹脂の融点に満
たない熱プレスの温度では、パルプ繊維が均一に結着さ
れず、不均一な密度構造で外観的にも不良なパルプ成形
品となるので好ましくない。また、300℃程度を越え
た異常に高温とするとことは、装置コストや熱エネルギ
ーの放出問題の他樹脂焼け等の危惧があるので好ましく
ない。
【0022】以下に本発明のパルプ成形品(1)の成形
方法に係わる材料等について説明する。まず本発明に係
わるパルプ成形品(1)の主体となるパルプ繊維として
は、例えば各種用紙(古紙も含むが食品関係の容器には
衛生上から使用できない)を粉砕機で粉砕した繊維長5
00μm以下のパルプ繊維、あるいは一般的な製紙工程
中のパルプとして、木材を機械的に破砕したメカニカル
パルプ、木材チップに薬品を添加しリグニンを溶出さ
せ、繊維状に離解させたケミカルパルプ、あるいは薬品
によるリグニンの除去と機械的解繊の組み合わせでなる
セミケミカルパルプを用いて、さらに粉砕して繊維長5
00μm以下のパルプ繊維としたものなどが挙げられ
る。
方法に係わる材料等について説明する。まず本発明に係
わるパルプ成形品(1)の主体となるパルプ繊維として
は、例えば各種用紙(古紙も含むが食品関係の容器には
衛生上から使用できない)を粉砕機で粉砕した繊維長5
00μm以下のパルプ繊維、あるいは一般的な製紙工程
中のパルプとして、木材を機械的に破砕したメカニカル
パルプ、木材チップに薬品を添加しリグニンを溶出さ
せ、繊維状に離解させたケミカルパルプ、あるいは薬品
によるリグニンの除去と機械的解繊の組み合わせでなる
セミケミカルパルプを用いて、さらに粉砕して繊維長5
00μm以下のパルプ繊維としたものなどが挙げられ
る。
【0023】上記パルプ繊維に添加剤を混合することも
でき、その添加剤としては、例えばインキ等のにじみを
防止するサイズ剤(松脂系の樹脂酸マレイン化物等)、
不透明性を付与するてん(填)料(炭酸カルシウム、ホ
ワイトカーボン等)、乾燥紙力増強剤としてのポリアク
リルアミドや湿潤強度を向上させるメラミンホルムアル
デヒド樹脂などの粉末が挙げられ、パルプ成形品の用途
に等応じて適宜選定できる。
でき、その添加剤としては、例えばインキ等のにじみを
防止するサイズ剤(松脂系の樹脂酸マレイン化物等)、
不透明性を付与するてん(填)料(炭酸カルシウム、ホ
ワイトカーボン等)、乾燥紙力増強剤としてのポリアク
リルアミドや湿潤強度を向上させるメラミンホルムアル
デヒド樹脂などの粉末が挙げられ、パルプ成形品の用途
に等応じて適宜選定できる。
【0024】また、上記パルプ成形品(1)を構成する
パルプ繊維にそのバインダー(結着剤)として混合する
熱融着性樹脂としては、熱可塑性樹脂であればその殆ど
が使用でき、特に限定するものではないが、その中でも
比較的低温で溶融性があり、かつ接着性のある樹脂が好
適で、例えばポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポ
リブデン−1樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体など
のエチレンコポリマー等のポリオレフィン系樹脂、また
はポリアクリル酸メチルなどのポリアクリル酸系樹脂な
どが挙げられる。また廃棄に係わる環境保全に配慮し
て、熱溶融性樹脂を熱可塑性の生分解性樹脂とすること
もでき、その生分解性樹脂としては、例えばポリ乳酸、
ポリエチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート
などの脂肪族ポリエステル、あるいはポリブチレンアジ
ペート/テレフタレート共重合体、変性ポリエチレンテ
レフタレートなどの脂肪族芳香族ポリエステルが挙げら
れ、パルプ繊維に混合しても紙自体の生分解性が損なわ
れないパルプ成形品とすることもできる。
パルプ繊維にそのバインダー(結着剤)として混合する
熱融着性樹脂としては、熱可塑性樹脂であればその殆ど
が使用でき、特に限定するものではないが、その中でも
比較的低温で溶融性があり、かつ接着性のある樹脂が好
適で、例えばポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポ
リブデン−1樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体など
のエチレンコポリマー等のポリオレフィン系樹脂、また
はポリアクリル酸メチルなどのポリアクリル酸系樹脂な
どが挙げられる。また廃棄に係わる環境保全に配慮し
て、熱溶融性樹脂を熱可塑性の生分解性樹脂とすること
もでき、その生分解性樹脂としては、例えばポリ乳酸、
ポリエチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート
などの脂肪族ポリエステル、あるいはポリブチレンアジ
ペート/テレフタレート共重合体、変性ポリエチレンテ
レフタレートなどの脂肪族芳香族ポリエステルが挙げら
れ、パルプ繊維に混合しても紙自体の生分解性が損なわ
れないパルプ成形品とすることもできる。
【0025】上記パルプ繊維に対する熱溶融性樹脂の混
合比は、使用後、例えば紙製品としてのリサイクルを考
慮すると少ない方が好ましいが、結着性をも考慮する
と、パルプ繊維に対し10〜50重量%程度とし、樹脂
の種類やパルプ成形品の用途などから適宜決定するもの
である。
合比は、使用後、例えば紙製品としてのリサイクルを考
慮すると少ない方が好ましいが、結着性をも考慮する
と、パルプ繊維に対し10〜50重量%程度とし、樹脂
の種類やパルプ成形品の用途などから適宜決定するもの
である。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、パルプに、そのバインダー
として熱融着性樹脂が混合している成形材料を成形して
パルプ成形品とするその成形方法において、前記成形材
料を加熱可能な下型と上型の間に載置し、該下型と上型
のパーティング面を密着せしめて熱プレスし、次いで前
記パティング面を離反せしめて0.02〜0.50mm
の空隙を形成し、再度の下型と上型のパーティング面を
密着せしめて熱プレスする工程と該パーティング面を離
反せしめて空隙を形成して成形材料由来の水分を放出す
る工程とを少なくとも1回繰り返すことによって、ほぼ
完全に成形材料由来の水分が放出されるので、成形品中
にバブリング現象がなくなり、外観的にも良好なかつ緻
密な構造のパルプ成形品の成形方法を提供できる。
示す如き効果がある。即ち、パルプに、そのバインダー
として熱融着性樹脂が混合している成形材料を成形して
パルプ成形品とするその成形方法において、前記成形材
料を加熱可能な下型と上型の間に載置し、該下型と上型
のパーティング面を密着せしめて熱プレスし、次いで前
記パティング面を離反せしめて0.02〜0.50mm
の空隙を形成し、再度の下型と上型のパーティング面を
密着せしめて熱プレスする工程と該パーティング面を離
反せしめて空隙を形成して成形材料由来の水分を放出す
る工程とを少なくとも1回繰り返すことによって、ほぼ
完全に成形材料由来の水分が放出されるので、成形品中
にバブリング現象がなくなり、外観的にも良好なかつ緻
密な構造のパルプ成形品の成形方法を提供できる。
【0027】また、前記熱プレスの温度を熱融着性樹脂
の融点以上とすることによって、パルプ繊維を均一に結
着させ、熱プレスで外観的にも良好な緻密構造のパルプ
成形品とすることができる。
の融点以上とすることによって、パルプ繊維を均一に結
着させ、熱プレスで外観的にも良好な緻密構造のパルプ
成形品とすることができる。
【0028】従って本発明は、紙製トレーなどパルプを
主体とした成形材料を熱プレスで成形するパルプ成形品
の成形方法で、特に均一で緻密構造を有し外観的にも良
好なパルプ成形品の成形方法として、優れた実用上の効
果を発揮する。
主体とした成形材料を熱プレスで成形するパルプ成形品
の成形方法で、特に均一で緻密構造を有し外観的にも良
好なパルプ成形品の成形方法として、優れた実用上の効
果を発揮する。
【図1】本発明のパルプ成形品の成形方法の一実施の形
態を側断面で表したもので、熱プレス前の説明図であ
る。
態を側断面で表したもので、熱プレス前の説明図であ
る。
【図2】本発明のパルプ成形品の成形方法の一実施の形
態を側断面で表したもので、熱プレス時の説明図であ
る。
態を側断面で表したもので、熱プレス時の説明図であ
る。
【図3】本発明のパルプ成形品の成形方法の一実施の形
態を側断面で表したもので、成形材料の水分を放出する
時の説明図である。
態を側断面で表したもので、成形材料の水分を放出する
時の説明図である。
【図4】本発明のパルプ成形品の成形方法の他の一実施
の形態を側断面で表したもので、熱プレス前のパルプモ
ールド品の形成の説明図である。
の形態を側断面で表したもので、熱プレス前のパルプモ
ールド品の形成の説明図である。
【図5】本発明のパルプ成形品の成形方法の他の一実施
の形態を側断面で表したもので、熱プレス時の説明図で
ある。
の形態を側断面で表したもので、熱プレス時の説明図で
ある。
【図6】本発明のパルプ成形品の成形方法の他の一実施
の形態を側断面で表したもので、成形材料の水分を放出
する時の説明図である。
の形態を側断面で表したもので、成形材料の水分を放出
する時の説明図である。
1‥‥パルプ成形品 10‥‥下方の固定金型 10a‥‥固定金型のパーティング面 20‥‥上方の可動金型 20a‥‥可動金型のパーティング面 30‥‥ウエブ状の成形材料 32‥‥パルプモールド成形体 32a‥‥パルプ繊維と熱溶融樹脂粉末の混合物 40‥‥空隙 50‥‥スプレーガン 0‥‥可動金型の移動方向(真下方向) P‥‥可動金型の移動方向(真上方向) W‥‥可動金型の上昇幅
Claims (2)
- 【請求項1】パルプ繊維を主体とし、そのバインダーと
して熱融着性樹脂が混合している成形材料を成形するパ
ルプ成形品の成形方法であって、前記成形材料を加熱可
能な下型と上型の間に載置し、該下型と上型のパーティ
ング面を密着せしめて熱プレスし、次いで前記パーティ
ング面を離反せしめて0.02〜0.50mmの空隙を
形成して前記成形材料由来の水分を放出して後、再度の
下型と上型のパーティング面を密着せしめて熱プレスす
る工程と該パーティング面を離反せしめて0.02〜
0.50mmの空隙を形成して成形材料由来の水分を放
出する工程とを少なくとも1回繰り返すことを特徴とす
るパルプ成形品の成形方法。 - 【請求項2】前記熱プレスの温度が、熱融着性樹脂の融
点以上であることを特徴とする請求項1記載のパルプ成
形品の成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000363073A JP2002161499A (ja) | 2000-11-29 | 2000-11-29 | パルプ成形品の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000363073A JP2002161499A (ja) | 2000-11-29 | 2000-11-29 | パルプ成形品の成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002161499A true JP2002161499A (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=18834238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000363073A Pending JP2002161499A (ja) | 2000-11-29 | 2000-11-29 | パルプ成形品の成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002161499A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007030928A (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-08 | Rinnai Corp | リターナブル梱包体 |
CN103603234A (zh) * | 2013-10-17 | 2014-02-26 | 江峰 | 带有卡榫的纸浆模塑容器盖及其制造模具和制造方法 |
JP2019196218A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 東罐興業株式会社 | 容器本体およびその製造方法、容器本体の製造用工具、並びに、容器 |
CN112878611A (zh) * | 2021-02-26 | 2021-06-01 | 北京通蓝海科技股份有限公司 | 三维立体装饰板边缘90°角折边一体化产品及生产方法 |
KR102571714B1 (ko) * | 2022-07-27 | 2023-08-29 | (주)리앤비 | 정전 방식을 이용한 수분리성을 갖는 친환경 펄프 몰드 및 이의 제조방법 |
-
2000
- 2000-11-29 JP JP2000363073A patent/JP2002161499A/ja active Pending
Cited By (6)
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