JP2002161213A - フッ素徐放性有機フィラー - Google Patents
フッ素徐放性有機フィラーInfo
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Abstract
特に、歯科の分野における歯科材料への充填フィラーと
して使用され、歯冠材料、合着材料、接着材料、充填材
料に好適に用いられる歯科用組成物、歯科用接着組成
物、歯科用無機系セメント、などの歯科用組成物に関す
る。 【構成】フッ素徐放性を有するフッ素徐放性有機フィラ
ーの製造行程において、(a)酸化物、水酸化物、炭酸
塩、りん酸塩、酢酸塩、硝酸塩、から選ばれる一種以上
の多価金属化合物、(b)酸基含有ポリマー、(c)水
中でフッ素イオンを解離するフッ素化合物、を溶媒中で
混合することを特徴とするフッ素徐放性有機フィラー。
Description
ーに関する。特に、歯科の分野における歯科材料への充
填フィラーとして使用され、歯冠材料、合着材料、接着
材料、充填材料に好適に用いられる歯科用組成物、歯科
用接着組成物、歯科用無機系セメント、などの歯科用組
成物に関する。更に具体的には歯科用コンポジットレジ
ンの充填材料、歯科用ボンディング材の充填材料、グラ
スアイオノマーの充填材料として有用である。
制にフッ素イオンを放出する材料が有効であることは良
く知られている。また、カルシウムイオン、リン酸イオ
ンの共存により象牙細管封鎖、石灰化、軟化象牙質の再
石灰化等による歯髄保護等が期待でき、実用に向けて研
究がなされている。歯科の領域において、う触予防およ
び二次う触の抑制を目的として、フッ化ナトリウム、フ
ッ化カリウム、フッ化アルミニウム、モノフルオロリン
酸ナトリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化亜鉛、フ
ッ化第一錫、希土類元素のフッ化物、フッ素の4級アン
モニウム塩等のフッ素イオン放出性化合物を用いてフッ
素を徐放させ歯質を強化する方法が用いられてきた。こ
れらを含有した歯科用組成物も知られており、歯冠修復
やセメント材料にフッ素イオン放出性化合物を直接配合
したものをも市販されている。
物として代表的なものにグラスアイオノマーセメントが
あり、市場に広く使用されている。これは幅広い用途に
使用され、充填材料、合着材料として定着してきた。近
年、これにレジンを加えたレジン系のグラスアイオノマ
ーセメントも提供されるようになった。これらの材料
は、初期においては高いフッ素徐放性を示すが、硬化が
終了すると急に徐放量に低下が見られ、長期経過後には
低い徐放量しか得られず、低いフッ素徐放性と成るのが
通常であった。この徐放性の低下を制御し、フッ素徐放
量の長期化又は維持を試みる研究がなされているが、解
決の糸口が見つかっていない。つまり、現在においても
徐放量をコントロールできない欠点を有している。
属フッ化物を含有して利用するものとしては、特開平8
−301718に開示されてあり、内容はアクリレート
またはメタアクリレートポリマーまたはコポリマーであ
るポリマー成分及び複素環式アクリル系モノマー、メタ
アクリル酸エステルモノマー、またはC3−C16アル
キルアクリル酸エステルであるモノマー成分を含む組成
物および、金属フッ化物、触媒から成る歯科用組成物が
あるが、これは金属フッ化物を歯科材料組成物中に直接
配合するものである。
場合は、フッ素放出のスピードをコントロールできない
ばかりでなく、物理的強度の低下や色調安定性に欠落を
発生させる。特に金属フッ化物が溶解した空間は、表面
滑沢性を失い、細菌の増殖などが考えられるため、歯科
材料としては特に欠点を有していた。
覆することによって得られる金属フッ化物をレジンマト
リックス及び重合開始剤に配合する方法は、特開平10
−36116に開示されている。ポリシロキサンで被覆
された金属フッ化物は、たとえポリシロキサンでの被覆
膜で覆われていたとしても、金属フッ化物が溶解した空
間は、細菌の増殖などの問題が解決されているわけでは
なく、歯科材料としての物性を十分に保てるとはいえな
い欠点を有していた。
の歯科用接着性組成物は特開平11−209213に開
示されている。この技術も同様に物理特性の維持が難し
く、細菌の増殖などの問題が解決されているわけではな
く、歯科材料としての物性を十分に保てるとはいえな
い。
のみをフッ素源とするフッ素徐放には金属フッ化物が直
接解離、崩壊をもたらすため、材料の物理的強度を十分
に保てない。物理的強度を維持するための配合量の制限
は、多くのフッ素徐放量を得られないという問題点を発
生させていた。更に、金属フッ化物が溶解した空間は、
表面滑沢性を失い、細菌の増殖などの問題が解決されて
いるわけではなく、歯科材料としての物性を十分に保て
るとはいえない欠点を有していた。
しないで、フッ素徐放量をコントロールする方法とし
て、樹脂類に特徴を持たせる従来の技術としては、特開
昭57−88106号に開示されている(メタ)アクリ
ル酸フルオライドのホモポリマーまたは(メタ)アクリ
ル酸フルオライドと(メタ)アクリル酸低級アルキルエ
ステルとのコポリマーを利用する方法がある。特開昭6
2−12706には酸フルオライド基を有するビニルモ
ノマー単位を一構成単位とするポリマー、酸性基を有す
るビニルポリマーを利用する方法が開示されている。
素を樹脂から徐放するため、歯科材料の根幹が崩壊し、
経年的に物理的強度の低下や色調安定性に欠落を発生さ
せる問題があった。また、歯科材料の根幹の崩壊とは、
コンポジット材料では樹脂成分のマトリックスからの崩
壊を指し、材料としての基本的形態も維持が不可能な場
合もある。
他のものとしては、特開平10−265318号に開示
されているが、これはフッ素イオン供給源をアルミノフ
ルオロシリケートガラス粉末に限定しているため、この
ガラスに含有できるフッ素量は限られたものとなり、高
い徐放性能を維持することは出来ない。また、金属フッ
化物を含有させた場合と比べ、フッ素徐放し続ける維持
期間は、若干長期化したが十分ではなかった。
よばれるコンポマーという材料が開発されている。これ
はアルミノフルオロシリケートガラスと酸性の不飽和二
重結合を有するモノマーを配合した歯科用コンポジット
レジンであるが、フッ素徐放量が低いため十分なフッ素
徐放量を確保することができず、商品化の為にはフッ素
化合物を配合している。
ノフルオロシリケートガラスと酸成分が共存するため、
長期安定性に欠けるという問題点があった。即ち、アル
ミノフルオロシリケートガラスが酸成分にて侵され、崩
壊が進むことによりフッ素イオンが放出される為、長期
安定性に問題があるのである。さらに、長期的には高い
フッ素徐放量を維持することは困難であり、臨床的に満
足のいく材料が開発されていないのが現状である。
を強化する為に、様々な試みが行われたが、手段として
金属フッ化物を配合したものは、フッ素放出のスピード
をコントロールできないばかりでなく、物理的強度の低
下や色調安定性に欠落を発生させる。特に金属フッ化物
が溶解した空間は、表面滑沢性を失い、細菌の増殖など
が考えられるため、歯科材料としては特に欠点があっ
た。更にこれらの金属フッ化物の表面処理等を行ったと
しても大きな解決には到っていない。
歯科材料の根幹が崩壊し、経年的に物理的強度の低下や
色調安定性に欠落を発生させる問題があった。
リケートガラス粉末に限定している場合は、このガラス
に含有できるフッ素量は限られ、金属フッ化物を含有さ
せた場合と比べ、フッ素徐放し続ける維持期間は、若干
長期化したが十分ではなかった。
の不飽和二重結合を有するモノマーを配合した歯科用コ
ンポジットレジンは、フッ素徐放量が低いため十分なフ
ッ素徐放量を確保することができない。
が、多くの問題点を抱えており、長期的に一定量を安定
的にフッ素を徐放させられる技術が無く、更には耐久物
理強度を維持し色調安定性を維持する材料を開発するこ
とが課題であった。
殖が発生するなどの弊害を起こしてはならない。本発明
は、フッ素徐放性有機フィラーを作成し配合することに
より、長期的に一定量を安定的にフッ素を徐放させるこ
とを特徴とし、更にはフッ素徐放量の制限等を行いコン
トロールすることができ、更には従来ないフッ素量を徐
放できる特性を示すものである。
トロールし、常に安定的に等量的なフッ素イオンを徐放
するフッ素徐放性有機フィラーを提供することにある。
特にフッ素徐放性を口腔内で為害作用のない範囲で安定
的に供給することである。また、接着性組成物に用いた
とき優れた接着性能を発揮する歯科用組成物を創製する
ことも課題とする。
て歯科用充填用組成物に応用したとき物理的特性を維持
しながら長期的フッ素徐放を実現できることに特徴があ
る。さらに、歯科用接着性組成物に応用したとき接着性
モノマーと併用しても同様な効果があり、更に高い接着
強度を有することに特徴がある。また更に直接歯質へフ
ッ素が放出される場合は、歯質の強化に加え、高い2次
齲蝕の予防にも寄与することができる。
た効果を示すばかりか、セメント材料に弾性をもたら
し、セメントの崩壊時間を遅延させることができる。
本発明者らは鋭意研究の結果、本発明に到ることができ
た。本発明は、フッ素徐放性を有するフッ素徐放性有機
フィラーの製造行程において、(a)酸化物、水酸化
物、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、硝酸塩、から選ばれる
一種以上の多価金属化合物、(b)酸基含有ポリマー、
(c)水中でフッ素イオンを解離するフッ素化合物、を
溶媒中で混合することを特徴とするフッ素徐放性有機フ
ィラーである。
性有機フィラーを得られる。また、その反応生成物を乾
燥して、粉砕して得られたフッ素徐放性有機フィラーを
歯科用組成物に配合することにより上記課題を達せられ
ることを見いだした。
割合が(a)+(b)を100重量部としたとき、
(a)が5〜90重量部、(b)が5〜80重量部、
(c)が0.01〜50重量部を含む請求項1のフッ素
徐放性有機フィラーとすることが好ましい。
成要件中の酸基100molに対し、(a)多価金属化
合物が20mol〜500molであるフッ素徐放性有
機フィラーとすることが好ましい。
数が(b)構成要件中の酸基100molに対し、
(c)フッ素モル数が10mol〜500molである
フッ素徐放性有機フィラーとすることが好ましい。
ィラーの製造行程において、(a)、(b)、(c)を
水溶液中で反応させ、乾燥、粉砕し平均粒径が0.01
〜100μmに粉砕することが好ましい。
素徐放性有機フィラー含有歯科用組成物として使用する
ことは本発明の最も優れた利用方法である。これらのフ
ッ素徐放性有機フィラー含有歯科用組成物中に(d)ラ
ジカル重合性モノマーおよび(e)硬化剤を含有するこ
とが好ましく、フッ素徐放性有機フィラー含有歯科用組
成物として優れた効果をもたらすことができる。
ってフッ素徐放性有機フィラー含有歯科用接着組成物と
して優れた効果をもたらすことができる。同様に(f)
接着性モノマーを含有することによってフッ素徐放性有
機フィラー含有歯科用プライマー組成物として優れた効
果をもたらすことができる。
用無機系セメントとして優れた効果をもたらすことがで
きる。
グネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸カルシウム、酸
化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、水酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウムである
フッ素徐放性有機フィラー含有歯科用組成物は、優れた
効果をもたらすことができる。
について具体的に説明する。例示される各組成に関して
は特に限定されるものではない。
多価金属化合物イオンの酸化物、水酸化物、炭酸塩、り
ん酸塩、酢酸塩は一般に公知の化合物である酸反応性の
化合物でよい。具体的には酸化マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、
酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酢酸カルシウ
ム、酸化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、炭酸
ストロンチウム、リン酸ストロンチウム、酢酸ストロン
チウム、酸化バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウ
ム、リン酸バリウム、酢酸バリウム、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸ア
ルミニウム、酢酸アルミニウムがあり、好ましくはM
g、Ca、Sr、Ba、Alの水酸化物、炭酸化物が用
いられる。
いものは水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化ス
トロンチウム、酸化ストロンチウムである。Sr、Ba
などの重金属を用いた場合、そのフッ素徐放性有機フィ
ラーはX線不透過性を発現することができる。
酸基を含有するポリマーであり、一分子鎖中に2個以上
の酸基を有しておればよく、重合度で好ましくは10か
ら2000、より好ましくは100から1500である
ことが好ましい。また、不飽和モノ−、ジ−およびトリ
カルボン酸のホモポリマー類及びコポリマー類が好まし
い。
する酸基であれば問題が無く、好ましくはカルボキシル
基、スルホン酸基、リン酸基である。カルボキシル基を
有するものが特に好ましく、アクリル酸、マレイン酸、
クロトン酸、ケイ皮酸、3−ブテン−1,2,3トリカ
ルボン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートまたは
イタコン酸から誘導される繰り返しユニットを含有する
ポリマー類またはコポリマー類が例示される。
ーとしてはモノ−、ジ−、トリ−またはテトラカルボン
酸とこれらの誘導体、4−(メタ)アクロキシエチルト
リメリット酸、4−(メタ)アクロキシブチルトリメリ
ット酸、4−(メタ)アクロキペンチルブチルトリメリ
ット酸、4−(メタ)アクロキシヘキシルトリメリット
酸などのポリマーもしくは共重合体も好適に用いられ
る。
ことができる。光硬化型グラスアイオノマーセメントに
用いられる公知の不飽和基を有するポリアルケン酸類も
好適に用いられる。
分子量としては1500〜150000、好ましくは1
0000〜70000である。分子量が小さすぎると、
徐放スピードがコントロールできなくなり、大きくなり
すぎると等量的徐放量が少なくなりすぎて歯科用として
は好ましくない。
(b)構成要件の比率であるが、(b)構成要件の酸基
100molに対して(a)構成用件中の多価金属化合
物成分のモル数換算で20mol〜500mol、好ま
しくは50mol〜300mol、さらに好ましくは5
0mol〜200molが好ましい。
でフッ素イオンを解離するフッ素化合物としては、水溶
液中でフッ素化合物が沈殿せず、フッ素イオンを放出す
る化合物であればよく、より好ましくはフッ化ナトリウ
ム、フッ化カリウム、フッ化リチウムに代表されるアル
カリ金属フッ化物、フルオロケイ酸塩、公知の有機フッ
化物、またはモノフルオロリン酸ナトリウム、モノフル
オロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸アンモニウ
ム、モノフルオロリン酸アルミニウムなどの水溶性フッ
化物が挙げられる。フッ化ナトリウム、モノフルオロリ
ン酸ナトリウムが好ましい。
gの水に対して溶かしたとき、フッ素イオン濃度が10
0ppm以上であるフッ素化合物が、本発明で用いられ
る好ましいフッ素化合物である。
(c)構成要件の比率であるが、これは(b)構成要件
の100molに対し(c)構成要件のフッ素mol数
が10mol〜500mol、好ましくは30mol〜
200molである。
イオンの酸化物、水酸化物、炭酸塩、りん酸塩、酢酸
塩、硝酸塩、(b)酸基含有ポリマー、(c)水中でフ
ッ素イオンを解離するフッ素化合物を反応させるとき
は、溶媒が必要となるが、この際にはフッ素イオンを解
離させることが好ましく、水、アセトン、メタノール、
エタノール、プロパノール溶液中または、その混合溶液
中で反応させることが好ましいが、有機溶媒や界面活性
剤を併用又は混合して使用しても良い。
工程を助長させるために、有機溶媒を添加することが更
に好ましい。
は、どの様な方法でも良いが、一例として、予め(c)
を(b)水溶液中で分散しておき、(a)を粉末状態で
加えていく方法がある。
(c)を分散しておき、(b)を滴下していく方法が好
ましい。(b)成分を溶解した溶液を添加することが好
ましい。この系の場合、水溶液中はアルカリ性である
が、(b)を滴下していくにつれpHが下がっていき、
中性に近づいていく。最終反応生成物はpH4〜12で
あることが好ましい。
着性組成物の応用に適し、多価金属イオンが放出させる
ことから、最終pHはアルカリ性であることが好まし
く、pH8〜11が好ましい。この反応生成物は水を含
有し、泥状であるため乾燥工程が必要となる。これを乾
燥する方法としては特に限定するものではないが、凍結
乾燥や真空乾燥が特に好ましい。
成物内に充填するために粉砕して用いることが特に好ま
しい。粉砕方法としては特に限定するものはなく、通常
行われている粉砕方法であれば問題ない。フッ素徐放性
有機フィラーの好ましい粒径としては平均粒径で0.0
1〜100μm、好ましくは0.1〜50μm更に好ま
しくは0.1〜5μmである。フッ素徐放性有機フィラ
ーのLD50は0.1μm〜50μm、好ましくは0.
5μm〜3μm、LD90は1μm〜50μm好ましく
は1μm〜5μmである。
ノマーを配合した歯科用組成物に本発明のフッ素徐放性
有機フィラーを配合しても、他のフッ素徐放性歯科用フ
ィラーに比べ、長期寿命安定性即ち、50℃保存で1.
5倍以上ゲル化をせずに保存をする事ができる。
示す。本発明のフッ素徐放性有機フィラーに、(d)ラ
ジカル重合性モノマー及び(e)硬化剤を配合すること
が好ましい。このラジカル重合性化合物としては広く歯
科および化学工業の分野で用いられ、生体安全性の高い
不飽和二重結合基を含有する化合物から選択される。特
に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基
及びビニル基等の不飽和二重結合基を1以上有するモノ
マー、オリゴマーまたはポリマーが好適に用いられる。
「(メタ)アクリレート」の語はアクリレート類とメタ
クリレート類の両方を意味する。
化水素基、フェニル基、水酸基、酸性基、酸アミド基、
アミノ基、チオール基、ジスルフィド基、環式基、複素
環式基、ハロゲン基、シラノール基、ピロリドン基、ウ
レタン結合、エステル結合、エーテル結合、アルキレン
グリコール基等を1以上若しくは複数有する化合物が挙
げられる。特に好適なラジカル重合性モノマーは上記の
官能基や結合を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導
体である。
持するため架橋性モノマーと希釈モノマーを組み合わせ
ることが好ましい。また、フッ素イオンの徐放を促進す
るため親水性の重合性モノマーを併用しても良い。
−、テトラ(メタ)アクリレート類を含むウレタン(メ
タ)アクリレート類が挙げられる。「ウレタンジ−(メ
タ)アクリレート」は適当なジイソシアネート類とヒド
ロキシアルキル−モノ−(メタ)アクリレート類の1:
2のモル比の反応生成物をいう。「ウレタントリ−(メ
タ)アクリレート」は適当なジイソシアネート類とヒド
ロキシアルキル−ジ−(メタ)アクリレート類、および
ヒドロキシアルキル−モノ−(メタ)アクリレート類と
の1:1:1のモル比の反応生成物である。ウレタンテ
トラ−(メタ)アクリレートは適当なジイソシアネート
類とヒドロキシアルキル−ジ−(メタ)アクリレート類
との1:2モル比の反応生成物である。
チル]トリメチルヘキサメチレンジウレタン、ジ−
[(メタ)アクリロキシプロピル]トリメチルヘキサメ
チレンジウレタン、ジ−[(メタ)アクリロキシブチ
ル]トリメチルヘキサメチレンジウレタン、ジ−[(メ
タ)アクリロキシペンチル]トリメチルヘキサメチレン
ジウレタン、ジ−[(メタ)アクリロキシヘキシル]ト
リメチルヘキサメチレンジウレタン、ジ−[(メタ)ア
クリロキシデシル]トリメチルヘキサメチレンジウレタ
ン、ジ−[(メタ)アクリロキシエチル]イソホロンジ
ウレタン、ジ−[(メタ)アクリロキシプロピル]イソ
ホロンジウレタン、ジ−[(メタ)アクリロキシブチ
ル]イソホロンジウレタン、ジ−[(メタ)アクリロキ
シペンチル]イソホロンジウレタン、ジ−[(メタ)ア
クリロキシヘキシル]イソホロンジウレタン、ジ−
[(メタ)アクリロキシエチル]ヘキサメチレンジウレ
タン、2,2ビス[4−(2ヒドロキシ−3メタクリロ
イルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2ビ
ス[4−(2−メチルアクリロイルオキシエトキシ)−
フェニル]プロパン、2,2ビス[4−メタクリロイル
オキシフェニル]プロパン、2,2ビス[4−(3−メ
タクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパンが
挙げられる。ジ−[(メタ)アクリロキシエチル]トリ
メチルヘキサメチレンジウレタン、ジ−[(メタ)アク
リロキシプロピル]トリメチルヘキサメチレンジウレタ
ン、ジ−[(メタ)アクリロキシブチル]トリメチルヘ
キサメチレンジウレタン、2,2ビス[4−(2ヒドロ
キシ−3メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]
プロパン、2,2ビス[4−(2−メチルアクリロイル
オキシエトキシ)−フェニル]プロパンが特に好まし
い。所望によりこれらの化合物のうち2またはそれ以上
を共に用いても良い。
はモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート類、1,4−ジ[(メタ)アクリ
ロキシ]ブチレン、1,6−ジ[(メタ)アクリロキ
シ]ヘキサメチレン、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリロキシ]ヘキサメチレン、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロ
パン−テトラ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミドおよびスチレンを
含む。エチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよ
びトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特
に好ましい。所望によりこれらの化合物のうち2または
それ以上を共に用いても良い。
るいはピロリドン基を有する重合性モノマーである。好
ましい例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、6−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、
6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−
ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコール−モノ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコール−モノ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコール−モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコール−モノ(メタ)アクリレート、ジプロピレン
グリコール−モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコール−モノ(メタ)アクリレート、1,2−ま
たは1,3−または2,3−ジヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−
ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−
1,2−ジ(メタ)アクリレート、2,3,4−トリヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒド
ロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,3
−ジヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N
−(メタ)アクリロイル−1,3−ジヒドロキシプロピ
ルアミン、ビニルピロリドンおよび1−フェノキシ−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトキシプロピル(メタ)アクリレート
およびビスフェノールAとグリシジル(メタ)アクリレ
ートの付加物のごときフェノールのグリシジル(メタ)
アクリレート付加物および、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートが挙げられる。2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−
1,2−ジ(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキ
シエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,3−ジ
ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリレートおよびビニ
ルピロリドンが特に好ましい。これらの化合物を2また
はそれ以上共に用いても良い。
重合触媒として広く歯科及び化学工業の分野で用いられ
ているラジカル重合の開始剤及び促進剤より選択すれば
よい。硬化剤を選択することにより本発明の歯科用組成
物は光重合、化学重合または光重合と化学重合の両方
(デュアルキュア)により硬化させることが出来る。
誘導体、ベンゾイン誘導体、α−ジケトン類、アミン
類、スルフィン酸類、有機錫化合物から選択される。ラ
ジカル重合性モノマー及び所望の硬化方法に合わせてこ
れらの開始剤は1以上選択すればよい。
イルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパー
オキサイド、4,4′−ジクロロパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエー
ト、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、スクシ
ニックアシッドパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシマレイックアシッド、tert−ブチルパーオキ
シイソブチラート等が挙げられる。ベンゾイルパーオキ
サイド、tert−ブチルパーオキシマレイックアシッ
ドが特に好ましい。
バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、
1,3−ジフェニルバルビツール酸、1,5−ジメチル
バルビツール酸、5−ブチルバルビツール酸、5−エチ
ルバルビツール酸、5−イソプロピルバルビツール酸、
5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5−トリ
メチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エチル
バルビツール酸、1,3−ジメチル−n−ブチルバルビ
ツール酸、1,3−ジメチル−5−イソブチルバルビツ
ール酸、1,3−ジメチル−5−シクロペンチルバルビ
ツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロヘキシルバル
ビツール酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツ
ール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール
酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、およ
びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(特にア
ルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が好ましい)、
例えば、5−ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,
3,5−トリメチルバルビツール酸ナトリウム、1−シ
クロヘキシル−5−エチルバルビツール酸ナトリウムが
ある。1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、1
−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、5−ブ
チルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツ
ール酸が特に好ましい。
る光重合開始剤が挙げられ、具体的には、ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノ
ン、9,10−アントラキノン、2−ヒドロキシ−3−
(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イロ
キシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミ
ド、カンファーキノン、ベンジル、4,4’−ジクロロ
−ベンジルである。カンファーキノンが特に好ましい。
の促進剤として通常使用される脂肪族および芳香族の第
一、第二及び第三アミン類であり具体的には、エタノー
ルアミン、トリエチルアミン、ジメチル−p−トルイジ
ン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−p−トルイジ
ン、N−フェニルグリシン、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等がある。これらのアミン類
は有機過酸化物やスルフィン酸類と反応するため組み合
わせて使用する場合は2以上に分割して準備し、使用前
に混合して使用する。
ルフィン酸のアルカリ金属塩、スルフィン酸アミド類で
あり、具体的にはベンゼンスルフィン酸、p−トルエン
スルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、ベンゼ
ンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフィン酸ナトリウ
ム、ベンゼンスルフィン酸アミド、N,N−ジメチル−
p−トルエンスルフィン酸アミド、ベンゼンスルフィン
酸モルフォリド、p−トルエンスルフィン酸モルフォリ
ドがある。
錫マレート、ジ−n−オクチル錫マレート、ジ−n−オ
クチル錫ラウレート、ジ−n−ブチル錫ラウレートまた
はそれらの混合物である。
カル重合性モノマー及び硬化剤に配合する際にはフッ素
徐放性を損なわないレベルで表面処理してもよい。表面
処理剤は具体的にはビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニル
(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシランがある。
特に好ましくは、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランである。
カル重合性モノマー及び硬化剤に配合する際の配合割合
は、10重量%〜90重量%が好ましい。歯科用充填用
組成物として用いる場合は40重量%〜70重量%が特
に好ましい。また、微粒子ケイ酸、シリカ粒子、顔料を
併用してもよい。
て、接着強度及び接着耐久性などの優れた効果をもたら
すことができる。接着材に使用した応用例としては、フ
ッ素徐放性有機フィラーに、(d)ラジカル重合性モノ
マーおよび(e)硬化剤に(f)接着性重合性モノマー
を併用して用いる。希釈溶媒として、アセトン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、水、などを用いるこ
とができ、好ましくはアセトンと水の混合溶液である。
イマーとしての使用も好ましく、接着強度及び接着耐久
性などの優れた効果をもたらすことができる。プライマ
ーに使用した応用例としては、フッ素徐放性有機フィラ
ーに、(d)ラジカル重合性モノマー及び又は(f)接
着性重合性モノマーに希釈溶媒を併用して用いる。
ノマーであり、好ましい酸基はカルボキシル基、酸無水
物残基、およびリン酸基である。
ルトリメリット酸およびその無水物、11−(メタ)ア
クリロキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、2−
(メタ)アクリロキシエチルホスフェート、ビス[2−
(メタ)アクリロキシエチル]ホスフェート、2−(メ
タ)アクロキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェ
ート、10−(メタ)アクリロキシデシルハイドロジェ
ンホスフェート、ビニルホスホニックアシド、p−ビニ
ルベンジルホスホニックアシド、(2−(メタ)アクリ
ロキシ)エチル−3−ホスホノプロピオネート、(6−
(メタ)アクリロキシ)ヘキシル−3−ホスホノプロピ
オネート、(6−(メタ)アクリロキシ)ヘキシルホス
ホノアセテート、(10−(メタ)アクリロキシ)デシ
ル−3−ホスホノプロピオネート、アミノ酸類のN−
(メタ)アクリレート誘導体例えばN−(メタ)アクリ
ロイルアニリン、N−(メタ)アクリロイルチロシン、
N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、N−フェニ
ルグリシングリシジル(メタ)アクリレート、N−トル
イルグリシングリシジル(メタ)アクリレート、p−ビ
ニル安息香酸、芳香族アミノカルボン酸類のN−(メ
タ)アクリレート誘導体例えばN−(メタ)アクリロイ
ルアミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイルアミノサ
リチル酸、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、およびN−フェニルグリシングリシジル(メタ)ア
クリレートのナトリウム塩、N−トルイルグリシングリ
シジル(メタ)アクリレートのナトリウム塩などの塩類
がある。
チルトリメリット酸及びその無水物、4−(メタ)アク
リロキシブチルトリメリット酸及びその無水物、(6−
(メタ)アクリロキシ)ヘキシル−3−ホスホノプロピ
オネート、(6−(メタ)アクリロキシ)ヘキシルホス
ホノアセテートである。該酸基を含む接着性重合性モノ
マーは単独で用いても、2以上の化合物を組み合わせて
用いても良い。
ノマーを本発明の(b)構成要件である酸基含有ポリマ
ーと併用して用いても良い。ただし、酸基を有するモノ
マーは、0.3〜50重量%が好ましい。モノマー量が
多すぎたりまたは少なすぎたりすると接着性能が損なわ
れることがある。ポリマーとの併用での実施をする場
合、水及び水溶性有機溶媒を併用して用いると良い。
ル重合性モノマー以外の酸を必要に応じて添加しても良
い。具体的には、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリ
カルボン酸、およびテトラカルボン酸であり、ギ酸、乳
酸、ピルビン酸、グリコール酸、クロロ酢酸、ジクロロ
酢酸、トリクロロ酢酸、シアノ酢酸、酒石酸、コハク
酸、グルタル酸、マレイン酸、マロン酸、シトラコン
酸、(o,m,p)フタル酸、クエン酸、トリカルバリ
ル酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、トリメリ
ット酸がある。これらの中で酸無水物も含まれる。
/または水溶性の有機溶媒を含むことが好ましい。水お
よび/または水溶性の有機溶媒の配合量はラジカル重合
性モノマー100重量部に対し1〜1000重量部、好
ましくは、5〜100重量部、更に好ましくは、10〜
50重量部である。
く、具体的には、蒸留水、イオン交換水である。
ール、エチルアルコール、1−プロパノール、イソプロ
ピルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1,
4−ブタンジオール、アセトン、トリエチレングリコー
ル、2−エトキシエタノールがある。アセトン、エチル
アルコール、及びイソプロピルアルコールが特に好まし
い。上記水溶性有機溶媒は必要に応じ2種以上を混合し
て用いることが可能である。
接着性組成物においては上記成分の他、必要に応じて酸
化防止剤、界面活性剤、粘度調節剤を適宜配合してもよ
い。酸化防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、ブチル化ヒドロキシトルエン
などが例示できる。
もよい。この目的で使用する界面活性剤として、例えば
ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪
酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサ
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルソリビット脂肪酸エステル、ポリエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオ
キシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンア
ルコール、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪
酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルム
アルデヒド縮合物、アルキル硫酸塩、レシチン、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルエーテ
ルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪族アミン塩、脂肪族
アミン塩、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。
ィラー、無機フィラー、コロイダルシリカ、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、メ
チルセルロール、カルボキシルメチルセルロース、ナト
リウムモンモリロナイトなどが挙げられる。
を公知のセメント組成物への応用例を示す。このフッ素
徐放性有機フィラーをリン酸亜鉛セメント、カルボキシ
レートセメント、グラスアイオノマーセメント等に配合
しても良い。
ては、公知の粉材のいずれを用いてもよく、酸化亜鉛、
グラスアイオノマーセメント用ガラス、またはその混合
物等が挙げられる。歯科用無機系セメント液材として
は、公知のものがいずれも好適に用いられ、リン酸、ユ
ージノール、エトキシベンゾイックアシッド、ポリアル
ケン酸のホモポリマー類やコポリマー類が例示される。
を含有するセメント類に加えて、ラジカル重合性化合物
及び硬化剤からなる樹脂組成物を配合してもよい。樹脂
組成物としては本発明の(d)構成要件であるラジカル
重合性モノマー、(e)構成要件である硬化剤及び
(f)構成要件である接着性重合性モノマーがいずれも
好適に用いられる。さらに従来から歯科分野で開示され
ている、側鎖に不飽和基を有するポリアルケン類も有用
である。
させる場合のフッ素徐放性有機フィラー含有歯科用組成
物はセメント硬化反応に加えて光重合及び/または化学
重合により硬化される。
条件下で100gの水に対して24時間浸漬たとき、フ
ッ素イオン濃度が0.1〜500ppmであるフッ素徐
放性有機フィラーが、本発明で達せられた好ましいフッ
素徐放量である。更に好ましくは1〜100ppmであ
る。
物を実施例に記載の方法でフッ素徐放性を測定し、浸漬
期間1週間ごとに4週間浸漬し続けた場合は、初期の1
週間のフッ素イオン徐放量に対して、4週目のフッ素イ
オン徐放量が60%以上であることが好ましい。更に好
ましくは70%、また更に好ましいのは80%である。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
2L容の3ツ口フラスコへ、水酸化カルシウム50.0
g及びフッ化ナトリウム30.0gに2000.0gの
蒸留水を加え、懸濁溶液として仕込んだ(設定温度40
℃)。
AA)(固形分40重量%程度、重合度約1100)を
ゆっくり滴下していき、反応生成物を得た。終了時のp
Hは7であった。
含水ゲルを凍結乾燥した。乾燥終了品を振動ミルにて粉
砕して平均粒径を5μmとしフッ素徐放性有機フィラー
1を得た。
1L容の3ツ口フラスコへ、水酸化カルシウム30.0
g、水酸化アルミニウム10.0g及びフッ化ナトリウ
ム10.0gに300gの蒸留水をに加え、懸濁溶液と
して仕込んだ(設定温度40℃)。100.0gのポリ
アクリル酸水溶液(PAA)(固形分40重量%程度、
重合度約800)をゆっくり滴下していき、反応生成物
を得た。終了時のpHは10であった。
の含水ゲルを真空乾燥した。これを振動ミルにて粉砕し
て平均粒径を5μmとしフッ素徐放性有機フィラー2を
得た。
成物の調製)下記表1に示す各組成を充填材75%、樹
脂組成25%で配合し、混練し、フッ素徐放性有機フィ
ラー含有歯科用組成物を調製した。光硬化触媒として総
光重合性モノマーに対しそれぞれ、ジブチル錫ジラウリ
レート0.3重量%組成物、およびカンファーキノン
0.1重量%を混練時に配合した。
ーを使用せずに、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、フッ化ナトリウムを配合した。更に別の比較例とし
てはグラスアイオノマーセメントF(松風)を用いた。
実施例1、2、3、4及び比較例1、グラスアイオモマ
ーセメントFの各組成物を金型にて円柱平盤状(15m
mφ、厚さ約1mm)にスライドガラスを用いて圧接
し、ソリデライト(松風社製)にて30秒間光照射し、
すぐに37±1℃で10分間保存した後、金型から取り
出した。
書の指示に従い、練和し金型にて円柱平盤状(15mm
φ、厚さ約1mm)にスライドガラスを用いて圧接し、
すぐに37±1℃で60分間保存した後金型から取り出
した。
体を1200#の研磨紙にて表面研磨を行い、試験体の
大きさを15mmφ、厚さ1mmとした。各試験体を1
5mLの蒸留水中入れ、37℃で1週間保存した。1週
間後、試験体を取り出し、溶液のフッ素イオン濃度をフ
ッ素イオン電極にて測定しフッ素徐放量を求めた。浸漬
期間は1週間ごとに4週間浸漬した。n数は5とし、こ
の平均値を用いた。
ーの充填量によりフッ素徐放量に差があるものの、実施
例1〜4は4週間ほぼ等量的なフッ素徐放量を示した。
一方、グラスアイオノマーF及び比較例1において、最
初は高い徐放量を示すものの、急激な徐放量低下傾向を
示した。
着性組成物の調製)下記表3に示す各組成を混練し、フ
ッ素徐放性有機フィラー含有歯科用接着性組成物を調製
した。光硬化触媒として総光重合性モノマーに対しそれ
ぞれ、ジブチル錫ジラウリレート0.3重量%組成物、
およびカンファーキノン0.1重量%を混練時に配合し
た。
象牙質と光重合型コンポジットレジンのライトフィルI
IA((株)松風社製)の間に、フッ素徐放性有機フィ
ラー含有歯科用接着性組成物を界面に介在させて、せん
断接着強さにより上記光重合型接着性組成物の接着強度
を求めた。歯質は新鮮抜去牛前歯を用いた。
研磨紙で研磨してエナメル質および象牙質を平面状に露
出させ、600番研磨後、直径4mmの穴あき両面テー
プを貼って接着面を規定し、その面に上記接着性組成物
を混合して塗布し、30秒後エアーブローした。その
後、松風グリップライトII((株)松風社製)で30
秒間可視光線照射した。
スティックモールドを固定し、その内部にライトフィル
IIAを填入して、松風グリップライトIIで30秒間
可視光線照射した。光硬化後、モールドを除去して接着
試験体を作製した。同接着試験体を37℃蒸留水中24
時間浸漬後、インストロン万能試験機(インストロン5
567、インストロン社製)を用い、クロスヘッドスピ
ード1mm/min.にて剪断接着強さを測定した。比
較例として、リアクトマーボンド((株)松風)を使用
した。
試験の方法」と同様に試験片を作成し、得た試験片をサ
ーマルサイクル試験機(4℃1分間及び60℃1分間の
繰り返し試験)を1ヶ月繰り返し、「剪断接着試験の方
法」と同様に耐久剪断接着強さを測定した。
結果を下記表4に示す。前述のフッ素イオン徐放量の測
定方法に従いフッ素イオン徐放量の測定を1週間毎に行
った結果を下記表4に示す。
の平均値を示した。標準偏差による有意差も示された。
また、光重合性接着性組成物では高いフッ素徐放量かつ
接着性を示した。
1)
グラフ
Claims (8)
- 【請求項1】フッ素徐放性を有するフッ素徐放性有機フ
ィラーの製造行程において、(a)酸化物、水酸化物、
炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、硝酸塩、から選ばれる一種
以上の多価金属化合物、(b)酸基含有ポリマー、
(c)水中でフッ素イオンを解離するフッ素化合物、を
溶媒中で混合することを特徴とするフッ素徐放性有機フ
ィラー。 - 【請求項2】前記、(a)、(b)、(c)成分の配合
割合が(a)+(b)を100重量部としたとき、
(a)が5〜90重量部、(b)が5〜80重量部、
(c)が0.01〜50重量部を含む請求項1のフッ素
徐放性有機フィラー。 - 【請求項3】請求項1記載の(b)構成要件中の酸基1
00molに対し、(a)多価金属化合物が20mol
〜500molであるフッ素徐放性有機フィラー。 - 【請求項4】請求項1記載の(b)構成要件中の酸基1
00molに対し、(c)フッ素が10mol〜500
molであるフッ素徐放性有機フィラー。 - 【請求項5】請求項1〜4記載のフッ素徐放性を有する
フッ素徐放性有機フィラーの製造行程において、
(a)、(b)、(c)を水溶液中で反応させ、乾燥、
粉砕し平均粒径が0.01〜100μmに粉砕すること
を特徴とするフッ素徐放性有機フィラー。 - 【請求項6】請求項1〜4記載のフッ素徐放性有機フィ
ラーを含有するフッ素徐放性有機フィラー含有歯科用組
成物。 - 【請求項7】(f)接着性モノマーを含有する請求項6
のフッ素徐放性有機フィラー含有歯科用接着組成物。 - 【請求項8】請求項1〜5記載のフッ素徐放性有機フィ
ラー1gを25℃の条件下で100gの水に対して24
時間浸漬たとき、フッ素イオン濃度が0.1〜500p
pmであるフッ素徐放性有機フィラー。
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JP2009538978A (ja) * | 2006-05-31 | 2009-11-12 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | バルビツル酸誘導体類の塩類を含有する重合性組成物類 |
WO2020040157A1 (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | 王子ホールディングス株式会社 | 歯科材料用組成物、歯科材料、および該歯科材料に使用される微細繊維状セルロース |
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WO1994023687A1 (en) * | 1993-04-15 | 1994-10-27 | Shofu Inc. | Preformed glass ionomer filler which can sustainedly release fluoride ion and dental composition containing the same |
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-
2000
- 2000-11-24 JP JP2000403013A patent/JP4601027B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2020040157A1 (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | 王子ホールディングス株式会社 | 歯科材料用組成物、歯科材料、および該歯科材料に使用される微細繊維状セルロース |
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