JP2002161171A - 非粘着性ラテックス製品 - Google Patents

非粘着性ラテックス製品

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JP2002161171A
JP2002161171A JP2000361008A JP2000361008A JP2002161171A JP 2002161171 A JP2002161171 A JP 2002161171A JP 2000361008 A JP2000361008 A JP 2000361008A JP 2000361008 A JP2000361008 A JP 2000361008A JP 2002161171 A JP2002161171 A JP 2002161171A
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Kazuo Koide
一雄 小出
Takayuki Suzuki
孝之 鈴木
Takanao Suzuki
孝尚 鈴木
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Original Assignee
Suzuki Latex Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ノン・パウダーで非粘着性の新規
なカルボキシル化ラテックス製品及び該製品の新規な製
造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 カルボキシル化ラテックス・フィルムの
内面に、カルボキシル基封鎖剤処理層を設け、外面に塩
素処理を施すことにより、非粘着性で着脱容易なエマル
ジョン・ラテックス製品を製造できることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な非粘着性カ
ルボキシル化ラテックス製品及び該製品の新規な製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボキシル化ラテックス製品、たとえ
ば風船、手袋、指サック、コンドームなどの浸漬製品、
ゴム糸、ゴム管などの押出し製品、気球、玩具などの注
型製品、ゴム・シート、ホース、引布などの全ゴム製品
やゴム表面を有する製品は、製品の表面が粘着性を有す
る場合が多く、製品の加工性を損なったり、不良品を生
じたりする。さらには、望ましい製品形状を有する製品
を製造できない等の欠点を有する。
【0003】従来、かかる欠点を克服するために、粘着
防止剤が使用されているが、粘着防止剤としては一般に
は粉末状のものが使用されており、打ち粉(パウダー)
と称されている。打ち粉としては、例えば、マイカ、タ
ルク、炭酸カルシウム、ホワイト・カーボン、コーンス
ターチなどが一般的である。
【0004】しかし、打ち粉はラテックス製品の接触す
るものに転移し、その製品が精密機器分野に属する場合
には、様々なトラブルの原因となる。また、ラテックス
製品の外観を損なう。更に、1999年7月には、医療
用ゴム手袋について、FDAの規制がだされ、合成ゴム
製医療用手袋については手袋一枚あたり120mg以下
にパウダー量をコントロールしなければならないことに
なった。一方においては、天然ゴム医療用手袋について
は、蛋白質に由来するラテックス・アレルギー防止のた
めに、手袋一枚あたり、溶出蛋白質量1200μgの規
制値が出され、天然ゴム手袋から合成ゴム手袋への移行
が予想される。このように、合成ゴム製品の非粘着性化
はこの分野において重要な技術課題である。
【0005】打ち粉以外の粘着性防止法として一般的な
方法は、後塩素化処理によるハロゲン化法である。たと
えばU.S.特許3,411,982および3,74
0,262は、ハロゲン化がゴム手袋表面を滑りやすく
することを開示している。U.S.特許4,304,0
08は、ハロゲン化が打ち粉の代りにゴム製品の着用を
容易にすることを開示している。U.S.特許3,74
0,262は、打ち粉を付けない外表面と、打ち粉を付
けた内表面を提供するために手袋をハロゲン化すること
を開示している。
【0006】ハロゲン化は、製品表面に薄いハロゲン化
ゴムの層をつくり、粘着性とブルーミングを防止する方
法で、現在かなり広く行われており、打ち粉なしのクリ
ーンな表面を持つゴム製品を提供する。しかし、ハロゲ
ン化度が過ぎると、変色したり、表面が脆化して亀裂が
入ったり、耐熱性が低下したりする。また、接触した金
属を腐食する心配もある。更に何よりも、環境上好まし
くないと使用を躊躇するユーザーが多い。
【0007】U.S.特許4,304,008は、内層
は天然ゴム、外層はハロゲン耐性シリコーンからなる外
科医用手袋を開示しており、内層はハロゲン化して、非
粘着性にしている。塩素化の欠点は、U.S.特許5,
284,607が認めており、本特許は酸可溶性打ち粉
を使用して医療用手袋を成形した後、硝酸のような酸で
処理して酸可溶性打ち粉を溶解し、その後漂白剤で塩素
化している。
【0008】粉体または粒状構造をもつ物質を使用する
ゴム製品の製造方法にも様々な改良が見られる。U.
S.特許4,070,713は、外層と内層からなる二層
の弾性物質からなる医療用手袋を開示しており、その内
層には酸化亜鉛、酸化チタン等の粒状物質を強固に埋め
込み、しかも皮膚に接する内面には粒子を部分的に露出
させている。
【0009】U.S.特許4,143,109は、上記特
許の製造方法を開示している。U.S.特許5,13
8,719は、打ち粉なし手袋、指サックまたはその類
似物を、ラテックス及びマイクロカプセルから作る方法
を開示している。マイクロカプセルは、その濃度が製品
の外表面から内表面に向かって濃度勾配が増加するよう
にラテックス中に分散、配置される。内側面のマイクロ
カプセル濃度が高いので、滑り性が良好で、打ち粉なし
でも着用が容易である。
【0010】U.S.特許5,881,386は、ポリ
塩化ビニルとポリエステルポリウレタンからなる二層の
手袋を開示し、内側のポリエステルポリウレタン層に1
〜75ミクロンの粒状物質を加えている。特開平11−
12823は、ポリ塩化ビニリジンペーストゾルから製
造したクリーンルーム用作業手袋について、0.1〜
1.5μmの粉末を含有した内面処理剤に浸漬して乾燥
し、発塵性の少ない作業用手袋を製造する技術を開示し
ている。
【0011】特開平11−61527は、手袋本体に含
まれる凝固剤により凝固しない合成ゴムラテックス及び
有機充填剤を含む水性分散液に浸漬して滑性樹脂層を設
けた着脱性に優れたゴム製手袋を開示している。特表平
9−501983は、水に分散するシリコーン変成分散
粉末組成物及びその製造方法を開示しており、ブロッキ
ング防止剤として使用できる旨の記載がある。
【0012】近年において、ラテックス製品の表面に各
種の物質をコートした製品が開発されるようになった。
U.S.特許4,310,928は、油脂または親油性
物質を凝固液に分散し、天然ゴム表面にコートすること
によって打ち粉なしの外科医用手袋を提供するが、油脂
または親油性物質が分離しないように、界面活性剤を凝
固液に添加している。
【0013】U.S.特許5,780,112及び5,
974,589は、次亜塩素酸塩を酸性にして発生する
塩素により、高密度直鎖状ハイドロカーボン高分子、特
にポリエチレンを天然ゴム表面に接着する方法を開示し
ており、このようにして処理したラテックス製品は、打
ち粉なしで非粘着性である。
【0014】特表平11−507085は、ゴム物品の
表面に強固に接着し、かつ結合したゴム表面から分離す
ることなく伸長することができる可撓性コポリマー・コ
ーティングを開示しており、浸漬型からの剥ぎ取り性及
び乾式及び湿式着用性を考慮して、反応性低表面エネル
ギー・モノマー、好ましくはシリコーンオリゴマーと、
アクリル酸アルキルと反応性硬質モノマーとのエマルジ
ョン系コポリマーを開示している。
【0015】ゴム表面に親水性のハイドロゲル形成ポリ
マーをコートし、そのポリマー層をキュアーして打ち粉
なしの手袋を製造する方法については多数の開示があ
る。U.S.特許3,326,742、3,58510
3、3,607,473、3,745,042、3,9
01,755、3,925,138、3,930,07
6、3、940,533,3,966,530,4,0
24,317、4,110,495、4,125,47
7、がその例である。
【0016】更に、U.S.特許4,499,154
は、浸漬型を天然ゴム・ラテックス中に浸漬し、製品を
熱水中で浸出し、製品を稀薄な酸で含浸し、その表面を
水またはアルカリ水溶液で中和し、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートとメタクリル酸または2−エチルヘク
シルアクリレートとの共重合体等の親水性ハイドロゲル
形成性ポリマーとその架橋剤液に浸漬し、そのコート層
をゴムに固定するために加熱し、ゴムを加硫し、製品を
型から剥離し、界面活性剤を含有するシリコーンを塗布
し、加熱することによって、タルク・フリーの製品を製
造する方法を開示している。また、この方法は、この発
明のハイドロゲルポリマーのコート層を架橋し、架橋
後、長鎖脂肪族アミンなどのカチオン性界面活性剤で処
理すると、湿った手に対する滑り性が改善されることを
開示している。また、酸処理後に、アルミニウム塩でゴ
ム表面を含浸すると良いことも開示している。この方法
では、打ち粉なしのゴム製品は生産できるが、含まれる
工程の数が多く、製造コストを不当に高くするし、シリ
コーンの汚染を嫌う製品にはこの方法を採用することは
できない。
【0017】U.S.特許4,575,476は、特定
の2−オキシエチルメタクリレ−ト系ハイドロゲル・ポ
リマ−のコート層が乾いた手に対する優れた滑り性を有
することを開示する。また、前記ハイドロゲル・コート
層を界面活性剤、特にカチオン界面活性剤と長鎖脂肪族
アミンで処理すると、皮膚に接する面の湿った手に対す
る滑り性が改善される。更に、シリコーンを含有する界
面活性剤で処理すると、ハイドロゲルでコートしていな
い面の粘着性が著しく改善される。
【0018】U.S.特許5,688,855は、固体
表面の親水性が水分の存在下で表面に潤滑性を与えると
して、ハイドロゲルを形成する高分子成分と該成分と相
溶性の低い水可溶性高分子成分を1つの溶媒に溶解して
ゴム製品の表面にコートし、その溶媒を蒸発することに
よって2成分を相分離させ、コート層内に親水性の濃度
勾配を自動的に生ぜしめている。
【0019】特開平11−269708は、ゴムまたは
樹脂の基体層を備えた手袋の内表面に、コラーゲンを含
むゴムまたは樹脂の潤滑層を積層した手袋を開示してい
る。ゴム表面のコーティング法の欠点は、ゴムを伸長し
たときに層間剥離を起こすことである。
【0020】U.S.特許4,499,154は、ゴム表
面に酸を下塗りして、コート層の接着を補強している。
WO 93/06996−A1は、特定のエーテル基及
びエステル基の繰り返し構造を持つポリマーをコート層
に使用することを提案している。
【0021】U.S.特許4,548,844は、酸処
理によるゴム層とハイドロゲル層の接着改善法を開示す
ると共に、アルミニウムカチオンまたは3価以上のカチ
オンをハイドロゲルポリマーのコーティング前に下塗り
するか、ハイドロゲルポリマーに添加すると、ゴム層と
ハイドロゲルポリマー層の接着が改善されることを示し
ている。この原因は、ハイドロゲルポリマーの水酸基ま
たはカルボキシル基とゴムラテックス中の蛋白質が結合
したためであろうと推定している。
【0022】特開平6−70942は、天然ゴムから形
成される第1層と、天然ゴム、ポリウレタン、ポリ(ア
クリルアミド/アクリル酸)及びポリエチレンオキシド
の第2層、及びアクリル・コポリマー及びフルオロカー
ボンテロマー樹脂からなる第3層からなる多層製品を開
示しており、本製品は、打ち粉なしで湿式、乾式で着用
可能であるとしている。
【0023】特開平10−95867は、エラストマー
製品の着用者側表面に第1の成分と第2の成分とからな
る潤滑性組成物をコートし、パウダーなしの医療用手袋
等を製造する。ここで、第1の組成物は、アセチレンジ
オールと有機変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、
及びカチオン性界面活性剤から選ばれた少なくとも一つ
の化合物からなり、第2の組成物が、カチオン性界面活
性剤と、有機変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及
びアセチレンジオールからなる群から選ばれた少なくと
も一つの化合物である。特公平7−4405は、変性ポ
リシロキサンで表面処理する技術を開示している。
【0024】打ち粉を含有しないゴム製品の製造方法と
して、凝固液中に硝酸カルシウムなどの二価の凝固剤金
属塩と該金属塩に安定な、または水溶性界面活性剤、好
ましくはノニオン性界面活性剤を添加して安定化したラ
テックスまたは樹脂ポリマーを共存せしめ、該凝固剤を
コートした型をラテックス中に浸漬してゴム製品の片側
をコートする方法がある。本方法は、ゴム製品を本質的
に非粘着性にするものではないが、かかる凝固剤組成物
に第三の成分として剥離又は粘着防止剤を添加すると、
ゴム製品を非粘着性にすることができる。
【0025】Kavalir等のU.S.特許3,28
6,011及び3,411,982は、係る技術を開示
している。しかし、この特許では、剥離剤として打ち粉
を採用しているため、製品をパウダー・フリーにするこ
とはできない。なお、本特許においては、ラテックスの
凝固剤として、カルシウム、マグネシウム、アルミニウ
ム等の多価金属塩が使用できるとしている。前記U.
S.特許4,310,928は、硝酸カルシウム等の凝固
剤液に親油性物質を分散し、係る凝固剤を使用して浸漬
型から剥離可能な外科医用手袋を製造する技術を開示し
ている。
【0026】特表平10−508899は、凝固剤にア
クリル系エマルジョン共重合体被覆組成物を添加すると
共に、更にシリコーン・エマルジョンを添加することに
よって、打ち粉を含まないゴム製品を製造する方法を開
示している。上記コーティング組成物は、反応性シリコ
ーン・アクリレートとアルキル・アクリレートとハード
モノマーの共重合によって製造されるが、かかる組成物
は公知物質であって、シリコーン・エマルジョンを組成
物に添加することによって初めて剥離が容易になり、手
袋は優れた乾式着用性、および湿式着用性を示すように
なることを明示している。
【0027】EP特許640,623は、塩安定なポリ
クロロプレーンまたはポリウレタンと2価の金属塩から
なる天然ゴム用凝固剤を開示しており、さらにポリエチ
レン・ワックスエマルジョンとカチオン界面活性剤から
なる剥離剤を凝固剤に添加することにより、パウダーフ
リーのゴム手袋を製造できるとしている。
【0028】特開平11−236466は、前記ポリエ
チレン・ワックスエマルジョンの代わりに、界面活性
剤、ポリプロピレン・ワックスエマルジョン等の各種ワ
ックスを粘着性消失剤、剥離剤として使用し、カチオン
界面活性剤の作用として、凝固液に添加するポリクロロ
プレーンの安定化と、浸漬型に対する親和性が係るポリ
マーに対する親和性よりも高いために、ポリクロロプレ
ーンと浸漬型との間の離型剤として作用するとしてい
る。尚、特公平2−42082は、水にラテックス、界
面活性剤及び二価及び三価の金属塩を添加した凝固剤組
成物を開示している。
【0029】特表平9−511708は、ポリウレタン
・コーティングした手袋の製造方法にティーグ(Tea
gue)法を採用している。即ち、ポリウレタン・ポリ
マーまたはコポリマーの水性分散液またはエマルジョン
に浸漬して第1層を形成した後、第1層を凝固剤中に浸
漬し、さらにラテックス・コンパウンド中に浸漬して第
2層を形成する。本法は、更に第2層の上に潤滑性ポリ
マー層を形成する技術をも開示している。
【0030】新規な素材を使用したパウダーフリーのゴ
ム製品に関する技術も開示されている。U.S.特許
5,851,683は、クリーンルーム用熱可塑性弾性体
からなるパウダーフリーの手袋について、特殊の逐次共
重合ポリマーを提案している。
【0031】このように、エマルジョン・ラテックス製
品の粘着性を防止する方法は、製品の製造及び用途の両
面において重要な技術であり、様々提案されているが、
その技術はかなり複雑なものが多く、簡便で効果的な且
つ経済的な方法は開発されていない。その原因の1つと
しては、粘着性が強く、粘着性の原因が複雑な天然物で
ある天然ゴムラテックスを主たる対象としているため、
粘着防止のための処理素材及び処理技術が複雑化してい
る可能性が高い。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ノン・パウ
ダーで非粘着性の新規なカルボキシル化ラテックス製品
及び該製品の新規な製造方法を提供することを課題とす
る。また、本発明は、オンマシーンで外面のみを塩素化
した着脱性の容易な非粘着性カルボキシル化ラテックス
製品の提供を課題とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、塩素化に
よるカルボキシル化ラテックス製品の非粘着性化技術に
ついて鋭意検討した。塩素化は、環境対策上問題がある
ものの、カルボキシル化ラテックス製品内外両表面のゴ
ム分子の二重結合に塩素が付加し、いわば、塩素化した
炭化水素のコート層が生成する。
【0034】このため、ゴム製品の両表面はゴム的諸性
質を失い、疎水化、非粘着性化する。塩素化の品質上、
製造上の問題点は多くあるが、製造工程上の大きな問題
点として、成形型に付けたままオンマシーンで両面の塩
素化ができないことである。通常、塩素化は製品を型か
ら外した後、別工程で行うか、外表面のみをオンマシー
ンで塩素化した後、型から外して内表面を外側にして、
別工程で行う。このため、生産効率が必然的に悪くな
る。
【0035】そこで、本発明者等は、外表面の非粘着性
化はオンマシーンの塩素化で行い、内表面の非粘着性化
は本発明者等が別に発明した非粘着性化技術(特願2000-
139733号)を採用することにより、解決できることを見
出した。本発明者等は、上述の出願(特願2000-139733
号)で記載したように、下記のような知見を見出した。
【0036】すなわち、カルボキシル化ラテックス製品
の表面が凝固剤の二価の金属元素化合物で十分に架橋さ
れていないと、表面の粘着性が強いことを見いだした。
更に、一価または二価の金属元素化合物で十分に架橋し
ても、加熱するとラテックス製品の表面同士が接着し、
非粘着性が不十分であることを見いだした。そこで、カ
ルボキシル化ラテックス製品の粘着性の原因は、ラテッ
クスのカルボキシル基が、水を介して水素結合を形成す
るためであると考え、この水素結合形成を抑制する方法
を検討した。
【0037】本発明者等は、まず、三価以上の金属元素
化合物を外部架橋剤として使用することを検討した。た
とえば、三価の金属陽イオンとして代表的なアルミニウ
ム塩は、シュルツ・ハーデイの法則に従い、極めて強い
凝固能を有する。しかし、アルミニウム化合物のみを外
部凝固剤として浸漬製品を製造しようとすると、極めて
薄いフィルムしか生成しない。ところが、浸漬型の上に
まずアルミニウム化合物の外部架橋剤層を形成し、更に
その上に通常使用される一価または二価の多価金属塩の
凝固剤層を形成してラテックス溶液に浸漬すると、通常
の厚さの浸漬フィルムが生成し、しかも、最内層にアル
ミニウム化合物架橋層が生成することを発見した。更に
驚くべきことに、アルミニウム化合物が架橋した浸漬フ
ィルムの内表面は、非粘着性で、内表面を相互に密着し
て湿潤状態で加熱しても、相互に接着しないことを見い
だした。
【0038】一方、アルミニウム化合物の外部架橋剤層
を一価または二価の多価金属塩の外部凝固剤層の上に形
成してからラテックス溶液に浸漬すると、薄いフィルム
しか形成しない。ところが、一価または二価の金属塩及
びアルミニウム化合物の混合物からなる外部凝固剤層で
あり、且つ外部架橋剤層を形成してラテックス溶液に浸
漬すると、驚くべきことに通常の厚さのフィルムを形成
し、その内表面は非粘着性であった。
【0039】次に、浸漬フィルムの外表面の非粘着化に
ついて検討した。浸漬型に外部凝固剤層を形成してラテ
ックス溶液に浸漬して成形したフィルムを更にアルミニ
ウム化合物溶液に常法通り浸漬し、しかる後加熱したと
ころ、フィルム外表面にアルミニウム化合物架橋層が形
成し、その外表面は非粘着性であった。また、浸漬製品
を浸漬型から離型後、両表面をアルミニウム化合物溶液
に浸漬し、しかる後加熱したところ、両表面とも非粘着
性であった。以上の知見をもとに、三価以上の金属元素
の各種化合物を用いてラテックス表面の架橋層形成反応
を試験したところ、非粘着性表面を有するラテックス製
品を製造できることを見いだした。
【0040】更に、本発明者等は、上記知見をもとにカ
ルボキシル化ラテックスのカルボキシル基を架橋する各
種の有機架橋剤について、三価以上の金属元素化合物と
同様にしてラテックス基体の表面処理の試験を行った。
その結果、有機架橋剤も三価以上の金属元素化合物と同
様に、ラテックス製品を非粘着化することを確認した。
しかし、効果が高いものはエマルジョン型架橋剤が多
く、同系統の架橋剤であっても、水溶性の有機架橋剤に
ついては、効果が少ないことを確認した。しかも、水溶
性架橋剤を凝固剤に添加して浸漬法で形成したラテック
ス・フィルムには、亀裂が入ったり、フィルム強度が低
い等の問題点が認められた。架橋剤がフィルムの内部に
まで拡散し、いわゆる加硫過多になって強度低下を起こ
したものと考えられる。
【0041】そこで、本発明者等は、架橋剤の拡散を防
止すべく、エマルジョン・ラテックスに凝集効果のある
薬品を添加する試験を行ったところ、後述するアルミン
酸塩、水酸化アルミニウム・ゲル等の内添用アルミニウ
ム系無機架橋剤はカルボキシル化ラテックスを凝集させ
ることなく、エマルジョン・ラテックスに添加できるこ
とを確認した。その上、水溶性架橋剤、例えば、オキサ
ゾリン系架橋剤、エポクロスW(日本触媒製)の場合、
1%濃度処理でも非粘着性にならなかったラテックス・
フィルムが、かかる凝集効果のある化合物を添加する
と、10ppmと言う極めて低濃度であっても、ラテッ
クス・フィルムを非粘着性にした。
【0042】アルミン酸塩、水酸化アルミニウム・ゲル
等の内添用アルミニウム系無機架橋剤をエマルジョン・
ラテックスに添加した系について、有機架橋剤の拡散の
影響について更に検討した。即ち、有機架橋剤を添加し
た凝固剤でフィルムを形成した後の溶出段の温度につい
てフィルム強度に対する影響を検討したところ、50℃
〜60℃という通常の溶出段温度ではフィルム強度の低
下が見られたが、70℃以上の温度で溶出段処理を行う
と、フィルム強度の低下は見られなかった。即ち、凝固
液中の三価以上の金属元素化合物とは異なり、処理水溶
液中の架橋剤は低温ではラテックスのカルボキシル基と
の反応性が乏しいため、ラテックス製品の表面に留まら
ずにZ−軸方向に拡散し、その結果強度低下を起こした
ものと考えられる。
【0043】そこで、有機架橋剤の濃度を低下させて、
ラテックス製品の粘着性と強度に対する影響について検
討したところ、有機架橋剤濃度が0.001%(対ラテ
ックス固形分あたり2×10-4 部)という極めて低濃度
であっても、ラテックス製品は非粘着性であり、製品の
強度も未処理製品と同等であることが判明した。尚、有
機架橋剤の強度に対する影響は、有機架橋剤の性状によ
っても異なる。即ち、Z−軸方向に拡散する程度の低い
もの、例えばエマルジョン形式のもの、又はラテックス
表面で直ちに反応して内部に拡散しないもの等は、製品
強度に対する影響は少ない。
【0044】一方、本発明者等は、試験で作成した指サ
ックの着用試験を行ったところ、カルボキシル化ラテッ
クスを酸化亜鉛で加硫した指サックは、強度試験の結果
は良好ではあるが、着用すると、数時間から1日以内に
フィルムに裂けが入り、耐久性の著しく劣ることが判明
した。イオン架橋の欠点が表面化したものである。
【0045】そこで、本発明者等は、アルミン酸塩、水
酸化アルミニウム・ゲル等の内添用アルミニウム系無機
架橋剤をエマルジョン・ラテックスに添加した上記指サ
ックについて着用試験を行ったところ、意外なことに、
1日から1週間着用しても裂けることがなかった。酸化
亜鉛によるイオン架橋が使用に際し開裂すると、架橋力
を保持しているアルミニウム・イオンが破断点を補修し
たものと考えられる。
【0046】このように、アルミン酸塩、水酸化アルミ
ニウム・ゲル等の内添用アルミニウム系無機架橋剤をカ
ルボキシル化ラテックスに添加すると、非粘着化処理が
できなかった有機架橋剤でも極めて低濃度で非粘着化処
理が可能になり、しかもイオウ加硫を行わずに、耐久性
に優れたラテックス製品を生産することが可能になる。
【0047】なお、三価以上の金属元素化合物架橋剤に
ついて再試験をしたところ、同様の結果が得られた。カ
ルボキシル基の他の有機架橋剤は、上記オキサゾリン系
架橋剤と同様、低濃度でカルボキシル化ラテックス製品
を非粘着性にする。
【0048】カルボキシル基の架橋剤ではないが、カル
ボキシル基と反応すると考えられている有機化合物も同
様の効果を有する。かかる化合物として、グリオキサー
ル、ポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポ
リアミドポリ尿素グリオキサール縮合反応生成物、ポリ
アミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合
物、ポリアミドアミン化合物、ポリアミドアミンエピハ
ロヒドリン縮合反応生成物、ポリアミドアミンホルムア
ルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンエピハロリドリン
縮合反応生成物、ポリアミンホルムアルデヒド縮合反応
生成物、ポリアミドポリ尿素エピハロヒドリン縮合反応
生成物、ポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド縮合反応
生成物、ポリアミンポリ尿素エピハロヒドリン縮合反応
生成物、ポリアミンポリ尿素ホルムアルデヒド縮合反応
生成物、ポリアミドアミンポリ尿素エピハロヒドリン縮
合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素ホルムアルデ
ヒド縮合反応生成物等がある。これらの化合物は、紙の
耐水化剤、サイズ剤、印刷適性向上剤、湿潤強度向上
剤、紙力増強剤等として開発されたもので、何れも紙の
水素結合を制御する薬品である点で共通性がある。
【0049】次に、本発明者等は、単官能エポキシ化合
物、単官能アミン類等ラテックスのカルボキシル基を架
橋するものではないが、カルボキシル基と反応し、カル
ボキシル基に由来する水素結合の形成を阻害する化合物
について検討した。その結果、カルボキシル基と結合
し、疎水化すると考えられるこれらの化合物も、前述の
化合物と同様の効果を上げることを確認した。
【0050】更に本発明者等は、カルボキシル基を封鎖
する薬品として、紙分野で使用されているサイズ剤につ
いて検討した。サイズ剤の代表例は、ロジン系サイズ剤
であり、ロジンの主成分はアビエチン酸である。ロジン
は、パルプ繊維を被覆し、その際、ロジンは優れた疎水
性を発揮する。ロジンと水との接触角は53°と大き
く、更に、アルミニウムと結合すれば、その接触角は、
130°と極めて大きく、疎水化剤としての効果は大き
い。このロジン系サイズ剤を前記同様に試験したとこ
ろ、カルボキシル基封鎖剤としての効果が確認された。
サイズ剤の効果は、ラテックス表面を物理化学的、また
は物理的に被覆し、疎水化するためであると考えられる
が、アルミニウムイオンの大きな役割が推測される。
【0051】また、最近、中性紙に使用されるサイズ剤
として、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニ
ル無水コハク酸(ASA)、カチオンサイズ剤等が使用
されているが、これらの中性サイズ剤も同様の効果を有
することが確認された。AKD、ASAの疎水化効果に
ついては、一般的に親水性基に化学的に結合し、疎水化
するといわれているが、繊維表面で自己分解して親水性
を失い、化合物全体が疎水化するとの説もある。その
際、親水性基はアンカーとして働く。いずれにしても、
係るサイズ剤は、ラテックス表面のカルボキシル基を化
学的、物理化学的、又は物理的に封鎖し、疎水化するこ
とは明白である。
【0052】更に、本発明者等は、上記疎水化の効果を
考慮し、化学的、物理的にラテックス製品の表面を疎水
化する方法を検討した。まず、界面活性剤の疎水性基に
着目し、ノニオン界面活性剤について検討したところ、
親水性-疎水性の指標であるHLBでは必ずしも非粘着
性の度合いを解釈できないことが判った。また、カチオ
ン界面活性剤、両性界面活性剤については、そのような
指標もない。そこで、以下の実施例に示す粘着性試験1
または2を行って、適否を判断することが便宜であると
考えた。粘着性試験で非粘着化効果の認められた界面活
性剤を、以下、非粘着性界面活性剤と呼ぶ。
【0053】アニオン界面活性剤も前記界面活性剤と同
様な効果を有する。しかし、アニオン界面活性剤は、凝
固剤に由来する多価金属塩と金属石鹸を形成すると、最
早、界面活性剤の機能を喪失する。アニオン界面活性剤
の金属塩は、多くの場合、粘着性を有するので、アニオ
ン界面活性剤処理は逆効果のこともあり、化合物そのも
のの特有の性質を把握するために、粘着性試験を実施す
る必要がある。尚、界面活性剤が非粘着化効果を発揮す
るためには、アルミン酸塩、水酸化アルミニウム・ゲル
等の内添用アルミニウム系無機架橋剤をエマルジョンラ
テックスに直接添加しておくことが必要である。
【0054】更に、本発明者等は、上記知見を基に、カ
ルボキシル基封鎖剤をカルボキシル化ラテックスに直接
添加する方法について検討した。浸漬製品を製造する場
合には、浸漬後のラテックスフィルムを溶出段(リーチ
ング段)で熱水抽出する。従って、ラテックスに配合し
たカルボキシル基封鎖剤は溶出段で溶出してしまい、カ
ルボキシル化ラテックス製品を非粘着性にすることがで
きない。一方、カルボキシル基封鎖剤がエマルジョン型
封鎖剤である場合、カルボキシル化エマルジョンラテッ
クスと反応するカルボキシル基封鎖剤である場合、カル
ボキシル化エマルジョンラテックスに吸着するカルボキ
シル基封鎖剤である場合、カルボキシル基封鎖剤が凝固
剤の二価の金属塩、好ましくはカルシウム塩と反応して
溶出せず、そのカルシウム石鹸が非粘着化効果を有する
場合、カルボキシル基封鎖剤がカルボキシル化エマルジ
ョンラテックスに添加されるアルミン酸塩、水酸化アル
ミニウム・ゲル等のアルミニウム系無機架橋剤と反応し
て溶出しない場合、等カルボキシル基封鎖剤が溶出しな
い特別の事情がある場合には、カルボキシル化エマルジ
ョンラテックスにカルボキシル基封鎖剤を配合しただけ
で製品を非粘着性にすることができる。
【0055】以上の知見について、本発明者等は、先に
特許出願を行った(特願2000−139733号)が、
その後更なる研究を重ねたところ、外面を塩素化処理を
施すことでも外面を非粘着性にでき、同様の効果を発揮
することを見出した。カルボキシル化ラテックス製品の
非粘着化技術は前述したが、かかる技術を用いて製造し
たカルボキシル化ラテックス製品の外表面を塩素化する
と、非粘着性のカルボキシル化ラテックス製品を製造す
ることが出来た。製品がゴム手袋である場合には、型か
ら外す際に内外表面が裏返される。従って、内側表面は
塩素化されており、着脱性の良いゴム手袋が生産され
る。
【0056】また、カルボキシル化ラテックス製品の外
表面を塩素化すると、カルボキシル化ラテックスにアニ
オン性親水性ポリマーまたはノニオン性親水性ポリマー
を添加せずに、親水性基封鎖剤を添加しただけでも、両
表面とも非粘着性のカルボキシル化ラテックス製品を得
ることができた。親水性基封鎖剤として、アニオン性、
ノニオン性界面活性剤を添加した場合でも同様であっ
た。この理由としては、カルボキシル化ラテックスにア
ニオン性、ノニオン性界面活性剤等の溶解性の大きい薬
品を添加した場合には、製造工程の溶出段(リーチング
段)で浸漬製品の外表面から該薬品が溶出してしまうた
め、全体として粘着性になるが、カルボキシル化ラテッ
クス製品の外表面を塩素化して非粘着性にすると、内表
面は薬品が溶出しないで非粘着性であるため、製品全体
が非粘着性化するものである。
【0057】内表面の非粘着性対策がすんだカルボキシ
ル化ラテックスフィルムは、塩素水溶液に浸漬するか、
塩素ガスに外表面を接触させることによって、オンマシ
ーンで塩素化することができる。塩素化したカルボキシ
ル化ラテックス製品の外表面は、非粘着性であり、内表
面は非粘着性化処理によって非粘着性である。また、手
袋の場合は、型から手袋が剥がされる際に、表裏裏返さ
れるので、内表面が塩素化された面になる。このため、
手袋の着脱性が容易である。ここで、本発明において外
表面とは、浸漬製品において成形型に接触しない面を言
い、内表面とは、成形型に接触する面を言う。
【0058】外表面の塩素化は、周知の方法で行うこと
ができる。すなわち、成形したカルボキシル化ラテック
スフィルムを塩素水溶液に浸漬する方法、塩素ガスに直
接接触する方法等を採用することができる。片面だけの
塩素化であるから、オンマシーンで実施することができ
る。以上のように、本発明を利用すると、両面が非粘着
性のラテックス製品を容易に製造することができる。か
かるラテックス製品の表面は、製造中も製造後も加熱下
に互いの表面が接触しても接着しない。従って、かかる
性質を利用すると、今までに存在しなかった製品を製造
することができる。
【0059】その一つとして、浸漬型から離型前にオン
マシーンで機械的に口元から巻き上げられた形状の非粘
着性指サックがある。口元から巻き上げられた指サック
は今までにも存在し、指への装着が容易であることから
その有用性が認められている。しかし、ラテックス製品
である指サックの両表面は本質的に粘着性であり、巻き
上げ製品を製造するためには、粉打ちまたは後塩素化等
の処理によって指サックを予め非粘着性にし、しかる
後、人手によって指サックを巻き上げていた。このた
め、製品のクリーン度を高度に維持することができず、
精密加工製品を生産する職場で使用することが困難であ
った。ところが、本発明によると、成形ラテックスの両
表面とも非粘着性にすることができるため、浸漬型の上
で機械的に指サックを巻き上げることができ、製品のク
リーン度を高度に維持することができる。近年、厚い指
サックを装着すると疲れやすい為、薄い指サックが要望
されているが、薄くなると指サックの装着がますます困
難になるため、薄く、ノン・パウダーで、非粘着性のク
リーンな巻上げ指サックが切望されている。
【0060】指サックの両表面が非粘着性であることを
利用すると、口巻きを有する指サックを簡単に製造する
ことができる。即ち、指サック製造の際、指サック上部
に塩素化処理層を設けずに粘着性のままにしておき、そ
のまま全体を巻き上げ、その後巻き戻すと、粘着性の部
分は口巻きとして残る。従来、口巻きは、まず指サック
上部のみを巻き上げて口巻きとし、その後、別工程で指
サックを離型する必要があった。口巻きは、指サックの
装着及び脱着を容易にするので、フラット製品では要望
が高い。また、従来通り口巻きを設けた後、非粘着化処
理をすることができる。
【0061】尚、前段落の巻上げ指サックにも同様の方
法で口巻きを設けることができる。即ち、本発明は、 (1)カルボキシル化ラテックス製品またはカルボキシ
ル基封鎖剤を配合したカルボキシル化ラテックス製品の
内面にカルボキシル基封鎖剤処理層を有し、外面を塩素
化処理することを特徴とする非粘着性カルボキシル化ラ
テックス製品。
【0062】(2)カルボキシル化ラテックスがNB
R、SBR、CRまたはMBRであることを特徴とする
(1)記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。 (3)カルボキシル化ラテックスに内添用アルミニウム
系無機架橋剤を添加し、架橋したことを特徴とする
(1)又は(2)記載の耐久性非粘着性カルボキシル化
ラテックス製品。
【0063】(4)ラテックス製品が浸漬製品であるこ
とを特徴とする(1)、(2)又は(3)記載の非粘着性
カルボキシル化ラテックス製品。 (5)浸漬製品が指サック、手袋、風船またはコンドー
ムであることを特徴とする(4)記載の非粘着性カルボ
キシル化ラテックス製品。
【0064】(6)カルボキシル基封鎖剤が三価以上の
金属元素架橋剤であることを特徴とする(1)、(2)、
(3)、(4)又は(5)記載の非粘着性カルボキシル化ラ
テックス製品。 (7)三価以上の金属元素架橋剤がアルミニウム、チタ
ニウム、又はジルコニウム化合物から選ばれた少なくと
も1種を含むことを特徴とする(6)記載の非粘着性カ
ルボキシル化ラテックス製品。 (8)カルボキシル基封鎖剤がカルボキシル化ラテック
スのカルボキシル基の有機架橋剤であることを特徴とす
る(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記載の非粘着性
カルボキシル化ラテックス製品。
【0065】(9) カルボキシル基有機架橋剤がアジ
リジン系化合物;エポキシ系化合物;ブロックドイソシ
アネート;オキサゾリン系化合物;カルボジイミド系化
合物;メラミンホルムアルデヒド樹脂;尿素ホルムアル
デヒド樹脂;イソシアネ−ト;フェノ−ルホルムアルデ
ヒド樹脂;グリコ−ル、ポリオール類;ジアミン、ポリ
アミン類;ヘキサメトキシメチルメラミン類;メチロー
ルアクリルアミド類;から選ばれた少なくとも1種を含
むことを特徴とする(8)記載の非粘着性カルボキシル
化ラテックス製品。
【0066】(10)カルボキシル基封鎖剤が、グリオキ
サール、ポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合
物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ
尿素化合物、ポリアミドポリ尿素グリオキサール縮合反
応生成物、ポリアミドアミン化合物、ポリアミドアミン
エピハロヒドリン縮合反応生成物、ポリアミドアミンホ
ルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンエピハロヒ
ドリン縮合反応生成物、ポリアミンホルムアルデヒド縮
合反応生成物、ポリアミドポリ尿素エピハロヒドリン縮
合反応生成物、ポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド縮
合反応生成物、ポリアミンポリ尿素エピハロヒドリン縮
合反応生成物、ポリアミンポリ尿素ホルムアルデヒド縮
合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素エピハロヒド
リン縮合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素ホルム
アルデヒド縮合反応生成物から選ばれた少なくとも1種
を含むことを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)又は
(5)記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
【0067】(11)カルボキシル基封鎖剤が単官能アミ
ン類、単官能エポキシ化合物、単官能イソシアネート、
単官能ブロックドイソシアネートから選ばれた少なくと
も1種を含むことを特徴とする(1)、(2)、(3)、
(4)又は(5)記載の非粘着性カルボキシル化ラテック
ス製品。
【0068】(12)カルボキシル基封鎖剤が、サイズ剤
であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)又は
(5)記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。 (13)カルボキシル基封鎖剤が、非粘着性界面活性剤で
あることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)又は
(5)記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
【0069】(14)(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、
(11)、(12)又は(13)記載の一種または二種以上のカル
ボキシル基封鎖剤溶液にラテックス製品の内面を接触せ
しめ、該カルボキシル基封鎖剤をラテックス表面に結合
せしめることを特徴とする(1)から(13)のいずれ
かに記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品の製
造方法。
【0070】(15)(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、
(11)、(12)又は(13)記載の一種または二種以上のカル
ボキシル基封鎖剤を混合・溶解した一価または二価のカ
ルボキシル化ラテックス用外部凝固剤液を使用すること
を特徴とする非粘着性カルボキシル化ラテックス浸漬製
品の製造方法。 (16)浸漬型に予め(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、
(11)、(12)又は(13)記載の一種又は二種以上のカルボ
キシル基封鎖剤を浸漬付着した後、更に一価または二価
の外部凝固剤を浸漬付着し、しかる後、ラテックス中に
浸漬することを特徴とする非粘着性カルボキシル化ラテ
ックス浸漬製品の製造方法。
【0071】(17)浸漬型に(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)記載の一種または二
種以上のカルボキシル基封鎖剤を浸漬付着した後ラテッ
クス液に浸漬してラテックス膜を形成し、更に一価又は
二価の外部凝固液に浸漬し、しかる後、カルボキシル化
ラテックス液中に再度浸漬することを特徴とする非粘着
性カルボキシル化ラテックス浸漬製品の製造方法。
【0072】(18)浸漬型を(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)記載の一種または二
種以上のカルボキシル基封鎖剤及び該封鎖剤に安定なカ
ルボキシル化ラテックス混合液に浸漬してラテックス膜
を形成し、更に一価又は二価の外部凝固液に浸漬し、し
かる後、カルボキシル化ラテックス液中に再度浸漬する
ことを特徴とする非粘着性カルボキシル化ラテックス浸
漬製品の製造方法。
【0073】(19)浸漬型を(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)記載の一種または二
種以上の水またはアルコール難溶性または不溶性カルボ
キシル基封鎖剤微細粉体を担体とした一価または二価の
カルボキシル化ラテックス用懸濁凝固液に浸漬し、しか
る後カルボキシル化ラテックス液に浸漬することを特徴
とする非粘着性カルボキシル化ラテックス浸漬製品の製
造方法。
【0074】(20)カルボキシル化ラテックス製品または
カルボキシル基封鎖剤を配合したカルボキシル化ラテッ
クス製品の外面を、塩素水溶液に浸漬する又は塩素ガス
で処理することを特徴とする非粘着性カルボキシル化ラ
テックス浸漬製品の製造方法。 (21)(5)記載の指サックが浸漬型から離型前に機械
的に口元から巻き上げられた形状であることを特徴とす
る非粘着性指サック。
【0075】(22)指サックが口巻きを有することを特
徴とする(5)または(21)記載の非粘着性指サッ
ク。 (23)浸漬の際、上部に粘着部分を設け、しかる後巻き
上げることを特徴とする(22)記載の口巻きを有する
非粘着性指サックの製造方法。
【0076】(24)口巻きを設けた後、外側表面を塩素
水溶液又は塩素ガスで処理をすることを特徴とする
(5)または(21)記載の非粘着性指サックの製造方
法 である。ここで、カルボキシル基封鎖剤とは、カルボキ
シル基を化学的、物理化学的、または物理的に封鎖し、
カルボキシル基に由来する水素結合の形成を抑制する物
質を云い、具体的には、実施例の粘着性試験1または2
でカルボキシル化ラテックスを非粘着性にすることがで
きる化合物を云う。また、非粘着性界面活性剤とは、具
体的には、粘着性試験1または2でカルボキシル化ラテ
ックスを非粘着性にすることができる界面活性剤を云
う。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る非粘着性カルボキシル化ラテックス製品の
第1は、カルボキシル基封鎖剤をエマルジョンラテック
スに直接添加して非粘着化したラテックス製品である。
【0078】また、第2の非粘着性カルボキシル化ラテ
ックス製品は、カルボキシル化ラテックス基体の内面に
カルボキシル基封鎖剤処理層を有するカルボキシル化ラ
テックス製品であり、両製品とも本質的に非粘着性であ
る。また、乾式及び湿式の着用性等の特別の用途特性を
要求される場合には、更にその外面に公知の技術による
外層を設けることができる。
【0079】粘着防止が必要とされるラテックス製品と
しては、たとえば風船、手袋、指サック、コンドームな
どの浸漬製品、ゴム糸、ゴム管、などの押出し製品、気
球、玩具などの注型製品、ゴムシート、ホース、引布な
どの全ゴム製品やゴム表面を有する製品などであって、
特に限定されるものではない。対象となるカルボキシル
化ラテックスの種類も、特に限定されるものではない
が、NBR,SBR,CR,MBR等のエラストマー・
ラテックスの内、カルボキシル化されているものが好適
である。
【0080】カルボキシル化ラテックスに添加するいわ
ゆる加硫剤については、特に限定されないが、イオウ加
硫、過酸化物加硫、酸化亜鉛加硫、放射線加硫等一般的
な加硫剤を使用することができる。しかし、精密機器分
野等、金属とイオウとの反応を嫌う分野にラテックス製
品を使用する場合には、イオウを加硫剤として使用する
ことができない。係る用途には、酸化亜鉛加硫が一般的
であるが、イオン架橋であるために、着用時に裂ける危
険がある。特に、薄い手袋、又は指サック製品の場合に
耐久性が要求される。そこで、カルボキシル化ラテック
スに内添用アルミニウム系無機架橋剤を添加すると、耐
久性が大幅に向上すると共に、カルボキシル基封鎖剤と
して作用する化合物の範囲が大幅に広がり、添加濃度も
大幅に低減できる。ここで、内添用アルミニウム系無機
架橋剤とは、カルボキシル化ラテックスに直接添加して
も、常温ではラテックスを凝固させず、加熱されるとカ
ルボキシル化ラテックスを架橋する無機系アルミニウム
化合物を云う。その代表例は、水溶性のアルミン酸ナト
リウム等のアルミン酸アルカリ金属塩、難溶性のアルミ
ン酸カルシウム等のアルミン酸アルカリ土金属塩、水酸
化アルミニウムゲル等である。その他、メタ珪酸アルミ
ン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、アルミノシ
リカゲル、アルミノシリケート等の多様なアルミニウム
化合物群が含まれる。換言すれば、添加の状態ではアル
ミニウムイオンに解離していないで、加熱されるとラテ
ックスのカルボキシル基をイオン架橋する化合物群を云
う。これらの化合物のアルミニウムイオン架橋は、水酸
化アルミニウムを経由して架橋するものと考えられる。
【0081】ラテックス製品が浸漬製品である場合に
は、外部凝固剤を使用することが好ましく、通常使用さ
れる外部凝固剤の何れでも使用することができる。通常
一価又は二価の多価金属塩が常用されるが、一価の塩に
はアンモニウム塩が含まれる。ここで、外部凝固剤と
は、ラテックスに直接配合されず、主に浸漬型に付着さ
せ、凝着浸漬法などに使用されるものをいう。
【0082】本発明で使用するカルボキシル基封鎖剤と
は、カルボキシル化ラテックスのカルボキシル基に対し
て化学的、物理化学的または物理的に作用し、疎水化す
ることによって、カルボキシル基に由来する水素結合の
形成を抑制し、ラテックス製品を非粘着性にする化合物
をいう。カルボキシル基封鎖剤の第一は、三価以上の原
子価を持つ金属元素化合物である。三価以上のものであ
ればいずれでもよいが、化合物の安全性、変色等の副作
用を十分に考慮する必要がある。
【0083】本発明で外部架橋剤として使用することが
できる三価以上の金属元素化合物を例示すれば、水また
はアルコールに可溶なものと、難溶または不溶なものと
があり、可溶性の三価の金属元素化合物としては、アル
ミニウム塩、第二鉄塩、クロム塩、トリウム塩などがあ
るが、実用上、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、
硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウムなどのアルミニウ
ム塩が好適である。
【0084】ポリ塩化アルミニウム(PAC)、水溶性ポ
リ水酸化アルミニウムは三価以上の原子価を有し、さら
に好適である。特に水溶性ポリ水酸化アルミニウムは、
実施例に示すように、有機架橋剤と同程度の低濃度で、
効果がある。 金属が両性元素である場合には、金属酸
塩も使用可能であり、アルミン酸ナトリウムがその代表
例である。観察によると、アルミン酸ナトリウムは、成
膜したラテックス表面で水酸化アルミニウムに転換し、
しかる後架橋するものと考えられる。
【0085】外部架橋剤として作用する水又はアルコー
ル難溶性または不溶性金属元素化合物には、酸化物、水
酸化物、金属酸のアルカリ土金属塩などがある。水酸化
アルミニウム、アルミン酸カルシウムまたはマグネシウ
ムが代表例であるが、アルミニウム化合物にはアルミノ
・シリケート等多様な物質群があり、これらも本発明に
含まれる。なお、通常の結晶性水酸化アルミニウムは架
橋反応には関与し難いが、いわゆる無定形水酸化アルミ
ニウムをボール・ミル等で分散し、比表面積を大きくし
たものは、架橋反応に関与し、しかも、成膜したラテッ
クス表面に吸収される。また、アルミン酸カルシウム、
アルミン酸マグネシウムも同様にラテックス表面に吸収
される。
【0086】尚、ここで外部架橋剤とは、基体となるエ
マルジョン・ラテックスに直接配合されず、エマルジョ
ン・ラテックス表面、又はラテックス・フィルム表面に
接触してラテックスを架橋する架橋剤を云う。本発明で
使用する四価の金属元素化合物としては、硝酸ジルコニ
ール、炭酸ジルコニール・アンモニウム、炭酸ジルコニ
ールW、炭酸アンモンオキシ塩化ジルコニールなどのジ
ルコニウム化合物、乳酸チタニウム、無水マレイン酸チ
タニウム、シュウ酸チタニウムなどのチタニウム化合物
がある。
【0087】三価以上の水溶性金属塩の場合には、金属
イオンは解離してカチオン性であり、カルボキシル基の
アニオンと低温でも反応する。また、シュルツ−ハーデ
ィの法則に従い、架橋力が強い。このため、三価以上の
金属イオンの拡散は極めて小さく、ラテックス膜の強度
低下は最小限に抑えられる。したがって、金属塩の濃度
がかなり高くても、製品の品質は良好に保たれる。
【0088】また、本発明で使用する三価以上の金属元
素の化合物には、有機化合物も含まれる。カルボン酸塩
がその代表例であり、前述の酢酸アルミニウム、酢酸ジ
ルコニル、乳酸チタニウム、無水マレイン酸チタニウ
ム、シュウ酸チタニウム、ラク酸チタニウムなどがある
が、特にカルボン酸塩に限定されるものではない。
【0089】三価以上の金属元素外部架橋剤の処理濃度
は、ラテックスの種類、反応に預かる官応基の量、乳化
剤、分散剤の種類及び量、架橋剤の種類、処理方法、浸
漬型の架橋剤担持能力等により変動するが、金属元素の
酸化物換算で0.1%から5%の範囲が好適である。外
部凝固剤に配合して使用する場合には、0.01%から
0.5%の範囲で十分効果を発揮するが、形成したラテ
ックス・フィルムに作用させる場合、及び外部架橋剤層
の上に外部凝固剤層を設ける場合には、0.2%から1
%の濃度が好ましい。外部凝固剤に配合して使用する場
合には、ラテックスの一価陽イオン、通常アンモニウム
・イオン又はカリウム・イオン、ナトリウム・イオンを
置換して架橋するのに対し、それ以外の場合には、凝固
剤として使用されて、ラテックスと結合している二価の
陽イオン、通常カルシウム・イオンと置換して架橋する
必要があるためと考えられる。
【0090】尚、ラテックスに直接内添用アルミニウム
系無機架橋剤を添加する系では、外部架橋剤の処理濃度
を低減することができる。第二のカルボキシル基封鎖剤
は、カルボキシル化エマルジョン・ラテックスのカルボ
キシル基の有機架橋剤である。カルボキシル基を架橋す
る有機架橋剤であれば、種類を問わないが、具体的な有
機架橋剤としては、アジリジン系化合物;エポキシ系化
合物;ブロックドイソシアネート;オキサゾリン系化合
物;カルボジイミド系化合物;メラミンホルムアルデヒ
ド樹脂;尿素ホルムアルデヒド樹脂;イソシアネ−ト;
フェノ−ルホルムアルデヒド樹脂;グリコ−ル、ポリオ
ール類;ジアミン、ポリアミン類;ヘキサメトキシメチ
ルメラミン類;メチロールアクリルアミド類;が一般的
であり、特に限定されない(ラテックス・エマルジョン
の最新応用技術、p.323沖倉元治編著、中日社 参
照)。
【0091】カルボキシル基の有機架橋剤は、反応温度
が一般にかなり高温である。しかし、本発明によれば、
添加量が極めて少ないこともあり、90℃〜120℃程
度の温度で効果を発揮する。しかし、温度が低い段階で
時間が経過すると、ラテックス・フィルムの強度が発現
する前に架橋剤がZ−軸方向に拡散し、酸化亜鉛等のい
わゆるラテックスの加硫剤と競合して加硫を抑制し、フ
ィルムの強度が低下する。特に、浸漬法の溶出段(リー
チング段)の温度は、65℃以上、好ましくは、70℃
〜85℃が好ましい。85℃以上になると、浸漬型とフ
ィルムの間に気泡が発生し、好ましくない。凝固剤中の
有機架橋剤の濃度が高いと、架橋剤の拡散が大きくな
り、同様にして強度低下を起こす。しかし、エマルジョ
ン型の架橋剤または反応性の高い架橋剤は拡散の程度が
小さいし、凝固剤液に対する架橋剤の溶解性の難易度に
よっても拡散の程度は異なる。したがって、粘着性試験
によって最適条件を決定することが好ましい。有効成分
濃度0.025%と0.0025%の2水準で試験する
ことによって、ほぼ適当な濃度を決定することができ
る。カルボキシル基エマルジョン・ラテックス製品を非
粘着性にするための架橋剤量は、極めて少ない。
【0092】カルボキシル基の架橋剤ではないが、カル
ボキシル基と反応すると考えられている有機化合物も同
様の効果を有する。かかる化合物として、グリオキサー
ル、ポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポ
リアミドポリ尿素グリオキサール縮合反応生成物、ポリ
アミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合
物、ポリアミドアミン化合物、ポリアミドアミンエピハ
ロヒドリン縮合反応生成物、ポリアミドアミンホルムア
ルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンエピハロヒドリン
縮合反応生成物、ポリアミンホルムアルデヒド縮合反応
生成物、ポリアミドポリ尿素エピハロヒドリン縮合反応
生成物、ポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド縮合反応
生成物、ポリアミンポリ尿素エピハロヒドリン縮合反応
生成物、ポリアミンポリ尿素ホルムアルデヒド縮合反応
生成物、ポリアミドアミンポリ尿素エピハロヒドリン縮
合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素ホルムアルデ
ヒド縮合反応生成物等が有効である。これらの化合物
は、紙の耐水化剤、印刷適性向上剤、湿潤強度向上剤、
紙力増強剤等として開発されたものが多く、何れも紙の
水素結合形成を制御する薬品として開発された点で共通
性がある。反応条件および添加濃度も有機架橋剤と同程
度に効果がある。
【0093】上記化合物の製法は、特に限定されるもの
ではないが、一般的な製法を以下に記述する。ポリアミ
ド化合物(ポリアミドアミン化合物とも称せられる)
は、アミン類とカルボキシル基を有する化合物の脱水縮
合反応によって得られる。
【0094】ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポ
リ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物、及び
ポリアミドアミン化合物は、ポリアルキレンポリアミン
またはアルキレンポリアミン、尿素類、及び二塩基性カ
ルボン酸の反応生成物であるが、少量のアルデヒド類、
エピハロヒドリン類、またはα,γ−ジハロ−β−ヒド
リン類で変成してもよい。その製法は、特公昭59−3
2597、特開平4−10097等に記載されている。
【0095】ポリアミドアミン−エピハロヒドリン縮合
反応生成物、ポリアミドアミン−ホルムアルデヒド縮合
反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン縮合反応生
成物、ポリアミン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物、
ポリアミドポリ尿素―エピハロヒドリン縮合反応生成
物、ポリアミドポリ尿素―ホルムアルデヒド縮合反応生
成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン縮合反応
生成物、ポリアミンポリ尿素―ホルムアルデヒド縮合反
応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素―エピハロヒドリ
ン縮合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素−ホルム
アルデヒド縮合反応生成物は、ポリアルキレンポリアミ
ン、尿素類、二塩基性カルボン酸類、エピハロヒドリン
類、またはホルムアルデヒドの反応生成物である。特公
昭52−22982、特公昭60−31948、特公昭
61−39435、特開昭55−127423等に製法
が記載されている。
【0096】紙のサイズ剤は、紙の親水性基を疎水化
し、インキの滲みを防止するものであり、かかる薬品も
カルボキシル化ラテックス製品を非粘着性にする。カル
ボキシル基を化学的、物理化学的、または物理的に疎水
化して、非粘着性にするものと考えられる。その疎水化
機構については、必ずしも定説はないが、紙の疎水化剤
として開発されたものであるだけに、効果は大きく、安
定している。
【0097】サイズ剤には、紙用としては内添サイズ剤
と表面サイズ剤があるが、本発明には、何れのサイズ剤
でも使用することができる。また、その機能を発揮すれ
ば、サイズ剤であるか否かの名称を問わない。内添サイ
ズ剤は、紙分野においては、酸性用サイズ剤、中性用サ
イズ剤、酸性/中性用サイズ剤に分類されている(特開
平11−61682)。
【0098】酸性用サイズ剤としては、ロジン系サイズ
剤、脂肪酸石鹸サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂サイ
ズ剤等が挙げられる。ロジン系サイズ剤には、ロジン
類、及びロジン誘導体がある。ロジン類とは、アビエチ
ン酸、パルストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマ−ル
酸、イソピマ−ル酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸
を主成分とするガムロジン、ウッドロジン、ト−ル油ロ
ジンを云う。
【0099】ロジン誘導体としては、例えば水添ロジ
ン、不均化ロジン、重合ロジン、変性ロジン類、強化ロ
ジン類、ロジンエステル類、強化ロジンエステル類等が
ある。変性ロジン類には、(アルキル)フェノ−ル・ホ
ルマリン樹脂変性ロジン、キシレン樹脂変性ロジン、ア
ルデヒド変性ロジン、スチレン変性ロジン等がある。
【0100】強化ロジン類は、前記ロジン類とα,β−
不飽和カルボン酸を加熱反応させて得られる。ロジンエ
ステル類は、ロジン類と多価アルコ−ル類とを公知のエ
ステル化法により製造されるものを云う。
【0101】強化ロジンエステル類は、前記ロジン類及
び/または前記変性ロジン類に公知の多価アルコ−ル類
及びα、β不飽和カルボン酸を順次又は同時に反応させ
て得られるものを云う。脂肪酸石鹸サイズ剤としては、
パルミチン酸やステアリン酸等の炭素数8〜24程度の
脂肪酸及びその混合物をアルカリで中和したサイズ剤で
ある。
【0102】合成サイズ剤としては、イソブテンの2量
体、ないし4量体のオリゴマ−及びその混合物を無水マ
レイン酸と反応させて得られる置換コハク酸無水物をア
ルカリで中和して得られるサイズ剤を挙げることができ
る。石油樹脂サイズ剤としては、石油樹脂をマレイン酸
等の不飽和カルボン酸で変性したサイズ剤を挙げること
ができる。石油樹脂としては、1,3−ペンタジエン、
イソプレ−ン等のC5オレフィンを重合して得られるC
5系石油樹脂、クマロン、インデン等のC9オレフィン
を重合して得られるC9系石油樹脂、C5オレフィンと
C9オレフィンとを共重合して得られるC5/C9共重
合体系石油樹脂、ジシクロペンタジエン及びその誘導体
を重合して得られるジシクロペンタジエン系石油樹脂等
を挙げることができる。
【0103】中性用サイズ剤としては、アルキルケテン
ダイマ−系サイズ剤、アルケニルケテンダイマ−系サイ
ズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、中性用ロ
ジン系サイズ剤等が挙げられる。アルキルケテンダイマ
−系サイズ剤またはアルケニルケテンダイマ−系サイズ
剤は、通常、炭素数12〜24程度の対応する飽和の脂
肪酸クロライドまたは不飽和の脂肪酸クロライドを、ト
リエチルアミンのような塩基で処理して2量化すること
により製造されるアルキルケテンダイマ−またはアルケ
ニルケテンダイマ−を乳化することにより製造すること
ができる。
【0104】アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤は、
炭素数12〜24程度の末端及び/または内部オレフィ
ンに無水マレイン酸を付加反応させて製造されるアルケ
ニルコハク酸無水物を乳化して製造することができる。
中性用ロジン系サイズ剤としては、ロジン類の多価アル
コ−ルエステル類や、石油樹脂類の含有物を水に分散さ
せたエマルジョンを挙げることができる。
【0105】前記ロジン類の多価アルコ−ルエステル類
としては、ロジン類と、(a)多価アルコ−ル類の範疇
に含まれる少なくても一種、または(a)多価アルコ−
ル類の範疇に含まれる少なくても一種及び(b)α,β
不飽和カルボン酸類及びその誘導体の範疇に含まれる少
なくても一種との反応により得られるロジンエステル類
を含有する反応生成物を挙げることができる。
【0106】酸性/中性用サイズ剤としては、カチオン
化脂肪酸ビスアミド系サイズ剤、カチオン化石油樹脂系
サイズ剤、カチオン化ポリマ−系サイズ剤、α−ヒドロ
キシカルボン酸系サイズ剤等が知られている。カチオン
化脂肪酸ビスアミド系サイズ剤、カチオン化石油樹脂系
サイズ剤は、通常、炭素数12から24程度の脂肪酸ま
たは石油樹脂類のマレイン酸付加物をジエチレントリア
ミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアミン類及
びこれらの混合物と反応させた後、エピクロルヒドリン
等と反応させて合成される。
【0107】カチオン性ポリマ−系サイズ剤は、通常、
水及び/または有機溶媒中でジメチルアミノエチルメタ
クリレ−ト等のカチオン性ビニルモノマ−、スチレン、
或いはアクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレ−
ト等の疎水性モノマ−等をラジカル共重合して合成され
る。α−ヒドロキシカルボン酸類系サイズ剤は、高級ア
ルコ−ルや高級アミンをクエン酸等のオキシ酸類と反応
させて製造される。
【0108】表面サイズ剤は、一般的に疎水部とカルボ
キシル基等のアニオン部からなる。かかる表面サイズ剤
は、例えば疎水性モノマ−とα,β−不飽和モノカルボ
ン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、不飽和スルホン酸
等のアニオン性モノマ−を共重合することにより得られ
る(特開2000−45197)。
【0109】疎水性モノマ−とアニオン性モノマ−の共
重合体からなる表面サイズ剤の具体例としては、例え
ば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン
−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マ
レイン酸−マレイン酸半エステル共重合体、(ジ)イソ
ブチレン−マレイン酸共重合体、(ジ)イソブチレン−
マレイン酸−マレイン酸半エステル共重合体、及びこれ
らの塩等が挙げられる。
【0110】また、前記以外の表面サイズ剤としては、
アルキルケテンダイマ−、アルケニル(無水)コハク
酸、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレ−ト共重合体及びその
エピハロヒドリン反応物等が挙げられる。
【0111】カルボキシル基封鎖剤は、カルボキシル基
の架橋剤であることを要しない。カルボキシル基に対し
て、化学的または物理化学的、さらには物理的に作用
し、疎水化して水素結合形成を阻害する物質であれば、
カルボキシル化ラテックス製品を非粘着性にする。
【0112】具体的には、単官能アミン類、単官能エポ
キシ化合物、単官能イソシアネート、単官能ブロックド
イソシアネート等カルボキシル基と架橋構造を形成し得
ない化合物もカルボキシル化エマルジョン・ラテックス
製品を非粘着性にする。官能基が1つであるから架橋す
ることはありえないが、これらの化合物に疎水性基が付
いていると、カルボキシル基と反応して疎水化する。ア
ミン類としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級
アミン、第四級アミンのいずれでも効果がある。
【0113】界面活性剤は、親水性基と疎水性基で構成
されている。その親水性基をカルボキシル化エマルジョ
ン・ラテックス製品の表面に、疎水性基を外側に配位す
れば、製品表面のカルボキシル基は封鎖され、疎水化し
て非粘着性になるはずである。従って、界面活性剤の疎
水性の度合いは、製品の非粘着化の程度を左右する筈で
あるが、界面活性剤が、製品表面に疎水性基を外側に向
けて配位するかどうかは、界面活性剤そのものの物理、
化学的性質、ラテックスの性質、アルミニウム化合物の
添加の有無等によって決定されるものであり、一般則を
見出すことは困難である。そこで、実施例に示す粘着性
試験によって、非粘着性界面活性剤を選択する必要があ
る。尚、試験の結果、界面活性剤が非粘着化効果を有す
るのは、水酸化アルミニウムゲル、アルミン酸塩等の内
添用アルミニウム系無機架橋剤をエマルジョンラテック
スに添加した場合であり、その原因は、界面活性剤の性
質上、界面活性剤がラテックス膜を拡散してしまうため
であると考えられる。内添用アルミニウム系無機架橋剤
は、界面活性剤の拡散を抑制すると考えられる。
【0114】ノニオン界面活性剤については、一般的な
傾向を見出すことができない。ただし、HLBの高いノ
ニオン界面活性剤は非粘着化効果が低く、アミン、アミ
ド系のノニオン界面活性剤が非粘着化効果の良いことが
判る。カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤は、界面
活性剤のカチオンとカルボキシル基のアニオンがイオン
結合をする。従って、上述の粘着性試験を行うと、良い
結果を出すものが多い。しかし、両界面活性剤とも、カ
ルボキシル基と低温で化学反応するので、凝固剤に添加
して使用する場合には、浸漬の際にラテックス膜の形成
に影響を及ぼす。即ち、活性剤の種類、濃度によって
は、浸漬方向に細い皺が入ったり、場合によっては亀裂
が生ずる。更に、界面活性剤が内部に拡散すると、酸化
亜鉛等のいわゆるラテックスの加硫剤と競合して加硫を
阻害するので、強度低下を起こす。したがって、拡散を
抑制するために界面活性剤濃度を低く抑える、乾燥段
階、溶出段階の温度を高くして加硫を促進する等の対策
を必要とする等の副作用が大きい。この点からも粘着性
試験を必要とする。
【0115】アニオン界面活性剤が、いかにして非粘着
化効果を有するかは不明である。一般に、アニオン界面
活性剤はカルボキシル化エマルジョン・ラテックスの合
成の際に乳化剤として使用されている。しかも、例えば
ドデシルベンゼンスルホン酸などは、浸漬の際、凝固剤
の金属塩と反応し、大部分が金属石鹸となって、界面活
性剤としての機能を失う。その上、金属石鹸は潤滑油と
して使用されるように、多少の粘着性を有する。しか
し、アニオン界面活性剤の中には、非粘着化効果の優れ
たものがある。構造の中にアミン、アミド基を持ち、カ
ルボキシル基との反応が考えられるもの、多環構造を持
ち、疎水性が大きいと考えられる界面活性剤に有効なも
のが多い。例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合反応生成物、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン重縮合反応生成物が有効である。上述のロジンサイズ
剤は、この部類に入るものとも解釈できる。
【0116】界面活性剤は、その性質上、カルボキシル
化エマルジョン・ラテックス製品の各製造段階及び製品
の性質に多大の影響を与える。したがって、使用できる
かどうかの判断には、粘着性試験を行い、非粘着化効果
を確認すると共に、成膜に及ぼす影響、品質に及ぼす影
響を検討する必要がある。本発明の非粘着性ラッテクス
製品の製造方法は各種あり、特に限定されない。
【0117】製品が既に成膜されている場合には、製品
の内面をカルボキシル基封鎖剤溶液と接触させ、該封鎖
剤でカルボキシル化ラテックス表面を処理することがで
きる。カルボキシル基封鎖剤の種類によっては、反応は
きわめて迅速であって、製品を取り出すと、既にラテッ
クス・フィルム表面は粘着性を失っている場合がある
が、製品を取り出してから加熱を要する場合もある。何
れにしても、処理効果を完全に発揮させるために、加熱
処理をすることが望ましい。浸漬製品の場合には、浸漬
型に一種又は二種以上のカルボキシル基封鎖剤と通常の
外部凝固剤を付着させてからエマルジョン・ラテックス
に接触させ、ラテックスの凝固と封鎖剤処理を同時に行
うことができる。
【0118】浸漬型へのカルボキシル基封鎖剤の付着方
法には四通りある。第一の方法は、一価又は二価の多価
金属塩からなる通常の外部凝固剤と本発明の一種又は二
種以上のカルボキシル基封鎖剤を混合溶解し、浸漬型に
付着する方法である。第二の方法は、本発明のカルボキ
シル基封鎖剤を浸漬型に付着した後、その層の上に通常
の外部凝固剤を付着する方法である。本方法の変法とし
て、エマルジョン・カルボキシル化ラテックスにカルボ
キシル基封鎖剤を配合し、該配合液に浸漬型を浸漬して
薄いラテックス膜を形成し、その型を一価または二価の
外部凝固液に浸漬し、しかる後、カルボキシル化ラテッ
クス液中に再度浸漬する方法がある。
【0119】第三の方法は、粉状の本発明の一種又は二
種以上のカルボキシル基封鎖剤を担体として使用し、通
常の外部凝固剤液に該カルボキシル基封鎖剤を懸濁し、
しかる後、浸漬型に付着する方法である。この方法は、
完全にはノン・パウダーとは言えないが、カルボキシル
基封鎖剤がラテックスと反応して吸収されるため、完成
製品の表面には粉が認められない程度にまで少なくする
ことはできる。かかる浸漬型をエマルジョン・ラテック
ス液に浸漬すると、型に接する内表面が非粘着性である
浸漬製品が得られる。
【0120】第四の方法は、カルボキシル基封鎖剤を外
部凝固剤として使用して薄いラテックスのカルボキシル
基封鎖剤処理膜を形成し、その上に更に一価又は二価の
金属元素化合物からなる外部凝固剤を付着して、再度ラ
テックス液に浸漬する方法である。この方法でも内表面
を非粘着性にすることは可能であるが、製品が層間剥離
する心配がある。また、製品の外表面は、上述した方法
で非粘着性にすることができる。
【0121】尚、注型製品の場合には、型の内面に本発
明のカルボキシル基封鎖剤のみで処理して使用すること
ができる。以上のように、本発明を利用すると、両面が
非粘着性のラテックス製品を容易に製造することができ
る。かかるラテックス製品の表面は、製造中も製造後も
加熱下に互いの表面が接触しても接着しない。従って、
かかる性質を利用すると、今までに存在しなかった製品
を製造することができる。
【0122】その一つとして、浸漬型から離型前に機械
的に口元から巻き上げられた形状の非粘着性指サックが
ある。口元から巻き上げられた指サックは今までにも存
在し、指への装着が容易であることからその有用性が認
められている。しかし、ラテックス製品である指サック
の両表面は本質的に粘着性であり、巻き上げ製品を製造
するためには、粉打ちまたは後塩素化等の処理によって
指サックを予め非粘着性にし、しかる後、人手によって
指サックを巻き上げていた。このため、製品のクリーン
度を高度に維持することができず、精密加工製品を生産
する職場で使用することが困難であった。ところが、本
発明によると、成形ラテックスの両表面とも非粘着性に
することができるため、浸漬型の上で機械的に指サック
を巻き上げることができ、製品のクリーン度を高度に維
持することができる。近年、厚い指サックを装着すると
疲れやすい為、薄い指サックが要望されているが、薄く
なると指サックの装着がますます困難になるため、薄
く、ノン・パウダーで、非粘着性のクリーンな巻上げ指
サックが切望されている。
【0123】指サックの両表面が非粘着性であることを
利用すると、口巻きを有する指サックを簡単に製造する
ことができる。即ち、指サック製造の際、指サック上部
にカルボキシル基封鎖剤層を設けずに粘着性のままにし
ておき、そのまま全体を巻き上げ、その後巻き戻すと、
粘着性の部分は口巻きとして残る。従来、口巻きは、ま
ず指サック上部のみを巻き上げて口巻きとし、その後、
別工程で指サックを離型する必要があった。口巻きは、
指サックの装着及び脱着を容易にするので、フラット製
品では要望が高い。また、従来通り口巻きを設けた後、
非粘着化処理をすることができる。
【0124】尚、前段落の巻上げ指サックにも同様の方
法で口巻きを設けることができる。以下に、実施例を挙
げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例
に限定されるものではない。尚、実施例に示す%及び部
数は、特に示す場合を除き、重量パーセント及び重量部
数である。また、以下の実施例においては、実験の容易
さ、効果の確認の容易さの観点から、特に示さない限
り、浸漬法によりラテックス・フィルムを作成し、各種
試験に供したが、本発明は浸漬製品に限定されるもので
はない。
【0125】(実施例) 1.ラテックス原料の調整 原料ラテックス(日本ゼオン社製カルボキシル化NBR
Nipol LX−551)に加硫剤として、活性亜
鉛華 1.5部および水酸化アルミニウム・ゲル 0.
25部(Al203として)を添加する。さらに、水ま
たは水及びカルボキシル基封鎖剤溶液で希釈して、固形
分濃度を22.5%調整した。
【0126】2.凝固剤溶液の調整 硝酸カルシウム・四水塩;300g/1000g凝固剤
水溶液を調整した。カルボキシル基封鎖剤で内表面を処
理する場合には、カルボキシル基封鎖剤を凝固剤水溶液
に添加した。
【0127】3.カルボキシル化合成ゴムラテックスフ
ィルムの成形 凝固剤液に浸漬して凝固剤を付着させた成形型を上記カ
ルボキシル化合成ゴムラテックス液に浸漬する。5秒間
滞留させた後、ラテックスフィルムを形成する。ラテッ
クスフィルムの膜厚は、0.08mmであった。このフ
ィルムを50℃で2分間前乾燥し、75℃で3分間溶出
(リ−チング)処理した。その後、90℃で1分間乾燥
し、塩素濃度0.4gの塩素水溶液に5秒間浸漬し、そ
の後、90℃で5分間加熱した。このようにして作成し
たラテックスフィルムを成形型の上で巻き上げ、型から
外す。このサンプルを粘着性試験に供する。粘着性試験
は、フィルムを巻き上げたサンプルを90℃30分間加
熱し、冷却後、巻き戻す。容易に巻き戻せる場合を○、
巻戻しが途中で容易ではないものを△、巻き戻しがかな
り困難なものを×とした。
【0128】(比較例1)前述の条件で、凝固剤にもラ
テックスにもカルボシキル基封鎖剤を添加せず、外表面
塩素処理だけでラテックス・フィルムを作成し粘着性試
験を行った。結果を表1に示す。粘着性試験後のサンプ
ルは巻き戻すことがかなり困難であった。
【0129】
【表1】
【0130】(実施例1)カルボシキル基封鎖剤として
サイズ剤をラテックスに内添し、外表面を塩素化した場
合の粘着性試験の結果を表2に示す。実施例で使用した
カルボシキル基封鎖剤は以下の通りである。 (実施例1)強化ロジンサイズ剤 サイズパインE−5
0(荒川化学工業製)
【0131】
【表2】
【0132】(実施例2〜4)カルボシキル基封鎖剤と
して有機架橋剤をラテックスに内添し、外表面を塩素化
した場合の粘着性試験の結果を表3に示す。実施例で使
用したカルボシキル基封鎖剤は各々以下の通りである。
【0133】
【表3】
【0134】(実施例2)ブロックドイソシアネート
プロミネートXC−915(武田薬品工業製) (実施例3)オキサゾリン系架橋剤 エポクロスWS−
500(日本触媒製) (実施例4)単官能変性ビスフェノールA型エポキシエ
マルジョン デナキャストEM―103(ナガセ化成工
業製)
【0135】(実施例5)カルボシキル基封鎖剤として
界面活性剤をラテックスに内添し、外表面を塩素化した
場合の粘着性試験の結果を表4に示す。実施例で使用し
たカルボシキル基封鎖剤は以下の通りである。
【0136】
【表4】
【0137】(実施例5)β―ナフタレンスルホン酸ホ
ルマリン縮合物 デモールN (花王製) (実施例6)カルボシキル基封鎖剤として水素結合形成
調節剤をラテックスに内添し、外表面を塩素化した場合
の粘着性試験の結果を表5に示す。実施例で使用したカ
ルボシキル基封鎖剤は以下の通りである。 (実施例6)ポリアミドポリ尿素系樹脂 Sumire
z Resin 703(住友化学製)
【0138】
【表5】
【0139】(実施例7)カルボシキル基封鎖剤として
サイズ剤を内表面処理に用い、外表面を塩素化した場合
の粘着性試験の結果を表6に示す。実施例で使用したカ
ルボシキル基封鎖剤は以下の通りである。 (実施例7)アルキルケテンダイマー ハーサイズAK
−720H(ハリマ化成製)
【0140】
【表6】
【0141】(実施例8)カルボシキル基封鎖剤として
有機架橋剤を内表面処理に用い、外表面を塩素化した場
合の粘着性試験の結果を表7に示す。実施例で使用した
カルボシキル基封鎖剤は以下の通りである。 (実施例8)ブロックドイソシアネート プロミネート
XC−915(武田薬品工業製)
【0142】
【表7】
【0143】(実施例9)カルボシキル基封鎖剤として
水素結合形成調節剤を内表面処理に用い、外表面を塩素
化した場合の粘着性試験の結果を表8に示す。実施例で
使用したカルボシキル基封鎖剤は以下の通りである。 (実施例9)ポリアミド樹脂 Sumirez Res
in 5001(住友化学製)
【0144】
【表8】
【0145】(実施例10)カルボシキル基封鎖剤とし
てアルミニウム系化合物を内表面処理に用い、外表面を
塩素化した場合の粘着性試験の結果を表9に示す。実施
例で使用したカルボキシル基封鎖剤は以下の通りであ
る。 (実施例10)ポリ水酸化アルミニウム Paho#2
S(浅田化学工業製)
【0146】
【表9】
【0147】以上の実施例からわかるように、本発明に
基づくものは、いずれのカルボシキル化ラテックスフィ
ルムも非粘着性であった。以下に、本発明の製品を製造
する装置の実施例を示すが、これらに限るものではな
い。
【0148】(実施例11)図1のような浸漬型搬送装
置(特開平07−329084を参照)を元に図2のよ
うな試作用指サック製造装置を製作し、該試作用指サッ
ク製造装置を用いて実施例1から実施例10と同様にし
て指サックを作成した。
【0149】図1の浸漬型搬送装置はチェーン1をガイ
ドレール2に沿って移動させて浸漬型3を搬送し、ロッ
ド4はガイド5に沿って移動して浸漬型3の上下運動が
可能となっている。図2において浸漬槽6を通過する際
には浸漬型3が下がって浸漬する。浸漬槽は予め、凝固
液槽、ラテックス液槽、溶出処理槽、塩素処理槽をそれ
ぞれ用意しておき、必要に応じて浸漬槽を入れ替えて各
浸漬処理および溶出処理を行なった。各浸漬処理後およ
び溶出処理後は浸漬型3を乾燥炉7まで搬送し乾燥し
た。巻上げ機8、巻戻し機9を使用する以外は、ガイド
5を調整して浸漬型3を下がらないようにして、浸漬型
3が巻上げ機8、巻戻し機9に接触しないようにした。
乾燥および溶出処理の際には浸漬型3を停止して所定時
間処理を行なった。巻上げ機8は予め斜めに設置したロ
ール状ブラシ10(図3)を回転させ、そこに浸漬型3
を通過させることにより浸漬型3に付着したフィルム1
1を巻き上げる。溶出処理後乾燥したら、巻上げ機8に
浸漬型3を通過させて浸漬型3に付着しているフィルム
を巻き上げ離型した。巻き上げられた指サックを90
℃、30分間乾燥し、製品とした。この指サックは、指
に容易に装着することが出来た。
【0150】(実施例12)実施例11と同様にして、
巻上げ機8に浸漬型を通過させて巻上げた指サックを再
度巻戻し機9で巻戻した。巻戻し機9は図4のようにロ
ール状ブラシ10を回転させてそこに浸漬型3を通過さ
せることにより、巻上げ機8により巻上げられたフィル
ム11を巻き戻す。
【0151】巻戻した指サックを90℃、5分間乾燥炉
7にて乾燥した。乾燥後、再度巻上げ機8にかけ、離型
後製品とした。本指サックの製造法は、製品の乾燥が容
易であり、しかも二度巻上げ操作をしているために、指
サックの指への装着が極めて容易であり、実用性が高い
と評価できる。
【0152】(実施例13)実施例11及び実施例12
と同様に巻上げ機8により巻上げた指サックを作成した
が、以下のように製造条件を変更した。即ち、ラテック
ス液中に成形型を凝固剤の付着した部分より1cm深く
浸漬した。更に塩素水液を凝固剤の付着した部分よりも
2mm浅く浸漬した。これらの指サックを巻戻すと、非
粘着性の部分が口巻きとして残っている。巻き戻した指
サックは口巻き付のストレート状指サックとなり、巻き
戻す前の指サックは、口巻き付き巻き上げ指サックとな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で使用した浸漬型搬送装置の斜視説明
図である。
【図2】本実施例で使用した試作用指サック製造装置の
説明図である。
【図3】巻上げ機の要部を示す動作説明図である。
【図4】巻戻し機の要部を示す動作説明図である。
【符号の説明】 1 チェーン 2 ガイドレール 3 浸漬型 4 ロッド 5 ガイド 6 浸漬槽 7 乾燥炉 8 巻上げ機 9 巻戻し機 10 ロール状ブラシ 11 フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/12 CEQ C08K 3/10 C08K 3/10 5/00 5/00 5/16 5/16 C08L 101/00 C08L 101/00 B29K 9:00 // B29K 9:00 B29L 31:00 B29L 31:00 31:48 31:48 A61F 5/43 Fターム(参考) 3B033 AC03 4C098 AA06 DD22 EE07 EE15 4F073 AA30 AA32 BA04 BA20 BB01 BB03 DA02 DA03 EA01 FA11 4F205 AA45 AA46 AA47 AC05 AH64 AH70 AH81 GA08 GB01 GC01 GE02 GE21 GN28 GW31 4J002 AC021 AC071 AC081 AC091 AC111 CC153 CC162 CC163 CC182 CK013 CK052 CL003 DE106 DE146 DE186 EC046 EL026 EL027 EN027 EN036 EN106 ER006 ER007 EU016 EU226 EU227 FD142 FD146 GB01 GC00 HA07

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル化ラテックス製品またはカ
    ルボキシル基封鎖剤を配合したカルボキシル化ラテック
    ス製品の、内面にカルボキシル基封鎖剤処理層を有し、
    外面を塩素化処理することを特徴とする非粘着性カルボ
    キシル化ラテックス製品。
  2. 【請求項2】 カルボキシル化ラテックスがNBR、S
    BR、CRまたはMBRであることを特徴とする請求項
    1記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
  3. 【請求項3】 カルボキシル化ラテックスに内添用アル
    ミニウム系無機架橋剤を添加し、架橋したことを特徴と
    する請求項1又は2記載の耐久性非粘着性カルボキシル
    化ラテックス製品。
  4. 【請求項4】 ラテックス製品が浸漬製品であることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の非粘着性カルボキ
    シル化ラテックス製品。
  5. 【請求項5】 浸漬製品が指サック、手袋、風船または
    コンドームであることを特徴とする請求項4記載の非粘
    着性カルボキシル化ラテックス製品。
  6. 【請求項6】 カルボキシル基封鎖剤が三価以上の金属
    元素架橋剤であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4又は5記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製
    品。
  7. 【請求項7】 三価以上の金属元素架橋剤がアルミニウ
    ム、チタニウム、又はジルコニウム化合物から選ばれた
    少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項6記載の
    非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
  8. 【請求項8】 カルボキシル基封鎖剤がカルボキシル化
    ラテックスのカルボキシル基の有機架橋剤であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の非粘着性
    カルボキシル化ラテックス製品。
  9. 【請求項9】 カルボキシル基有機架橋剤がアジリジン
    系化合物;エポキシ系化合物;ブロックドイソシアネー
    ト;オキサゾリン系化合物;カルボジイミド系化合物;
    メラミンホルムアルデヒド樹脂;尿素ホルムアルデヒド
    樹脂;イソシアネ−ト;フェノ−ルホルムアルデヒド樹
    脂;グリコ−ル、ポリオール類;ジアミン、ポリアミン
    類;ヘキサメトキシメチルメラミン類;メチロールアク
    リルアミド類;から選ばれた少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする請求項8記載の非粘着性カルボキシル化ラ
    テックス製品。
  10. 【請求項10】 カルボキシル基封鎖剤が、グリオキザ
    ール、ポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、
    ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素
    化合物、ポリアミドポリ尿素グリオキザール縮合反応生
    成物、ポリアミドアミン化合物、ポリアミドアミンエピ
    ハロヒドリン縮合反応生成物、ポリアミドアミンホルム
    アルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンエピハロヒドリ
    ン縮合反応生成物、ポリアミンホルムアルデヒド縮合反
    応生成物、ポリアミドポリ尿素エピハロヒドリン縮合反
    応生成物、ポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド縮合反
    応生成物、ポリアミンポリ尿素エピハロヒドリン縮合反
    応生成物、ポリアミンポリ尿素ホルムアルデヒド縮合反
    応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素エピハロヒドリン
    縮合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素ホルムアル
    デヒド縮合反応生成物から選ばれた少なくとも1種を含
    むことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の
    非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
  11. 【請求項11】 カルボキシル基封鎖剤が単官能アミン
    類、単官能エポキシ化合物、単官能イソシアネート、単
    官能ブロックドイソシアネートから選ばれた少なくとも
    1種を含むことを特徴とする請求項1、2、3、4又は
    5記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
  12. 【請求項12】 カルボキシル基封鎖剤が、サイズ剤で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載
    の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
  13. 【請求項13】 カルボキシル基封鎖剤が、非粘着性界
    面活性剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5記載の非粘着性カルボキシル化ラテックス製品。
  14. 【請求項14】 請求項6、7、8、9、10、11、
    12又は13記載の一種または二種以上のカルボキシル
    基封鎖剤溶液にラテックス製品の内面を接触せしめ、該
    カルボキシル基封鎖剤をラテックス表面に結合せしめる
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の
    非粘着性カルボキシル化ラテックス製品の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項6、7、8、9、10、11、
    12又は13記載の一種または二種以上のカルボキシル
    基封鎖剤を混合・溶解した一価または二価のカルボキシ
    ル化ラテックス用外部凝固剤液を使用することを特徴と
    する非粘着性カルボキシル化ラテックス浸漬製品の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 浸漬型に予め請求項6、7、8、9、
    10、11、12又は13記載の一種又は二種以上のカ
    ルボキシル基封鎖剤を浸漬付着した後、更に一価または
    二価の外部凝固剤を浸漬付着し、しかる後、ラテックス
    中に浸漬することを特徴とする非粘着性カルボキシル化
    ラテックス浸漬製品の製造方法。
  17. 【請求項17】 浸漬型に請求項6、7、8、9、1
    0、11、12又は13記載の一種または二種以上のカ
    ルボキシル基封鎖剤を浸漬付着した後ラテックス液に浸
    漬してラテックス膜を形成し、更に一価又は二価の外部
    凝固液に浸漬し、しかる後、カルボキシル化ラテックス
    液中に再度浸漬することを特徴とする非粘着性カルボキ
    シル化ラテックス浸漬製品の製造方法。
  18. 【請求項18】 浸漬型を請求項6、7、8、9、1
    0、11、12又は13記載の一種または二種以上のカ
    ルボキシル基封鎖剤及び該封鎖剤に安定なカルボキシル
    化ラテックス混合液に浸漬してラテックス膜を形成し、
    更に一価又は二価の外部凝固液に浸漬し、しかる後、カ
    ルボキシル化ラテックス液中に再度浸漬することを特徴
    とする非粘着性カルボキシル化ラテックス浸漬製品の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 浸漬型を請求項6、7、8、9、1
    0、11、12又は13記載の一種または二種以上の水
    またはアルコール難溶性または不溶性カルボキシル基封
    鎖剤微細粉体を担体とした一価または二価のカルボキシ
    ル化ラテックス用懸濁凝固液に浸漬し、しかる後カルボ
    キシル化ラテックス液に浸漬することを特徴とする非粘
    着性カルボキシル化ラテックス浸漬製品の製造方法。
  20. 【請求項20】 カルボキシル化ラテックス製品または
    カルボキシル基封鎖剤を配合したカルボキシル化ラテッ
    クス製品の外面を、塩素水溶液に浸漬する又は塩素ガス
    で処理することを特徴とする非粘着性カルボキシル化ラ
    テックス浸漬製品の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項5記載の指サックが浸漬型から
    離型前に機械的に口元から巻き上げられた形状であるこ
    とを特徴とする非粘着性指サック。
  22. 【請求項22】 指サックが口巻きを有することを特徴
    とする請求項5又は請求項21記載の非粘着性指サッ
    ク。
  23. 【請求項23】 浸漬の際、上部に粘着部分を設け、し
    かる後巻き上げることを特徴とする請求項22記載の口
    巻を有する非粘着性指サックの製造方法。
  24. 【請求項24】 口巻きを設けた後、外側表面を塩素水
    溶液又は塩素ガスで処理をすることを特徴とする請求項
    5又は請求項21記載の非粘着性指サックの製造方法。
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