JP2002160839A - 給紙ローラのシミュレーション方法及びその装置 - Google Patents

給紙ローラのシミュレーション方法及びその装置

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JP2002160839A JP2000359726A JP2000359726A JP2002160839A JP 2002160839 A JP2002160839 A JP 2002160839A JP 2000359726 A JP2000359726 A JP 2000359726A JP 2000359726 A JP2000359726 A JP 2000359726A JP 2002160839 A JP2002160839 A JP 2002160839A
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Akira Kamikoro
明 神頃
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 給紙ローラの開発を効率良く行なえる給紙ロ
ーラのシミュレーション方法及びその装置を提供するこ
とである。 【解決手段】 弾性体ローラ部2と、芯部3とで構成さ
れる給紙ローラ1を有限要素法を用いて仮想的にシミュ
レーションするに際し、給紙ローラ1を給紙ローラ有限
要素モデル10に変換する。次に、給紙ローラ有限要素
モデル10で仮想紙面14を搬送する給紙シミュレーシ
ョンを実行する。この給紙シミュレーションによって接
紙圧力分布、応力分布、形状変化、接紙面形状、接紙圧
力分布、搬送力、搬送速度、仮想紙面の状態など、給紙
ローラの開発に必要な各種情報を取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ等の給紙
機構を有する装置に組み込まれ、かつ、プリンタ用紙等
の被搬送紙を搬送する給紙ローラの開発用シュミレーシ
ョン方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、給紙ローラの開発は、既設計デー
タ又は設計者の経験に基づいて試作品を作り、この試作
品の評価試験を通じて得られたデータから試作品の改良
すべき箇所を割り出して再度試作改良品を作り、この試
作改良品に対して更に評価試験を繰り返すといった方法
で実施されてきた。
【0003】一方、給紙ローラ以外の分野では、試行錯
誤的製品開発に伴うこのような手間と工数を削減するた
め、近年では、近似解析手法等を用いたコンピュータシ
ミュレーションによる設計方法が採用される傾向にあ
る。この設計方法によれば、試作品を作らなくてもある
程度の性能を予測、解析可能なことから、製品開発の期
間とコストを大幅に削減できる。
【0004】コンピュータシミュレーションには種々の
解析法が用いられ、例えば、有限要素法を用いたものが
よく知られている。この有限要素法(finite element m
ethod)は、構造物を有限要素と呼ばれる有限の大きさ
の多数の領域に分割し、各有限要素に比較的簡単な特性
を与えて系全体を解析する手法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のように給紙ロー
ラの試作評価を繰り返す方法では、給紙ローラ用試作金
型をその都度設計・製造しなければならないし、評価機
器としてのプリンタも新たな設計条件に合致したものを
用意する必要があるなど、多くの費用と時間を要してい
た。また、試験データのみからでは設計要素の変更によ
る性能の変化のメカニズムを正確に把握できず、給紙ロ
ーラの性能に対する各設計要素の貢献度の把握に多大な
データ取得が必要となって非常に非効率であった。
【0006】例えば、給紙ローラの表面形状を検討する
際、ローレット形状を変更し、それにより搬送性能に変
化が生じたとしても、そのローレット形状の高さ、幅、
径、角度等のうち、いずれの変更点が搬送性能に影響を
及ぼしているのかを確認するのが容易でなかった。
【0007】そこで、本発明は、給紙ローラの試作をし
ないでも給紙ローラの性能評価ができ、しかも試作品の
評価試験よりも精度の高い性能評価を行なえるシミュレ
ーション方法とその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るシミュレーション方法は、粘弾性素材
からなる円筒状の弾性体ローラ部と、剛性素材からなる
棒状の芯部とで構成され、前記弾性体ローラ部に前記芯
部を嵌挿してなる給紙ローラの性能を評価するため、有
限要素法を用いて仮想的にシミュレーションする方法で
あって、前記給紙ローラ及び被搬送紙を、それぞれ有限
の大きさの多数の要素に分割した給紙ローラ有限要素モ
デル及び仮想紙面に、所定の設定条件に基づいて近似す
るモデル化処理工程と、前記給紙ローラ有限要素モデル
によって前記仮想紙面を所定の給紙条件に従い搬送する
給紙シミュレーション処理工程と、前記モデル化処理及
び前記給紙シミュレーション処理から所定の情報を取得
する情報取得処理工程とを含むことを特徴とする。
【0009】換言すると、本発明に係るシミュレーショ
ン方法は、前記弾性体ローラ部、芯部及び被搬送紙を、
多数の領域に細分化してなる弾性体ローラ要素モデル、
芯要素モデル及び仮想紙面に夫々変換し、かつ、前記弾
性体ローラ要素モデルに芯要素モデルを嵌挿して給紙ロ
ーラ有限要素モデルを組み立てるモデル化処理と、前記
給紙ローラ有限要素モデルを仮想紙面に接紙させ、給紙
ローラ有限要素モデルによって仮想紙面を搬送する給紙
シミュレーション処理と、前記モデル化処理及び給紙シ
ミュレーション処理から所定の情報を取得する情報取得
処理とを行なうことによって前記給紙ローラの性能を精
度良く解析できるようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項2に係るシミュレーション方法は、
請求項1に記載のシミュレーション方法において、前記
モデル化処理の設定条件を、前記給紙ローラ及び被搬送
紙の各々の物性条件と形状条件に基づいて決定し、前記
給紙シミュレーション処理の給紙条件を、給紙ローラ有
限要素モデルの回転速度と仮想紙面に対する接紙角及び
接紙荷重に基づいて決定し、前記情報取得処理によっ
て、給紙ローラ有限要素モデルの形状、内部状態、搬送
性能並びに搬送される仮想紙面の状態に関する情報、す
なわち、給紙ローラ有限要素モデルの形状変化、接紙面
形状、接紙圧力分布、応力分布、搬送速度、搬送力及び
搬送後の仮想紙面の状態等に関する情報を取得する。
【0011】請求項3に係るシミュレーション装置は、
粘弾性素材からなる円筒状の弾性体ローラ部と、剛性素
材からなる棒状の芯部とで構成され、前記弾性体ローラ
部に前記芯部を嵌挿してなる給紙ローラの性能を評価す
るため、有限要素法を用いて仮想的にシミュレーション
する装置であって、前記給紙ローラ及び被搬送紙を、そ
れぞれ有限の大きさの多数の要素に分割した給紙ローラ
有限要素モデル及び仮想紙面に、所定の設定条件に基づ
いて近似するモデル化処理工程と、前記給紙ローラ有限
要素モデルによって前記仮想紙面を所定の給紙条件に従
い搬送する給紙シミュレーション処理と、前記モデル化
処理及び給紙シミュレーション処理から所定の情報を取
得する情報取得処理工程とを行なう演算処理装置を含む
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明に
係る給紙ローラのシミュレーション方法と装置の一実施
形態について説明する。
【0013】図1は、本実施形態でシミュレートする給
紙ローラ1を示している。給紙ローラ1は、図1(A)
に示すように、天然ゴム又は合成ゴム(熱可塑性エラス
トマーや加硫ゴム)等の粘弾性素材からなる円筒状の弾
性体ローラ部2と、合成樹脂や金属等の剛性素材からな
る棒状の芯部3とで構成されており、弾性体ローラ部2
に芯部3を嵌挿したものである。
【0014】また、図1(C)及び(D)は、夫々弾性
体ローラ部2及び芯部3を示す斜視図であり、給紙ロー
ラ1を弾性体ローラ部2と芯部3に分離した状態を示し
ている。このように分離した状態では、弾性体ローラ部
2の内径r1は、芯部3の外径r2よりも小径である。そ
のため、給紙ローラ1は、弾性体ローラ部2を弾性的に
拡径させつつ芯部3を弾性体ローラ部2の円形孔に嵌挿
するようにして組み立てられる。弾性体ローラ部2を拡
径させるために加えられている負荷を除くと、弾性体ロ
ーラ部2は、元の形状に戻ろうとする弾性力によって芯
部3を締め付け、芯部3にずれ難く装着される。
【0015】弾性体ローラ部2は、外周部表面に図1
(B)に示す複数個のローレット部4を所定間隔で形成
されている。ローレット部4は、その形状が給紙ローラ
1の性能に大きな影響を及ぼすので、給紙ローラ1を設
計する上で重要な部位である。また、芯部3の軸心直角
断面形状は、図1(A)及び(D)に示すような円形状
でもよいし、図示はしないが、略D字状、多角形状、楕
円形状等でもよい。このようにして形成された給紙ロー
ラ1は、プリンタのように被搬送紙を給紙する機構を有
する装置に組み込まれて使用される。
【0016】本発明に係る給紙シミュレーション方法
は、図1に示すような給紙ローラ1の性能を解析するも
のであり、モデル化処理工程と、給紙シミュレーション
処理工程と、情報取得処理工程とを含んでいる。前記モ
デル化処理工程は、図1に示す給紙ローラ1及び被搬送
紙5を、図2に示す給紙ローラ有限要素モデル10(以
下、給紙ローラ要素モデル10と記す。)及び仮想紙面
14に所定の設定条件に基づいて変換する一種の情報処
理工程であり、前記給紙シミュレーション処理工程は、
仮想空間において、所定の給紙条件に基づき給紙ローラ
要素モデル10によって仮想紙面14を搬送する一種の
情報処理工程である。また、前記情報取得処理工程は、
前記モデル化処理及び給紙シミュレーション処理から所
定の情報を取得する処理である。
【0017】前記モデル化処理工程は、給紙ローラ1と
被搬送紙5を各々の物性条件と形状条件に基づいて、図
2に示すように、有限個の多数の要素10a,10b,
10c,…、14a,14b,14c…に分割した給紙
ローラ要素モデル10及び仮想紙面14に変換する情報
処理である。前記モデル化処理は、例えば、3次元モデ
ルに変換する場合、図2に示すように、給紙ローラ1等
を多数の六面体要素等の立体要素に細分化し、また、2
次元モデルに変換する場合、図示はしないが、多数の平
面要素に細分化し、夫々仮想空間及び仮想平面において
各要素を結合させ、給紙ローラ要素モデル10と仮想紙
面14を構築する。また、給紙ローラ要素モデル10等
の各要素は、3次元モデルでは、X−Y−Z座標等の空
間座標、2次元モデルでは、X−Y座標等の平面座標を
用いて逐一特定できる。このように給紙ローラ要素モデ
ル10は、給紙ローラ1を有限個の多数の要素に分割
し、これらの要素に基づいて仮想空間等に構築される。
更に、被搬送紙5に関しても、給紙ローラ1と同様に前
記モデル化処理を施される。
【0018】また、給紙ローラ1の前記モデル化処理
は、弾性体ローラ部2と芯部3とに分割して行なうとよ
い。弾性体ローラ部2及び芯部3の前記モデル化処理
は、各々の設定条件に基づいて行なわれる。弾性体ロー
ラ部2及び芯部3の設定条件は、各々の材料に関わる物
性条件と形状条件である。弾性体ローラ部2及び芯部3
の物性条件は、各材料の密度、摩擦係数、弾性係数、減
衰係数等であり、予め材料物性試験を行なって得られた
試験データから同定した材料物性値でよい。弾性体ロー
ラ部2の形状条件は、弾性体ローラ部2の外径、内径、
幅、ローレット部4の形状であり、芯部3の形状条件
は、芯部3の軸心直角断面形状である。
【0019】図3は弾性体ローラ要素モデル11の拡大
斜視図であり、図4はローレット部4の軸心直角断面図
である。弾性体ローラ部2のモデル化処理は、図3に示
すように、細部に亘って行なう必要がある。弾性体ロー
ラ部2の形状条件のうちローレット部4の形状に関して
は、その軸心直角断面の基本形状に基づいて設定条件を
適宜変更すればよい。例えば、隣接するローレット部4
の間隔lが等間隔であり、基本形状が図4(A)に示す
ような台形の場合、設定条件は設置個数n、上辺s1
下辺s2、高さh、角度θでよく、また基本形状が同図
(B)に示すような半円の場合、設定条件は半径rのみ
でよく、その他の基本形状に関しても同様に、適当な設
定条件(設置個数、長さ、高さ、角度、曲線形状、曲面
形状等)に基づいてローレット部4をローレット要素モ
デル13に変換するとよい。
【0020】このように前記モデル化処理を施された弾
性体ローラ要素モデル11と芯要素モデル12を、実機
の給紙ローラ1を組み立てるのと同様にして、仮想空間
内で組み立てることによって給紙ローラ要素モデル10
は構築される。
【0021】被搬送紙5の前記モデル化処理工程は、給
紙ローラ1の前記モデル化処理工程と同様に、その物性
条件及び形状条件に基づいて行なえばよい。被搬送紙5
の物性条件は、密度、摩擦係数、引張り強度等でもよい
し、被搬送紙5を剛性素材として取り扱ってもよく、ま
た、形状条件は、厚さ、幅、長さである。
【0022】次に、図2を用いて給紙シミュレーション
処理工程について説明する。前記給紙シミュレーション
処理工程は、仮想空間において、所定の給紙条件に基づ
き給紙ローラ要素モデル10でもって仮想紙面14を搬
送する一種の情報処理である。給紙シミュレーション処
理工程における給紙条件は、給紙ローラ要素モデル10
の回転速度、仮想紙面14に対する給紙ローラ要素モデ
ル10の接紙角及び接紙荷重である。
【0023】このような前記モデル化処理及び前記給紙
シミュレーション処理から情報を取得するのが情報取得
処理である。前記モデル化処理で得られる情報は、給紙
ローラ要素モデル10の静止状態における弾性体ローラ
要素モデル11のひずみ状態や接紙圧力分布及び応力分
布である。すなわち、給紙ローラ要素モデル10は、給
紙ローラ1の実物と同様に、弾性体ローラ要素モデル1
1を拡径させて芯要素モデル12を嵌挿し除荷したもの
であるから、弾性体ローラ要素モデル11は弾性変形し
ている。例えば、ローレット要素モデル13の間隔や形
状は、給紙ローラ1の組立ての前後で異なっており、こ
のような変化を情報取得処理によって各要素ごとに検知
することができ、その結果として全体的な形状変化を把
握することができる。
【0024】また、前記給紙シミュレーション処理の結
果として得られる情報は、給紙ローラ要素モデル10を
仮想紙面14に所定荷重、所定角度で接紙させたときの
ひずみ、接紙圧力分布及び応力分布と、仮想紙面14の
搬送時における給紙ローラ要素モデル10のひずみ、摩
擦抵抗、接紙圧力分布、応力分布である。
【0025】例えば、前記給紙シミュレーション処理を
行った際、仮想紙面14を搬送しているときのローレッ
ト要素モデル13の接紙面圧力分布の一例を図5に示
す。図5では、色の濃さで圧力分布を表示しており、色
が黒くなるほど高い圧力である。本実施例における情報
取得処理工程では、このような情報を各特性ごとに取得
することができる。
【0026】さらに、情報取得処理工程では、上記シミ
ュレーション結果から次のような情報も得られる。給紙
ローラ要素モデル10の設定条件及び給紙条件から、給
紙ローラ要素モデル10のスリップや仮想紙面14のロ
ーラ痕、給紙ローラ要素モデル10の搬送力、仮想紙面
14の搬送速度などを割り出したり、応力分布、接紙圧
力分布及びひずみから給紙ローラ要素モデル10の耐久
性能を割り出したり、摩耗エネルギーから摩耗性能等の
情報が得られる。
【0027】このような情報取得処理は、従来の評価試
験が給紙ローラ1の内部状態を局所的にしか把握できな
かったことと比較して、給紙ローラ要素モデル10の内
部状態だけでなく形状変化をも全体的に把握することが
できるようになる。すなわち、給紙ローラ要素モデル1
0の物性や形状(特にローレット形状)が給紙ローラ要
素モデル10の性能に及ぼす影響やそのメカニズムを細
部に亘って把握することができるので、給紙ローラ1の
性能を容易に推定できるようになる。
【0028】前述したシミュレーション方法の手順をま
とめると図6に示すフローチャート図のようになる。ま
ず、弾性体ローラ部2、芯部3、被搬送紙5の前記モデ
ル化処理を行なったのち、弾性体ローラ要素モデル11
に芯要素モデル12を嵌挿して給紙ローラ要素モデル1
を仮想空間に構築する。この段階で、静止状態における
給紙ローラ要素モデル10の形状変化、接紙圧力分布及
び応力分布等の情報が得られる。次に、給紙ローラ要素
モデル10の給紙条件を設定し、給紙条件に基づいて仮
想紙面14を搬送する。ここで得られる情報は、給紙ロ
ーラ要素モデル10の搬送力、搬送速度、形状変化、接
紙圧力分布、応力分布並びに搬送後における仮想紙面1
4の状態等である。
【0029】本発明に係るシミュレーションは、有限要
素法により行なわれる。一般に、有限要素モデルに各種
の境界条件を与え、その系全体の力、変位等の情報を取
得する手順については、よく知られている公知の例に従
って行なえばよい。尚、本実施形態の計算手法は、陽解
法を用いた構造解析である。例えば、要素の形状や要素
の物性(密度、弾性係数、減衰係数等)に基づき、要素
の質量マトリックスM、剛性マトリックスK、減衰マト
リックスCを作成する。前記各マトリックスを組み合わ
せて、シミュレーションされる全体の系のマトリックス
を作成する。また、適宜境界条件を当てはめて、下記、
数1の運動方程式を作成する。
【0030】
【数1】
【0031】この数1を微少時間tごとに制御部にて逐
次計算することによりシミュレーションを行ない得る。
微少時間tは、全ての要素について応力波の伝達時間を
計算し、その最小時間の0.9倍以下の時間とするのが
好ましい。
【0032】本発明に係る給紙シミュレーション装置
は、図7に示すように、入力部と、記憶部と、制御部
と、出力部とからなる演算処理装置である。前記入力部
は、前述した前記モデル化処理及び前記給紙シミュレー
ション処理に必要な設定条件や給紙条件を入力するため
のものである。前記記憶部は、各処理の手順を格納する
処理手順格納領域と、設定条件を一時的に格納する設定
条件格納領域とを有しており、前記制御部は、記憶部に
格納されている各処理手順と設定条件等に基づいて各処
理を実行するものである。前記出力部は、実行結果であ
る計測値やシミュレーション画像を表示したり、これら
の情報を外部記憶装置(図示せず)に伝送するものであ
る。
【0033】すなわち、有限要素法を用いたシミュレー
ション方法を用いた前記シミュレーション装置では、給
紙ローラ1の仕様変更をする際、設定条件等を入力する
だけでよく、さらに、給紙ローラ要素モデル10の内部
状態や細部に亘る形状変化を検知することができ、従来
の給紙ローラ1の実機を用いた評価試験より高精度の評
価試験を行なうことができる。例えば、給紙ローラ要素
モデル10の接紙角を変更する場合、給紙ローラ要素モ
デル10の座標移動(回転)をすることによって、給紙
ローラ要素モデル10の細部に亘る形状変化などを従来
の評価試験と比較して容易に確認できる。また、試作品
の製作費、評価試験機等の改造費並びにこれらに要する
時間を削減でき、製品開発を効率良く行なうことができ
る。また、本発明に係るシミュレーション方法及びその
装置では、被搬送紙5の材料物性に対して給紙ローラ1
の最適な材料及び形状を検討することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明に係るシミュレーション方法及び
その装置を適用すると、静止状態における弾性体ローラ
要素モデルの応力分布や形状変化などの情報と、被搬送
紙の搬送時における弾性体ローラ要素モデルの接紙圧力
分布、応力分布、形状変化、接紙面形状、接紙圧力分
布、搬送力、搬送速度、仮想紙面の状態などの情報を、
給紙ローラ要素モデル及び仮想紙面の細部に亘って得ら
れるので、給紙ローラの性能解析を精度よく行なえる。
【0035】また、給紙ローラの従来の性能推定・試作
評価にかかっていた時間と費用を大幅に削減できると共
に、給紙ローラの形状及び材料物性が給紙ローラの性能
に及ぼす影響とそのメカニズムなど、実機試験では把握
が不可能であった現象を明確にすることができるので、
給紙ローラの開発に関わる改良、改善、性能説明及び最
適仕様設計等を効率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は給紙ローラの斜視図、(B)はローレ
ット部の拡大斜視図、(C)は弾性体ローラ部の斜視
図、(D)は芯部の斜視図。
【図2】給紙ローラ有限要素モデル及び仮想紙面の斜視
図。
【図3】弾性体ローラ要素モデルの拡大斜視図。
【図4】ローレット要素モデルの軸心直角断面拡大図。
【図5】ローレット要素モデルの接紙面圧力分布図。
【図6】本発明に係るシミュレーションのフローチャー
ト図。
【図7】本発明に係るシミュレーション装置のブロック
図。
【符号の説明】
(1)給紙ローラ (2)弾性体ローラ部 (3)芯部 (4)ローレット部 (5)搬送紙 (10)給紙ローラ有限要素モデル (11)弾性体ローラ要素モデル (12)芯要素モデル (13)ローレット要素モデル (14)仮想紙面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘弾性素材からなる円筒状の弾性体ロー
    ラ部と、剛性素材からなる棒状の芯部とで構成され、前
    記弾性体ローラ部に前記芯部を嵌挿してなる給紙ローラ
    の性能を評価するため、有限要素法を用いて仮想的にシ
    ミュレーションする方法であって、 前記給紙ローラ及び被搬送紙を、それぞれ有限の大きさ
    の多数の要素に分割した給紙ローラ有限要素モデル及び
    仮想紙面に、所定の設定条件に基づいて近似するモデル
    化処理工程と、 前記給紙ローラ有限要素モデルによって前記仮想紙面を
    所定の給紙条件に従い搬送する給紙シミュレーション処
    理工程と、 前記モデル化処理及び前記給紙シミュレーション処理か
    ら所定の情報を取得する情報取得処理工程とを含むこと
    を特徴とする給紙ローラのシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 前記モデル化処理工程の設定条件を、前
    記給紙ローラ及び被搬送紙の各々の物性条件と形状条件
    に基づいて決定し、 前記給紙シミュレーション処理工程の給紙条件を、給紙
    ローラ有限要素モデルの回転速度と仮想紙面に対する接
    紙角及び接紙荷重に基づいて決定し、 前記情報取得処理工程によって、給紙ローラ有限要素モ
    デルの形状、内部状態、搬送性能並びに搬送される仮想
    紙面の状態に関する情報を取得するようにしたことを特
    徴とする請求項1に記載の給紙ローラのシミュレーショ
    ン方法。
  3. 【請求項3】 粘弾性素材からなる円筒状の弾性体ロー
    ラ部と、剛性素材からなる棒状の芯部とで構成され、前
    記弾性体ローラ部に前記芯部を嵌挿してなる給紙ローラ
    の性能を評価するため、有限要素法を用いて仮想的にシ
    ミュレーションする装置であって、 前記給紙ローラ及び被搬送紙を、それぞれ有限の大きさ
    の多数の要素に分割した給紙ローラ有限要素モデル及び
    仮想紙面に、所定の設定条件に基づいて近似するモデル
    化処理工程と、 前記給紙ローラ有限要素モデルによって前記仮想紙面を
    所定の給紙条件に従い搬送する給紙シミュレーション処
    理工程と、 前記モデル化処理及び前記給紙シミュレーション処理か
    ら所定の情報を取得する情報取得処理工程とを行なう演
    算処理装置を備えていることを特徴とする給紙ローラの
    シミュレーション装置。
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