JP2002160262A - 反射防止部材の製造方法 - Google Patents

反射防止部材の製造方法

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JP2002160262A
JP2002160262A JP2000360396A JP2000360396A JP2002160262A JP 2002160262 A JP2002160262 A JP 2002160262A JP 2000360396 A JP2000360396 A JP 2000360396A JP 2000360396 A JP2000360396 A JP 2000360396A JP 2002160262 A JP2002160262 A JP 2002160262A
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Ryomei Men
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分によって金属薄膜層が腐食したり、透明
窓部分が白化したりすることがない反射防止部材の製造
方法を提供する。 【解決手段】 基体シート12上に紫外線硬化性樹脂か
らなる全面的な保護層6と、金属薄膜層5を含む部分的
な図柄層3とが少なくとも順に形成された転写材11
を、基体シート12がキャビティ面に接するように金型
10にセットし、金型10内に透明な溶融樹脂を射出し
て樹脂からなる透明基板1と転写材11との一体化物を
得、次いで基体シート12を剥離すると共に基体シート
12の剥離後10分以内に保護層6に対して紫外線照射
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯電話機、ビ
デオカメラ、デジタルカメラ、自動車用機器などのディ
スプレイ部分のカバー部品などに用いることができる反
射防止部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機、ビデオカメラ、デジタルカ
メラ、自動車用機器などにおいて、ディスプレイ部分
は、液晶パネルあるいは有機ELパネルとの組み合わせ
などにより構成されている。ディスプレイ部分は、液晶
パネルの破損を防止したり、液晶パネルの表示を拡大し
たり、液晶パネル近辺を装飾したりすることを目的とし
て、成形した透明基板や縁取りなどの図柄が形成された
透明基板により構成されるカバー部品により覆われてい
る。
【0003】カバー部品を製造する方法として、成形同
時転写法がある。成形同時転写法とは、基体シート上
に、保護層、金属薄膜層、接着層などからなる転写層を
形成した転写材を金型内に挟み込み、金型内に溶融樹脂
を射出し、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品
表面に転写材を接着した後、基体シートを剥離して、樹
脂成形品表面に転写層を転移して装飾を行う方法であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
構成のカバー部品などの反射防止部材においては、金属
薄膜層が腐食するという問題があった。すなわち、カバ
ー部材の使用時に表側から空気中の水分が浸透すること
などにより金属薄膜層の腐食が生じると、その箇所の金
属光沢が失われて透明化してしまい、非常に見苦しいも
のになるという問題があった。
【0005】また、透明窓部分に斑点状に白化する部分
が生じるという問題があった。すなわち、金属薄膜層を
部分的に形成する際に使用する溶剤可溶性塗料層は、金
属薄膜層を全面的に形成した後に水洗工程によって除去
されるが、完全に除去されずにその残滓が存在した場
合、カバー部材の使用時に表側から空気中の水分が浸透
して膨張し、泡が生じたようになってしまい、透明窓部
分において非常に見苦しいものになるという問題があっ
た。
【0006】したがって、この発明は、上記のような欠
点を解消し、水分によって金属薄膜層が腐食したり、透
明窓部分が白化したりすることがない反射防止部材の製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の反射防止部材
の製造方法は、上記の目的を達成するために、つぎのよ
うに構成した。
【0008】すなわち、この発明の反射防止部材の製造
方法は、基体シート上に紫外線硬化性樹脂からなる全面
的な保護層と、金属薄膜層を含む部分的な図柄層とが少
なくとも順に形成された転写材を、基体シートがキャビ
ティ面に接するように金型にセットし、金型内に透明な
溶融樹脂を射出して樹脂からなる透明基板と転写材との
一体化物を得、次いで基体シートを剥離すると共に基体
シートの剥離後10分以内に保護層に対して紫外線照射
を行うように構成した。
【0009】また、基体シート上に紫外線硬化性樹脂か
らなる全面的な保護層と、金属薄膜層を含む部分的な図
柄層とが少なくとも順に形成された転写材を、基体シー
トがキャビティ面に接するように金型にセットし、金型
内に透明な溶融樹脂を射出して樹脂からなる透明基板と
転写材との一体化物を得、次いで基体シートを剥離する
と共に相対湿度60RH%以下に維持した雰囲気下にお
いて基体シートの剥離後60分以内に保護層に対して紫
外線照射を行うように構成した。
【0010】上記の発明において、紫外線照射量が80
0〜2000mJであるように構成してもよい。
【0011】また、上記の発明において、紫外線照射を
行った後に保護層上に低反射層を形成するように構成し
てもよい。
【0012】また、上記の発明において、低反射層を形
成した後に低反射層上に防汚層を形成するように構成し
てもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0014】図1は、この発明の反射防止部材の一実施
例を示す断面図である。図2は、この発明の反射防止部
材の製造方法に用いる転写材の一実施例を示す断面図で
ある。図3〜4は、この発明の反射防止部材の製造方法
の一工程を示す断面図である。図中、1は透明基板、2
は接着層、3は図柄層、4は印刷層、5は金属薄膜層、
6は保護層、7は低反射層、8は防汚層、9は反射防止
部材、10は金型、11は転写材、12は基体シート、
13は転写層である。
【0015】この発明の反射防止部材9の製造方法は、
基体シート12上に紫外線硬化性樹脂からなる全面的な
保護層6と、金属薄膜層5を含む部分的な図柄層3とが
少なくとも順に形成された転写材11を、基体シート1
2がキャビティ面に接するように金型10にセットし、
金型10内に透明な溶融樹脂を射出して樹脂からなる透
明基板1と転写材11との一体化物を得、次いで基体シ
ート12を剥離すると共に基体シート12の剥離後10
分以内に保護層6に対して紫外線照射を行う方法である
(図1〜4参照)。
【0016】転写材11は、基体シート12上に、全面
的な保護層6、金属薄膜層5を含む部分的な図柄層3な
どからなる転写層13を設けたものである(図2参
照)。
【0017】基体シート12の材質としては、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂などの樹脂シートなど、通常の転写材の基体
シートとして用いるものを使用することができる。
【0018】基体シート12からの転写層13の剥離性
がよい場合には、基体シート12上に転写層13を直接
設ければよい。基体シート12からの転写層13の剥離
性を改善するためには、基体シート12上に転写層13
を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい。
【0019】保護層6は、基体シート12から転写層1
3を容易に剥離させるとともに、反射防止部材9の表面
強度を高めるための層である。保護層6の材質として
は、紫外線硬化性樹脂を用いる。保護層6の形成方法と
しては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコ
ート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷法がある。
【0020】図柄層3は、金属薄膜層5を含む層であ
る。金属薄膜層5は、図柄層3として金属光沢を表現す
るためのものであり、真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現
したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、
金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チ
タニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化
合物を使用する。金属薄膜層5を部分的に形成するに
は、金属薄膜層5を必要としない部分に溶剤可溶性塗料
層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、
溶剤洗浄を行って溶剤可溶性塗料層と共に不要な金属薄
膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶剤
は、水または水溶液である。また、全面的に金属薄膜を
形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト
層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レ
ジスト層を除去する方法がある。また、金属薄膜層5を
設ける際に、他の層との密着性を向上させるために、前
アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。金属薄膜層
5は、反射防止部材9においては、通常、枠形状に形成
されたり、文字パターンとして形成されたりする場合が
多い。
【0021】図柄層3は、金属薄膜層5と印刷層4とか
らなる層であってもよい。印刷層4の材質としては、ポ
リビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニル
アセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セル
ロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバイ
ンダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として
含有する着色インキを用いるとよい。印刷層4の形成方
法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スク
リーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。
印刷層4は、反射防止部材9においては、通常、中央の
透明窓部分以外の箇所となる透明基板1の周囲に枠形状
に形成される場合が多い。
【0022】また、透明基板1の上に上記の各層を接着
するために接着層2を形成するとよい。接着層2として
は、透明基板1の素材に適した感熱性あるいは感圧性の
樹脂を適宜使用する。たとえば、透明基板1の材質がア
クリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。
また、透明基板1の材質がポリフェニレンオキシド・ポ
リスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン
共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合
は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよ
い。さらに、透明基板1の材質がポリプロピレン樹脂の
場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン
樹脂が使用可能である。接着層2の形成方法としては、
グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法な
どのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など
の印刷法がある。
【0023】転写層13の構成は、上記した態様に限定
されるものではなく、上記した層のほかに種々の機能を
有する層を形成することができる。
【0024】次に、転写材11を用い、成形同時転写法
を利用して被転写物である透明基板1の表面に装飾を行
う方法について説明する。
【0025】まず、可動型と固定型とからなる成形用金
型10内に転写材11を送り込む(図3参照)。その
際、枚葉の転写材11を1枚づつ送り込んでもよいし、
長尺の転写材11の必要部分を間欠的に送り込んでもよ
い。長尺の転写材11を使用する場合、位置決め機構を
有する送り装置を使用して、転写材11の図柄層3と成
形用金型10との見当が一致するようにするとよい。ま
た、転写材11を間欠的に送り込む際に、転写材11の
位置をセンサーで検出した後に転写材11を可動型と固
定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材
11を固定することができ、図柄層3の位置ずれが生じ
ないので便利である。
【0026】成形用金型10を閉じた後、ゲートから溶
融樹脂を金型10内に射出充満させ、被転写物を形成す
るのと同時にその面に転写材11を接着させる。
【0027】透明基板1に用いることができる樹脂とし
ては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、A
BS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げる
ことができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセター
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポ
リエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポ
リスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、
ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、
ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエ
ステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエン
ジニアリング樹脂を使用することもできる。
【0028】透明基板1の形状は、平板状のものであっ
ても、二次元あるいは三次元の曲面を有するものであっ
てもよい。
【0029】被転写物である透明基板1を冷却した後、
成形用金型10を開いて透明基板1と転写材11との一
体化物を取り出す。
【0030】次いで、基体シート12を剥離すると共に
基体シート12の剥離後10分以内に保護層6に対して
紫外線照射を行う(図4参照)。転写材11の基体シー
ト12を剥離することにより、転写層13のみを透明基
板1上に転移することができる。また、紫外線照射を行
うことにより保護層6を硬化させることができる。本発
明では、紫外線照射を行う時期が重要である。すなわ
ち、基体シート12の剥離後、そのままの状態で大気中
に長時間にわたって放置した場合、成形品表面における
水分吸着が著しく、金属薄膜層5へ大きな影響を及ぼす
ことになる。したがって、基体シート12の剥離後、で
きるだけ速やかに紫外線照射を行うこと、すなわち、基
体シート12の剥離後10分以内に紫外線照射を行うこ
とが必要である。このように、基体シート12の剥離
後、速やかに紫外線照射を行うことによって成形品に水
分が吸着する以前に保護層6を架橋させることになるの
で、保護層6が水分の透過を遮蔽する効果を発揮し、金
属薄膜層5への影響を最小限に抑えることができる。ま
た、相対湿度60RH%以下に維持した低湿度雰囲気下
において、紫外線照射を行うと、成形品に水分が吸着す
るのをより防止することができるため、紫外線照射を基
体シート12の剥離後60分以内に行うことにより、同
様の効果を得ることができる。
【0031】紫外線照射量は、800〜2000mJで
あるのが好ましい。紫外線の照射量を800〜2000
mJとすることにより、保護層6が水分の透過を遮蔽す
る効果を高めることができ、確実に金属薄膜層5の腐食
を防止することができる。800mJに満たないと、保
護層6の架橋が不十分となり必要とする硬度を得ること
ができなくなる。また、2000mJを越えると、保護
層6の架橋が促進されて発生する内部歪みにより、保護
層6が剥離するおそれが生じる。
【0032】必要に応じて、低反射層7を保護層6の上
に全面的に形成する。低反射層7は、透明基板1の反射
を防止するための層である。また、低反射層7は保護層
6上だけでなく、透明基板1の裏面に形成してもよい。
透明基板1の両面に低反射層7を形成すると、反射防止
部材9の表面および裏面で反射防止作用が発揮されるこ
とになる。
【0033】低反射層7に用いる低屈折材料としては、
フッ化マグネシウム、酸化ケイ素などの金属化合物を用
いることができる。また、シリカあるいはオルガノポリ
シロキサンの少なくとも1種を含む有機金属化合物を用
いることもできる。また、これらの有機金属化合物の多
孔体を用いることもできる。また、フッ素系合成樹脂な
どの有機化合物を用いることも可能である。
【0034】低反射層7の構成としては、微細孔を有す
る酸化ケイ素あるいは酸化アルミウムを酸化ケイ素に分
散し単層として使用したり、フッ化マグネシウムを単層
として用いるほか、酸化チタン層/酸化ケイ素層の2層
構成の低反射層7として使用したり、酸化チタン層/酸
化ケイ素層/酸化チタン層/酸化ケイ素層のように4層
構成の低反射層7など多重干渉を利用した多層構成の低
反射層7としてもよい。
【0035】低反射層7は、単層あるいは複数の層のい
ずれから構成される場合であっても、防汚層8に接する
層が金属化合物のうち特に金属酸化物から構成されるの
が好ましい。金属酸化物はシラン化合物からなる防汚層
8との接着性に優れるからである。
【0036】低反射層7の製造方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが
ある。あるいは金属アルコラート、金属キレートなどの
有機金属化合物を浸積法あるいは印刷法、コーティング
法などにより透明基板1上に塗布し、その後、光照射あ
るいは乾燥により金属酸化物皮膜を形成して低反射層7
を得る方法もある。
【0037】低反射層7の厚さは、0.01〜2μmの
範囲で適宜選択するとよい。これらの膜厚は、低屈折材
料の屈折率により、一般式n×d=λ/4または一般式
n×d=3λ/4(ただし、nは低屈折材料の屈折率、
dは低屈折材料の膜厚、λは低反射中心波長をそれぞれ
示す)を満たすように適宜選択するとよい。ただし、単
層にて使用する場合は、その屈折率は透明基板1の屈折
率より小さいものとする。
【0038】また、必要に応じて低反射層7上に防汚層
8を形成してもよい。防汚層8は低反射層7が汚れるの
を防いで、低反射層7の機能が損なわれるのを防止する
ための層である。防汚層8としては、フッ素系シラン化
合物などのシラン化合物や、フラクタル構造を有する酸
化ケイ素などの金属酸化物などからなる撥水性および撥
油性に優れた皮膜を形成すればよい。
【0039】以上のようにして、水分によって金属薄膜
層5が腐食したり透明窓部分が白化したりすることがな
い反射防止部材9を得ることができる(図1参照)。
【0040】
【実施例】(実施例1) ポリエチレンテレフタレート
フィルムを基体シートとし、その片面にエポキシ系紫外
線硬化樹脂からなる保護層を全面的にグラビア印刷法に
より形成し、その上にアクリル系樹脂からなる印刷層を
携帯電話機のディスプレイ部分の枠形状にグラビア印刷
法で形成し、次いで印刷層の枠部分の内周を縁取る形状
にアルミニウムからなる金属薄膜層を真空蒸着法で形成
し、次いでアクリル系樹脂からなる接着層を全面的にグ
ラビア印刷法で形成して転写材を得た。
【0041】また、携帯電話機のディスプレイ部分のカ
バー部品を成形する成形用金型を用意した。
【0042】転写材の基体シート側が金型の凹部に接す
るように転写材を載置し、その後溶融したアクリル樹脂
を金型内に射出し、透明基板の成形と同時に透明基板と
転写材を一体化し、次いで金型内から成形品を取り出し
て基体シートを剥離し、透明基板の周囲に印刷層による
枠部分と、枠部分の内周を縁取る形状の金属薄膜層とか
らなる図柄層を有する成形品を得た。
【0043】次いで、基体シートを剥離して5分後に紫
外線照射を行って保護層を硬化させた。紫外線照射は、
80w/cmの高圧水銀灯1灯で照射エネルギーが1
500mJとなるようにした。また、基体シートの剥離
後、紫外線照射を行うまでの雰囲気は、温度25±3
℃、相対湿度70RH%であった。
【0044】続いて、成形品の周囲形状と一致する穴部
を有する治具に成形品をはめ込んで、成形品の周囲のみ
を保持して固定し、透明基板の裏面全面に、真空蒸着装
置にて二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化珪素、二酸化
チタン、二酸化珪素の順序で所定の厚みになるように電
子線蒸着を行って低反射層を形成した。続いて冶具を反
転させ、透明基板の表側全面に位置する保護層上に同様
にして複数の層からなる低反射層を形成した。
【0045】引き続き、シラン化合物としてフッ素系シ
ランのパーフルオロヘキサン溶液を蒸着槽内の蒸発皿に
滴下し、所定の加熱条件にて蒸着して表側の低反射層上
に全面的に防汚層を形成した。
【0046】このようにして得た携帯電話機のディスプ
レイ部分のカバー部品である反射防止部材を、温度60
℃、相対湿度90RH%の加湿雰囲気下に240時間放
置して加湿試験を行ったところ、金属薄膜層部分に水分
による腐食は観察されず、図柄の変化はまったく生じな
かった。
【0047】(比較例1) 比較例として、紫外線照射
を、基体シートを剥離して120分放置した後に行った
こと以外はすべて実施例1と同様にして反射防止部材を
得た。
【0048】このようにして得た反射防止部材の実施例
1と同様の加湿試験を行ったところ、金属薄膜層部分の
一部に腐食が発生し、その部分が透明になって金属光沢
が失われた状態となった。
【0049】(実施例2) 実施例1と同様の転写材と
金型を用い、実施例1と同様にして透明基板の成形と同
時に透明基板と転写材を一体化し、次いで金型内から成
形品を取り出して基体シートを剥離して成形品を得た。
【0050】基体シートの剥離後、次いで、基体シート
を剥離して30分後に紫外線照射を行って保護層を硬化
させた。紫外線照射は、80w/cmの高圧水銀灯1
灯で照射エネルギーが1500mJとなるようにした。
また、基体シートの剥離後、紫外線照射を行うまでの雰
囲気は、温度25±3℃、相対湿度55RH%であっ
た。
【0051】続いて、成形品の周囲形状と一致する穴部
を有する治具に成形品をはめ込んで、成形品の周囲のみ
を保持して固定し、透明基板の裏面全面に、真空蒸着装
置にて二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化珪素、二酸化
チタン、二酸化珪素の順序で所定の厚みになるように電
子線蒸着を行って低反射層を形成した。続いて冶具を反
転させ、透明基板の表側全面に位置する保護層上に同様
にして複数の層からなる低反射層を形成した。
【0052】引き続き、シラン化合物としてフッ素系シ
ランのパーフルオロヘキサン溶液を蒸着槽内の蒸発皿に
滴下し、所定の加熱条件にて蒸着して表側の低反射層上
に全面的に防汚層を形成した。
【0053】このようにして得た携帯電話機のディスプ
レイ部分のカバー部品である反射防止部材を、温度60
℃、相対湿度90RH%の加湿雰囲気下に240時間放
置して加湿試験を行ったところ、金属薄膜層部分に水分
による腐食は観察されず、図柄の変化はまったく生じな
かった。
【0054】(比較例2) 比較例として、紫外線照射
を、基体シートを剥離した後、相対湿度75RH%の雰
囲気下に30分放置した後に行ったこと以外はすべて実
施例2と同様にして反射防止部材を得た。
【0055】このようにして得た反射防止部材の実施例
1と同様の加湿試験を行ったところ、金属薄膜層部分の
一部に腐食が発生し、その部分が透明になって金属光沢
が失われた状態となった。
【0056】
【発明の効果】この発明は、以上のような構成を採るの
で、以下のような効果を奏する。
【0057】すなわち、この発明の反射防止部材の製造
方法は、基体シート上に紫外線硬化性樹脂からなる全面
的な保護層と、金属薄膜層を含む部分的な図柄層とが少
なくとも順に形成された転写材を、基体シートがキャビ
ティ面に接するように金型にセットし、金型内に透明な
溶融樹脂を射出して樹脂からなる透明基板と転写材との
一体化物を得、次いで基体シートを剥離すると共に基体
シートの剥離後10分以内に保護層に対して紫外線照射
を行うか、あるいは、基体シートを剥離すると共に相対
湿度60RH%以下に維持した雰囲気下において基体シ
ートの剥離後60分以内に保護層に対して紫外線照射を
行うように構成したので、水分によって金属薄膜層が腐
食したり、透明窓部分が白化したりすることがない反射
防止部材を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の反射防止部材の一実施例を示す断面
図である。
【図2】この発明の反射防止部材の製造方法に用いる転
写材の一実施例を示す断面図である。
【図3】この発明の反射防止部材の製造方法の一工程を
示す断面図である。
【図4】この発明の反射防止部材の製造方法の一工程を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 接着層 3 図柄層 4 印刷層 5 金属薄膜層 6 保護層 7 低反射層 8 防汚層 9 反射防止部材 10 金型 11 転写材 12 基体シート 13 転写層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 G02B 1/10 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シート上に紫外線硬化性樹脂からな
    る全面的な保護層と、金属薄膜層を含む部分的な図柄層
    とが少なくとも順に形成された転写材を、基体シートが
    キャビティ面に接するように金型にセットし、金型内に
    透明な溶融樹脂を射出して樹脂からなる透明基板と転写
    材との一体化物を得、次いで基体シートを剥離すると共
    に基体シートの剥離後10分以内に保護層に対して紫外
    線照射を行うことを特徴とする反射防止部材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 基体シート上に紫外線硬化性樹脂からな
    る全面的な保護層と、金属薄膜層を含む部分的な図柄層
    とが少なくとも順に形成された転写材を、基体シートが
    キャビティ面に接するように金型にセットし、金型内に
    透明な溶融樹脂を射出して樹脂からなる透明基板と転写
    材との一体化物を得、次いで基体シートを剥離すると共
    に相対湿度60RH%以下に維持した雰囲気下において
    基体シートの剥離後60分以内に保護層に対して紫外線
    照射を行うことを特徴とする反射防止部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 紫外線照射量が800〜2000mJで
    ある請求項1〜2のいずれかに記載の反射防止部材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 紫外線照射を行った後に保護層上に低反
    射層を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の反射防
    止部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 低反射層を形成した後に低反射層上に防
    汚層を形成する請求項4記載の反射防止部材の製造方
    法。
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