JP2002159963A - 水溶性廃液濃縮装置 - Google Patents

水溶性廃液濃縮装置

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JP2002159963A
JP2002159963A JP2000360560A JP2000360560A JP2002159963A JP 2002159963 A JP2002159963 A JP 2002159963A JP 2000360560 A JP2000360560 A JP 2000360560A JP 2000360560 A JP2000360560 A JP 2000360560A JP 2002159963 A JP2002159963 A JP 2002159963A
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Takayasu Ikegami
隆康 池上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃縮中の水溶性廃液の濃度をほぼ一定に保
ち、発泡につながる水溶性廃液の粘度の過剰増大を抑
え、室温に冷却しても流動性が保たれる濃縮廃液とし、
濃縮釜からの取り出しを容易とする。 【解決手段】 濃縮釜(1)と、廃液供給ポンプ(2)と、加
熱手段(3)と、下限液面検知手段(4)並びに上限液面検知
手段(5)と、温度検知手段(6)とを備え、濃縮釜内の水溶
性廃液の液面が下限以下となったことを下限液面検知手
段が検知すると、廃液供給ポンプは水溶性廃液の補給を
行い、濃縮釜内の水溶性廃液の液面が上限を越えたこと
を上限液面検知手段が検知すると、廃液供給ポンプは水
溶性廃液の補給を停止し、また、濃縮中の水溶性廃液の
温度が100〜110℃の範囲内の所定温度以上となったこと
を温度検知手段が検知すると、加熱手段による水溶性廃
液の加熱が停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、水溶性廃
液濃縮装置に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、濃縮中の水溶性廃液の濃度をほぼ一定に
保ち、発泡につながる水溶性廃液の粘度の過剰増大を抑
え、室温に冷却しても流動性が保たれる濃縮廃液とし、
濃縮釜からの取り出しを容易とすることのできる水溶性
廃液濃縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学反応を利用する研究や産業では様々
な種類の水溶性廃液が産出されるが、近年の公害規制に
よりそれら水溶性廃液の下水道、河川などへの廃棄は不
可能となっている。研究機関では、取り扱う物質の種類
が多いため、各研究室ごとに一時的に溜めた水溶性廃液
を一旦特定の場所に集め、貯留し、所定期間経過後若し
くは貯留量が所定量となったときに、廃液回収業者が回
収、あるいは廃液処理装置を用いて蒸発乾留乃至は固化
している(実開昭60−70841号など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、研究開発や
材料製造の際の化学反応に使用する原液は比較的濃厚で
あり、したがって、一次廃液は比較的濃厚であるが、こ
の段階での廃液量はさほど多くない。しかしながら、反
応生成物や化学反応に用いた器具類などを洗浄した水溶
性廃液に含まれる有害物質の濃度はかなり低く、最終的
な廃液濃度は1%以下であり、含有有害物質の量の割に
は大量の水溶性廃液が産出される。このため、水溶性廃
液を産出される場所から貯留場まで運搬するのはかなり
の労力を要する。
【0004】前記の水溶性廃液の蒸発乾留乃至は固化
は、廃液量の軽量化という点において優れているが、一
方、水溶性廃液の濃度がある限度を越えると、粘度の増
大にともなって蒸発ガスが水溶性廃液から抜けにくくな
り、やがて発泡し、この発泡により水溶性廃液の体積が
非常に大きくなるため、濃縮釜には廃液量に比べ大きな
容積を有するものが必要とされるという問題がある。ま
た、水溶性廃液は、アスファルトに似て高温では流動性
を示すものの、室温にまで下げ冷却固化すると、非常に
硬い塊となり、この塊を濃縮釜から取り出すにはかなり
の労力を要するという問題もある。
【0005】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、水溶性廃液の処理における前
記の欠点を解消し、濃縮中の水溶性廃液の濃度をほぼ一
定に保ち、発泡につながる水溶性廃液の粘度の過剰増大
を抑え、室温に冷却しても流動性が保たれる濃縮廃液と
し、濃縮釜からの取り出しを容易とすることのできる水
溶性廃液濃縮装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、前記
の課題を解決するものとして、水溶性廃液の濃縮が行わ
れる濃縮釜と、この濃縮釜内に水溶性廃液を供給する廃
液供給ポンプと、濃縮釜内に供給された水溶性廃液を加
熱する加熱手段と、濃縮釜内の水溶性廃液の下限液面並
びに上限液面を検知する下限液面検知手段並びに上限液
面検知手段と、濃縮釜内の水溶性廃液の温度を検知する
温度検知手段とを備え、濃縮釜内の水溶性廃液の液面が
下限以下となったことを下限液面検知手段が検知する
と、廃液供給ポンプは水溶性廃液の補給を行い、濃縮釜
内の水溶性廃液の液面が上限を越えたことを上限液面検
知手段が検知すると、廃液供給ポンプは水溶性廃液の補
給を停止し、また、濃縮中の水溶性廃液の温度が100〜1
10℃の範囲内の所定温度以上となったことを温度検知手
段が検知すると、加熱手段による水溶性廃液の加熱が停
止することを特徴とする水溶性廃液濃縮装置(請求項
1)を提供する。
【0007】またこの出願の発明は、濃縮中の水溶性廃
液の発泡にともなう液面の最上限を検知する発泡検知手
段を備え、発泡により濃縮中の水溶性廃液の液面が、上
限液面検知手段により上限を越えたと検知され、さらに
最上限となったことを発泡検知手段が検知すると、加熱
手段による水溶性廃液の加熱が停止すること(請求項
2)、供給元へ水溶性廃液を返送する返送手段が、上限
液面検知手段又は発泡検知手段の高さ以上の所定高さに
おいて濃縮釜に配設されていること(請求項3)、さら
に、濃縮後の濃縮廃液を濃縮釜から取り出す帰還手段
が、濃縮釜に配設されていること(請求項4)をそれぞ
れ好ましい態様として提供する。
【0008】以下、図面に沿ってこの出願の発明の水溶
性廃液濃縮装置についてさらに詳しく説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、この出願の発明の水溶性
廃液濃縮装置の一実施形態を示した概略図である。
【0010】たとえばこの図1に示したように、この出
願の発明の水溶性廃液濃縮装置は、水溶性廃液の濃縮が
行われる濃縮釜(1)と、この濃縮釜(1)内に水溶性
廃液を供給する廃液供給ポンプ(2)と、濃縮釜(1)
内に供給された水溶性廃液を加熱する加熱手段(3)
と、濃縮釜(1)内の水溶性廃液の下限液面並びに上限
液面を検知する下限液面検知手段(4)並びに上限液面
検知手段(5)と、濃縮釜内の水溶性廃液の温度を検知
する温度検知手段(6)とを備えている。
【0011】濃縮釜(1)には、たとえば1〜2リット
ル程度の容積を有するものが例示され、形状は、円筒
状、箱型などが例示される。
【0012】廃液供給ポンプ(2)には、たとえば定量
ポンプなどが例示されるが、この出願の発明の水溶性廃
液濃縮装置は水溶性廃液の濃縮、減量を行うものであ
り、廃液の成分調整を目的としてはいないため、廃液供
給ポンプ(2)の供給量の制御に特に厳密さは要求され
ない。
【0013】加熱手段(3)には、図1に示したような
濃縮釜(1)の周囲に設置される電熱線ヒータ(3a)
をはじめ、後述するような濃縮釜(1)内に設置される
電熱ヒータなどが例示される。電熱線ヒータは、加熱の
制御が容易であり、加熱手段(3)に好ましく用いられ
る。特に濃縮釜(1)内に設置される電熱線ヒータは、
その発熱を水溶性廃液の濃縮に有効に利用することがで
きるため、好ましい。
【0014】なお、加熱の制御が可能であれば、加熱手
段(3)には、ガスバーナーや高温排ガスを利用する加
熱手段なども適用可能である。また、加熱手段(3)
は、その加熱能力が大きいほど水溶性廃液の濃縮処理時
間を短縮させるのに有効となるが、特に時間的な制約が
なければ水溶性廃液の産出量に見合った加熱能力で充分
である。
【0015】下限液面検知手段(4)並びに上限液面検
知手段(5)には、図1に示したような浮き方式の下限
液面検知手段(4a)並びに上限液面検知手段(5a)
や、後述するような電気伝導度測定方式のものなどが例
示される。下限液面検知手段(4)は、加熱手段(3)
の上端よりも上方に位置することが好ましい。この配置
により、加熱手段(3)が発する熱が水溶性廃液の濃縮
に有効に利用されるように水溶性廃液の液面を加熱手段
(3)の上方に位置させることができる。また、空焚き
の防止にも有効となる。上限液面検知手段(5)は、そ
の機能から明らかであるように、下限液面検知手段
(4)より上方に配置されるが、加熱手段(3)の上端
との高さの差が大きくなりすぎると周囲へ逃げる熱量の
増加の一因ともなるので、その差は200mm以内に抑える
のが好ましい。
【0016】以上の構成を有するこの出願の発明の水溶
性廃液濃縮装置は、次のように動作する。
【0017】濃縮釜(1)内の水溶性廃液の液面が下限
以下となったことを下限液面検知手段(4)が検知する
と、廃液供給ポンプ(2)は水溶性廃液の補給を行い、
濃縮釜(1)内の水溶性廃液の液面が上限を越えたこと
を上限液面検知手段(5)が検知すると、廃液供給ポン
プ(2)は水溶性廃液の補給を停止する。また、濃縮中
の水溶性廃液の温度が100〜110℃の範囲内の所定温度以
上となったことを温度検知手段(6)が検知すると、加
熱手段(3)による水溶性廃液の加熱が停止する。
【0018】したがって、この出願の発明の水溶性廃液
濃縮装置では、水溶性廃液の濃度をほぼ一定に保つこと
が可能であり、発泡につながる水溶性廃液の粘度の過剰
増大を抑えることができる。また、濃縮廃液は、室温に
冷却しても流動性が保たれ、濃縮釜(1)からの取り出
しが容易となる。
【0019】水溶性廃液中には多種類の物質が溶解して
いるため、濃縮廃液が室温で凝結する濃度を厳密に求め
ることは困難であるが、これまでの実験的検証からは、
水分が50重量%以下になっても濃縮廃液は室温で液状
を保つことが確認されている。水溶液の沸点上昇△Qb
は、次式で示される。 △Qb=Kb(1000W2)/MW1 ここで、Kbはモル沸点上昇定数であり、溶媒1kg中に
溶質1molを溶かした溶液の沸点上昇に相当する。水溶
液のKbは0.515である。W1、W2はそれぞれ溶媒、溶質
の質量である。濃縮廃液の水分量が50重量%のとき、
溶質の平均分子量Mを経験的におよそ100とすると、△
b=5.3[deg]となり、前記の温度検知手段(6)が検
知する100〜110℃の範囲内に収まる。したがって、濃縮
廃液は、室温に冷却しても液体状態を維持するのであ
る。
【0020】一方、大気中の水の分圧は低いことから、
水分の蒸発は、濃縮廃液の沸点以下でも可能ではある。
しかしながら、沸点以下とすると、濃縮処理に時間がか
かるばかりでなく、濃縮廃液の濃度を評価することがで
きなくなるため、濃縮処理を停止する明確な指針が得ら
れない。これにより、室温まで冷却した場合、濃縮廃液
は、アスファルトと同様な挙動を示し、硬く固化する懸
念が払拭されない。
【0021】図2は、この出願の発明の水溶性廃液濃縮
装置の別の実施形態を示した概略図である。
【0022】この図2に示した水溶性廃液濃縮装置は、
図1に示した装置構成にさらに濃縮中の水溶性廃液の発
泡にともなう液面の最上限を検知する発泡検知手段
(7)を備えている。この発泡検知手段(7)の検知方
式についても前記の下限液面検知手段(4)並びに上限
液面検知手段(5)と同様に、浮き方式の発泡検知手段
(7a)や後述する電気伝導度測定方式のものなどが例
示される。
【0023】図2に示した水溶性廃液濃縮装置は、図1
に示した水溶性廃液濃縮装置と同じ動作をするととも
に、万一濃縮が過度に行われ、放散する気泡数よりも新
たに発生する気泡数が多くなると、発泡が生じ、水溶性
廃液の容積が急激に増大するため、発泡により濃縮中の
水溶性廃液の液面が、上限液面検知手段(5)により上
限を越えたと検知され、さらに最上限となったことを発
泡検知手段(7)が検知すると、加熱手段(3)による
水溶性廃液の加熱が停止する。
【0024】したがって、図2に示した水溶性廃液濃縮
装置では、濃縮釜(1)に廃液量に見合った容積を有す
るものを使用することもでき、そのような濃縮釜(1)
であっても濃縮中の水溶性廃液が濃縮釜(1)から溢れ
出すのを防止することができる。
【0025】また図2に示した水溶性廃液濃縮装置は、
供給元(8)へ水溶性廃液を返送する返送手段(9)
が、発泡検知手段(7)の高さ以上の所定高さにおいて
濃縮釜(1)に配設されてもいる。この水溶性廃液の供
給元(8)への返送手段(9)は、加熱手段(3)をは
じめ、上限液面検知手段(5)や発泡検知手段(7)に故
障が生じることを想定しての対応である。加熱手段
(3)、上限液面検知手段(5)、発泡検知手段(7)
のいずれかが故障すると、加熱が停止せず、水溶性廃液
の濃縮が過度に行われ、発泡し、水溶性廃液が濃縮釜
(1)から溢れ出て、周囲が汚染されるおそれがある。
図2に示した水溶性廃液濃縮装置では、返送手段(9)
が発泡検知手段(7)の高さ以上の所定高さにおいて濃
縮釜(1)に配設されているため、発泡により容積が増
大する水溶性廃液をこの返送手段(9)から水溶性廃液
の供給元(8)へ返送することができ、濃縮中の水溶性
廃液が濃縮釜(1)から仮に溢れ出ることがあっても、
水溶性廃液濃縮装置の周囲が溢れ出た水溶性廃液により
汚染されるのを防止することができる。
【0026】返送手段(9)の形態としては、図2に示
したように、発泡検知手段(7)の高さ以上の所定高さ
においてオーバーフロー孔(10)を濃縮釜(1)に設
け、このオーバーフロー孔(10)に供給元(8)に連
通するパイプ(11)を繋いだものや、濃縮釜(1)の
外周に樋を設け、濃縮釜(1)から溢れ出る水溶性廃液
をこの樋で受け、供給元(8)に返送するという形態な
どが例示される。
【0027】なお、返送手段(9)は、図1に示した水
溶性廃液濃縮装置には、発泡検知手段(7)がないこと
から、上限液面検知手段(5)の高さ以上の所定高さに
おいて濃縮釜(1)に配設することができる。
【0028】図3は、この出願の発明の水溶性廃液濃縮
装置の別の実施形態を示した概略図である。
【0029】この図3に示した水溶性廃液濃縮装置は、
図2に示した装置構成にさらに濃縮後の濃縮廃液を濃縮
釜(1)から取り出す帰還手段(12)が、濃縮釜
(1)に配設されている。図3に示した水溶性廃液濃縮
装置は、図2に示した水溶性廃液濃縮装置と同じ動作を
するとともに、濃縮後の濃縮廃液を帰還手段(12)に
より濃縮釜(1)から外部に取り出すことができる。も
ちろん、帰還手段(12)は、図1に示した水溶性廃液
濃縮装置においても同様に濃縮釜(1)に配設すること
ができる。
【0030】帰還手段(12)の形態としては、図3に
示したような濃縮釜(1)の底部に排出孔(13)を設
け、濃縮廃液を貯留する貯留容器(14)との間をパイ
プ(15)で連結し、このパイプ(15)の途中に排出
時に開放され、濃縮時には閉鎖されるボールバルブなど
のバルブ(16)を設けたものや、図4に示したような
濃縮釜(1)と貯留容器(14)とをパイプ(17)に
より連通させるとともに、送液ポンプなどのポンプ(1
8)を設けたものなどが例示される。この出願の発明の
水溶性廃液濃縮装置は、前述の通り、濃縮廃液は室温に
冷却しても流動性が保たれ、液状であるため、上記に例
示される帰還手段(12)により濃縮釜(1)から取り
出すことができ、帰還手段(12)の配設は、濃縮廃液
の取り出しに要する労力を軽減する。
【0031】なお、図4は、簡略のために下限液面検知
手段(4)並びに上限液面検知手段(5)、そして発泡
検知手段(7)を省略して図示しているが、図4に示し
た水溶性廃液濃縮装置にも、これら下限液面検知手段
(4)、上限液面検知手段(5)、及び発泡検知手段
(7)は、図3に示した水溶性廃液濃縮装置と同様に備
えられている。
【0032】また、加熱手段(3)として採用し得る電
熱線ヒータ(3b)は、この図4に示したように、濃縮
釜(1)内に設置することができ、このように濃縮釜
(1)内に設置される電熱線ヒータ(3b)は、前述の
通り、その発熱を水溶性廃液の濃縮に有効に利用するこ
とができるため、加熱手段(3)として特に好ましい。
【0033】図5は、この出願の発明の水溶性廃液濃縮
装置の別の実施形態を示した概略図である。
【0034】この図5に示した水溶性廃液濃縮装置に
は、加熱手段(3)に、図4に示した濃縮釜(1)内に
設置される電熱線ヒータ(3b)が採用され、また、下
限液面検知手段(4)、上限液面検知手段(5)、及び
発泡検知手段(7)には、電気伝導度測定方式の下限液
面検知手段(4b)、上限液面検知手段(5b)、及び
発泡検知手段(7b)が採用されている。その他の装置
構成は、図3に示した水溶性廃液濃縮装置を踏襲してい
る。
【0035】以上に示されるこの出願の発明の水溶性廃
液濃縮装置が処理可能な水溶性廃液には、主として水溶
液反応による材料合成や化学分析などの際に産出される
水溶性廃液が例示されるが、濃縮中に爆発などの周囲に
害を及ぼす可能性のある化学種を含まない限り特に制限
はない。
【0036】水溶液反応に用いる化学物質には、硫酸や
硝酸などの強酸、及びアンモニア水、また、苛性ソーダ
などの強塩基、さらに、過マンガン酸塩や濃硝酸などの
酸化剤、及び亜硫酸塩や硫化水素などの還元剤などの反
応性の高いものが多い。しかしながら、物質を合成する
際には、性質の相反する化学物質を適切に組み合わされ
るため、反応後に生成する物質の化学的特徴は弱められ
る。たとえば強酸と強塩基を用いた化学反応により産出
される水溶性廃液は、一般に中性に近いpHを示す。ま
た、酸化性化合物と還元性化合物の反応後の反応性生物
や副生成物は、原料化合物の酸化性及び還元性よりも弱
められる。さらに様々な化学実験により産出される水溶
性廃液が混合されるとなると、水溶性廃液の化学的特徴
は一層弱められると考えられるので、濃縮処理するに当
たっては、pHなどを必ずしも調整する必要はなく、調整
するにしても多少ですむ。
【0037】一方、濃縮中にアルコールなどの有害な化
学種が蒸発する水溶性廃液や、熱分解して有毒ガスを発
生する化学種、たとえばチオ硫酸アンモニウムや亜硫酸
塩などを含む水溶性廃液については、濃縮中に蒸発して
くるガスをたとえばドラフト内に排出し、あるいは無毒
化するなどの工夫が必要とされる。
【0038】また、様々な水溶性廃液が混合されること
により、難溶性の物質が沈殿する可能性は否定できな
い。しかしながら、難溶性物質の沈殿は一般に微細であ
り、水溶性廃液中に分散していても水溶性廃液の粘度は
小さいため、この出願の発明の水溶性廃液濃縮装置によ
る濃縮処理に不都合となることはない。
【0039】もちろん、この出願の発明は、以上の実施
形態によって限定されるものではない。濃縮釜や各手段
については様々な態様が可能であることは言うまでもな
い。
【0040】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明によって、濃縮中の水溶性廃液の濃度をほぼ一定に保
ち、発泡につながる水溶性廃液の粘度の過剰増大を抑え
ることができる。濃縮廃液は、室温に冷却しても流動性
が保たれ、濃縮釜からの取り出しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の水溶性廃液濃縮装置の一実施
形態を示した概略図である。
【図2】この出願の発明の水溶性廃液濃縮装置の別の実
施形態を示した概略図である。
【図3】この出願の発明の水溶性廃液濃縮装置の別の実
施形態を示した概略図である。
【図4】この出願の発明の水溶性廃液濃縮装置の別の実
施形態を示した概略図である。
【図5】この出願の発明の水溶性廃液濃縮装置の別の実
施形態を示した概略図である。
【符号の説明】
1 濃縮釜 2 廃液供給ポンプ 3 加熱手段 3a、3b 電熱線ヒータ 4、4a、4b 下限液面検知手段 5、5a、5b 上限液面検知手段 6 温度検知手段 7、7a、7b 発泡検知手段 8 供給元 9 返送手段 10 オーバーフロー孔 11 パイプ 12 帰還手段 13 排出孔 14 貯留容器 15 パイプ 16 バルブ 17 パイプ 18 ポンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性廃液の濃縮が行われる濃縮釜と、
    この濃縮釜内に水溶性廃液を供給する廃液供給ポンプ
    と、濃縮釜内に供給された水溶性廃液を加熱する加熱手
    段と、濃縮釜内の水溶性廃液の下限液面並びに上限液面
    を検知する下限液面検知手段並びに上限液面検知手段
    と、濃縮釜内の水溶性廃液の温度を検知する温度検知手
    段とを備え、濃縮釜内の水溶性廃液の液面が下限以下と
    なったことを下限液面検知手段が検知すると、廃液供給
    ポンプは水溶性廃液の補給を行い、濃縮釜内の水溶性廃
    液の液面が上限を越えたことを上限液面検知手段が検知
    すると、廃液供給ポンプは水溶性廃液の補給を停止し、
    また、濃縮中の水溶性廃液の温度が100〜110℃の範囲内
    の所定温度以上となったことを温度検知手段が検知する
    と、加熱手段による水溶性廃液の加熱が停止することを
    特徴とする水溶性廃液濃縮装置。
  2. 【請求項2】 濃縮中の水溶性廃液の発泡にともなう液
    面の最上限を検知する発泡検知手段を備え、発泡により
    濃縮中の水溶性廃液の液面が、上限液面検知手段により
    上限を越えたと検知され、さらに最上限となったことを
    発泡検知手段が検知すると、加熱手段による水溶性廃液
    の加熱が停止する請求項1記載の水溶性廃液濃縮装置。
  3. 【請求項3】 供給元へ水溶性廃液を返送する返送手段
    が、上限液面検知手段又は発泡検知手段の高さ以上の所
    定高さにおいて濃縮釜に配設されている請求項1又は2
    記載の水溶性廃液濃縮装置。
  4. 【請求項4】 濃縮後の濃縮廃液を濃縮釜から取り出す
    帰還手段が、濃縮釜に配設されている請求項1乃至3い
    ずれかに記載の水溶性廃液濃縮装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012183496A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Takagi Reiki Kk 廃液処理装置及び廃液処理装置の製造方法
CN105413228A (zh) * 2015-12-15 2016-03-23 深圳市瑞升华科技股份有限公司 奥斯陆结晶器
JP2016221443A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 三菱レイヨン株式会社 液体の処理方法
CN106970584A (zh) * 2017-02-28 2017-07-21 徐州工程学院 一种蒸压釜安全检测装置及方法

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