JP2002159241A - 魚介類飼育装置 - Google Patents

魚介類飼育装置

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JP2002159241A JP2000359450A JP2000359450A JP2002159241A JP 2002159241 A JP2002159241 A JP 2002159241A JP 2000359450 A JP2000359450 A JP 2000359450A JP 2000359450 A JP2000359450 A JP 2000359450A JP 2002159241 A JP2002159241 A JP 2002159241A
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Nakahiro Iwata
仲弘 岩田
Kotaro Kikuchi
弘太郎 菊池
Haruo Ishizuka
治男 石塚
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Kankyo Research KK
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Kankyo Research KK
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】糞や残餌等の汚濁物質の蓄積による飼育環境の
悪化を招くことなく、魚介類を潜砂可能な状態で飼育で
きる装置および飼育方法の提供。 【解決手段】魚介類を飼育するための飼育水槽1と、該
水槽の底部に魚介類が潜れる厚さに層状に敷かれた砂ま
たは砂状物質14と、該砂等の層の下面から上方に向か
う水流を起こす手段3(図では貯水槽2と水槽1とをサ
イフォン作用で接続する給水管)と、水槽内の汚濁物質
を排出するための手段(例えば砂層の上方に設けた排出
口)15とからなる魚介類飼育装置。該装置を使用して
ヒラメ等の魚介類を飼育する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚介類飼育装置に関
し、より詳しくは飼育環境の悪化を招くことなく高品質
な魚介類を飼育・生産するための装置、および該装置を
使用して上記魚介類を飼育・生産する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、より良好な環境で魚介類を飼育す
るための装置が種々提案されてきた。例えば特開平6−
141732号公報には、飼育水槽と処理水槽とからな
り、該処理水槽を濾過部と沈殿部とに区画して水中の異
物の除去と生物廃棄物の分解を効率よく行う飼育装置が
開示され、特開2000−116272号公報には、水
槽本体に複数の濾過部(物理的濾過部および生物的濾過
部)を接続した飼育装置が開示されている。さらに、魚
介類の行う代謝等に伴う飼育水の溶存酸素濃度の低下を
該飼育水の酸素含有気体との接触で補う飼育装置が特開
平11−243808号公報に開示されている。しかし
ながら、上記従来の飼育装置は、水中を回遊するか、水
中に滞留する魚介類を対象としており、ヒラメなどの水
底の砂に潜って生息する(潜砂する)魚介類の生態環境
に適応したものではなかった。ヒラメなどの自然界にお
いて潜砂する魚介類の飼育・養殖は、一部では飼育槽底
面に砂または砂状物質を直接敷いて行う試みがなされて
いるものの、通常は依然として、水中を回遊する他の魚
介類と同様、砂を敷いていない飼育槽中で行われてい
る。天然では砂に潜っているヒラメなどの魚介類を砂の
ない状況で飼育することによって、無眼側の黒化による
商品価値の低下やイクチオボド症などの病気発生といっ
た問題を生じる。これは、本来は砂に潜って棲息する魚
介類を潜砂できない、すなわち天然とは異なる状況で飼
育することに起因する。一方、従来用いられてきた飼育
装置において、飼育水槽底面に砂を層状に敷いた場合、
該層の砂粒間や砂粒表面に魚介類の排泄物(糞)や残餌
等の汚濁物質が蓄積し、これに起因するアンモニア等の
有害物質の発生や微生物活動に伴う酸素濃度の低下など
の環境悪化を生じる。これを防止するために、上記した
溶存酸素濃度の低下を補う飼育装置(特開平11−24
3808号公報参照)を適用することが考えられるが、
汚濁物質のほとんどは砂の層中に入りこんでいるため、
意図した効果を得ることは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術にお
ける上記の問題点を解決するためになされたものであ
り、飼育環境の悪化を招くことなく、魚介類を潜砂可能
な状態で飼育・生産できる装置、および該装置を用いて
良質な魚介類を健全に飼育・生産できる方法を提供する
ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々研究を
重ねた結果、水槽底面に魚介類が潜るための砂または砂
状物質を魚介類が潜れる程度の厚さに敷いて、この敷い
た砂または砂状物質の層の下面から上方に向けて水流を
積極的に起こすことにより、砂粒間にはまりこんだ、ま
たは砂粒表面に付着した汚濁物質を砂層上に浮遊させ、
それを水槽外部に排除することにより、水槽内の環境が
良好に保持され、魚介類が良好に飼育できることに着眼
し、さらに、鋭意検討を重ね、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、以下の魚介類飼育装
置および魚介類飼育方法に関するものである。 (1)魚介類を飼育するための飼育水槽と、該水槽の底
部に魚介類が潜れる厚さに層状に敷かれた砂または砂状
物質と、該砂または砂状物質の層の下側から上方に向か
う水流を起こす手段と、前記水槽内の汚濁物質を排出す
るための手段とからなる魚介類飼育装置。 (2)砂または砂状物質が水は通過させるが該砂または
砂状物質は通過させない多孔性シート上に敷かれている
上記(1)記載の魚介類飼育装置。 (3)飼育水槽と濾過槽または貯水槽とを接続する給水
管によるサイフォン作用により飼育水が飼育水槽に断続
的かつ自動的に供給されるようにした上記(1)または
(2)に記載の魚介類飼育装置。 (4)水質浄化微生物が担持された濾材を用いた濾過槽
が使用され、該濾過槽の水位の上下により前記濾材が干
出、水没するようにした上記(3)記載の魚介類飼育装
置。 (5)飼育水槽から排出された飼育水が汚濁物質の除去
後に濾過槽または貯水槽に戻されるようにした上記
(3)または(4)記載の魚介類飼育装置。 (6)上記(1)ないし(5)に記載の装置を使用して
魚介類を飼育する方法。
【0006】本発明の魚介類飼育装置は、陸上に設置し
て魚介類を飼育または生産し得る他、船に設置して、捕
獲した魚介類を陸揚げするまでの間、飼育するため等に
使用できる。本発明において、水槽の底部に層状に敷か
れる砂または砂状物質(以下、砂等とも記載する)は、
飼育すべき魚介類に適するものであれば天然のものであ
っても、合成されたものでもよく、その種類(粒径や形
状等)や敷かれる量(厚さ)等は飼育される魚介類や水
槽の大きさ等に応じて適宜選択される。本発明では層状
に敷いた砂層の下面から該砂層を通して上方へ流れる水
流を形成させるため、上記砂または砂状物質は、多孔性
シートを介して飼育水槽底部に敷かれることが好まし
い。ここで多孔性シートは、飼育水は通すが、使用する
砂等は通さない目の粗さを有するものであることが必要
である。また、上記多孔性シートは支持材により支持さ
れて飼育水槽に設置されてもよい。該支持材は砂層への
水流の形成を大きく妨げないものであれば、特に制限さ
れず、例えば、上記多孔性シートの下面側に配置された
棒状部材や、上記多孔性シートとは別の多孔性の板状材
等を使用することができる。多孔性シートの支持材とし
て多孔性の板状材を使用する場合、該多孔性の板状材は
多孔性シートより目の粗い孔を全面にほぼ均等に有する
ものを用いることが好ましい。このような2層構造の多
孔性部材を使用することにより、飼育水槽にその下部か
ら流入された飼育水が多孔性の板状材により、その全面
に均等に分散された後に、透水性のマットを介して砂層
に供給されるため、該砂層全面の汚濁物質が下方から上
方に向かう水流に伴って浮上し、それに引き続き該汚濁
物質の除去が確実に、かつ効率よく行われる。
【0007】本発明の魚介類飼育装置において、飼育水
槽への飼育水の供給は、例えば該飼育水槽に給水管等を
介して接続された濾過槽または貯水槽から行われ得る。
この場合、濾過槽または貯水槽から飼育水槽へ上記給水
管等によるサイフォン作用により飼育水が供給されるよ
うにすることにより、飼育水槽に飼育水が断続的かつ自
動的に供給される。また、このサイフォン作用を利用
し、飼育水を供給するシステムに、濾過槽として水質浄
化微生物が担持された濾材を用いたものを使用すると、
該濾過槽の水位の上下により前記濾材の干出・水没が反
復され、干出の際に上記微生物に酸素が供給されて活性
が上昇するので安定した水質浄化作用が長期にわたって
得られる。飼育水槽から排出された飼育水は、廃棄され
てもよいが、一旦沈殿槽等に集めた後、汚濁物質の除去
後に上記濾過槽または貯水槽等に戻すようにしてもよ
い。本発明によると、上記したように、飼育水槽底部に
敷かれた砂層中の汚濁物質を効率よく排除して魚介類の
生育環境を良好に保持できるため、本発明の装置および
方法において飼育される魚介類は特に制限されないが、
潜砂する習性を有するヒラメ、カレイ等が特に適してい
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の魚介類飼育装置は、例え
ば、底面に下面側から多孔性の板、透水性のマットおよ
び砂等(魚介類が潜れる程度の厚さ)の順に層状に敷か
れた飼育水槽と、該水槽の最高水位より高い位置に排水
口を有する貯水槽(または濾過槽)とから概略構成さ
れ、前記水槽には多孔性の板より低い位置に飼育水流入
口、そして砂等の層の上面より高い位置に汚濁物質排出
口を有し、前記貯水槽(または濾過槽)の排水口と飼育
水槽の飼育水流入口はサイフォン作用を生じる給水管に
より接続され、該サイフォン作用により貯水槽(または
濾過槽)から飼育水槽への飼育水の流量を断続的、かつ
自動的に増加できるように構成されている。
【0009】上記構成を採る本発明の魚介類飼育装置
は、貯水槽(または濾過槽)に流入する飼育水により、
該槽中の水位が上昇し、該槽の排水口に連結した給水管
(サイフォン)の上端を超えると、飼育水槽に向かう飼
育水の流れが生じ、貯水槽(または濾過槽)への流入水
よりも大きい流量で飼育水槽へ飼育水を供給する。貯水
槽(または濾過槽)の水位が排水口まで低下すると飼育
水槽への飼育水の供給は停止する。この後すぐに、また
はある時間間隔をおいて、貯水槽(または濾過槽)への
飼育水の流入を再開し、その水位を再び上昇させる。こ
のように貯水槽(または濾過槽)の水位の上下を繰り返
すことにより、飼育水槽への断続的な水流が自動的に発
生する。これにより、連続的に飼育水を注水した場合に
比べ、最高水流量を増大させることが可能である。一
方、飼育水槽内においては、断続的に増大された量の水
流が底面から上部に向かって砂等の層を横切って発生す
ることにより、砂または砂状物質の粒子間および粒子表
面に蓄積された残餌や糞などの汚濁物質を上方に舞いあ
げ、さらに飼育水槽の排出口に向かう流れによって、飼
育水槽外に上記汚濁物質を飼育水と共に排出する。飼育
水槽からの汚濁物質の排出は、水槽に流入する水の勢い
で自動的に水槽の排出口から行われ得るため、特別な排
出装置を必要としないことが本発明の一つの特徴である
が、所望に応じてポンプ等により強制的に吸引を行うこ
とにより、確実かつ迅速な汚濁物質の排出を行うことも
できる。上記のように本発明によれば、飼育水槽底面に
魚介類が潜れる程度の厚さの砂等を敷いても、特別な管
理を行うことなく、飼育水槽における汚濁物質による飼
育環境の悪化を生ぜずに、魚介類を飼育・生産すること
が可能となる。しかも、水中を回遊する通常の魚介類だ
けでなく、潜砂する習性のある魚介類、例えばヒラメ等
の飼育・生産を天然と同様の環境で行うことができる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例に基づいて
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に
限定されるものではない。図1に本発明の魚介類飼育装
置の一実施例を模式的に示す。図中、1は飼育水槽、2
は濾過槽、3は飼育水槽1と濾過槽2とを連結し、かつ
濾過槽2から飼育水槽1へサイフォン作用により飼育水
を供給する給水管、そして4は飼育水槽1から排出され
た汚濁物質の沈殿槽である。飼育水槽1の底部近傍には
該水槽の底面に相当する大きさの多孔性の板12、その
上に該板12全面を覆う透水性のマット13、その上に
砂または砂状物質14がその全面を覆い、かつ魚介類が
潜ることができる程度の高さに敷かれている。ここで、
透水性のマット13は水を通すが上記砂または砂状物質
14は通さず、また、多孔性の板12は透水性のマット
13より目が粗く、その全面にわたってほぼ均等に小孔
を有する。このため、砂または砂状物質14は飼育水槽
1底面に落下することがない。
【0011】また、飼育水槽1の多孔性の板12より下
方には濾過槽2からの飼育水を流入させる流入口11、
そして砂または砂状物質14の上方には汚濁物質を沈殿
槽4に排出するための排出口15が設けられている。こ
れにより、流入口11からの飼育水は飼育水槽底面側、
すなわち砂等の層の下側から該層を通過してその上方に
向かう。濾過槽2には濾材(図示せず)として水質浄化
微生物(例えばプラスチック基材に担持させた、アンモ
ニアを酸化する硝化細菌等)が充填されている。濾過槽
2と飼育水槽1とは、それぞれの排水口21と流入口1
1とがサイフォン作用を生じる給水管3により接続され
ており、該排水口21は飼育水槽1の最高水位(HL)
より高い位置に設けられている。飼育水が注水口44よ
り濾過槽2に注水されるにつれ濾過槽2の水位が上昇
し、給水管3の上端に相当する水位(FL)を超える
と、排水口21より飼育水が飼育水槽1に向けて流出を
開始し、排水口21より空気を吸入して水柱が途切れる
水位(EL)に低下するまで、一気に排出される。この
時、飼育水槽1には濾過槽2への注入水を直接連続的に
流した場合に比べて大きな水流が自動的に底面側から上
方に向かって発生し、その途上で砂または砂状物質14
の粒子表面および粒子間に蓄積した汚濁物質(水槽1内
で飼育される魚介類が排泄した糞や食べ残した餌等)を
砂層上に舞い上げ、それら汚濁物質は一部の飼育水とと
もに飼育水槽1の外部へ排出口15を介して排出される
[図2参照,符号fで示される汚濁物質が下方からの水
流(白抜きの矢印で示す)により浮上し、さらに排出口
15から排出される]。一方、濾過槽2内では水位の低
下により濾材が露出し、濾材に付着した水質浄化微生物
に酸素が供給され、その活性が上昇する。
【0012】また、本例では飼育水槽1の排出口15か
らの流出水は沈殿槽4、懸濁物除去装置(図示せず)等
を通過した後、沈殿層4の流出口41から導管42を介
し、循環ポンプ43により濾過槽2へ注水口44から給
水が行われると、飼育水槽1への水流は一旦停止し、濾
過槽2内の水位が再び上昇する。このように、本発明の
魚介類飼育装置における飼育水の循環が行われる。な
お、本実施例では砂または砂状物質を2層構造の多孔性
シート上に敷く例を示したが、砂等が流出せず、砂層の
下方から上方へ水流が円滑に伝達されものであれば、多
孔性シートは1層であっても、3層以上であってもよ
く、また、それら単層または多層の多孔性シートを棒状
部材等で支持するようにしてもよい。さらに、上記の例
では砂層を横切る下方から上方への水流をサイフォン作
用により断続的に飼育水槽内に発生させる方式について
説明したが、砂層中の汚濁物質が除去され得るような水
流を起こすことができるものであれば、他の方式、例え
ば直接注水等を採用してもよい。さらに、濾過槽には水
質浄化微生物の他、活性炭等の水質浄化材を充填した
り、濾過槽に代えて貯水槽を用いてもよい。また、沈殿
槽から飼育水を循環させる水の再利用は、飼育水の使用
量の減少に寄与する方式であるが、循環させずに常に新
たな飼育水を供給してもよい。
【0013】試験例 次に、上記した本発明の魚介類飼育装置を用いたヒラメ
養殖実験の結果を示す。なお、典型的な潜砂性の魚であ
るヒラメを対象魚として用いたが、本発明はこの魚種に
限定されるものではない。飼育水槽と濾過槽との容量比
を1.3:0.4として、本発明の魚介類飼育装置を構
築し、ヒラメを250日間飼育したが、病気や目立った
黒化の発生はほどんどなく、また溶存酸素濃度の低下等
の飼育環境の悪化も認められなかった。これに対し、対
照として行った、砂を敷かない従来の飼育水槽で飼育し
たヒラメには250日経過する前にほとんど全ての個体
に明確な黒化部位が認められ、溶存酸素濃度の日毎の低
下が検出された。これらの実験は本発明の有効性を明ら
かに実証するものである。
【0014】
【発明の効果】以上詳細に記載したように、本発明の魚
介類飼育装置は、魚介類が潜れる程度の厚さの砂または
砂状物質を敷いた状態で魚介類を飼育できるため、ヒラ
メ等を飼育しても黒化による商品価値の低下や病気発生
を起こすことなく、潜砂性の魚介類をより自然界に近い
環境で飼育することができる。また、本発明では、飼育
水槽底面側から上方側に向かう水流を砂層を横切るよう
に発生させることにより、従来の飼育水槽の底面に砂等
を直接敷いた場合に生じる汚濁物質の蓄積による飼育環
境の悪化を防止することができる。本発明の上記魚介類
飼育装置において、砂または砂状物質を水は通過させる
が該砂または砂状物質は通過させない多孔性シート上に
敷くことにより、前記砂等の流出が防止され、流入水の
砂層中の通過をより効果的に行うことができる。また、
本発明の上記魚介類飼育装置において、飼育水の飼育水
槽への流入を濾過槽または貯水槽等からサイフォン作用
を介して行うことにより、飼育槽底面から上方に向かう
水流量を自動的かつ断続的に増加させ、それにより砂層
中の汚濁物質を確実に浮上および除去できるので、該汚
濁物質の蓄積による飼育環境の悪化をより効果的に防止
することができる。特に、濾過槽の濾材として水質浄化
微生物を充填することにより、該濾過槽の水位の上下に
より濾過材の干出と水没が繰り返され、前記微生物への
酸素供給が自動的かつ効率的に行われ、濾材の活性が長
期に及び安定に維持されるので、魚介類の生育により適
した飼育水が長期にわたり安定して供給される。さら
に、本発明の魚介類飼育装置において、飼育水槽から排
出された飼育水を、その中の汚濁物質を除去した後、循
環させることにより、より少ない飼育水量での飼育が可
能となり、ひいては環境負荷を最小限に抑えることがで
きる。本発明の魚介類の飼育方法は上記したような優れ
た効果を奏する本発明の装置を使用して行われるため、
特別な管理を行うことなく、良好な飼育環境を維持し、
かつ、品質低下や病気発生を生じることなしに、高品質
のヒラメ等の魚介類を飼育・生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚介類飼育装置の一実施例を模式的に
示す図面である。
【図2】本発明の魚介類飼育装置を使用した際の砂また
は砂状物質の層から汚濁物質が除去される様子を模式的
に示す図面である。
【符号の説明】
1 飼育水槽 2 濾過槽(貯水槽) 3 給水管 4 沈殿槽 11 流入口 12 多孔性の板 13 透水性のマット 14 砂(砂状物質) 15 排出口 21 排水口 41 流出口 44 注水口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 弘太郎 千葉県我孫子市我孫子1646 財団法人電力 中央研究所 我孫子研究所内 (72)発明者 石塚 治男 群馬県勢多郡宮城村苗ヶ島2567 株式会社 環境リサーチ赤城営業所内 Fターム(参考) 2B104 AA01 AA05 BA11 CA01 CB23 CB30 EA01 ED05 ED17 EF01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類を飼育するための飼育水槽と、該
    水槽の底部に魚介類が潜れる厚さに層状に敷かれた砂ま
    たは砂状物質と、該砂または砂状物質の層の下側から上
    方に向かう水流を起こす手段と、前記水槽内の汚濁物質
    を排出するための手段とからなる魚介類飼育装置。
  2. 【請求項2】 砂または砂状物質が水は通過させるが該
    砂または砂状物質は通過させない多孔性シート上に敷か
    れている請求項1記載の魚介類飼育装置。
  3. 【請求項3】 飼育水槽と濾過槽または貯水槽とを接続
    する給水管によるサイフォン作用により飼育水が飼育水
    槽に断続的かつ自動的に供給されるようにした請求項1
    または2記載の魚介類飼育装置。
  4. 【請求項4】 水質浄化微生物が担持された濾材を用い
    た濾過槽が使用され、該濾過槽の水位の上下により前記
    濾材が干出、水没するようにした請求項3記載の魚介類
    飼育装置。
  5. 【請求項5】 飼育水槽から排出された飼育水が汚濁物
    質の除去後に濾過槽または貯水槽に戻されるようにした
    請求項3または4記載の魚介類飼育装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の装置を使用して魚介類を飼育する方法。
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