JP2002155919A - タイボルト構造 - Google Patents

タイボルト構造

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JP2002155919A JP2000354864A JP2000354864A JP2002155919A JP 2002155919 A JP2002155919 A JP 2002155919A JP 2000354864 A JP2000354864 A JP 2000354864A JP 2000354864 A JP2000354864 A JP 2000354864A JP 2002155919 A JP2002155919 A JP 2002155919A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動に対する信頼性を高めたタイボルト構造
を提供する。 【解決手段】 複数の被締付部材に穿設されたタイボル
ト孔に挿通されて各被締付部材を一体に固定するタイボ
ルト18と、タイボルト18がタイボルト孔内で振動す
ることを抑制する振動抑制部50とを備えるタイボルト
構造において、振動抑制部50は、タイボルト18の軸
方向に作用する引張応力によって生じる応力線が通らな
いように形成された当たり部54を有する。これによ
り、当たり部54が損傷した場合であっても、当たり部
54には応力線が通らないので、引張応力に起因して損
傷部分が拡大することがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被締付部材を一体
に固定するタイボルトと、タイボルトの振動を抑制する
振動抑制部とを備えるタイボルト構造に関し、特に、大
型ディーゼル機関のジャケット、架構及び台板を固定す
るためのタイボルト構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ディーゼル機関のジャケッ
ト、架構及び台板を一体に固定するタイボルト構造が知
られている。このタイボルト構造においては、タイボル
トがディーゼル機関のクランクの回転等に伴ってタイボ
ルト孔内で振動し、タイボルトが破損してしまうことが
ある。このため、従来からタイボルトの振動を抑制する
ための振動抑制部を有するタイボルト構造が知られてい
る。このような振動抑制部を有するタイボルト構造の一
例を図8に示す。同図に示すように、従来のタイボルト
構造100は、タイボルト102の一部に形成された環
状のリセス部104と、このリセス部104に当接する
と共にタイボルト102を取り囲むブッシュ106とか
ら構成されていた。これにより、タイボルト102が振
動するとブッシュ106がタイボルト孔の内周19と当
たり、タイボルト102の振動は抑制されることとなっ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示すタイボルト構造100には以下のような問題点があ
った。すなわち、タイボルト102の振動に伴ってブッ
シュ106とリセス部104との間に生じる衝撃によ
り、タイボルト102のリセス部104のブッシュ10
6との当たり部が損傷する場合がある。一方、被締付部
材を一体に固定するため、タイボルト102には引張応
力が作用している。特に、タイボルト102が大型ディ
ーゼル機関のジャケット、架構及び台板を固定するため
に用いられる場合には、タイボルト102はシリンダ内
の爆発力に抗して各被締付部材を固定することとなるの
で、タイボルト102に作用する引張応力は非常に大き
いものとなる。従って、前述のようにタイボルト102
のリセス部104のブッシュ106との当たり部が損傷
すると、引張応力はその損傷部分に集中して損傷部分が
拡大し、ついにはタイボルト102が破損するという問
題が生じていた。
【0004】そこで、本発明は上記課題を解決し、振動
に対する信頼性を高めたタイボルト構造を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のタイボ
ルト構造は、複数の被締付部材に穿設されたタイボルト
孔に挿通されて各被締付部材を一体に固定するタイボル
トと、タイボルトがタイボルト孔内で振動することを抑
制する振動抑制部とを備えるタイボルト構造において、
振動抑制部は、タイボルトの軸方向に作用する引張応力
によって生じる応力線が通らないように形成された当た
り部を有することを特徴とする。
【0006】このタイボルト構造によれば、タイボルト
の振動を抑制するための当たり部は、タイボルトの軸方
向に作用する引張応力によって生じる応力線が通らない
ように形成されている。このため、当たり部が損傷した
場合であっても、タイボルトに作用する引張応力に起因
して損傷部分が拡大することがなく、タイボルトの破損
を防止することができる。これにより、振動に対するタ
イボルト構造の信頼性を高めることができる。なお、
「応力線が通らない」とは、タイボルトに引張応力が作
用した際に、当該部分においてひずみが生じないか、あ
るいは、当該部分において生じるひずみがタイボルト全
体に生じるひずみより小さいことをいう。
【0007】また、請求項2に係るタイボルト構造は、
複数の被締付部材に穿設されたタイボルト孔に挿通され
て各被締付部材を一体に固定するタイボルトと、タイボ
ルトがタイボルト孔内で振動することを抑制する振動抑
制部とを備えるタイボルト構造において、振動抑制部
は、タイボルトの軸方向に所定の間隔を隔てるように、
タイボルトの外周に形成された2個のリセス部と、各リ
セス部の間に形成された当たり部と、タイボルトとタイ
ボルト孔の内周との間に介設され、当たり部に当接する
当接部を有するブッシュと、を備えることを特徴とす
る。
【0008】このタイボルト構造によれば、タイボルト
の軸方向(以下、単に「軸方向」という)に所定の間隔
を隔てるように、タイボルトの外周に2個のリセス部が
形成されている。ここで、「リセス部」とは、タイボル
トの外周を取り囲むように環状に形成された凹部であ
り、リセス部においてタイボルトはくびれている。従っ
て、各リセス部の間に形成される当たり部の径は、リセ
ス部におけるタイボルトの径より大きいものとなり、当
たり部には軸方向の引張応力によって生じる応力線が通
らない。この当たり部に当接する当接部を有するブッシ
ュを、タイボルトとタイボルト孔の内周との間に介設す
ることによって、タイボルトがタイボルト孔内で振動す
ることを抑制する。また、タイボルトが振動すると、ブ
ッシュとタイボルトとの間に生じる衝撃により、当たり
部が損傷する場合がある。本タイボルト構造では、当た
り部には引張応力が作用しないか、あるいは当たり部に
作用する引張応力は小さいので、引張応力に起因して損
傷部分が拡大することがなく、タイボルトの破損を防止
することができる。これにより、振動に対するタイボル
ト構造の信頼性を高めることができる。
【0009】上記タイボルト構造は、2個のリセス部を
挟むようにタイボルトの外周に形成された2本の溝部
と、各リセス部と各溝部との間にそれぞれ形成された2
個の第2の当たり部をさらに備え、ブッシュは、さらに
各第2の当たり部に当接する第2の当接部を有すること
を特徴しても良い。
【0010】このタイボルト構造においては、当たり部
を挟むようにさらに2個の第2の当たり部が形成され、
各第2の当たり部にブッシュを当接させている。これに
より、ブッシュは複数の当たり部においてタイボルトと
当接することとなるので、ブッシュをより安定させるこ
とができる。
【0011】上記タイボルト構造において、ブッシュの
外周は、タイボルトの挿通方向に径が小さくなる円錐形
状とされており、ブッシュと当接するタイボルト孔の内
周は、ブッシュが嵌合可能に形成されていることを特徴
としても良い。
【0012】このような構成を採用すれば、タイボルト
がタイボルト孔に挿通される際に、タイボルトに取り付
けられた円錐形状のブッシュは、タイボルト孔の内周を
摺動して自動的に調芯されることとなる。
【0013】また、請求項5に係るタイボルト構造は、
複数の被締付部材に穿設されたタイボルト孔に挿通され
て各被締付部材を一体に固定するタイボルトと、タイボ
ルトがタイボルト孔内で振動することを抑制する振動抑
制部とを備えるタイボルト構造において、振動抑制部
は、タイボルトの径方向に突出するように形成されると
共に、タイボルトの挿通方向に径が小さくなる円錐形状
の当たり部を有し、当たり部と当接するタイボルト孔の
内周は、当たり部が嵌合可能に形成されていることを特
徴とする。
【0014】このような構成を採用すれば、タイボルト
がタイボルト孔に挿通される際に、円錐形状に形成され
た当たり部がタイボルト孔の内周を摺動して、自動的に
調芯されることとなる。また、ブッシュを使用する必要
がなくなることにより、材料費の低減を図ることができ
る。
【0015】上記タイボルト構造は、被締付部材に螺入
され、当たり部を押さえる振動抑制用ボルトをさらに備
えることを特徴としても良い。
【0016】このように振動抑制ボルトを設けることと
すれば、タイボルトの振動を確実に抑制することができ
る。ここで、「当たり部を押さえる」とは、振動抑制ボ
ルトが当たり部に当接して直接に当たり部を押さえる場
合と、振動抑制ボルトがブッシュを介して当たり部を間
接的に当たり部を押さえる場合の両方が含まれる。
【0017】また、上記タイボルト構造において、タイ
ボルトは、振動抑制部の下側に第2の振動抑制部をさら
に備え、第2の振動抑制部は、タイボルトの径方向に突
出するように設けられた環状突出部を備え、環状突出部
とタイボルト孔の内周との隙間に潤滑油が満たされてい
ることを特徴としても良い。
【0018】このように第2の振動抑制部をさらに備え
ることにより、タイボルトが長い場合であっても確実に
タイボルトの振動を抑制することができる。また、第2
の振動抑制部は、環状突出部とタイボルト孔の内周との
間に隙間を有し、その隙間に満たされた潤滑油の圧力変
化によってタイボルトの振動を防止する。これにより、
環状突出部は、タイボルト孔の内周の径に厳密に一致す
るよう加工する必要がなくなるので、環状突出部の寸法
精度を緩和して容易にタイボルト構造を実現することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明に係るタ
イボルト構造の好適な実施形態について詳細に説明す
る。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号
を付し、重複する説明を省略する。
【0020】図1は、本実施形態に係るタイボルト構造
が適用されるディーゼル機関10を示す図である。ディ
ーゼル機関10は、ジャケット12、架構14及び台板
16を備えており、これらの各部材は複数のタイボルト
18によって一体に固定されている。ジャケット12に
は、ピストン24が摺動するシリンダライナ22が固設
されており、シリンダライナ22の頂部にはシリンダカ
バー20が設けられている。ピストン24は、ピストン
棒26を介してクロスヘッド28と連結されている。ク
ロスヘッド28とクランク軸32とは、回動自在に取り
付けられた連接棒30によって連結されている。シリン
ダライナ22、シリンダカバー20及びピストン24に
よって画成される燃焼室R内の爆発圧力によって、ピス
トン24がシリンダライナ22上を往復運動すると、摺
動板34上を摺動するクロスヘッド28に往復運動は伝
達される。続いて、クロスヘッド28に回動自在に取り
付けられた連接棒30が、クロスヘッド28の往復運動
に従って揺動し、連接棒30の他端に取り付けられたク
ランク軸32に回転運動として伝達される。
【0021】図2は、本発明の第1実施形態に係るタイ
ボルト構造を示す断面図である。図2に示すように、タ
イボルト構造は、ジャケット12、架構14及び台板1
6に穿設されたタイボルト孔に挿通されたタイボルト1
8と、タイボルト18の上下に設けられた振動抑制部4
2,50とを備えている。ナット40によってタイボル
ト18が締め付けられることにより、ジャケット12、
架構14及び台板16が一体に固定されている。
【0022】図2において上側に位置する第1の振動抑
制部50は、図3に示すように、タイボルト18の外周
に形成された2個のリセス部52と、各リセス部52の
間に形成された環状の当たり部54と、タイボルト18
とタイボルト孔の内周19との間に介在されるブッシュ
56とを備えている。2個のリセス部52は、タイボル
ト18の軸方向に所定の間隔を隔てて、軸方向にそれぞ
れ形成されている。そして、当たり部54の直径は、リ
セス部52の直径より大きい。これにより、当たり部5
4には引張応力によって生じる応力線が通らないことと
なる。また、ブッシュ56は、当たり部54に当接する
当接部58を有している。ブッシュ56の当接部58の
上下は、タイボルト18のリセス部52に向かって膨ら
んでおり(内周の径が小さくなっており)、ブッシュ5
6がタイボルト18に対して軸方向に移動しない構成と
なっている。これにより、タイボルト18をタイボルト
孔に挿通させる際に、タイボルト18を垂直にしてもブ
ッシュ56がタイボルト18の当たり部54から滑り落
ちない。なお、このブッシュ56は2つ割りであり、図
示しない止めボルト等の結合手段によって一体に固定さ
れている。また、タイボルト構造は、当たり部54の位
置において、軸方向に垂直にジャケット12に螺入され
る振動抑制ボルト59を有している。この振動抑制ボル
ト59が当たり部54を押さえることにより、確実にタ
イボルト18の振動を抑制する。
【0023】再び、図2を参照して下側に位置する第2
の振動抑制部42について説明する。第2の振動抑制部
42は、タイボルト18とタイボルト孔の内周19との
間に介設されるブッシュ44を有し、ブッシュ44とタ
イボルト孔の内周19との隙間に潤滑油46が満たされ
ている。潤滑油46は、ブッシュ44より上側に位置す
る図示しない潤滑油供給口から供給されるか、機関用の
潤滑油が自然にたまったもので、タイボルト孔の適切な
位置まで満たされている。ブッシュ44とタイボルト孔
の内周19との間隔は他より狭くなっており、タイボル
ト18が振動してブッシュ44とタイボルト孔の内周1
9とが近接すると、潤滑油46によってブッシュ44と
タイボルト孔の内周19とを離隔させる方向に反発圧力
が生じ、これによりタイボルト18の振動を抑制するこ
とができる。なお、第2の振動抑制部42にはブッシュ
44を用いることとしたが、径方向に突出した環状突出
部をタイボルト18に形成することとしても同様の振動
抑制部を構成することができる。
【0024】本実施形態に係るタイボルト構造は、2個
の振動抑制部42,50を有しているので、タイボルト
18の振動を効果的に防止することができる。特に、本
実施形態のように大型のディーゼル機関10に用いられ
る長いタイボルト18の場合には有効である。
【0025】また、第2の振動抑制部42は、ブッシュ
44とタイボルト孔の内周19との間に潤滑油46を満
たした構成となっており、ブッシュ44とタイボルト孔
の内周19との間に隙間が生じている。これにより、第
2の振動抑制部42のブッシュ44はタイボルト孔の内
周19に嵌合するように厳密に加工しなくても良く、容
易にタイボルト構造を実現することができる。
【0026】また、第1の振動抑制部50は、軸方向の
引張応力によって生じる応力線が通らない当たり部54
に対してブッシュ56を当接させている。これにより、
タイボルト18の振動に伴ってブッシュ56と当たり部
54との間に生じる衝撃により当たり部54が損傷した
場合であっても、当たり部54には引張応力が生じてい
ないか、あるいは当たり部54に生じる引張応力は小さ
いので、損傷部分が拡大してタイボルト18が破損する
不都合が発生せず、振動に対する信頼性の高いタイボル
ト構造を実現することができる。
【0027】また、第1の振動抑制部50は、軸と垂直
な方向にジャケット12に螺入される振動抑制ボルト5
9を有し、ブッシュ56を介して当たり部54を押さえ
ている。これにより、タイボルト18が振動する際に、
ブッシュ56が当たり部54から受ける力と、ブッシュ
56がタイボルト孔の内周19から受ける力が直線上に
並ぶため、ブッシュ56が撓むことがなく確実にタイボ
ルト18の振動を抑制することができる。
【0028】次に、本発明の第2実施形態に係るタイボ
ルト構造について説明する。第2実施形態のタイボルト
構造は、第1実施形態のタイボルト構造と基本的な構成
は同一であるが、第1実施形態の第1の振動抑制部50
とは異なる第1の振動抑制部60を有している。第1の
振動抑制部60の構成を、図4を参照しながら説明す
る。
【0029】第2実施形態における第1の振動抑制部6
0は、第1実施形態における第1の振動抑制部50と同
様に2個のリセス部52を有するが、さらに両方のリセ
ス部52を挟むように2個の環状の溝部62が形成され
ている。以下の説明においては、各リセス部52の間に
形成された当たり部を「第1の当たり部54」という。
リセス部52と溝部62との間には、それぞれ第2の当
たり部64が形成されている。そして、ブッシュ56は
第1の当たり部54に当接する当接部58と、各第2の
当たり部64に当接する当接部68を有する。
【0030】第2実施形態に係るタイボルト構造におい
て、第1の振動抑制部は第1の当たり部54と2個の第
2の当たり部64を有し、これらの当たり部54,64
にブッシュ56を当接させている。これにより、第1実
施形態のタイボルト構造と同様に、振動によるタイボル
ト18の破損を防止し、信頼性の高いタイボルト構造を
実現できる効果に加えて、第1の振動抑制部60のブッ
シュ56を安定してタイボルト18に当接させることが
できる効果が得られる。
【0031】次に、本発明の第3実施形態に係るタイボ
ルト構造について説明する。第3実施形態のタイボルト
構造は、第1実施形態のタイボルト構造と基本的な構成
は同一であるが、第1実施形態の第1の振動抑制部50
とは異なる第1の振動抑制部70を有している。第1の
振動抑制部70の構成を、図5を参照しながら説明す
る。
【0032】第3実施形態における第1の振動抑制部7
0は、ブッシュ56の外周がタイボルト18の挿通方向
に向かって径が小さくなる円錐形状となっており、ブッ
シュ56と当接するタイボルト孔の内周19aはブッシ
ュ56と嵌合可能なテーパ状となっている。
【0033】第3実施形態のタイボルト構造は、第1実
施形態のタイボルト構造と同様に、振動によるタイボル
ト18の破損を防止し、信頼性の高いタイボルト構造を
実現できる効果に加えて、タイボルト18をタイボルト
孔に容易に挿通できるという効果が得られる。すなわ
ち、第2の振動抑制部42において、ブッシュ44とタ
イボルト孔の内周19とは隙間を有しており、タイボル
ト18の挿入は容易である。そして、第1の振動抑制部
70はブッシュ56の外周が円錐形状であり、ブッシュ
56と当接するタイボルト孔の内周19aはテーパ状と
なっているため、タイボルト18が厳密にタイボルト孔
の中心に位置しない場合であっても、テーパ状の内周1
9aを円錐形状のブッシュ56が摺動して自動的に調芯
されて、ブッシュ56とテーパ状のタイボルト孔の内周
19aとは嵌合することとなる。なお、第1の振動抑制
部70の位置において、タイボルト18がタイボルト孔
の内周19aから軸と垂直方向の静的応力を受けて曲が
っても、各被締付部材を固定する機能に関して問題はな
い。
【0034】また、タイボルト孔の内周19aは下側に
向かって径が小さくなるテーパ状であるので、第1の振
動抑制部70においてタイボルト18の自重がタイボル
ト孔の内周19aに作用し、ブッシュ56とタイボルト
孔との嵌合はより強固なものとなり、効果的に振動を抑
制することができる。
【0035】次に、本発明の第4実施形態に係るタイボ
ルト構造について、図6を参照しながら説明する。第4
実施形態のタイボルト構造は、2箇所に振動抑制部を有
する点で第1実施形態のタイボルト構造と同様である。
第4実施形態のタイボルト構造は、上側に第1実施形態
に係るタイボルト構造に含まれる第1の振動抑制部50
(図3参照)が設けられ、下側に第3実施形態に係るタ
イボルト構造の第2の振動抑制部70(図5参照)が設
けられている。
【0036】これにより、タイボルト18を容易にタイ
ボルト孔に挿入することができると共に、タイボルト1
8の振動を効果的に抑制することができる。
【0037】なお、本実施形態においては、第1の振動
抑制部50のブッシュ56は、その外周がタイボルト孔
の内周19と平行なものについて説明したが、第1の振
動抑制部50についても第2の振動抑制部70と同様
に、ブッシュ56の外周を円錐形状としても良い。
【0038】次に、本発明の第5実施形態に係るタイボ
ルト構造について説明する。第5実施形態のタイボルト
構造は、第4実施形態のタイボルト構造と基本的な構成
は同一であるが、第4実施形態の第2の振動抑制部70
とは異なる第2の振動抑制部80を有している。第5実
施形態における第2の振動抑制部80を、図7を参照し
ながら説明する。
【0039】第5実施形態における第2の振動抑制部8
0は、軸方向に所定の間隔を隔てるように形成された2
個のリセス部52と、各リセス部52の間に形成される
と共にタイボルト18の挿通方向に向かって径が小さく
なる円錐形状の当たり部54とを備え、当たり部54と
当接するタイボルト孔の内周19aはテーパ状となって
いる。そして、被締付部材である台板16には当たり部
54に対応する位置において、軸と垂直な方向から振動
抑制ボルト59が螺入されている。
【0040】このように第5実施形態における第2の振
動抑制部80は、当たり部54が円錐形状でタイボルト
孔の内周19aがテーパ状となっているため、容易にタ
イボルト18を挿入することが可能であり、さらにブッ
シュを使用していないことにより材料費の低減を図るこ
とができる。
【0041】以上、本発明の実施形態について詳細に説
明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるもの
ではない。
【0042】上記実施形態では、いずれも2箇所に振動
抑制部を有する構成のタイボルト構造について説明した
が、振動抑制部を設ける箇所は2箇所に限定されるもの
ではない。すなわち、タイボルト18の長さや、適用さ
れるディーゼル機関10の振動に応じて適宜変更するこ
とができ、例えばタイボルト18が比較的短い場合に
は、振動抑制部は1箇所に設ければ良い。なお、振動抑
制部を多く設ければ振動抑制効果は大きいものとなる。
【0043】また、上記実施形態では、軸と垂直な方向
に被締付部材に螺入される振動抑制ボルト59を有して
いるが、振動抑制ボルト59は必ずしも必要ではない。
【0044】また、上記実施形態では、ブッシュ56と
タイボルト孔の内周19とを当接させているが、タイボ
ルト18の振動を抑制することができれば、ブッシュ5
6とタイボルト孔の内周19との間に隙間が生じていて
も良い。ブッシュ56とタイボルト孔の内周19との間
に隙間を有する構成とすれは、タイボルト孔にタイボル
ト18を挿入することが容易になり、振動を抑制するタ
イボルト構造を容易に実現することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、振動抑制部を構成する
当たり部は、軸方向の引張応力によって生じる応力線が
通らないように形成されている。これにより、タイボル
トが振動して当たり部が損傷した場合であっても、当た
り部には引張応力が作用しないか、あるいは当たり部に
作用する引張応力は小さいので、引張応力に起因して損
傷部分が拡大することがなくなり、タイボルトの破損を
防止できる。
【0046】また、本発明によれば、タイボルトの2箇
所に振動抑制部の少なくとも一の振動抑制部は、(1)
環状突出部とタイボルト孔の内周との隙間に潤滑油を満
たす、あるいは(2)当たり部を円錐形状、かつタイボ
ルト孔の内周を当たり部と嵌合可能に形成する。これに
より、少なくとも一の振動制御部については、タイボル
ト孔の内周の径と厳密に合致するように加工する必要が
なく、タイボルトをタイボルト孔に容易に挿通させるこ
とができ、タイボルト構造を容易に実現することができ
る。
【0047】また、本発明によれば、振動抑制ボルトは
当たり部を押さえるようにして被締付部材に螺入されて
いるので、確実にタイボルトの振動を防止できる。さら
に、振動抑制ボルトと当たり部との間にブッシュが介設
されている場合に、ブッシュが撓んで振動抑制の効果が
減少する不都合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイボルト構造が適用されるディーゼル機関を
示す図である。
【図2】第1実施形態に係るタイボルト構造を示す図で
ある。
【図3】第1実施形態のタイボルト構造に含まれる振動
抑制部を示す図である。
【図4】第2実施形態のタイボルト構造に含まれる振動
抑制部を示す図である。
【図5】第3実施形態のタイボルト構造に含まれる振動
抑制部を示す図である。
【図6】第4実施形態に係るタイボルト構造を示す図で
ある。
【図7】第5実施形態のタイボルト構造に含まれる振動
抑制部を示す図である。
【図8】従来のタイボルト構造を示す図である。
【符号の説明】
10・・・ディーゼル機関、12・・・ジャケット、14・・・
架構、16・・・台板、18・・・タイボルト、20・・・シリ
ンダカバー、22・・・シリンダライナ、24・・・ピスト
ン、26・・・ピストン棒、28・・・シリンダヘッド、30
・・・連接棒、32・・・クランク軸、34・・・摺動板、40・
・・ナット、42・・・振動抑制部、44・・・ブッシュ、46
・・・潤滑油、50・・・振動抑制部、52・・・リセス部、5
4・・・当たり部、56・・・ブッシュ、58・・・当接部、5
9・・・振動抑制ボルト、60・・・振動抑制部、62・・・溝
部、64・・・第2の当たり部、68・・・第2の当接部、7
0、80・・・振動抑制部、R・・・燃焼室。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被締付部材に穿設されたタイボル
    ト孔に挿通されて前記各被締付部材を一体に固定するタ
    イボルトと、前記タイボルトが前記タイボルト孔内で振
    動することを抑制する振動抑制部とを備えるタイボルト
    構造において、 前記振動抑制部は、 前記タイボルトの軸方向に作用する引張応力によって生
    じる応力線が通らないように形成された当たり部を有す
    ることを特徴とするタイボルト構造。
  2. 【請求項2】 複数の被締付部材に穿設されたタイボル
    ト孔に挿通されて前記各被締付部材を一体に固定するタ
    イボルトと、前記タイボルトが前記タイボルト孔内で振
    動することを抑制する振動抑制部とを備えるタイボルト
    構造において、 前記振動抑制部は、 前記タイボルトの軸方向に所定の間隔を隔てるように、
    前記タイボルトの外周に形成された2個のリセス部と、 前記各リセス部の間に形成された当たり部と、 前記タイボルトと前記タイボルト孔の内周との間に介設
    され、前記当たり部に当接する当接部を有するブッシュ
    と、 を備えることを特徴とするタイボルト構造。
  3. 【請求項3】 2個の前記リセス部を挟むように前記タ
    イボルトの外周に形成された2本の溝部と、前記各リセ
    ス部と前記各溝部との間にそれぞれ形成された2個の第
    2の当たり部をさらに備え、 前記ブッシュは、さらに前記各第2の当たり部に当接す
    る第2の当接部を有することを特徴とする請求項2に記
    載のタイボルト構造。
  4. 【請求項4】 前記ブッシュの外周は、前記タイボルト
    の挿通方向に径が小さくなる円錐形状とされており、前
    記ブッシュと当接する前記タイボルト孔の内周は、前記
    ブッシュが嵌合可能に形成されていることを特徴とする
    請求項2又は3に記載のタイボルト構造。
  5. 【請求項5】 複数の被締付部材に穿設されたタイボル
    ト孔に挿通されて前記各被締付部材を一体に固定するタ
    イボルトと、前記タイボルトが前記タイボルト孔内で振
    動することを抑制する振動抑制部とを備えるタイボルト
    構造において、 前記振動抑制部は、前記タイボルトの径方向に突出する
    ように形成されると共に、前記タイボルトの挿通方向に
    径が小さくなる円錐形状の当たり部を有し、前記当たり
    部と当接する前記タイボルト孔の内周は、前記当たり部
    が嵌合可能に形成されていることを特徴とするタイボル
    ト構造。
  6. 【請求項6】 前記被締付部材に螺入され、前記当たり
    部を押さえる振動抑制用ボルトをさらに備えることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のタイボル
    ト構造。
  7. 【請求項7】 前記タイボルトは、前記振動抑制部の下
    方に第2の振動抑制部をさらに備え、 前記第2の振動抑制部は、 前記タイボルトの径方向に突出するように設けられた環
    状突出部を備え、 前記環状突出部と前記タイボルト孔の内周との隙間に潤
    滑油が満たされていることを特徴とする請求項2〜6の
    いずれか一項に記載のタイボルト構造。
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