JP2002155725A - パティキュレートフィルタ - Google Patents

パティキュレートフィルタ

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JP2002155725A JP2000353510A JP2000353510A JP2002155725A JP 2002155725 A JP2002155725 A JP 2002155725A JP 2000353510 A JP2000353510 A JP 2000353510A JP 2000353510 A JP2000353510 A JP 2000353510A JP 2002155725 A JP2002155725 A JP 2002155725A
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弘道 柳原
Zenichiro Kato
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Kenji Arakawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部からの加熱によらずとも触媒の酸化反応熱
によりPMを減量することにより、不織布の目詰まり
や、パティキュレートフィルタの変形、毀損等を防止す
る技術を提供する。 【解決手段】排気中に含まれるパティキュレートマター
を捕集するパティキュレートフィルタ1において、金属
からなる不織布5と、表面に酸化触媒が坦持された金属
板2と、を具備し、不織布5が往復するように複数回折
曲させ、排気通路7の上流に向かって開放する上流開放
部5a及び下流側で閉塞する下流閉塞部5bを有する袋
状の上流側開放袋状部5cと、下流に向かって開放する
下流開放部5d及び上流側で閉塞する上流閉塞部5eを
有する袋状の下流側開放袋状部5fと、が複数形成さ
れ、上流側開放袋状部5cを構成する不織布5に接触し
つつ金属板2が設置されたフィルタ1を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばディーゼル
エンジンの排気中に含まれる浮遊粒子状物質である煤に
代表されるパティキュレートマター(Particulate Matt
er以下特に断らない限り「PM」という。)の捕集を行
うパティキュレートフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは経済性に優れてい
る反面、排気中に含まれるPMの除去が重要な課題とな
っている。このため、大気中にPMが放出されないよう
にディーゼルエンジンの排気系にPM捕集を行うパティ
キュレートフィルタを設ける技術が周知である(特開平
9−262414号公報参照)。
【0003】このパティキュレートフィルタは、耐熱性
金属繊維からなるN枚(Nは二以上の偶数とする)のフ
ィルタ機能を有する不織布と、不織布と同じ枚数備えら
れ、不織布よりも幅寸法で幾分小さめで、かつ波形の縦
断面を呈するが故に一般に波板と称する耐熱性金属板と
を基本的に備える。
【0004】また、パティキュレートフィルタを形成す
るには、概略次のようにする。
【0005】不織布の上に波板を同じ向きで一枚ずつ交
互に重ね合わせて行き長形状積層材を形成し、その後、
長形状積層材をロール巻きして円柱状に形成する(以
下、長形状積層材を円柱状に形成したものを「円柱状積
層体」という)。
【0006】なお、円柱状積層体の形状は、波板の有す
る剛性によりその円柱形状が維持される。すなわち波板
は円柱状積層体の骨材として機能する。
【0007】そして、当該円柱状積層体は、その半径方
向において隣接し合う不織布同士の先端を溶接によって
閉塞する目留め部と、同じく隣接する不織布同士の先端
を開放したままにする非目留め部とが交互に形成され
る。
【0008】詳述すると、円柱状積層体をその一端側か
ら見たときに不織布の間に位置する波板が不織布によっ
て閉塞されて見えない目留め部と、開放されている故、
前記波板が見える非目留め部とに交互に形成してある。
そして、他端側でも目留め部と非目留め部とを交互に形
成してある。しかし、一端側と他端側とでは、目留め部
と非目留め部の形成箇所が異なる。
【0009】すなわち、円柱状積層体の一端側で目留め
のされた隣接する一組の不織布同士については他端側で
は目留めをせず、一端側で目留めのされなかった別に隣
接する一組の不織布同士については他端側で目留めを行
う。
【0010】その結果、前記円柱状積層体には、不織布
で囲繞された一端閉鎖他端開放の空間内に波板を入れた
部位(以下「層部」)が幾層にも旋回状態で形成され
る。そして、このような円柱状積層体を、排気通路の内
径とほぼ同径で両端が開口した耐熱性金属製容器に入
れ、この耐熱性金属製容器の内面と前記円柱状積層体の
外周面とをそれらの適所で溶着し、これにより前記耐熱
性金属製容器に前記円柱状積層体が固定されてパティキ
ュレートフィルタが形成される。なお、振動に対する耐
久性を確保するため、円柱状積層体と耐熱性金属容器と
の間には極力隙間が無いように形成されている。
【0011】また、不織布と波板との接合には溶着、ろ
う付け、または拡散接合が用いられている。拡散接合と
は、接合しようとする2つの金属、すなわち不織布およ
び波板を重ね合わせ、加圧した状態で適切な温度に加熱
保持して接合することをいう。
【0012】そして、排気通路をパティキュレートフィ
ルタに取り付けた状態において、排気通路をパティキュ
レートフィルタに向けて流れてきた排気は、不織布のう
ち排気上流側の非目留め部から、前記層部内に入り、そ
の後、排気通路の下流に向けて流れる。この層部内の下
流側は、溶接によって目留めがされており、当該部分で
は不織布の繊維同士の間にできる極微少隙間が閉ざされ
ている。したがって、行き場の無くなった排気は、下流
側で目留めがされた層部から、この層部に隣接しかつ下
流側が非目留め部である別の層部に向けて流入する。そ
の際、不織布の極微少隙間にPMを捕集し、これにより
排気からPMを除去する。
【0013】PMが除去されて前記別の層部に流入した
排気は、前記別の層部にあってはその下流側が非目留め
部であって開放されているため、その後、大気中に放出
される。
【0014】一方、前記パティキュレートフィルタによ
るPMの捕集量が多くなると、フィルタの目詰まりが起
きることがある。この目詰まりは不織布の極微少隙間が
捕集されたPMによって閉塞されることにより発生す
る。目詰まりが発生すると、排気がフィルタを通過する
ときの抵抗が増大して、排気通路内の排気の圧力が増大
し、この圧力でフィルタが毀損する虞れがある。
【0015】フィルタに捕集されたPMは、内燃機関が
高回転高負荷の状態では、排気温度が高いために排気の
熱で燃焼減量されるが、内燃機関が低回転低負荷の状態
では、排気温度が低いためにPMは燃焼するに至らず不
織布に堆積することとなる。
【0016】そこで、捕集されたPMを排気熱や電気ヒ
ータ熱等の利用により定期的に燃焼減量し、これにより
目詰まりを防止し、パティキュレートフィルタによるP
M捕集に支障がでないようにする技術が公知である。こ
れをパティキュレートフィルタの再生という。
【0017】また、前記パティキュレートフィルタは、
波板及び不織布の表面に触媒を坦持させることで、PM
の捕集以外にHC、CO等の浄化も行うことができる。
このようにすると、パティキュレートフィルタと触媒コ
ンバータの一体化が実現でき、触媒コンバータを別途設
置する必要をなくすことができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PMを減量す
るために燃料噴射や、排気絞り弁等により排気の温度を
上昇させる方法を用いると燃費の悪化や加速性能の悪化
を招き、また、電気ヒータ等を利用してフィルタを直接
加熱する方法を用いると、フィルタ内部が均等に加熱さ
れない等の問題が起こり、さらには装置の大型化、複雑
化を招くことになる。
【0019】一方、不織布に触媒を坦持させHC、CO
等の浄化を行うには、排気と不織布との接触面積を増大
させることが不可欠となり、このため不織布の表面に多
孔質物質等を付着させることが行われている。しかし、
不織布に多孔質物質等を付着させる過程で不織布の空隙
に多孔質物質等が入り込み空隙を狭めたり閉塞させたり
することがある。
【0020】すると、内燃機関から排出された排気が空
隙を通過するときの抵抗が大きくなり、フィルタ上流側
の排気の圧力が上昇するとともに、不織布にこの排気の
圧力が印加されることとなり、不織布の変形や毀損を誘
発する虞れがある。
【0021】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
であり、その解決しようとする課題は、外部からの加熱
によらずとも触媒の酸化反応熱によりPMを燃焼して、
不織布の目詰まりを防止し、パティキュレートフィルタ
の変形、毀損等を防止する技術を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のパティキュレー
トフィルタは、前記課題を解決するために次の手段を採
用する。
【0023】即ち、内燃機関の排気通路に設けられ排気
中に含まれるパティキュレートマターを捕集するパティ
キュレートフィルタにおいて、金属からなる不織布と、
表面に酸化触媒が坦持された金属板と、を具備し、前記
不織布が往復するように複数回折曲させ、前記排気通路
の上流に向かって開放する上流開放部及び下流側で閉塞
する下流閉塞部を有する袋状の上流側開放袋状部と、下
流に向かって開放する下流開放部及び上流側で閉塞する
上流閉塞部を有する袋状の下流側開放袋状部と、が複数
形成され、前記上流側開放袋状部を構成する前記不織布
に接触しつつ前記金属板が設置されていることを特徴と
する。
【0024】また、本発明においては、前記下流側開放
袋状部を構成する前記不織布に接触しつつ前記金属板を
設置することができる。
【0025】ここで、「不織布」は、糸の形態を経ず
に、繊維シートを機械的・化学的・熱的に処理し、接着
剤や繊維自身の融着力で接合して作られる布である。
【0026】金属板には剛性の高い例えば波板を用いる
のが好適である。
【0027】このように構成されたパティキュレートフ
ィルタにおいては、金属板に坦持された触媒により排気
中の一酸化炭素CO、炭化水素HC、SOF(Soluble
Organic Fraction:可溶な有機的留分)の酸化反応が起
こり、金属板の温度が上昇する。金属板に接触している
不織布は金属からなり、熱伝導性が高いので金属板の酸
化反応で発生した熱が不織布全体に伝熱し、不織布全体
の温度が上昇する。また、金属板に坦持された触媒の酸
化反応熱により、排気の温度も上昇するので、この温度
上昇した排気が不織布を通過することによっても不織布
の温度が上昇する。
【0028】この酸化反応熱により内燃機関が低回転低
負荷時の排気温度が低いときにも、煤が燃焼する温度ま
で不織布の温度を上昇させ、煤を減量することができ
る。
【0029】また、金属板にのみ触媒を坦持させるので
多孔質物質等の付着による不織布の目詰まりを防止する
ことができる。
【0030】更に、下流側開放袋状部にも上流側開放袋
状部と同様に酸化触媒を坦持した金属板を接触しつつ設
置すると、上流側開放袋状部の内側に設置された金属板
で酸化反応しなかった排気中の一酸化炭素CO、炭化水
素HC、SOFの酸化反応を起こすことができ不織布の
温度をより上昇させることができる。
【0031】このように、不織布及び金属板は高温とな
るため、使用する材料には耐熱性に優れた金属を用いる
のが好適である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
した図面に基づいて説明する。 [第1の実施の形態]図1aは、本実施の形態に係るパ
ティキュレートフィルタ1を排気通路7の上流側から見
た図、また図1bは、フィルタ1を排気の流通方向に切
断したときの断面図である。
【0033】パティキュレートフィルタ1は、例えばデ
ィーゼルエンジンの排気通路7に設置され、排気中に含
まれる浮遊粒子状物質である煤に代表されるPMの捕集
を主として行う捕集器である。
【0034】フィルタ1は、耐熱性金属繊維からなる不
織布5、耐熱性金属からなる波板2、金属製内筒3、金
属製外筒4から構成される。
【0035】不織布5は、排気通路7の上流に向かって
開放している上流側開放端5a及び下流側で閉塞する下
流側閉塞端5bを有する上流側に開放した上流側開放袋
状部5cと、下流に向かって開放する下流側開放端5d
及び上流側で閉塞する上流側閉塞端5eを有する下流側
に開放した下流側開放袋状部5fと、が交互に形成され
るように複数回折曲され内筒3内側に接合される。
【0036】ここで折り曲げられた部分は、不織布5を
折曲してできる明確な節目に限らず、折り目のない状態
で折り曲げることによってある程度の幅をもってできる
側部を包含する。
【0037】波板2は、上流側開放端5a及び下流側閉
塞端5bを構成する不織布5の折り曲げ幅に合わせて波
の高さが形成される。波板2は、波の山及び谷の頂点が
不織布5と接触し、且つ、波板2の波の波長方向が上流
側開放端5aを構成する不織布5の折り目と平行になる
ように上流側開放袋状部5cに狭入される。
【0038】波板2には例えば板厚0.05mmのFe
−Cr−Al合金が利用でき、平面板を複数回折曲して
複数の波形断面を有するように形成されている。
【0039】この波板2の表面には、アルミナのスラリ
ーを塗布または浸漬して数μm乃至数十μmの厚さから
なる酸化触媒坦持層を形成し、坦持層に白金Pt、パラ
ジウムPd、ロジウムRh等の酸化触媒金属が坦持され
る。
【0040】坦持された酸化触媒は、排気中に含まれる
一酸化炭素CO、炭化水素HC、SOFを酸化する働き
を有する。
【0041】不織布5は、耐熱性金属からなり、不織布
5の繊維相互間には例えば70パーセント程度の空隙が
あり、この空隙を内燃機関から排出された排気が通過す
る。
【0042】前記空隙は排気に含まれる煤等の大きさよ
りも小さいため、排気中に含まれる煤等の微粒子は空隙
を通過できずに不織布に捕集される。
【0043】この不織布5にも白金等の酸化触媒を坦持
させるとHC、CO等の浄化を行うことが可能となる。
しかし、このときに不織布5に何等の加工も施さずに単
に酸化触媒を坦持させるだけでは、不織布5と排気との
接触面積が小さく十分な排気浄化の効果を得ることはで
きない。そこで、排気との接触面積を増大させることが
必要不可欠となり、このため不織布5の表面にアルミナ
等の多孔質物質をコーティングさせる必要がある。しか
し、アルミナをコーティングさせる過程で不織布5の空
隙にアルミナが入り込み空隙を狭めたり閉塞させたりす
ることがある(図3参照のこと)。そこで、本実施の形
態では、不織布5には酸化触媒を坦持させずに波板2の
みに多孔質物質であるアルミナのコーティングを施し、
酸化触媒を坦持させることとした。
【0044】内筒3はフェライト系ステンレス鋼からな
り、両開口端を有する円形筒状で内部に不織布5が接合
される。
【0045】排気通路7は円形の中空管からなり、外側
に張り出した継手個所7aを有し、排気通路7同士がこ
の継手個所7aで継ぎ合わされている。
【0046】外筒4は両開口端を有する円形筒状で、一
端に外側に張り出したフランジ4aが形成されている。
この外筒4の外径は排気通路7の継手個所7aにおける
内径よりも若干小さく外筒4は排気通路7に内嵌され
る。
【0047】一方、上流側開放袋状部5cは複数存在
し、上流側開放端5aにおける不織布5の折り目方向の
長さが夫々異なるため、必要とされる波板2の波の波長
方向の長さが異なる。そこで、この長さに合わせて形成
された波板2を上流開放袋状部5c毎に用意する必要が
ある。そして総ての上流側開放袋状部5cに波板2を狭
入する。
【0048】このように波板2を不織布5に接触させつ
つ設置すると、波板2に坦持された酸化触媒による酸化
反応熱が不織布5に容易に伝熱するようになり、波板2
の温度の上昇とともに不織布5の温度も上昇することと
なる。
【0049】また、内筒3の外径は外筒4の内径よりも
若干小さく、内筒3は外筒4に内嵌される。そして、外
筒4と内筒3との外周を溶着して接合することにより、
排気が不織布5を通らずに内筒3と外筒4との間隙を通
過して大気中へ放出されることを防止している。
【0050】また、フィルタ1を通過する排気が総て不
織布5の空隙間を通過しなければ排気中の煤等を大気中
へ放出することになる。そこで、不織布5の周囲を内筒
3内側に溶着させ、排気通路7を流れる排気は総て不織
布5の空隙を通過させるようにしている。
【0051】外筒4は、フランジ4aが形成されていな
い他端を継手個所7aよりも上流側に向けて排気通路7
に内嵌され、継ぎ手箇所7aでフランジ4aが挟持され
る。フランジ4aと継手個所7aとの間には断熱性の高
いセラミックファイバーシート6が挟入され、フィルタ
1の熱が排気通路7に伝熱しフィルタ1の温度が低下す
ることを防止している。
【0052】このようにして波板2に触媒を坦持させる
と、パティキュレートフィルタと触媒コンバータの一体
化が実現でき、触媒コンバータを別途設置する必要をな
くすことができる。
【0053】また、酸化触媒の酸化反応熱によりフィル
タに付着した煤等を燃焼することもできるため、煤等の
減量を目的とする燃料増加や電気ヒータ等の加熱手段の
必要もなくなる。
【0054】次に、このような構成の実施の形態に係る
パティキュレートフィルタ1の作用効果を述べる。
【0055】内燃機関から排出された排気中にはPMと
呼ばれる粒子状物質が含有されている。このPMは、煤
等の不溶分または未燃燃料成分等の可溶分(SOF)か
らなる。ここで、SOFは煤等に比較し、酸化・燃焼温
度が例えば200℃程度低いことが知られている。
【0056】排気がフィルタを通過するときに、排気中
に含まれるPMは不織布5によって捕集され、PMは不
織布5の表面又は内部に堆積することになる。不織布5
に多量のPMが堆積すると、不織布5の空隙はPMによ
り狭められ、ついには閉塞されてしまい、排気がフィル
タ1を通過するときの抵抗が増大される。すると内燃機
関から排出された排気は行き場がなくなり、不織布5上
流の排気通路7内の排気の圧力を増大させる。この圧力
によりフィルタ1の変形や毀損が誘発されることがあ
る。
【0057】従って、フィルタ1が目詰まりを起こす前
にこのPMを減量する必要が生じる。PMを減量する方
法の一つに、内燃機関の出力とはならない排気行程等に
燃料噴射を行い、この燃料を燃焼させることにより排気
を高温にして不織布5に堆積したPMを燃焼減量する副
噴射(ポスト噴射)が知られている。しかし、この方法
では例えば600℃近傍の高温の排気を不織布5に数十
秒間送ることが必要とされるが、実走行中にこの状態を
維持することは困難である。
【0058】また、他には電気ヒータ等によりフィルタ
1を直接加熱する方法も知られているが、ヒータ等の設
置により装置が大型化したり、フィルタ1内部を均等に
加熱できない等の問題がある。
【0059】そこで、本実施の形態に係るフィルタ1に
おいては、波板2の表面に酸化触媒である白金を坦持さ
せ、その酸化反応熱で不織布5の温度を上昇させPMが
燃焼減量されるようにした。
【0060】折曲により袋状となった上流開放袋状部5
cに設置された波板2には、上流側開放端5aが排気通
路7の上流を向いてい開口している。このために、不織
布5を通過する前の排気が波板2に接触することとな
る。排気中に含まれるHC、CO、SOFは波板2に坦
持された酸化触媒により酸化され酸化反応熱を発生す
る。この酸化反応熱は波板2及び排気に伝熱し、夫々の
温度を上昇させる。温度が上昇した排気はそのまま下流
の不織布5へ向かって流れ、不織布5の空隙を通過し大
気中へ放出される。この排気が不織布5の空隙を通過す
るときに、排気の熱が不織布5に伝熱し不織布5の温度
が上昇する。
【0061】また、温度の上昇した波板2には不織布5
が接触しているため、波板2の熱が不織布5に効率よく
伝熱する。不織布5は金属繊維からなり熱伝導率が大き
いために、熱伝導により不織布5全体の温度が上昇す
る。また、不織布5に伝熱した熱はさらに内筒3、外筒
4へと伝熱するが、外筒4のフランジと排気通路7との
結合部には断熱材であるセラミックファイバーシート6
が挟持されており、熱が排気通路7へ伝熱してフィルタ
の温度が低下することを防止している。
【0062】このように不織布5の温度が上昇すると、
堆積しているPMは高温のために燃焼し減量される。
【0063】尚、SOFが酸化触媒により酸化、燃焼す
る温度は、煤のそれよりも例えば200℃程度低いた
め、SOFの酸化、燃焼による温度上昇を煤の酸化、燃
焼に利用することができる。
【0064】以上のように、本実施の形態では、PMを
燃焼させるために燃料噴射や排気絞りによる負荷の増大
等を用いずに排気の温度を上昇させているため、燃費や
加速性能を悪化させることがない。そして、車両が例え
ば40km/h程度の低速、軽負荷で走行中の排気の温度が
低い(例えば270℃〜300℃)ときでも、不織布温
度を再生可能領域(例えば430℃以上)にまで上昇さ
せることができ、不織布5に捕集された煤を燃焼させ減
量させることができる。
【0065】また、波板2に坦持された酸化触媒により
内燃機関から排出されるHC、COを浄化することがで
きる。
【0066】さらに、波板2は不織布5に挟持され、不
織布5と接触しているので、波板2の酸化反応熱による
加熱はヒータ等によるフィルタ1外部からの加熱に比
べ、不織布5を均等に且つ迅速に加熱することができ
る。そのため、内燃機関始動直後においても不織布5を
早期に昇温させ、煤を早期に減量することができる。
【0067】また、図2は車両の走行状態と不織布5の
温度との関係を表したものであるが、車両が減速等をし
て内燃機関が低回転低負荷のときの排気温度が低い状態
になると、今度は不織布5の熱が排気に伝熱し、一般に
は不織布5の温度も低下してしまう。しかし、触媒を坦
持した波板2を配置することにより、酸化反応熱が不織
布5に伝熱し不織布5の温度を高温のまま保持すること
ができる。
【0068】以上の効果によっても煤を完全に減量でき
ない場合は、例えば80〜100km/hで走行中の軽負荷
時に、内燃機関の排気行程で燃料を噴射して排気温度を
上昇させるポスト噴射を併用すれば少量の燃料で堆積し
た煤を減量させることができる。 [第2の実施の形態]この実施の形態では、第1の実施
の形態に加え図4に示されるように、排気通路7の下流
側に開口した下流側開放袋状部5fにも、酸化触媒を坦
持した波板2を第1の実施の形態同様に狭入するもので
ある。こうすると、上流側の波板2で酸化しなかったH
C、CO、SOFが下流側の波板2で酸化されることに
なるので排気の浄化率を向上させることができる。さら
に、下流側の波板2で発生した酸化反応熱が不織布5へ
伝熱するので、より早期に不織布5を昇温させ、煤を減
量させることができる。
【0069】
【発明の効果】本発明に係るパティキュレートフィルタ
によれば、触媒の酸化反応熱によりフィルタ内に堆積し
た煤を燃焼し減量することができる。
【0070】また、金属板に触媒を坦持しているために
排気中の一酸化炭素CO、炭化水素HCを減量すること
ができる。
【0071】不織布と金属板とを接触させているため、
電気ヒータ等の外部からの加熱に比べ均等にかつ迅速に
不織布を昇温することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係
るパティキュレートフィルタを排気通路上流から見た図
である。図1(b)は、本発明の第1の実施の形態に係
るパティキュレートフィルタを排気の流通方向に切断し
て示す断面図である。
【図2】運転状況による不織布温度の変化を示す図であ
る。
【図3】不織布の間隙に付着したアルミナを示す図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るパティキュレ
ートフィルタを排気の流通方向に切断して示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 パティキュレートフィルタ(捕集器) 2 波板 3 内筒 4 外筒 5 不織布 6 セラミックファイバーシート 7 排気通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 46/52 B01D 46/52 A 53/94 F01N 3/18 B F01N 3/18 3/24 E 3/24 B01D 53/36 104Z (72)発明者 加藤 善一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 荒川 健二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G090 AA01 AA03 3G091 AA18 AB02 AB13 BA00 BA15 BA19 GA03 GA05 GA16 GA21 GB01X GB05W GB06W GB07W GB10X GB16X HA14 4D019 AA01 BA02 BB03 BB10 BC07 BD03 BD06 CA02 CB02 CB04 4D048 AA13 AA18 BA30Y BA31Y BA33Y BB07 CD05 4D058 JA13 JB03 JB25 JB39 KA03 KA11 LA02 MA44 SA08 TA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられ排気中に
    含まれるパティキュレートマターを捕集するパティキュ
    レートフィルタにおいて、 金属からなる不織布と、 表面に酸化触媒が坦持された金属板と、 を具備し、 前記不織布が往復するように複数回折曲させ、前記排気
    通路の上流に向かって開放する上流開放部及び下流側で
    閉塞する下流閉塞部を有する袋状の上流側開放袋状部
    と、下流に向かって開放する下流開放部及び上流側で閉
    塞する上流閉塞部を有する袋状の下流側開放袋状部と、
    が複数形成され、前記上流側開放袋状部を構成する前記
    不織布に接触しつつ前記金属板が設置されていることを
    特徴とするパティキュレートフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記下流側開放袋状部を構成する前記不
    織布に接触しつつ前記金属板が設置されていることを特
    徴とする請求項1に記載のパティキュレートフィルタ。
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