JP2002155165A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びタイヤ

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JP2002155165A
JP2002155165A JP2000353411A JP2000353411A JP2002155165A JP 2002155165 A JP2002155165 A JP 2002155165A JP 2000353411 A JP2000353411 A JP 2000353411A JP 2000353411 A JP2000353411 A JP 2000353411A JP 2002155165 A JP2002155165 A JP 2002155165A
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rubber composition
rubber
styrene
tire
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Kazuo Yagawa
一夫 矢川
Kentaro Fujino
健太郎 藤野
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速車用タイヤトレッドに好適で、DRYグ
リップ性、耐チャンク性、耐熱ダレ性、作業性を同時に
満足するゴム組成物の提供。 【解決手段】 共役ジエン部分のビニル結合量が40重
量%以上の共役ジエン系共重合体20〜45重量%と、
インクレメント法で重合した乳化重合スチレン−ジエン
共重合体30〜50重量%とを少なくとも含むゴム成分
100重量部と、軟化点が90〜120℃である樹脂4
〜10重量部とを含有してなり、該ゴム成分がスチレン
−ブタジエン共重合体を80重量%以上含むゴム組成物
である。ゴム成分がスチレン−ブタジエン共重合体を1
00重量%含む態様、窒素吸着比表面積(N2SA)が
140〜160m2/gかつジブチルフタレート吸油量
が120〜150ml/100gであるカーボンブラッ
クを含有する態様、樹脂がC5系及びC9系石油樹脂か
ら選択される少なくとも1種である態様などが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術技術】本発明は、タイヤトレッドに
好適であり、サーキット走行等の高速競技車用タイヤト
レッドに特に好適であり、走行中の乾燥路面の把握力
(DRYグリップ性)を低下させることなく、耐チャン
ク性、耐熱ダレ性等の耐久性を向上させ、作業性にも優
れた超高性能のゴム組成物、及び該ゴム組成物を用い、
高速競技車用タイヤとして好適な超高性能のタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】タイヤトレッド、特に高速競技車用タイ
ヤトレッドにおいては、サーキット走行中の乾燥路面に
おける操縦安定性(DRYグリップ(把握力)性)に優
れることが望まれる。従来から、前記DRYグリップ性
を向上させる目的で、油分を増やすことが行われてい
る。しかし、この場合、耐チャンク性、耐熱ダレ性が低
下してしまうという問題がある。また、前記DRYグリ
ップ性を向上させる目的で、高軟化点(例えば120℃
以上)の芳香族系樹脂を使用することも行なわれてい
る。しかし、この場合、配合全体のガラス点移転(T
g)が高くなり過ぎ、走行初期における前記DRYグリ
ップ性が十分でなく、ゴム混練時にミキサーやロールに
密着してしまい、作業性に劣るという問題がある。更
に、前記DRYグリップ性を向上させる目的で、ガラス
転移点(Tg)の高い通常のE−SBR(スチレン−ブ
タジエン共重合体)を使用することも行なわれている。
しかし、この場合、ゴム弾性率の温度依存性が高くなり
過ぎ、耐熱ダレ性が悪化してしまうという問題がある。
一方、前記耐熱ダレ性を高嬢させる目的で、ビニル結合
量の高いS−SBR(スチレン−ブタジエン共重合体)
を多量に使用することも考えられるが、この場合、使用
量が多過ぎると逆に破壊強力が低下し、耐チャンク性も
低下してしまうという問題がある。前記DRYグリップ
性と、前記耐チャンク性、耐熱ダレ性及び作業性とは、
二律背反性能であり、これらを同時に満足するのは難し
く、これらをバランス良く改善し得る技術は未だ提供さ
れていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、タイヤトレッドに好適であ
り、サーキット走行等の高速競技車用タイヤトレッドに
特に好適であり、走行中の乾燥路面の把握力(DRYグ
リップ性)を低下させることなく、耐チャンク性、耐熱
ダレ性等の耐久性を向上させ、作業性にも優れた超高性
能のゴム組成物、及び該ゴム組成物を用い、高速競技車
用タイヤとして好適な超高性能のタイヤを提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 共役ジエン部分のビニル結合量が40重量%以
上である共役ジエン系共重合体20〜45重量%と、イ
ンクレメント法で重合した乳化重合スチレン−ジエン共
重合体30〜50重量%とを少なくとも含むゴム成分1
00重量部と、軟化点が90〜120℃である樹脂4〜
10重量部とを含有してなり、該ゴム成分がスチレン−
ブタジエン共重合体を80重量%以上含むことを特徴と
するゴム組成物である。 <2> ゴム成分がブタジエンゴムを20重量%未満含
む前記<1>に記載のゴム組成物である。 <3> ゴム成分がスチレン−ブタジエン共重合体を1
00重量%含む前記<1>に記載のゴム組成物である。 <4> 窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜16
0m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油量が1
20〜150ml/100gであるカーボンブラックを
更に含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の
ゴム組成物である。 <5> 樹脂が、C5系石油樹脂及びC9系石油樹脂か
ら選択される少なくとも1種である前記<1>から<4
>のいずれかに記載のゴム組成物である。 <6> 共役ジエン系共重合体及びスチレン−ジエン共
重合体が油展されている前記<1>から<5>のいずれ
かに記載のゴム組成物である。 <7> 油分をゴム成分100重量部に対して35〜5
2重量部含有する前記<1>から<6>のいずれかに記
載のゴム組成物である。 <8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のゴム
組成物を用いたことを特徴とするタイヤである。 <9> 競技用である前記<8>に記載のタイヤであ
る。
【0005】本発明のゴム組成物は、スチレン−ブタジ
エン共重合体を80重量%以上含むゴム成分100重量
部に対し、軟化点が90〜120℃である樹脂4〜10
重量部含有されており、油分を多量に含む必要がないの
で、前記DRYグリッグ性が低下せず、前記DRYグリ
ップ性、耐チャンク性、耐熱ダレ性等の耐久性、作業性
が両立される。また、ビニル結合量が40重量%以上で
ある共役ジエン系共重合体の含有量が20〜45重量%
と限定されており、インクレメント法で重合した乳化重
合スチレン−ジエン共重合体を30〜50重量%含有す
るので、高破壊強力が確保され、動的貯蔵弾性率
(E’)の温度依存性が小さい。このため、本発明のゴ
ム組成物は、従来における前記諸問題が生じず、走行中
の乾燥路面の把握力(DRYグリップ性)、耐チャンク
性、耐熱ダレ性等の耐久性、作業性を同時に満足し、タ
イヤトレッドに、特にサーキット走行等の高速競技車用
タイヤトレッドに好適に使用され得る。
【0006】
【発明の実施の形態】(ゴム組成物)本発明のゴム組成
物は、ゴム成分と樹脂とを少なくとも含有し、好ましく
はカーボンブラックを含有してなり、更に必要に応じて
適宜選択したその他の成分を含有してなる。
【0007】−ゴム成分− 前記ゴム成分は、共役ジエン系共重合体と、インクレメ
ント法で重合した乳化重合スチレン−ジエン共重合体と
を少なくとも含み、必要に応じてその他のゴムを含む。
【0008】前記ゴム成分は、スチレン−ブタジエン共
重合体を80重量%以上含むことが必要があり、90重
量%以上含むのがより好ましく、100重量%含むのが
特に好ましい。前記ゴム成分が、スチレン−ブタジエン
共重合体を80重量%以上含まないと、前記DRYグリ
ップ性及びWETグリップ性が低下してしまう点で好ま
しくない。前記ゴム成分は、スチレン−ブタジエン共重
合体を100重量%含まない場合には、前記その他のゴ
ムを20重量未満含むが、該その他のゴムとしては、ブ
タジエンゴムが特に好ましい。
【0009】前記共役ジエンとしては、例えば、1,3
−ブタジエン、イソプレン、2、3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、オクタジエンな
どが挙げられ、これらの中でも、汎用性、コストの点で
1,3−ブタジエンが好ましい。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記ビ
ニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチ
レン、p−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、及びこ
れらの誘導体などが挙げられ、これらの中でも、汎用
性、コストの点でスチレンが好ましい。これらは、1種
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】前記共役ジエン系共重合体の具体例として
は、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、α−メチルスチレン−ブタジエン共重合
体、などが挙げられ、これらの中でも、溶液(Solu
tion)重合スチレン−ブタジエン共重合体(以下
「S−SBR」と称することがある)が特に好ましい。
【0011】前記共役ジエン系共重合体の前記ゴム成分
における含有量としては、20〜45重量%である必要
があり、28〜43重量%が好ましく、33〜43重量
%がより好ましい。前記共役ジエン系共重合体の含有量
が、20重量%未満であると、耐熱ダレ性が十分でな
く、45重量%を超えると、破壊強力が低下し、耐チャ
ンク性が悪化し、密着等が生じ、作業性が低下する。
【0012】前記共役ジエン系共重合体の重量平均分子
量としては、80万〜130万が好ましく、80万〜1
10万がより好ましい。前記共役ジエン系共重合体の重
量平均分子量が、80万未満であると、耐チャンク性を
損なうことがあり、130万を超えると、ゴムとしての
粘度が高くなり過ぎ、混練が困難になり、結果として充
填剤の分散不良を招き、十分な耐破壊特性が得られない
ことがある。
【0013】前記共役ジエン系共重合体としては、油展
されているものを好適に使用することができる。前記共
役ジエン系共重合体が油展されていると、バンバリーミ
キサー等を用いて混練する際、滑りが生じることがな
く、容易にかつ確実に混練を行うことができる点で有利
である。
【0014】前記インクレメント法で重合した乳化重合
スチレン−ジエン共重合体としては、インクレメント法
で重合した乳化(Emulsion)重合されたもの
(以下「E−SBR」と称することがある)であること
以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。
【0015】前記インクレメント法は、例えば、特公平
6−37578号公報に記載されており、カップリング
剤を初期に添加しておき、モノマーを追加して重合体に
転化させる特殊な乳化重合法である。
【0016】前記インクレメント法で重合した乳化重合
スチレン−ジエン共重合体のガラス転移点幅としては、
10℃以上であるのが好ましく、30℃以上であるのが
より好ましく、50℃以上であるのが特に好ましい。前
記インクレメント法で重合した乳化重合スチレン−ジエ
ン共重合体のガラス転移点幅が、10℃未満であると、
結果として動的貯蔵弾性率(E’)の温度依存性が大き
くなってしまい、耐熱ダレ性を損なうことがある。
【0017】前記インクレメント法で重合した乳化重合
スチレン−ジエン共重合体の前記ゴム成分における含有
量としては、30〜50重量%である必要があり、35
〜48重量%が好ましく、38〜48重量%がより好ま
しい。前記インクレメント法で重合した乳化重合スチレ
ン−ジエン共重合体の含有量が、30重量%未満である
と、tanδ、動的貯蔵弾性率(E’)の温度依存性が
高くなり、十分な破壊強力が得られず、50重量%を超
えると、配合におけるガラス転移点が高くなり過ぎ、実
用的でなく、粘度が上昇し、作業性が低下する。
【0018】前記インクレメント法で重合した乳化重合
スチレン−ジエン共重合体としては、油展されているも
のを好適に使用することができる。前記スチレン−ジエ
ン共重合体が油展されていると、バンバリーミキサー等
を用いて混練する際、滑りが生じることがなく、容易に
かつ確実に混練を行うことができる点で有利である。
【0019】−樹脂− 前記樹脂は、軟化剤としても機能し得るものであり、そ
の軟化点が、90〜120℃である必要があり、100
〜110℃が好ましい。前記樹脂の軟化点が、90℃未
満であると、走行中にゴム温度がその軟化点に達した時
に動的貯蔵弾性率(E’)が急激に軟らかくなり、ドラ
イバーが熱ダレを感ずることがあり、120℃を超える
と、結果としてゴムの動的貯蔵弾性率(E’)の温度依
存性が大きくなり、耐熱ダレ性を損なうことがある。
【0020】前記樹脂としては、前記軟化点が90〜1
20℃であればよく、目的に応じて適宜選択することが
できるが、C5系石油樹脂及びC9系石油樹脂から選択
される少なくとも1種であるのが好ましく、2種以上を
併用すると、ゴム組成物の硬さの温度依存性を広範囲化
することができる点でより好ましい。
【0021】前記C5系石油樹脂は、ナフサの熱分解に
よって得られるC5留分の樹脂である。前記C5留分と
しては、例えば、オレフィン系炭化水素、ジオレフィン
系炭化水素、などが挙げられる。前記オレフィン系炭化
水素としては、例えば、ペンテン、2−メチルブテン、
3−メチルブテン、2−メチルブテン、などが挙げられ
る。前記C5系石油樹脂としては、市販品を好適に使用
することができ、該市販品としては、例えば、ストラク
トールTS30(ストラクトール社製)、TX−500
(三井化学(株)製)、などが挙げられる。
【0022】前記C9系石油樹脂は、ナフサの熱分解に
よって得られるC9留分の樹脂である。前記C9留分と
しては、例えば、ジオレフィン系炭化水素等が挙げられ
る。前記ジオレフィン系炭化水素としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン、スチレン、α−メチルスチレン、
1,2−ペンタジエン、などが挙げられる。前記C9系
石油樹脂としては、市販品を好適に使用することがで
き、該市販品としては、例えば、クイントン(日本ゼオ
ン(株)製)、ネオポリマー(日本石油(株)製)、コ
レシン(BASF社製)、などが挙げられる。
【0023】前記樹脂の前記ゴム組成物における含有量
としては、前記ゴム成分100重量部に対し、4〜10
重量部が好ましく、4〜8重量部がより好ましい。前記
樹脂の含有量が、4重量部未満であると、グリップの耐
久性の向上効果が十分でなく、ラップタイムの悪化を防
ぐことができず、10重量部を超えると、低温特性の劣
化が著しく、密着等が生じ、作業性が悪化する。
【0024】−カーボンブラック− 前記カーボンブラックとしては、前記ゴム組成物におけ
る補強性充填材として使用され、窒素吸着比表面積(N
2SA)及びジブチルフタレート吸油量(以下「DBP
吸油量」ということがある)が以下のものが好ましい。
前記カーボンブラックは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよく、また、市販品を使用す
ることができる。
【0025】前記窒素吸着比表面積(N2SA)として
は、140〜160m2/gが好ましく、145〜15
5m2/gがより好ましい。前記窒素吸着比表面積(N2
SA)が、140m2/g未満であると、グリップの耐
久性が十分でなく、該ゴム組成物の耐摩耗性が十分でな
いことがあり、160m2/gを超えると、該カーボン
ブラックのゴム組成物中での分散性が低下し、逆にゴム
組成物の耐摩耗性が低下することがある。なお、前記窒
素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM D3037
−88に規定されており、単位重量当たりの窒素吸着比
表面積(m2/g)を意味する。
【0026】前記ジブチルフタレート吸油量としては、
120〜150ml/100gが好ましく、125〜1
35ml/100gがより好ましい。前記ジブチルフタ
レート吸油量が、120ml/100g未満であると、
耐摩耗性が十分に確保できないことがあり、150ml
/100gを超えると、加工性や伸び特性に劣り、ゴム
としての一般的性質が悪化することがある。なお、前記
DBP吸油量は、JIS K6221(1982)6.
1.2.A法に従って測定した値であり、カーボンブラ
ック100g当たりに吸収されるジブチルフタレートの
量(ml)を意味する。
【0027】前記カーボンブラックの前記ゴム組成物に
おける含有量としては、前記ゴム成分100重量部に対
し、90〜120重量部が好ましく、95〜105重量
部がより好ましい。前記カーボンブラックの含有量が、
90重量部未満であると、ゴム組成物の前記DRYグリ
ップ性及び弾性率(E’)が十分でなく、また強度等の
一般的特性も十分でなく、接地性が悪くなりラップタイ
ムも悪化することがあり、120重量部を超えると、ゴ
ム組成物が硬くなり過ぎ、却って耐摩耗性、耐熱ダレ性
が低下し、また加工性も極端に悪化することがある。
【0028】−その他の成分− 前記その他の成分としては、本発明の目的を害しない範
囲内で適宜選択し、使用することができ、例えば、プロ
セスオイル、無機充填材、軟化剤、硫黄等の加硫剤、ジ
ベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、加硫助
剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフ
ェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−
スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリ
ン酸、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、
酸化防止剤、カップリング剤、発泡剤、発泡助剤等の添
加剤などの他、通常ゴム業界で用いる各種配合剤などが
挙げられる。これらは、市販品を好適に使用することが
できる。
【0029】前記プロセスオイル等の油分としては、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
が、アロマチックオイル、ナフテン系オイル、パラフィ
ン系オイル、エステル系オイル、などが好ましい。前記
プロセスオイル等の油分が前記ゴム組成物に含まれてい
ると、該ゴム組成物の流動性をコントロールすることが
でき、該ゴム組成物の加硫前の粘度を低下させ、その流
動性を高めることができ、極めて良好に押出を行うこと
ができる点で有利である。
【0030】前記プロセスオイル等の油分の前記ゴム組
成物における含有量としては、前記共役ジエン系共重合
体及び/又は前記スチレン−ジエン共重合体が油展され
ている場合には、これらの油展分も含めて、前記ゴム成
分100重量部に対し、35〜52重量部が好ましく、
40〜47重量部がより好ましい。前記プロセスオイル
等の油分の含有量が、35重量部未満であると、加工性
が悪化したり(未加硫ゴムのムーニー粘度が極端に高く
なったり)、また、前記DRYグリップ性が悪化するこ
とがあり、52重量部を超えると、加工性が悪化したり
(未ゴム組成物のムーニー粘度が極端に低くなった
り)、また、ゴムが軟らか過ぎて耐摩耗性、耐熱ダレ
性、耐チャンク性が悪化することがある。
【0031】−ゴム組成物の製造− 本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分と、前記樹脂と、
前記カーボンブラックと、必要に応じて適宜選択した前
記その他の成分とを、混練り、熱入れ、押出、加硫等す
ることにより製造することができる。
【0032】前記混練りの条件としては、特に制限はな
く、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラ
ム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置の種類等
の諸条件について目的に応じて適宜選択することができ
る。前記混練り装置としては、例えば、通常ゴム組成物
の混練りに用いるバンバリーミキサー、インターミック
ス、ニーダー、等が挙げられる。
【0033】前記熱入れの条件としては、特に制限はな
く、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件に
ついて目的に応じて適宜選択することができる。前記熱
入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに
用いるロール機等が挙げられる。
【0034】前記押出の条件としては、特に制限はな
く、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条
件について目的に応じて適宜選択することができる。前
記押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物
の押出に用いる押出機等が挙げられる。前記押出温度
は、適宜決定することができる。
【0035】前記加硫を行う装置、方式、条件等につい
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。前記加硫を行う装置としては、例えば、通常
タイヤ用ゴム組成物の加硫に用いる金型による成形加硫
機などが挙げられる。前記加硫の条件として、その温度
は、通常100〜190℃程度である。
【0036】−用途− 本発明のゴム組成物は、タイヤトレッドに好適であり、
サーキット走行等の高速競技車用タイヤトレッドに好適
に使用することができ、以下の本発明のタイヤに特に好
適に使用することができる。
【0037】(タイヤ)本発明のタイヤは、前記本発明
のゴム組成物を少なくとも用いてなり、好ましくは少な
くともトレッドに用いてなる。本発明のタイヤは、前記
本発明のゴム組成物を用いること以外は、特に制限はな
く、公知のタイヤの構成をそのまま採用することができ
る。
【0038】前記タイヤの一例としては、1対のビード
部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、
該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレ
ッドを有してなるタイヤなどが好適に挙げられる。本発
明のタイヤは、ラジアル構造を有していてもよいし、バ
イアス構造を有していてもよい。なお、本発明のタイヤ
に充填する気体としては、例えば、空気、窒素などが挙
げられる。
【0039】前記トレッドの構造としては、特に制限は
なく、1層構造であってもよいし、多層構造であっても
よく、直接路面に接地する上層のキャップ部と、このキ
ャップ部のタイヤの内側に隣接して配置される下層のベ
ース部とから構成される、いわゆるキャップ・ベース構
造を有していてもよい。本発明においては、少なくとも
前記キャップ部が前記本発明のゴム組成物で形成されて
いるのが好ましい。
【0040】本発明のタイヤは、その製造方法につき特
に制限はないが、例えば、以下のようにして製造するこ
とができる。即ち、まず、前記本発明のゴム組成物を調
製し、該ゴム組成物を、生タイヤケースのクラウン部に
予め貼り付けられた未加硫のベース部の上に貼り付け
る。そして、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下
で加硫成形することにより製造することができる。
【0041】本発明のタイヤは、いわゆる乗用車用のみ
ならず、レーシングカー等の高速競技車に特に好適に使
用することができる。
【0042】
【実施例】以下に本発明のゴム組成物を用いた本発明の
タイヤの実施例について説明するが、本発明はこれの実
施例に何ら限定されるものではない。
【0043】(実施例1〜4及び比較例1〜5)表1に
示す組成のゴム組成物を調製し、各ゴム組成物を用いて
競技用タイヤ(サイズ:225/40R18)を試作
し、該ゴム組成物にて該競技用タイヤのトレッドを形成
した。各競技用タイヤのトレッドに用いたゴム組成物に
ついて、DRYグリップ性、耐チャンク性、耐熱ダレ
性、及び作業性を以下のようにして評価した。その結果
を表1に示した。
【0044】<DRYグリップ性>競技用タイヤを競技
用車両に装備させて、サーキットで走行させ、走行時に
おけるテストドライバーのフィーリングを下記の基準に
て評価した。なお、比較例1の結果を「0」として、下
記の基準にて相対評価した。数値が正の値で大きくなる
程、DRYグリップ性に優れることを意味する。 +3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を
認識できる程度 +2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識で
きる程度 +1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度 0・・・コントロール −1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度 −2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識で
きる程度 −3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を
認識できる程度
【0045】<耐チャンク性>競技用タイヤを競技用車
両に装備させて、サーキットで走行させ、サーキット走
行後におけるタイヤの外観観察をして下記の基準にて評
価した。 ◎・・・全くチャンクの発生がない状態 ○・・・小さなブロックにチャンクがある状態 ×・・・大きなブロックにチャンクがある状態
【0046】<耐熱ダレ性>競技用タイヤを競技用車両
に装備させて、サーキットで走行させ、走行時における
テストドライバーのフィーリングを下記の基準にて評価
した。 ◎・・・プロのドライバーが全くダレを感じない程度 ○・・・プロのドライバーが若干ダレを感じる程度 ×・・・プロのドライバーが大きくダレを感じる程度
【0047】<作業性>通常の条件で前記ゴム組成物を
混練りし、その際、バンバリーミキサーのローターや内
壁への該ゴム組成物の密着レベルを下記の基準にて評価
した。 ○・・・バンバリーミキサーを停止せずに混練り続行可
能な状態 ×・・・バンバリーミキサーを停止しないと混練り続行
困難で、該ゴム組成物を容易に排出できない状態
【0048】
【表1】
【0049】表1において、「SBR 1712」は、
スチレン−ブタジエンゴム(E−SBR、JSR(株)
製、1712;アロマオイル37.5重量部油展、スチ
レン23.5重量%含有)を表す。「SBR 172
1」は、スチレン−ブタジエンゴム(E−SBR、日本
ゼオン(株)製、1721;アロマオイル37.5重量
部油展、スチレン40重量%含有)を表す。「SBR
タフデン3335」は、スチレン−ブタジエンゴム(旭
化成(株)製、タフデン3335;アロマオイル37.
5重量部油展、スチレン36重量%含有)を表す。「S
BR 1)」は、前記インクレメント法で重合した乳化
重合スチレン−ブタジエンゴム(E−SBR、アロマオ
イル37.5重量部油展、スチレン35重量%含有)を
表す。
【0050】「CB(A)」は、カーボンブラック(東
海カーボン(株)製、シースト9H(窒素吸着比表面積
(N2SA)=142m2/g、ジブチルフタレート吸油
量=130ml/100g)である。「CB(B)」
は、カーボンブラック(昭和キャボット(株)製、N2
34(窒素吸着比表面積(N2SA)=123m2/g、
ジブチルフタレート吸油量=123ml/100g)で
ある。
【0051】「アロマオイル」は、富士興産(株)製、
FUKKOL AROMAX #3である。「C5
脂」は、C5系石油樹脂(TONEX社製、ESCOR
EZ,1102、軟化点=94〜106℃)である。
「芳香族樹脂」は、芳香族系炭化水素樹脂(日本石油
(株)製、日石ネオポリマー100、軟化点=100
℃)である。
【0052】「6PPD」は、老化防止剤(大内新興化
学工業(株)製、N−(1,3−ジメチルブチル)−
N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)を表す。
「WAX」は、マイクロクリスタリンワックス(精工化
学(株)製)を表す。「DPG」は、加硫促進剤(住友
化学工業(株)製、ジフェニルグアニジン)を表す。
「DM」は、加硫促進剤(三新化学工業(株)製、ビス
(4−メチルジベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィ
ド)を表す。「CZ」は、加硫促進剤(大内新興化学工
業(株)製、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル
スルフェンアミド)を表す。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記諸問
題を解決することができ、タイヤトレッドに好適であ
り、サーキット走行等の高速競技車用タイヤトレッドに
特に好適であり、走行中の乾燥路面の把握力(DRYグ
リップ性)を低下させることなく、耐チャンク性、耐熱
ダレ性等の耐久性を向上させ、作業性にも優れた超高性
能のゴム組成物、及び該ゴム組成物を用い、高速競技車
用タイヤとして好適な超高性能のタイヤを提供すること
ができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン部分のビニル結合量が40重
    量%以上である共役ジエン系共重合体20〜45重量%
    と、インクレメント法で重合した乳化重合スチレン−ジ
    エン共重合体30〜50重量%とを少なくとも含むゴム
    成分100重量部と、軟化点が90〜120℃である樹
    脂4〜10重量部とを含有してなり、該ゴム成分がスチ
    レン−ブタジエン共重合体を80重量%以上含むことを
    特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ゴム成分がブタジエンゴムを20重量%
    未満含む請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 ゴム成分がスチレン−ブタジエン共重合
    体を100重量%含む請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 窒素吸着比表面積(N2SA)が140
    〜160m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油
    量が120〜150ml/100gであるカーボンブラ
    ックを更に含有する請求項1から3のいずれかに記載の
    ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 樹脂が、C5系石油樹脂及びC9系石油
    樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1から
    4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】 共役ジエン系共重合体及びスチレン−ジ
    エン共重合体が油展されている請求項1から5のいずれ
    かに記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】 油分をゴム成分100重量部に対して3
    5〜52重量部含有する請求項1から6のいずれかに記
    載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載のゴム
    組成物を用いたことを特徴とするタイヤ。
  9. 【請求項9】 競技用である請求項8に記載のタイヤ。
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