JP2002154975A - 皮膚病治療剤 - Google Patents

皮膚病治療剤

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JP2002154975A
JP2002154975A JP2001247335A JP2001247335A JP2002154975A JP 2002154975 A JP2002154975 A JP 2002154975A JP 2001247335 A JP2001247335 A JP 2001247335A JP 2001247335 A JP2001247335 A JP 2001247335A JP 2002154975 A JP2002154975 A JP 2002154975A
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Setsuo Ushigoe
設男 牛越
Kenji Ushigoe
建治 牛越
Hideo Fukuoka
秀雄 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトを含む哺乳動物において、種々の原因に
より発症する皮膚病、中でも難治性や再発性の皮膚病に
対して治療効果が高く、またステロイドホルモン剤や抗
菌剤と併用しそれ等の使用量を低減させることができる
皮膚病治療剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 リゾープス属に属する菌又はその培養物
から水抽出により得られる生理活性物質を有効成分とす
ることを特徴とする皮膚病治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトを含む哺乳動
物の皮膚病治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトを含む哺乳動物の皮膚病には、その
原因により、自己免疫性、アレルギー性、内分泌性、代
謝性、脂漏性、寄生虫性、真菌性、細菌性その他があ
り、掻痒、湿疹、潰瘍、脱毛、皮膚の変色などの症状を
伴う。これらの治療に、従来から、ステロイドホルモン
剤、抗菌剤、ビタミン剤などが用いられてきたが、必ず
しも充分な治療効果が得られず、また、一旦は治癒して
も再発を繰り返す場合がある。更に、ステロイドホルモ
ン剤の投与はしばしば重篤な副作用を伴う。
【0003】リゾープス属に属する菌又はその培養物か
ら水抽出により得られる生理活性物質は既に知られてお
り、本物質を投与した動物の精巣・卵巣のスライスやそ
のホモジネートでは、14C‐1‐酢酸からのエストロジ
ェン、プロゲステロン、テストステロン等のステロイド
ホルモン分画への14Cの取り込みが増加することが知ら
れている(牛越、外、Rhizopus Delemar 中の生理活性
物質の精製、高知医科大学一般教育紀要 第8号29-35頁
(1992年)参照)。また、特許第587284号等にその製造
方法が記載されており、上記の高知医科大学一般教育紀
要 第8号29-35頁(1992年)においては、生理活性物質
の精製と物理化学的性質が記載されている。
【0004】リゾープス属に属する菌又はその培養物か
ら水抽出により得られる生理活性物質の生物学的作用に
ついても、上記した「14C‐1‐酢酸からのステロイド
ホルモン分画への14Cの取り込み」以外に、次に示すよ
うに多数の報告がされている:脳下垂体刺激作用(特許
第587284号)、哺乳幼動物下痢症治療作用(特許第1268
566号)、動物細胞生育促進作用(特許第3029331号)、
牛・豚等における繁殖障害改善効果(家畜診療 第161
号、同第194号、畜産の研究 第31巻第10号、外)、S
OD活性維持及び過酸化脂質生成抑制作用(大阪府立大
学 第45回日本栄養学会発表)、マイトジェン作用(麻
布大学 第119回日本薬学会発表)。しかし、該生理活性
物質に関して、皮膚病に対する作用、効果は知られてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ヒトを含
む哺乳動物において種々の原因により発症する皮膚病、
中でも難治性や再発性の皮膚病に対して治療効果が高
く、またステロイドホルモン剤や抗菌剤と併用しそれ等
の使用量を低減させることができる皮膚病治療剤を提供
することを目的として、鋭意研究を重ねた結果、意外に
も、リゾープス属に属する菌又はその培養物から水抽出
により得られる生理活性物質が皮膚病に対して高い効果
を奏することを発見し、本発明をなすに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、リゾープス属
に属する菌又はその培養物から水抽出により得られる生
理活性物質を有効成分とする皮膚病治療剤であり、ま
た、リゾープス属に属する菌またはその培養物から水抽
出により得られる生理活性物質を有効成分として含有さ
せてなるステロイドホルモン剤及び/又は抗菌剤と共に
投与するための皮膚病治療剤である。本発明に関わる皮
膚病治療剤において使用される、リゾープス属に属する
菌またはその培養物から水抽出により得られる生理活性
物質として、熱水抽出画分を用いることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用される生理活性物質
を産生するリゾープス属の菌としては、リゾープス ジ
ャポニカス(微工研菌寄託申請書受理番号第3788号)、
リゾープスリグニカンス(微工研菌所有番号S.N.3
2)、リゾープス U‐1(微工研菌寄第3646号)等が挙
げられるが、その外にも、醗酵研究所から入手すること
ができる、リゾープス バタタス ナカザワ(IFO 474
4)、リゾープス チネシスサイトウ(IFO 4737)、リ
ゾープス デレマア ウェーマー(IFO 4697)、リゾ
ープス ホルモセンシス ナカザワ(IFO 4732)、リ
ゾープス ジャポニカス ブレミン(IFO 4697)、リ
ゾープス ジャバニカス タケダ(IFO 5441)、リゾ
ープス ニグリカンス エーレンベルグ(IFO 478
1)、リゾープス オリゼー ウエント エ ビンセン
‐ゲリーグス(IFO 4705)、リゾープス トンキネン
シス ブレミン(IFO 5438)等から得られる生理活性
物質にも同様の効果が認められる。
【0008】培養は、常法に従い、固体又は液体培地を
用いる好気性培養により行うことができる。培地組成は
蒸煮ふすま、大麦粉砕物、米糠、脱脂大豆、綿実粉等を
ベースとし、これに澱粉、グルコース、アラビノース、
キシロース等の糖類、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウ
ム、ペプトン、麦芽エキス、酵母エキス等の窒素源、無
機リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の無機塩
類を添加することができる。中でも好ましい培地は、ふ
すま‐大麦に水を加えた培地である。蒸気滅菌した含水
培地に種菌を植え、温度10〜42℃、好ましくは26〜28
℃、pH4〜9、好ましくは4〜7で、2〜10日間好気性
条件下で培養する。目的とする生理活性物質は菌体内に
蓄積され、一般に3〜7日の培養で最高に達する。
【0009】培養物から生理活性物質を単離するには、
水、好ましくは80〜100℃の熱水による抽出が行われ
る。例えば、培養物を粉砕し、水を加え攪拌下に加熱す
る。この際、培養物を予めメチルアルコール等の有機溶
媒で処理して脱脂してもよい。得られる水性混合物を遠
心分離に付し、抽出液を分離する。所望により、抽出液
を、エーテルなどの有機溶媒で洗浄し、有機溶媒可溶な
成分を除去してもよい。かくして得られる水性抽出液
を、容量にして約10分の1まで濃縮し、これを噴霧乾燥
に付し、目的とする粉末状の生理活性物質を得る。或い
は、水性抽出液を透析し、非透析画分を濃縮した後、例
えばアルコール沈殿法により析出させ、析出物を乾燥さ
せて目的とする生理活性物質を乾燥粉末として得る。こ
の粉末を治療用製剤のための原料として使用することが
できるが、更に、カラムクロマトグラフィー、例えば、
ゲルろ過カラム、次いでイオン交換樹脂カラムにより精
製してもよく、かくしてカラムクロマトグラフィーによ
る精製を行う前の目的物に比べて約2乃至2.5倍の生理活
性を有する目的物が得られる。
【0010】目的物である生理活性物質は、淡褐色を呈
し、やや吸湿性で、ニンヒドリン反応陽性、ビウレット
反応陽性である。
【0011】本発明で使用される生理活性物質の生物活
性は、14C‐1‐酢酸からのステロイドホルモン分画へ
14Cの取り込みを指標として表すことができる。
【0012】後記参考例3に記載の方法で得られた生理
活性物質について急性毒性(LD50)を調べたところ、
雄マウスの経口投与で15g/Kgで死亡例が無く、腹腔内
投与では8.08g/Kgであったが、これは大量投与による
物理的障害による死亡と考えられる。ラットにおいても
同様な結果が得られており、本発明で使用する生理活性
物質は毒性が極めて低いことが明らかである。
【0013】本発明の皮膚病治療剤は、経口投与、皮膚
投与或いはシャンプー剤として使用することができ、単
独投与、又はステロイド剤、抗菌剤、ビタミン剤等、他
の皮膚病治療剤と併用することができる。用量は、体
重、症状、使用方法、動物の場合はその種類により異な
るが、原料として14C‐1‐酢酸からのエストロジェン
分画への取り込み値が1単位/gの物を有効成分として
使用する場合、一日当たり、通常は、0.1〜100m
g/Kg、好ましくは、1〜50mg/Kgである。
【0014】製剤としては、経口薬の場合、常法によ
り、錠剤、顆粒剤、散剤(粉剤)、コーティング剤、糖
衣錠、カプセル剤等、或いは、シロップ等の液剤とする
ことができる。担体としては、常法に従い、乳糖、澱
粉、ブドウ糖、ショ糖、セルロース、セルロース誘導
体、脂肪酸グリセリド、水、アルコール等が用いられ、
必要に応じて、他の賦形剤、安定剤、乳化剤、結合剤、
滑沢剤等を添加することができる。
【0015】塗布薬として使用することもでき、その場
合の担体は、水性基材が好ましく、例えば、ポリビニル
アルコール、カルボキシビニルポリマー、マクロゴー
ル、白色ワセリン、ステアリルアルコール、プロピレン
グリコール等が挙げられるが、これ等に限ることなく、
種々の担体から適宜選択して使用することができる。更
に、必要に応じて、セスキオレイン酸ソルビタン、ラウ
ロマクロゴール、モノステアリン酸グリセリン等の乳化
剤、パラオキシ安息香酸エステル類等の保存剤、抗酸化
剤、安定剤等の添加剤を使用することもできる。
【0016】シャンプー製剤として使用することもで
き、その場合、市販のシャンプー剤に適量を溶解させて
使用することができる。
【0017】ステロイドホルモン剤や抗菌剤との合剤の
形で使用することもでき、常法により製剤化することが
できる。
【0018】本発明で使用する生理活性物質の製法を参
考例として示す。但し、以下に記載する方法に限定され
るものではなく、下記以外の、既に知られている方法又
はその適宜の改変方法により製造されるものも本発明に
おいて使用できる。
【0019】
【参考例1】粉砕した大麦40Kg、フスマ40Kg及び水45L
を攪拌下に混合させた後、蒸気による滅菌を、20分毎に
攪拌しながら計80分間行う。これを、1床当たり2〜3Kg
となるように分け、培地とする。1床当たり、リゾープ
ス U−1(微工研菌寄第3646号)の素種菌5〜8gを
撒き、軽く混ぜる。培養室で、室温下、湿度80%以上
で4日間培養する。培養物の保存中は、16℃に保つ。培
養物30床分を混合機に入れ、15分間攪拌し粉砕する。こ
れに水500Lを加え、加熱し30分間沸騰させる。室温にま
で冷却させ、遠心分離に付し、得られた水性抽出液を約
80℃で7時間かけて15〜20Kgまで濃縮させる。褐色を帯
びた粘稠液が得られ、これにデキストリン3〜5Kgを攪
拌下に添加し、混合させた後、噴霧乾燥に付し乾燥粉末
6〜9Kgを得る。活性の測定を、14C‐1‐酢酸からのエ
ストロジェン分画への取り込みにより行ったところ、平
均1単位/gであった。
【0020】
【参考例2】フスマ13%(重量%/以下同じ)、澱粉粕
62%及び麦根(ビール醗酵残渣)25%を混合し、全量の
50〜80%の水を加え、滅菌処理後、リゾープス ジャバ
ニカス タケダ(IFO 5441)を接種する。培養室で、室
温下、湿度80%以上で4日間培養する。得られた培養物
に100〜200倍の水を加え、80℃以下で1〜5時間抽出を行
う。抽出液を濾過し、濾液を70℃以下で減圧濃縮を行
い、水可溶性エキスを得る。この水可溶性エキスを3日
間エーテルにより連続液体抽出器で抽出を行い、エーテ
ル層を除去し、水10倍量を加えて再び濾過し、濾液を60
℃以下で減圧濃縮し、水可溶性でエーテル不溶性のエキ
スを得る。このものは黒褐色を呈し、吸湿性である。か
くして得られたエキスに水適量を加え、硫酸アンモニウ
ム塩を飽和になるまで加えて、一昼夜放置し、上澄液を
除去後、遠心分離機3000rpmにかけて沈殿物を分取す
る。この沈殿物を飽和硫酸アンモニウム溶液で3回洗浄
し、水溶性蛋白画分を得る。この水溶性蛋白画分から硫
酸アンモニウムを除去するために、流水中でアンモニア
反応が出なくなるまで透析を行う。次いで、透析膜内物
質を冷凍遠心分離機にて、0℃、10000rpmで遠心分離に
付し、沈殿部を、60℃以下で減圧下に乾燥させるか、ま
たは凍結乾燥に付して目的とする生理活性物質を得る。
収量は培養物の400分の1であった。このものは、淡褐色
を呈し、やや吸湿性である。活性の測定を、14C‐1‐
酢酸からのエストロジェン分画への取り込みにより行っ
たところ、平均5単位/gであった。
【0021】
【参考例3】フスマ5重量部、大麦粉4重量部、水6重
量部を混合し、攪拌後、100℃で1時間かけて蒸気滅菌す
る。冷却後、リゾープス デレマア ウェーマー(IFO 4
697)を接種し、培養室に入れ、24℃で4日間培養する。
培養物3gを、30mlの蒸留水に懸濁させ、60℃で30分間
振盪する。懸濁液を3500rpmで15分間遠心し、上清を苛
性ソーダ溶液でpH7.0に調整し、これにエーテルを加え
て振盪混和した後、水層を3〜5mlに減圧濃縮する。その
濃縮液をSephadex G-25(ファルマシア社製ゲル濾過カラ
ム/3X50cm)にかけ、蒸留水で溶出し、2.5mlずつをフ
ラクションコレクターで集め、夫々のフラクションにつ
いてビューレット反応をチェックし、その陽性部分を集
めて減圧濃縮する。この濃縮液を、ピリヂン:酢酸:プ
ロパノール:水(20:3:15:12 v/v)で平衡化したCM
Sephadex C-25(ファルマシア社製イオン交換樹脂カ
ラム)にかけ、同溶液で溶出した溶出液を集め、夫々の
フラクションについてタンパク質の定量をLowry法によ
り行い、その陽性部分を集めて減圧下に濃縮し、更に乾
燥させ、粉末状の生理活性物質を得た。活性の測定を、
14C‐1‐酢酸からのエストロジェン分画への取り込み
により行ったところ、平均9.4単位/gであった。
【0022】
【実施例1】参考例1の乾燥粉末30mg当たり、乳糖
60mg及び結晶セルロース106mgを加え、均等に
混和した後、水を加えて練合、造粒し、乾燥させる。こ
れにステアリン酸マグネシウム4mgを加えて混合し、
打錠して1錠200mgの錠剤とする。本剤は1錠当た
り0.03単位の活性成分を含む。
【0023】
【実施例2】参考例2の乾燥粉末6mg当たり、マンニ
トール100mg、乳糖100mg及びコーンスターチ
294mgを加え、均等に混和した後、水を加えて練合
し、次いで押出し造粒し、乾燥させ、整粒して顆粒剤と
する。本剤は、500mg当たり0.03単位の活性成
分を含む。
【0024】
【実施例3】市販のシャンプー剤に、参考例3で得られ
た粉末0.1gを溶解させ、総量を100gとし、活性
成分0.94単位を含むシャンプー製剤を得る。
【0025】以下に、本発明の皮膚病治療剤による治療
例を記載し、その効果を明らかにする。
【0026】
【使用例1】雑種の雄犬(7年4月齢、体重19.6Kg)に、
腹部の皮膚の黒色変色と掻痒が見られ、背中から下腹部
にかけてリングワームが多く見られた。真菌による皮膚
病と診断され、抗真菌剤の内服と外用剤の投与及びヨー
ド系シャンプー剤による週2回のシャンプー処置を3年間
継続した。症状は、一時的に改善されるが、完治はせ
ず、再発を繰り返し、また、夏季になると悪化した。こ
の段階で、抗真菌剤による処置と共に、実施例1の錠剤
を1日1回3錠服用させた。約1月で症状の改善が見られ、
2月経過時点で外見上の症状は見られなくなった。そこ
で、抗真菌剤の投与を止め、実施例1の錠剤を1日1回3錠
服用させることを継続した。月1〜2回の抗真菌剤シャン
プーによる処置を併用しているが、10月間経過して(そ
の間に夏季を含む)再発は見られない。
【0027】
【使用例2】ウェスティー種の雄犬(4年齢、体重9.0/
Kg)が、アレルギー性及び真菌感染による皮膚病と診断
され、ステロイドホルモン剤及び抗真菌剤、抗生物質の
内服による処置を行った。約1月で症状に改善が見られ
るが、投薬を中止すると再発した。従来の処置に加え
て、実施例1の錠剤を1日1回、2錠ずつ投与し、約1月
で症状が改善した。その後、実施例1の錠剤を1日1回、
2錠ずつ投与するのみで、再発は見られない。
【0028】
【使用例3】ヨーキー種の雌犬(8年齢、体重2.8K
g)の四肢に炎症と色素沈着が見られ、皮膚の肥厚も所
見された。アレルギー性皮膚病と診断され、実施例1の
錠剤を1日1錠投与した。約2月で症状が改善され、投
薬を中止した。
【0029】
【使用例4】ポメラニアン・シェルティ混血種の雄犬
が、11年7月齢(体重7Kg)でアレルギー性及び内分泌性
と思われる背部皮膚炎を発症し、脱毛と掻痒が見られ
た。抗菌剤及びプレドニゾロンの投与と併用して、実施
例1の錠剤を1日1錠投与し、実施例3のシャンプー製
剤による処置を月1回行った。約6月で明らかな増毛が
所見され、痒みも消失した。その後、実施例1の錠剤を
1日1錠投与すると共に、実施例3のシャンプー製剤に
よる処置を月1回行っているが、再発は見られない。
【0030】
【使用例5】柴種の雌犬(避妊処置済み、5年齢、体重
10Kg)に、全身の痒みを伴う脂漏性の症状が認められ、
アレルギー様症状と考えられた。プレドニゾロン及び抗
ヒスタミン剤を投与し、約3年4月経過したが完治までに
は至らなかった。従来の処置に加えて、実施例1の錠剤
を1日2錠投与したところ、約8月経過して、症状は徐
々に改善される方向にある。プレドニゾロンの使用量を
2分の1に減らしたが、改善傾向は続いている。それま
で続いていた皮膚炎に特有の体臭も消失した。本例に見
られるごとく、本発明の治療剤の併用は、ステロイドホ
ルモン剤の長期投与が必要な難治性のアレルギー性皮膚
炎において、ステロイドホルモン剤の使用量を少なく
し、副作用を回避しながら治療することが可能となる。
【0031】
【使用例6】ダックス種の雄犬(20年齢、体重4.4Kg)
が、アレルギー性、内分泌性及び細菌性の複合型と見ら
れる皮膚病症状を呈し、脱毛も激しかった。加齢に加え
て甲状腺機能の低下も見られた。抗生剤、抗ヒスタミン
剤及びビタミンB1、B6、B12の投与を1年3月継続した
が、目立った症状の改善は見られなかった。その後、従
来の処置に加えて、実施例1の錠剤を1日4錠投与したと
ころ、約8月経過して、顕著な増毛が所見され、皮膚病
症状も改善された。
【0032】
【使用例7】ポメラニアン種の雄犬が、4年4月齢(当
時の体重2.6Kg)で内分泌性と思われる皮膚病を発症
し、背部に脱毛と皮膚の変色(黒色化)が見られた。実
施例1の錠剤を1錠ずつ1日1回投与したところ、約1
00日経過して、脱毛、皮膚の変色が発症前の状態に戻
り、体臭、落屑も改善された。
【0033】
【使用例8】マルチーズ種、8年齢の雄犬(体重3.3K
g)に発赤と掻痒が見られた。顕微鏡による検査で疥癬
が確認され、寄生虫性の皮膚炎と診断された。ステロイ
ドホルモン、抗菌剤及び抗ヒスタミン剤の投与を2ヶ月
行ったが、全身の脱毛が進んだため、併せて、ガンマー
リノレン酸17.5mgを1日1回投与すると共に、実
施例1の錠剤を1日1錠投与した。1月経過時点で発毛
が顕著に見られ、全体症状の改善も見られた。
【0034】
【使用例9】シーズ種、5年齢の雄犬(体重6.0Kg)
に、痒みと外耳炎治療を目的として、セファレキシンと
プレドニゾロンの投与を3年間継続してきた。一時は症
状が改善されるが、投与を中止すると症状が悪化し、再
発を繰り返すと共に、甲状腺機能の低下も見られるに至
った。そこで、上記治療に加えて、実施例1の錠剤1錠
を1日2回処方したところ、1月で症状の改善が見ら
れ、その後、ステロイド剤の使用を2分の1〜3分の1
に減らしても症状は安定し、体臭、落屑、脂漏症等の症
状も改善した。
【0035】
【発明の効果】本発明の、リゾープス属に属する菌又は
その培養物から水抽出により得られる生理活性物質を有
効成分とする皮膚病治療剤は、種々の原因に由来する皮
膚病に対し治療乃至改善効果がある。本発明の皮膚病治
療剤を併用することによりステロイドホルモン剤の使用
量を2分の1乃至3分の1に減らすことができ、ステロ
イドホルモン剤の長期投与による副作用を軽減すること
ができる。
【0036】犬において効果が確認され、ヒトを含む哺
乳動物においてその効果が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福岡 秀雄 神奈川県相模原市淵野辺1−17−71、麻布 大学内 Fターム(参考) 4C084 AA19 MA02 MA16 MA35 MA41 MA43 NA14 ZA891 ZA892 ZB351 ZB352 4C086 AA02 DA08 MA02 MA04 NA14 ZA89 ZB35 4C087 AA02 BC02 MA02 NA14 ZA89

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リゾープス属に属する菌又はその培養物
    から水抽出により得られる生理活性物質を有効成分とす
    ることを特徴とする皮膚病治療剤。
  2. 【請求項2】 リゾープス属に属する菌またはその培養
    物から水抽出により得られる生理活性物質を有効成分と
    して含有することを特徴とする、ステロイドホルモン剤
    及び/又は抗菌剤と共に投与するための皮膚病治療剤。
  3. 【請求項3】 リゾープス属に属する菌またはその培養
    物から水抽出により得られる生理活性物質が、熱水抽出
    画分であるであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の皮膚病治療剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020174582A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 国立大学法人鳥取大学 抗炎症活性を有するシソ科植物の葉の発酵物

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JP2020174582A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 国立大学法人鳥取大学 抗炎症活性を有するシソ科植物の葉の発酵物

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