JP2002151365A - キャパシタモジュール及びその製造方法 - Google Patents

キャパシタモジュール及びその製造方法

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JP2002151365A
JP2002151365A JP2000344080A JP2000344080A JP2002151365A JP 2002151365 A JP2002151365 A JP 2002151365A JP 2000344080 A JP2000344080 A JP 2000344080A JP 2000344080 A JP2000344080 A JP 2000344080A JP 2002151365 A JP2002151365 A JP 2002151365A
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cell
cells
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manufacturing
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JP2000344080A
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Naotsuyo Okada
直剛 岡田
Yasuhisa Sakurai
靖久 桜井
Hiroyuki Katsukawa
裕幸 勝川
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極端子−接続部材間の初期接触抵抗値が低
く、かつ、その状態を継続的に維持することができ、ま
た、電解液の劣化がないキャパシタモジュールを、低コ
ストで簡便に製造することが可能なキャパシタモジュー
ルの製造方法を提供する。 【解決手段】 キャパシタセル4を構成単位とし、複数
個のキャパシタセル4を接続部材6により電気的に接続
し、集積化するキャパシタモジュール1の製造方法であ
る。キャパシタセル4の集積化前の状態において、塑性
変形が可能な板状の接続部材6を各キャパシタセル4の
電極端子2に溶接することにより、複数個のキャパシタ
セル4を電気的に接続し、次いで、接続部材4を折曲若
しくは湾曲せしめることによりキャパシタセル4を集積
化し、キャパシタモジュール1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、炭素材料を主成
分とする分極性電極を電解液に浸漬させた構造を有する
電気化学キャパシタに関し、詳しくは当該電気化学キャ
パシタの一構成単位であるキャパシタセルが、複数個、
電気的に接続され、集積化された構造を有するキャパシ
タモジュール、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 電気化学キャパシタ(以下、「キャパ
シタ」という。)は、ファラッド級の大容量を有し、充
放電サイクル特性にも優れることから、電子機器のバッ
クアップ電源や自動車を始めとした各種輸送機のバッテ
リーとして用いられる他、エネルギーの有効利用の観点
から、夜間電力の貯蔵という用途での使用も検討されて
いる。
【0003】 キャパシタの基本構造である単電極セル
10は、図2に示すように、電気絶縁性のセパレータ2
8、セパレータ28により電気的に隔離された、炭素材
料を主成分とする、少なくとも1対の分極性電極24,
26、及び分極性電極24,26の各々と電極端子とを
連絡する、金属材料からなる集電体20,22の各部材
を有している。これらの部材は溶媒と電解質とからなる
電解液に浸漬された状態でパッケージ内に密封収容して
用いられる。単電極セル10のような平板型構造は、高
充填、大面積化が容易であるという特徴を有する。
【0004】 また、図3に示す積層型セル12は、図
2に示した単電極セル10を一構成単位とし、集電体2
0,22の一部である電極取り出し部30,32を介し
て電気的に並列接続した構造を有しており、これらを一
体として電解液に浸漬しパッケージ内に密封収容して用
いる。このような積層型構造は、高容量化に適した構造
であり、自動車用等の比較的容量の大きい用途に好適に
用いることができる。
【0005】 一方、上述の平板型構造や積層型構造に
対して、図4に示すような捲回型構造のセルも提案され
ている。捲回型セル70は、集電体20に正極側の分極
性電極24を形成した正極シート72と、集電体22に
負極側の分極性電極26を形成した負極シート74と、
両者の間に介在する電気絶縁性のセパレータ28とを円
筒状に捲回してなる捲回体76を電解液に浸漬しケース
78と封口板82とからなるパッケージ内に密封収容し
て用いる。このような捲回型構造も、積層型構造と同様
に高容量化に適した構造である。
【0006】 既述の単電極セル10、積層型セル1
2、捲回型セル70をはじめとするキャパシタセル(本
明細書においては、分極性電極等のキャパシタ構成部材
がパッケージされた状態のものを意味する。)は、用途
ごとに異なる電圧仕様に対応するため、複数個のキャパ
シタセルを接続部材により電気的に接続し、集積化した
キャパシタモジュールの形で用いられることが一般的で
ある。
【0007】 従来は、例えばブスバーと称する剛直な
棒状体を接続部材とし、キャパシタセルの集積化した状
態、即ち、各キャパシタセルが最密に配置された状態に
おいて、前記ブスバーを各キャパシタセルの電極端子
に、ボルトにより締結し或いは溶接する方法により、キ
ャパシタセルをモジュール化していた。しかしながら、
いずれの方法も接続部材が剛直であるため、キャパシタ
セルを集積化後にボルト締結や溶接の作業を行う必要が
あり、作業性が悪いという難点があった。
【0008】 更に、ボルトによる締結では当該締結部
の接触抵抗値が0.2mΩ以上と高いことに加え、継続
的な使用により締結が弛むおそれも大きいという問題も
あった。一方、溶接の場合には、ブスバーが剛直な棒状
体であるが故に、各キャパシタセルが最密に配置された
状態における溶接作業は極めて困難であり、また、溶接
時のセル温度の上昇に伴って電解液が劣化するという不
具合も指摘されていた。
【0009】 上記ブスバーを用いる方法の他、ボルト
による締結が可能な接続板を両端部に設けた平編線(以
下、単に「平編線」と記す。)を各キャパシタセルの電
極端子にボルトで締結する方法によりキャパシタセルを
モジュール化する方法も実施されている。
【0010】 平編線は形状の自由度が大きいため、上
記方法とは異なり、各キャパシタ間を接続した後に集積
化することが可能であり接続作業は容易であるものの、
ボルトによる締結を用いる以上、締結部の接触抵抗値が
高いという問題については解消されていない。更に、平
編線は一般に高価であるため、製造コストの面において
も問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】 以上説明したよう
に、従来は、電極端子−接続部材間の初期接触抵抗値が
低く、かつ、その状態を継続的に維持することができ、
また、電解液の劣化がないモジュールを、低コストで簡
便に製造することが可能なモジュールの製造方法が存在
せず、そのようなモジュールの製造方法が切望されてい
る。
【0012】 本発明は、上記のような従来技術の問題
点に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、電極端子−接続部材間の初期接触抵抗値が低く、
かつ、その状態を継続的に維持することができ、また、
電解液の劣化がないモジュールを、低コストで簡便に製
造することが可能なモジュールの製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】 本発明者は鋭意検討し
た結果、塑性変形が可能な板状の接続部材を各キャパシ
タセルの電極端子に溶接することにより、複数個のキャ
パシタセルを電気的に接続し、次いで、接続部材を折曲
若しくは湾曲せしめることによりキャパシタセルを集積
化し、モジュールとすることにより、上述した従来技術
の問題点を解決できることを見出して、本発明を完成す
るに至った。
【0014】 即ち、本発明によれば、電気絶縁性のセ
パレータ、当該セパレータにより電気的に隔離された、
炭素材料を主成分とする、少なくとも1対の分極性電
極、及び当該分極性電極の各々と電極端子とを連絡す
る、金属材料からなる集電体、の各部材と、当該各部材
を浸漬させるための電解液と、当該電解液及び前記各部
材を密封収容するためのパッケージとを備えたキャパシ
タセルを構成単位とし、複数個のキャパシタセルを接続
部材により電気的に接続し、集積化するキャパシタモジ
ュールの製造方法であって、キャパシタセルの集積化前
の状態において、塑性変形が可能な板状の接続部材を各
キャパシタセルの電極端子に溶接することにより、複数
個のキャパシタセルを電気的に接続し、次いで、前記接
続部材を折曲若しくは湾曲せしめることによりキャパシ
タセルを集積化し、キャパシタモジュールとすることを
特徴とするキャパシタモジュールの製造方法が提供され
る。
【0015】 本発明の製造方法においては、焼きなま
し軟化材からなる板状体を各キャパシタセルの電極端子
に溶接することにより、複数個のキャパシタセルを電気
的に接続することが好ましく、接続部材を各キャパシタ
セルの電極端子に超音波溶接することが好ましく、電極
端子のうち、外部回路に接続するための端子部のみを外
部空間に露出させ、前記端子部以外の部分についてはパ
ッケージ内面に被着させたキャパシタセルを、複数個、
電気的に接続し、集積化することが好ましい。
【0016】 本発明によれば、電気絶縁性のセパレー
タ、当該セパレータにより電気的に隔離された、炭素材
料を主成分とする、少なくとも1対の分極性電極、及び
当該分極性電極の各々と電極端子とを連絡する、金属材
料からなる集電体、の各部材と、当該各部材を浸漬させ
るための電解液と、当該電解液及び前記各部材を密封収
容するためのパッケージとを備えたキャパシタセルを構
成単位とし、複数個のキャパシタセルが接続部材により
電気的に接続され、集積化された構造を有するキャパシ
タモジュールであって、前記接続部材が、各キャパシタ
セルの電極端子に溶接された、塑性変形が可能な板状体
であり、かつ、前記接続部材が、折曲若しくは湾曲され
た状態でキャパシタセルが集積化されていることを特徴
とするキャパシタモジュールが提供される。
【0017】 本発明のキャパシタモジュールは、接続
部材が、焼きなまし軟化材からなる板状体であることが
好ましく、キャパシタセルが、電極端子のうち、外部回
路に接続するための端子部のみを外部空間に露出させ、
前記端子部以外の部分についてはパッケージ内面に被着
させたものであることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】 本発明のキャパシタモジュール
(以下、単に「モジュール」と記す。)の製造方法は、
塑性変形が可能な板状の接続部材を各キャパシタセル
(以下、単に「セル」と記す。)の電極端子に溶接する
ことにより、複数個のセルを電気的に接続し、次いで、
接続部材を折曲若しくは湾曲せしめることによりセルを
集積化し、モジュールとすることを特徴とする。本発明
の製造方法によれば、電極端子−接続部材間の初期接触
抵抗値が低く、かつ、その状態を継続的に維持すること
ができ、また、電解液の劣化がないモジュールを、低コ
ストで簡便に製造することが可能となる。以下、一般的
なモジュールの製造方法について概説した上で、本発明
のモジュールの製造方法について詳細に説明する。
【0019】(1)一般的なモジュールの製造方法 一般に、モジュールは、単電極セル、積層型セル、捲回
型セル等のセルを構成単位とし、複数個のセルを接続部
材により電気的に接続し、集積化することにより製造さ
れる。
【0020】 セルを電気的に接続する際には、各セル
のパッケージから外部に露出している電極端子を接続部
材により結線する。図2に示す単電極セル10や図3に
示す積層型セル12の場合には、集電体20,22の一
部である電極取り出し部30,32と連絡する、図示さ
れない電極端子と他のセルの電極端子とを接続すればよ
い。
【0021】 セル間を電気的に接続する部材である接
続部材としては、当然に電気伝導性を有する材質が用い
られ、エネルギーのロスを低減するために電気伝導性が
高い(即ち、電気抵抗が小さい)材質で構成することが
好ましい。具体的には金属、特にCu,Al,Ag,A
u若しくはこれらを含む合金等が挙げられる。
【0022】 セルの接続個数は、用途ごとの電圧仕様
により異なるが、10〜20個程度の接続個数とするこ
とが一般的である。
【0023】 接続部材により電気的に接続された複数
個のセルは集積化することによりモジュールとする。本
明細書において「集積化」というときは、モジュールと
して使用する場合と同様に各セルを最密に配置する操作
を意味する。例えば図5に示すように扁平なセル42で
あれば、各セルの幅広な面42a同士が一致するように
並列した状態が本明細書にいう「集積化」にあたる。
【0024】(2)本発明のモジュールの製造方法 本発明の製造方法は、以上に説明した一般的なモジュー
ルの製造方法を前提とするが、セルの集積化前の状態
において、塑性変形が可能な板状の接続部材を各セルの
電極端子に溶接することにより、複数個のセルを電気的
に接続する工程(以下、「第1工程」と記す。)及び、
接続部材を折曲若しくは湾曲せしめることによりセル
を集積化する工程(以下、「第2工程」と記す。)を備
えた点に特徴がある。
【0025】第1工程 本発明において、セルの集積化前の状態において電気的
な接続を行うのは、セルが集積化、即ち最密に配置され
た状態では、スペースが狭いため接続作業が煩雑かつ困
難となるからである。例えば、図1(a)に示すよう
に、セル4が扁平である場合には、セル4の幅広な面が
同一面上に位置するように並列した状態として接続作業
を行うことにより、接続部近傍の空間が広く確保され、
接続作業が極めて容易なものとなる。
【0026】 また、本発明においては、電極端子と接
続部材との接続は溶接により行う。電極端子−接続部材
間の接触抵抗値を0.02〜0.03mΩ程度と低く抑
えることができることに加え、継続的な使用により締結
が弛むおそれもないからである。ボルトとナットによる
締結と比較して工数及び部品点数が少なくて済み、モジ
ュールの製造コストの低廉化を図れる点においても好ま
しい。
【0027】 なお、溶接方法としては、溶接部のみを
局部加熱することが可能な冶金的接合法のうち圧接、具
体的には超音波溶接を用いることが好ましい。アーク溶
接に代表される融接は接続部を加熱し、融合させる方法
であり、溶接時にセル全体の温度が上昇するため、しか
るべき装置にて十分な冷却を行わない限り電解液が劣化
するおそれがあるからである。
【0028】第2工程 本発明においては、セルを集積化するために接続部材を
折曲若しくは湾曲せしめること、例えば図6に示すよう
にモジュール47上方から見た接続部材46の形状がU
字型(図6(a))、V字型(図6(b))、コの字型
(図6(c))とすることが必要となるため、塑性変形
が可能な板状の接続部材46を各セルの電極端子48,
49に溶接する。塑性変形が可能な板状体であれば、手
加工、機械加工等の塑性加工により、容易に折曲若しく
は湾曲せしめることが可能だからである。
【0029】 本明細書にいう「塑性変形が可能」と
は、機械加工で折曲若しくは湾曲できる程度の塑性を有
していれば足りるが、手加工でも容易に折曲若しくは湾
曲せしめることが可能な柔軟性を有していることが好ま
しい。
【0030】 具体的には、「焼きなまし軟化材(一般
に「O材」と称される。)」を好適に用いることができ
る。O材は、製出後、完全に軟化焼きなまし処理を施し
た金属材であり、他の調質を施した金属材と比較して塑
性加工性に優れるため本発明の接続部材として好適に用
いることができる。
【0031】 接続作業が容易な状態において電気的な
接続を行い、かつ、容易にセルを集積化できる接続部材
としては、リード線のような線状の部材も考えられる。
しかしながら、板状体と同一の断面積を確保しようとす
ると線状部材の外径が大きくなってしまい、折曲や湾曲
が困難となる点において好ましくない。また、従前用い
られていたブスバーのような剛直な棒状体も本発明の製
造方法を適用することは困難である。
【0032】 以上説明したように、本発明のモジュー
ルに使用する接続部材は、電気伝導性を有する材質であ
ること、塑性変形が可能な板状であることが必要である
が、更には電極端子と同材質で構成されていることが好
ましい。電極端子との溶接性が向上するからである。こ
の板状の接続部材は、より柔軟性をもたせるため、薄い
アルミ箔(例えば厚さ数100μm程度)を積層したも
のであってもよい。また、イオン化傾向が異なる材質を
溶接した場合、水分の存在により溶接部が電触されるお
それがある点において好ましくない。通常は、電気伝導
度及び耐蝕性に優れる高純度のAl等で電極端子を構成
するため、接続部材もこれと同材質で構成することが好
ましい。
【0033】(3)本発明の製造方法を適用可能なセル 本発明においては、モジュール化するセルの構造につい
ては特に限定されず、既述の単電極セル、積層型セル、
捲回型セルのような、セパレータ、少なくとも1対の分
極性電極、集電体の各部材が電解液に浸漬された状態で
パッケージ内に密封収容されている構造の各種のセルを
用いることができる。
【0034】 分極性電極となる炭素材料としては活性
炭が一般的であり、分極性電極用の活性炭が市販されて
いる。この炭素材料を主材料として有機バインダやカー
ボンブラック等の導電剤を添加した後、混合、混練等
し、板状やシート状といった種々の形状に加工すること
により分極性電極が作製される。
【0035】 電解液の溶質、即ち電解質としては、テ
トラエチルアンモニウム(TEA+)、テトラブチルア
ンモニウム(TBA+)、トリエチルメチルアンモニウ
ム(TEMA+)をはじめとする4級アンモニウムの4
フッ化ホウ酸(BF4 -)塩又は6フッ化リン酸(P
6 -)塩、或いはテトラエチルホスホニウム(TE
+)等の4級ホスホニウムのBF4塩又はPF6塩を用
いることが好ましい。
【0036】 また、電解液の溶媒としては、プロピレ
ンカーボネート(PC)、γ−ブチルラクトン(GB
L)、エチレンカーボネート(EC)、スルホラン(S
L)の少なくとも1種を含むものが好適に用いられる。
【0037】 セパレータは、電気絶縁性の材質からな
る多孔質板状体、例えばポリテトラフルオロエチレンか
らなる厚さ0.02〜0.2mm程度の多孔質板状体が
好適に用いられる。また、集電体としては、金属材料か
らなる板状体、例えばAlからなる厚さ0.02〜0.
05mm程度の板状体を用いることが一般的である。
【0038】 セル形状についても特に限定されず、捲
回型セルのようにケースと封口板という剛性のある材料
で構成したパッケージ内に分極性電極等を収容したセル
に対しても適用できるが、図7に示すように電極端子
2,3のうち、外部回路に接続するための端子部2a,
3aのみを外部空間に露出させ、端子部2a,3a以外
の部分についてはパッケージ5内面に被着させたセル4
を用いることが好ましい。
【0039】 かかる構造においては、接続部材の溶接
を局所加熱が可能な超音波溶接により行うことが好まし
い。アーク溶接に代表される融接では、溶接時にセル全
体の温度が上昇するため電解液が劣化する場合があるこ
とに加え、前記構造においては熱融着フィルムが溶解
し、セルの気密性が低下するおそれがあるからである。
【0040】
【実施例】 以下、本発明の製造方法について、実施例
を用いて更に詳細に説明する。但し、本発明は以下の実
施例に限定されるものではない。
【0041】 本実施例においては、モジュール化する
セルとして、図7に示すような、電極端子2,3のう
ち、外部回路に接続するための端子部2a,3aのみを
外部空間に露出させ、端子部2a,3a以外の部分につ
いてはパッケージ5内面に被着させたセル4を選択し
た。積層型セル12の集電板の一部である電極取り出し
部と電極端子は2,3は超音波溶接により接続した。
【0042】 セル4のパッケージングは以下の通りに
行った。まず、電極端子2,3と接続された積層型セル
12及び電解液を、パッケージ5内に挿入した。その
後、電極端子2,3をパッケージ5の所定の位置に内在
させたまま熱融着することにより、パッケージ5と電極
端子2,3とを被着させた。
【0043】 このように積層型セル12、電極端子
2,3及び電解液をパッケージ5内にシール(密封)し
た後、電極端子2,3の端子部2a,3aのアルミラミ
ネートフィルムを取り除くことにより、図7に示すよう
なセル4を製造した。
【0044】 本実施例においては、図1に示すように
10個のセル4を接続部材6,7により電気的に接続
し、集積化してモジュール1とした。まず、図1(a)
に示すように、セル4の幅広な面が同一面上に位置する
ように並列した状態(即ち、セルの集積化前の状態)に
おいて、接続部材6,7となる幅30mm×長さ80m
m×厚さ2mmのAlからなる焼きなまし軟化材を、各
セルの電極端子2,3に超音波溶接により接続した。
【0045】 次いで、図1(b)に示すように、接続
部材6,7を手加工で湾曲させ、モジュール1上方から
見た接続部材6,7の形状をU字型とし、各セルの幅広
な面同士が略一致するように並列した状態(即ち、集積
化)とし、モジュール1とした。
【0046】
【発明の効果】 以上説明した通り、本発明のモジュー
ルの製造方法は、塑性変形が可能な板状の接続部材を各
セルの電極端子に溶接することにより、複数個のセルを
電気的に接続し、次いで、接続部材を折曲若しくは湾曲
せしめることによりセルを集積化し、モジュールとする
ので、電極端子−接続部材間の初期接触抵抗値が低く、
かつ、その状態を継続的に維持することができ、また、
電解液の劣化がないモジュールを、低コストで簡便に製
造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のキャパシタモジュールの製造方法を
示す概略説明図であって、(a)は正面図、(b)は上
面図である。
【図2】 単電極セルの構造の一例を示す概略斜視図で
ある。
【図3】 積層型セルの構造の一例を示す概略斜視図で
ある。
【図4】 捲回型セルの構造の一例を示す概略斜視図で
ある。
【図5】 キャパシタセルの集積化状態の一例を示す概
略斜視図である。
【図6】 (a)〜(c)は、接続部材の折曲、湾曲状
態の例を示す概略説明図であって、キャパシタモジュー
ルの上側から見た図である。
【図7】 本発明のキャパシタモジュールの製造方法に
使用するキャパシタセルの一例を示す概略斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…キャパシタモジュール、2,3…電極端子(2a,
3a…端子部)、4…キャパシタセル、5…パッケー
ジ、6,7…接続部材、10…単電極セル、12…積層
型セル、20,22…集電体、24,26…分極性電
極、28…セパレータ、30,32…電極取り出し部、
41…モジュール、42…扁平なセル(42a…幅広な
面)、43…接続部材、45…セル、46…接続部材、
47…モジュール、48,49…電極端子、70…捲回
型セル、72…正極シート、74…負極シート、76…
捲回体、78…ケース、80…電極端子、82…封口
板。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性のセパレータ、当該セパレー
    タにより電気的に隔離された、炭素材料を主成分とす
    る、少なくとも1対の分極性電極、及び当該分極性電極
    の各々と電極端子とを連絡する、金属材料からなる集電
    体、の各部材と、当該各部材を浸漬させるための電解液
    と、当該電解液及び前記各部材を密封収容するためのパ
    ッケージとを備えたキャパシタセルを構成単位とし、複
    数個のキャパシタセルを接続部材により電気的に接続
    し、集積化するキャパシタモジュールの製造方法であっ
    て、 キャパシタセルの集積化前の状態において、塑性変形が
    可能な板状の接続部材を各キャパシタセルの電極端子に
    溶接することにより、複数個のキャパシタセルを電気的
    に接続し、 次いで、前記接続部材を折曲若しくは湾曲せしめること
    によりキャパシタセルを集積化し、キャパシタモジュー
    ルとすることを特徴とするキャパシタモジュールの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 焼きなまし軟化材からなる板状体を各キ
    ャパシタセルの電極端子に溶接することにより、複数個
    のキャパシタセルを電気的に接続する請求項1に記載の
    キャパシタモジュールの製造方法。
  3. 【請求項3】 接続部材を各キャパシタセルの電極端子
    に超音波溶接する請求項1又は2に記載のキャパシタモ
    ジュールの製造方法。
  4. 【請求項4】 電極端子のうち、外部回路に接続するた
    めの端子部のみを外部空間に露出させ、前記端子部以外
    の部分についてはパッケージ内面に被着させたキャパシ
    タセルを、複数個、電気的に接続し、集積化する請求項
    1〜3のいずれか一項に記載のキャパシタモジュールの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 電気絶縁性のセパレータ、当該セパレー
    タにより電気的に隔離された、炭素材料を主成分とす
    る、少なくとも1対の分極性電極、及び当該分極性電極
    の各々と電極端子とを連絡する、金属材料からなる集電
    体、の各部材と、当該各部材を浸漬させるための電解液
    と、当該電解液及び前記各部材を密封収容するためのパ
    ッケージとを備えたキャパシタセルを構成単位とし、複
    数個のキャパシタセルが接続部材により電気的に接続さ
    れ、集積化された構造を有するキャパシタモジュールで
    あって、 前記接続部材が、各キャパシタセルの電極端子に溶接さ
    れた、塑性変形が可能な板状体であり、かつ、前記接続
    部材が、折曲若しくは湾曲された状態でキャパシタセル
    が集積化されていることを特徴とするキャパシタモジュ
    ール。
  6. 【請求項6】 接続部材が、焼きなまし軟化材からなる
    板状体である請求項5に記載のキャパシタモジュール。
  7. 【請求項7】 キャパシタセルが、電極端子のうち、外
    部回路に接続するための端子部のみを外部空間に露出さ
    せ、前記端子部以外の部分についてはパッケージ内面に
    被着させたものである請求項5又は6に記載のキャパシ
    タモジュール。
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